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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130658
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】テープ印刷装置およびテープ印刷装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 11/42 20060101AFI20240920BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20240920BHJP
【ＦＩ】
B41J11/42
B41J3/36 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023040508
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】甕 健二
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 泰志
【テーマコード（参考）】
2C055
2C058
【Ｆターム（参考）】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
2C058AB15
2C058AC06
2C058AD06
2C058AE04
2C058AF06
2C058AF51
2C058GA02
2C058GB05
2C058GB19
2C058GB20
2C058GB37
2C058GB48
2C058GD01
(57)【要約】
【課題】ラベルへの印刷位置のずれを抑制する。
【解決手段】台紙テープ１１上に複数のラベルＬが等間隔で配置され、それぞれのラベルＬに対応する位置に検出孔１２が設けられたラベルテープＴを－Ｘ方向に送る送り機構と、送り機構により送られていくラベルテープＴのラベルＬに印刷を行う印刷ヘッド２６と、送り機構によりラベルテープＴが送られている間、検出孔１２を検出するセンサー４３と、を備え、複数のラベルＬに対して印刷が行われる場合、センサー４３の検出結果に基づいて、第１ラベルＬ１の検出孔１２と第２ラベルＬ２の検出孔１２との間の距離である計測送りピッチを計測し、計測した計測送りピッチと、ラベルテープＴの設計上の検出孔１２間の距離である標準送りピッチとに基づいて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出された後のラベルテープＴの送り量を補正する。
【選択図】図１２
【解決手段】台紙テープ１１上に複数のラベルＬが等間隔で配置され、それぞれのラベルＬに対応する位置に検出孔１２が設けられたラベルテープＴを－Ｘ方向に送る送り機構と、送り機構により送られていくラベルテープＴのラベルＬに印刷を行う印刷ヘッド２６と、送り機構によりラベルテープＴが送られている間、検出孔１２を検出するセンサー４３と、を備え、複数のラベルＬに対して印刷が行われる場合、センサー４３の検出結果に基づいて、第１ラベルＬ１の検出孔１２と第２ラベルＬ２の検出孔１２との間の距離である計測送りピッチを計測し、計測した計測送りピッチと、ラベルテープＴの設計上の検出孔１２間の距離である標準送りピッチとに基づいて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出された後のラベルテープＴの送り量を補正する。
【選択図】図１２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙テープ上に複数のラベルが等間隔で配置され、それぞれの前記ラベルに対応する位置に被検出部が設けられたラベルテープを第１方向に送る送り機構と、
前記送り機構により送られていく前記ラベルテープの前記ラベルに印刷を行う印刷ヘッドと、
前記送り機構により前記ラベルテープが送られている間、前記被検出部を検出するセンサーと、
記憶部から、前記ラベルテープの規格上の前記被検出部間の距離である標準送りピッチを読み出す読み出し部と、
前記送り機構を制御する送り制御部と、を備え、
前記送り制御部は、
複数の前記ラベルに対して印刷が行われる場合、前記センサーの検出結果に基づいて、複数の前記ラベルのうちのいずれかである第１ラベルの前記被検出部と、前記第１ラベルの次に印刷される第２ラベルの前記被検出部との間の距離である計測送りピッチを計測し、計測した前記計測送りピッチと、前記標準送りピッチとに基づいて、前記第２ラベルの前記被検出部が検出された後の前記ラベルテープの送り量を補正することを特徴とするテープ印刷装置。
前記送り機構により送られていく前記ラベルテープの前記ラベルに印刷を行う印刷ヘッドと、
前記送り機構により前記ラベルテープが送られている間、前記被検出部を検出するセンサーと、
記憶部から、前記ラベルテープの規格上の前記被検出部間の距離である標準送りピッチを読み出す読み出し部と、
前記送り機構を制御する送り制御部と、を備え、
前記送り制御部は、
複数の前記ラベルに対して印刷が行われる場合、前記センサーの検出結果に基づいて、複数の前記ラベルのうちのいずれかである第１ラベルの前記被検出部と、前記第１ラベルの次に印刷される第２ラベルの前記被検出部との間の距離である計測送りピッチを計測し、計測した前記計測送りピッチと、前記標準送りピッチとに基づいて、前記第２ラベルの前記被検出部が検出された後の前記ラベルテープの送り量を補正することを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項2】
前記センサーは、前記印刷ヘッドより前記第１方向に設けられ、
前記ラベルテープには、前記ラベルの前記第１方向における端部位置よりも前記第１方向に、前記ラベルに対応する前記被検出部が設けられ、
前記送り制御部は、
前記計測送りピッチと、前記標準送りピッチとに基づいて、送り補正値を算出する算出制御と、算出した前記送り補正値を用いて、前記第２ラベルの前記被検出部が検出されてから、前記第２ラベルまたは前記第２ラベルの次に印刷される第３ラベルの印刷が開始されるまでの間の少なくとも一部期間の、前記ラベルテープの送り量を補正する補正制御と、を前記ラベルごとに繰り返すことを特徴とする請求項１に記載のテープ印刷装置。
前記ラベルテープには、前記ラベルの前記第１方向における端部位置よりも前記第１方向に、前記ラベルに対応する前記被検出部が設けられ、
前記送り制御部は、
前記計測送りピッチと、前記標準送りピッチとに基づいて、送り補正値を算出する算出制御と、算出した前記送り補正値を用いて、前記第２ラベルの前記被検出部が検出されてから、前記第２ラベルまたは前記第２ラベルの次に印刷される第３ラベルの印刷が開始されるまでの間の少なくとも一部期間の、前記ラベルテープの送り量を補正する補正制御と、を前記ラベルごとに繰り返すことを特徴とする請求項１に記載のテープ印刷装置。
【請求項3】
複数の前記ラベルに印刷を行う場合、それぞれの前記ラベルにおいて同じ印刷対象領域に印刷を行うように前記印刷ヘッドを制御する印刷制御部をさらに備え、
前記送り制御部は、
前記補正制御において、前記ラベルテープの前記被検出部と、前記ラベルの前記印刷対象領域の前記第１方向における端部である印刷開始位置との距離である第１距離が、前記センサーと、前記印刷ヘッドとの距離である第２距離より大きい場合、前記第２ラベルの前記被検出部が検出されてから、前記第２ラベルの印刷が開始されるまでの間の、前記ラベルテープの送り量を補正し、前記第１距離が前記第２距離以下の場合、前記第２ラベルの前記被検出部が検出されてから、前記第３ラベルの印刷が開始されるまでの間で印刷が行われていない期間の、前記ラベルテープの送り量を補正することを特徴とする請求項２に記載のテープ印刷装置。
前記送り制御部は、
前記補正制御において、前記ラベルテープの前記被検出部と、前記ラベルの前記印刷対象領域の前記第１方向における端部である印刷開始位置との距離である第１距離が、前記センサーと、前記印刷ヘッドとの距離である第２距離より大きい場合、前記第２ラベルの前記被検出部が検出されてから、前記第２ラベルの印刷が開始されるまでの間の、前記ラベルテープの送り量を補正し、前記第１距離が前記第２距離以下の場合、前記第２ラベルの前記被検出部が検出されてから、前記第３ラベルの印刷が開始されるまでの間で印刷が行われていない期間の、前記ラベルテープの送り量を補正することを特徴とする請求項２に記載のテープ印刷装置。
【請求項4】
前記ラベルテープの前記台紙テープを、テープ幅方向に切断する切断機構をさらに備え、
前記センサーは、前記印刷ヘッドと前記切断機構との間に設けられることを特徴とする請求項２に記載のテープ印刷装置。
前記センサーは、前記印刷ヘッドと前記切断機構との間に設けられることを特徴とする請求項２に記載のテープ印刷装置。
【請求項5】
前記ラベルテープが巻回されたテープロールと、前記ラベルテープを送るプラテンローラーと、を収容したテープカートリッジが着脱自在に装着されるカートリッジ装着部をさらに備え、
前記送り機構は、前記プラテンローラーが係合されるプラテン駆動軸を含むことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１項に記載のテープ印刷装置。
前記送り機構は、前記プラテンローラーが係合されるプラテン駆動軸を含むことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１項に記載のテープ印刷装置。
【請求項6】
前記ラベルテープの種類を検出するテープ種類検出部と、
前記ラベルテープの種類と、前記標準送りピッチとを対応付けて記憶する前記記憶部と、をさらに備え、
前記読み出し部は、前記テープ種類検出部により検出された前記ラベルテープの種類に対応する前記標準送りピッチを、前記記憶部から読み出すことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１項に記載のテープ印刷装置。
前記ラベルテープの種類と、前記標準送りピッチとを対応付けて記憶する前記記憶部と、をさらに備え、
前記読み出し部は、前記テープ種類検出部により検出された前記ラベルテープの種類に対応する前記標準送りピッチを、前記記憶部から読み出すことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１項に記載のテープ印刷装置。
【請求項7】
台紙テープ上に複数のラベルが等間隔で配置され、それぞれの前記ラベルに対応する位置に被検出部が設けられたラベルテープを第１方向に送る送り機構と、
前記送り機構により送られていく前記ラベルテープの前記ラベルに印刷を行う印刷ヘッドと、
前記送り機構により前記ラベルテープが送られている間、前記被検出部を検出するセンサーと、
記憶部から、前記ラベルテープの設計上の前記被検出部間の距離である標準送りピッチを読み出す読み出し部と、を備えたテープ印刷装置の制御方法であって、
前記テープ印刷装置が、
複数の前記ラベルに対して印刷が行われる場合、前記センサーの検出結果に基づいて、複数の前記ラベルのうちのいずれかである第１ラベルの前記被検出部と、前記第１ラベルの次に印刷される第２ラベルの前記被検出部との間の距離である計測送りピッチを計測し、計測した前記計測送りピッチと、前記標準送りピッチとに基づいて、前記第２ラベルの前記被検出部が検出された後の前記ラベルテープの送り量を補正するステップ、を実行することを特徴とするテープ印刷装置の制御方法。
前記送り機構により送られていく前記ラベルテープの前記ラベルに印刷を行う印刷ヘッドと、
前記送り機構により前記ラベルテープが送られている間、前記被検出部を検出するセンサーと、
記憶部から、前記ラベルテープの設計上の前記被検出部間の距離である標準送りピッチを読み出す読み出し部と、を備えたテープ印刷装置の制御方法であって、
前記テープ印刷装置が、
複数の前記ラベルに対して印刷が行われる場合、前記センサーの検出結果に基づいて、複数の前記ラベルのうちのいずれかである第１ラベルの前記被検出部と、前記第１ラベルの次に印刷される第２ラベルの前記被検出部との間の距離である計測送りピッチを計測し、計測した前記計測送りピッチと、前記標準送りピッチとに基づいて、前記第２ラベルの前記被検出部が検出された後の前記ラベルテープの送り量を補正するステップ、を実行することを特徴とするテープ印刷装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ印刷装置およびテープ印刷装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献１に開示されているように、台紙テープ上に複数のラベルが配置されたラベルテープを送りながら、ラベルに印刷を行うテープ印刷装置が知られている。この種のラベルテープには、それぞれのラベルに対応する位置に被検出部が設けられている。テープ印刷装置は、この被検出部を検出して印刷タイミングを制御することで、ラベルの所望の位置に印刷を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０１４－１８４５５８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のテープ印刷装置では、ラベルテープを送るプラテンローラーの径のばらつきや、ラベルテープがテープロールから繰り出された場合のテープロールの径の変化などによって、所定時間におけるラベルテープの送り量が理論上の送り量と異なる場合がある。そのような場合、従来のテープ印刷装置では、ラベルへの印刷位置にずれが生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のテープ印刷装置は、台紙テープ上に複数のラベルが等間隔で配置され、それぞれのラベルに対応する位置に被検出部が設けられたラベルテープを第１方向に送る送り機構と、送り機構により送られていくラベルテープのラベルに印刷を行う印刷ヘッドと、送り機構によりラベルテープが送られている間、被検出部を検出するセンサーと、記憶部から、ラベルテープの設計上の被検出部間の距離である標準送りピッチを読み出す読み出し部と、送り機構を制御する送り制御部と、を備え、送り制御部は、複数のラベルに対して印刷が行われる場合、センサーの検出結果に基づいて、複数のラベルのうちのいずれかである第１ラベルの被検出部と、第１ラベルの次に印刷される第２ラベルの被検出部との間の距離である計測送りピッチを計測し、計測した計測送りピッチと、標準送りピッチとに基づいて、第２ラベルの被検出部が検出された後のラベルテープの送り量を補正する。
【0006】
本発明のテープ印刷装置の制御方法は、台紙テープ上に複数のラベルが等間隔で配置され、それぞれのラベルに対応する位置に被検出部が設けられたラベルテープを第１方向に送る送り機構と、送り機構により送られていくラベルテープのラベルに印刷を行う印刷ヘッドと、送り機構によりラベルテープが送られている間、被検出部を検出するセンサーと、記憶部から、ラベルテープの設計上の被検出部間の距離である標準送りピッチを読み出す読み出し部と、を備えたテープ印刷装置の制御方法であって、テープ印刷装置が、複数のラベルに対して印刷が行われる場合、センサーの検出結果に基づいて、複数のラベルのうちのいずれかである第１ラベルの被検出部と、第１ラベルの次に印刷される第２ラベルの被検出部との間の距離である計測送りピッチを計測し、計測した計測送りピッチと、標準送りピッチとに基づいて、第２ラベルの被検出部が検出された後のラベルテープの送り量を補正するステップ、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】テープ印刷装置およびテープカートリッジの外観図である。
【図2】ラベルテープの一例を示す図である。
【図3】印刷ヘッド、センサーおよびカッターの配置を示す図である。
【図4】テープ印刷装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】テープ印刷装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】メイン処理を示すフローチャートである。
【図7】第１印刷処理を示すフローチャートである。
【図8】第２Ａ印刷処理を示すフローチャートである。
【図10】第２Ｂ印刷処理を示すフローチャートである。
【図12】第１印刷処理が開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図13】第１印刷処理において、第１ラベルの補正カウントが開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図14】第１印刷処理において、第２ラベルの補正カウントが開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図15】第１印刷処理において、第２ラベルの印刷が開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図16】第１印刷処理において、第２ラベルの印刷終了後、ラベルテープが切断されるときの位置を示す図である。
【図17】第２Ａ印刷処理が開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図18】第２Ａ印刷処理において、第１ラベルの印刷が開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図19】第２Ａ印刷処理において、第１ラベルの補正カウントが開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図20】第２Ａ印刷処理において、第２ラベルの補正カウントが開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図21】第２Ａ印刷処理において、第２ラベルの印刷が終了されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図22】第２Ａ印刷処理において、第３ラベルの印刷が開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図23】第２Ａ印刷処理において、第３ラベルの印刷終了後、ラベルテープが切断されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図24】第２Ｂ印刷処理が開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図25】第２Ｂ印刷処理において、第２ラベルの補正カウントが開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図26】第２Ｂ印刷処理において、第３ラベルの印刷が開始されるときのラベルテープの位置を示す図である。
【図27】ラベルテープの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照して、テープ印刷装置およびテープ印刷装置の制御方法について説明する。なお、一部の図面では、ＸＹＺ直交座標系による方向を用いて説明するが、これらの方向は説明の便宜上のものにすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。
【0009】
図１は、テープ印刷装置１およびテープカートリッジＣの外観図である。テープ印刷装置１は、長尺状のテープに印刷を行う装置である。本実施形態に係るテープ印刷装置１は、テープとして、台紙テープ１１上に複数のラベルＬが等間隔で配置されたラベルテープＴを用いる（図２参照）。
【0010】
テープ印刷装置１は、操作キー群２１と、ディスプレー２２と、カートリッジ装着部２３と、テープ排出口２４と、を備えている。
【0011】
操作キー群２１は、ラベルＬに印刷される印刷画像の編集操作など、ユーザーの各種操作を受け付ける。ディスプレー２２は、印刷画像の編集画面など、各種情報を表示する。テープ印刷装置１は、ユーザーによる印刷画像の編集操作に基づいて、印刷データを生成し、生成した印刷データに基づいて印刷処理を行う。
【0012】
カートリッジ装着部２３には、テープカートリッジＣが着脱可能に装着される。テープカートリッジＣには、そのケース内に、ラベルテープＴが巻回されたテープロール１５と、インクリボンＲと、プラテンローラー１７と、が収容されている。
【0013】
カートリッジ装着部２３には、プラテン駆動軸２５と、印刷ヘッド２６と、テープ種類検出部４１（図４参照）と、が設けられている。テープ種類検出部４１については、後述する。プラテン駆動軸２５は、カートリッジ装着部２３にテープカートリッジＣが装着された状態で、プラテンローラー１７と係合する。プラテンローラー１７は、ラベルテープＴを－Ｘ方向または＋Ｘ方向に送る。「－Ｘ方向」は、第１方向の一例である。
【0014】
図２に示すように、ラベルテープＴは、台紙テープ１１上に複数のラベルＬが等間隔で配置されたものである。複数のラベルＬは、同形状且つ同サイズであり、ラベルテープＴの長さ方向に沿って配置されている。テープカートリッジＣがカートリッジ装着部２３に装着されたとき、テープカートリッジＣから繰り出されたラベルテープＴの長さ方向は、Ｘ方向となる。以下、テープカートリッジＣがカートリッジ装着部２３に装着されたときの方向を用いて説明する。複数のラベルＬは、＋Ｙ方向の面が粘着面となっており、粘着面を介して台紙テープ１１の－Ｙ方向に貼付されている。ラベルテープＴには、それぞれのラベルＬに対応する位置に検出孔１２が設けられている。検出孔１２は、「被検出部」の一例である。検出孔１２は、台紙テープ１１を切り抜いたものであり、対応するラベルＬの－Ｘ方向に設けられている。
【0015】
図２において、ラベルＬ上の斜線部分は印刷対象領域Ｅ１を示している。印刷対象領域Ｅ１とは、印刷ヘッド２６により印刷が行われる領域を意味する。印刷対象領域Ｅ１は、ラベルＬに印刷される印刷画像を囲む矩形領域である。具体的には、印刷対象領域Ｅ１は、印刷画像のＸ方向における最小座標を「X_min」、Ｘ方向における最大座標を「X_max」、Ｚ方向における最小座標を「Z_min」、Ｚ方向における最大座標を「Z_max」としたとき、（X_min，Z_min）、（X_min，Z_max）、（X_max，Z_min）、（X_max，Z_max）を頂点とする矩形の範囲である。
【0016】
なお、以下の説明において、検出孔１２の＋Ｘ方向における端部から印刷対象領域Ｅ１の－Ｘ方向における端部までの距離を、「第１距離ＫＦ」と言う。印刷対象領域Ｅ１の－Ｘ方向における端部は、「印刷開始位置」の一例である。また、以下の説明において、検出孔１２の＋Ｘ方向における端部から印刷対象領域Ｅ１の＋Ｘ方向における端部までの距離を、「第３距離ＫＢ」と言う。また、以下の説明において、ラベルテープＴの設計上の検出孔１２間の距離を、「標準送りピッチ」と言う。
【0017】
図１の説明に戻る。印刷ヘッド２６は、カートリッジ装着部２３にテープカートリッジＣが装着された状態で、プラテンローラー１７と対向する位置に設けられている。印刷ヘッド２６は、印刷データに応じて発熱駆動する。これにより、インクリボンＲのインクがラベルテープＴのラベルＬに転写され、印刷データに基づく印刷画像がラベルＬに印刷される。
【0018】
ラベルＬに印刷が行われたラベルテープＴは、テープ排出口２４から排出される。カートリッジ装着部２３とテープ排出口２４との間には、センサー４３（図３参照）と、カッター２７と、が設けられている。センサー４３は、ラベルテープＴの検出孔１２を検出する。カッター２７は、ラベルテープＴをテープ幅方向、すなわちＺ方向に切断する。これにより、ラベルテープＴの印刷済み部分が切り離される。
【0019】
図３は、印刷ヘッド２６、センサー４３およびカッター２７の配置を示す図である。同図に示すように、センサー４３は、印刷ヘッド２６の－Ｘ方向、且つ、カッター２７の＋Ｘ方向に設けられる。また、センサー４３は、Ｚ方向において、－Ｘ方向に送られるラベルテープＴの検出孔１２に対応する位置に設けられる。
【0020】
なお、以下の説明において、センサー４３と、印刷ヘッド２６とのＸ方向における距離を、「第２距離ＨＳ」と言う。より具体的には、第２距離ＨＳは、センサー４３と、印刷ヘッド２６に設けられた発熱素子群２６ａとのＸ方向における距離を意味する。発熱素子群２６ａとは、複数の発熱素子がＺ方向に沿って並べられたものである。
【0021】
図４を参照し、テープ印刷装置１のハードウェア構成について説明する。テープ印刷装置１は、テープ種類検出部４１と、センサー４３と、制御部４４と、印刷ヘッド２６と、送り機構４５と、切断機構４６と、を備えている。
【0022】
テープ種類検出部４１は、ラベルテープＴの種類を検出する。テープ種類検出部４１は、例えば、カートリッジ装着部２３に装着されたテープカートリッジＣの外面に設けられたコード画像（図示省略）を光学的に読み取ることにより、ラベルテープＴの種類を検出する。この場合、コード画像は、ラベルテープＴの種類を示すテープ種類情報をコード化した画像であり、例えば２次元コードやバーコードである。
【0023】
なお、テープ種類検出部４１は、テープカートリッジＣに設けられたメモリー素子を有する回路基板またはＲＦＩＤ（Radio Frequency Identification）タグ（いずれも図示省略）からテープ種類情報を取得することにより、ラベルテープＴの種類を検出してもよい。この場合、メモリー素子またはＲＦＩＤタグには、テープ種類情報が記憶されている。
【0024】
センサー４３は、送り機構４５によりラベルテープＴが送られている間、検出孔１２を検出する。センサー４３は、例えば、透過型のフォトインターラプターで構成されており、互いに対向した発光素子および受光素子を含む。本実施形態において、センサー４３は、検出孔１２の＋Ｘ側の端部が、発光素子と受光素子との間を通過したタイミングを検出する。
【0025】
制御部４４は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）４４ａと、ＲＯＭ（Read Only Memory）４４ｂと、ＲＡＭ（Random Access Memory）４４ｃと、を含む。
【0026】
ＣＰＵ４４ａは、ＲＯＭ４４ｂに記憶されたファームウェアなどの制御プログラムをＲＡＭ４４ｃに展開して実行することにより、各種制御を行う。なお、制御部４４は、ＣＰＵ４４ａに代え、ＡＳＩＣ等のハードウェア回路をプロセッサーとして用いてもよい。また、プロセッサーは、１以上のＣＰＵとＡＳＩＣ等のハードウェア回路が協働して動作する構成でもよい。
【0027】
なお、ＲＯＭ４４ｂには、ラベルテープＴの種類と、標準送りピッチとを対応付けた対応テーブルが記憶されている。ＲＯＭ４４ｂは、「記憶部」の一例である。
【0028】
印刷ヘッド２６は、発熱素子群２６ａ（図３参照）を備え、インクリボンＲからラベルテープＴにインクを熱転写することにより印刷を行う。
【0029】
送り機構４５は、送りモーター４５ａと、プラテン駆動軸２５と、を含む。送りモーター４５ａは、プラテン駆動軸２５を駆動する駆動源である。送りモーター４５ａが正転すると、プラテン駆動軸２５を介してプラテンローラー１７が第１の方向に回転し、ラベルテープＴが－Ｘ方向に送られる。また、送りモーター４５ａが逆転すると、プラテン駆動軸２５を介してプラテンローラー１７が第１の方向と逆方向に回転し、ラベルテープＴが＋Ｘ方向に送られる。なお、本実施形態において、送りモーター４５ａは、ステッピングモーターである。ＣＰＵ４４ａは、送りモーター４５ａを回転させるステップ数に基づいて、後述する計測送りピッチを計測する。
【0030】
切断機構４６は、カッターモーター４６ｂと、カッター２７と、を含む。カッターモーター４６ｂは、カッター２７を駆動する駆動源である。カッターモーター４６ｂが駆動すると、カッター２７が動作し、ラベルテープＴがＺ方向に切断される。
【0031】
図５を参照し、テープ印刷装置１の機能構成について説明する。テープ印刷装置１は、読み出し部１１０と、送り制御部１２０と、印刷制御部１３０と、を備えている。これらの機能は、いずれもＣＰＵ４４ａが、ＲＯＭ４４ｂに記憶されているファームウェアを実行することにより実現される機能である。
【0032】
読み出し部１１０は、テープ種類検出部４１（図４参照）により検出されたテープ種類情報に基づいて、ＲＯＭ４４ｂから、ラベルテープＴの設計上の検出孔１２間の距離である標準送りピッチを読み出す。より具体的には、読み出し部１１０は、検出されたテープ種類情報が示すラベルテープＴの種類に対応する標準送りピッチを、ＲＯＭ４４ｂに記憶されている対応テーブルから読み出す。
【0033】
送り制御部１２０は、複数のラベルＬに対して印刷が行われる場合、センサー４３の検出結果に基づいて、複数のラベルＬのうちのいずれかである第１ラベルＬ１（図１２参照）の検出孔１２と、第１ラベルＬ１の次に印刷される第２ラベルＬ２（図１２参照）の検出孔１２との間の距離である計測送りピッチを計測する。計測送りピッチは、第１ラベルＬ１の検出孔１２が検出されてから、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されるまで、送りモーター４５ａを回転させるステップ数をカウントすることにより計測される。以下、計測送りピッチを計測するための、送りモーター４５ａのステップ数のカウントを、「補正カウント」と言う。なお、以下の説明では、複数のラベルＬに対して印刷が行われる場合、印刷される順番に応じて、「第１ラベルＬ１」などと言うものとする。例えば、第１ラベルＬ１は、最初に印刷されるラベルＬを意味し、第２ラベルＬ２は、２番目に印刷されるラベルＬを意味する。
【0034】
また、送り制御部１２０は、計測した計測送りピッチと、ＲＯＭ４４ｂから読み出した標準送りピッチとに基づいて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出された後のラベルテープＴの送り量を補正する。
【0035】
送り制御部１２０の制御について、さらに詳しく説明する。送り制御部１２０は、計測送りピッチと、標準送りピッチとに基づいて、送り補正値を算出する算出制御を行う。算出した送り補正値は、例えばＲＡＭ４４ｃに記憶される。また、送り制御部１２０は、算出した送り補正値を用いて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第２ラベルＬ２または第３ラベルＬ３の印刷が開始されるまでの間の少なくとも一部期間の、ラベルテープＴの送り量を補正する補正制御を行う。そして、送り制御部１２０は、算出制御と、補正制御とを、ラベルＬごとに繰り返す。
【0036】
さらに具体的には、送り制御部１２０は、補正制御において、第１距離ＫＦ（図２参照）が、第２距離ＨＳ（図３参照）より大きい場合、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第２ラベルＬ２の印刷が開始されるまでの間の、ラベルテープＴの送り量を補正する。上記のとおり、第１距離ＫＦは、ラベルテープＴの検出孔１２と、ラベルＬの印刷開始位置との距離である。また、第２距離ＨＳは、センサー４３と、印刷ヘッド２６との距離である。一方、送り制御部１２０は、補正制御において、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳ以下の場合、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第３ラベルＬ３の印刷が開始されるまでの間で印刷が行われていない期間の、ラベルテープＴの送り量を補正する。詳細については、具体例を挙げて後述する。
【0037】
印刷制御部１３０は、複数のラベルＬに印刷を行う場合、それぞれのラベルＬにおいて同じ印刷対象領域Ｅ１（図２参照）に印刷を行うように印刷ヘッド２６を制御する。すなわち、印刷制御部１３０は、複数のラベルＬに印刷を行う場合、ラベルＬごとに印刷対象領域Ｅ１が異なるような印刷制御は行わない。
【0038】
【0039】
まず、図６のフローチャートを参照し、テープ印刷装置１のメイン処理について説明する。メイン処理は、印刷指示をトリガーとして実行される処理である。テープ印刷装置１は、印刷指示に伴って印刷データを生成する。図６ないし図１１に示す処理は、この印刷データに基づいて実行される。
【0040】
ステップＳ０１において、テープ印刷装置１は、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳより大きいか否かを判別する。第１距離ＫＦは、印刷データに基づいて算出される距離である。テープ印刷装置１は、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳより大きいと判別した場合、ステップＳ０２に進む。また、テープ印刷装置１は、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳより大きくない、すなわち第１距離ＫＦが第２距離ＨＳ以下であると判別した場合、ステップＳ０３に進む。
【0041】
ステップＳ０２において、テープ印刷装置１は、第１印刷処理を行う（図７参照）。
【0042】
ステップＳ０３において、テープ印刷装置１は、第３距離ＫＢ（図２参照）が第２距離ＨＳより大きいか否かを判別する。第３距離ＫＢは、ラベルテープＴの検出孔１２と、ラベルＬの印刷終了位置との距離であり、印刷データに基づいて算出される距離である。テープ印刷装置１は、第３距離ＫＢが第２距離ＨＳより大きいと判別した場合、ステップＳ０４に進む。また、テープ印刷装置１は、第３距離ＫＢが第２距離ＨＳより大きくない、すなわち第３距離ＫＢが第２距離ＨＳ以下であると判別した場合、ステップＳ０５に進む。
【0043】
【0044】
【0045】
詳細については後述するが、テープ印刷装置１は、第１印刷処理を行う場合、第１ラベルＬ１の計測送りピッチの計測結果に基づいて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第２ラベルＬ２の印刷が開始されるまでの間の、ラベルテープＴの送り量を補正する。また、テープ印刷装置１は、第２Ａ印刷処理を行う場合、第１ラベルＬ１の計測送りピッチの計測結果に基づいて、第２ラベルＬ２の印刷が終了されてから、第３ラベルＬ３の印刷が開始されるまでの間の、ラベルテープＴの送り量を補正する。また、テープ印刷装置１は、第２Ｂ印刷処理を行う場合、第１ラベルＬ１の計測送りピッチの計測結果に基づいて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第３ラベルＬ３の印刷が開始されるまでの間の、ラベルテープＴの送り量を補正する。
【0046】
なお、以下の説明において、第２Ａ印刷処理と第２Ｂ印刷処理を総称して、「第２印刷処理」と言う。第１印刷処理は、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第２ラベルＬ２の印刷が開始されるまでの間の、ラベルテープＴの送り量を補正する。これに対し、第２印刷処理は、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第３ラベルＬ３の印刷が開始されるまでの間で印刷が行われていない期間の、ラベルテープＴの送り量を補正する。
【0047】
図７のフローチャートを参照し、テープ印刷装置１の第１印刷処理について説明する。第１印刷処理の説明では、図１２ないし図１６を参照する。なお、図１２以降の図面において、文字「Ｃ」を含む下向き三角マークは、Ｘ方向におけるカッター２７の位置を示す。また、文字「Ｓ」を含む下向き三角マークは、Ｘ方向におけるセンサー４３の位置を示す。また、文字「Ｈ」を含む下向き三角マークは、Ｘ方向における印刷ヘッド２６の位置を示す。以下、Ｘ方向におけるカッター２７の位置を「カッター位置」と言い、Ｘ方向における印刷ヘッド２６の位置を「ヘッド位置」と言う。
【0048】
第１印刷処理は、図１２に示すように、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳより大きいと判別された場合に行われる処理である。図１２は、第１印刷処理が開始されるときのラベルテープＴの位置を示す図である。第１印刷処理が開始されるときは、Ｘ方向における検出孔１２の中央位置がカッター位置にあるものとする。以下、Ｘ方向における検出孔１２の中央位置を、「検出孔中央位置」と言う。
【0049】
ステップＳ１１において、テープ印刷装置１は、印刷データに基づいて、２枚以上の印刷を行うか否かを判別する。テープ印刷装置１は、２枚以上の印刷を行うと判別した場合、ステップＳ１３に進む。また、テープ印刷装置１は、２枚以上の印刷を行わない、すなわち１枚のみの印刷であると判別した場合、ステップＳ１２に進む。
【0050】
ステップＳ１２において、テープ印刷装置１は、通常の印刷処理を行う。ここで、通常の印刷処理とは、ラベルテープＴの送り量を補正する補正制御を行わない印刷処理を意味する。テープ印刷装置１は、ステップＳ１２の後、第１印刷処理を終了する。
【0051】
ステップＳ１３において、テープ印刷装置１は、センサー４３が第１ラベルＬ１の検出孔１２を検出するまでラベルテープＴを送る（図１３参照）。図１３の例では、テープ印刷装置１は、ラベルテープＴを＋Ｘ方向に送ることで、第１ラベルＬ１の検出孔１２を検出する。なお、以下の説明において、単に「ラベルテープＴを送る」とは、ラベルテープＴを－Ｘ方向に送ることを意味する。
【0052】
ステップＳ１４において、テープ印刷装置１は、補正カウントを開始する（図１３参照）。
【0053】
ステップＳ１５において、テープ印刷装置１は、第１ラベルＬ１の印刷開始位置がヘッド位置にくるまでラベルテープＴを送る。
【0054】
ステップＳ１６において、テープ印刷装置１は、ラベルＬの印刷を開始する。
【0055】
ステップＳ１７において、テープ印刷装置１は、ラベルＬの印刷を終了する。
【0056】
ステップＳ１８において、テープ印刷装置１は、センサー４３が次のラベルＬの検出孔１２を検出するまでラベルテープＴを送る（図１４参照）。図１４において、テープ印刷装置１は、第２ラベルＬ２の検出孔１２を検出するまでラベルテープＴを送っている。
【0057】
ステップＳ１９において、テープ印刷装置１は、補正カウントを終了する（図１４参照）。
【0058】
ステップＳ２０において、テープ印刷装置１は、送り補正値を算出する。テープ印刷装置１は、下記の［数１］に示す計算式に基づいて送り補正値を算出する。［数１］において、「ＣＣ」は、送り補正値を示す。「ＣＰ」は、補正カウントから算出される検出孔１２間の距離である計測送りピッチを示す。「ＤＬＰ」は、読み出し部１１０により読み出された標準送りピッチを示す。
【数1】
【0059】
ステップＳ２１において、テープ印刷装置１は、印刷データに基づいて、次に印刷するラベルＬがあるか否かを判別する。テープ印刷装置１は、次に印刷するラベルＬがあると判別した場合、ステップＳ２２に進む。テープ印刷装置１は、次に印刷するラベルＬがないと判別した場合、すなわち全てのラベルＬの印刷を終了したと判別した場合、ステップＳ２４に進む。
【0060】
ステップＳ２２において、テープ印刷装置１は、補正カウントを開始する（図１４参照）。
【0061】
ステップＳ２３において、テープ印刷装置１は、次のラベルＬの印刷開始位置がヘッド位置にくるまでラベルテープＴを送る（図１５参照）。図１５において、テープ印刷装置１は、第２ラベルＬ２の印刷開始位置がヘッド位置にくるまでラベルテープＴを送っている。このとき、テープ印刷装置１は、センサー４３が第２ラベルＬ２の検出孔１２を検出したときのラベルテープＴの位置（図１４参照）から、下記の［数２］に示す長さだけラベルテープＴを送った後、第２ラベルＬ２の印刷を開始する。［数２］において、「ＫＦ」は、理論上の第１距離ＫＦを示す。また、「ＨＳ」は、理論上の第２距離ＨＳを示す。また、「ＣＣ」は、［数１］で算出された送り補正値を示す。このように、テープ印刷装置１は、通常の印刷処理であれば、第１距離ＫＦから第２距離ＨＳを差し引いた長さだけラベルテープＴを送るところ、第１印刷処理では、［数２］に示す長さだけラベルテープＴを送ることで、ラベルテープＴの送り量を補正する。
テープ印刷装置１は、ステップＳ２３の後、ステップＳ１６に戻る。
【数2】
【0062】
ステップＳ２４において、テープ印刷装置１は、次のラベルＬの検出孔中央位置がカッター位置にくるまでラベルテープＴを送る（図１６参照）。図１６において、テープ印刷装置１は、第３ラベルＬ３の検出孔中央位置がカッター位置にくるまでラベルテープＴを送っている。テープ印刷装置１は、次のラベルＬの検出孔１２を検出した後、Ｘ方向におけるセンサー４３とカッター２７との距離から、Ｘ方向における検出孔１２の長さの１／２を差し引いた長さだけラベルテープＴを送ることで、検出孔中央位置をカッター位置に合わせる。
【0063】
ステップＳ２５において、テープ印刷装置１は、ラベルテープＴをカッター２７により切断する（図１６参照）。
【0064】
ステップＳ２６において、テープ印刷装置１は、送り補正値をリセットする。テープ印刷装置１は、ステップＳ２６の後、第１印刷処理を終了する。なお、送り補正値のリセットは、ステップＳ２１において、次に印刷するラベルＬがないと判別した後であって、ラベルテープＴを切断する前に行ってもよい。
【0065】
図８および図９のフローチャートを参照し、テープ印刷装置１の第２Ａ印刷処理について説明する。第２Ａ印刷処理の説明では、図１７ないし図２３を参照する。第２Ａ印刷処理は、図１７に示すように、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳ以下、且つ、第３距離ＫＢが第２距離ＨＳより大きいと判別された場合に行われる処理である。図１７は、第２Ａ印刷処理が開始されるときのラベルテープＴの位置を示す図である。
【0066】
図８のステップＳ３１において、テープ印刷装置１は、印刷データに基づいて、３枚以上の印刷を行うか否かを判別する。テープ印刷装置１は、３枚以上の印刷を行うと判別した場合、ステップＳ３３に進む。また、テープ印刷装置１は、３枚以上の印刷を行わない、すなわち２枚以下の印刷であると判別した場合、ステップＳ３２に進む。
【0067】
ステップＳ３２において、テープ印刷装置１は、通常の印刷処理を行う。テープ印刷装置１は、ステップＳ３２の後、第２Ａ印刷処理を終了する。
【0068】
ステップＳ３３において、テープ印刷装置１は、第１ラベルＬ１の印刷開始位置がヘッド位置にくるまでラベルテープＴを送る（図１８参照）。図１８の例では、テープ印刷装置１は、ラベルテープＴを＋Ｘ方向に送ることで、第１ラベルＬ１の印刷開始位置をヘッド位置に合わせている。なお、テープ印刷装置１は、ステップＳ３３を実行する前に、図１７の状態から、センサー４３が第１ラベルＬ１の検出孔１２を検出するまでラベルテープＴを＋Ｘ方向に送り（図１９参照）、その後、さらにラベルテープＴを第２距離ＨＳから第１距離ＫＦを差し引いた長さだけ＋Ｘ方向に送ることで、ステップＳ３３を実行してもよい。
【0069】
ステップＳ３４において、テープ印刷装置１は、第１ラベルＬ１の印刷を開始する（図１８参照）。
【0070】
ステップＳ３５において、テープ印刷装置１は、センサー４３が第１ラベルＬ１の検出孔１２を検出するまでラベルテープＴを送る（図１９参照）。
【0071】
ステップＳ３６において、テープ印刷装置１は、補正カウントを開始する（図１９参照）。
【0072】
ステップＳ３７において、テープ印刷装置１は、第１ラベルＬ１の印刷を終了する。
【0073】
ステップＳ３８において、テープ印刷装置１は、第２ラベルＬ２の印刷開始位置がヘッド位置にくるまでラベルテープＴを送る。
【0074】
ステップＳ３９において、テープ印刷装置１は、第２ラベルＬ２の印刷を開始する。
【0075】
ステップＳ４０において、テープ印刷装置１は、センサー４３が第２ラベルＬ２の検出孔１２を検出するまでラベルテープＴを送る（図２０参照）。
【0076】
ステップＳ４１において、テープ印刷装置１は、補正カウントを終了する（図２０参照）。
【0077】
ステップＳ４２において、テープ印刷装置１は、送り補正値を算出する。テープ印刷装置１は、上記の［数１］に示す計算式に基づいて送り補正値を算出する。
【0078】
【0079】
【0080】
ステップＳ４５において、テープ印刷装置１は、次のラベルＬの印刷開始位置がヘッド位置にくるまでラベルテープＴを送る（図２２参照）。図２２において、テープ印刷装置１は、第３ラベルＬ３の印刷開始位置がヘッド位置にくるまでラベルテープＴを送っている。このとき、テープ印刷装置１は、第２ラベルＬ２の印刷を終了したときのラベルテープＴの位置（図２１参照）から、下記の［数３］に示す長さだけラベルテープＴを送った後、次の第３ラベルＬ３の印刷を開始する。［数３］において、「ＢＦ」は、ラベルＬの印刷終了位置から、次に印刷されるラベルＬの印刷開始位置までの理論上の距離である第４距離ＢＦを示す（図２２参照）。言い換えれば、第４距離ＢＦは、ラベルＬの印刷終了位置から、次に印刷されるラベルＬの検出孔１２までの理論上の距離と、ラベルＬの検出孔１２から、そのラベルＬの印刷開始位置までの理論上の距離と、を合計した距離である。このように、テープ印刷装置１は、通常の印刷処理であれば、第４距離ＢＦだけラベルテープＴを送るところ、第２Ａ印刷処理では、［数３］に示す長さだけラベルテープＴを送ることで、ラベルテープＴの送り量を補正する。なお、第４距離ＢＦは、印刷データに基づいて算出される距離である。
【数3】
【0081】
【0082】
ステップＳ４７において、テープ印刷装置１は、センサー４３が次のラベルＬの検出孔１２を検出するまでラベルテープＴを送る。
【0083】
ステップＳ４８において、テープ印刷装置１は、補正カウントを終了する。
【0084】
ステップＳ４９において、テープ印刷装置１は、送り補正値を算出する。テープ印刷装置１は、上記の［数１］に示す計算式に基づき、ステップＳ４３からステップＳ４８までの補正カウントのカウント結果を用いて、送り補正値を算出する。テープ印刷装置１は、例えばステップＳ４８で、第２ラベルＬ２の計測送りピッチを計測するための補正カウントを終了した場合、第４ラベルＬ４への印刷位置のずれを抑制するための送り補正値を算出する。
【0085】
ステップＳ５０において、テープ印刷装置１は、印刷データに基づいて、次に印刷するラベルＬがあるか否かを判別する。テープ印刷装置１は、次に印刷するラベルＬがあると判別した場合、ステップＳ４３に戻る。テープ印刷装置１は、次に印刷するラベルＬがないと判別した場合、すなわち全てのラベルＬの印刷を終了したと判別した場合、ステップＳ５１に進む。
【0086】
ステップＳ５１において、テープ印刷装置１は、ラベルＬの印刷を終了する。
【0087】
ステップＳ５２において、テープ印刷装置１は、次のラベルＬの検出孔中央位置がカッター位置にくるまでラベルテープＴを送る（図２３参照）。図２３において、テープ印刷装置１は、第３ラベルＬ３の次の第４ラベル（図示省略）の検出孔中央位置がカッター位置にくるまでラベルテープＴを送っている。テープ印刷装置１は、次のラベルＬの検出孔１２を検出した後、Ｘ方向におけるセンサー４３とカッター２７との距離から、Ｘ方向における検出孔１２の長さの１／２を差し引いた長さだけラベルテープＴを送ることで、検出孔中央位置をカッター位置に合わせる。
【0088】
ステップＳ５３において、テープ印刷装置１は、ラベルテープＴをカッター２７により切断する（図２３参照）。
【0089】
ステップＳ５４において、テープ印刷装置１は、送り補正値をリセットする。テープ印刷装置１は、ステップＳ５４の後、第２Ａ印刷処理を終了する。
【0090】
図１０および図１１のフローチャートを参照し、テープ印刷装置１の第２Ｂ印刷処理について説明する。第２Ｂ印刷処理の説明では、図２４ないし図２６を参照し、第２Ａ印刷処理と異なる点を中心に説明する。第２Ｂ印刷処理は、図２４に示すように、第１距離ＫＦおよび第３距離ＫＢが、いずれも第２距離ＨＳ以下と判別された場合に行われる処理である。図２４は、第２Ｂ印刷処理が開始されるときのラベルテープＴの位置を示す図である。
【0091】
図１０のステップＳ６１において、テープ印刷装置１は、印刷データに基づいて、３枚以上の印刷を行うか否かを判別する。テープ印刷装置１は、３枚以上の印刷を行うと判別した場合、ステップＳ６３に進む。また、テープ印刷装置１は、３枚以上の印刷を行わない、すなわち２枚以下の印刷であると判別した場合、ステップＳ６２に進む。
【0092】
ステップＳ６２において、テープ印刷装置１は、通常の印刷処理を行う。テープ印刷装置１は、ステップＳ６２の後、第２Ｂ印刷処理を終了する。
【0093】
ステップＳ６３において、テープ印刷装置１は、第１ラベルＬ１の印刷開始位置がヘッド位置にくるまでラベルテープＴを送る。テープ印刷装置１は、ラベルテープＴを＋Ｘ方向に送ることで、第１ラベルＬ１の印刷開始位置をヘッド位置に合わせる。
【0094】
ステップＳ６４において、テープ印刷装置１は、第１ラベルＬ１の印刷を開始する。
【0095】
ステップＳ６５において、テープ印刷装置１は、第１ラベルＬ１の印刷を終了する。
【0096】
ステップＳ６６において、テープ印刷装置１は、センサー４３が第１ラベルＬ１の検出孔１２を検出するまでラベルテープＴを送る。
【0097】
ステップＳ６７において、テープ印刷装置１は、補正カウントを開始する。
【0098】
ステップＳ６８において、テープ印刷装置１は、第２ラベルＬ２の印刷開始位置がヘッド位置にくるまでラベルテープＴを送る。
【0099】
ステップＳ６９において、テープ印刷装置１は、第２ラベルＬ２の印刷を開始する。
【0100】
ステップＳ７０において、テープ印刷装置１は、第２ラベルＬ２の印刷を終了する。
【0101】
ステップＳ７１において、テープ印刷装置１は、センサー４３が第２ラベルＬ２の検出孔１２を検出するまでラベルテープＴを送る（図２５参照）。
【0102】
ステップＳ７２において、テープ印刷装置１は、補正カウントを終了する（図２５参照）。
【0103】
ステップＳ７３において、テープ印刷装置１は、送り補正値を算出する。テープ印刷装置１は、上記の［数１］に示す計算式に基づいて送り補正値を算出する。
【0104】
【0105】
ステップＳ７５において、テープ印刷装置１は、次のラベルＬの印刷開始位置がヘッド位置にくるまでラベルテープＴを送る（図２６参照）。図２６において、テープ印刷装置１は、第３ラベルＬの印刷開始位置がヘッド位置にくるまでラベルテープＴを送っている。このとき、テープ印刷装置１は、センサー４３が第２ラベルＬ２の検出孔１２を検出したときのラベルテープＴの位置（図２５参照）から、下記の［数４］に示す長さだけラベルテープＴを送った後、次の第３ラベルＬ３の印刷を開始する。［数４］において、「ＫＳ」は、ラベルＬの検出孔１２から、次に印刷されるラベルＬの印刷開始位置までの理論上の距離である第５距離ＫＳを示す（図２６参照）。このように、テープ印刷装置１は、通常の印刷処理であれば、第５距離ＫＳから第２距離ＨＳを差し引いた長さだけラベルテープＴを送るところ、第２Ｂ印刷処理では、［数４］に示す長さだけラベルテープＴを送ることで、ラベルテープＴの送り量を補正する。なお、第５距離ＫＳは、印刷データに基づいて算出される距離である。
【数4】
【0106】
【0107】
ステップＳ７７において、テープ印刷装置１は、ラベルＬの印刷を終了する。テープ印刷装置１は、ステップＳ７６で第３ラベルＬ３の印刷を開始した場合、ステップＳ７７では第３ラベルＬ３の印刷を終了する。
【0108】
ステップＳ７８において、テープ印刷装置１は、センサー４３が次のラベルＬの検出孔１２を検出するまでラベルテープＴを送る。
【0109】
ステップＳ７９において、テープ印刷装置１は、補正カウントを終了する。
【0110】
ステップＳ８０において、テープ印刷装置１は、送り補正値を算出する。テープ印刷装置１は、上記の［数１］に示す計算式に基づき、ステップＳ７４からステップＳ７９までの補正カウントのカウント結果を用いて、送り補正値を算出する。テープ印刷装置１は、例えばステップＳ７９で、第２ラベルＬ２の計測送りピッチを計測するための補正カウントを終了した場合、第４ラベルＬ４への印刷位置のずれを抑制するための送り補正値を算出する。
【0111】
ステップＳ８１において、テープ印刷装置１は、印刷データに基づいて、次に印刷するラベルＬがあるか否かを判別する。テープ印刷装置１は、次に印刷するラベルＬがあると判別した場合、ステップＳ７４に戻る。テープ印刷装置１は、次に印刷するラベルＬがないと判別した場合、すなわち全てのラベルＬの印刷を終了したと判別した場合、ステップＳ８２に進む。
【0112】
ステップＳ８２において、テープ印刷装置１は、次のラベルＬの検出孔中央位置がカッター位置にくるまでラベルテープＴを送る。
【0113】
ステップＳ８３において、テープ印刷装置１は、ラベルテープＴをカッター２７により切断する。
【0114】
ステップＳ８４において、テープ印刷装置１は、送り補正値をリセットする。テープ印刷装置１は、ステップＳ８４の後、第２Ｂ印刷処理を終了する。
【0115】
以上説明したとおり、本実施形態に係るテープ印刷装置１は、複数のラベルＬに対して印刷を行う場合、計測送りピッチと標準送りピッチとに基づいて送り補正値を算出し、算出した送り補正値に基づいて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出された後のラベルテープＴの送り量を補正する。この構成により、何らかの原因で、所定時間におけるラベルテープＴの送り量が理論上の送り量と異なる場合でも、ラベルＬへの印刷位置のずれを抑制することができる。
【0116】
例えば、本実施形態に係るテープ印刷装置１は、テープカートリッジＣを着脱自在とした構成である。この場合、テープカートリッジＣに収容されているプラテンローラー１７の径のばらつきによって、ラベルテープＴの送り量に差が生じることが考えられるが、このような場合であっても、テープ印刷装置１は、ラベルＬへの印刷位置のずれを抑制することができる。
【0117】
また、テープ印刷装置１は、ラベルテープＴが、テープカートリッジＣに収容されているテープロール１５から繰り出される構成である。この場合、テープロール１５の径の変化に伴って繰り出しトルクが変化することが考えられる。このような場合であっても、テープ印刷装置１は、ラベルＬごとに算出制御と補正制御とを繰り返すため、ラベルＬへの印刷位置のずれをより確実に抑制することができる。
【0118】
また、テープ印刷装置１は、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳより大きい場合、第１印刷処理により、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから第２ラベルＬ２の印刷が開始されるまでの間の、ラベルテープＴの送り量を補正する。また、テープ印刷装置１は、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳ以下の場合、第２印刷処理により、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから第３ラベルＬ３の印刷が開始されるまでの間の、ラベルテープＴの送り量を補正する。このように、テープ印刷装置１は、ラベルＬへの印刷位置のずれをできるだけ早く抑制することができる。また、テープ印刷装置１は、印刷が行われていない期間のラベルテープＴの送り量を補正するため、送り量の補正が印刷結果に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0119】
以上の実施形態によらず、以下の変形例を採用可能である。
［変形例１］
センサー４３により検出される「被検出部」は、台紙テープ１１のＺ方向における中央部を切り抜いた検出孔１２でなく、図２７に示すように、台紙テープ１１の＋Ｚ方向における端部を凹状に切り抜いた凹部１３でもよい。また、「被検出部」は、台紙テープ１１の＋Ｚ方向における端部を凸状に突出させた凸部（図示省略）でもよい。また、「被検出部」は、台紙テープ１１の－Ｚ方向における端部に形成されてもよい。なお、いずれの場合においても、検出孔１２は、それぞれのラベルＬの－Ｘ方向における端部位置よりも－Ｘ方向に設けられることが好ましい。
［変形例１］
センサー４３により検出される「被検出部」は、台紙テープ１１のＺ方向における中央部を切り抜いた検出孔１２でなく、図２７に示すように、台紙テープ１１の＋Ｚ方向における端部を凹状に切り抜いた凹部１３でもよい。また、「被検出部」は、台紙テープ１１の＋Ｚ方向における端部を凸状に突出させた凸部（図示省略）でもよい。また、「被検出部」は、台紙テープ１１の－Ｚ方向における端部に形成されてもよい。なお、いずれの場合においても、検出孔１２は、それぞれのラベルＬの－Ｘ方向における端部位置よりも－Ｘ方向に設けられることが好ましい。
【0120】
［変形例２］
また、「被検出部」は、検出孔１２の位置に貼付された検出用ラベルでもよい。また、ラベルテープＴが台紙テープ１１の略全面にラベル部材が貼着されたものであり、ラベルＬがダイカットされたものである場合、すなわちラベルテープＴがカス上げされていない場合、検出孔１２の位置だけラベル部材を切り抜いたものを、「被検出部」としてもよい。
また、ラベルテープＴの台紙テープ１１に印刷されたマークを、「被検出部」としてもよい。
また、ラベルＬ自体が、「被検出部」として用いられる構成でもよい。この場合、センサー４３は、ラベルＬの－Ｘ方向における端部位置を検出すればよい。
また、「被検出部」は、検出孔１２の位置に貼付された検出用ラベルでもよい。また、ラベルテープＴが台紙テープ１１の略全面にラベル部材が貼着されたものであり、ラベルＬがダイカットされたものである場合、すなわちラベルテープＴがカス上げされていない場合、検出孔１２の位置だけラベル部材を切り抜いたものを、「被検出部」としてもよい。
また、ラベルテープＴの台紙テープ１１に印刷されたマークを、「被検出部」としてもよい。
また、ラベルＬ自体が、「被検出部」として用いられる構成でもよい。この場合、センサー４３は、ラベルＬの－Ｘ方向における端部位置を検出すればよい。
【0121】
［変形例３］
また、テープ印刷装置１は、テープカートリッジＣを装着可能な構成でなくてもよい。例えば、テープ印刷装置１は、プラテンローラーを備え、テープ印刷装置１の外部から供給されたラベルテープＴに印刷を行うものでもよい。
また、テープ印刷装置１は、テープカートリッジＣを装着可能な構成でなくてもよい。例えば、テープ印刷装置１は、プラテンローラーを備え、テープ印刷装置１の外部から供給されたラベルテープＴに印刷を行うものでもよい。
【0122】
［変形例４］
また、テープ印刷装置１は、第１ラベルＬ１の計測送りピッチの計測結果に基づいて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第３ラベルＬ３より後に印刷されるラベルＬの印刷が開始されるまでの間の、ラベルテープＴの送り量を補正してもよい。
また、テープ印刷装置１は、第１ラベルＬ１の計測送りピッチの計測結果に基づいて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第３ラベルＬ３より後に印刷されるラベルＬの印刷が開始されるまでの間の、ラベルテープＴの送り量を補正してもよい。
【0123】
［変形例５］
また、テープ印刷装置１は、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳより大きいか否かによらず、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第３ラベルＬ３の印刷が開始されるまでの間の印刷が行われない期間の、ラベルテープＴの送り量を補正してもよい。
また、テープ印刷装置１は、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳより大きいか否かによらず、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第３ラベルＬ３の印刷が開始されるまでの間の印刷が行われない期間の、ラベルテープＴの送り量を補正してもよい。
【0124】
［変形例６］
また、ラベルテープＴの種類と、標準送りピッチとを対応付けた対応テーブルは、テープ印刷装置１の外部にあってもよい。例えば、テープ印刷装置１と通信可能なサーバーに、対応テーブルが記憶されていてもよい。この場合、サーバーは、「記憶部」の一例である。
また、読み出し部１１０は、テープカートリッジＣに設けられた回路基板またはＲＦＩＤタグから（いずれも図示省略）、標準送りピッチを読み出してもよい。この場合、回路基板またはＲＦＩＤタグは、「記憶部」の一例である。
また、読み出し部１１０は、テープカートリッジＣの外面に設けられたコード画像から、標準送りピッチを読み出してもよい。
また、ラベルテープＴの種類と、標準送りピッチとを対応付けた対応テーブルは、テープ印刷装置１の外部にあってもよい。例えば、テープ印刷装置１と通信可能なサーバーに、対応テーブルが記憶されていてもよい。この場合、サーバーは、「記憶部」の一例である。
また、読み出し部１１０は、テープカートリッジＣに設けられた回路基板またはＲＦＩＤタグから（いずれも図示省略）、標準送りピッチを読み出してもよい。この場合、回路基板またはＲＦＩＤタグは、「記憶部」の一例である。
また、読み出し部１１０は、テープカートリッジＣの外面に設けられたコード画像から、標準送りピッチを読み出してもよい。
【0125】
［変形例７］
また、テープ印刷装置１は、印刷処理の終了時に送り補正値をリセットせず、ＲＡＭ４４ｃ等の記憶領域に記憶しておく構成でもよい。この場合、テープ印刷装置１は、記憶しておいた送り補正値を用い、次の印刷処理において、最初に印刷されるラベルＬへの印刷位置のずれを抑制するための補正制御を行ってもよい。
なお、この場合でも、テープ印刷装置１は、カートリッジ装着部２３に装着されるテープカートリッジＣが交換されたことを検出した場合、送り補正値をリセットすることが好ましい。テープ印刷装置１は、例えば、カートリッジ装着部２３のカバーが開かれたことを検出したとき、テープカートリッジＣが交換されたと判断してもよい。若しくは、テープ印刷装置１は、テープ種類検出部４１により検出されたテープ種類が前回検出されたテープ種類と異なる場合、テープカートリッジＣが交換されたと判断してもよい。
また、テープ印刷装置１は、印刷処理の終了時に送り補正値をリセットせず、ＲＡＭ４４ｃ等の記憶領域に記憶しておく構成でもよい。この場合、テープ印刷装置１は、記憶しておいた送り補正値を用い、次の印刷処理において、最初に印刷されるラベルＬへの印刷位置のずれを抑制するための補正制御を行ってもよい。
なお、この場合でも、テープ印刷装置１は、カートリッジ装着部２３に装着されるテープカートリッジＣが交換されたことを検出した場合、送り補正値をリセットすることが好ましい。テープ印刷装置１は、例えば、カートリッジ装着部２３のカバーが開かれたことを検出したとき、テープカートリッジＣが交換されたと判断してもよい。若しくは、テープ印刷装置１は、テープ種類検出部４１により検出されたテープ種類が前回検出されたテープ種類と異なる場合、テープカートリッジＣが交換されたと判断してもよい。
【0126】
［変形例８］
また、テープ印刷装置１のファームウェアは、プログラムとして顧客に提供されてもよい。また、テープ印刷装置１のファームウェアを記録した記憶媒体が、顧客に提供されてもよい。また、テープ印刷装置１は、熱転写方式以外に、インクジェット方式など他の印刷方式でもよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
また、テープ印刷装置１のファームウェアは、プログラムとして顧客に提供されてもよい。また、テープ印刷装置１のファームウェアを記録した記憶媒体が、顧客に提供されてもよい。また、テープ印刷装置１は、熱転写方式以外に、インクジェット方式など他の印刷方式でもよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【0127】
［付記］
以下、テープ印刷装置およびテープ印刷装置の制御方法について付記する。
テープ印刷装置１は、台紙テープ１１上に複数のラベルＬが等間隔で配置され、それぞれのラベルＬに対応する位置に検出孔１２が設けられたラベルテープＴを－Ｘ方向に送る送り機構４５と、送り機構４５により送られていくラベルテープＴのラベルＬに印刷を行う印刷ヘッド２６と、送り機構４５によりラベルテープＴが送られている間、検出孔１２を検出するセンサー４３と、ＲＯＭ４４ｂから、ラベルテープＴの設計上の検出孔１２間の距離である標準送りピッチを読み出す読み出し部１１０と、送り機構４５を制御する送り制御部１２０と、を備え、送り制御部１２０は、複数のラベルＬに対して印刷が行われる場合、センサー４３の検出結果に基づいて、複数のラベルＬのうちのいずれかである第１ラベルＬ１の検出孔１２と、第１ラベルＬ１の次に印刷される第２ラベルＬ２の検出孔１２との間の距離である計測送りピッチを計測し、計測した計測送りピッチと、標準送りピッチとに基づいて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出された後のラベルテープＴの送り量を補正する。
以下、テープ印刷装置およびテープ印刷装置の制御方法について付記する。
テープ印刷装置１は、台紙テープ１１上に複数のラベルＬが等間隔で配置され、それぞれのラベルＬに対応する位置に検出孔１２が設けられたラベルテープＴを－Ｘ方向に送る送り機構４５と、送り機構４５により送られていくラベルテープＴのラベルＬに印刷を行う印刷ヘッド２６と、送り機構４５によりラベルテープＴが送られている間、検出孔１２を検出するセンサー４３と、ＲＯＭ４４ｂから、ラベルテープＴの設計上の検出孔１２間の距離である標準送りピッチを読み出す読み出し部１１０と、送り機構４５を制御する送り制御部１２０と、を備え、送り制御部１２０は、複数のラベルＬに対して印刷が行われる場合、センサー４３の検出結果に基づいて、複数のラベルＬのうちのいずれかである第１ラベルＬ１の検出孔１２と、第１ラベルＬ１の次に印刷される第２ラベルＬ２の検出孔１２との間の距離である計測送りピッチを計測し、計測した計測送りピッチと、標準送りピッチとに基づいて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出された後のラベルテープＴの送り量を補正する。
【0128】
テープ印刷装置１の制御方法は、台紙テープ１１上に複数のラベルＬが等間隔で配置され、それぞれのラベルＬに対応する位置に検出孔１２が設けられたラベルテープＴを－Ｘ方向に送る送り機構４５と、送り機構４５により送られていくラベルテープＴのラベルＬに印刷を行う印刷ヘッド２６と、送り機構４５によりラベルテープＴが送られている間、検出孔１２を検出するセンサー４３と、ＲＯＭ４４ｂから、ラベルテープＴの設計上の検出孔１２間の距離である標準送りピッチを読み出す読み出し部１１０と、を備えたテープ印刷装置１の制御方法であって、テープ印刷装置１が、複数のラベルＬに対して印刷が行われる場合、センサー４３の検出結果に基づいて、複数のラベルＬのうちのいずれかである第１ラベルＬ１の検出孔１２と、第１ラベルＬ１の次に印刷される第２ラベルＬ２の検出孔１２との間の距離である計測送りピッチを計測し、計測した計測送りピッチと、標準送りピッチとに基づいて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出された後のラベルテープＴの送り量を補正するステップ、を実行する。
【0129】
この構成によれば、何らかの原因で、所定時間におけるラベルテープＴの送り量が理論上の送り量と異なる場合でも、計測送りピッチと標準送りピッチとに基づいてラベルテープＴの送り量を補正するため、ラベルＬへの印刷位置のずれを抑制することができる。
【0130】
上記のテープ印刷装置１において、センサー４３は、印刷ヘッド２６より－Ｘ方向に設けられ、ラベルテープＴには、ラベルＬの－Ｘ方向における端部位置よりも－Ｘ方向に、ラベルＬに対応する検出孔１２が設けられ、送り制御部１２０は、計測送りピッチと、標準送りピッチとに基づいて、送り補正値を算出する算出制御と、算出した送り補正値を用いて、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第２ラベルＬ２または第２ラベルＬ２の次に印刷される第３ラベルＬ３の印刷が開始されるまでの間の少なくとも一部期間の、ラベルテープＴの送り量を補正する補正制御と、をラベルＬごとに繰り返すことが好ましい。
【0131】
この構成によれば、ラベルテープＴがテープロール１５から繰り出され、テープロール１５の径の変化に伴って繰り出しトルクが変化するなど、ラベルテープＴを送る力が徐々に変化していくような場合でも、ラベルＬごとに算出制御と補正制御とを行うため、ラベルＬへの印刷位置のずれをより確実に抑制することができる。
【0132】
上記のテープ印刷装置１において、複数のラベルＬに印刷を行う場合、それぞれのラベルＬにおいて同じ印刷対象領域Ｅ１に印刷を行うように印刷ヘッド２６を制御する印刷制御部１３０をさらに備え、送り制御部１２０は、補正制御において、ラベルテープＴの検出孔１２と、ラベルＬの印刷対象領域Ｅ１の－Ｘ方向における端部である印刷開始位置との距離である第１距離ＫＦが、センサー４３と、印刷ヘッド２６との距離である第２距離ＨＳより大きい場合、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第２ラベルＬ２の印刷が開始されるまでの間の、ラベルテープＴの送り量を補正し、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳ以下の場合、第２ラベルＬ２の検出孔１２が検出されてから、第３ラベルＬ３の印刷が開始されるまでの間で印刷が行われていない期間の、ラベルテープＴの送り量を補正することが好ましい。
【0133】
この構成によれば、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳより大きい場合、第２ラベルＬ２の印刷が開始されるまでにラベルテープＴの送り量を補正し、第１距離ＫＦが第２距離ＨＳ以下の場合、第３ラベルＬ３の印刷が開始されるまでにラベルテープＴの送り量を補正するため、ラベルＬへの印刷位置のずれをできるだけ早く抑制することができる。また、印刷が行われていない期間のラベルテープＴの送り量を補正するため、送り量の補正が印刷結果に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0134】
上記のテープ印刷装置１において、ラベルテープＴの台紙テープ１１を、テープ幅方向に切断する切断機構４６をさらに備え、センサー４３は、印刷ヘッド２６と切断機構４６との間に設けられることが好ましい。
【0135】
この構成によれば、ラベルテープＴの印刷済み部分を切断機構４６により切断することができる。また、センサー４３を、印刷ヘッド２６と切断機構４６との間に設けることができる。
【0136】
上記のテープ印刷装置１において、ラベルテープＴが巻回されたテープロール１５と、ラベルテープＴを送るプラテンローラー１７と、を収容したテープカートリッジＣが着脱自在に装着されるカートリッジ装着部２３をさらに備え、送り機構４５は、プラテンローラー１７が係合されるプラテン駆動軸２５を含むことが好ましい。
【0137】
この構成によれば、テープカートリッジＣをカートリッジ装着部２３に着脱することで、簡単にラベルテープＴを入れ替えることができる。また、テープカートリッジＣを着脱自在とした場合、プラテンローラー１７の径のばらつきによって、ラベルテープＴの送り量に誤差が生じるが、送り補正値を用いてラベルテープＴの送り量を補正することで、ラベルＬへの印刷位置のずれを抑制することができる。
【0138】
上記のテープ印刷装置１において、ラベルテープＴの種類を検出するテープ種類検出部４１と、ラベルテープＴの種類と、標準送りピッチとを対応付けて記憶するＲＯＭ４４ｂと、をさらに備え、読み出し部１１０は、テープ種類検出部４１により検出されたラベルテープＴの種類に対応する標準送りピッチを、ＲＯＭ４４ｂから読み出すことが好ましい。
【0139】
この構成によれば、ラベルテープＴの種類を検出することで、対応する標準送りピッチをＲＯＭ４４ｂから読み出すことができる。
【符号の説明】
【0140】
１…テープ印刷装置、１１…台紙テープ、１２…検出孔、１７…プラテンローラー、２３…カートリッジ装着部、２５…プラテン駆動軸、２６…印刷ヘッド、２７…カッター、４１…テープ種類検出部、４３…センサー、４４ｂ…ＲＯＭ、４５…送り機構、４６…切断機構、１１０…読み出し部、１２０…送り制御部、１３０…印刷制御部、Ｃ…テープカートリッジ、Ｅ１…印刷対象領域、ＨＳ…第２距離、ＫＦ…第１距離、Ｌ…ラベル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】