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特開2024-130633相関関係推定装置、相関関係推定方法、プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130633
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】相関関係推定装置、相関関係推定方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/067 20230101AFI20240920BHJP
   G06F 16/583 20190101ALI20240920BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q10/067
G06F16/583
G06T7/00 660A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040470
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】上田 蒼馬
【テーマコード(参考)】
5B175
5L010
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
5B175DA02
5B175FB03
5L010AA06
5L049AA06
5L096BA20
5L096FA79
5L096HA03
(57)【要約】
【課題】 本発明は、顔認証の情報に基づき人と人との相関関係を自動的に可視化できる装置の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明の相関関係推定装置10は、情報取得部11、情報分析部12、及び情報出力部13を含み、前記情報取得部11は、顔認証順情報を取得し、前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、前記情報分析部12は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、前記情報出力部13は、前記推定相関関係情報を出力する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報取得部、情報分析部、及び情報出力部を含み、
前記情報取得部は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析部は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力部は、前記推定相関関係情報を出力する、
相関関係推定装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、さらに、敷地内顔認証情報を取得し、
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場を含む敷地内において撮像された画像に基づく顔認証を行った前記参加者に関する情報を含み、
前記情報分析部は、前記顔認証順情報及び前記敷地内顔認証情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成する、
請求項1記載の相関関係推定装置。
【請求項3】
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場における参加者間の位置関係に関する情報を含む、
請求項2記載の相関関係推定装置。
【請求項4】
前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で撮像された画像において同一の画角に含まれる2人以上の参加者に関する情報を含む、
請求項2又は3記載の相関関係推定装置。
【請求項5】
情報取得工程、情報分析工程、及び情報出力工程を含み、
前記情報取得工程は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析工程は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力工程は、前記推定相関関係情報を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
相関関係推定方法。
【請求項6】
前記情報取得工程は、さらに、敷地内顔認証情報を取得し、
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場を含む敷地内において撮像された画像に基づく顔認証を行った前記参加者に関する情報を含み、
前記情報分析工程は、前記顔認証順情報及び前記敷地内顔認証情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項5記載の相関関係推定方法。
【請求項7】
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場における参加者間の位置関係に関する情報を含む、
請求項6記載の相関関係推定方法。
【請求項8】
前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で撮像された画像において同一の画角に含まれる2人以上の参加者に関する情報を含む、
請求項6又は7記載の相関関係推定方法。
【請求項9】
情報取得手順、情報分析手順、及び情報出力手順を含み、
前記情報取得手順は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析手順は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記推定相関関係情報を出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
情報取得手順、情報分析手順、及び情報出力手順を含み、
前記情報取得手順は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析手順は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記推定相関関係情報を出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相関関係推定装置、相関関係推定方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、大学で出席率が急に下がった人がいる場合に、大学からの連絡手段として、仲のよい学生から事情を聴取することが有用である。そこで、人間関係を把握できれば、不測の事態が起こったときの対応等に有効活用できる。なお、人間関係の把握について、人同士の会話を記録分析し、その利用者の会話相手の受容度および利用者の会話の巧みさを分析する装置が公開されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-103081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置は、会話を記録分析する技術である。しかし、不測の事態等への対応のために、事前に個々の会話を分析することは現実的ではなく、より簡易に多くの情報を集めて、その分析によって自動的に人同士の相関関係が推察できる方法が求められる。
【0005】
そこで、本発明は、顔認証の情報に基づき人と人との相関関係を自動的に可視化できる装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の相関関係推定装置は、
情報取得部、情報分析部、及び情報出力部を含み、
前記情報取得部は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析部は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力部は、前記推定相関関係情報を出力する。
【0007】
本発明の相関関係推定方法は、
情報取得工程、情報分析工程、及び情報出力工程を含み、
前記情報取得工程は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析工程は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力工程は、前記推定相関関係情報を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される。
【0008】
本発明のプログラムは、
情報取得手順、情報分析手順、及び情報出力手順を含み、
前記情報取得手順は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析手順は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記推定相関関係情報を出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の記録媒体は、
情報取得手順、情報分析手順、及び情報出力手順を含み、
前記情報取得手順は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析手順は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記推定相関関係情報を出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自動的に参加者間の相関関係を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態1の相関関係推定装置の一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1の相関関係推定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1の相関関係推定装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態1の相関関係推定方法の処理の一例を説明する参考図である。
図5図5は、実施形態1の相関関係推定方法の処理の別の一例を説明する参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0013】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の相関関係推定装置10(以下「本装置」ともいう。)の一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本装置10は、情報取得部11、情報分析部12及び情報出力部13を含む。また、本装置10は、図示していないが、例えば、入力部、出力部、表示部及び/又は記憶部を含んでもよい。
【0014】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等が挙げられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムのサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0015】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0016】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、情報取得部11、情報分析部12及び情報出力部13として機能する。本装置10が、前記出力部を含む場合、中央処理装置101は、前記出力部として機能してもよい。本装置10は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、CPUとこれらとの組合せを備えてもよい。
【0017】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、ユーザの端末、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等が挙げられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0018】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0019】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10が前記記憶部を含む場合、例えば、記憶装置104は、前記記憶部として機能する。前記記憶部は、例えば、後述する顔認証順情報、敷地内顔認証情報及び推定相関関係情報等を記憶できる。
【0020】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。この場合、メモリ102及び記憶装置104は、例えば、前記顔認証順情報等を記憶していてもよい。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0021】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等が挙げられる。出力装置106は、例えば、LEDディスプレー、液晶ディスプレー等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等が挙げられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレーのように、一体として構成されてもよい。
【0022】
つぎに、本実施形態の相関関係推定方法の一例を、図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の相関関係推定方法は、例えば、図1又は図2の本装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の相関関係推定方法は、図1又は図2の本装置10の使用には限定されない。
【0023】
まず、情報取得部11は、顔認証順情報を取得する(S1、情報取得工程)。前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含む。本発明は、例えば、大学、研修所、サークル活動等、人が集まる場所で出席又は参加の状況等を確認するようなものを対象とし、前記参加者は、例えば、学生、会社員、地域の集まりの構成員等である。なお、本発明の対象及び前記参加者は、前記例示に限定されない。そこで、前記参加会場は、例えば、教室、会議室等であるが、これに限定されず、出席をとる場所であれば、どのような場所でもよい。前記顔認証は、例えば、顔認証用のタブレットを利用して、参加会場内において、参加者が順次顔認証を行って、前記タブレットを回す方法で行う。なお、これに限定されず、前記顔認証の方法は、例えば、教員等が参加者を順次撮像した画像に基づいて行ってもよく、出席者の顔認証が可能であれば、どのような方法であってもよい。前記情報取得部11は、前記顔認証による参加者及び認証した順番に関する情報を、例えば、前記タブレットから通信回線網を介して取得する。なお、前記情報の取得方法は、これに限定されず、顔認証を行った装置等から参加者及び認証した順番に関する情報が取得できる方法であれば、どのような方法でもよい。また、前記情報取得部11の情報の取得方法は、通信回線網を介することに限定されず、例えば、本装置と撮像装置を直接接続する方法でもよく、情報が取得できる方法であれば、どのような態様であってもよい。
【0024】
また、前記情報取得部11は、さらに、敷地内顔認証情報を取得してもよい。前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場を含む敷地内において撮像された画像に基づく顔認証を行った前記参加者に関する情報を含む。前記画像は、例えば、静止画像でもよく、動画でもよい。また、前記画像は、例えば、連続するものでもよく、断続的なものであってもよい。また、前記情報取得部11の情報の取得方法は、前記顔認証順情報の取得の場合と同様に、その態様は限定されない。前記敷地内は、例えば、大学、研修所等の敷地内であり、前記敷地内にある建物、通路、広場等、敷地内のすべての場所を含むものである。前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場における顔認証順に関する情報を補充する情報として使用されるものである。後述のとおり、認証順による参加者間の相関関係の推定は、例えば、認証順が近いことが多い場合、その参加者間は参加中に近くにいることが多いことが推定されるため、親しい関係にある可能性が高いと推定できる。しかし、認証順のみでは、実際の席は近いとは限らないため、それを補完する資料があった方が推定の精度が高くなる。
【0025】
そこで、例えば、前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場における参加者間の位置関係に関する情報を含むものであってもよい。例えば、参加会場にカメラ等の撮像装置を配置し、その画像に基づく顔認証から、参加会場内での実際の位置関係を確認することができる。そこで、認証順と併せて、例えば、参加会場内全体の画像を利用する。なお、参加会場の画像は、全体が撮像された画像に限定されず、例えば、参加会場の一部であってもよく、参加者の席を個別に順番に撮像するものでもよく、動画でもよく、席順が確認できるものであれば、どのような態様のものであってもよい。
【0026】
また、例えば、前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で撮像された画像において同一の画角に含まれる2人以上の参加者に関する情報を含むものであってもよい。例えば、前記敷地内の廊下等にカメラ等の撮像装置を配置し、その撮像された画像の同一の画角に複数の参加者が含まれていれば、前記参加者らは一緒に行動していた可能性が高いことが推定できる。そこで、前記の認証順による推定等に加えて、前記同一の画角に含まれる複数の参加者に関する情報を、前記画像の顔認証によって取得し、相関関係の推定に利用する。なお、カメラの設置場所は、廊下に限定されず、例えば、屋外の通路でもよく、敷地内にある広場、待合室等、どのような場所であってもよい。
【0027】
さらに、例えば、前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で同一の専用スペースを利用する2人以上の参加者に関する情報を含むものであってもよい。前記専用スペースは、例えば、体育館、食堂、プール、テニスコート等であるが、これに限定されない。例えば、専用スペースの出入口にカメラ等の撮像装置を配置し、撮像した画像の顔認証によって、参加者が前記専用スペースを利用していたことを確認する。これによって、同じ専用スペースを同じ時間帯に利用していた参加者の情報を取得することができる。なお、前記画像の取得方法は、前記専用スペースの出入口に撮像装置を設置することに限定されず、例えば、専用スペース内に複数の撮像装置を設置して監視する方法でもよく、その画像に基づいて同じ時間帯に同じ専用スペースを利用していたことが把握できる方法であれば、どのような態様であってもよい。
【0028】
つぎに、情報分析部12は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成する(S2、情報分析工程)。なお、前記情報取得部11が敷地内顔認証情報を取得している場合には、前記情報分析部12は、前記顔認証順情報及び前記敷地内顔認証情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成してもよい。まず、情報分析部12は、例えば、出席確認等のために顔認証した認証順によって、参加者間の相関関係を推定する。例えば、出席確認等に利用される顔認証用のタブレットは、参加者が顔認証をした上で、次の参加者にタブレットを回して、次の参加者が顔認証を行う。その結果、前記認証順の近い参加者、特に前記認証順が連続する参加者は、参加会場の中で席が近いことが推定される。そこで、例えば、前記認証順が近い参加者同士は、親しい関係にある可能性が高いことが推定される。このように、前記認証順によって、参加者同士の関係性が推定できる。ただし、前記認証順のみでは、例えば、必ずしも、席の順に認証されたとは限らず、また、前記タブレットの回し方によっては、前記認証順が離れていても、実際の席が近い場合もあり得る。そこで、他の方法により情報を補完してもよい。前記敷地内顔認証情報によれば、例えば、参加会場における実際の席が近い参加者の情報が得られ、一緒に行動している参加者の情報が得られ、同じ専用スペースを同じ時間帯に利用している参加者の情報が得られる。これらの情報も併せて分析することで、参加者間の相関関係についてより精度の高い分析が可能となる。なお、前記分析の方法は、参加者同士の近さによって親密度を分析することに限定されず、例えば、一緒に行動する回数や時間等によって相関関係を分析してもよく、分析方法の設定は任意に定めてもよい。また、推定相関関係の分析において、例えば、場所や撮影時間等に重み付けをしてもよい。例えば、食事等の自由時間の行動は、プライベートな場面であるため、食堂で一緒にいる者という要素に重み付けをしてもよい。例えば、一緒にいた画像が複数ある場合に、撮影時間の日時に開きがあれば、一緒にいたことが偶然ではないと考えられ、信頼度が高いと判断することもできる。そこで、場所や撮影時間等に重み付けをする等を含めて、分析方法は任意に設定してもよい。なお、これらの分析は、顔認証による情報がある程度蓄積されていることが前提となるが、蓄積の程度は、特に限定されず、本実施形態の相関関係推定を続けることで、より精度が高くなるものである。
【0029】
つぎに、情報出力部13は、前記推定相関関係情報を出力する(S3、情報出力工程)。前記出力の方法は、例えば、専用のモニタに表示する等によるが、これに限定されず、例えば、外部データベースに出力する等、実情に合わせて、適宜設定してよい。
【0030】
以下、本装置10を用いた相関関係推定方法の具体的な処理の一例を示す。なお、以下の説明は、具体的な流れの一例であり、前述のとおり、本実施形態の本装置10及び相関関係推定方法は、以下の説明に限定されない。また、本実施形態の相関関係推定方法は、本装置10の使用に限定されない。
【0031】
まず、情報取得部11は、顔認証順に関する情報を取得する。図4の(A)は、顔認証順の情報の一例を示す参考図である。縦の枠に入っている参加者は、日にち毎の認証順である。横の枠に入っている参加者は、今回、他の参加者との相関関係を確認する対象者である。図4の(A)では、5日分の顔認証による認証順の情報が登録されている。そこで、情報分析部12は、例えば、各参加者が前記対象者と認証順が連続している回数を分析する。その結果、図4の(B)の右側の4名について、最も右側の参加者から順に、前記連続している回数が、1回、2回、3回、4回であることを分析し、前記4名について、左側から順に、前記対象者と親しい可能性が高いと推定する。そして、情報分析部12は、例えば、前記推定の結果を、推定相関関係情報として生成する。なお、相関関係の分析は、連続する回数による分析に限定されず、例えば、順番の近さの平均で分析してもよく、分析方法は適宜定めてもよい。そして、前記推定相関関係情報は、情報出力部13によって出力される。
【0032】
さらに、図5を用いて、敷地内顔認証情報について説明する。図5の(A)は、参加会場内の席順を表す画像の例である。なお、他の参加者との相関関係を確認する対象者は、真ん中の席に座っている。図5の(A)から、前記対象者の隣には、前述の認証順で最も親しい可能性があると推定された参加者が座っており、図4の結果をさらに可能性が高いものとして補充する内容になっている。図5の(B)は、廊下の画像である。同じ画角に2人の参加者が含まれている。図4の参加者とは別の者であるが、例えば、認証順による情報に含まれる参加者がいる場合には、その分析内容を補充できるものとなる。図5の(C)は、体育館の画像である。入口と出口にそれぞれカメラが設置され、現在、5人が体育間にいるところ、1人が新たに入ろうとしており、1人が出ようとしている。この状態から、同じ時間帯に体育館にいる参加者が把握できる。前記時間帯における体育館の利用状況に応じて、一緒に利用している者の相関関係が推定できる。図4に該当する参加者がいれば、体育館の利用状況も相関関係の分析を補足する情報となる。また、前述の例において、図5の(B)の画像と(C)の画像の撮影時間に開きがある場合には、一緒にいることが偶然ではないため、より信頼度の高い分析結果ということがいえる。
【0033】
以上から、本実施形態の相関関係推定装置は、顔認証の情報に基づき参加者間の相関関係を自動的に可視化できる。このため、例えば、急に連絡が取れなくなった者に対する連絡手段や事故の早期解決等に有用である。
【0034】
[実施形態2]
本実施形態のプログラムは、前述の相関関係推定方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、例えば、情報取得手順、情報分析手順、及び情報出力手順を実行させるためのプログラムである。
【0035】
前記情報取得手順は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析手順は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記推定相関関係情報を出力する。
【0036】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、例えば、情報取得手順、情報分析手順、及び情報出力手順として機能させるプログラムということもできる。
【0037】
本実施形態のプログラムは、前記本発明の相関関係推定装置及び相関関係推定方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリ(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリ、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0038】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0039】
<付記>
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
情報取得部、情報分析部、及び情報出力部を含み、
前記情報取得部は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析部は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力部は、前記推定相関関係情報を出力する、
相関関係推定装置。
(付記2)
前記情報取得部は、さらに、敷地内顔認証情報を取得し、
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場を含む敷地内において撮像された画像に基づく顔認証を行った前記参加者に関する情報を含み、
前記情報分析部は、前記顔認証順情報及び前記敷地内顔認証情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成する、
付記1記載の相関関係推定装置。
(付記3)
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場における参加者間の位置関係に関する情報を含む、
付記2記載の相関関係推定装置。
(付記4)
前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で撮像された画像において同一の画角に含まれる2人以上の参加者に関する情報を含む、
付記2又は3記載の相関関係推定装置。
(付記5)
前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で同一の専用スペースを利用する2人以上の参加者に関する情報を含む、
付記2から4のいずれか一項に記載の相関関係推定装置。
(付記6)
情報取得工程、情報分析工程、及び情報出力工程を含み、
前記情報取得工程は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析工程は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力工程は、前記推定相関関係情報を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
相関関係推定方法。
(付記7)
前記情報取得工程は、さらに、敷地内顔認証情報を取得し、
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場を含む敷地内において撮像された画像に基づく顔認証を行った前記参加者に関する情報を含み、
前記情報分析工程は、前記顔認証順情報及び前記敷地内顔認証情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記6記載の相関関係推定方法。
(付記8)
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場における参加者間の位置関係に関する情報を含む、
付記7記載の相関関係推定方法。
(付記9)
前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で撮像された画像において同一の画角に含まれる2人以上の参加者に関する情報を含む、
付記7又は8記載の相関関係推定方法。
(付記10)
前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で同一の専用スペースを利用する2人以上の参加者に関する情報を含む、
付記7から9のいずれか一項に記載の相関関係推定方法。
(付記11)
情報取得手順、情報分析手順、及び情報出力手順を含み、
前記情報取得手順は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析手順は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記推定相関関係情報を出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記12)
前記情報取得手順は、さらに、敷地内顔認証情報を取得し、
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場を含む敷地内において撮像された画像に基づく顔認証を行った前記参加者に関する情報を含み、
前記情報分析手順は、前記顔認証順情報及び前記敷地内顔認証情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記11記載のプログラム。
(付記13)
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場における参加者間の位置関係に関する情報を含む、
付記12記載のプログラム。
(付記14)
前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で撮像された画像において同一の画角に含まれる2人以上の参加者に関する情報を含む、
付記12又は13記載のプログラム。
(付記15)
前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で同一の専用スペースを利用する2人以上の参加者に関する情報を含む、
付記12から14のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記16)
情報取得手順、情報分析手順、及び情報出力手順を含み、
前記情報取得手順は、顔認証順情報を取得し、
前記顔認証順情報は、参加会場において顔認証を行った参加者及び認証した順番に関する情報を含み、
前記情報分析手順は、前記顔認証順情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記推定相関関係情報を出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記17)
前記情報取得手順は、さらに、敷地内顔認証情報を取得し、
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場を含む敷地内において撮像された画像に基づく顔認証を行った前記参加者に関する情報を含み、
前記情報分析手順は、前記顔認証順情報及び前記敷地内顔認証情報に基づき参加者間の相関関係を推定し、推定相関関係情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記16記載の記録媒体。
(付記18)
前記敷地内顔認証情報は、前記参加会場における参加者間の位置関係に関する情報を含む、
付記17記載の記録媒体。
(付記19)
前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で撮像された画像において同一の画角に含まれる2人以上の参加者に関する情報を含む、
付記17又は18記載の記録媒体。
(付記20)
前記敷地内顔認証情報は、前記敷地内で同一の専用スペースを利用する2人以上の参加者に関する情報を含む、
付記17から19のいずれか一項に記載の記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、顔認証の情報に基づき参加者間の相関関係を自動的に可視化できる。このため、例えば、連絡が途絶した者に対する連絡手段の確保等に有用である。
【符号の説明】
【0041】
10 相関関係推定装置
11 情報取得部
12 情報分析部
13 情報出力部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス

図1
図2
図3
図4
図5