(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130580
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/31 20130101AFI20240920BHJP
【FI】
G06F21/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040402
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】橋渡 翼
(57)【要約】
【課題】大掛かりな改修を要する装置の改造、周辺システムとの連携を行わずに、ユーザの使い方に応じた適切なタイミングでの自動ログアウト処理を実現する。
【解決手段】カード読み取りエリア99aへのICカード200の載置時間を計測する計測部90と、計測した載置時間が所定時間未満であるか否かを判定する判定部90と、ICカード200から読み取られたユーザ認証情報に基づいてログイン処理したユーザに適用するログアウト処理を、判定部90の判定結果に基づいて制御する制御部90とを備える。制御部90は、載置時間が所定時間未満の場合、ログイン処理後の連続非操作時間がタイムアウト時間に達すると自動でログアウトする第1ログアウト処理を、載置時間が所定時間以上である場合、カード読み取りエリア99aからICカードが除去されるとログアウトする第2ログアウト処理を、ユーザにそれぞれ適用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードが載置され、前記ICカードに記録されたユーザ認証情報が読み取られるカード読み取りエリアと、
前記カード読み取りエリアへの前記ICカードの載置時間を計測する計測部と、
計測した前記載置時間が所定時間未満であるか否かを判定する判定部と、
前記ICカードから読み取られた前記ユーザ認証情報に基づいてログイン処理したユーザに適用するログアウト処理を、前記判定部の判定結果に基づいて制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記計測した載置時間が前記所定時間未満である場合に、前記ログイン処理後に所定のログアウト条件が成立すると自動でログアウトする第1ログアウト処理を前記ユーザに適用し、
前記計測した載置時間が前記所定時間以上である場合に、前記カード読み取りエリアから前記ICカードが除去されるとログアウトする第2ログアウト処理を前記ユーザに適用する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、画像形成装置におけるユーザ認証は、画像形成装置で印刷した印刷物の第三者による持ち出しを防止する等のセキュリティの担保に活用されている。また、セキュリティの担保だけでなく、例えば、画像形成装置の印刷枚数等の利用量をユーザ毎に管理する際にも使用されている。例えば、画像形成装置の使用量をユーザ毎に管理する場合は、ユーザ毎にICカードを1枚割り当てる。画像形成装置の使用量をグループ毎に管理する場合は、グループ毎にICカードを1枚割り当てる。
【0003】
ユーザは、画像形成装置で印刷する場合に、自身が所属するグループのICカードで画像形成装置にログインする。印刷が終わったら、ユーザは画像形成装置からログアウトする。ログアウト操作なしに自動ログアウト処理する機能を利用すれば、ユーザがログアウト操作を行わなくても、例えば、ログインから一定の時間が過ぎると自動で画像形成装置からログアウトさせることができる。
【0004】
画像形成装置にログインしたユーザは、印刷中に、カードリーダのICカードを放置したまま画像形成装置を離れ、印刷が終了したら画像形成装置に戻ってカードリーダからICカードを回収するという使い方をする可能性がある。このような使い方をする場面で自動ログアウト処理する機能を利用すると、ユーザが画像形成装置を離れている間に自動ログアウトされて、ユーザの利便性を損ねてしまう場合がある。しかし、ログインから自動ログアウトまでの時間をむやみに延ばすと、ログイン中のユーザと無関係な第三者が、ログインしたままの画像形成装置を無断で使用できる危険性が増えてしまう。
【0005】
特許文献1では、自動ログアウト処理の発生頻度が第1の閾値よりも大きい場合、又は、自動ログアウト処理後所定時間以内の再ログイン処理の発生頻度が第2の閾値よりも大きい場合、自動ログアウトに関するタイムアウト時間を短縮又は延長する。特許文献2の画像形成装置は、ユーザ操作がない状態で所定時間が経過しても、ユーザを近くで検出している場合は自動ログアウト処理しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-271751号公報
【特許文献2】特開2010-20488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術では、ログイン状態の継続よりも自動ログアウト処理が優先される。よって、例えば1つのユーザのアカウントを複数人で共用する場合、ユーザによって閾値が毎回変動してしまい、それぞれのユーザに適した自動ログアウト時間の使い分けができない。特許文献2の技術では、ユーザの検出等のために追加を要する構成が多く、装置の改造や他のセキュリティーシステムとの連携等、大掛かりな改修が必要となる。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、大掛かりな改修を要する装置の改造、周辺システムとの連携を行わずに、ユーザの使い方に応じた適切なタイミングでのログアウト処理を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一つの態様による情報処理装置は、
ICカードが載置され、前記ICカードに記録されたユーザ認証情報が読み取られるカード読み取りエリアと、
前記カード読み取りエリアへの前記ICカードの載置時間を計測する計測部と、
計測した前記載置時間が所定時間未満であるか否かを判定する判定部と、
前記ICカードから読み取られた前記ユーザ認証情報に基づいてログイン処理したユーザに適用するログアウト処理を、前記判定部の判定結果に基づいて制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記計測した載置時間が前記所定時間未満である場合に、前記ログイン処理後に所定のログアウト条件が成立すると自動でログアウトする第1ログアウト処理を前記ユーザに適用し、
前記計測した載置時間が前記所定時間以上である場合に、前記カード読み取りエリアから前記ICカードが除去されるとログアウトする第2ログアウト処理を前記ユーザに適用する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、大掛かりな改修を要する装置の改造、周辺システムとの連携を行わず、ICカードのかざし方の違いによって、ユーザの使い方に応じた適切なタイミングでのログアウト処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を有する画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【
図2】
図2は、
図1の認証部が行うログイン及びログアウトに関する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0013】
また、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を有する画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
図1に示す本実施形態の画像形成装置1は、不図示のネットワークを介して画像形成装置1に接続される複数のクライアント端末(図示せず)と共に、プリンタネットワークシステムを構成することができる。
【0015】
不図示のクライアント端末は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)等によって構成することができる。クライアント端末のCPU(図示せず)は、例えば、クライアント端末の不図示の外部記憶装置に格納されたプリンタドライバプログラムを実行することで、仮想的なプリンタドライバとして機能することができる。プリンタドライバは、原稿画像の印刷ジョブを生成し、画像形成装置1に出力することができる。画像形成装置1は、スキャナ部98と、操作パネル97と、プリンタ部96と、IC読取部99と、画像形成装置1の全体の制御を行う制御ユニット90とを備える。
【0016】
スキャナ部98は、原稿上の画像情報を印刷画像として読み取って画像信号を出力する。操作パネル97は、操作画面とこれを覆うタッチパネルとで構成することができる。操作パネル97は、画像形成装置1で実行される処理機能に対する操作情報を表示し、印刷動作に関する命令を含むユーザ操作を受け付ける。プリンタ部96は、スキャナ部98から出力された画像信号、或いは不図示のクライアント端末から送信された印刷ジョブに基づいて、用紙の片面又は両面に印刷画像を印刷する。
【0017】
本実施形態では、プリンタ部96が、多数のノズルが形成されたインクヘッドを複数備えるインクジェット方式のプリンタエンジンである場合を例に取って説明する。プリンタ部96は、それぞれのインクヘッドから黒又はカラーインクを吐出してライン単位で印刷を行い、画像形成装置1の不図示の搬送ベルト上で搬送される用紙上に、複数の画像を互いに重なり合うように印刷する。
【0018】
IC読取部99は、ICカード200から、ユーザIDやパスワードなどユーザを認証するためのユーザ認証情報を読み取るリーダライタ装置である。IC読取部99には、非接触式のリーダライタ装置を用いることができる。IC読取部99は、ユーザ認証情報を読み取るICカード200を載置するカード読み取りエリア99aを有している。ユーザ認証情報は、ICカード200のICチップ(図示せず)に記録されている。IC読取部99は、発信する弱い電波を利用して、カード読み取りエリア99aのICカード200のICチップとデータを送受信する。
【0019】
制御ユニット90は、外部インターフェース部94を有する。外部インターフェース部94には、複数のクライアント端末を接続した不図示のネットワークが接続される。制御ユニット90は、クライアント端末が出力した印刷ジョブを、外部インターフェース部94において受け取る。制御ユニット90は、受け取った印刷ジョブにより印刷画像のラスタデータを生成する。画像形成装置1は、印刷ジョブにおいて指定された条件で、印刷画像の用紙への印刷をプリンタ部96において実行する。
【0020】
また、制御ユニット90には、操作パネル97が接続されている。操作パネル97は、画像形成装置1を利用するユーザを認証するためのユーザ認証情報(ID及びパスワード)を入力させるための画面を表示させ、ユーザ認証情報を受け付ける認証受付部として利用できる。
【0021】
制御ユニット90は、例えば、汎用のマイクロコントローラを用いて構成することができる。制御ユニット90は、CPU(Central Processing Unit )95及びメモリを備える。メモリは、ROM(Read Only Memory)91及びRAM(Random Access Memory)92を含む。マイクロコントローラは、例えば、ROM91に格納されているプログラムをCPU95が実行することにより、複数の情報処理回路を仮想的に構築することができる。複数の情報処理回路は、制御ユニット90の後述する各部101~103,106,107を構成することができる。
【0022】
制御ユニット90は、汎用のマイクロコントローラを用いる代わりに、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit )等を用いて構成してもよい。制御ユニット90の情報処理回路は、プログラムの実行により仮想的に構築されてもよく、ハードウェアによって構成されてもよい。
【0023】
RAM92には、クライアント端末から制御ユニット90に入力された印刷ジョブや、操作パネル97から入力されたコピー時の印刷枚数や各種の設定内容等が一時的に記憶される。また、RAM92にはフレームメモリ領域が設けられている。このフレームメモリ領域には、制御ユニット90に入力された印刷ジョブによってCPU95が生成する印刷画像のラスタデータが、プリンタ部96に出力されるまでの間、一時的に記憶される。
【0024】
制御ユニット90には外部記憶装置93が設けられており、この外部記憶装置93はCPU95に接続されている。外部記憶装置93は、例えば、SSD(Solid State Drive )又はHDD(Hard Disk Drive )等の記憶装置によって構成することができる。外部記憶装置93には、上述したRAM92から転送された印刷ジョブや設定情報を記憶する複数の領域が設けられている。この外部記憶装置93には、各クライアント端末からの送信された印刷ジョブを記憶する印刷ジョブ記憶部として機能したり、代替履歴情報を記憶する代替履歴情報記憶部として機能したり、認証情報を記憶する認証情報記憶部として機能したりする。
【0025】
次に、CPU95上の内部ブロックについて説明する。なお、以下の説明において「モジュール」という文言を使用する場合がある。本実施形態中で用いられる「モジュール」とは、所定の動作を達成するための機能単位を示す。「モジュール」は、ハードウェアによって構成することができる。また、「モジュール」は、ソフトウェアをプロセッサが実行することで仮想的に構築することができる。1つの「モジュール」の一部をハードウェアで構成し、他の一部をソフトウェアの実行により仮想的に構築してもよい。
【0026】
CPU95には、外部記憶装置93が接続されている。外部記憶装置93は、印刷ジョブ記憶部93aと認証情報記憶部93bとを有している。印刷ジョブ記憶部93aは、RAM92に一時的に記憶されたクライアント端末からの印刷ジョブを記憶することができる。認証情報記憶部93bは、ユーザ認証情報(ユーザIDおよびパスワード)を記憶することができる。
【0027】
制御ユニット90に仮想的に構築される複数の情報処理回路は、印刷ジョブ受信部101と、操作信号取得部102と、認証部103と、印字制御部106と、表示制御部107とを構成することができる。
【0028】
印刷ジョブ受信部101は、一連の印刷処理単位である印刷ジョブを受信する通信インターフェースであり、受信した印刷ジョブを外部記憶装置93の印刷ジョブ記憶部93aに記憶させるモジュールである。
【0029】
操作信号取得部102は、操作パネル97の液晶表示パネル97bの前面に配置された感圧式あるいは静電式の透明なタッチパネル97aからユーザによる操作信号を受信するモジュールである。操作信号取得部102は、タッチパネル97aから受信した操作信号を解析し、ユーザ操作に応じた処理を他のモジュールに実行させる。特に、本実施形態において、この操作信号取得部102は、操作パネル97からプリント機能、スキャナ機能、及びコピー機能を実行する指示操作や、各処理機能についての設定操作を受け付ける。本実施形態において、操作信号取得部102で受け付けた設定操作に関する信号等は、認証部103や印字制御部106等に入力される。
【0030】
認証部103は、ユーザを認証するモジュールであり、ICカード認証部103cを有する。ICカード認証部103cは、ICカードに記憶され、IC読取部99により読み取られたユーザ認証情報と、認証情報記憶部93bに記憶されたユーザ認証情報とに基づいてユーザ認証を行う。認証部103は、請求項中の計測部、判定部及び制御部を構成することができる。
【0031】
印字制御部106は、各色のインクジェットヘッドの駆動や、給紙経路、搬送経路、排紙経路などの各駆動手段の動作を制御し、画像形成処理全体を制御するモジュールであり、スケジューリングに従ったタイミング及び印字速度で画像形成を行う。より具体的には、印字制御部106は、操作信号取得部102により取得された操作信号と印刷ジョブ記憶部93aに記憶された印刷ジョブに含まれる画像データに基づいて、搬送される用紙に対して、インクジェットヘッドから0ドロップ~7ドロップのいずれかのドロップ数でインクを吐出することによりライン単位で印刷する。
【0032】
表示制御部107は、タッチパネル97aの裏面に配置された液晶表示パネル97bに各種表示画面を表示させる。
【0033】
図2は、
図1の認証部103が行うログイン及びログアウトに関する処理の手順の一例を示すフローチャートである。認証部103は、IC読取部99がICカード200からユーザ認証情報を読み取った場合に、ICカード認証部103cにより、読み取ったユーザ認証情報を認証情報記憶部93bのユーザ認証情報と照合させる。読み取ったユーザ認証情報が認証情報記憶部93bのユーザ認証情報と一致したら、認証部103は、ICカード200のユーザのアカウントによるログインを認め、画像形成装置1へのログイン処理を行う(ステップS101)。
【0034】
認証部103は、画像形成装置1へのログインを認めたユーザのカード読み取りエリア99aに載置されたICカード200が、ログイン処理後に連続して一定時間以上載置されているか否かを確認する(ステップS103)。ログイン処理後にICカード200がカード読み取りエリア99aに一定時間以上連続して載置されている場合は(ステップS103でYES)、認証部103は、自動ログアウト処理の適用対象としないログインであると判断して、後述するステップS109に処理を移行する。
【0035】
ログイン処理から一定時間が経過する前にカード読み取りエリア99aからICカード200が取り除かれた場合は(ステップS103でNO)、認証部103は、自動ログアウト処理の適用対象とするログインであると判断して、ログイン処理又は前回の操作から一定時間内に画像形成装置1が操作されたか否かを確認する(ステップS105)。ログイン処理又は前回の操作から一定時間が過ぎても画像形成装置1が操作されていない場合は(ステップS105でYES)、後述するステップS111に処理を移行する。
【0036】
ログイン処理又は前回の操作から一定時間内に画像形成装置1が操作された場合は(ステップS105でNO)、認証部103は、手動でログアウト操作が実行されたか否かを確認する(ステップS107)。手動のログアウト操作は、例えば、操作パネル97のタッチパネル97aのユーザによる操作等で行うことができる。手動のログアウト操作が実行されていない場合は(ステップS107でNO)、ステップS10にリターンする。手動のログアウト操作が実行された場合は(ステップS107でYES)、ステップS111に処理を移行する。
【0037】
ステップS109では、認証部103は、自動ログアウト処理の適用対象としないログインのユーザのICカード200が、カード読み取りエリア99aに載置されているか否かを確認する。ICカード200がカード読み取りエリア99aに載置されている場合は(ステップS109でYES)、ステップS109をリピートする。ICカード200がカード読み取りエリア99aに載置されていない場合は(ステップS109でNO)、所定のログアウト条件が成立したものとして、ステップS111に処理を移行する。
【0038】
ステップS111では、自動ログアウト処理の適用対象とするログインについて、所定のログアウト条件が成立したものとして、あるいは、ユーザが手動でログアウト操作を行ったものとして、ログアウト処理を実行する。また、ステップS111では、自動ログアウト処理の適用対象としないログインについて、ユーザがカード読み取りエリア99aからICカード200を取り除いたものとして、ログアウト処理を実行する。
【0039】
ステップS111のログアウト処理の実行後に、認証部103は、ログイン及びログアウトに関する一連の処理を終了する。
【0040】
図2に示す認証部103の処理のうち、ステップS103の処理は、カード読み取りエリア99aへのICカード200の載置時間を計測する計測部の処理と、計測した載置時間が所定時間未満であるか否かを判定する判定部の処理とに相当する。また、ステップS105、ステップS109及びステップS111の処理は、ICカード200から読み取られたユーザ認証情報に基づいてログイン処理したユーザに適用するログアウト処理を、判定部の判定結果に基づいて制御する制御部の処理に相当する。
【0041】
このうち、ステップS105及びステップS111の処理は、計測した載置時間が所定時間未満である場合に、ログイン処理後の連続非操作時間がタイムアウト時間に達すると自動でログアウトする第1ログアウト処理をユーザに適用する処理に相当する。また、ステップS109及びステップS111の処理は、計測した載置時間が所定時間以上である場合に、カード読み取りエリア99aからICカード200が除去されるとログアウトする第2ログアウト処理をユーザに適用する処理に相当する。なお、判定部及び制御部の処理における所定時間は、ステップS103及びステップS105の一定時間に相当する。
【0042】
以上に説明したように、本実施形態の情報処理装置では、画像形成装置1へのログインのためにユーザがカード読み取りエリア99aに載置したICカード200を、ログイン処理から一定時間(所定時間)未満のうちにカード読み取りエリア99aから取り除くと、自動ログアウト処理(第1ログアウト処理)が適用される。この場合、画像形成装置1をログイン処理又は前回の操作から一定時間以上操作しないと、ユーザが自動で画像形成装置1からログアウトされる。
【0043】
また、ユーザがICカード200をログイン処理から一定時間以上カード読み取りエリア99aに載置しておくと、自動ログアウト処理ではないログアウト処理(第2ログアウト処理)が適用される。この場合、ユーザがカード読み取りエリア99aからICカード200を取り除くと、ユーザが画像形成装置1からログアウトされる。
【0044】
このため、大掛かりな改修を要する画像形成装置1の改造、画像形成装置1と周辺システムとの連携を行わず、カード読み取りエリア99aへのICカード200の載置の仕方の違いによって、言い換えると、IC読取部99に対するICカード200のかざし方の違いによって、ユーザの使い方に応じた適切なタイミングでのログアウト処理を実現することができる。
【0045】
なお、本実施形態では、ログイン処理又は前回の操作から一定時間が過ぎても画像形成装置1が操作されないと、所定のログアウト条件が無条件に成立する場合を例示したが、他の条件次第で所定のログアウト条件が成立するか否かが変わるようにして、より柔軟な判断を行ってもよい。例えば、ユーザが手元の端末から出力した印刷ジョブを画像形成装置1がオンラインで受け取って実行している場合は、印刷ジョブの実行中に画像形成装置1の設置場所に移動したユーザが、ICカード200をカード読み取りエリア99aに載置した後、実行中の印刷ジョブが終了するまでログイン処理を保留する可能性がある。また、画像形成装置1が動作エラーを起こしている場合も、ユーザが、ICカード200をカード読み取りエリア99aに載置した後、エラーが復旧するまでログイン処理を保留する可能性がある。そこで、ログイン処理又は前回の操作から一定時間が過ぎても画像形成装置1が操作されて無いとしても、画像形成装置1がユーザの印刷ジョブの実行中である場合、又は、画像形成装置1のカメラが画像形成装置1の前にユーザがいることを検知している場合に、所定のログアウト条件が成立しないようにしてもよい。
【0046】
また、所定のログアウト条件は、ログイン処理又は前回の操作から一定時間が過ぎても画像形成装置1が操作されない場合以外の場面で成立するものとしてもよい。
【0047】
なお、本発明は上記の実施形態のままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0048】
[付記]
以上に説明した実施形態によって、以下に示す態様の発明が開示される。
【0049】
即ち、一つの態様の発明として、
ICカードが載置され、前記ICカードに記録されたユーザ認証情報が読み取られるカード読み取りエリアと、
前記カード読み取りエリアへの前記ICカードの載置時間を計測する計測部と、
計測した前記載置時間が所定時間未満であるか否かを判定する判定部と、
前記ICカードから読み取られた前記ユーザ認証情報に基づいてログイン処理したユーザに適用するログアウト処理を、前記判定部の判定結果に基づいて制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記計測した載置時間が前記所定時間未満である場合に、前記ログイン処理後に所定のログアウト条件が成立すると自動でログアウトする第1ログアウト処理を前記ユーザに適用し、
前記計測した載置時間が前記所定時間以上である場合に、前記カード読み取りエリアから前記ICカードが除去されるとログアウトする第2ログアウト処理を前記ユーザに適用する
情報処理装置が開示される。
【0050】
そして、上記態様による発明によれば、大掛かりな改修を要する装置の改造、周辺システムとの連携を行わず、ICカードのかざし方の違いによってユーザの使い方に応じた適切なタイミングでの自動ログアウト処理を実現できる。また、1つのユーザアカウントを複数人で共用する場合にそれぞれの使い方に合ったログアウト処理の運用を実現することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 画像形成装置
99 IC読取部
99a カード読み取りエリア
103 認証部
200 ICカード