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特開2024-130642情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130642
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/10 20060101AFI20240920BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240920BHJP
【FI】
G08B21/10
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040488
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹谷 奈翁美
(72)【発明者】
【氏名】池松 香
【テーマコード(参考)】
5C086
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5C086AA13
5C086AA15
5C086AA22
5C086CA25
5C086FA01
5C086FA11
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置は、利用者の状態を示すセンサデータを取得する取得部と、所定のイベントに関する情報を示すイベント情報を受け付ける受付部と、利用者ごとにセンサデータに基づいて、利用者の状況を推定する推定部と、利用者の位置情報と、イベント情報に含まれるイベントの発生位置情報に基づいて、メッセージの通知対象を抽出する抽出部と、利用者ごとの利用者の状況に応じて、通知するメッセージを選定する選定部と、利用者ごとに選定されたメッセージを、対応する利用者の利用者端末に通知する通知部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の状態を示すセンサデータを取得する取得部と、
所定のイベントに関する情報を示すイベント情報を受け付ける受付部と、
利用者ごとに前記センサデータに基づいて、利用者の状況を推定する推定部と、
利用者の位置情報と、前記イベント情報に含まれるイベントの発生位置情報に基づいて、メッセージの通知対象を抽出する抽出部と、
利用者ごとの利用者の状況に応じて、通知するメッセージを選定する選定部と、
利用者ごとに選定されたメッセージを、対応する利用者の利用者端末に通知する通知部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部が受け付けた前記イベント情報が地震の発生を示す場合に、
前記選定部は、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、机の下に隠れて下さいというメッセージを選定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部が受け付けた前記イベント情報が津波の到来を示す場合に、
前記選定部は、利用者の状況が海岸から所定の距離の範囲内にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、津波が来るので海岸から離れて下さいというメッセージを選定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部が受け付けた前記イベント情報が不審者の発生を示す場合に、
前記選定部は、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、不審者が発生したので戸締りをして下さいというメッセージを選定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
利用者の状態を示すセンサデータを取得するステップと、
利用者から所定のイベントに関する情報を示すイベント情報を受け付けるステップと、
利用者ごとに前記センサデータに基づいて、利用者の状況を推定するステップと、
利用者の位置情報と、前記イベント情報に基づいて、メッセージの通知対象を抽出するステップと、
利用者ごとの利用者の状況に応じて、通知するメッセージを選定するステップと、
利用者ごとに選定されたメッセージを、対応する利用者の利用者端末に通知するステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項6】
利用者の状態を示すセンサデータを取得するステップと、
利用者から所定のイベントに関する情報を示すイベント情報を受け付けるステップと、
利用者ごとに前記センサデータに基づいて、利用者の状況を推定するステップと、
利用者の位置情報と、前記イベント情報に基づいて、メッセージの通知対象を抽出するステップと、
利用者ごとの利用者の状況に応じて、通知するメッセージを選定するステップと、
利用者ごとに選定されたメッセージを、対応する利用者の利用者端末に通知するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震などの災害が発生した時に、避難情報を通知するシステムが知られている。地震などの危険な出来事が発生した時に、利用者の利用者端末に対して、避難を呼び掛けるメッセージを通知するものがあった。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、事業体が拠点を有する地域に係わる災害関連情報の入力を受け付ける入力部と、災害関連情報を保存する記憶部と、保存された災害関連情報を地域の地図情報と組み合わせてWebページを作成する処理部と、作成されたWebページを公開する表示部と、を具備する地域防災支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-181385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の地域防災支援システムは、Webページを介して入力された災害関連情報を一律に地図情報と組み合わせてWebページを作成して、作成されたWebページを公開することから、利用者の状況に応じてメッセージを伝えることができなかった。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る情報処理装置は、利用者の状態を示すセンサデータを取得する取得部と、所定のイベントに関する情報を示すイベント情報を受け付ける受付部と、利用者ごとに前記センサデータに基づいて、利用者の状況を推定する推定部と、利用者の位置情報と、前記イベント情報に含まれるイベントの発生位置情報に基づいて、メッセージの通知対象を抽出する抽出部と、利用者ごとの利用者の状況に応じて、通知するメッセージを選定する選定部と、利用者ごとに選定されたメッセージを、対応する利用者の利用者端末に通知する通知部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置のイベント情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置のメッセージ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0011】
(実施形態)
〔1.実施形態に係る情報処理〕
〔1-1.実施形態に係る情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図1では、実施形態に係る情報処理が情報処理装置100、利用者端末200により実行される例を示す。以下、実施形態に係る情報処理についてステップごとに順を追って説明する。
【0012】
まず、情報処理装置100は、利用者端末200から利用者の状態を示すセンサデータを取得する(ステップS1)。例えば、情報処理装置100は、利用者の状態を示すセンサデータとして、利用者端末200のジャイロセンサによって計測された利用者の動きを角速度によって表した計測データを取得してよい。また、情報処理装置100は、センサデータとして、利用者端末200の加速度センサによって計測された利用者の動きを加速度によって表した計測データを取得してもよい。また、情報処理装置100は、センサデータとして、利用者端末200の位置情報センサによって計測された利用者の位置情報を取得してもよい。
【0013】
次に、情報処理装置100は、利用者端末200からイベント情報を受け付ける(ステップS2)。例えば、利用者端末200は、利用者からイベント情報の入力を受け付ける受付画面を表示させて、受付画面を介して利用者からイベント情報を受け付けてよい。情報処理装置100は、利用者端末200から利用者が受付画面を介して受け付けたイベント情報を受け付ける。なお、イベント情報は、「イベント種別」、「イベント発生位置」、「イベント発生日時」を含む情報であってよい。ここで、「イベント発生位置」は、利用者端末200の位置情報であってもよく、情報処理装置100が利用者端末200の位置情報を取得することによって、当該の情報を受け付けてよい。また、「イベント発生日時」は、利用者から入力を受け付けてもよいし、イベント情報を受け付けた情報処理装置100のシステムクロックの時刻であってもよい。
【0014】
次に、情報処理装置100は、利用者のセンサデータに基づいて、利用者の状況を推定する(ステップS3)。例えば、情報処理装置100は、センサデータとしての加速度と、角速度の特徴と、利用者の状況との関係を学習した学習済みモデルを用いることによって、利用者の状況を推定してよい。この場合の学習に用いるモデルは、例えば、DNN(Deep Neural Network)を用いてよい。ここで、利用者の状況の分類としては、滞在中、歩行中、電車で移動中、車で移動中、自転車で移動中などであってよい。例えば、情報処理装置100は、所定の周期で加速度の値が上下動を繰り返す場合に歩行中と検知してよい。また、情報処理装置100は、加速度の水平方向成分が所定の時間以上に亘って所定の値となる状況が継続し、その後に反対方向の加速度の水平方向成分が所定の時間以上に亘って所定の値となる状況が示される場合であれば、電車で移動中と推定してよい。また、情報処理装置100は、所定の方向の水平方向(例えば、X方向とする)の加速度の値(所定の値(例えば、0.8m/sec)以上)に加えて、当該の方向に対して直交する方向の水平方向(例えば、Y方向とする)の加速度の値が現れる場合であれば、車で移動中と推定してよい。また、情報処理装置100は、利用者の状況が滞在中を示す場合に、利用者の位置情報と地図情報を照合して、利用者の滞在している場所を分類してよい。この場合の分類には、建物の中や、海岸から所定の距離の範囲内などといった分類が含まれていてよい。このように、情報処理装置100は、利用者の利用者端末200のセンサデータに基づいて、利用者の状況を推定してよい。
【0015】
次に、情報処理装置100は、利用者の位置情報と、イベント情報に基づいて、メッセージの通知対象の利用者を抽出する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、イベント種別に応じて、イベントによって影響を受ける範囲を設定しておいて、当該の範囲内に位置する利用者をメッセージの通知対象として抽出してよい。例えば、情報処理装置100は、地震の場合であれば、地震の震度に応じて影響範囲を段階的に設定してよい。また、情報処理装置100は、利用者情報記憶部121に記憶されている利用者の位置情報と、イベント情報の位置情報とを照合して、影響範囲の内側に位置する利用者を通知対象として抽出してよい。なお、図1には、通知対象の利用者として、利用者情報記憶部121から利用者U1、U2、及びU3が抽出された例が示されている。
【0016】
次に、情報処理装置100は、通知対象の利用者の状況に応じて、通知するメッセージを選定する(ステップS5)。例えば、後述して説明するメッセージ情報記憶部123に利用者の状況に応じて通知するメッセージを記憶しておいてよい。情報処理装置100は、ステップS4において抽出された利用者について、ステップS3において推定された利用者の状況と、ステップS2において受け付けたイベント情報が示すイベントの種別に応じて、通知するメッセージをメッセージ情報記憶部123から読み出すことにより、通知するメッセージを選定する。メッセージ情報記憶部123には、利用者の状況と、イベントの種別に応じて通知するメッセージが記憶されていることから、利用者の状況と、イベントの種別に応じて、通知するメッセージを選定することができる。なお、図1においては、利用者U1、U2、U3のそれぞれの状況に応じて、それぞれメッセージM1、M2、M3が選定されたことが示されている。
【0017】
次に、情報処理装置100は、選定されたメッセージを通知対象の利用者の利用者端末200に通知する(ステップS6)。例えば、情報処理装置100は、利用者端末200に選定されたメッセージを表示させることによって、選定されたメッセージを通知してもよいし、選定されたメッセージを音声として出力させることによって、選定されたメッセージを通知してもよい。
【0018】
これによれば、所定のイベントが発生した場合に、利用者の状況に応じて適切なメッセージを利用者端末200に通知することができる。そのため、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0019】
〔1-2.実施形態に係る情報処理の他の例〕
情報処理装置100は、受け付けたイベント情報が地震の発生を示す場合に、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、机の下に隠れて下さいというメッセージを選定する。
【0020】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、図1に示したステップS1からS4と同じ処理を実行する。ステップS1からS3は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。なお、ステップS2において受け付けたイベント情報が地震の発生を示すとする。
【0021】
次に、情報処理装置100は、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、机の下に隠れて下さいというメッセージを選定する(ステップS5-1)。例えば、情報処理装置100のメッセージ情報記憶部123に、利用者の状況が建物の中にいることを示し、イベント種別が地震の発生を示すことに対応付けて、「机の下に隠れて下さい」というメッセージを記憶しておく。そして、情報処理装置100は、ステップS2において受け付けたイベント情報のイベント種別が地震の発生を示す場合に、ステップS4において抽出された利用者のうち、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、「机の下に隠れて下さい」というメッセージを選定する。
【0022】
次に、情報処理装置100は、図1に示したステップS6と同じ処理を実行する。ステップS6は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0023】
これによれば、イベント情報として地震の発生を受け付けた場合に、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して、机の下に隠れて下さいというメッセージを選定して、当該のメッセージを利用者に通知することができる。そのため、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0024】
〔1-3.実施形態に係る情報処理の他の例〕
情報処理装置100は、受け付けたイベント情報が津波の到来を示す場合に、利用者の状況が海岸から所定の距離の範囲内にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、津波が来るので海岸から離れて下さいというメッセージを選定する。
【0025】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、図1に示したステップS1からS4と同じ処理を実行する。ステップS1からS4は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。なお、ステップS2において受け付けたイベント情報のイベント種別が津波の到来を示すとする。
【0026】
次に、情報処理装置100は、利用者の状況が海岸から所定の距離の範囲内にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、津波が来るので海岸から離れて下さいというメッセージを選定する(ステップS5-2)。例えば、情報処理装置100のメッセージ情報記憶部123に、利用者の状況が海岸から所定の距離の範囲内(例えば、300m以内)にいることを示し、イベント種別が津波の到来を示すことに対応付けて、「津波が来るので海岸から離れて下さい」というメッセージを記憶しておく。そして、情報処理装置100は、ステップS2において受け付けたイベント情報のイベント種別が津波の到来を示す場合に、ステップS4において抽出された利用者のうち、利用者の状況が海岸から所定の距離の範囲内にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、津波が来るので海岸から離れて下さい」というメッセージを選定する。
【0027】
次に、情報処理装置100は、図1に示したステップS6と同じ処理を実行する。ステップS6は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0028】
これによれば、イベント情報として津波の到来を受け付けた場合に、利用者の状況が海岸から所定の距離の範囲内にいることを示す利用者に対して、津波が来るので海岸から離れて下さいというメッセージを選定して、当該のメッセージを利用者に通知することができる。そのため、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0029】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、図2を用いて実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置100と、利用者端末200と、ネットワークNを有する。以下、これらの構成について簡単に順を追って説明する。
【0030】
情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。情報処理装置100は、例えば、利用者端末200からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0031】
利用者端末200は、利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。なお、図1に示す例においては、利用者端末200がスマートフォンである場合を示している。
【0032】
ネットワークNは、情報処理装置100と、利用者端末200を有線、又は無線により相互に通信可能に接続する。ネットワークNが有線の場合は、IEEE802.3に規定されるイーサネット(登録商標)(ETHERNET(登録商標))により実現されてよい。また、ネットワークNが無線の場合は、IEEE802.11に規定される無線LAN(Local Area Network)により実現されてよい。
【0033】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、情報処理装置100の構成について説明する。
【0034】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を有する。
【0035】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末200などとの間で情報の送受信を行う。
【0036】
(記憶部120について)
記憶部120は、主記憶装置と外部記憶装置とを備える。主記憶装置は、制御部130が実行するプログラム、あるいは制御部130が処理するデータを記憶する。主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。外部記憶装置は、制御部130が処理するデータを保存する。外部記憶装置は、例えば、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)、磁気テープ、光ディスク等によって実現されてよい。
【0037】
図3に示すように、記憶部120は、利用者情報記憶部121と、イベント情報記憶部122と、メッセージ情報記憶部123を有する。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0038】
(利用者情報記憶部121について)
利用者情報記憶部121は、利用者に関する情報を記憶する。ここで、図4を用いて、利用者情報記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0039】
図4に示す例において、利用者情報記憶部121は、「利用者ID」、「性別」、「職業」、「年齢」、「位置情報」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0040】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり、文字列や番号などによって表される。「性別」は、「利用者ID」により識別される利用者の性別を示す。「職業」は、「利用者ID」により識別される利用者の職業を示す。「年齢」は、「利用者ID」により識別される利用者の年齢を示す。「位置情報」は、「利用者ID」により識別される利用者の位置情報を示す。
【0041】
すなわち、図4においては、利用者ID「UID#1」により識別される利用者の性別が「GN#1」であり、当該の利用者の職業が「JB#1」であり、当該の利用者の年齢が「AG#1」であり、当該の利用者の位置情報が「LC#1」であることを示している。
【0042】
なお、利用者情報記憶部121に記憶される情報は、「利用者ID」、「性別」、「職業」、「年齢」、「位置情報」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者に関係する情報が記憶されてよい。
【0043】
(イベント情報記憶部122について)
イベント情報記憶部122は、イベント情報に関係する情報を記憶する。ここで、図5を用いて、イベント情報記憶部122が記憶する情報の一例を説明する。図5は、実施形態に係る情報処理装置のイベント情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0044】
図5に示す例において、イベント情報記憶部122は、「イベント情報ID」、「イベント種別」、「イベント発生位置」、「イベント発生日時」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0045】
「イベント情報ID」は、イベント情報を識別する識別子であり、文字列や番号などによって表される。「イベント種別」は、「イベント情報ID」により識別されるイベント情報が示すイベントの種別を表す情報であり、例えば、「地震の発生」、「津波の到来」、「不審者が発生」などであってよい。「イベント発生位置」は、「イベント情報ID」により識別されるイベントが発生した場所の位置情報を示す。「イベント発生日時」は、「イベントID」により識別されるイベントが発生した日時を示す。
【0046】
すなわち、図5においては、イベントID「IVID#1」により識別されるイベントのイベント種別が「IVTYP#1」であり、当該のイベントのイベント発生位置が「IVLC#1」であり、当該のイベントのイベント発生日時が「IVTM#1」であることを示している。
【0047】
なお、イベント情報記憶部122に記憶される情報は、「イベント情報ID」、「イベント種別」、「イベント発生位置」、「イベント発生日時」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意のイベント情報に関係する情報が記憶されてよい。
【0048】
(メッセージ情報記憶部123について)
メッセージ情報記憶部123は、利用者に通知するメッセージに関係する情報を記憶する。ここで、図6を用いて、メッセージ情報記憶部123が記憶する情報の一例を説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置のメッセージ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0049】
図6に示す例において、メッセージ情報記憶部123は、「メッセージID」、「メッセージ」、「利用者状況」、「イベント種別」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0050】
「メッセージID」は、メッセージを識別する識別子であり、文字列や番号などによって表される。「メッセージ」は、メッセージの内容を示す情報であり、例えば、メッセージの内容を文字によって示したものであってよい。「利用者状況」は、「メッセージID」により識別されるメッセージを通知する対象となる利用者の状況を示す情報であり、例えば、滞在中(さらに、建物の中にいること、海岸から所定の距離の範囲内にいることなどに分けられる)、歩行中、電車で移動中、車で移動中、自転車で移動中などの分類によって表されてよい。「イベント種別」は、「メッセージID」により識別されるメッセージを通知するイベントの種別を示す。すなわち、メッセージは、「利用者状況」と、「イベント種別」に応じて、通知する内容が定めされて記憶されている。
【0051】
すなわち、図6においては、メッセージID「MSID#1」により識別されるメッセージとして、メッセージ「MS#1」が記憶されており、当該のメッセージを通知する対象となる利用者状況が「UST#1」であり、当該のメッセージを通知するイベント種別が「IVTYP#1」として記憶されている例が示されている。
【0052】
なお、メッセージ情報記憶部123に記憶される情報は、「メッセージID」、「メッセージ」、「利用者状況」、「イベント種別」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者に通知するメッセージに関係する情報が記憶されてよい。
【0053】
(制御部130について)
次に、図3に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、情報処理装置100を制御するコントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100の記憶部120に記憶されている各種プログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0054】
制御部130は、図3に示すように、取得部131と、受付部132と、推定部133と、抽出部134と、選定部135と、通知部136と、を有する。制御部130は、記憶部120からプログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行することで、これらの機能を実現して、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。以下、これらの処理を、順を追って説明する。
【0055】
(取得部131について)
取得部131は、利用者の状態を示すセンサデータを取得する。例えば、取得部131は、利用者の状態を示すセンサデータとして、利用者端末200のジャイロセンサによって計測された利用者の動きを角速度によって表した計測データを取得してよい。また、取得部131は、センサデータとして、利用者端末200の加速度センサによって計測された利用者の動きを加速度によって表した計測データを取得してもよい。また、取得部131は、センサデータとして、利用者端末200の位置情報センサによって計測された利用者の位置情報を取得してもよい。
【0056】
(受付部132について)
受付部132は、所定のイベントに関する情報を示すイベント情報を受け付ける。受付部132は、利用者端末200から利用者が受付画面を介して入力したイベント情報を受け付ける。なお、イベント情報は、「イベント種別」、「イベント発生位置」、「イベント発生日時」を含む情報であってよい。ここで、「イベント発生位置」は、利用者端末200の位置情報であってもよく、受付部132が利用者端末200の位置情報を取得することによって、当該の情報を受け付けてよい。また、「イベント発生日時」は、利用者から入力を受け付けてもよいし、イベント情報を受け付けた情報処理装置100のシステムクロックの時刻であってもよい。
【0057】
(推定部133について)
推定部133は、利用者ごとにセンサデータに基づいて、利用者の状況を推定する。例えば、推定部133は、センサデータとしての加速度と、角速度の特徴と、利用者の状況との関係を学習した学習済みモデルを用いることによって、利用者の状況を推定してよい。この場合の学習に用いるモデルは、例えば、DNN(Deep Neural Network)を用いてよい。ここで、利用者の状況の分類としては、滞在中、歩行中、電車で移動中、車で移動中、自転車で移動中などであってよい。例えば、推定部133は、所定の周期で加速度の値が上下動を繰り返す場合に歩行中と推定する。また、推定部133は、加速度の水平方向成分が所定の時間以上に亘って所定の値となる状況が継続し、その後に反対方向の加速度の水平方向成分が所定の時間以上に亘って所定の値となる状況が示される場合であれば、電車で移動中と推定する。また、推定部133は、所定の方向の水平方向(例えば、X方向とする)の加速度の値(所定の値(例えば、0.8m/sec2)以上)に加えて、当該の方向に対して直交する方向の水平方向(例えば、Y方向とする)の加速度の値が現れる場合であれば、車で移動中と推定する。また、推定部133は、所定の時間以上に亘って加速度の変化や角速度の変化がなく、利用者の状況が滞在中と推定される場合に、利用者の位置情報と地図情報を照合して、利用者の滞在している場所を分類して推定してよい。この場合の分類には、建物の中や、海岸から所定の距離の範囲内などといった分類が含まれていてよい。
【0058】
(抽出部134について)
抽出部134は、利用者の位置情報と、イベント情報に含まれるイベントの発生位置情報に基づいて、メッセージの通知対象を抽出する。イベント種別に応じて、イベントによって影響を受ける範囲をあらかじめ設定しておく。例えば、地震の場合であれば、地震の震度に応じて影響範囲を段階的に広くなるように設定してよい。そして、抽出部134は、利用者情報記憶部121に記憶されている利用者の位置情報と、イベント情報の位置情報とを照合して、影響範囲の内側に位置する利用者を通知対象として抽出してよい。
【0059】
(選定部135について)
選定部135は、利用者ごとの利用者の状況に応じて、通知するメッセージを選定する。上述したように、メッセージ情報記憶部123には、利用者の状況と、イベントの種別に応じて、通知するメッセージが記憶されている。選定部135、抽出部134が抽出した利用者について、推定部133が推定した利用者の状況と、受付部132が受け付けたイベント情報が示すイベントの種別に応じて、通知するメッセージをメッセージ情報記憶部123から読み出すことにより、通知するメッセージを選定する。メッセージ情報記憶部123には、利用者の状況と、イベントの種別に応じて通知するメッセージが記憶されていることから、利用者の状況と、イベントの種別に応じて、通知するメッセージを選定することができる。
【0060】
また、選定部135は、受付部132が受け付けたイベント情報が地震の発生を示す場合に、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、机の下に隠れて下さいというメッセージを選定する。例えば、メッセージ情報記憶部123に、利用者の状況が建物の中にいることを示し、イベント種別が地震の発生を示すことに対応付けて、「机の下に隠れて下さい」というメッセージを記憶しておく。そして、選定部135は、受付部132において受け付けたイベント情報のイベント種別が地震の発生を示す場合に、抽出部134において抽出された利用者のうち、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、「机の下に隠れて下さい」というメッセージを選定する。
【0061】
また、選定部135は、受付部132が受け付けたイベント情報が津波の到来を示す場合に、利用者の状況が海岸から所定の距離の範囲内にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、津波が来るので海岸から離れて下さいというメッセージを選定する。例えば、メッセージ情報記憶部123に、利用者の状況が海岸から所定の距離の範囲内(例えば、300m以内)にいることを示し、イベント種別が津波の到来を示すことに対応付けて、「津波が来るので海岸から離れて下さい」というメッセージを記憶しておく。そして、選定部135は、受付部132において受け付けたイベント情報のイベント種別が津波の到来を示す場合に、抽出部134において抽出された利用者のうち、利用者の状況が海岸から所定の距離の範囲内にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、「津波が来るので海岸から離れて下さい」というメッセージを選定する。
【0062】
また、選定部135は、受付部132が受け付けたイベント情報が不審者の発生を示す場合に、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、不審者が発生したので戸締りをして下さいというメッセージを選定する。例えば、メッセージ情報記憶部123に、利用者の状況が海岸から建物の中にいることを示し、イベント種別が不審者の発生を示すことに対応付けて、「不審者が発生したので戸締りをして下さい」というメッセージを記憶しておく。そして、選定部135は、受付部132において受け付けたイベント情報のイベント種別が不審者の発生を示す場合に、抽出部134において抽出された利用者のうち、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、「不審者が発生したので戸締りをして下さい」というメッセージを選定する。
【0063】
(通知部136について)
通知部136は、利用者ごとに選定されたメッセージを、対応する利用者の利用者端末200に通知する。例えば、通知部136は、利用者端末200に選定されたメッセージを表示させることによって、選定されたメッセージを通知してもよいし、選定されたメッセージを音声として出力させることによって、選定されたメッセージを通知してもよい。
【0064】
〔4.利用者端末の構成〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る利用者端末200の構成について説明する。図7は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。図7に示すように、利用者端末200は、通信部210と、記憶部220と、入力部230と、出力部240と、センサ部250と、制御部260を有する。
【0065】
通信部210は、例えば、NIC、無線LANカード等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0066】
記憶部220は、主記憶装置と外部記憶装置とを備える。主記憶装置は、制御部260が実行するプログラム、あるいは制御部260が処理するデータを記憶する。主記憶装置は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。外部記憶装置は、制御部260が処理するデータを保存する。外部記憶装置は、例えば、ハードディスクやSSD、磁気テープ、光ディスク等によって実現されてよい。
【0067】
入力部230は、利用者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部230は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部240)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部230は、利用者端末200に設けられたボタンや、利用者端末200に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0068】
出力部240は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット型端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、利用者端末200は、入力部230がタッチパネルである場合は、出力部240である表示画面により利用者の入力を受け付け、利用者への出力も行う。また、出力部240は、スピーカーであってもよく、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0069】
センサ部250は、利用者の状態を示すセンサデータを計測する。以下に、センサ部250の具体的な態様について説明する。
【0070】
センサ部250は、ジャイロセンサであってよい。ジャイロセンサは、可動電極に一方向に振動する一次振動を発生させておき、可動電極に回転が加わると振動方向と90°の方向にコリオリの力が働くことにより二次振動が発生し、静電容量の変化が生じるため、これを検出する静電容量型MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ジャイロセンサであってよい。なお、静電容量の変化と可動電極の振動位相とにより角速度を求めることができる。ジャイロセンサは、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の三軸の角速度を計測してよい。
【0071】
センサ部250は、加速度センサであってもよい。加速度センサは、例えば、MEMSにより可動電極と固定電極を作り、可動電極が動くことによる静電容量の変化と加速度の関係を用いて加速度を計測する静電容量式の加速度センサであってよい。なお、加速度センサは、X軸、Y軸、及びZ軸の三軸の加速度を計測してよい。
【0072】
センサ部250は、三軸ジャイロセンサと、三軸加速度センサと、三軸磁気センサを組み合わせた9DoF(Degree of Freedom)のIMU(Inertial Measurement Unit)であってもよい。
【0073】
センサ部250は、位置情報センサであってもよい。位置情報センサは、GPS(Global Positioning System)センサであってよい。GPSセンサは、GPS受信機を備え、GPS衛星から送信される電波を受信する。GPSセンサは、複数のGPS衛星から送信される電波を受信し、電波を受信した時刻と、GPS衛星が電波を発信した時刻との差を用いて、複数のGPS衛星から利用者端末200までの距離を算出することによって、利用者端末200の現在位置(例えば、緯度、及び経度)を計測する。
【0074】
制御部260は、例えば、CPUやMPU等によって、利用者端末200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部260は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0075】
図7に示すように、制御部260は、受付部261と、提供部262と、を有する。
【0076】
受付部261は、利用者から各種の情報の入力を受け付ける。例えば、受付部261は、利用者からイベント情報の入力を受け付ける入力画面を表示させて、入力画面を介して利用者からイベント情報を受け付ける。なお、受付部261は、イベント情報に含まれるイベント種別を文字入力によって受け付けてもよいし、複数の選択肢を示して利用者からそれらのうちの一つの選択を受け付けてもよい。
【0077】
提供部262は、利用者に各種の情報を提供する。例えば、提供部262は、利用者に情報処理装置100の通知部136から通知されたメッセージを提供する。提供部262は、出力部240に通知部136から通知されたメッセージを表示させることによって利用者に提供してもよいし、出力部240から音声としてメッセージを出力することによって利用者に提供してもよい。
【0078】
〔5.情報処理のフロー〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図8は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。以下、図8に示すフローチャートに沿って、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
【0079】
まず、情報処理装置100は、利用者の状態を示すセンサデータを取得する(ステップS101)。次に、情報処理装置100は、所定のイベントに関する情報を示すイベント情報を受け付ける(ステップS102)。そして、情報処理装置100は、利用者ごとにセンサデータに基づいて、利用者の状況を推定する(ステップS103)。そして、情報処理装置100は、利用者の位置情報と、イベント発生位置情報に基づいて、メッセージの通知対象を抽出する(ステップS104)。そして、情報処理装置100は、利用者の状況に応じて、通知するメッセージを選定する(ステップS105)。そして、情報処理装置100は、選定されたメッセージを、対応する利用者の利用者端末200に通知する(ステップS106)。
【0080】
これによれば、所定のイベントが発生した場合に、利用者の状況に応じて適切なメッセージを利用者端末200に通知することができる。そのため、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【0081】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図9は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0082】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0083】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0084】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0085】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0086】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0087】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置100の制御部130の機能を実現する。
【0088】
〔7.構成と効果〕
本開示に係る情報処理装置100は、利用者の状態を示すセンサデータを取得する取得部131と、所定のイベントに関する情報を示すイベント情報を受け付ける受付部132と、利用者ごとにセンサデータに基づいて、利用者の状況を推定する推定部133と、利用者の位置情報と、イベント情報に含まれるイベントの発生位置情報に基づいて、メッセージの通知対象を抽出する抽出部134と、利用者ごとの利用者の状況に応じて、通知するメッセージを選定する選定部135と、利用者ごとに選定されたメッセージを、対応する利用者の利用者端末200に通知する通知部136と、を備える。
【0089】
この構成によれば、所定のイベントが発生した場合に、利用者の状況に応じて適切なメッセージを利用者端末200に通知することができる。そのため、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0090】
本開示に係る情報処理装置100は、イベント情報が地震の発生を示す場合に、選定部135は、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、机の下に隠れて下さいというメッセージを選定する。
【0091】
この構成によれば、イベント情報として地震の発生を受け付けた場合に、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して、机の下に隠れて下さいというメッセージを選定して、当該のメッセージを利用者に通知することができる。そのため、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0092】
本開示に係る情報処理装置100の受付部132が受け付けたイベント情報が津波の到来を示す場合に、選定部135は、利用者の状況が海岸から所定の距離の範囲内にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、津波が来るので海岸から離れて下さいというメッセージを選定する。
【0093】
この構成によれば、イベント情報として津波の到来を受け付けた場合に、利用者の状況が海岸から所定の距離の範囲内にいる利用者に対して、津波が来るので海岸から離れて下さいというメッセージを選定して、当該のメッセージを利用者に通知することができる。そのため、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0094】
本開示に係る情報処理装置100の受付部132が受け付けたイベント情報が不審者の発生を示す場合に、選定部135は、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して通知するメッセージとして、不審者が発生したので戸締りをして下さいというメッセージを選定する。
【0095】
この構成によれば、イベント情報として不審者の発生を受け付けた場合に、利用者の状況が建物の中にいることを示す利用者に対して、不審者が発生したので戸締りをして下さいというメッセージを選定して、当該のメッセージを利用者に通知することができる。そのため、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0096】
本開示に係る情報処理方法は、利用者の状態を示すセンサデータを取得するステップと、利用者から所定のイベントに関する情報を示すイベント情報を受け付けるステップと、利用者ごとにセンサデータに基づいて、利用者の状況を推定するステップと、利用者の位置情報と、イベント情報に基づいて、メッセージの通知対象を抽出するステップと、利用者ごとの利用者の状況に応じて、通知するメッセージを選定するステップと、利用者ごとに選定されたメッセージを、対応する利用者の利用者端末200に通知するステップと、を含む。
【0097】
この構成によれば、所定のイベントが発生した場合に、利用者の状況に応じて適切なメッセージを利用者端末200に通知することができる。そのため、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理方法を提供することができる。
【0098】
本開示に係る情報処理プログラムは、利用者の状態を示すセンサデータを取得するステップと、利用者から所定のイベントに関する情報を示すイベント情報を受け付けるステップと、利用者ごとにセンサデータに基づいて、利用者の状況を推定するステップと、利用者の位置情報と、イベント情報に基づいて、メッセージの通知対象を抽出するステップと、利用者ごとの利用者の状況に応じて、通知するメッセージを選定するステップと、利用者ごとに選定されたメッセージを、対応する利用者の利用者端末200に通知するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0099】
この構成によれば、所定のイベントが発生した場合に、利用者の状況に応じて適切なメッセージを利用者端末200に通知することができる。そのため、イベントの発生に対する注意喚起を促すメッセージを利用者の状況に応じて通知することができる情報処理プログラムを提供することができる。
【0100】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0101】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部131は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0102】
1 情報処理システム
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報記憶部
122 イベント情報記憶部
123 メッセージ情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 受付部
133 推定部
134 抽出部
135 選定部
136 通知部
200 利用者端末
210 通信部
220 記憶部
230 入力部
240 出力部
250 センサ部
260 制御部
261 受付部
262 提供部
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9