(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130565
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/17 20060101AFI20240920BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B41J2/17 203
B41J2/175 503
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040380
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】中田 聡
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 寛治
(72)【発明者】
【氏名】田中 当成
(72)【発明者】
【氏名】穴田 洋一
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA22
2C056FA10
2C056JC13
2C056KB13
2C056KC02
(57)【要約】
【課題】廃液収容体と液体供給管との接触によって液体供給管に不具合が生じてしまうことを抑制することができる印刷装置を提供すること。
【解決手段】搬送部と、印刷ヘッドと、キャリッジと、液体収容体接続部と、液体供給管と、廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、廃液収容体と液体供給管との接触を抑制する接触抑制部材と、を備える印刷装置であって、保持部は、搬送経路より上方、且つ、キャリッジの移動経路よりも搬送方向における下流において、印刷装置内の領域のうち、廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、キャリッジの移動経路とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、液体供給管は、搬送方向から見た場合、廃液収容体領域と重なっており、廃液収容体領域は、液体供給管と離間しており、排出部は、保持部に対して相対的に移動可能に設けられている、印刷装置。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
前記印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、
前記印刷媒体の搬送経路の上方において、前記搬送方向と交差する走査方向に向かって前記印刷ヘッドを前後に移動させるキャリッジと、
前記印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される液体収容体接続部と、
前記液体収容体接続部に接続され、前記液体収容体接続部を介して前記液体収容体から前記印刷ヘッドへ前記液体を供給する液体供給管と、
前記印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、
前記廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、
を備える印刷装置であって、
前記保持部は、前記搬送経路より上方、且つ、前記キャリッジの移動経路よりも前記搬送方向の下流において、前記印刷装置内の領域のうち、前記保持部に保持された前記廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、前記移動経路の一部とが、前記搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、
前記液体供給管の一部は、重力方向から見た場合において、前記移動経路と前記廃液収容体領域との間に位置し、且つ、前記搬送方向から見た場合において、前記廃液収容体領域と重なっており、
前記廃液収容体領域は、前記液体供給管と離間しており、
前記排出部は、前記保持部に設けられており、且つ、前記排出部が前記廃液収容体に前記廃液を排出する位置として予め決められた第3位置と、前記排出部が前記廃液収容体に前記廃液を排出しない位置として予め決められた第4位置との間で移動可能である、
印刷装置。
【請求項2】
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、
前記保持部は、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受ける位置として予め決められた第1位置と、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受けない位置として予め決められた第2位置との間で移動可能に前記廃液収容体を保持し、
前記第1位置における前記廃液収容体と前記液体供給管との間の距離は、前記第2位置における前記廃液収容体と前記液体供給管との間の距離以上であり、
前記廃液収容体が有する面のうち前記搬送方向の面には、前記廃液収容体から前記搬送方向に突出する突出部が設けられており、
前記孔は、上方に向かって前記突出部の上面に開口しており、
前記ノズルは、重力方向に延伸しており、
前記排出口は、前記排出部が前記第3位置に位置する場合、前記第1位置に位置する前記廃液収容体の前記孔の上方に位置する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、
前記ノズルは、前記排出部が前記第4位置から前記第3位置へ移動した場合、前記保持部により保持された前記廃液収容体の前記孔と接続する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記排出部を前記第4位置から前記第3位置へ移動させる操作を受け付ける操作部と、
前記操作部により受け付けられた前記操作に応じて前記排出部を前記第4位置から前記第3位置へ移動させる移動機構と、
を備える請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、
前記孔は、前記廃液収容体が有する面のうち前記搬送方向の面に形成されており、
前記第3位置は、前記第4位置よりも前記搬送方向の上流に位置する、
請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、
前記孔は、前記廃液収容体が有する面のうち前記走査方向の面に形成されており、
前記第3位置は、前記第4位置よりも前記走査方向の上流に位置する、
請求項4に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記操作部は、前記排出部よりも上方に設けられる、
請求項4に記載の印刷装置。
【請求項8】
上方に開口する筐体と、
前記筐体の開口を上方から開閉可能に覆うカバーと、
を備え、
前記操作部は、前記カバーであり、
前記移動機構は、前記カバーの動きに応じて、前記排出部を前記第4位置から前記第3位置へ移動させる、
請求項4に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記移動機構は、前記筐体の開口を前記カバーによって閉じる過程において、上方から前記排出部に接触するガイド面を有し、
前記ガイド面は、下方への移動に応じて前記排出部を前記第4位置から前記第3位置に向かってガイドする、
請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、
前記孔は、前記廃液収容体の上面に形成されている、
請求項4に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記移動機構は、予め決められた回動軸周りに回動し、前記回動軸と直交する方向に向かって前記回動軸から延伸する第1部材を有し、
前記排出部は、前記第1部材が有する端部のうち前記回転軸と反対の端部に設けられており、
前記回動軸は、前記搬送方向及び前記走査方向を含む仮想的な面と平行であり、前記第1部材を前記廃液収容体に向かって回動させた場合において、前記ノズルを前記孔に接続させることが可能な位置に設けられ、
前記操作部は、前記第1部材である、
請求項10に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記回転軸は、前記搬送方向と平行であり、
前記搬送方向において、前記移動機構の両端は、前記廃液収容体の両端の内側に含まれている、
請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記回転軸は、前記搬送方向から見た場合、前記孔よりも上方に位置している、
請求項11に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記キャリッジは、前記廃液収容体を交換する場合、前記キャリッジが位置する位置として予め決められたキャリッジ待機位置に位置し、
前記キャリッジ待機位置は、前記搬送方向から見た場合、前記保持部よりも、前記移動経路の前記走査方向の第1端部に近い位置である、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、
前記保持部は、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受ける位置として予め決められた第1位置と、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受けない位置として予め決められた第2位置との間で移動可能に前記廃液収容体を保持し、
前記第1位置における前記廃液収容体と前記液体供給管との間の距離は、前記第2位置における前記廃液収容体と前記液体供給管との間の距離以上であり、
前記ノズルは、前記廃液収容体が前記第2位置に位置する場合、前記操作部が操作を受け付けることにより、前記保持部に保持された前記廃液収容体の前記孔に接続される、
請求項4に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記孔は、重力方向から見た場合、前記廃液収容体の内部に収容されている吸収部材と重なる位置に形成されている、
請求項15に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記孔は、重力方向から見た場合、前記廃液収容体の内部に収容されている吸収部材と重ならない位置に形成されている、
請求項15に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記第2位置は、前記搬送方向において前記第1位置よりも上流に位置している、
請求項15に記載の印刷装置。
【請求項19】
前記第2位置は、前記走査方向において前記第1位置よりも上流又は下流に位置している、
請求項15に記載の印刷装置。
【請求項20】
前記廃液収容体が有する面のうち前記搬送方向の面には、前記搬送方向に突出する突出部が設けられており、
前記孔は、上方に向かって前記突出部の上面に開口しており、
前記ノズルは、前記排出部が前記第3位置に位置する場合、前記第1位置に位置する前記廃液収容体の前記孔と接続する、
請求項15に記載の印刷装置。
【請求項21】
前記突出部は、前記廃液収容体の前記搬送方向の面から突出している状態と、前記廃液収容体の内部に収容されている状態とを切り替え可能に設けられており、
前記孔は、前記廃液収容体が有する面のうち前記搬送方向の面から前記突出部が突出している状態において、上方に向かって前記突出部の上面に開口している、
請求項20に記載の印刷装置。
【請求項22】
前記廃液収容体は、前記廃液収容体を前記保持部へ保持させる過程において、前記突出部の状態を、前記廃液収容体の内部に収容されている状態から、前記廃液収容体の前記搬送方向の面から突出している状態へ切り替える機構を有する、
請求項21に記載の印刷装置。
【請求項23】
前記保持部は、予め決められた位置において前記廃液収容体を保持する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項24】
前記廃液収容体を備える、
請求項1から23のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷媒体に画像を印刷する印刷装置についての研究、開発が行われている。
【0003】
これに関し、印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、搬送方向に搬送される印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、印刷媒体の搬送経路の上方において、搬送方向と交差する走査方向に向かって印刷ヘッドを前後に移動させるキャリッジと、印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される液体収容体接続部と、液体収容体接続部に接続され、液体収容体接続部を介して液体収容体から印刷ヘッドへ液体を供給する液体供給管と、印刷ヘッドから排出される廃液を収容する廃液収容体とを保持する保持部と、廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部とを備えた印刷装置であって、保持部は、搬送経路より上方、且つ、キャリッジの移動経路よりも搬送方向の下流において、印刷装置内の領域のうち、保持部に保持された廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、当該移動経路の一部とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、液体供給管の一部は、重力方向から見た場合において、当該移動経路と廃液収容体領域との間に位置し、且つ、搬送方向から見た場合において、廃液収容体領域と重なっている印刷装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載の印刷装置は、印刷装置への廃液収容体の取り付け、取り外し等において、廃液収容体と液体供給管との接触が発生してしまうことがあった。これは、液体供給管に不具合を生じさせてしまうことがあり、望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本開示の一態様は、印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、前記印刷媒体の搬送経路の上方において、前記搬送方向と交差する走査方向に向かって前記印刷ヘッドを前後に移動させるキャリッジと、前記印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される液体収容体接続部と、前記液体収容体接続部に接続され、前記液体収容体接続部を介して前記液体収容体から前記印刷ヘッドへ前記液体を供給する液体供給管と、前記印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、前記廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、を備える印刷装置であって、前記保持部は、前記搬送経路より上方、且つ、前記キャリッジの移動経路よりも前記搬送方向の下流において、前記印刷装置内の領域のうち、前記保持部に保持された前記廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、前記移動経路の一部とが、前記搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、前記液体供給管の一部は、重力方向から見た場合において、前記移動経路と前記廃液収容体領域との間に位置し、且つ、前記搬送方向から見た場合において、前記廃液収容体領域と重なっており、前記廃液収容体領域は、前記液体供給管と離間しており、前記排出部は、前記保持部に設けられており、且つ、前記排出部が前記廃液収容体に前記廃液を排出する位置として予め決められた第3位置と、前記排出部が前記廃液収容体に前記廃液を排出しない位置として予め決められた第4位置との間で移動可能である、印刷装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る印刷装置1の外観の一例を示す斜視図である。
【
図2】印刷装置1に取り付けられた状態の廃液収容体WFBの外観の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示した印刷装置1のカバーCVが筐体BXに対して開かれている様子の一例を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示した印刷装置1における筐体BX内の構成を示す上面図である。
【
図5】
図1に示した印刷装置1内の構成を示す断面図である。
【
図6】
図1に示した印刷装置1が備える印刷ヘッドHDの周辺の構成の一例を示す斜視図である。
【
図7】実施形態に係る排出部OMの構成の一例を示す図である。
【
図8】廃液収容体WFBを上方から下方に向かって保持部HLDに挿入する直前の廃液収容体WFBの様子の一例を示す側面図である。
【
図9】
図8に示した廃液収容体WFB及び排出部OMそれぞれの斜視図である。
【
図10】廃液収容体WFBが第2位置に位置している様子の一例を示す側面図である。
【
図11】
図10に示した廃液収容体WFB及び排出部OMそれぞれの斜視図である。
【
図12】廃液収容体WFBが第1位置に位置している様子の一例を示す側面図である。
【
図13】
図12に示した廃液収容体WFB及び排出部OMそれぞれの斜視図である。
【
図14】第1位置よりも走査方向の下流に位置している第2位置に廃液収容体WFBが位置している様子の一例を示す図である。
【
図15】廃液収容体WFBの構成の他の例を示す側面図である。
【
図16】実施形態の変形例1に係る排出部OMの一例を示す側面図である。
【
図17】
図16に示した廃液収容体WFBとノズルNZとが接続している様子の一例を示す側面図である。
【
図18】実施形態の変形例2に係る排出部OMの一例を示す側面図である。
【
図19】
図18に示した排出部OMのノズルNZ1が孔HL1と接続し、且つ、ノズルNZ2が孔HL2と接続している様子の一例を示す斜視図である。
【
図20】排出部OM及び廃液収容体WFBとともに、操作部OPRとして機能するカバーCVの一例を示す側面図である。
【
図21】上面に孔HL1及び孔HL2が形成されている場合の廃液収容体WFBの一例を示す斜視図である。
【
図22】第1部材ENの回動によって孔HL1とノズルNZ1が接続し、且つ、孔HL2とノズルNZ2が接続している様子の一例を示す図である。
【
図23】走査方向の面に孔HL1及び孔HL2が形成されている場合の廃液収容体WFBの一例を示す前面図である。
【
図24】接触抑制部材WLとして機能する部位を有する保護部材PFの一例を示す図である。
【
図25】保持部HLD上において第1位置に位置する廃液収容体WFBの様子の一例を示す上面図である。
【
図26】第2位置よりも搬送方向と反対の方向の位置において廃液収容体WFBが保護部材PFと接触している様子の一例を示す上面図である。
【
図27】接触抑制部材WLとして機能する隔壁WL2を印刷装置1が備えている場合の保持部HLDの一例を示す側面図である。
【
図28】保持部HLDと一体に構成された隔壁WL2の構成の一例を示す斜視図である。
【
図29】隔壁WL2が液体供給管TBと接触している様子の一例を示す側面図である。
【
図30】被当接部SHT1を備えた廃液収容体WFBの構成の一例を示す前面図である。
【
図31】被当接部SHT1が孔開放位置に位置し、廃液収容体WFBに形成された孔HL1及び孔HL2の両方が見えている様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
<実施形態に係る印刷装置の概要>
まず、実施形態に係る印刷装置の概要について説明する。
【0010】
実施形態に係る印刷装置は、搬送部と、印刷ヘッドと、キャリッジと、液体収容体接続部と、液体供給管と、保持部と、排出部を備える。搬送部は、印刷媒体を搬送方向に搬送する。印刷ヘッドは、印刷媒体に画像を印刷する。キャリッジは、印刷媒体の搬送経路の上方において、搬送方向と交差する走査方向に向かって印刷ヘッドを前後に移動させる。液体収容体接続部は、印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される。液体供給管は、液体収容体接続部に接続され、液体収容体接続部を介して液体収容体から印刷ヘッドへ液体を供給する。保持部は、印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する。排出部は、廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する。また、保持部は、搬送経路より上方、且つ、キャリッジの移動経路よりも搬送方向の下流において、印刷装置内の領域のうち、保持部に保持された廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、移動経路の一部とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置される。また、液体供給管の一部は、重力方向から見た場合において、当該移動経路と廃液収容体領域との間に位置し、且つ、搬送方向から見た場合において、廃液収容体領域と重なっている。また、排出部の少なくとも一部は、搬送方向から見た場合において廃液収容体領域と重なっており、且つ、走査方向から見た場合において廃液収容体領域よりも搬送方向の下流に位置する。また、廃液収容体領域は、液体供給管と離間している。また、ノズルは、重力方向に向かって延伸している。そして、排出口は、重力方向のノズルの先端に形成されている。これにより、当該印刷装置は、ノズルが搬送方向と平行に延びている場合と比較して、液体供給管と廃液収容体との間の距離を広くすることができる。その結果、当該印刷装置は、廃液収容体と液体供給管との接触によって液体供給管に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0011】
以下では、実施形態に係る印刷装置の構成について詳しく説明する。
【0012】
<実施形態に係る印刷装置の構成>
以下、実施形態に係る印刷装置の構成について、印刷装置1を例に挙げて説明する。なお、以下では、説明の便宜上、印刷装置1のユーザーを、単にユーザーと称して説明する。
【0013】
図1は、実施形態に係る印刷装置1の外観の一例を示す斜視図である。
【0014】
ここで、三次元座標系TCは、三次元座標系TCが描かれた図における方向を示す三次元直交座標系である。以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるX軸を、単にX軸と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるY軸を、単にY軸と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるZ軸を、単にZ軸と称して説明する。また、以下では、一例として、Z軸の負方向が重力方向と一致している場合について説明する。このため、以下では、説明の便宜上、Z軸の正方向を上方向又は単に上と称し、Z軸の負方向を下方向又は単に下と称して説明する。
【0015】
また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうちX軸の正方向側の面を印刷装置1の前面と称して説明し、印刷装置1が有する面のうちX軸の負方向側の面を印刷装置1の後面と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうちY軸の正方向側の面を印刷装置1の右面と称して説明し、印刷装置1が有する面のうちY軸の負方向側の面を印刷装置1の左面と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうちZ軸の正方向側の面を印刷装置1の上面と称して説明し、印刷装置1が有する面のうちZ軸の負方向側の面を印刷装置1の下面と称して説明する。また、以下では、一例として、印刷装置1が印刷媒体を搬送する搬送方向が、X軸の正方向と一致している場合について説明する。また、以下では、ある方向に向かって印刷装置1を見た場合のことを、当該方向から見た場合と称して説明する。
【0016】
印刷装置1は、印刷媒体に画像を印刷する。印刷媒体は、例えば、印刷用紙、シール台紙等のシート状の媒体であれば、如何なる媒体であってもよい。
【0017】
印刷装置1の外形は、筐体BXと、カバーCVと、入力受付部TPによって構成される。すなわち、印刷装置1は、筐体BXと、カバーCVと、入力受付部TPを備える。なお、印刷装置1は、筐体BXと、カバーCVと、入力受付部TPとに加えて、印刷装置1の外形を構成する部材として他の部材を備える構成であってもよい。
【0018】
筐体BXは、印刷装置1の筐体である。筐体BXの形状は、全体として略直方体形状である。筐体BXは、上方に開口している。筐体BXは、印刷装置1が備える部材のうち、外形を構成する部材以外の部材を収容する。
【0019】
また、筐体BXには、印刷媒体排出口POHが形成されている。印刷媒体排出口POHは、筐体BXに形成された開口のうち、画像が印刷された後の印刷媒体が排出される開口のことである。
図1に示した例では、筐体BXは、印刷媒体排出口POHを前方から開閉可能に覆うカバーを備えている。そして、
図1では、印刷媒体排出口POHは、当該カバーによって閉じられている。このため、
図1では、印刷媒体排出口POHは、当該カバーの背後に隠れている。
【0020】
カバーCVは、筐体BXの開口を上方から開閉可能に覆う部材である。このため、カバーCVは、印刷装置1の外表面のうち、印刷装置1の上面を構成する部材である。
【0021】
入力受付部TPは、印刷装置1が各種の操作を受け付ける入力装置である。入力受付部TPは、例えば、タッチパッドとディスプレイとが一体に構成されたタッチパネルである。なお、入力受付部TPは、タッチパネルに代えて、又は、タッチパネルに加えて、当該各種の操作を受け付けるハードウェアキーを含む構成であってもよい。当該ハードウェアキーは、例えば、ボタン、レバー等であるが、これらに限られるわけではない。
【0022】
図1に示した例では、入力受付部TPは、カバーCVに設けられている。このため、入力受付部TPは、カバーCVの開閉に応じて、筐体BXに対してカバーCVとともに相対的に動く。
図1に示した例では、カバーCVが筐体BXに対して閉じられている場合、入力受付部TPは、印刷装置1の前面のうちの右上方の面を構成する。
【0023】
また、印刷装置1は、インクジェット式のプリンターである。このため、印刷装置1には、1以上の液体収容体と、廃液収容体WFBとのそれぞれが取り付けられる。なお、印刷装置1は、1以上の液体収容体のうちの一部又は全部を備えない構成であってもよく、1以上の液体収容体のうちの一部又は全部を備える構成であってもよい。また、印刷装置1は、廃液収容体WFBを備えない構成であってもよく、廃液収容体WFBを備える構成であってもよい。
【0024】
1以上の液体収容体は、印刷装置1が印刷媒体に画像を印刷するために吐出する液体を収容する部材である。当該液体は、例えば、インクである。そこで、以下では、説明の便宜上、当該液体をインクと称して説明する。当該液体がインクである場合、1以上の液体収容体のそれぞれは、例えば、インクカートリッジであるが、インクを収容可能な他の部材であってもよい。なお、当該液体は、インクに代えて、印刷装置1が印刷媒体に画像を印刷するために用いることが可能な他の液体であってもよい。
【0025】
ここで、印刷装置1がモノクロ印刷機である場合、印刷装置1には、ブラックのインクを収容する1以上の液体収容体が取り付けられる。また、印刷装置1がカラー印刷機である場合、印刷装置1には、例えば、ブラックのインクを収容する1以上の液体収容体に加えて、シアンのインクを収容する1以上の液体収容体、マゼンダのインクを収容する1以上の液体収容体、イエローのインクを収容する1以上の液体収容体のそれぞれが取り付けられる。以下では、一例として、印刷装置1が、カラー印刷機である場合について説明する。
図1に示した例では、印刷装置1には、6個の液体収容体が取り付けられている。以下では、説明の便宜上、これら6個の液体収容体のそれぞれを、液体収容体CT1、液体収容体CT2、液体収容体CT3、液体収容体CT4、液体収容体CT5、液体収容体CT6と称して説明する。また、以下では、一例として、液体収容体CT1~液体収容体CT3のそれぞれが、ブラックのインクを収容するインクカートリッジである場合について説明する。また、以下では、一例として、液体収容体CT4が、シアンのインクを収容するインクカートリッジである場合について説明する。また、以下では、一例として、液体収容体CT5が、マゼンダのインクを収容するインクカートリッジである場合について説明する。また、以下では、一例として、液体収容体CT4が、イエローのインクを収容するインクカートリッジである場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、これら6個の液体収容体を区別する必要がない限り、まとめて液体収容体CTと称して説明する。
【0026】
廃液収容体WFBは、廃液を収用する部材である。廃液は、例えば、印刷装置1による印刷において印刷媒体に付着せずに印刷装置1内に付着したインク、印刷装置1が備える印刷ヘッドのメンテナンスによって排出されるインク等のことであるが、これらに限られるわけではない。なお、印刷装置1内へのインクの付着は、例えば、フチ無し印刷等によって生じる。また、当該メンテナンスによって排出されるインクは、印刷装置1が備える印刷ヘッドのフラッシングに用いられたインク、当該印刷ヘッドから吸引されたインク等のことであるが、これらに限られるわけではない。なお、
図1では、図が煩雑になるのを防ぐため、廃液収容体WFBを、直方体形状の物体として示している。
【0027】
図2は、印刷装置1に取り付けられた状態の廃液収容体WFBの外観の一例を示す斜視図である。ただし、
図2では、廃液収容体WFBの外観を明確に示すため、印刷装置1が省略されている。
図2に示したように、廃液収容体WFBは、全体として直方体形状の部材である。廃液収容体WFBの内部には、印刷装置1の廃液を吸収する吸収部材FLTが収容されている。吸収部材FLTは、例えば、フェルト等の繊維であるが、印刷装置1の廃液を吸収可能な他の部材であってもよい。なお、
図2では、図が煩雑になるのを防ぐため、廃液収容体WFBの内部に収容されている吸収部材FLTを、直方体形状の物体として示している。
【0028】
廃液収容体WFBには、廃液収容体WFBの外部と廃液収容体WFBの内部とを繋ぐ1以上の孔が形成されている。以下では、一例として、廃液収容体WFBに形成された1以上の孔が、
図2に示した孔HLである場合について説明する。孔HLは、廃液収容体WFBの外部から廃液収容体WFBの内部へ、印刷装置1の廃液が通る孔である。すなわち、印刷装置1の廃液は、孔HLを通って、廃液収容体WFBの内部に収容された吸収部材FLTに吸収される。
【0029】
ここで、印刷装置1では、廃液は、後述するように、上方から下方に向かって排出される。このため、
図2に示した例では、印刷装置1に取り付けられた状態の廃液収容体WFBの搬送方向の面には、搬送方向に突出する突出部PTMが設けられている。そして、当該例では、孔HLは、上方に向かって突出部PTMの上面に開口している。この場合、孔HLは、重力方向から見た場合、廃液収容体WFBの内部に収容されている吸収部材FLTと重ならない位置に形成されている。このため、孔HLは、孔HLから流入する廃液を、廃液収容体WFBの内部に向かってガイドするように、廃液収容体WFBの内部に至るまで、突出部PTMの内部を貫通している。これにより、廃液収容体WFBは、この一例のように上方から下方に向かって廃液が排出される場合であっても、廃液を吸収部材FLTに効率よく吸収させることができる。また、廃液収容体WFBは、突出部PTMが設けられていることにより、印刷装置1において上方から排出される廃液を受けるために廃液収容体WFBの容積を大きくする必要が無い。これは、印刷装置1の大型化を抑制することに繋がるため、有用である。なお、廃液収容体WFBは、突出部PTMの下方に吸収部材FLTが位置するような形状であってもよい。この場合、孔HLは、重力方向から見た場合、吸収部材FLTと重なる位置に形成されている。
【0030】
また、廃液収容体WFBには、
図2に示したように、回路基板BD1が設けられている。
図2に示した例では、回路基板BD1は、印刷装置1に取り付けられた状態の廃液収容体WFBが有する面のうち、走査方向と反対の方向の面に設けられている。そして、
図2に示した例では、回路基板BD1は、搬送方向に向かって印刷装置1と接続される。なお、回路基板BD1は、廃液収容体WFBが有する面のうち、走査方向と反対の方向の面以外の面に設けられてもよい。
【0031】
回路基板BD1は、例えば、印刷装置1に廃液収容体WFBが取り付けられた場合において、印刷装置1から供給された電力に応じて、印刷装置1に廃液収容体WFBが取り付けられたことを示す情報を出力する基板である。なお、回路基板BD1は、当該情報を出力する処理に代えて、又は、当該情報を出力する処理に加えて、他の処理を行う基板であってもよい。
【0032】
また、印刷装置1は、例えば、搬送部Hと、印刷ヘッドHDと、キャリッジCGと、液体収容体接続部CN11と、液体供給管TBと、排出部OMと、保持部HLDと、吸引機構VCを備える。印刷装置1において、搬送部Hと、印刷ヘッドHDと、キャリッジCGと、液体供給管TBと、排出部OMと、保持部HLDとのそれぞれは、筐体BX内に収容されている。また、印刷装置1において、液体収容体接続部CN11は、筐体BXの外表面に形成された凹部内に設けられている。なお、印刷装置1は、搬送部Hと、印刷ヘッドHDと、キャリッジCGと、液体収容体接続部CN11と、液体供給管TBと、排出部OMと、保持部HLDとに加えて、他の部材を備える構成であってもよい。
【0033】
ここで、
図3は、
図1に示した印刷装置1のカバーCVが筐体BXに対して開かれている様子の一例を示す斜視図である。また、
図4は、
図1に示した印刷装置1における筐体BX内の構成を示す上面図である。ただし、
図4では、当該構成を明確に示すため、カバーCVが省略されている。
図5は、
図1に示した印刷装置1内の構成を示す断面図である。ただし、
図5に示した断面図は、キャリッジCGが有する面のうちY軸の負方向の面と、印刷装置1に取り付けられた廃液収容体WFBが有する面のうちY軸の負方向側の面とが見えるように、Y軸と直交する仮想的な面で印刷装置1を切断した場合の断面図である。
図6は、
図1に示した印刷装置1が備える印刷ヘッドHDの周辺の構成の一例を示す斜視図である。
【0034】
搬送部Hは、紙送りモーター、紙送りモーターにより駆動される複数の紙送りローラー等を含み、印刷媒体を搬送方向に搬送する。なお、
図1では、図が煩雑になるのを防ぐため、搬送部Hを直方体形状の物体として描いている。また、
図3~
図5では、図が煩雑になるのを防ぐため、搬送部Hを省略している。
【0035】
印刷ヘッドHDは、前述の印刷装置1の印刷ヘッドの一例である。印刷ヘッドHDは、インクジェット式の印刷ヘッドである。すなわち、印刷ヘッドHDは、供給されたインクを印刷媒体に吐出することにより、印刷媒体に画像を印刷する。なお、
図1では、図が煩雑になるのを防ぐため、印刷ヘッドHDを直方体形状の物体として描いている。また、
図3~
図5では、印刷ヘッドHDは、他の部材の背後に隠れて見えていない。
【0036】
キャリッジCGは、搬送方向と交差する走査方向に向かって印刷ヘッドHDを前後に移動させる。以下では、一例として、
図5に示したように、走査方向が、Y軸の正方向と一致している場合について説明する。この場合、走査方向は、搬送方向、重力方向のそれぞれと直交する。また、キャリッジCGは、
図5に示したように、印刷媒体の搬送経路PT1の上方において、印刷ヘッドHDを移動させる。ここで、
図5では、搬送経路PT1が、点線によって示されている。なお、
図5に示した搬送経路PT1は、直線状の経路であるが、少なくとも一部に曲線状の経路を含む経路であってもよい。
【0037】
液体収容体接続部CN11は、液体収容体CTが接続されるコネクターである。液体収容体接続部CN11は、液体収容体CTが収容される凹部として、筐体BXの外表面に形成された凹部内に設けられる。
図3及び
図4に示した例では、当該凹部は、筐体BXの前面の右下方に形成されている。このため、カバーCVが筐体BXに対して閉じられている場合、当該凹部は、入力受付部TPの下方に位置する。なお、
図1及び
図3では、液体収容体接続部CN11は、図が煩雑になるのを防ぐため、直方体形状の物体によって示している。また、
図4及び
図5では、図が煩雑になるのを防ぐため、液体収容体接続部CN11を省略している。
【0038】
液体供給管TBは、液体収容体接続部CN11に接続され、液体収容体接続部CN11を介して液体収容体CTから印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。すなわち、液体供給管TBは、液体収容体接続部CN11と印刷ヘッドHDとの間に接続される。なお、
図3~
図5では、液体供給管TBは、他の部材の背後に隠れて見えていない。
【0039】
液体供給管TBには、
図6に示したように、1以上の液体供給管が含まれる。この一例において、液体収容体接続部CN11には、6個の液体収容体が液体収容体CTとして接続されている。この場合、液体供給管TBには、6本の液体供給管が含まれている。以下では、説明の便宜上、これら6本の液体供給管のそれぞれを、液体供給管TB1、液体供給管TB2、液体供給管TB3、液体供給管TB4、液体供給管TB5、液体供給管TB6と称して説明する。ここで、液体供給管TB1は、液体収容体CT1から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。液体供給管TB2は、液体収容体CT2から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。液体供給管TB3は、液体収容体CT3から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。液体供給管TB4は、液体収容体CT4から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。液体供給管TB5は、液体収容体CT5から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。液体供給管TB6は、液体収容体CT6から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。
【0040】
液体供給管TBに含まれる6本の液体供給管は、搬送方向において並ぶように配置される。このため、搬送方向から見た場合、これら6本の液体供給管は、キャリッジCGによる印刷ヘッドHDの移動に応じたずれ等を除いて、重なっている。
【0041】
また、液体供給管TBは、
図6に示したように、液体収容体接続部CN11と印刷ヘッドHDとの間において曲げられている。液体供給管TBが有する部位のうち最も曲がっている位置CPから液体収容体接続部CN11までの第1部位TBAと、位置CPから印刷ヘッドHDまでの第2部位TBBとは、搬送方向において重なっていない。また、
図6に示した例では、第1部位TBAと第2部位TBBとは、重力方向から見た場合、重なっている。なお、第1部位TBAと第2部位TBBとは、重力方向から見た場合、一部又は全部が重なっていない構成であってもよい。なお、第1部位TBAには、液体供給管TB1が有する部位のうち最も曲がっている位置から液体収容体接続部CN11までの部位と、液体供給管TB2が有する部位のうち最も曲がっている位置から液体収容体接続部CN11までの部位と、液体供給管TB3が有する部位のうち最も曲がっている位置から液体収容体接続部CN11までの部位と、液体供給管TB4が有する部位のうち最も曲がっている位置から液体収容体接続部CN11までの部位と、液体供給管TB5が有する部位のうち最も曲がっている位置から液体収容体接続部CN11までの部位と、液体供給管TB6が有する部位のうち最も曲がっている位置から液体収容体接続部CN11までの部位とが含まれている。また、第2部位TBBには、液体供給管TB1が有する部位のうち最も曲がっている位置から印刷ヘッドHDまでの部位と、液体供給管TB2が有する部位のうち最も曲がっている位置から印刷ヘッドHDまでの部位と、液体供給管TB3が有する部位のうち最も曲がっている位置から印刷ヘッドHDまでの部位と、液体供給管TB4が有する部位のうち最も曲がっている位置から印刷ヘッドHDまでの部位と、液体供給管TB5が有する部位のうち最も曲がっている位置から印刷ヘッドHDまでの部位と、液体供給管TB6が有する部位のうち最も曲がっている位置から印刷ヘッドHDまでの部位とが含まれている。
【0042】
また、液体供給管TBの少なくとも一部には、保護部材PFが設けられている。保護部材PFは、予め決められた種類のプラスチックにより構成されており、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)フィルム製である。保護部材PFは、液体供給管TBを保護する。すなわち、保護部材PFは、液体供給管TB1の少なくとも一部、液体供給管TB2の少なくとも一部、液体供給管TB3の少なくとも一部、液体供給管TB4の少なくとも一部、液体供給管TB5の少なくとも一部、液体供給管TB6の少なくとも一部のそれぞれに設けられ、これら6本の液体供給管を保護する。
【0043】
図3~
図6に示した例では、保護部材PFは、曲げられている液体供給管TBの外周面の略全面を覆うように設けられている。液体供給管TBの外周面は、前述の第1部位TBAが有する面のうち第2部位TBBと面する面と反対の面と、第2部位TBBが有する面のうち第1部位TBAと面する面と反対の面とにより構成される面のことである。このため、
図3~
図5では、液体供給管TBは、保護部材PFによって覆われており、保護部材PFの背後に隠れて見えていない。なお、保護部材PFは、搬送方向に向かって前後に、液体供給管TBに対してずれることが可能な程度に液体供給管TBに対して固定される。このため、例えば、保護部材PFは、搬送方向と反対の方向に向かって押すと、液体供給管TBに対して当該方向に向かってずれることがある。また、当該例では、保護部材PFは、搬送方向から見た場合、液体供給管TBと重なっていない。
【0044】
排出部OMは、前述の廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する。排出部OMの少なくとも一部は、搬送方向から見た場合において廃液収容体領域と重なっており、且つ、走査方向から見た場合において廃液収容体領域よりも搬送方向の下流に位置している。
図3~
図5に示した例では、排出部OMの全部が、搬送方向から見た場合において廃液収容体領域と重なっており、且つ、走査方向から見た場合において廃液収容体領域よりも搬送方向の下流に位置している。このため、当該例では、排出部OMは、搬送方向から見た場合、保持部HLDに保持された状態の廃液収容体WFBと重なっており、且つ、走査方向において当該廃液収容体WFBよりも搬送方向の下流に位置している。このため、排出部OMは、走査方向において、移動経路PT2の中心よりも、移動経路PT2の走査方向と反対の方向の第2端部に近い位置に設けられる。排出部OMの詳細な構成については、後述する。
【0045】
保持部HLDは、廃液収容体WFBを保持する部材である。換言すると、保持部HLDは、廃液収容体WFBを着脱可能に保持する。保持部HLDは、例えば、廃液収容体WFBを載置可能な板状の部材を含む。当該板状の部材は、平板形状であってもよく、凹凸を有する面を含む形状であってもよく、メッシュ形状のように開口が形成された形状であってもよく、廃液収容体WFBを載置可能な他の形状であってもよい。なお、保持部HLDは、搬送方向において、キャリッジCGの移動経路PT2と入力受付部TPとの間に配置される。
図3及び
図4では、移動経路PT2が、点線によって示されている。また、保持部HLDは、カバーCVが筐体BXの開口を開いている場合、筐体BXの開口を介して露出する。
【0046】
また、保持部HLDは、排出部OMの排出口から排出された廃液を廃液収容体WFBが受ける位置として予め決められた第1位置と、当該排出口から排出された廃液を廃液収容体WFBが受けない位置として予め決められた第2位置との間で移動可能なように廃液収容体WFBを保持する。すなわち、廃液収容体WFBは、第1位置に位置している場合において、排出部OMから廃液を受け、吸収部材FLTに吸収させる。また、廃液収容体WFBは、第2位置に位置している場合において、排出部OMから廃液を受けない。なお、第2位置は、搬送方向において第1位置よりも上流に位置する位置である。以下では、一例として、第2位置が、ユーザーにより上方から下方に向かって保持部HLD上へ廃液収容体WFBを挿入した場合において廃液収容体WFBが位置する位置である場合について説明する。この場合、ユーザーは、上方から下方に向かって保持部HLD上へ廃液収容体WFBを挿入した後、保持部HLD上において第2位置から第1位置へ廃液収容体WFBを移動させる。これにより、廃液収容体WFBは、印刷装置1に取り付けられ、排出部OMから排出される廃液を受けることができるようになる。なお、第2位置は、ユーザーにより上方から下方に向かって保持部HLD上へ廃液収容体WFBを挿入した場合において廃液収容体WFBが位置する位置と、第1位置とのそれぞれと異なる位置であってもよい。
【0047】
保持部HLDは、搬送経路PT1より上方、且つ、キャリッジCGの移動経路PT2よりも搬送方向における下流において、廃液収容体領域と、キャリッジCGの移動経路PT2の一部とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置される。廃液収容体領域は、印刷装置1内の領域のうち、保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと重なる領域のことである。より具体的には、印刷装置1内の領域のうち、前述の第1位置において保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと重なる第1領域と、印刷装置1内の領域のうち、第2位置において保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと重なる第2領域との両方を含む領域である。このため、保持部HLDに廃液収容体WFBが保持されている場合、廃液収容体WFBは、移動経路PT2の一部と搬送方向において重なる。また、保持部HLDは、
図5に示したように、搬送方向から見た場合において印刷媒体排出口POHよりも上方に配置される。
【0048】
また、保持部HLDは、廃液収容体WFBの回路基板BD1と電気的に接続可能な基板接続部BD2を有する。基板接続部BD2は、廃液収容体WFBが第2位置から第1位置へ移動した場合において、廃液収容体WFBの回路基板BD1と接続可能な位置に設けられる。
図3及び
図4では、基板接続部BD2は、図が煩雑になるのを防ぐため、直方体形状の物体として示している。なお、
図3及び
図4に示した例では、廃液収容体領域が、キャリッジCGの移動経路PT2の走査方向の第1端部よりも、移動経路PT2の走査方向と反対の方向の第2端部に近い位置に位置している。このため、当該例では、基板接続部BD2も、キャリッジCGの移動経路PT2の走査方向の第1端部よりも、移動経路PT2の走査方向と反対の方向の第2端部に近い位置に設けられる。換言すると、当該例では、基板接続部BD2は、キャリッジCGの移動経路PT2が有する端部のうちY軸の正方向の第1端部と反対の第2端部に近い位置に設けられる。
【0049】
吸引機構VCは、移動経路PT2の中心よりも、移動経路PT2の走査方向の第1端部に近い位置に配置され、印刷ヘッドHDからインクを廃液として吸引する。吸引機構VCは、廃液として吸引したインクを、図示しない供給管を介して排出部OMへ供給する。
【0050】
ここで、この一例において、ユーザーは、前述した通り、上方から下方に向かって廃液収容体WFBを保持部HLD上に挿入することにより、廃液収容体WFBを第2位置に載置する。これは、上方から下方に向かって廃液収容体WFBを保持部HLDに挿入することによって廃液収容体WFBを第1位置に載置しようとすると、廃液収容体WFBが排出部OMと干渉してしまうためである。このため、ユーザーは、第2位置に位置する廃液収容体WFBを、保持部HLD上において搬送方向に向かって移動させることにより、廃液収容体WFBを第2位置から第1位置に移動させる。これにより、ユーザーは、廃液収容体WFBを排出部OMに干渉させることなく、廃液収容体WFBを印刷装置1に取り付けることができる。しかしながら、ユーザーは、第2位置に廃液収容体WFBを載置する際、手の揺れ等によって廃液収容体WFBを液体供給管TBに接触させてしまうことがある。これは、ユーザーが第2位置から廃液収容体WFBを引き抜く場合においても、同様に起こり得る。また、ユーザーは、廃液収容体WFBを印刷装置1から取り外す場合、廃液収容体WFBを第1位置から第2位置に移動させた後、上方に向かって廃液収容体WFBを引き抜く。このため、ユーザーは、第1位置から第2位置への廃液収容体WFBの移動によって、廃液収容体WFBを液体供給管TBに接触させてしまうことがある。これらのような廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触は、液体供給管TBに不具合を生じさせてしまうことに繋がるため、望ましくない。
【0051】
これらのような廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触は、第2位置に載置された廃液収容体WFBと保護部材PFとの間のクリアランス距離を長くするほど、起こり難くなる。これは、クリアランス距離が、第2位置に載置された廃液収容体WFBと液体供給管TBとの間の距離よりも長い距離であるためである。そこで、第1実施形態に係る印刷装置1は、排出部OMの構成を、
図7に示すような構成とすることにより、廃液収容体WFBが液体供給管TBに接触してしまうことを抑制することができる。
図7は、実施形態に係る排出部OMの構成の一例を示す図である。
【0052】
排出部OMは、例えば、廃液を排出する排出口LOH1が形成されたノズルNZ1と、廃液を排出する排出口LOH2が形成されたノズルNZ2との2つのノズルを有する。以下では、説明の便宜上、ノズルNZ1とノズルNZ2とを区別する必要が無い限り、まとめてノズルNZと称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、排出口LOH1と排出口LOH2とを区別する必要が無い限り、まとめて排出口LOHと称して説明する。なお、排出部OMが有するノズルの数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0053】
ノズルNZは、重力方向に向かって延伸している。このため、印刷装置1は、廃液を上方から下方に向かって排出する。そして、ノズルNZが重力方向に向かって延伸しているため、排出口LOH1は、重力方向のノズルNZ1の先端に形成されている。また、排出口LOH2は、重力方向のノズルNZ2の先端に形成されている。これらにより、排出部OMは、重力方向に向かって廃液を排出することができ、廃液の排出後にノズルNZ内に廃液が残ってしまうことを抑制することができる。その結果、印刷装置1は、廃液収容体WFBを取り外す際、ノズルNZから廃液が垂れてしまうことを抑制することができる。また、排出部OMは、ノズルNZが重力方向に向かって延伸していることにより、ノズルNZが搬送方向と反対の方向に向かって延伸している場合と比較して、排出部OMの搬送方向における長さを短くすることができる。その結果、印刷装置1は、ノズルNZが搬送方向と反対の方向に向かって延伸している場合と比較して、前述のクリアランス距離を長くすることができる。すなわち、印刷装置1は、廃液収容体WFBが液体供給管TBに接触してしまうことを抑制することができ、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触によって液体供給管TBに不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0054】
<ユーザーが廃液収容体を印刷装置に取り付ける場合における廃液収容体の動き>
ここで、ユーザーが廃液収容体WFBを印刷装置1に取り付ける場合における廃液収容体WFBの動きについて説明する。
【0055】
図8は、廃液収容体WFBを上方から下方に向かって保持部HLDに挿入する直前の廃液収容体WFBの様子の一例を示す側面図である。
図8には、廃液収容体WFBとともに、保持部HLD、キャリッジCG、保護部材PF、排出部OMのそれぞれが示されている。
図8に示した廃液収容体WFBは、下方に向かって保持部HLDに挿入することにより、第2位置に位置する。なお、
図8では、下方は、矢印A1によって示されている。また、
図9は、
図8に示した廃液収容体WFB及び排出部OMそれぞれの斜視図である。
【0056】
図8及び
図9に示した廃液収容体WFBは、重力方向から見た場合、排出部OMと重なっていない。このため、
図8及び
図9に示した廃液収容体WFBをユーザーが下方に移動させたとしても、廃液収容体WFBは、排出部OMと干渉しない。これにより、ユーザーは、廃液収容体WFBを上方から下方に向かって保持部HLDに挿入することにより、廃液収容体WFBを第2位置に位置させることができる。
【0057】
図8に示した例では、搬送方向における廃液収容体WFBと保護部材PFとの間のクリアランス距離は、距離W1によって示されている。距離W1は、前述した通り、排出部OMのノズルNZが重力方向に向かって延伸しているため、排出部OMのノズルNZが搬送方向と反対の方向に向かって延伸する場合と比較して、長い。その結果、印刷装置1は、前述した通り、廃液収容体WFBが液体供給管TBに接触してしまうことを抑制することができ、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触によって液体供給管TBに不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0058】
一方、
図10は、廃液収容体WFBが第2位置に位置している様子の一例を示す側面図である。
図10にも、廃液収容体WFBとともに、保持部HLD、キャリッジCG、保護部材PF、排出部OMのそれぞれが示されている。
図10に示した廃液収容体WFBは、保持部HLD上を搬送方向に向かって移動させることにより、第1位置に位置する。なお、
図10では、搬送方向は、矢印A2によって示されている。また、
図11は、
図10に示した廃液収容体WFB及び排出部OMそれぞれの斜視図である。
【0059】
そして、
図12は、廃液収容体WFBが第1位置に位置している様子の一例を示す側面図である。
図12にも、廃液収容体WFBとともに、保持部HLD、キャリッジCG、保護部材PF、排出部OMのそれぞれが示されている。
図12に示した廃液収容体WFBは、第1位置に位置している。このため、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの間の距離は、クリアランス距離の一例である距離W1よりも長い距離W2となっている。
図13は、
図12に示した廃液収容体WFB及び排出部OMそれぞれの斜視図である。
【0060】
図12及び
図13に示したように、廃液収容体WFBが第1位置に位置している場合、排出口LOHは、廃液収容体WFBの突出部PTMの上面に形成された孔HLの上方に位置している。このため、当該場合において排出部OMから排出された廃液は、孔HLを通って、廃液収容体WFBの内部に収容された吸収部材FLTに吸収される。なお、この場合、ノズルNZは、孔HLと接続していない。ノズルNZが孔HLと接続しない場合、印刷装置1は、ノズルNZと孔HLとの接続に要する部材を必要とせず、その結果、製造工程の簡略化、製造コストの低減等を実現することができる。
【0061】
以上のように、印刷装置1は、印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部Hと、印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドHDと、印刷媒体の搬送経路PT1の上方において、搬送方向と交差する走査方向に向かって印刷ヘッドHDを前後に移動させるキャリッジCGと、印刷ヘッドHDに供給されるインクを収容する液体収容体CTが接続される液体収容体接続部CN11と、液体収容体接続部CN11に接続され、液体収容体接続部CN11を介して液体収容体CTから印刷ヘッドHDへインクを供給する液体供給管TBと、印刷ヘッドHDから排出される廃液を収容可能な廃液収容体WFBを保持する保持部HLDと、廃液を排出する排出口LOHが形成されたノズルNZを有する排出部OMと、を備える印刷装置であって、保持部HLDは、搬送経路PT1より上方、且つ、キャリッジCGの移動経路PT2よりも搬送方向の下流において、印刷装置1内の領域のうち、保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと重なる廃液収容体領域と、キャリッジCGの移動経路PT2の一部とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、液体供給管TBの一部は、重力方向から見た場合において、移動経路PT2と廃液収容体領域との間に位置し、且つ、搬送方向から見た場合において、廃液収容体領域と重なっており、排出部OMの少なくとも一部は、搬送方向から見た場合において廃液収容体領域と重なっており、且つ、走査方向から見た場合において廃液収容体領域よりも搬送方向の下流に位置し、廃液収容体領域は、液体供給管TBと離間しており、ノズルNZは、重力方向に向かって延伸しており、排出口LOHは、重力方向のノズルNZの先端に形成されている。これにより、印刷装置1は、ノズルNZが搬送方向と平行に延びている場合と比較して、液体供給管TBと廃液収容体WFBとの間のクリアランス距離を広くすることができる。その結果、印刷装置1は、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触によって液体供給管TBに不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0062】
なお、上記において説明した印刷装置1では、第2位置が第1位置よりも搬送方向の上流に位置していたが、これに代えて、第2位置が第1位置よりも走査方向の上流又は下流に位置している構成であってもよい。
図14は、第1位置よりも走査方向の下流に位置している第2位置に廃液収容体WFBが位置している様子の一例を示す図である。
図14では、廃液収容体WFBとともに、排出部OMが示されている。この場合、印刷装置1は、第2位置が第1位置よりも搬送方向の上流に位置している場合と比較して、搬送方向における突出部PTMの長さのぶん、クリアランス距離を長くすることができる。これは、
図14に示したように、第2位置に廃液収容体WFBの突出部PTMが、走査方向から見た場合、重力方向において排出部OMと並んでいるからである。ただし、この場合、第1位置に位置している廃液収容体WFBと液体供給管TBとの間の距離は、第2位置に位置している廃液収容体WFBと液体供給管TBとの間の距離と同じ距離である。ここで、ユーザーは、第2位置が第1位置よりも走査方向の下流に位置している場合、走査方向と反対の方向に向かって廃液収容体WFBを移動させることにより、廃液収容体WFBを第2位置から第1位置へ移動させることができる。ただし、この場合、廃液収容体WFBの回路基板BD1は、保持部HLDに設けられた基板接続部BD2に対して、走査方向と反対の方向に向かって接続される。なお、
図14では、走査方向と反対の方向は、矢印A3によって示されている。また、第2位置が第1位置よりも走査方向の上流に位置している場合、ユーザーは、走査方向に向かって廃液収容体WFBを移動させることにより、廃液収容体WFBを第2位置から第1位置へ移動させることができる。また、この場合、廃液収容体WFBの回路基板BD1は、保持部HLDに設けられた基板接続部BD2に対して、走査方向と反対の方向に向かって接続される。
【0063】
また、上記において説明した印刷装置1では、突出部PTMは、廃液収容体WFBが有する面のうち搬送方向の面から突出している状態と、廃液収容体WFBの内部に収容されている状態とを切り替え可能に廃液収容体WFBへ設けられている構成であってもよい。
図15は、廃液収容体WFBの構成の他の例を示す側面図である。
図15に示した例では、廃液収容体WFBの突出部PTMの状態は、廃液収容体WFBに収容されている状態である。このため、
図15では、廃液収容体WFBの内部に収容された突出部PTMの輪郭が点線によって示されている。印刷装置1は、このように突出部PTMが廃液収容体WFBの内部に収容される場合、搬送方向における突出部PTMの長さのぶん、クリアランス距離を長くすることができる。これは、突出部PTMが廃液収容体WFBの内部に収容されている場合、廃液収容体WFBを上方から下方に向かって保持部HLDに挿入したとしても、突出部PTMが排出部OMに干渉しないため、第2位置を第1位置に近づける、又は、第2位置を第1位置と一致させることができるからである。ここで、孔HLは、廃液収容体WFBが有する面のうち搬送方向の面から突出部PTMが突出している状態において、上方に向かって突出部PTMの上面に開口する。例えば、ユーザーは、突出部PTMが廃液収容体WFBの内部に収容される場合、且つ、第2位置が第1位置と一致している場合、廃液収容体WFBを第1位置に位置させた後、突出部PTMの状態を、廃液収容体WFBが有する面のうち搬送方向の面から突出している状態に切り替える。これにより、ユーザーは、廃液収容体WFBを印刷装置1に取り付けることができる。なお、廃液収容体WFBが有する面のうち搬送方向の面から突出している状態の突出部PTMは、例えば、
図10等に示されている。また、廃液収容体WFBは、廃液収容体WFBを保持部HLDへ保持させる過程において、突出部PTMの状態を、廃液収容体WFBの内部に収容されている状態から、廃液収容体WFBの搬送方向の面から突出している状態へ切り替える機構を有する構成であってもよい。この機構は、既知の機構であってもよく、これから開発される機構であってもよい。
【0064】
また、上記において説明したキャリッジCGは、廃液収容体WFBを交換する場合、キャリッジCGが位置する位置として予め決められたキャリッジ待機位置に位置する。キャリッジ待機位置は、搬送方向から見た場合、保持部HLDよりも、移動経路PT2の走査方向の第1端部に近い位置である。換言すると、キャリッジ待機位置は、印刷装置1の走査方向の端部に近い位置である。この場合、液体供給管TBと保持部HLDとは、印刷装置1内において予め決められた配置領域内に配置されている。そして、配置領域は、搬送方向から見た場合、印刷装置1の走査方向と反対の方向の端部に近い位置に位置する領域である。すなわち、印刷装置1内において、配置領域とキャリッジ待機位置は、搬送方向から見た場合、走査方向に向かって、配置領域、キャリッジ待機位置の順に並んでいる。ここで、キャリッジ待機位置は、例えば、
図4に示した領域RA1内のキャリッジCGが位置している位置である。また、配置領域は、例えば、
図4に示した領域RA2である。
【0065】
<実施形態の変形例1>
以下、本開示の実施形態の変形例1について、図面を参照して説明する。
【0066】
<実施形態の変形例1に係る印刷装置の概要>
まず、実施形態の変形例1に係る印刷装置の概要について説明する。
【0067】
実施形態の変形例1に係る印刷装置は、搬送部と、印刷ヘッドと、キャリッジと、液体収容体接続部と、液体供給管と、保持部と、排出部を備える。搬送部は、印刷媒体を搬送方向に搬送する。印刷ヘッドは、印刷媒体に画像を印刷する。キャリッジは、印刷媒体の搬送経路の上方において、搬送方向と交差する走査方向に向かって印刷ヘッドを前後に移動させる。液体収容体接続部は、印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される。液体供給管は、液体収容体接続部に接続され、液体収容体接続部を介して液体収容体から印刷ヘッドへ液体を供給する。保持部は、印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する。排出部は、廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する。また、保持部は、搬送経路より上方、且つ、キャリッジの移動経路よりも搬送方向の下流において、印刷装置内の領域のうち、保持部に保持された廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、移動経路の一部とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置される。また、液体供給管の一部は、重力方向から見た場合において、当該移動経路と廃液収容体領域との間に位置し、且つ、搬送方向から見た場合において、廃液収容体領域と重なっている。また、廃液収容体は、ノズルと接続可能である。また、ノズルは、搬送方向と反対の方向を示すベクトルと、重力方向と反対の方向を示すベクトルとの合成ベクトルが示す排出口突出方向に向かって延伸している。そして、排出口は、排出口突出方向のノズルの先端に形成されている。これにより、当該印刷装置では、廃液収容体は、ノズルが延伸する排出口突出方向と反対の方向に向かってノズルに接続させられる。このため、当該印刷装置では、廃液収容体と液体供給管との間の距離は、廃液収容体が保持部に近づくほど、且つ、廃液収容体がノズルに近づくほど、長くなる。従って、当該印刷装置は、廃液収容体の取り付け及び取り外しにおいて、廃液収容体が液体供給管と接触してしまうことを抑制することができ、その結果、廃液収容体と液体供給管との接触によって液体供給管に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0068】
以下では、実施形態の変形例1に係る印刷装置の構成について詳しく説明する。
【0069】
<実施形態の変形例1に係る印刷装置の構成>
以下、実施形態の変形例1について説明する。なお、実施形態の変形例1では、実施形態と同様な構成部に対して同じ符号を付して説明を省略する。また、実施形態の変形例1において説明した事項の一部又は全部は、実施形態において説明した事項の一部又は全部と如何様に組み合わされてもよい。
【0070】
実施形態の変形例1では、廃液収容体WFBは、排出部OMのノズルNZと接続可能である。そして、実施形態の変形例1では、ノズルNZは、搬送方向と反対の方向を示すベクトルと、重力方向と反対の方向を示すベクトルとの合成ベクトルが示す排出口突出方向に向かって延伸している。換言すると、実施形態の変形例1では、ノズルNZは、搬送方向と反対の方向に対して斜め上方を排出口突出方向として、排出口突出方向に向かって延伸している。このため、実施形態の変形例1では、ユーザーは、廃液収容体WFBを印刷装置1に取り付ける場合、すなわち、廃液収容体WFBをノズルNZと接続させる場合、排出口突出方向と反対の方向に向かって廃液収容体WFBを移動させることにより、第2位置を経由することなく第1位置へ廃液収容体WFBを直接移動させることができ、且つ、保持部HLDに保持させることができる。このため、実施形態の変形例1に係る保持部HLDは、廃液収容体WFBを保持する位置として予め決められた位置において移動不可能に前記廃液収容体を保持される。実施形態の変形例1では、一例として、当該位置が、実施形態において説明した第1位置である場合について説明する。この場合、ユーザーは、保持部HLD上において第1位置に位置する廃液収容体WFBを動かすことができない。
【0071】
図16は、実施形態の変形例1に係る排出部OMの一例を示す側面図である。
図16には、排出部OMとともに、廃液収容体WFBが示されている。
図16に示したように、排出部OMは、搬送方向と反対の方向を示すベクトルと、重力方向と反対の方向を示すベクトルとの合成ベクトルが示す排出口突出方向に向かって延伸している。
図16に示した例では、排出口突出方向は、矢印A4が示す方向と反対の方向である。このため、当該例では、ユーザーは、矢印A4が示す方向へ向かって廃液収容体WFBを移動させることにより、廃液収容体WFBとノズルNZとを接続させることができる。
【0072】
ここで、実施形態の変形例1では、突出部PTMの排出口LOHは、廃液収容体WFBが保持部HLD上に保持されている状態において上方に開口しておらず、
図16に示したように、当該状態において排出口突出方向と反対の方向に開口している。このため、ユーザーは、前述した通り、矢印A4が示す方向へ向かって廃液収容体WFBを移動させることにより、第2位置を経由することなく、廃液収容体WFBとノズルNZとを接続させることができる。
【0073】
図17は、
図16に示した廃液収容体WFBとノズルNZとが接続している様子の一例を示す側面図である。
図17には、廃液収容体WFB及び排出部OMとともに、保持部HLD、キャリッジCG、保護部材PFのそれぞれが示されている。
図17に示したように、廃液収容体WFBは、ノズルNZと接続している場合、保持部HLD上において第1位置に位置しているため、搬送方向において保護部材PFと離間している。
図17に示した例では、当該場合における廃液収容体WFBと保護部材PFとの間の距離は、前述の距離W2である。
【0074】
排出口突出方向と反対の方向に向かって廃液収容体WFBを移動させた場合、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの間の距離は、距離W2に向かって徐々に長くなる。これは、排出口突出方向と反対の方向が、搬送方向を示すベクトルと、重力方向を示すベクトルとの合成ベクトルが示す方向だからである。そして、これは、廃液収容体WFBを印刷装置1に取り付ける場合において、わざと接触させようとしない限り、廃液収容体WFBが液体供給管TBと接触しないことを意味する。一方、廃液収容体WFBを印刷装置1から取り外す場合、廃液収容体WFBは、液体供給管TBと接触する可能性がある。しかしながら、ユーザーは、当該場合、廃液収容体WFBを排出口突出方向に向かって引き抜く。このため、当該場合、廃液収容体WFBは、液体供給管TBに近づくほど、液体供給管TBに対して上方に移動している。その結果、当該場合において廃液収容体WFBが液体供給管TBと接触する可能性は、保持部HLD上において廃液収容体WFBを搬送方向と反対の方向に向かって移動させる場合と比較して、低くなっている。すなわち、印刷装置1は、搬送方向と反対の方向を示すベクトルと、重力方向と反対の方向を示すベクトルとの合成ベクトルが示す排出口突出方向に向かってノズルNZが延伸していることにより、廃液収容体WFBと液体供給管TBとが接触してしまうことを抑制することができる。
【0075】
なお、廃液収容体WFBを印刷装置1に取り付ける場合において廃液収容体WFBを排出口突出方向と反対の方向に向かって移動させることによってユーザーが廃液収容体WFBとノズルNZとを接続するため、廃液収容体WFBの回路基板BD1は、当該方向に向かって保持部HLDの基板接続部BD2と接続する。
【0076】
また、実施形態の変形例1における印刷装置1では、廃液収容体WFBは、突出部PTMが設けられていない構成であってもよい。この場合、排出口LOHは、廃液収容体WFBの搬送方向の面に形成される。
【0077】
以上のように、実施形態の変形例1に係る印刷装置1は、印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部Hと、印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドHDと、印刷媒体の搬送経路PT1の上方において、搬送方向と交差する走査方向に向かって印刷ヘッドHDを前後に移動させるキャリッジCGと、印刷ヘッドHDに供給されるインクを収容する液体収容体CTが接続される液体収容体接続部CN11と、液体収容体接続部CN11に接続され、液体収容体接続部CN11を介して液体収容体CTから印刷ヘッドHDへインクを供給する液体供給管TBと、印刷ヘッドHDから排出される廃液を収容可能な廃液収容体WFBを保持する保持部HLDと、廃液を排出するが形成されたノズルNZを有する排出部OMと、を備える印刷装置であって、保持部HLDは、搬送経路PT1より上方、且つ、キャリッジCGの移動経路PT2よりも搬送方向の下流において、印刷装置1内の領域のうち、保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと重なる廃液収容体領域と、移動経路PT2の一部とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、液体供給管TBの一部は、重力方向から見た場合において、移動経路PT2と廃液収容体領域との間に位置し、且つ、搬送方向から見た場合において、廃液収容体領域と重なっており、廃液収容体WFBは、ノズルNZと接続可能であり、ノズルNZは、搬送方向と反対の方向を示すベクトルと、重力方向と反対の方向を示すベクトルとの合成ベクトルが示す排出口突出方向に向かって延伸しており、排出口は、排出口突出方向のノズルNZの先端に形成されている。これにより、当該印刷装置1において、廃液収容体WFBは、ノズルNZが延伸する排出口突出方向と反対の方向に向かってノズルNZに接続させられる。このため、当該印刷装置1では、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの間の距離は、廃液収容体WFBが保持部HLDに近づくほど、且つ、廃液収容体WFBがノズルNZに近づくほど、長くなる。従って、当該印刷装置1は、廃液収容体WFBの取り付け及び取り外しにおいて、廃液収容体WFBが液体供給管TBと接触してしまうことを抑制することができ、その結果、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触によって液体供給管TBに不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0078】
<実施形態の変形例2>
以下、本開示の実施形態の変形例2について、図面を参照して説明する。
【0079】
<実施形態の変形例2に係る印刷装置の概要>
まず、実施形態の変形例2に係る印刷装置の概要について説明する。
【0080】
実施形態の変形例2に係る印刷装置は、搬送部と、印刷ヘッドと、キャリッジと、液体収容体接続部と、液体供給管と、保持部と、排出部を備える。搬送部は、印刷媒体を搬送方向に搬送する。印刷ヘッドは、印刷媒体に画像を印刷する。キャリッジは、印刷媒体の搬送経路の上方において、搬送方向と交差する走査方向に向かって印刷ヘッドを前後に移動させる。液体収容体接続部は、印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される。液体供給管は、液体収容体接続部に接続され、液体収容体接続部を介して液体収容体から印刷ヘッドへ液体を供給する。保持部は、印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する。排出部は、廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する。また、保持部は、搬送経路より上方、且つ、キャリッジの移動経路よりも搬送方向の下流において、印刷装置内の領域のうち、保持部に保持された廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、当該移動経路の一部とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置される。また、液体供給管の一部は、重力方向から見た場合において、当該移動経路と廃液収容体領域との間に位置し、且つ、搬送方向から見た場合において、廃液収容体領域と重なっている。また、廃液収容体領域は、液体供給管と離間している。そして、排出部は、保持部に設けられており、且つ、排出部が廃液収容体に廃液を排出する位置として予め決められた第3位置と、排出部が廃液収容体に廃液を排出しない位置として予め決められた第4位置との間で移動可能である。これにより、当該印刷装置では、廃液収容体の取り付け及び取り外しにおいて、保持部上で搬送方向と平行に廃液収容体を動かす必要がない。すなわち、当該印刷装置は、廃液収容体の取り付け及び取り外しにおける廃液収容体と液体供給管との接触の機会を減少させることができる。その結果、当該印刷装置は、廃液収容体の取り付け及び取り外しにおいて、廃液収容体が液体供給管と接触してしまうことを抑制することができ、廃液収容体と液体供給管との接触によって液体供給管に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0081】
以下では、実施形態の変形例2に係る印刷装置の構成について詳しく説明する。
【0082】
<実施形態の変形例2に係る印刷装置の構成>
以下、実施形態の変形例2について説明する。なお、実施形態の変形例2では、実施形態と同様な構成部に対して同じ符号を付して説明を省略する。また、実施形態の変形例2において説明した事項の一部又は全部は、実施形態と実施形態の変形例1とのそれぞれにおいて説明した事項の一部又は全部と如何様に組み合わされてもよい。
【0083】
実施形態では、ユーザーは、廃液収容体WFBを印刷装置1に取り付ける場合、第2位置を経由して第1位置へ廃液収容体WFBを載置していた。また、実施形態では、ユーザーは、廃液収容体WFBを印刷装置1から取り外す場合、第2位置を経由して上方へ廃液収容体WFBを引き抜いていた。すなわち、実施形態では、ユーザーは、保持部HLD上において廃液収容体WFBを搬送方向と平行に移動させる必要があった。このため、実施形態では、印刷装置1は、クリアランス距離を長くすることにより、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触を抑制していた。これに対し、実施形態の変形例2では、保持部HLDは、廃液収容体WFBを保持する位置として予め決められた位置において移動不可能に廃液収容体WFBを保持する。実施形態の変形例2では、一例として、当該位置が、実施形態において説明した第1位置である場合について説明する。この場合、ユーザーは、保持部HLD上において第1位置に位置する廃液収容体WFBを動かすことができない。そして、実施形態の変形例2では、印刷装置1は、保持部HLDにより第1位置において保持された廃液収容体WFBに対して相対的に排出部OMが動くように構成されている。このため、実施形態の変形例2では、ユーザーは、単に上方から下方に向かって保持部HLDへ載置することにより、廃液収容体WFBを第1位置に位置させること、すなわち、廃液収容体WFBを印刷装置1に取り付けることができる。これにより、印刷装置1では、第2位置と第1位置との間での廃液収容体WFBの移動による廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触が起こらない。従って、印刷装置1は、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触を抑制することができ、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触によって液体供給管TBに不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0084】
図18は、実施形態の変形例2に係る排出部OMの一例を示す側面図である。
図18には、排出部OMとともに、保持部HLD上において第1位置に位置する廃液収容体WFBが示されている。ただし、
図18では、図が煩雑になるのを防ぐため、保持部HLDを省略している。
【0085】
実施形態の変形例2でも、廃液収容体WFBは、排出部OMのノズルNZと接続可能である。以下では、一例として、
図18に示したように、廃液収容体WFBに突出部PTMが設けられていない場合について説明する。また、以下では、一例として、廃液収容体WFBの搬送方向の面には、ノズルNZ1と接続する孔HL1と、ノズルNZ2と接続する孔HL2とのそれぞれが形成されている場合について説明する。孔HL1は、廃液収容体WFBの外部から廃液収容体WFBの内部へ、ノズルNZ1からの廃液が通る孔である。孔HL2は、廃液収容体WFBの外部から廃液収容体WFBの内部へ、ノズルNZ2からの廃液が通る孔である。なお、廃液収容体WFBには、突出部PTMが設けられていてもよい。また、廃液収容体WFBの搬送方向の面には、孔HL1と孔HL2とが1つの孔HLとして形成されてもよい。
【0086】
実施形態の変形例2では、印刷装置1は、保持部HLD上において第1位置に位置する廃液収容体WFBに対して相対的に動くことが可能な排出部OMを備える。具体的には、排出部OMは、排出部OMが廃液収容体WFBに廃液を排出する位置として予め決められた第3位置と、排出部OMが廃液収容体WFBに廃液を排出しない位置として予め決められた第4位置との間で移動可能である。第3位置は、換言すると、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZ1が孔HL1と接続し、且つ、ノズルNZ2が孔HL2と接続する位置である。また、第4位置は、換言すると、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、排出部OMの全体が廃液収容体領域と重ならない位置であれば、如何なる位置であってもよい。
【0087】
図18に示した例では、排出部OMは、搬送方向に向かって前後に第3位置と第4位置との間を移動可能なように保持部HLDに設けられている。このため、当該例では、排出部OMは、矢印A5が示す方向、すなわち、搬送方向と反対の方向に移動することにより、ノズルNZ1を孔HL1に接続させ、且つ、ノズルNZ2を孔HL2に接続させることができる。この場合、第3位置は、第4位置よりも搬送方向の上流に位置している。このような排出部OMの動きを実現する機構は、既知の機構であってもよく、これから開発される機構であってもよい。なお、
図18では、図が煩雑になるのを防ぐため、このような排出部OMの動きを実現する機構を省略している。また、
図19は、
図18に示した排出部OMのノズルNZ1が孔HL1と接続し、且つ、ノズルNZ2が孔HL2と接続している様子の一例を示す斜視図である。
【0088】
このような排出部OMの廃液収容体WFBに対する移動は、保持部HLD、廃液収容体領域等に対する移動として捉えられてもよい。ここで、印刷装置1は、ユーザーの手動によって排出部OMが第3位置と第4位置との間で移動する構成であってもよく、アクチュエーター等によって自動で排出部OMが第3位置と第4位置との間で移動する構成であってもよい。また、印刷装置1は、他の方法により第3位置と第4位置との間で移動する構成であってもよい。例えば、印刷装置1は、受け付けた操作に応じて、排出部OMを第4位置から第3位置へ移動させる操作部OPRを備える構成であってもよい。操作部OPRは、例えば、レバー等のようにユーザーからの手動による操作を受け付ける部材であってもよく、アクチュエーター等から操作を受け付ける部材であってもよく、操作を受け付けることが可能な部材であれば、如何なる部材であってもよい。操作部OPRは、排出部OMよりも上方に設けられる。これにより、印刷装置1は、ユーザーが操作部OPRを操作し易くすることができる。なお、操作部OPRは、操作部OPRと同じ高さに設けられてもよく、操作部OPRよりも下方に設けられてもよい。
【0089】
また、実施形態の変形例2では、印刷装置1は、このような操作部OPRとともに、操作部OPRにより受け付けられた操作に応じて排出部OMを第4位置から第3位置へ移動させる移動機構MMを備える構成であってもよい。移動機構MMは、操作部OPRにより受け付けられた操作に応じて排出部OMを第4位置から第3位置へ移動させることが可能な機構であれば、如何なる機構であってもよい。
【0090】
例えば、操作部OPRは、
図20に示すように、カバーCVと一体に構成されてもよい。換言すると、操作部OPRは、カバーCVそのものであってもよい。
図20は、排出部OM及び廃液収容体WFBとともに、操作部OPRとして機能するカバーCVの一例を示す側面図である。
図20では、筐体BXの開口がカバーCVによって閉じられており、且つ、排出部OMのノズルNZが廃液収容体WFBに接続されている様子が示されている。
【0091】
図20に示した操作部OPRは、カバーCVそのものである。カバーCVである操作部OPRは、筐体BXの開口をカバーCVによって閉じる動作を、排出部OMを移動させる動作として受け付ける。移動機構MMは、筐体BXの開口をカバーCVによって閉じる過程において、上方から排出部OMと接触するようにカバーCVに設けられる。移動機構MMは、筐体BXの開口をカバーCVによって閉じる過程において、上方から排出部OMに接触するガイド面OPRMを有する。ガイド面OPRMは、下方への移動に応じて排出部OMを第4位置から第3位置に向かってガイドする。すなわち、移動機構MMは、カバーCVの動きに応じて、排出部OMを第4位置から第3位置へ移動させる。ここで、ガイド面OPRMは、走査方向と平行な面である。また、ガイド面OPRMは、筐体BXの開口がカバーCVによって閉じられている場合において、搬送方向と反対の方向に向かって重力方向の高さが高くなるようにXY平面に対して傾斜している。XY平面は、X軸とY軸とによって張られる仮想的な面のことである。従って、排出部OMは、筐体BXの開口がカバーCVによって閉じられている場合、ガイド面OPRMが有する端部のうちカバーCVに近い方の端部と接触することになる。このように、操作部OPRは、上方から廃液収容体WFBに向かってこのように操作部OPRであるカバーCVがガイド面OPRMを有することにより、
図20に示した操作部OPRは、筐体BXの開口をカバーCVによって閉じる動作を、排出部OMを移動させる動作として受け付けることができる。これにより、印刷装置1は、ノズルNZを孔HLに接続させるために要するユーザーの手間を削減することができる。なお、
図20に示した例では、第3位置は、第4位置よりも搬送方向の上流に位置している。
【0092】
なお、廃液収容体WFBの孔HL1及び孔HL2は、廃液収容体WFBの搬送方向の面に代えて、
図21に示すように、廃液収容体WFBの上面に形成されてもよい。
図21は、上面に孔HL1及び孔HL2が形成されている場合の廃液収容体WFBの一例を示す斜視図である。
図21には、廃液収容体WFBが保持部HLDにおいて第1位置に位置している様子が示されている。
図21に示したように、廃液収容体WFBの上面には、孔HL1及び孔HL2が形成されている。
図21に示した例では、孔HL1及び孔HL2は、搬送方向に向かって孔HL2、孔HL1の順に並んでおり、廃液収容体WFBの上面の走査方向の端部に形成されている。このように孔HL1及び孔HL2が廃液収容体WFBの上面に形成されている場合、排出部OMは、
図21に示した移動機構MM2に設けられている。
【0093】
移動機構MM2は、予め決められた回動軸AX周りに回動し、回動軸AXと直交する方向に向かって回動軸AXから延伸する第1部材ENを有する。第1部材ENは、移動機構MM2において、操作部OPRとして機能する部材の一例である。すなわち、ユーザーは、第1部材ENに対して操作を行うことにより、排出部OMのノズルNZを孔HLに接続させることができる。ここで、
図21に示した例では、回動軸AXは、廃液収容体WFBが印刷装置1に取り付けられている場合、且つ、搬送方向から見た場合、孔HL1及び孔HL2よりも上方に位置している。換言すると、当該例では、回動軸AXは、搬送方向から見た場合、廃液収容体領域よりも上方に位置している。また、当該例では、回動軸AXは、搬送方向と平行である。そして、回動軸AXは、第1部材ENを廃液収容体WFBに向かって回動させた場合において、ノズルNZ1を孔HL1に接続させ、且つ、ノズルNZ2を孔HL2に接続させることが可能な位置に設けられる。なお、回動軸AXは、搬送方向と非平行であってもよい。また、
図21に示した例では、搬送方向において、移動機構MM2の両端が廃液収容体WFBの両端の内側に含まれているが、これに代えて、搬送方向において、移動機構MM2の両端の少なくとも一方が廃液収容体WFBの両端の内側から外れている構成であってもよい。また、回動軸AXは、搬送方向から見た場合において孔HL1及び孔HL2よりも上方に位置する構成に代えて、搬送方向から見た場合、重力方向において孔HL1及び孔HL2と同じ高さに位置する構成であってもよく、搬送方向から見た場合、孔HL1及び孔HL2より下方に位置する構成であってもよい。
【0094】
図21に示した第1部材ENは、廃液収容体WFBに向かって回動軸AX周りに回動することができる。これにより、排出部OMは、
図22に示すように、ノズルNZ1を孔HL1に接続させ、且つ、ノズルNZ2を孔HL2に接続させることができる。
図22は、第1部材ENの回動によって孔HL1とノズルNZ1が接続し、且つ、孔HL2とノズルNZ2が接続している様子の一例を示す図である。ここで、
図22において、孔HL1とノズルNZ1が接続し、且つ、孔HL2とノズルNZ2が接続している場合の排出部OMが位置している位置が、移動機構MM2に排出部OMが設けられている場合の第3位置の一例である。一方、孔HL1とノズルNZ1が接続しておらず、且つ、孔HL2とノズルNZ2が接続していない場合の排出部OMが位置する位置が、移動機構MM2に排出部OMが設けられている場合の第4位置の一例である。例えば、移動機構MM2に排出部OMが設けられている場合の第4位置は、第1部材ENが延伸する方向が、重力方向と反対の方向と一致している場合に排出部OMが位置する位置、ずなわち、
図21に示した排出部OMが位置している位置である。
【0095】
ここで、
図21及び
図22に示したように、回動軸AXが孔HL1及び孔HL2よりも上方に位置している場合、印刷装置1は、操作部OPRの一例である第1部材ENをユーザーに操作させ易くすることができる。何故なら、この場合、印刷装置1において、ユーザーが第1部材ENを操作する際にユーザーの手と干渉する部材が周囲に位置していないからである。また、この場合、印刷装置1は、ノズルNZ1と孔HL1との接続、ノズルNZ2と孔HL2との接続のそれぞれを、確実に行うことができる。
【0096】
なお、移動機構MM2は、廃液収容体WFBの側面上端に孔HL1及び孔HL2が形成されている場合の廃液収容体WFBと排出部OMとの接続に適用されてもよい。また、移動機構MM2は、廃液収容体WFBの前面上端に孔HL1及び孔HL2が形成されている場合の廃液収容体WFBと排出部OMとの接続に適用されてもよい。また、移動機構MM2は、廃液収容体WFBの後面上端に孔HL1及び孔HL2が形成されている場合の廃液収容体WFBと排出部OMとの接続に適用されてもよい。これらの場合も、印刷装置1は、移動機構MM2の回動軸AXを、廃液収容体WFBよりも上方に位置する構成であることにより、操作部OPRの一例である第1部材ENをユーザーに操作させ易くすることができる。
【0097】
また、前述したように、移動機構MM2の回動軸AXが搬送方向と平行である場合、印刷装置1は、移動機構MM2を印刷装置1に取り付けるために要する部材の存在によって、印刷装置1の搬送方向における大きさが増大してしまうことを抑制することができる。
【0098】
また、廃液収容体WFBの孔HL1及び孔HL2は、廃液収容体WFBの搬送方向の面に代えて、
図23に示すように、廃液収容体WFBの走査方向の面に形成されてもよい。
図23は、走査方向の面に孔HL1及び孔HL2が形成されている場合の廃液収容体WFBの一例を示す前面図である。
図23には、廃液収容体WFBが保持部HLDにおいて第1位置に位置している様子が示されている。ただし、
図23では、図が煩雑になるのを防ぐため、廃液収容体WFBと排出部OMとのそれぞれ以外の部材を省略している。
図23に示したように、廃液収容体WFBの走査方向の面には、孔HL1及び孔HL2が形成されている。ただし、
図23では、孔HL2は、孔HL1の背後に隠れて見えていない。
図23に示した例では、孔HL1及び孔HL2は、搬送方向に向かって孔HL2、孔HL1の順に並んでいる。このように孔HL1及び孔HL2が廃液収容体WFBの走査方向の面に形成されている場合、第3位置は、第4位置よりも走査方向の上流に位置している。従って、
図23に示した例では、排出部OMは、走査方向と反対に向かって前後に第3位置と第4位置との間を移動可能なように保持部HLDに設けられている。このため、当該例では、排出部OMは、矢印A6が示す方向、すなわち、走査方向と反対の方向に移動することにより、ノズルNZ1を孔HL1に接続させ、且つ、ノズルNZ2を孔HL2に接続させることができる。この場合、印刷装置1は、保持部HLD上に保持されている廃液収容体WFBを上方から移動させ易くすることができる。また、この場合、印刷装置1は、孔HL1及び孔HL2が走査方向に向かって開口しているため、孔HL1及び孔HL2が重力方向に向かって開口している場合と比較して、廃液収容体WFBの交換時において、廃液が垂れてしまうことを抑制することができる。なお、
図23では、図が煩雑になるのを防ぐため、このような排出部OMの動きを実現する機構を省略している。
【0099】
なお、廃液収容体WFBの孔HL1及び孔HL2は、廃液収容体WFBの搬送方向の面に代えて、
図23に示すように、廃液収容体WFBの走査方向と反対の方向の面に形成されてもよい。この場合、排出部OMは、走査方向に向かって前後に第3位置と第4位置との間を移動可能なように保持部HLDに設けられている。このため、この場合、第3位置は、第4位置よりも走査方向の下流に位置している。
【0100】
また、実施形態の変形例2において説明した保持部HLDは、実施形態のように、第1位置と第2位置との間で移動可能に前記廃液収容体を保持する構成であってもよい。この場合、廃液収容体WFBは、
図8~
図13において説明したように、上方に向かって開口する孔HLが形成された突出部PTMが、廃液収容体WFBの搬送方向の面に設けられており、且つ、排出部OMのノズルNZが重力方向に延伸している構成であってもよい。そして、この場合、第3位置は、第4位置よりも搬送方向の上流に位置する。これにより、ユーザーは、廃液収容体WFBを第2位置から第1位置に移動させた後に排出部OMを第4位置から第3位置に移動させることにより、孔HLの上方に排出口LOH1及び排出口LOH2を位置させることができる。従って、この場合も、印刷装置1は、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触によって液体供給管TBに不具合が生じてしまうことを抑制することができる。なお、この場合、第1位置に位置する廃液収容体WFBと液体供給管TBとの間の距離は、第2位置における廃液収容体WFBと液体供給管TBとの間の距離以上である。
【0101】
なお、実施形態の変形例2では、ユーザーは、前述した通り、上方から下方に向かって廃液収容体WFBを第1位置に挿入する。この場合、廃液収容体WFBの回路基板BD1は、重力方向に向かって基板接続部BD2と接続する。
【0102】
以上のように、実施形態の変形例2に係る印刷装置1は、印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部Hと、印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドHDと、印刷媒体の搬送経路PT1の上方において、搬送方向と交差する走査方向に向かって印刷ヘッドHDを前後に移動させるキャリッジCGと、印刷ヘッドHDに供給されるインクを収容する液体収容体CTが接続される液体収容体接続部CN11と、液体収容体接続部CN11に接続され、液体収容体接続部CN11を介して液体収容体CTから印刷ヘッドHDへインクを供給する液体供給管TBと、印刷ヘッドHDから排出される廃液を収容可能な廃液収容体WFBを保持する保持部HLDと、廃液を排出する排出口LOH1及び排出口LOH2が形成されたノズルNZを有する排出部OMと、を備える印刷装置であって、保持部HLDは、搬送経路PT1より上方、且つ、キャリッジCGの移動経路PT2よりも搬送方向の下流において、印刷装置1内の領域のうち、保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと重なる廃液収容体領域と、移動経路PT2の一部とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、液体供給管TBの一部は、重力方向から見た場合において、移動経路PT2と廃液収容体領域との間に位置し、且つ、搬送方向から見た場合において、廃液収容体領域と重なっており、廃液収容体領域は、液体供給管TBと離間しており、排出部OMは、保持部HLDに設けられており、且つ、排出部OMが廃液収容体WFBに廃液を排出する位置として予め決められた第3位置と、排出部OMが廃液収容体WFBに廃液を排出しない位置として予め決められた第4位置との間で移動可能である。これにより、印刷装置1は、第2位置と第1位置との間での廃液収容体WFBの移動による廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触が起こらない。従って、印刷装置1は、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触を抑制することができ、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触によって液体供給管TBに不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0103】
なお、実施形態の変形例2において、印刷装置1は、走査方向から見た場合において、廃液収容体WFBと、液体供給管TBの少なくとも一部とが重なる構成であってもよい。また、実施形態の変形例2において、印刷装置1は、走査方向から見た場合において、廃液収容体WFBと、キャリッジCGの少なくとも一部とが重なる構成であってもよい。これらの場合、印刷装置1は、印刷装置1の搬送方向の大きさを小さくすることができる。
【0104】
また、実施形態の変形例2に係る排出部OMは、印刷装置1以外の印刷装置に適用されてもよい。この場合、当該印刷装置は、第3位置と第4位置との間で移動可能な排出部OMを備える。
【0105】
<実施形態の変形例3>
以下、本開示の実施形態の変形例3について、図面を参照して説明する。
【0106】
<実施形態の変形例3に係る印刷装置の概要>
まず、実施形態の変形例3に係る印刷装置の概要について説明する。
【0107】
実施形態の変形例3に係る印刷装置は、搬送部と、印刷ヘッドと、キャリッジと、液体収容体接続部と、液体供給管と、保持部と、排出部と、接触抑制部材を備える。搬送部は、印刷媒体を搬送方向に搬送する。印刷ヘッドは、印刷媒体に画像を印刷する。キャリッジは、印刷媒体の搬送経路の上方において、搬送方向と交差する走査方向に向かって印刷ヘッドを前後に移動させる。液体収容体接続部は、印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される。液体供給管は、液体収容体接続部に接続され、液体収容体接続部を介して液体収容体から印刷ヘッドへ液体を供給する。保持部は、印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する。排出部は、廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する。接触抑制部材は、保持部に保持された廃液収容体と液体供給管との接触を抑制する。また、保持部は、搬送経路より上方、且つ、キャリッジの移動経路よりも搬送方向の下流において、印刷装置内の領域のうち、保持部に保持された廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、当該移動経路の一部とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置される。また、液体供給管の一部は、重力方向から見た場合において、当該移動経路と廃液収容体領域との間に位置し、且つ、搬送方向から見た場合において、廃液収容体領域と重なっている。そして、接触抑制部材は、液体供給管と廃液収容体領域との間に配置されている。これにより、当該印刷装置では、廃液収容体の取り付け及び取り外しにおいて、廃液収容体が液体供給管と接触してしまうことを抑制することができ、廃液収容体と液体供給管との接触によって液体供給管に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0108】
以下では、実施形態の変形例3に係る印刷装置の構成について詳しく説明する。
【0109】
<実施形態の変形例3に係る印刷装置の構成>
以下、実施形態の変形例3について説明する。なお、実施形態の変形例3では、実施形態と同様な構成部に対して同じ符号を付して説明を省略する。また、実施形態の変形例3において説明した事項の一部又は全部は、実施形態と実施形態の変形例1と実施形態の変形例2とのそれぞれにおいて説明した事項の一部又は全部と如何様に組み合わされてもよい。
【0110】
実施形態の変形例3では、保持部HLDは、実施形態と同様に、第1位置と第2位置との間で移動可能に廃液収容体WFBを保持する。ここで、実施形態では、印刷装置1は、廃液収容体領域と液体供給管TBとの間を隔てる部材を備えていなかった。このため、実施形態では、印刷装置1は、クリアランス距離を長くすることにより、廃液収容体WFBへの取り付け及び取り外しにおいて、廃液収容体WFBと液体供給管TBとが接触してしまうことを抑制していた。これに対し、実施形態の変形例3では、印刷装置1は、保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触を抑制する接触抑制部材WLを備える。すなわち、実施形態の変形例3では、印刷装置1は、廃液収容体領域と液体供給管TBとの間に配置される接触抑制部材WLを備える。これにより、実施形態の変形例3に係る印刷装置1は、クリアランス距離を短くしつつ、廃液収容体WFBと液体供給管TBとが接触してしまうことを抑制することができる。これは、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触によって液体供給管TBに不具合が生じてしまうことを抑制しつつ、印刷装置1の搬送方向の大きさを小さくすることに繋がるため、有用である。なお、接触抑制部材WLは、保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触を抑制することが可能な部材であれば、如何なる部材であってもよい。
【0111】
接触抑制部材WLは、例えば、
図24に示したように、保護部材PFの一部であってもよい。この場合、接触抑制部材WLは、搬送方向から見た場合において、印刷媒体排出口POHよりも上方に配置されている。何故なら、保護部材PFは、搬送経路PT1よりも上方に位置しているからである。
図24は、接触抑制部材WLとして機能する部位を有する保護部材PFの一例を示す図である。ここで、実施形態では、保護部材PFは、曲げられている液体供給管TBの外周面を覆うように設けられていた。これに対し、実施形態の変形例3では、保護部材PFは、
図24に示したように、保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触を抑制する接触抑制部材WLとして、搬送方向において廃液収容体領域と液体供給管TBの一部との間を隔てる障壁部WL1を含む。障壁部WL1は、保護部材PFに設けられ、且つ、廃液収容体領域と液体供給管TBとの間の少なくとも一部を隔てる障壁として機能する部材であれば、如何なる部材であってもよい。
図24に示した例では、障壁部WL1は、保護部材PFの搬送方向の端部が有する領域のうち、障壁部WL1を設ける領域として予め決められた対象領域RA3に設けられている。また、当該例では、対象領域RA3は、保護部材PFが有する部位のうち、液体供給管TBの第1部位TBAの外周面に設けられた部位の搬送方向側の端部の領域である。また、当該例では、対象領域RA3は、搬送方向から見た場合において、当該領域のうち、廃液収容体領域と重なる領域の少なくとも一部である。
図24では、対象領域RA3を、太い点線によって示している。そして、障壁部WL1は、当該例では、対象領域RA3上の位置のうちの互いに異なる13個の位置において、液体供給管TBとともに曲がっている保護部材PFの外周面と直交する方向のうち外周面から液体供給管TBに向かう方向へ突出する板状の部材である。
図24では、これら13個の位置から突出している板状の部材の中から任意に選んだ3つの部材を、障壁部WL1として示している。すなわち、当該例では、障壁部WL1は、互いに離間する2以上の部材に分割されている。なお、これら13個の位置から突出している障壁部WL1のうちの一部又は全部は、繋がっていてもよい。また、これら13個の位置から突出している障壁部WL1のうちの一部又は全部は、保護部材PFと一体に構成されてもよく、保護部材PFと別体に構成されてもよい。
【0112】
このように、実施形態の変形例3では、保護部材PFが障壁部WL1を含む。これにより、印刷装置1は、例えば、第2位置から第1位置へ廃液収容体WFBを移動させた場合において、廃液収容体WFBが保護部材PFと接触したとしても、廃液収容体WFBが液体供給管TBに接触してしまうことを抑制することができる。ここで、
図25は、保持部HLD上において第1位置に位置する廃液収容体WFBの様子の一例を示す上面図である。ユーザーは、
図25に示した廃液収容体WFBを印刷装置1から取り外す場合、矢印A7が示す方向、すなわち、搬送方向と反対の方向に向かって廃液収容体WFBを移動させる。これにより、ユーザーは、廃液収容体WFBを第2位置へ移動させる。この際、ユーザーは、廃液収容体WFBを第2位置よりも搬送方向と反対の方向の位置まで誤って移動させてしまうことがある。この場合、廃液収容体WFBは、保護部材PFと接触する。
図26は、第2位置よりも搬送方向と反対の方向の位置において廃液収容体WFBが保護部材PFと接触している様子の一例を示す上面図である。印刷装置1では、クリアランス距離が短いほど、
図26に示したように、ユーザーが廃液収容体WFBを保護部材PFに接触させてしまう可能性が高くなる。しかしながら、保護部材PFが障壁部WL1を含む場合、印刷装置1では、廃液収容体WFBが保護部材PFと接触したとしても、廃液収容体WFBが液体供給管TBと接触し難い。何故なら、障壁部WL1が廃液収容体領域と液体供給管TBとの間に配置されているからである。従って、実施形態の変形例3に係る印刷装置1は、障壁部WL1を含む保護部材PFによって廃液収容体WFBと液体供給管TBとが接触してしまうことを抑制することができ、廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触によって液体供給管TBに不具合が生じてしまうことを抑制することができる。このため、実施形態の変形例3に係る印刷装置1は、クリアランス距離を短くすることができ、搬送方向の大きさを小さくすることもできる。
【0113】
また、接触抑制部材WLは、例えば、
図27に示したように、搬送方向において廃液収容体領域と液体供給管TBの一部との間を隔てる隔壁WL2であってもよい。この場合も、接触抑制部材WLは、搬送方向から見た場合において、印刷媒体排出口POHよりも上方に配置されている。何故なら、保持部HLDは、搬送経路PT1よりも上方に位置しているからである。
図27は、接触抑制部材WLとして機能する隔壁WL2を印刷装置1が備えている場合の保持部HLDの一例を示す側面図である。
図27には、保持部HLDとともに、保持部HLDに保持された廃液収容体WFB、保護部材PF、キャリッジCGのそれぞれが示されている。
【0114】
図27に示した例では、廃液収容体WFBは、保持部HLD上において第2位置に位置している。そして、当該例では、隔壁WL2は、例えば、保持部HLDに設けられ、且つ、保持部HLDにより保持された廃液収容体WFBとともに移動可能である。この場合、隔壁WL2は、保持部HLDと一体に構成されてもよく、保持部HLDと別体に構成されてもよい。以下では、一例として、隔壁WL2は、
図27に示したように、保持部HLDと一体に構成されている場合について説明する。この場合、印刷装置1は、隔壁WL2が設けられた保持部HLDの大型化を抑制することができ、その結果、印刷装置1の大型化を抑制することができる。なお、
図28は、保持部HLDと一体に構成された隔壁WL2の構成の一例を示す斜視図である。また、保持部HLDと隔壁WL2とが別体に構成される場合、廃液収容体WFBとともに隔壁WL2が移動可能なように隔壁WL2を保持部HLDに設ける機構は、既知の機構であってもよく、これから開発される機構であってもよい。
【0115】
ここで、
図28に示したように、隔壁WL2は、キャリッジCGがキャリッジ待機位置に位置している場合、搬送方向から見て、液体供給管TBが有する部位のうち最も曲がっている位置CPと重なっている。また、搬送方向から見た場合において液体供給管TBが有する領域には、隔壁WL2と重なる被保護領域RA4と、隔壁WL2と重ならない非保護領域RA5とが含まれている。
図28では、被保護領域RA4は、鎖線によって示されている。また、
図28では、非保護領域RA5は、点線によって示されている。そして、
図28を見れば分かる通り、被保護領域RA4は、非保護領域RA5よりも小さい。また、隔壁WL2の上端部は、重力方向において、液体供給管TBの最も高い位置よりも高い。また、隔壁WL2の下端部は、重力方向において、液体供給管TBの最も低い位置よりも低い。これらにより、印刷装置1は、搬送方向から見た場合において、液体供給管TBが有する全ての領域を覆うように隔壁WL2を構成する必要がなく、隔壁WL2の大型化を抑制することができるとともに、隔壁WL2によって廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触を抑制することができる。なお、隔壁WL2の上端部は、重力方向において、液体供給管TBの最も高い位置以下の高さの位置であってもよい。また、隔壁WL2の下端部は、重力方向において、液体供給管TBの最も低い位置以上の高さの位置であってもよい。また、被保護領域RA4は、非保護領域RA5よりも大きい構成であってもよい。
【0116】
印刷装置1は、
図27に示したように隔壁WL2を備える場合、ユーザーが廃液収容体WFBを第2位置よりも搬送方向と反対の方向の位置まで誤って移動させてしまったとしても、隔壁WL2によって廃液収容体WFBが液体供給管TBに接触してしまうことを抑制することができる。この場合、印刷装置1では、
図29に示したように、液体供給管TBの代わりに隔壁WL2が接触することがある。
図29は、隔壁WL2が液体供給管TBと接触している様子の一例を示す側面図である。しかしながら、
図29に示したように液体供給管TBと隔壁WL2とが接触したとしても、液体供給管TBは、廃液収容体WFBの上方への引き抜きにおいて、隔壁WL2により摩耗させられることがない。これは、隔壁WL2が保持部HLDに設けられているため、廃液収容体WFBの上方への引き抜きにおいて、隔壁WL2が廃液収容体WFBとともに上方へ移動しないからである。その結果、印刷装置1は、隔壁WL2によって廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触によって液体供給管TBに不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0117】
なお、隔壁WL2は、
図27及び
図29に示したように、付勢部材SPによって搬送方向に付勢されている構成であってもよい。付勢部材SPは、例えば、ばねであるが、隔壁WL2を搬送方向に付勢可能な他の部材であってもよい。印刷装置1は、隔壁WL2が付勢部材SPによって搬送方向に付勢される場合、ユーザーが廃液収容体WFBとともに隔壁WL2を液体供給管TBに接触させてしまうことを抑制することができる。このため、この場合、印刷装置1は、液体供給管TBに不具合が発生してしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0118】
また、隔壁WL2は、保持部HLDにより保持された廃液収容体WFBとともに移動不可能であってもよい。この場合、隔壁WL2は、廃液収容体領域と重ならない位置に位置する。印刷装置1は、隔壁WL2が廃液収容体WFBとともに移動不可能であった場合であっても、廃液収容体WFB及び隔壁WL2のそれぞれと、液体供給管TBとの接触を抑制することができ、液体供給管TBに不具合が生じてしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0119】
また、隔壁WL2は、液体供給管TBに面する第1面M1と、第1面M1と反対の第2面M2とを有する。ここで、印刷装置1は、第1面M1の摩擦係数が低いほど、隔壁WL2と液体供給管TBとが接触した場合において、液体供給管TBに不具合が発生してしまう可能性が低くなる。例えば、印刷装置1は、第1面M1の摩擦係数を筐体BXの表面の摩擦係数よりも低くすることにより、液体供給管TBに不具合が発生してしまうことを、より確実に抑制することができる。この場合、第2面M2の摩擦係数は、第1面M1の摩擦係数と異なっていてもよく、第1面M1の摩擦係数と同じであってもよい。なお、印刷装置1は、第2面M2の摩擦係数が筐体BXの表面の摩擦係数よりも低い場合、廃液収容体WFBの保持部HLDからの引き抜きに要する力を小さくすることができる。すなわち、この場合、印刷装置1は、廃液収容体WFBを保持部HLDから上方へ引き抜く場合におけるユーザーの負担を減らすことができる。例えば、隔壁WL2は、保護部材PFを構成するプラスチックの種類と同じ種類のプラスチックにより構成される。この場合、第1面M1と第2面M2とのそれぞれの摩擦係数は、筐体BXの表面の摩擦係数より低くなる。また、この場合、印刷装置1は、隔壁WL2と保護部材PFとの接触によって保護部材PFに不具合が生じてしまうことを抑制することもできる。
【0120】
また、印刷装置1は、第1面M1の硬さが柔らかいほど、隔壁WL2と液体供給管TBとが接触した場合においても、液体供給管TBに不具合が発生してしまう可能性が低くなる。例えば、印刷装置1は、第1面M1の硬さを筐体BXの表面の硬さよりも柔らかくすることにより、液体供給管TBに不具合が発生してしまうことを、より確実に抑制することができる。この場合、第2面M2の硬さは、第1面M1の硬さと異なっていてもよく、第1面M1の硬さと同じであってもよい。なお、印刷装置1は、第2面M2の硬さが筐体BXの表面の硬さよりも低い場合、廃液収容体WFBが液体供給管TBに向かって隔壁WL2を押す力が分散されて弱くなる。その結果、印刷装置1は、隔壁WL2と液体供給管TBとの接触によって液体供給管TBに不具合が発生してしまうことを抑制することができる。例えば、隔壁WL2は、ゴム等の弾性部材により構成される。この場合、第1面M1と第2面M2とのそれぞれの硬さは、筐体BXの表面の硬さより柔らかくなる。
【0121】
また、印刷装置1は、接触抑制部材WLとして、障壁部WL1と隔壁WL2との2つの部材を備える構成であってもよい。これにより、印刷装置1は、廃液収容体と液体供給管との接触によって液体供給管に不具合が生じてしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0122】
以上のように、実施形態の変形例3に係る印刷装置1は、印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部Hと、印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドHDと、印刷媒体の搬送経路PT1の上方において、搬送方向と交差する走査方向に向かって印刷ヘッドHDを前後に移動させるキャリッジCGと、印刷ヘッドHDに供給されるインクを収容する液体収容体CTが接続される液体収容体接続部CN11と、液体収容体接続部CN11に接続され、液体収容体接続部CN11を介して液体収容体CTから印刷ヘッドHDへインクを供給する液体供給管TBと、印刷ヘッドHDから排出される廃液を収容可能な廃液収容体WFBを保持する保持部HLDと、廃液を排出する排出口LOH1及び排出口LOH2が形成されたノズルNZを有する排出部OMと、保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと液体供給管TBとの接触を抑制する接触抑制部材WLと、を備える印刷装置であって、保持部HLDは、搬送経路PT1より上方、且つ、キャリッジCGの移動経路PT2よりも搬送方向の下流において、印刷装置1内の領域のうち、保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと重なる廃液収容体領域と、移動経路PT2の一部とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、液体供給管TBの一部は、重力方向から見た場合において、移動経路PT2と廃液収容体領域との間に位置し、且つ、搬送方向から見た場合において、廃液収容体領域と重なっており、接触抑制部材WLは、液体供給管TBと廃液収容体領域との間に配置されている。これにより、印刷装置1は、クリアランス距離を短くしつつ、廃液収容体WFBと液体供給管TBとが接触してしまうことを抑制することができる。
【0123】
なお、上記において説明した廃液収容体WFBは、孔HL1及び孔HL2が形成されている場合、
図30に示したように、孔HL1及び孔HL2の両方を閉じる孔閉塞位置と孔HL1及び孔HL2の両方を開く孔開放位置との間で移動可能な被当接部SHT1を備える構成であってもよい。
図30は、被当接部SHT1を備えた廃液収容体WFBの構成の一例を示す前面図である。ただし、
図30には、一例として、前面に孔HL1及び孔HL2が形成されている廃液収容体WFBが示されている。
【0124】
被当接部SHT1は、廃液収容体WFBに形成された孔HL1及び孔HL2の両方を閉じる孔閉塞位置と、孔HL1及び孔HL2の両方を開く孔開放位置との間で移動可能に、廃液収容体WFBに設けられている。なお、被当接部SHT1は、ユーザーによって手動で孔閉塞位置と孔開放位置との間を移動させられてもよく、アクチュエーター等によって自動で孔閉塞位置と孔開放位置との間を移動させられてもよく、他の方法により孔閉塞位置と孔開放位置との間を移動させられてもよい。また、
図30に示した被当接部SHT1は、孔閉塞位置に位置している。このため、
図30では、廃液収容体WFBに形成された孔HL1及び孔HL2の両方が、被当接部SHT1の背後に隠れている。
【0125】
図31は、被当接部SHT1が孔開放位置に位置し、廃液収容体WFBに形成された孔HL1及び孔HL2の両方が見えている様子の一例を示す図である。
図30及び
図31に示した例では、孔開放位置は、孔閉塞位置よりも上方に位置している。この場合、被当接部SHT1は、上方に向かって孔閉塞位置から孔開放位置へ移動することができ、下方に向かって孔開放位置から孔閉塞位置へ移動することができる。なお、孔開放位置は、孔閉塞位置よりも走査方向の上流又は下流に位置していてもよく、孔閉塞位置よりも搬送方向の上流又は下流に位置していてもよい。ここで、印刷装置1の保持部HLDには、被当接部SHT1を孔閉塞位置から孔開放位置へ移動させる部材として、当接部SHT2を備える構成であってもよい。当接部SHT2は、廃液収容体WFBの保持部HLDへの載置に応じて被当接部SHT1と当接し、被当接部SHT1を孔閉塞位置から孔開放位置へ移動させる部材である。当接部SHT2の構成は、廃液収容体WFBの保持部HLDへの載置に応じて被当接部SHT1と当接し、被当接部SHT1を孔閉塞位置から孔開放位置へ移動させることが可能な構成であれば、如何なる構成であってもよい。なお、被当接部SHT1は、
図3及び
図4において、直方体形状の物体として示されている。
【0126】
なお、上記において説明したノズルNZは、重力方向と反対の方向に延伸する構成であってもよい。この場合、排出口LOHは、ノズルNZの当該方向の先端に形成されている。そして、この場合、廃液収容体WFBは、例えば、下方に向かって開口する孔HLが形成された突出部PTMを備える。この場合、印刷装置1は、廃液収容体WFBを取り外す際、ノズルNZの先端から廃液が垂れてしまうことを抑制することができる。
【0127】
また、上記において説明した事項は、如何様に組み合わされてもよい。
【0128】
<付記1>
[1]
印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、前記印刷媒体の搬送経路の上方において、前記搬送方向と交差する走査方向に向かって前記印刷ヘッドを前後に移動させるキャリッジと、前記印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される液体収容体接続部と、前記液体収容体接続部に接続され、前記液体収容体接続部を介して前記液体収容体から前記印刷ヘッドへ前記液体を供給する液体供給管と、前記印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、前記廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、前記保持部に保持された前記廃液収容体と前記液体供給管との接触を抑制する接触抑制部材と、を備える印刷装置であって、前記保持部は、前記搬送経路より上方、且つ、前記キャリッジの移動経路よりも前記搬送方向の下流において、前記印刷装置内の領域のうち、前記保持部に保持された前記廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、前記移動経路の一部とが、前記搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、前記液体供給管の一部は、重力方向から見た場合において、前記移動経路と前記廃液収容体領域との間に位置し、且つ、前記搬送方向から見た場合において、前記廃液収容体領域と重なっており、前記接触抑制部材は、前記液体供給管と前記廃液収容体領域との間に配置されている、印刷装置。
[2]
前記液体供給管と前記保持部とは、前記印刷装置内において予め決められた領域内に配置されている、[1]に記載の印刷装置。
[3]
前記保持部は、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受ける位置として予め決められた第1位置と、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受けない位置として予め決められ、且つ、前記搬送方向において前記第1位置よりも上流に位置する第2位置との間で移動可能に前記廃液収容体を保持し、前記廃液収容体領域は、前記印刷装置内の領域のうち、前記第1位置において前記保持部に保持された前記廃液収容体と重なる第1領域と、前記印刷装置内の領域のうち、前記第2位置において前記保持部に保持された前記廃液収容体と重なる第2領域との両方を含む領域である、[1]又は[2]に記載の印刷装置。
[4]
前記接触抑制部材は、前記搬送方向において前記廃液収容体領域と前記液体供給管の一部との間を隔てる隔壁を含む、[1]から[3]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[5]
筐体を備え、前記隔壁は、前記液体供給管に面する第1面と、前記第1面と反対の第2面とを有し、前記第1面の摩擦係数は、前記筐体の表面の摩擦係数よりも低い、[4]に記載の印刷装置。
[6]
前記第2面の摩擦係数は、前記筐体の表面の摩擦係数よりも低い、[5]に記載の印刷装置。
[7]
筐体を備え、前記隔壁は、前記液体供給管に面する第1面と、前記第1面と反対の第2面とを備え、前記第1面の硬さは、前記筐体の硬さよりも柔らかい、[4]から[6]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[8]
前記第2面の硬さは、前記筐体の硬さよりも柔らかい、[7]に記載の印刷装置。
[9]
前記液体供給管の少なくとも一部に設けられ、前記液体供給管を保護する保護部材を備え、前記保護部材は、予め決められた種類のプラスチックにより構成されており、前記隔壁は、前記プラスチックにより構成されている、[4]から[8]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[10]
前記液体供給管は、前記液体収容体接続部と前記印刷ヘッドとの間において曲げられており、前記液体供給管が有する部位のうち最も曲がっている位置から前記液体収容体接続部までの第1部位と、前記液体供給管が有する部位のうち前記最も曲がっている位置から前記印刷ヘッドまでの第2部位とは、前記搬送方向において重なっておらず、前記隔壁は、前記廃液収容体を交換する場合において前記キャリッジが位置する位置として予め決められたキャリッジ待機位置に位置している場合、前記搬送方向から見て、前記最も曲がっている位置と重なっており、前記搬送方向から見た場合において前記液体供給管が有する領域には、前記隔壁と重なる被保護領域と、前記隔壁と重ならない非保護領域とが含まれており、前記被保護領域は、前記非保護領域よりも小さい、[4]から[9]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[11]
前記保持部は、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受ける位置として予め決められた第1位置と、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受けない位置として予め決められ、且つ、前記搬送方向において前記第1位置よりも上流に位置する第2位置との間で移動可能に前記廃液収容体を保持し、前記隔壁は、前記保持部に設けられ、且つ、前記保持部により保持された前記廃液収容体とともに移動可能である、[4]から[10]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[12]
前記隔壁は、前記保持部に対して前記液体供給管から離れる方向に向かって付勢部材により付勢される、[11]に記載の印刷装置。
[13]
前記隔壁は、前記保持部と一体に構成される、[4]から[12]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[14]
前記液体供給管は、前記液体収容体接続部と前記印刷ヘッドとの間において曲げられており、前記液体供給管が有する部位のうち最も曲がっている位置から前記液体収容体までの第1部位と、前記液体供給管が有する部位のうち前記最も曲がっている位置から前記印刷ヘッドまでの第2部位とは、前記搬送方向において重なっておらず、前記隔壁の上端部は、前記液体供給管の最も高い位置よりも高い、[4]から[13]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[15]
前記液体供給管は、前記液体収容体接続部と前記印刷ヘッドとの間において曲げられており、前記液体供給管が有する部位のうち最も曲がっている位置から前記液体収容体までの第1部位と、前記液体供給管が有する部位のうち前記最も曲がっている位置から前記印刷ヘッドまでの第2部位とは、前記搬送方向において重なっておらず、前記隔壁の下端部は、前記液体供給管の最も低い位置よりも低い、[4]から[14]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[16]
前記ノズルは、前記搬送方向と反対の方向を示すベクトルと、重力方向と反対の方向を示すベクトルとの合成ベクトルが示す排出口突出方向に向かって延伸しており、前記排出口は、前記排出口突出方向の前記ノズルの先端に形成されている、[1]から[15]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[17]
筐体を備え、前記筐体には、前記印刷媒体が排出される印刷媒体排出口が形成され、前記保持部は、前記搬送方向から見た場合において前記印刷媒体排出口よりも上方に配置され、前記接触抑制部材は、前記搬送方向から見た場合において前記印刷媒体排出口よりも上方に配置される、[1]から[16]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[18]
外部からの入力を受け付ける入力受付部を備え、前記保持部は、前記搬送方向において、前記移動経路と前記入力受付部との間に配置される、[1]から[17]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[19]
前記移動経路の中心よりも、前記移動経路の前記走査方向の第1端部に近い位置に配置され、前記印刷ヘッドから前記液体を前記廃液として吸引する吸引機構を備え、前記廃液収容体は、前記保持部に対して着脱可能であり、前記排出部は、前記走査方向において、前記移動経路の中心よりも、前記移動経路の前記走査方向と反対の方向の第2端部に近い位置に設けられる、[1]から[18]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[20]
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、前記廃液収容体は、前記孔を閉じる孔閉塞位置と前記孔を開く孔開放位置との間で移動可能な被当接部を備え、前記保持部は、前記被当接部と当接する当接部を備え、前記当接部は、前記廃液収容体の前記保持部への載置に応じて前記被当接部を、前記孔閉塞位置から前記孔開放位置へ移動させる、[1]から[19]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[21]
前記保持部は、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受ける位置として予め決められた第1位置と、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受けない位置として予め決められ、且つ、前記搬送方向において前記第1位置よりも上流に位置する第2位置との間で移動可能に前記廃液収容体を保持し、前記廃液収容体は、前記ノズルと接続可能であり、前記保持部は、前記廃液収容体に設けられる回路基板と電気的に接続可能な基板接続部を有し、前記基板接続部は、前記廃液収容体を前記第2位置から前記第1位置に移動させた場合において前記回路基板と接続される位置に設けられ、且つ、前記移動経路の走査方向の第1端部よりも、前記移動経路の前記走査方向と反対の方向の第2端部に近い位置に設けられる、[1]から[20]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[22]
上方に開口する筐体と、前記筐体の開口を上方から開閉可能に覆うカバーと、を備え、前記保持部は、前記カバーが前記筐体の開口を開いている場合、前記筐体の開口を介して露出する、[1]から[21]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[23]
前記液体供給管の少なくとも一部に設けられ、前記液体供給管を保護する保護部材を備え、前記保護部材は、前記搬送方向において前記廃液収容体領域と前記液体供給管の一部との間を隔てる障壁部を含み、前記接触抑制部材は、前記障壁部を含む、[1]から[22]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[24]
前記障壁部は、互いに離間する2以上の部材に分割されている、[23]に記載の印刷装置。
[25]
印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、前記印刷媒体の搬送経路の上方において、前記搬送方向と交差する走査方向に向かって前記印刷ヘッドを前後に移動させるキャリッジと、前記印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される液体収容体接続部と、前記液体収容体接続部に接続され、前記液体収容体接続部を介して前記液体収容体から前記印刷ヘッドへ前記液体を供給する液体供給管と、前記印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、前記廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、を備える印刷装置であって、前記保持部は、前記搬送経路より上方、且つ、前記キャリッジの移動経路よりも前記搬送方向の下流において、前記印刷装置内の領域のうち、前記保持部に保持された前記廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、前記移動経路の一部とが、前記搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、前記液体供給管の一部は、重力方向から見た場合において、前記移動経路と前記廃液収容体領域との間に位置し、且つ、前記搬送方向から見た場合において、前記廃液収容体領域と重なっており、前記廃液収容体は、前記ノズルと接続可能であり、前記ノズルは、前記搬送方向と反対の方向を示すベクトルと、重力方向と反対の方向を示すベクトルとの合成ベクトルが示す排出口突出方向に向かって延伸しており、前記排出口は、前記排出口突出方向の前記ノズルの先端に形成されている、印刷装置。
[26]
前記廃液収容体を備える、[1]から[25]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
【0129】
<付記2>
[1]
印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、前記印刷媒体の搬送経路の上方において、前記搬送方向と交差する走査方向に向かって前記印刷ヘッドを前後に移動させるキャリッジと、前記印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される液体収容体接続部と、前記液体収容体接続部に接続され、前記液体収容体接続部を介して前記液体収容体から前記印刷ヘッドへ前記液体を供給する液体供給管と、前記印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、前記廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、を備える印刷装置であって、前記保持部は、前記搬送経路より上方、且つ、前記キャリッジの移動経路よりも前記搬送方向の下流において、前記印刷装置内の領域のうち、前記保持部に保持された前記廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、前記移動経路の一部とが、前記搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、前記液体供給管の一部は、重力方向から見た場合において、前記移動経路と前記廃液収容体領域との間に位置し、且つ、前記搬送方向から見た場合において、前記廃液収容体領域と重なっており、前記廃液収容体領域は、前記液体供給管と離間しており、前記排出部は、前記保持部に設けられており、且つ、前記排出部が前記廃液収容体に前記廃液を排出する位置として予め決められた第3位置と、前記排出部が前記廃液収容体に前記廃液を排出しない位置として予め決められた第4位置との間で移動可能である、印刷装置。
[2]
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、前記保持部は、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受ける位置として予め決められた第1位置と、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受けない位置として予め決められた第2位置との間で移動可能に前記廃液収容体を保持し、前記第1位置における前記廃液収容体と前記液体供給管との間の距離は、前記第2位置における前記廃液収容体と前記液体供給管との間の距離以上であり、前記廃液収容体が有する面のうち前記搬送方向の面には、前記廃液収容体から前記搬送方向に突出する突出部が設けられており、前記孔は、上方に向かって前記突出部の上面に開口しており、前記ノズルは、重力方向に延伸しており、前記排出口は、前記排出部が前記第3位置に位置する場合、前記第1位置に位置する前記廃液収容体の前記孔の上方に位置する、[1]に記載の印刷装置。
[3]
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、前記ノズルは、前記排出部が前記第4位置から前記第3位置へ移動した場合、前記保持部により保持された前記廃液収容体の前記孔と接続する、[1]又は[2]に記載の印刷装置。
[4]
前記排出部を前記第4位置から前記第3位置へ移動させる操作を受け付ける操作部と、前記操作部により受け付けられた前記操作に応じて前記排出部を前記第4位置から前記第3位置へ移動させる移動機構と、を備える[1]から[3]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[5]
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、前記孔は、前記廃液収容体が有する面のうち前記搬送方向の面に形成されており、前記第3位置は、前記第4位置よりも前記搬送方向の上流に位置する、[4]に記載の印刷装置。
[6]
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、前記孔は、前記廃液収容体が有する面のうち前記走査方向の面に形成されており、前記第3位置は、前記第4位置よりも前記走査方向の上流に位置する、[4]に記載の印刷装置。
[7]
前記操作部は、前記排出部よりも上方に設けられる、[4]から[6]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[8]
上方に開口する筐体と、前記筐体の開口を上方から開閉可能に覆うカバーと、を備え、前記操作部は、前記カバーであり、前記移動機構は、前記カバーの動きに応じて、前記排出部を前記第4位置から前記第3位置へ移動させる、[4]から[7]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[9]
前記移動機構は、前記筐体の開口を前記カバーによって閉じる過程において、上方から前記排出部に接触するガイド面を有し、前記ガイド面は、下方への移動に応じて前記排出部を前記第4位置から前記第3位置に向かってガイドする、[8]に記載の印刷装置。
[10]
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、前記孔は、前記廃液収容体の上面に形成されている、[4]に記載の印刷装置。
[11]
前記移動機構は、予め決められた回動軸周りに回動し、前記回動軸と直交する方向に向かって前記回動軸から延伸する第1部材を有し、前記排出部は、前記第1部材が有する端部のうち前記回転軸と反対の端部に設けられており、前記回動軸は、前記搬送方向及び前記走査方向を含む仮想的な面と平行であり、前記第1部材を前記廃液収容体に向かって回動させた場合において、前記ノズルを前記孔に接続させることが可能な位置に設けられ、前記操作部は、前記第1部材である、[10]に記載の印刷装置。
[12]
前記回転軸は、前記搬送方向と平行であり、前記搬送方向において、前記移動機構の両端は、前記廃液収容体の両端の内側に含まれている、[11]に記載の印刷装置。
[13]
前記回転軸は、前記搬送方向から見た場合、前記孔よりも上方に位置している、[11]又は[12]に記載の印刷装置。
[14]
前記キャリッジは、前記廃液収容体を交換する場合、前記キャリッジが位置する位置として予め決められたキャリッジ待機位置に位置し、前記キャリッジ待機位置は、前記搬送方向から見た場合、前記保持部よりも、前記移動経路の前記走査方向の第1端部に近い位置である、[1]から[13]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[15]
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、前記保持部は、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受ける位置として予め決められた第1位置と、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受けない位置として予め決められた第2位置との間で移動可能に前記廃液収容体を保持し、前記第1位置における前記廃液収容体と前記液体供給管との間の距離は、前記第2位置における前記廃液収容体と前記液体供給管との間の距離以上であり、前記ノズルは、前記廃液収容体が前記第2位置に位置する場合、前記操作部が操作を受け付けることにより、前記保持部に保持された前記廃液収容体の前記孔に接続される、[4]から[14]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[16]
前記孔は、重力方向から見た場合、前記廃液収容体の内部に収容されている吸収部材と重なる位置に形成されている、[15]に記載の印刷装置。
[17]
前記孔は、重力方向から見た場合、前記廃液収容体の内部に収容されている吸収部材と重ならない位置に形成されている、[15]に記載の印刷装置。
[18]
前記第2位置は、前記搬送方向において前記第1位置よりも上流に位置している、[15]から[17]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[19]
前記第2位置は、前記走査方向において前記第1位置よりも上流又は下流に位置している、[15]から[17]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[20]
前記廃液収容体が有する面のうち前記搬送方向の面には、前記搬送方向に突出する突出部が設けられており、前記孔は、上方に向かって前記突出部の上面に開口しており、前記ノズルは、前記排出部が前記第3位置に位置する場合、前記第1位置に位置する前記廃液収容体の前記孔と接続する、[15]から[19]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[21]
前記突出部は、前記廃液収容体の前記搬送方向の面から突出している状態と、前記廃液収容体の内部に収容されている状態とを切り替え可能に設けられており、前記孔は、前記廃液収容体が有する面のうち前記搬送方向の面から前記突出部が突出している状態において、上方に向かって前記突出部の上面に開口している、[20]に記載の印刷装置。
[22]
前記廃液収容体は、前記廃液収容体を前記保持部へ保持させる過程において、前記突出部の状態を、前記廃液収容体の内部に収容されている状態から、前記廃液収容体の前記搬送方向の面から突出している状態へ切り替える機構を有する、[21]に記載の印刷装置。
[23]
前記保持部は、予め決められた位置において前記廃液収容体を保持する、[1]に記載の印刷装置。
[24]
前記廃液収容体を備える、[1]から[23]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[25]
印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、前記印刷媒体の搬送経路の上方において、前記搬送方向と交差する走査方向に向かって前記印刷ヘッドを前後に移動させるキャリッジと、前記印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される液体収容体接続部と、前記液体収容体接続部に接続され、前記液体収容体接続部を介して前記液体収容体から前記印刷ヘッドへ前記液体を供給する液体供給管と、前記印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、前記廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、を備える印刷装置であって、前記保持部は、前記搬送経路より上方、且つ、前記キャリッジの移動経路よりも前記搬送方向の下流において、前記印刷装置内の領域のうち、前記保持部に保持された前記廃液収容体と重なる廃液収容体領域と、前記移動経路の一部とが、前記搬送方向から見た場合に重なる位置に配置され、前記液体供給管の一部は、重力方向から見た場合において、前記移動経路と前記廃液収容体領域との間に位置し、且つ、前記搬送方向から見た場合において、前記廃液収容体領域と重なっており、前記排出部の少なくとも一部は、前記搬送方向から見た場合において前記廃液収容体領域と重なっており、且つ、前記走査方向から見た場合において前記廃液収容体領域よりも前記搬送方向の下流に位置し、前記廃液収容体領域は、前記液体供給管と離間しており、前記ノズルは、重力方向に向かって延伸しており、前記排出口は重力方向の前記ノズルの先端に形成されている、印刷装置。
[26]
筐体を備え、前記筐体には、前記印刷媒体が排出される印刷媒体排出口が形成され、前記保持部は、前記搬送方向から見た場合において前記印刷媒体排出口よりも上方に配置される、[25]に記載の印刷装置。
[26]
前記保持部に保持された前記廃液収容体と前記液体供給管との接触を抑制する接触抑制部材と、外部からの入力を受け付ける入力受付部と、を備え、前記保持部は、前記搬送方向において、前記移動経路と前記入力受付部との間に配置され、前記接触抑制部材は、前記搬送方向において、前記移動経路と前記入力受付部との間に配置される、[25]又は[26]に記載の印刷装置。
[27]
前記移動経路の中心よりも、前記移動経路の前記走査方向の第1端部に近い位置に配置され、前記印刷ヘッドから前記液体を前記廃液として吸引する吸引機構を備え、前記廃液収容体は、前記保持部に対して着脱可能であり、前記排出部は、前記走査方向において、前記移動経路の中心よりも、前記移動経路の前記走査方向と反対の方向の第2端部に近い位置に設けられる、[25]から[26]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[28]
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、前記廃液収容体は、前記孔を閉じる孔閉塞位置と前記孔を開く孔開放位置との間で移動可能な被当接部を備え、前記保持部は、前記被当接部と当接する当接部を備え、前記当接部は、前記廃液収容体の前記保持部への載置に応じて前記被当接部を、前記孔閉塞位置から前記孔開放位置へ移動させる、[25]から[27]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[29]
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、前記保持部は、前記廃液収容体に設けられる回路基板と電気的に接続可能な基板接続部を有し、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受ける位置として予め決められた第1位置と、前記排出口から排出された前記廃液を前記廃液収容体が受けない位置として予め決められた第2位置との間で移動可能に前記廃液収容体を保持し、前記第1位置における前記廃液収容体と前記液体供給管との間の距離は、前記第2位置における前記廃液収容体と前記液体供給管との間の距離以上であり、前記ノズルは、前記廃液収容体が前記第2位置に位置する場合、前記操作部が操作を受け付けることにより、前記保持部に保持された前記廃液収容体の前記孔に接続され、前記基板接続部は、前記廃液収容体を前記第2位置から前記第1位置に移動させた場合において前記回路基板と接続される位置に設けられ、且つ、前記移動経路の走査方向の第1端部よりも、前記移動経路の前記走査方向と反対の方向の第2端部に近い位置に設けられる、[25]から[28]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[30]
印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、前記印刷媒体の搬送経路の上方において、前記搬送方向と交差する走査方向に向かって前記印刷ヘッドを前後に移動させるキャリッジと、前記印刷ヘッドに供給される液体を収容する液体収容体が接続される液体収容体接続部と、前記液体収容体接続部に接続され、前記液体収容体接続部を介して前記液体収容体から前記印刷ヘッドへ前記液体を供給する液体供給管と、前記印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、前記廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、を備える印刷装置であって、前記排出部は、前記保持部に設けられており、且つ、前記排出部が前記廃液収容体に前記廃液を排出する位置として予め決められた第3位置と、前記排出部が前記廃液収容体に前記廃液を排出しない位置として予め決められた第4位置との間で移動可能である、印刷装置。
【0130】
以上、この開示の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【符号の説明】
【0131】
1…印刷装置、AX…回動軸、BD1…回路基板、BD2…基板接続部、BX…筐体、CG…キャリッジ、CN11…液体収容体接続部、CT、CT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6…液体収容体、CV…カバー、EN…第1部材、FLT…吸収部材、H…搬送部、HD…印刷ヘッド、HL、HL1、HL2…孔、HLD…保持部、LOH…、LOH1、LOH2…排出口、M1…第1面、M2…第2面、MM、MM2…移動機構、NZ、NZ1、NZ2…ノズル、OM…排出部、OPR…操作部、OPRM…ガイド面、PF…保護部材、POH…印刷媒体排出口、PT1…搬送経路、PT2…移動経路、PTM…突出部、SHT1…被当接部、SHT2…当接部、SP…付勢部材、TB、TB1、TB2、TB3、TB4、TB5、TB6…液体供給管、TBA…第1部位、TBB…第2部位、TC…三次元座標系、TP…入力受付部、VC…吸引機構、WFB…廃液収容体、WL…接触抑制部材、WL1…障壁部、WL2…隔壁