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特開2024-130561車載無線通信装置及び車載無線通信方法
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  • 特開-車載無線通信装置及び車載無線通信方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130561
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】車載無線通信装置及び車載無線通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/021 20180101AFI20240920BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240920BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240920BHJP
   H04W 12/12 20210101ALI20240920BHJP
   H04W 12/64 20210101ALI20240920BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20240920BHJP
   H04W 64/00 20090101ALN20240920BHJP
【FI】
H04W4/021
E05B49/00 K
H04W84/12
H04W12/12
H04W12/64
H04W4/40
H04W64/00 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040375
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】岩城 孝広
【テーマコード(参考)】
2E250
5K067
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250DD06
2E250FF23
2E250FF36
2E250HH01
5K067AA30
5K067AA35
5K067BB21
5K067BB41
5K067DD20
5K067DD41
5K067HH22
5K067JJ54
(57)【要約】
【課題】車両に搭載される無線通信装置であって、簡易な構成で車外での使用を制限することが可能な車載無線通信装置を提供する。
【解決手段】車載無線通信装置100は、電源装置と、無線LANアンテナと、無線LANモジュールと、制御部110と、を備える。制御部110は、電源情報に基づいてアクセサリー電源がオンであるか否かを判定する電源情報判定部111を有する。また、車載無線通信装置100は、スマートキーに関するキー情報を取得するキー情報取得部112を有する。また、車載無線通信装置100は、スマートキーの位置情報に基づいて、スマートキーが車室内にあるか否かを判定するキー位置判定部113を有する。さらに、車載無線通信装置100は、アクセサリー電源がオンであると判定され、スマートキーが車室内にあると判定された場合に、無線LANアンテナからの無線LANアクセスポイントを有効にする通信機能制御部114を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両で利用される無線LAN接続を構成するための車載無線通信装置であって、
アクセサリー電源の情報を取得する電源装置と、
車室内で利用される無線LANアクセスポイントを提供する無線LANアンテナと、
前記無線LANアンテナを制御する無線LANモジュールと、
前記電源装置及び前記無線LANモジュールと接続された制御部と、を備え、
制御部は、
前記電源装置から取得した電源情報に基づいて、前記アクセサリー電源がオンであるか否かを判定する電源情報判定部と、
車内通信線を介して、前記車両で使用されるスマートキーに関するキー情報を取得するキー情報取得部と、
前記キー情報に含まれる前記スマートキーの位置情報に基づいて、前記スマートキーが前記車室内にあるか否かを判定するキー位置判定部と、
前記電源情報判定部で前記アクセサリー電源がオンであると判定され、前記キー位置判定部で、前記スマートキーが前記車室内にあると判定された場合に、前記無線LANモジュールを介して、前記無線LANアンテナからの無線LANアクセスポイントを有効にする通信機能制御部と、
を有する車載無線通信装置。
【請求項2】
携帯電話通信網と接続するためのTELアンテナと、
前記TELアンテナを制御するTELモジュールと、をさらに備える請求項1に記載の車載無線通信装置。
【請求項3】
コンピュータによって実行される車載無線通信方法であって、
電源装置から取得したアクセサリー電源の電源情報に基づいて、前記アクセサリー電源がオンであるか否かを判定し、
車内通信線を介して、車両で使用されるスマートキーに関するキー情報を取得し、
前記キー情報に含まれる前記スマートキーの位置情報に基づいて、前記スマートキーが車室内にあるか否かを判定し、
前記アクセサリー電源がオンであると判定され、前記スマートキーが前記車室内にあると判定された場合に、無線LANモジュールを介して、無線LANアンテナからの無線LANアクセスポイントを有効にする、車載無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載無線通信装置及び車載無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に無線通信システムを搭載して車両向け無線LAN接続サービスを提供するテレマティクスシステムが提案されている。特許文献1には、移動体に配置可能な無線通信装置が開示されている。特許文献1に開示された無線通信装置は、無線通信装置の位置情報に基づいて、無線通信装置が車外に持ち出されていると判定された場合に、無線通信装置の使用を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-072984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された無線通信装置は、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムにより、無線通信装置の位置情報を取得し、車外に持ち出されていると判定された場合に使用が抑制される。そのため、使用中の無線通信装置に対し、位置情報が正確に取得されなかった場合には、無線通信装置は、そのまま使用することが可能となる。すなわち、特許文献1で開示された無線通信装置は、車外に持ち出された場合であっても、位置情報が正確に取得されない場合には、車外での不正使用が可能となる。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、車両に搭載される無線通信装置であって、簡易な構成で車外での使用を制限することが可能な車載無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る車載無線通信装置は、車両で利用される無線LAN接続を構成するための車載無線通信装置であって、アクセサリー電源の情報を取得する電源装置と、車室内で利用される無線LANアクセスポイントを提供する無線LANアンテナと、無線LANアンテナを制御する無線LANモジュールと、電源装置及び無線LANモジュールと接続された制御部と、を備え、制御部は、電源装置から取得した電源情報に基づいて、アクセサリー電源がオンであるか否かを判定する電源情報判定部と、車内通信線を介して、車両で使用されるスマートキーに関するキー情報を取得するキー情報取得部と、キー情報に含まれるスマートキーの位置情報に基づいて、スマートキーが車室内にあるか否かを判定するキー位置判定部と、電源情報判定部でアクセサリー電源がオンであると判定され、キー位置判定部で、スマートキーが車室内にあると判定された場合に、無線LANモジュールを介して、無線LANアンテナからの無線LANアクセスポイントを有効にする通信機能制御部と、を有する。
【0007】
本発明の他の態様に係る車載無線通信方法は、コンピュータによって実行される車載無線通信方法であって、電源装置から取得したアクセサリー電源の電源情報に基づいて、アクセサリー電源がオンであるか否かを判定し、車内通信線を介して、車両で使用されるスマートキーに関するキー情報を取得し、キー情報に含まれるスマートキーの位置情報に基づいて、スマートキーが車室内にあるか否かを判定し、アクセサリー電源がオンであると判定され、スマートキーが車室内にあると判定された場合に、無線LANモジュールを介して、無線LANアンテナからの無線LANアクセスポイントを有効にする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両に搭載される無線通信装置であって、簡易な構成で車外での使用を制限することが可能な車載無線通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る車載無線通信装置が搭載された車両について説明するための図である。
図2】本実施形態に係る車載無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る車載無線通信装置の機能的構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る車載無線通信装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本実施形態に係る車載無線通信装置100について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0011】
図1は、本実施形態に係る車載無線通信装置100が設けられた車両10について説明するための図である。車両10は、車両10で利用される無線LAN接続を可能とする車載無線通信装置100を備える。また、車載無線通信装置100は、TELアンテナ135(Telematicsアンテナ)及びTELモジュール130(Telematicsモジュール)を含んでおり(図2参照)、基地局20を介して、携帯電話通信網によりインターネット回線に接続する。また、このTELアンテナ135及びTELモジュール130は、4G、5G等の携帯電話通信に対応する。
【0012】
本実施形態に係る車載無線通信装置100は、上述の通り、車両10で利用される無線LAN接続を可能とするものである。一般的な、車両10に設けられた無線LAN機能を備える装置は、車両10から取り外され、車外の家や他の場所で無線LAN接続を利用される場合がある。一方で、車両10に設けられた無線LAN機能を備える装置の提供においては、車内での利用を前提としたものであり、車外での使用を想定していない。従って、本実施形態に係る車載無線通信装置100は、車両10に搭載される装置であって、簡易な構成で車外での使用を制限することを可能にするものである。
【0013】
図2は、本実施形態に係る車載無線通信装置100の概要構成を示すブロック図である。図2に示すように、車載無線通信装置100は、制御部110と、電源装置120と、TELモジュール130と、TELアンテナ135と、無線LANモジュール140と、無線LANアンテナ145と、を含んで構成される。
【0014】
制御部110は、車載無線通信装置100の全体を制御する。制御部110は、例えば、一般的なマイクロコンピュータによって構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、車載無線通信装置100で必要とされる様々な機能を実現する。
【0015】
また、制御部110は、TELモジュール130及び無線LANモジュール140と接続され、TELモジュール130及び無線LANモジュール140を介して、TELアンテナ135及び無線LANアンテナ145の設定を行う。
【0016】
また、制御部110は、有線のCAN200(Controller Area Network)を介して、車両10のECU(Electronic Control Unit)(図示なし)と接続され、ECUからの情報を取得する。本実施形態において、CAN200は、車内通信線に相当する。制御部110がECUから取得する情報には、スマートキーの位置情報が含まれる。なお、スマートキーの位置情報の取得は、スマートキーが発する電波を車内のセンサーによって検知する一般的なスマートキーシステムで実現される。また、制御部110は、電源装置120と接続され、電源装置120からの各電源の状態を取得する。
【0017】
電源装置120は、バッテリー電源線、アクセサリー電源線(ACC電源線)及びGND線を介して、バッテリー電源、アクセサリー電源(ACC電源)、及びGNDと接続される。バッテリー電源は、例えば車両10における12Vのバッテリー電源で構成され、常時電源として用いられる。
【0018】
アクセサリー電源(ACC電源)は、エンジンが停止中でも、キーをONに入れたとき使用できる電装品に用いられる電源である。例えば、車載ラジオなどの電装品は、このアクセサリー電源からの電力の供給により動作する。すなわち、アクセサリー電源は、車の走行に直接影響のない電装品等であって、あまり電力を必要としないものに対して用いられる。
【0019】
無線LANアンテナ145は、車室内で利用される無線LANアクセスポイントを提供するために用いられる。また、無線LANモジュール140は、制御部110からの制御指示に基づいて無線LANアンテナ145を設定するために用いられる。
【0020】
本実施形態において、無線LANアンテナ145と無線LANモジュール140は、例えば、Wi-Fi(登録商標)(2.4GHz帯、5GHz帯)、Bluetooth(登録商標)(2.4GHz帯)の無線通信規格に対応する。
【0021】
また、本実施形態において車載無線通信装置100は、上述の通り、TELアンテナ135及びTELモジュール130を備える。これにより、車室内のユーザーは無線LANアンテナ145で提供される無線LANアクセスポイントを介し、さらに、TELアンテナ135により、インターネット等の車室外との通信が可能となる。
【0022】
(車載無線通信装置100の機能的構成)
図3は、本実施形態に係る車載無線通信装置100の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、車載無線通信装置100は、電源情報判定部111と、キー情報取得部112と、キー位置判定部113と、通信機能制御部114と、を機能として備える。
【0023】
電源情報判定部111は、電源装置120から取得した電源情報に基づいて、アクセサリー電源がオンであるか否かを判定する。
【0024】
キー情報取得部112は、車内通信線(CAN200)を介して、車両10で使用されるスマートキーに関するキー情報を取得する。なお、キー情報取得部112で取得するスマートキーに関するキー情報には、スマートキーの位置情報が含まれる。また、本実施形態において、スマートキーの位置情報の取得は、スマートキーが発する電波を車内のセンサーによって検知する一般的なスマートキーシステムで実現される。
【0025】
キー位置判定部113は、キー情報取得部112で取得したスマートキーの情報に基づいて、スマートキーの位置を判定する。具体的には、キー位置判定部113は、スマートキーが車室内にあるか車室外にあるかを判定する。
【0026】
通信機能制御部114は、キー位置情報及び電源情報に基づいて、無線LAN機能を制御する。具体的には、通信機能制御部114は、電源情報判定部111でアクセサリー電源がオンであると判定され、キー位置判定部113で、スマートキーが車室内にあると判定された場合に、無線LAN機能をオンにする。すなわち、通信機能制御部114は、無線LANモジュール140を介して、無線LANアンテナ145からの無線LANアクセスポイントを有効にするように、無線LANモジュール140に対して、無線LAN機能をオンにするように制御指示を送る。
【0027】
(車載無線通信装置100の処理フローの概略)
次に、図4に示すフローチャートを用いて車載無線通信装置100における処理の流れを示す。図4のフローチャートに示す車載無線通信装置100の一連の動作は、車載無線通信装置100が起動されると開始され、車載無線通信装置100の終了により処理を終了する。また、図4に示すフローチャートは、電源オフや処理終了の割り込みによっても処理は終了する。また、以下のフローチャートの説明において、上述の車載無線通信装置100の説明で記載した内容と同じ内容については、省略又は簡略化して説明する。
【0028】
ステップS401において、電源情報判定部111は、アクセサリー電源がオンであるか否かを判定する。ステップS401において、電源情報判定部111は、アクセサリー電源がオンであると判定した場合(ステップS401:YES)には、処理は、ステップS402に進む。一方で、ステップS401において、電源情報判定部111は、アクセサリー電源がオフであると判定した場合(ステップS401:NO)には、処理は、ステップS401に戻り、ステップS401の処理を繰り返し実施する。すなわち、ステップS401においては、アクセサリー電源がオンになるまでステップS401の処理が繰り返し実施される。
【0029】
ステップS402において、キー情報取得部112は、スマートキーの情報を取得する。ステップS402におけるキー情報取得部112によるスマートキーの情報の取得は、CAN200を介して行われる。なお、キー情報取得部112で取得するスマートキーに関するキー情報には、スマートキーの位置情報が含まれる。また、本実施形態において、スマートキーの位置情報の取得は、スマートキーが発する電波を車内のセンサーによって検知する一般的なスマートキーシステムで実現される。その後、処理は、ステップS403に進む。
【0030】
ステップS403において、キー位置判定部113は、キー情報取得部112で取得したスマートキーの情報に基づいて、スマートキーが車室内にあるか否かを判定する。ステップS403において、キー位置判定部113は、スマートキーが車室内にあると判定した場合(ステップS403:YES)には、処理は、ステップS404に進む。一方で、ステップS403において、キー位置判定部113は、スマートキーが車室内にないと判定した場合(ステップS403:NO)には、処理は、ステップS402に戻り、ステップS402からの処理が繰り返し実施される。
【0031】
ステップS404において、通信機能制御部114は、無線LAN機能をオンにする。通信機能制御部114は、ステップS401において電源情報判定部111が、アクセサリー電源がオンであると判定し、ステップS403においてキー位置判定部113が、スマートキーが車室内にあると判定した場合に、無線LAN機能をオンにする。また、通信機能制御部114は、無線LANモジュール140を介して、無線LANアンテナ145からの無線LANアクセスポイントを有効にするように、無線LANモジュール140に対して、無線LAN機能をオンにするように制御指示を送る。
【0032】
上述の通り、本実施形態に係る車載無線通信装置100は、車両10で利用される無線LAN接続を構成するための車載無線通信装置100である。車載無線通信装置100は、アクセサリー電源の情報を取得する電源装置120と、車室内で利用される無線LANアクセスポイントを提供する無線LANアンテナ145と、を備える。また、車載無線通信装置100は、無線LANアンテナ145を制御する無線LANモジュール140と、電源装置120及び無線LANモジュール140と接続された制御部110と、を備える。制御部110は、電源装置120から取得した電源情報に基づいて、アクセサリー電源がオンであるか否かを判定する電源情報判定部111を有する。また、制御部110は、車内通信線を介して、車両10で使用されるスマートキーに関するキー情報を取得するキー情報取得部112を有する。また、制御部110は、キー情報に含まれるスマートキーの位置情報に基づいて、スマートキーが車室内にあるか否かを判定するキー位置判定部113を有する。さらに、制御部110は、通信機能制御部114を有する。通信機能制御部114は、無線LANモジュール140を介して、無線LANアンテナ145からの無線LANアクセスポイントを有効にする。なお、通信機能制御部114は、電源情報判定部111でアクセサリー電源がオンであると判定され、キー位置判定部113で、スマートキーが車室内にあると判定された場合に、無線LANアクセスポイントを有効にする。
【0033】
これにより、車載無線通信装置100は、車両10で使用されるスマートキーが車室内にあり、アクセサリー電源がオンの場合に、無線LAN機能を有効にする。すなわち、車載無線通信装置100は、スマートキーが車室内に無い場合、又はアクセサリー電源がオフの場合には、無線LAN機能を有効にしない。よって、車載無線通信装置100は、GPS等を設け、このGPS等によって車載無線通信装置100が車室内にあるか否かを判定する必要はなく、簡易な構成で車外での使用を制限することが可能となる。
【0034】
また、本実施形態に係る車載無線通信装置100は、携帯電話通信網と接続するためのTELアンテナ135と、TELアンテナ135を制御するTELモジュール130と、をさらに備えてもよい。これにより、車載無線通信装置100は、利用するユーザーに対して、車室内における無線LAN接続による通信サービスに加え、車室外との通信を実現する通信サービスを提供することが可能となる。
【0035】
(他の実施形態)
実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明したが、以上の実施形態に記載した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0036】
また、上述した車載無線通信装置100における処理(車載無線通信方法)をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム(車載無線通信プログラム)、及びそのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、本実施形態の範囲に含まれる。ここで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体の種類は任意である。また、上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0037】
以下に、車載無線通信装置100及び車載無線通信方法の特徴について記載する。
【0038】
第1の態様に係る車載無線通信装置100は、車両10で利用される無線LAN接続を構成するための車載無線通信装置100である。車載無線通信装置100は、アクセサリー電源の情報を取得する電源装置120と、車室内で利用される無線LANアクセスポイントを提供する無線LANアンテナ145と、を備える。また、車載無線通信装置100は、無線LANアンテナ145を制御する無線LANモジュール140と、電源装置120及び無線LANモジュール140と接続された制御部110と、を備える。制御部110は、電源装置120から取得した電源情報に基づいて、アクセサリー電源がオンであるか否かを判定する電源情報判定部111を有する。また、制御部110は、車内通信線を介して、車両10で使用されるスマートキーに関するキー情報を取得するキー情報取得部112を有する。また、制御部110は、キー情報に含まれるスマートキーの位置情報に基づいて、スマートキーが車室内にあるか否かを判定するキー位置判定部113を有する。さらに、制御部110は、通信機能制御部114を有する。通信機能制御部114は、無線LANモジュール140を介して、無線LANアンテナ145からの無線LANアクセスポイントを有効にする。なお、通信機能制御部114は、電源情報判定部111でアクセサリー電源がオンであると判定され、キー位置判定部113で、スマートキーが車室内にあると判定された場合に、無線LANアクセスポイントを有効にする。
【0039】
上記構成によれば、車載無線通信装置100は、車両10で使用されるスマートキーが車室内にあり、アクセサリー電源がオンの場合に、無線LAN機能を有効にする。すなわち、車載無線通信装置100は、スマートキーが車室内に無い場合、又はアクセサリー電源がオフの場合には、無線LAN機能を有効にしない。これにより、車載無線通信装置100は、GPS等を設け、このGPS等によって車載無線通信装置100が車室内にあるか否かを判定する必要はなく、簡易な構成で車外での使用を制限することが可能となる。
【0040】
第2の態様に係る車載無線通信装置100は、携帯電話通信網と接続するためのTELアンテナ135と、TELアンテナ135を制御するTELモジュール130と、をさらに備えてもよい。
【0041】
上記構成によれば、これにより、車載無線通信装置100は、利用するユーザーに対して、車室内における無線LAN接続による通信サービスに加え、車室外との通信を実現する通信サービスを提供することが可能となる。
【0042】
第3の態様に係る車載無線通信方法は、コンピュータによって実行される車載無線通信方法である。車載無線通信方法は、電源装置120から取得したアクセサリー電源の電源情報に基づいて、アクセサリー電源がオンであるか否かを判定する。また、車載無線通信方法は、車内通信線を介して、車両10で使用されるスマートキーに関するキー情報を取得する。また、車載無線通信方法は、キー情報に含まれるスマートキーの位置情報に基づいて、スマートキーが車室内にあるか否かを判定する。さらに、車載無線通信方法は、アクセサリー電源がオンであると判定され、スマートキーが車室内にあると判定された場合に、無線LANモジュールを介して、無線LANアンテナからの無線LANアクセスポイントを有効にする。
【0043】
上記構成によれば、車載無線通信方法は、車両10で使用されるスマートキーが車室内にあり、アクセサリー電源がオンの場合に、無線LAN機能を有効にする。すなわち、車載無線通信方法は、スマートキーが車室内に無い場合、又はアクセサリー電源がオフの場合には、無線LAN機能を有効にしない。これにより、車載無線通信方法は、GPS等を設け、このGPS等によって車載無線通信装置100が車室内にあるか否かを判定する必要はなく、簡易な構成で車外での使用を制限することが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
10 車両
20 基地局
100 車載無線通信装置
110 制御部
111 電源情報判定部
112 キー情報取得部
113 キー位置判定部
114 通信機能制御部
120 電源装置
130 TELモジュール
135 TELアンテナ
140 無線LANモジュール
145 無線LANアンテナ
200 CAN
図1
図2
図3
図4