(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130584
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】洗浄装置、それに用いられる台座及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B08B3/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040410
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100192692
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 雄基
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA02
3B201AB03
3B201AB37
3B201AB44
3B201BB22
3B201BB62
3B201BB92
3B201CD22
3B201CD42
3B201CD43
(57)【要約】 (修正有)
【課題】洗浄対象物の材質やサイズに依らず、当該洗浄対象物をスムーズに移動させながら洗浄することができる洗浄装置、それに用いられる台座及び洗浄方法を提供する。
【解決手段】洗浄装置100は、板形状の洗浄対象物を移動させながら洗浄する洗浄装置であって、洗浄対象物を洗浄する洗浄部120と、洗浄対象物を搬送する搬送部130と、洗浄対象物を載置した状態で、搬送部130が駆動することにより洗浄部120を移動する台座と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板形状の洗浄対象物を移動させながら洗浄する洗浄装置であって、
前記洗浄対象物を洗浄する洗浄部と、
前記洗浄対象物を搬送する搬送部と、
前記洗浄対象物を載置した状態で、前記搬送部が駆動することにより前記洗浄部を移動する台座と、を備える、
洗浄装置。
【請求項2】
前記搬送部は、
複数の搬送ローラと、
前記複数の搬送ローラを駆動させるモータと、を含み、
前記台座は、
当該台座の移動方向に対して配置された複数の搬送ローラに沿うように構成される第1部材と、
前記第1部材と略平行であって、前記第1部材が沿う前記複数の搬送ローラとは異なる複数の搬送ローラに沿うように構成される第2部材と、を含む、
請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記第1部材及び前記第2部材の少なくともいずれかは、前記台座の移動方向に対して配置された複数の搬送ローラに篏合するように構成されたガイド溝が形成されている、
請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記台座は、前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結部材を、さらに含む、
請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記台座は、当該洗浄装置のうち前記洗浄対象物が搬入される一方側に、前記第1部材と前記第2部材との間に空間が形成されるように構成される、
請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記台座は、当該洗浄装置のうち前記洗浄対象物が搬入される一方側とは反対側である他方側に、前記連結部材を構成する、
請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記連結部材は、前記第1部材と前記第2部材との距離を調整可能であって、当該連結部材の長さを調整可能な調整手段を有する、
請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記台座は、前記連結部材から、前記一方側の領域に延伸する補助部材を、さらに含む、
請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記補助部材は、当該台座の移動方向に対して配置された複数の搬送ローラに沿うように構成される、
請求項8に記載の洗浄装置。
【請求項10】
前記補助部材は、前記第1部材と前記第2部材との中央であって、前記第1部材及び前記第2部材に略平行に形成される、
請求項8に記載の洗浄装置。
【請求項11】
前記第1部材及び第2部材には、前記洗浄対象物を載置する面において複数の突起部が設けられている、
請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項12】
板形状の洗浄対象物を洗浄する洗浄部と、前記洗浄対象物を搬送する複数の搬送ローラを含む搬送部と、を有する洗浄装置に用いられる台座であって、
前記台座は、
当該台座の移動方向に対して配置された複数の搬送ローラに沿うように構成される第1部材と、
前記第1部材と略平行であって、前記第1部材が沿う前記複数の搬送ローラとは異なる複数の搬送ローラに沿うように構成される第2部材と、を含み、
前記洗浄対象物を載置した状態で、前記搬送部が駆動することにより前記洗浄部を移動する、
台座。
【請求項13】
板形状の洗浄対象物を洗浄する洗浄部と、前記洗浄対象物を搬送する複数の搬送ローラを含む搬送部と、前記洗浄対象物を載置する台座と、を有する洗浄装置が実行する洗浄方法であって、
前記台座に前記洗浄対象物を載置するステップと、
前記洗浄対象物を載置した状態で前記台座を前記洗浄部に搬送するステップと、
前記台座が前記洗浄対象物を載置した状態で前記洗浄部の領域を移動している間、前記洗浄対象物に洗浄水を噴射することにより洗浄するステップと、を含み、
前記台座は、
当該台座の移動方向に対して配置された複数の搬送ローラに沿うように構成される第1部材と、
前記第1部材と略平行であって、前記第1部材が沿う前記複数の搬送ローラとは異なる複数の搬送ローラに沿うように構成される第2部材と、を含む、
洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置、それに用いられる台座及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、工事現場や作業現場などで用いられる敷板がある。敷板は、例えば、鉄製の敷鉄板であり、資材搬入路の確保、作業床や地盤の保護、及び軟弱地盤における足場の確保などの目的で敷設(仮設)される。
【0003】
そして、このような敷板を洗浄する洗浄装置が知られている。例えば、特許文献1では、工事現場で多用される仮設通路用の敷き鉄板を再使用に備えて安全かつ経済的に汚れを除去する敷き鉄板洗浄装置が開示されている。
【0004】
具体的には、特許文献1に開示されている敷き鉄板洗浄装置は、搬送ローラ装置によって敷き鉄板を搬送させながら、洗浄機によって洗浄液水を噴射させて鉄板表面の汚れを除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている敷き鉄板洗浄装置では、鉄板や鋼板以外の板形状の洗浄対象物(例えば、ゴムマットや樹脂製板など)を洗浄しようとした際に、当該洗浄対象物の材質によっては、変形したり、洗浄液水の噴射による圧力によって浮き上がったり、移動したりする。その結果、搬送ローラの間に入り込み、搬送ローラの間に落下したり、搬送ローラの間に挟まったりすることが考えられる。
【0007】
また、洗浄対象物が鉄板や鋼板であったとしても、当該洗浄対象物のサイズや形状に応じて(例えば、小さかったり細かったりすると)、搬送ローラの大きさや配置によっては、搬送ローラの間に落下したり、搬送ローラの間に挟まったりする可能性もあることが考えられる。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的の1つは、洗浄対象物の材質やサイズに依らず、当該洗浄対象物をスムーズに移動させながら洗浄することができる洗浄装置、それに用いられる台座及び洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る洗浄装置は、板形状の洗浄対象物を移動させながら洗浄する洗浄装置であって、洗浄対象物を洗浄する洗浄部と、洗浄対象物を搬送する搬送部と、洗浄対象物を載置した状態で、搬送部が駆動することにより洗浄部を移動する台座と、を備える。
【0010】
上記態様において、搬送部は、複数の搬送ローラと、複数の搬送ローラを駆動させるモータと、を含み、台座は、当該台座の移動方向に対して配置された複数の搬送ローラに沿うように構成される第1部材と、第1部材と略平行であって、第1部材が沿う複数の搬送ローラとは異なる複数の搬送ローラに沿うように構成される第2部材と、を含んでもよい。
【0011】
上記態様において、第1部材及び第2部材の少なくともいずれかは、台座の移動方向に対して配置された複数の搬送ローラに篏合するように構成されたガイド溝が形成されていてもよい。
【0012】
上記態様において、台座は、第1部材と第2部材とを連結する連結部材を、さらに含んでもよい。
【0013】
上記態様において、台座は、当該洗浄装置のうち洗浄対象物が搬入される一方側に、第1部材と第2部材との間に空間が形成されるように構成されてもよい。
【0014】
上記態様において、台座は、当該洗浄装置のうち洗浄対象物が搬入される一方側とは反対側である他方側に、連結部材を構成してもよい。
【0015】
上記態様において、連結部材は、第1部材と第2部材との距離を調整可能であって、当該連結部材の長さを調整可能な調整手段を有してもよい。
【0016】
上記態様において、台座は、連結部材から、一方側の領域に延伸する補助部材を、さらに含んでもよい。
【0017】
上記態様において、当該台座の移動方向に対して配置された複数の搬送ローラに沿うように構成されてもよい。
【0018】
上記態様において、補助部材は、第1部材と第2部材との中央であって、第1部材及び第2部材に略平行に形成されてもよい。
【0019】
上記態様において、第1部材及び第2部材には、洗浄対象物を載置する面において複数の突起部が設けられてもよい。
【0020】
本発明の一態様に係る台座は、板形状の洗浄対象物を洗浄する洗浄部と、洗浄対象物を搬送する複数の搬送ローラを含む搬送部と、を有する洗浄装置に用いられる台座であって、台座は、当該台座の移動方向に対して配置された複数の搬送ローラに沿うように構成される第1部材と、第1部材と略平行であって、第1部材が沿う複数の搬送ローラとは異なる複数の搬送ローラに沿うように構成される第2部材と、を含み、洗浄対象物を載置した状態で、搬送部が駆動することにより洗浄部を移動する。
【0021】
本発明の一態様に係る洗浄方法は、板形状の洗浄対象物を洗浄する洗浄部と、洗浄対象物を搬送する複数の搬送ローラを含む搬送部と、洗浄対象物を載置する台座と、を有する洗浄装置が実行する洗浄方法であって、台座に洗浄対象物を載置するステップと、洗浄対象物を載置した状態で台座を洗浄部に搬送するステップと、台座が洗浄対象物を載置した状態で洗浄部の領域を移動している間、洗浄対象物に洗浄水を噴射することにより洗浄するステップと、を含み、台座は、当該台座の移動方向に対して配置された複数の搬送ローラに沿うように構成される第1部材と、第1部材と略平行であって、第1部材が沿う複数の搬送ローラとは異なる複数の搬送ローラに沿うように構成される第2部材と、を含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、洗浄対象物の材質やサイズに依らず、当該洗浄対象物をスムーズに移動させながら洗浄することができる洗浄装置、それに用いられる台座及び洗浄方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係る洗浄装置100の概要を示す外観斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る洗浄装置100においてゴムマットMを洗浄する様子を説明するための側方断面図である。
【
図3】載置部110に台座160が配置されている状態を示す模式図である。
【
図4】台座160にゴムマットMを載置した状態を示す模式図である。
【
図5】載置部110に配置された台座160に、フォークリフトFによってゴムマットMを載置する様子を示す模式図である。
【
図6A】本発明の一実施形態に係る洗浄装置100に用いられる第1応用例としての台座260を示す平面図である。
【
図6B】台座260にゴムマットMを載置した状態で洗浄水が噴射されている様子を示す正面図である。
【
図7A】本発明の一実施形態に係る洗浄装置100に用いられる第2応用例としての台座360を示す底面側からの斜視図である。
【
図7B】台座360にゴムマットMを載置した状態で洗浄水が噴射されている様子を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
【0025】
<一実施形態>
[洗浄装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る洗浄装置100の概要を示す外観斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係る洗浄装置100においてゴムマットMを洗浄する様子を説明するための側方断面図である。洗浄装置100によって洗浄される洗浄対象は、例えば、敷き鉄板やゴムマットであるが、ここでは、一例として、ゴムマットMを洗浄対象として説明する
【0026】
図1において、洗浄装置100は、載置部110と、洗浄部120と、搬送部130と、補助ローラ140と、水槽部150と、台座160と、制御手段(図示せず)と、を備える。
【0027】
載置部110は、搬入された洗浄対象のゴムマットMを載置可能に構成されており、例えば、当該載置部110の一方側からゴムマットMを搬入可能に開口されている。具体的には、フォークリフトを用いて一方側からゴムマットMを搬入することにより、ゴムマットMを載置部110に載置する。
【0028】
また、載置部110は、載置部110に載置されたゴムマットMを洗浄部120に搬送するための補助ローラ140を配置していてもよい。補助ローラ140は、後述する搬送部(搬送ローラ)130のようにモータなどの駆動源を備えていなくてもよく、当該補助ローラ140の上に載置されたゴムマットMの搬送方向に回転することによって、当該ゴムマットMの搬送を補助するためのローラである。
【0029】
本実施形態では、載置部110には台座160が配置されており、ゴムマットMは、当該台座160を介して間接的に載置部110に載置される。また、台座160も補助ローラ140の上に配置されていれば、補助ローラ140は、当該台座160の搬送方向に回転することによって、台座160及びそれに載置されたゴムマットMの搬送を補助するためのローラとして機能する。
【0030】
洗浄部120は、台座160を介して載置部110に載置されたゴムマットMを移動させながら、当該ゴムマットMを洗浄する。例えば、
図2に示されるように、洗浄部120は、搬送部(搬送ローラ)130によって、台座160に載置されたゴムマットMが洗浄部120の領域を移動している間、当該ゴムマットMを洗浄水を用いて洗浄する。
【0031】
例えば、洗浄部120は、当該洗浄部120の領域において、搬送部(搬送ローラ)130によって移動する台座160に載置されたゴムマットMの上方及び下方から洗浄水を噴射する複数の噴射部121を備える。さらに、噴射部121に洗浄水を供給するポンプ(図示せず)及び配管が備えられており、ポンプを駆動させて汲み上げられた洗浄水は、配管を介して、搬送部(搬送ローラ)130によって移動する台座160(ゴムマットMが載置された状態)の上方及び下方に配置された噴射部121にそれぞれ供給される。これにより、台座160に載置されたゴムマットMは、洗浄部120の領域を移動することにより、上面及び下面に向かって洗浄水が噴射されて洗浄される。
【0032】
搬送部130は、台座160を介して載置部110に載置されたゴムマットMを搬送し、典型的には、さらに、洗浄部120の領域においてもゴムマットM(台座160)を移動させる。例えば、搬送部130は、載置部110と洗浄部120との間において略平行に配置される複数の搬送ローラ130であり、当該複数の搬送ローラ130を駆動させるモータを含む。
【0033】
モータが駆動して複数の搬送ローラ130が回転し、ゴムマットMが載置された状態で台座160を載置部110から洗浄部120に搬送する。さらに、洗浄部120の領域においても同様に、複数の搬送ローラ130が構成されており、これらを回転させることにより洗浄部120の領域においてゴムマットMが載置された状態で台座160を移動させながら、上述した洗浄部120によってゴムマットMが洗浄される。
【0034】
複数の搬送ローラ130は、ゴムマットMが載置された状態で台座160を洗浄部120に搬送し、さらに、洗浄部120の領域においてもゴムマットMが載置された状態で台座160を移動させるが、洗浄部120の領域を往復させて、再び、ゴムマットMが載置された状態で台座160を載置部110まで移動させてもよい。
【0035】
また、本実施形態では、載置部110及び搬送部130をそれぞれ説明しているが、載置部110は、当該載置部110に載置された台座160(ゴムマットMが載置された状態を含む)を搬送可能な搬送部130の機能を備えていたり、搬送部130は、台座160(ゴムマットMが載置された状態を含む)を載置可能とする載置部110として機能しつつ、当該台座160(ゴムマットMが載置された状態を含む)を移動させたりする構成であってもよい。換言すれば、載置部110及び搬送部130は、お互いの機能を兼ね、又は含むような構成であってもよい。
【0036】
水槽部150は、洗浄部120によってゴムマットMに向かって噴射された洗浄水、当該ゴムマットMで反射された洗浄水、及びゴムマットMから除去された異物(汚れ)を、下方から受け留めて、貯留するように構成されている。さらに、水槽部150に貯留された洗浄水は、汚水として排水されたり、異物(汚れ)を除去することにより浄化(濾過)して再度洗浄水として使用されたりしてもよい。再度洗浄水として使用(循環)する場合には、水槽部150に貯留された洗浄水を浄化し、当該浄化された洗浄水をポンプ及び配管を用いて洗浄部120の噴射部121に供給するようにすればよい。水槽部150に堆積した異物(汚れ)は、水槽部150の底部に配置された排泥装置により、洗浄装置100から排出されるとよい。
【0037】
制御手段は、上述した洗浄部120および搬送部130の動作を制御する。例えば、制御手段は、複数の搬送ローラ130(モータ)の稼働開始、終了(停止)、回転速度及び回転方向などを制御する。また、制御手段は、洗浄部120における噴射部121のうち、どの噴射部121から洗浄水を噴射するか、噴射部121の稼働開始、終了(停止)、及び噴射される洗浄水の量や圧力などを制御する。
【0038】
典型的には、制御手段は、載置部110に載置された台座160(ゴムマットMが載置された状態を含む)を、洗浄部120に移動させるように搬送ローラ130(モータ)の動作を制御し、搬送ローラ130によって台座160(ゴムマットMが載置された状態を含む)が洗浄部120の領域を移動している間、台座160に載置されたゴムマットMを洗浄水を用いて洗浄するように、洗浄部120の噴射部121の動作を制御する。
【0039】
このように、洗浄装置100によって台座160に載置されたゴムマットMを洗浄している。
【0040】
[台座の構成]
次に、台座160の構成について詳しく説明する。
図3は、載置部110に台座160が配置されている状態を示す模式図である。
図3に示されるように、台座160は、第1部材161と、第2部材162と、連結部材163と、補助部材164とを含む。
【0041】
第1部材161は、台座160の移動方向に対して配置された複数の搬送ローラ132An~132En(
図3に示される一例では、n:1~5、また、以下、総称して「搬送ローラ132」と言う場合もある)に沿うように構成される。例えば、搬送部130は、載置部110と洗浄部120との間において略平行に配置される複数の回転軸131A~131E(以下、総称して「回転軸131」と言う場合もある)と、各回転軸131A~131Eにおいて所定間隔毎に複数の搬送ローラ132An~132Enとを有する。そして、複数の搬送ローラ132An~132Enは、載置部110から洗浄部120の方向(台座160の移動方向)に沿って配置されている。
【0042】
ここでは、具体的に、台座160の第1部材161は、回転軸131A~131Eに配置されている搬送ローラ132An~132Enのうち、載置部110から洗浄部120に向かって略垂直方向に沿って配置されている搬送ローラ132A2~132E2(台座160の移動方向に沿って配置されている搬送ローラ132A2~132E2)に沿うように構成されている。
図3では、台座160の第1部材161は、載置部110側の搬送ローラ132D2と132E2に載置されている状態である。
【0043】
第2部材162は、第1部材161と略平行であって、第1部材161が沿う複数の搬送ローラ132A2~132E2とは異なる複数の搬送ローラ132A4~132E4に沿うように構成される。具体的には、第2部材162は、第1部材161に対向するように形成されており、ここでは、回転軸131A~131Eに配置されている搬送ローラ132An~132Enのうち、載置部110から洗浄部120に向かって略垂直方向に沿って配置されている搬送ローラ132A4~132E4に沿うように構成されている。
図3では、台座160の第2部材162は、載置部110側の搬送ローラ132D4と132E4に載置されている状態である。
【0044】
連結部材163は、第1部材161と第2部材162とを連結するものであって、これにより、台座160の強度を確保しつつ、台座160における第1部材161及び第2部材162が搬送ローラ132A2~132E2及び搬送ローラ132A4~132E4に沿って安定して移動することができる。
【0045】
また、連結部材163は、台座160において、洗浄装置100のうちゴムマットMが搬入される一方側(載置部110のうち洗浄部120と反対側)に空間を形成するために、洗浄装置100のうちゴムマットMが搬入される一方側とは反対側である他方側(洗浄部120側)に構成されるとよい。
【0046】
補助部材164は、連結部材163から、洗浄装置100のうちゴムマットMが搬入される一方側の領域に延伸するように形成されている。例えば、補助部材164は、第1部材161と第2部材162との間の略中央であって、第1部材161及び第2部材162に略平行に形成される。これにより、台座160にゴムマットMを載置した際に、当該ゴムマットMが第1部材161と第2部材162との間で歪んだり、撓んだり、折れ曲がったりし難くなり、安定した状態で、台座160に載置することができる。
【0047】
また、補助部材164は、第1部材161及び第2部材162と同様に、回転軸131A~131Eに配置されている搬送ローラ132An~132Enのうち、載置部110から洗浄部120に向かって略垂直方向に沿って配置されている搬送ローラ132A3~132C3に沿うように構成されている。これにより、台座160をよりスムーズに移動させることができる。
【0048】
さらに、上述したように、台座160において、洗浄装置100のうちゴムマットMが搬入される一方側に空間を形成するために、他方側(洗浄部120側)に連結部材163が構成されていることから、補助部材164は、連結部材163と一端部分(基端部側)で接続される。換言すれば、補助部材164の先端部側は、自由端であり、基端部側での接続箇所での強度を確保する必要がある。
【0049】
そのため、補助部材164は、
図3に示されるように、第1部材161及び第2部材162よりも短く形成することによって、台座160において、一方側に空間を形成しつつ、先端部側に掛かる負荷を軽減している。
【0050】
図4は、台座160にゴムマットMを載置した状態を示す模式図である。
図4に示されるように、載置部110に載置された台座160に、さらにゴムマットMが載置されている。
【0051】
ゴムマットMは、鉄板や鋼板に比べて、変形したり、歪んだり、撓んだり、折れ曲がったりし易いが、台座160に載置することにより、第1部材161、第2部材162、連結部材163及び補助部材164によって支えられている。ゴムマットMは、台座160を介して安定して載置部110に載置されていると言える。
【0052】
この状態で、搬送部130(回転軸131A~131E及び搬送ローラ132An~132En)を駆動させることにより、ゴムマットMを載置した状態で台座160が洗浄部120の方向に、及び洗浄部120の領域を移動する。その際に、移動する台座160に載置されたゴムマットMは、上面及び下面に向かって洗浄水が噴射されて洗浄されるが、台座160に支持されて安定して載置されているため、変形したり、歪んだり、撓んだり、折れ曲がったりし難く、また、搬送部130(回転軸131A~131E)の間に落下したり、挟まったりすることを軽減することができる。その結果、ゴムマットMを適切に洗浄することができる。
【0053】
図5は、載置部110に配置された台座160に、フォークリフトFによってゴムマットMを載置する様子を示す模式図である。
図5に示されるように、載置部110に配置された台座160は、洗浄装置100における載置部110のうち、洗浄対象物が搬入される一方側に、第1部材161と第2部材162との間に空間が形成されるように構成される。さらに、補助部材164も第1部材161と第2部材162との間の略中央において、第1部材161及び第2部材162よりも短く形成されている。
【0054】
これにより、フォークリフトFによってゴムマットMを台座160に載置しようとした際に、当該フォークリフトFの爪が台座160(第1部材161、第2部材162及び補助部材164)に干渉することを回避して、ゴムマットMを台座160にスムーズに載置することができる。
【0055】
以上のように、本発明の一実施形態に係る洗浄装置100によれば、載置部110に載置される台座160は、複数の搬送ローラ132A2~132E2に沿うように構成される第1部材161と、複数の搬送ローラ132A4~132E4に沿うように構成される第2部材162とを備える。このため、洗浄対象物の材質やサイズに依らず、例えば、ゴムマットMであっても台座160に載置して、当該台座160(ゴムマットMが載置された状態)を搬送部130によって洗浄部120の領域を移動させることにより、スムーズに移動させながら適切に洗浄することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、補助部材164は、第1部材161と第2部材162との間の略中央に1つだけ形成していたが、これに限定されるものではなく、例えば、搬送ローラ132の配置やフォークリフトFの爪の数及び形状に応じて、中央以外に形成されてもよいし、複数形成されてもよい。
【0057】
[台座の構成の第1応用例]
図6Aは、本発明の一実施形態に係る洗浄装置100に用いられる第1応用例としての台座260を示す平面図であり、
図6Bは、台座260にゴムマットMを載置した状態で洗浄水が噴射されている様子を示す正面図である。
図6Aに示されるように、台座260は、第1部材261と、第2部材262と、連結部材263と、補助部材264とを含む。
【0058】
第1部材261、第2部材262、連結部材263、及び補助部材264は、それぞれ
図3~
図5において説明した台座160の第1部材161、第2部材162、連結部材163及び補助部材164に相当し、第1部材261、第2部材262及び補助部材264に複数の突起部Tが形成されている点で異なる。
【0059】
突起部Tは、台座260のうち、洗浄対象物が載置される面に形成されており、
図6Bに示されるように、台座260に載置される洗浄対象物(ここでは、ゴムマットM)との接触面積が小さくなるようにしている。これにより、噴射部121から噴射される洗浄水が洗浄対象物の下面において、台座260によって遮られる領域を軽減することができ、洗浄対象物の下面も適切に洗浄することができる。
【0060】
突起部Tは、第1部材261、第2部材262及び補助部材264において、それぞれ複数備えていたが、これに限定されるものではなく、台座260に載置される洗浄対象物との接触面積が小さくなる構成であれば、例えば、台座260のうち洗浄対象物が載置される載置面側を先細り形状として、第1部材261、第2部材262及び補助部材264自身の形状において突起部を形成するようにしてもよい。
【0061】
なお、台座260の少なくとも一部をメッシュやパンチングメタル等で構成されていてもよい。台座260に載置された洗浄対象物に洗浄水を噴射させて洗浄する際に、洗浄対象物の下面側から噴射される洗浄水が台座260によって遮られる部分を低減し、より適切に洗浄対象物を洗浄することができる。
【0062】
[台座の構成の第2応用例]
図7Aは、本発明の一実施形態に係る洗浄装置100に用いられる第2応用例としての台座360を示す底面側からの斜視図であり、
図7Bは、台座360にゴムマットMを載置した状態で洗浄水が噴射されている様子を示す正面図である。
図7Aに示されるように、台座360は、第1部材361と、第2部材362と、連結部材363と、補助部材364とを含む。
【0063】
第1部材361、第2部材362、連結部材363、及び補助部材364は、それぞれ
図3~
図5において説明した台座160の第1部材161、第2部材162、連結部材163及び補助部材164に相当し、第1部材361及び第2部材362は、台座360の移動方向に対してガイド溝が形成されている。当該ガイド溝は、
図7Bに示されるように、搬送ローラ130を上方から覆うように両側から挟み込み、搬送ローラ132に篏合するように構成されている。これにより、台座360は、洗浄対象物であるゴムマットMを載置した状態で、載置部110と洗浄部120との間、及び洗浄部120の領域を移動する際に、搬送ローラ130から脱落することを回避しつつ、搬送ローラ130に沿ってスムーズに適切な移動方向に移動させることができる。
【0064】
なお、ここでは、第1部材361及び第2部材362の両方についてガイド溝を形成しているが、搬送ローラ130から脱落することを回避しつつ、スムーズに移動させることができるのであれば、いずれか一方にガイド溝を形成する構成であってもよい。
【0065】
連結部材363は、当該連結部材363の長さを調整可能な調整手段を有している。具体的には、連結部材363は、伸縮可能なように、スライド機構が設けられており、第1部材361と第2部材362との距離を調整可能となっている。これにより、搬送ローラ132が配置されている間隔(幅方向)に応じて、第1部材361と第2部材362とを距離を調整可能となるため、第1部材361及び第2部材362を、搬送ローラ132に沿って適切に配置させることができる。
【0066】
また、台座360に載置する洗浄対象物の大きさに応じて、台座360のサイズを調整することも可能となる。
【0067】
なお、
図6A、
図6B、
図7A及び
図7Bを用いて、本発明の一実施形態に係る洗浄装置100に用いられる台座の構成について応用例を示したが、台座260及び360において、必ずしも図に示した態様で実施しなければならないものではない。例えば、台座160に台座260又は360のうちの構成の一部又は全部を適用してもよいし、両者の構成の一部又は全部をそれぞれ適用してもよい。
【0068】
また、本発明の一実施形態として、洗浄装置100で洗浄される洗浄対象物をゴムマットMとして説明したが、洗浄対象物は、これに限定されるものではなく、例えば、樹脂製(プラスチック製)の板、敷き鉄板や鋼板、その他板形状を有する様々なサイズ及び形状のものであってもよい。
【0069】
材質的に軽い洗浄対象物や柔らかい洗浄対象物は、台座160に支持されて安定して載置されることにより、洗浄部120において洗浄水を噴射した場合であっても、洗浄部120の領域をスムーズに搬送することができる。その結果、鉄鋼製ではなく、例えば、ゴム製や樹脂製(プラスチック製)などの材質的に軽い洗浄対象物や柔らかい洗浄対象物も適切に洗浄することができる。
【0070】
また、サイズ的に、例えば、回転軸131A~131Eの間に挟まったり、落下したりする程の、又は複数の搬送ローラ132An~132Enに架からない程の、小さい洗浄対象物や細い洗浄対象物は、台座160に載置されることにより、スムーズに搬送することができる。その結果、サイズ的に小さい又は細い洗浄対象物も適切に洗浄することができる。
【0071】
さらに、洗浄対象物と台座160とを、例えば、フックなどを用いて固定すると、洗浄対象物をよりスムーズに搬送することができる。
【0072】
以上説明した一実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。一実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態(応用例)で示す構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
100…洗浄装置、110…載置部、120…洗浄部、121…噴射部、130…搬送部(搬送ローラ)、131,131A~131E…回転軸、132,132An~132En…搬送ローラ、140…補助ローラ、150…水槽部、160,260,360…台座、161,261,361…第1部材、162,262,362…第2部材、163,263,363…連結部材、164,264,364…補助部材、F…フォークリフト、M…ゴムマット、T…突起部