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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013062
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】マグネシウム電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 12/06 20060101AFI20240124BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20240124BHJP
   H01M 50/477 20210101ALI20240124BHJP
   H01M 50/486 20210101ALI20240124BHJP
   H01M 4/06 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H01M12/06 A
H01M12/06 D
H01M50/531
H01M12/06 J
H01M50/477
H01M50/486
H01M4/06 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114982
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】513014628
【氏名又は名称】株式会社ナチュラレーザ・ワン
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】田島 秀哉
【テーマコード(参考)】
5H021
5H032
5H043
5H050
【Fターム(参考)】
5H021CC09
5H032AA02
5H032AS02
5H032AS11
5H032CC06
5H032CC09
5H043AA03
5H043BA24
5H043CA04
5H043EA01
5H043EA11
5H043FA02
5H050BA20
5H050CB11
(57)【要約】
【課題】大量の電解液を用いることなく手軽に発電でき、かつ、軽量で持ち運び容易であり、その上沈殿物の清掃も容易であるマグネシウム電池を提供する。
【解決手段】開閉可能に蓋部を取り付けた電池ボックスと、この電池ボックス内部に着脱可能に収容させた単数または複数の燃料ボックスと、この燃料ボックス内に互いにセパレータを介して隔離されつつ収容されたれた複数の発電部を有し、この各発電部は、マグネシウムを主成分とするシート状の陰極部材と、この陰極部材に接触させて設けたところの電解液を含ませてなる保水性の良い材料から成る燃料部材と、この燃料部材に接触して設けた陽極部材とを有するように構成することで解決した。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能に蓋部を取り付けた電池ボックスと、この電池ボックス内部に着脱可能に収容させた単数または複数の燃料ボックスと、この燃料ボックス内に互いにセパレータを介して隔離されつつ収容された複数の発電部を有し、この各発電部は、マグネシウムを主成分とする陰極部材と、この陰極部材に接触させて設けたところの電解液を含ませてなる保水性の良い材料から成る燃料部材と、この燃料部材に重ねて設けた陽極部材とを有することを特徴とする、マグネシウム電池。
【請求項2】
前記セパレータは、絶縁性材料から成り、平板状を呈し、その両側に両面から切り起こした複数の弾性片を有することを特徴とする、請求項1に記載のマグネシウム電池。
【請求項3】
燃料ボックスから電気を取り出すに当たり、前記燃料ボックス内に収容されている複数の発電部の一方の端のものの陽極部材からリード線を取り出し、もう一方の端のものの陰極部材からリード線を取り出すと共に、前記一方の発電部の陰極部材とこの発電部に隣接する発電部の陽極部材との間をリード線で接続し、次いで順次隣接する発電部の陰極部材をさらにその隣の陽極部材にリード線を介して接続させてもう一方の発電部の陽極部材にその隣の発電部の陰極部材を接続させるものであることを特徴とする、マグネシウム電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常災害時の例えば地震の際の停電時に用いて好適なマグネシウム電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マグネシウム電池には、電池ボックスに溜めた電解液内へ、金属マグネシウムまたはその合金を負極材として用いた陰極部材と、導体を用いた陽極部材とを所定間隔を空けて対向浸漬させることにより構成されているものが、下記特許文献1に記載されているように知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-3877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたマグネシウム電池は、燃料ボックス内に多量の電解液を貯留していることから、重量がある上に、マグネシウムは消耗すると粉状となって貯留槽の陰極部材側の底部に沈殿するので、清掃作業に手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑み成されたもので、その目的は、大量の電解液を用いることなく手軽に発電でき、かつ、軽量で持ち運び容易であり、しかも沈殿物の清掃も容易であるマグネシウム電池を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願発明の請求項1に記載のマグネシウム電池は、開閉可能に蓋部を取り付けた電池ボックスと、この電池ボックス内部に着脱可能に収容させた単数または複数の燃料ボックスと、この燃料ボックス内に互いにセパレータを介して隔離されつつ収容されたれた複数の発電部を有し、この各発電部は、マグネシウムを主成分とするシート状の陰極部材と、この陰極部材に接触させて設けたところの電解液を含ませてなる保水性の良い材料から成る燃料部材と、この燃料シートに重ねて設けた陽極部材とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載のマグネシウム電池は、前記セパレータが、絶縁性材料から成り、平板状を呈し、その両側に両面から切り起こした複数の弾性片を有するように構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載のマグネシウム電池は、燃料ボックスから電気を取り出すに当たり、前記燃料ボックス内に収容されている複数の発電部の一方の端のものの陽極部材からリード線を取り出し、もう一方の端のものの陰極部材からリード線を取り出すと共に、前記一方の発電部の陰極部材とこの発電部に隣接する発電部の陽極部材との間をリード線で接続し、次いで順次隣接する発電部の陰極部材をさらにその隣の陽極部材にリード線を介して接続させてもう一方の発電部の陽極部材にその隣の発電部の陰極部材を接続させるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願請求項1に記載の発明によれば、大量の電解液を用いることなく手軽に発電でき、かつ、軽量で持ち運び容易であり、しかも、酸化マグネシウムなどの沈殿物の清掃も容易であるマグネシウム電池を提供することができる。
【0010】
本願請求項2に記載の発明によれば、各発電部同士を容易に絶縁でき効率の良いマグネシウム電池を提供できるものである。
【0011】
本願請求項3に記載の発明によれば、複数の発電部で発生した電気を効率よく集めてターミナルへ送電できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願発明の一実施形態に係るマグネシウム電池の斜視図である。
図2図1に示したマグネシウム電池のカバーを開けてみた斜視図である。
図3図1に示したマグネシウム電池のカバーを開けて内部の燃料ボックスを取り出してみた斜視図である。
図4図1乃至図3に示した電池ボックスの内部構造を示すもので、(a)はその平面図、(b)はその底面図、(c)は(a)のA-A断面図である。
図5図2図3に示した燃料ボックスの分解斜視図である。
図6図2図5に示した燃料ボックスを示し、(a)はその斜視図、(b)はその断面斜視図、(c)はその正面断面図、(d)はその縦断面図である。
図7】燃料ボックスのカバーを示し、(a)はその平面図、(b)はその斜視図、(c)は(a)のB-B縦断面図である。
図8】本発明に係るマグネシウム電池の陰極部材を示し、(a)その側面図、(b)は(a)のC-C断面図である。
図9図8に示した発電部の分解斜視図である。
図10】本発明に係るマグネシウム電池のセパレータを示し、(a)はその斜視図、(b)はその平面図、(c)はその平面断面図である。
図11】本発明に係るマグネシウム電池の燃料ボックスの側断面図である。
図12】本発明に係るマグネシウム電池の燃料ボックスの正面断面図である。
図13】本発明に係るマグネシウム電池の集電ボックスを示し、(a)はその斜視図、(b)はその分 解斜視図である。
図14】本発明に係るマグネシウム電池の集電ボックスの集電部材を示し、(a)は斜め上から見た斜視図であり、(b)は斜め下方から見た斜視図である。
図15】本発明に係るマグネシウム電池の燃料ボックスに用いるキャップを示し、(a)は斜め上方から見た斜視図、(b)は斜め下方から見た斜視図である。
図16】本発明に係るマグネシウム電池のスイッチ部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面は、本願発明に係るマグネシウム電池の一実施形態を示す。とくに図2図3及び図5に示したように、本発明に係るマグネシウム電池1は、蓋部2a付きの電池ボックス2と、この電池ボックス2内部に収装された一対の燃料ボックス3、3と、この各燃料ボックス3、3内に複数の絶縁性材質のセパレータ14、14・・・で区切られることによって収装された複数の発電部13、13・・・を有する。
【0014】
とくに図1図4に示したように、電池ボックス2は、横長形状を呈した、例えば合成樹脂製の絶縁性のもので、上部に上部開口部2bが設けられ、この上部開口部2bに湾曲させた蓋部2aがヒンジ手段6(図2に一方のみ表示)を介して開閉可能に取り付けられている。指示記号7のものは、蓋部2aを電池ボックス2へフックするためのフック手段である。電池ボックス2内には、その一側部に仕切壁2cが設けられることによって、内部にボックススタンド8を収容するボックススタンド収容部9と燃料ボックス3、3を収容させる燃料ボックス収容部10が設けられている。
【0015】
とくに図4(b)に示されたように、電池ボックス2の底部には、それぞれ前後位置に分かれて合計6個の脚部2d、2d・・・が設けられると共に、内壁部の周囲には、複数の隔離片2e、2e・・・が所定間隔を空けて立設されている。さらに、電池ボックス2の内底部の横断方向の中央部には、所定間隔を開けて3個の中央隔離片2f、2f、2fが突設されると共に、外周の後部側と一側部側にはスリット状を呈した通気部2g、2hが設けられている。また、ボックススタンド収容部9の内側の四隅には、ボックススタンド8を支承する4個の支承部9a、9a・・・が設けられている。
【0016】
とくに図3図4に示したように、ボックススタンド収容部9側に位置する電池ボックス2の外側には、ターミナル取付部11が設けれている。図2に示した指示記号7aのものは、フック手段7の係止片である。また、図4に示した指示記号6aのものは、ヒンジ手段6の一部である。
【0017】
とくに図3図5及び図6に示したように、一対の燃料ボックス3、3の構成は、どちらも同じ構成であることから、指示記号を同じくしてその内の1個についてのみ詳しく説明する。燃料ボックス3は、電池ボックス2よりも幅の狭い横長形状を呈した絶縁性材質のものでのもので、上側にそれぞれ開口部3aが設けられている。図5図6に示したように、その上縁部の四隅には、カバー3bを取り付けけるための取付孔3h、3h・・・が設けられると共に、その両側部の壁部には通気用の通気部3c、3cが設けられている。また、その内部にはその両側に当接片3d、3dが設けられ、中央部からやや左側に寄った位置に底部から上方へ突出させて係合片3eが設けられると共に、各当接片3d、3dと係合片3eの間には、所定間隔を開けて複数のかなり高さの低い支承片3gが設けられている。尚、図5図6において、指示記号3nで示されたものは取付孔である。
【0018】
各燃料ボックス3、3のカバー3b、3bについて説明すると、その構成は各燃料ボックス3、3ごとに共通しているので、指示記号を共通にして一方のみを説明する。とくに図7に示したように、カバー3bは、燃料ボックス3の形状に合わせて平面長方形に構成されており、その四隅にはこのカバー部3bを燃料ボックス3の開口部3aへ取り付けるための取付孔3h、3h・・が設けられている。カバー3bの平面部には左右方向にわたって複数のスリット3i、3i・・・が設けられ、このスリット3i、3i・・・は燃料ボックス3へ電解液を注ぐ際に用いられる。
【0019】
とくに図5図7に示したように、カバー3bの一側部には、平板状の端子取付部3lが設けられ、そこに設けられた後述するキャップ15の取付片部3jを挟んで1対の挿通孔3k、3kが設けられている。図7に示したように、これらの挿通孔3k、3kを介してスイッチ部材12、12の各一端部が電池ボックス2内へ導入されている。このスイッチ部材12、12は両方ともに同じ構成であるので、その一方のみを説明する。図16に示したように、基板部12aとこの基板部12aに設けた取付孔12bと基板部12aの一端部側から上方へ立設した挟持部12cと、基板部12aの一端部から下側へ折り曲げて構成した接続部12fと、この接続部12fに設けた連結部12gから構成されている。この各スイッチ部材12、12の一方には、図5に示したように一番右下の発電部13の陽極部材13cがリード線16a、16bを介して接続され、一番左上の発電部13の陰極部材13aは、もう一方のスイッチ部材12とリード線17a、17bを介して接続されている。図8図9に指示記号13gと13hで示されたものは、接続端子部である。
【0020】
キャップ15は、カバー3bに取り付けたスイッチ部材12、12を覆ってカバー3bの一端部側に取り付けられるものであり、図15に示したように、平面矩形状を呈したボックス形状のものである。このキャップ15は、一端部側に一対のスイッチ片挿入用スリット15a、15aが設けられると共に、カバー3bに設けた端子取付部3iの取付片部3jに取付孔15bを透した取付ネジ15cを介して取り付けられている。リード線接続部である。
【0021】
図5図11に示したように、燃料ボックス3内部には、複数(実施例では5枚)の発電部13、13、13、13、13がそれぞれを隔離する6枚の絶縁性材質のセパレータ14、14、14、14、14、14と共に収装されている。もう一つの燃料ボックス3の中も同じ構成である。
【0022】
発電部13、13、13、13、13の構成はどれも同じであるので、一つの発電部13について代表してその構成を説明する説明する。図8図9に示したように、発電部13は、マグネシウムシートから成る陰極部材13aと、この陰極部材13aの両側を挟んで設けたところの、電解液を含んでいる例えばフェルトのような保水性の高い材料から成る二つ折り形状の燃料部材13bと、この燃料部材13bの両側を挟んで設けたところアルミニウムなどの導電プレートから成る同じく二つ折り形状の陽極部材13cとで構成されている。
【0023】
各セパレータ14、14、14、14、14、14は、例えば合成樹脂のような絶縁性のもので、同じ構成を有することから、図10に示したように、そのうちの一枚のセパレータ14について代表して説明する。このセパレータ14の両側面側には、複数の弾性片14a、14a・・・が規則正しく突設されおり、燃料ボックス3内の各発電部13、13、13、13、13の間に介在され、弾性片14a、14a・・・で各発電部13を軽く押さえるようになっている。
【0024】
各発電部13、13、13、13、13同士の配線と、発生した電気を外部へ取り出す配線は、図5に示したように、一番右下側の発電部13の陰極部材13aが隣接するセパレータ14を介してこのセパレータ14に隣接する発電部13の陽極部材13cにリード線25を介して接続されている。以後、順次リード線25、25、・・を介して各発電部13、13・・の各陰極部材13a、13a・・が各陽極部材13c、13c・・に接続され、一番左上の陰極部材13aがリード線17a、17bを介してカバー3bに設けた一方のスイッチ部材12に接続されている。さらに、一番右下側の発電部13の陽極部材13cは、リード線16a、16bを介してカバー3bに設けたもう一つのプラス側のスイッチ部材12に接続されている。もう一つの燃料ボックス3内においても、図示は省略するが、同様の構成である。
【0025】
とくに図2図13及び図14に示したように、集電ボックス18は、ボックス本体19と蓋部材20から成る。この集電ボックス18を開閉可能に取り付けるボックススタンド8は、とくに図14に示したように、平板部8aと取付部8bから成り、平板部8aにはその四隅に取付部8e、8e、8e、8eが設けられ、この取付部8e、8e、8e、8eはボックススタンド収容部9に設けた支承部9a、9a、9a、9aへ取付ネジ9b、9b、9b、9bで取り付けられている。取付部8bに設けた雌型ヒンジ部8cは湾曲しており、この雌型ヒンジ部8cに集電ボックス18の雄型ヒンジ部21、21を回転可能に挿入する構成である。そして、取付部8bに覆われて平板部8aに矩形状のリード線挿通孔8dが設けられている。尚、図13において、指示記号20a、20aで示されたものは、ボックス本体19の取付部19c、19cへ蓋部材20を取り付ける取付ネジである。また、指示記号20b、20b、20b、20bのものは、スイッチ片19a、19a、19a、19aをボックス本体19の取付部19c、19c、19c、19cへ取り付ける取付ネジである。
【0026】
集電ボックス18は、とくに図2図13に示したように、ボックス本体19と蓋部材20から成り、内部に4個のスイッチ片19a、19a、19a、19aが設置されている。この4枚のスイッチ片19a、19a、19a、19aは、中央の2枚は連結されると共に、各スイッチ片19a、19a、19a、19aの各先端部側は、集電ボックス18のボックス本体19に設けたスリット19b、19b、19b、19bを介して外部へ突出させられている。集電ボックス18はその他側部側に凹部22が設けられ、この凹部22の両側に雄型のヒンジ部21、21が設けられ、この各雄型のヒンジ部21、21がボックススタンド8に設けた雌型ヒンジ部8cに挿入連結される構成である。各スイッチ片19a、19a、19a、19aは、各集電ボックス18、18のボックススタンド8に対する開閉操作に伴い、各燃料ボックス3、3の各カバー3b、3bに取り付けたスイッチ部材12、12・12、12(一対のみ表示)に対して接続解離を行うように構成されている。
【0027】
各燃料ボックス3、3のカバー3b、3bに取り付けた各スイッチ部材12、12(一部のみ表示)に接続された集電ボックス18内の各スイッチ片19a、19a、19a、19aは、図示を省略したが、プラスとマイナスに集電されて、リード線30、31を介し、ボックススタンド8に設けたリード線挿通孔8dを経由してボックススタンド収容部9内に入り、ターミナル部Tに導かれ、図示してない電灯のような負荷へ導かれるものである。
【0028】
電解液には、例えば塩化ナトリウム液が用いられるが、これに限定されない。尚、電解液は、塩化ナトリウムを含まないクエン酸水溶液であっても良いし、クエン酸を電解質として含まない溶液、たとえば、硫酸銅水溶液、酢酸銅水溶液、塩化銅水溶液、塩化アンモニウム水溶液などであっても良い。
【0029】
本願発明に係るマグネシウム電池1にあっては、燃料ボックス3、3内へカバー3b、3bに設けたスリット3i、3i、3i・・・を介して電解液を注入することにより、各発電部13、13・・・・の各陰極部材13a、13a・・・・に接している各燃料部材13b、13b・・・が電解液を吸収することになることから、すぐに発電反応が生じ、その発電反応による起電力が発生するものである。
【0030】
本発明においては、電池ボックス2の中に2個の燃料ボックス3、3が収容され、個々の燃料ボックス3、3内には、それぞれ上述した複数の陰極部材13aと燃料部材13bと陽極部材13cから成る複数の発電部13、13・・・が個々にセパレータ14、14・・・で分離されつつ収容されている。そのため、図5に示したように、それぞれの発電部13、13・・・を構成する各陰極部材13a、13a・・・と各陽極部材13c、13c・・・に接続された各リード線16a、16bと17a、17bによって集約され、各燃料ボックス3、3の各カバー3b、3bの一端部上部に設けられたスイッチ部材12、12に導かれ、このスイッチ部材12、12から電池ボックス2の一端部上部に取り付けた集電ボックス18を経由して電池ボックス2の側部に設けたターミナル部Tから図示してない電灯のような負荷へとかへと導かれ、発光させることができるものである。
【0031】
また、各陰極部材13a、13a・・・で生成された水酸化マグネシウムは、電解液に溶解せず、従来公知のマグネシウム電池であると、電解液を収容させた燃料ボックスの底部に沈殿付着したが、本発明に係るマグネシウム電池1においては、フェルト製の各燃料部材13b、13b・・・に付着し、燃料ボックス3、3の底部に沈殿付着することを防止できるので、燃料ボックス3、3内の掃除が簡単となるものである。
【0032】
さらに、本発明に係るマグネシウム電池1にあっては、待機時においては各燃料ボックス3、3内には電解液は注入されていない状態にあり、急な停電の際に各燃料ボックス3、3のカバー3b、3bを開いて燃料ボックス3、3のカバー3b、3bの上から別に用意してある塩水などの電解液を注ぎ込むと、電解液がスリット3i、3i・・・を介して燃料ボックス3、3内へ入り、各発電部13、13・・・の陰極部材13a、13a・・・が電解液で浸されることから、直ちに発電が開始され、発電された電気がターミナル部Tに接続した図示してない負荷、例えば電灯などを点灯させ、所定時間周囲を明るく照らすことができるものである。
【0033】
また、本発明に係るマグネシウム電池1は、他の蓄電池と比べれば、常時蓄電しておく必要はないので、保守が簡単で長持ちをするという利点がある。
【0034】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るマグネシウム電池は、以上のように構成したので、予め充電しておく必要はなく、電解液を電池ボックス内への注入することにより直ちに発電させることができることから、便利であり、また、比較的に軽く、持ち運びが容易であり、保守も簡単な電源として好適に用いられるものである。
【符号の説明】
【0036】
1 マグネシウム電池
2 電池ボックス
2a 蓋部
3 燃料ボックス
13 発電部
13a 陰極部材
13b 燃料部材
13c 陽極部材
14 セパレータ
14a 弾性片
16a、16b リード線
17a、17b リード線
25 リード線
30 リード線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16