(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130683
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】成形型清掃用のブラシ
(51)【国際特許分類】
B29C 33/72 20060101AFI20240920BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20240920BHJP
B29C 45/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B29C33/72
H01L21/56 T
B29C45/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040544
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(72)【発明者】
【氏名】是永 康晴
(72)【発明者】
【氏名】畑 慎也
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
5F061
【Fターム(参考)】
4F202AA36
4F202AD19
4F202AG03
4F202AH37
4F202AM12
4F202AP19
4F202AQ01
4F202CA12
4F202CB01
4F202CB17
4F202CS02
4F202CS04
4F206AA36
4F206AD19
4F206AG03
4F206AH37
4F206AM12
4F206AP19
4F206AQ01
4F206JA02
4F206JB17
4F206JL02
4F206JL08
4F206JQ81
5F061AA01
5F061BA03
5F061CA21
5F061DC01
5F061DE01
(57)【要約】
【課題】成形型が有する上型及び下型間の距離が短い場合であっても、清掃者が上型及び下型の表面を容易に確認することができる成形型清掃用のブラシを提供することにある。
【解決手段】ブラシ1は、上型及び下型を有する成形型を掃除するために用いられる。ブラシ1はブラシ台10、鏡12及び発光部13を備える。ブラシ台10の一面に複数の毛材の一端が連結される。鏡12は、ブラシ台10の表面に配置される。発光部13は、ブラシ台10の表面から光を発する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上型及び下型を有する成形型を清掃するためのブラシであって、
一面に複数の毛材の一端が連結されるブラシ台と、
前記ブラシ台の表面に配置される鏡と、
前記ブラシ台の表面から光を発する発光部と
を備える成形型清掃用のブラシ。
【請求項2】
前記ブラシ台は、
一面に前記複数の毛材の一端が連結されるブラシ板と、
前記ブラシ板の他面上に配置され、前記発光部が収容される収容箱と
を有し、
前記鏡は前記収容箱の表面に配置され、
前記収容箱は、前記ブラシ板に取り外し可能に取り付けられている
請求項1に記載の成形型清掃用のブラシ。
【請求項3】
前記ブラシ板にて、互いに対向する2つの端面それぞれに凹部が設けられている
請求項2に記載の成形型清掃用のブラシ。
【請求項4】
前記ブラシ台の表面に配置された複数の操作部を備え、
前記発光部が発光している状態で前記複数の操作部のいずれかが操作された場合、前記発光部は発光を停止し、
前記発光部が発光を停止している状態で前記複数の操作部のいずれかが操作された場合、前記発光部は発光する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の成形型清掃用のブラシ。
【請求項5】
前記ブラシ台は、互いに対向する2つの対向面を有し、
前記2つの対向面それぞれに前記操作部が配置されている
請求項4に記載の成形型清掃用のブラシ。
【請求項6】
前記ブラシ台は、
前記鏡が配置される鏡配置面と、
前記鏡配置面に隣り合っており、前記発光部の光を発する発光面と
を有し、
前記鏡配置面と前記発光面とがなす角度は鋭角である
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の成形型清掃用のブラシ。
【請求項7】
前記鏡配置面及び前記発光面は矩形状をなし、
前記鏡配置面の一辺は前記発光面の一辺に連続している
請求項6に記載の成形型清掃用のブラシ。
【請求項8】
前記ブラシ台は、
前記ブラシ台本体と、
矩形状をなし、一辺の部分を軸として、軸周りに回転可能に前記ブラシ台本体に取り付けられている回転板と
を有し、
前記回転板の一面に前記鏡が配置されている
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の成形型清掃用のブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成形型清掃用のブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、金型を清掃するためのブラシが開示されている。このブラシでは、ブラシ本体にブラシ毛が植毛されている。金型では、上側に上金型が配置され、下側に下金型が配置されている。上金型の下側の表面と、下金型の上側の表面とをブラシで清掃する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金型の清掃者は、上金型又は下金型の表面における汚れの位置を確認する。次に、清掃者は、上金型又は下金型の表面を清掃する。清掃者は、清掃を行った後、表面を見て、汚れが落ちているか否かを確認する。清掃者は、型開きが行われている状態で上金型又は下金型の表面を確認する。型開きが行われた場合において、上金型及び下金型間の距離が短いとき、清掃者は、上金型又は下金型の表面を直接に確認することができない。特許文献1には、上金型及び下金型間の距離が短い場合に清掃者が上金型又は下金型の表面を確認する方法は開示されていない。
【0005】
そこで、本発明は、成形型が有する上型及び下型間の距離が短い場合であっても、清掃者が上型又は下型の表面を容易に確認することができる成形型清掃用のブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る成形型清掃用のブラシは、上型及び下型を有する成形型を清掃するためのブラシであって、一面に複数の毛材の一端が連結されるブラシ台と、前記ブラシ台の表面に配置される鏡と、前記ブラシ台の表面から光を発する発光部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様によれば、成形型が有する上型及び下型間の距離が短い場合であっても、清掃者は上型及び下型の表面を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1における成形型清掃用のブラシの正面図である。
【
図4】収容箱をブラシ板から分離した状態の説明図である。
【
図10】成形型を用いた樹脂成形の他の説明図である。
【
図11】
図9のA-A線における成形型の断面図である。
【
図12】実施の形態2における成形型清掃用のブラシの平面図である。
【
図13】
図12のB-B線におけるブラシの部分断面図である。
【
図14】実施の形態3における成形型清掃用のブラシの平面図である。
【
図17】実施の形態4における発光回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る成形型清掃用のブラシの実施の形態について、図面に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における成形型清掃用のブラシ1の正面図である。
図2はブラシ1の平面図である。
図3はブラシ1の底面図である。
図1~
図3に示すように、ブラシ1は、直方体状をなすブラシ台10を備える。ブラシ台10は一方向に延びている。ここで、一方向は、
図1~
図3の左右方向である。
図3に示すように、ブラシ台10は、複数の毛材11の一端が連結される毛材配置面10aを有する。
図1において、毛材配置面10aは、ブラシ台10の下側の一面である。複数の毛材11は束ねられている。これにより、毛材束11aが形成されている。
図3に示すように、毛材配置面10aにおいて、複数の毛材束11aが格子状に配置されている。
【0011】
なお、毛材配置面10aにおいて、複数の毛材束11aを配置する方法は、複数の毛材束11aを格子状に配置する方法に限定されない。第1例として、複数の毛材束11aを円状又は楕円状に配置してもよい。第2例として、複数の毛材束11aを不規則に配置してもよい。
【0012】
図2に示すように、ブラシ1は、矩形板状の鏡12と、複数の発光部13とを更に備える。発光部13は例えばLED(Light Emitting Diode)である。ブラシ台10は、鏡12が配置されている矩形状の鏡配置面10bと、発光部13の光を発する矩形状の2つの発光面10cとを更に有する。鏡配置面10b及び2つの発光面10cはブラシ台10の表面である。鏡配置面10b及び2つの発光面10cは、ブラシ台10において、毛材配置面10aの反対側に位置し、毛材配置面10aと対向している。鏡配置面10b及び2つの発光面10cは、
図1において上側に位置する。鏡配置面10bは、2つの発光面10cそれぞれに隣り合っており、2つの発光面10cの間に位置している。
図2において、左側から右側に向かって、発光面10c、鏡配置面10b及び発光面10cがこの順に並んでいる。鏡配置面10bと発光面10cそれぞれとがなす角度は0度である。鏡配置面10b及び2つの発光面10cは固定されている。
【0013】
鏡12の幅広面は鏡配置面10b上に配置されている。各発光面10cでは、複数の第1凹部13aが格子状に設けられている。各第1凹部13aの底面には、第1開口13bが設けられている。ブラシ台10は中空の直方体状をなしている。複数の発光部13はブラシ台10内に配置されている。各第1開口13bでは、発光部13の一部が、第1凹部13aの底面からブラシ台10の外側に露出している。各発光部13は、発光面10cから光を発する。
【0014】
各発光面10cには、更に、第2凹部13cが設けられている。第2凹部13cは、発光面10cの幅方向において、発光面10cの中央部に位置している。発光面10cの幅方向は、
図2における上下方向である。発光面10cの幅方向について、第2凹部13cの一方の側に複数の第1凹部13aが設けられている。発光面10cの幅方向について、第2凹部13cの他方の側に複数の第1凹部13aが設けられている。
【0015】
第2凹部13cの底面には、内外方向に貫通する貫通孔13d(
図6参照)が設けられている。第2凹部13cには、ねじ14が配置されている。ねじ14の頭部は第2凹部13cに位置する。ねじ14のねじ部は貫通孔13dを通る。
【0016】
図1~
図3に示すように、ブラシ台10は、矩形状のブラシ板20と、一面が開放された中空の直方体状をなす収容箱21とを有する。ブラシ板20及び収容箱21全体はブラシ台本体として機能する。
図1において、収容箱21の開口は収容箱21の下側に位置している。収容箱21の開口はブラシ板20によって塞がれている。ブラシ板20及び収容箱21は、前述した一方向に延びている。前述したように、一方向は
図1の左右方向である。
【0017】
ブラシ板20は、前述した毛材配置面10aを有する。従って、ブラシ板20の毛材配置面10aに複数の毛材11の一端が連結されている。毛材配置面10aの反対側に位置するブラシ板20の反対面上に収容箱21が配置されている。
図1において、反対面は毛材配置面10aの上側に位置する。収容箱21の開口はブラシ板20の反対面によって塞がれている。
【0018】
収容箱21は、前述した鏡配置面10b及び2つの発光面10cを有する。鏡配置面10b及び2つの発光面10cは収容箱21の表面である。従って、鏡12は収容箱21の表面に配置されている。前述したように、鏡配置面10b及び2つの発光面10cは毛材配置面10aと対向している。収容箱21には、複数の発光部13が収容されている。具体的には、収容箱21には、回路基板が収容されている。回路基板には、複数の発光部13を有する発光回路3(
図8参照)が形成されている。
【0019】
図4は、収容箱21をブラシ板20から分離した状態の説明図である。収容箱21は、2つのねじ14によってブラシ板20に取り付けられている。2つのねじ14を取り外すことによって、
図4に示すように、収容箱21をブラシ板20から取り外すことが可能である。
【0020】
以上のように、収容箱21は、ブラシ板20に取り外し可能に取り付けられている。ブラシ板20に連結されている複数の毛材11は清掃に用いられる。清掃者が繰り返し清掃を行った場合、複数の毛材11は摩耗して短くなる。複数の毛材11が摩耗して短くなった場合、清掃者は、収容箱21をブラシ板20から取り外すことができる。清掃者は、取り外した収容箱21を新しいブラシ板20に取り付けることができる。
【0021】
図5はブラシ板20の平面図である。
図5には、前述した反対面が示されている。
図5に示すように、ブラシ板20において、毛材配置面10aの反対側に位置する反対面には、2つのねじ穴20aが設けられている。2つのねじ穴20aそれぞれの位置は、2つの第2凹部13cに対応している。2つのねじ穴20aそれぞれには、ねじ溝が設けられている。2つのねじ穴20aそれぞれには、前述したねじ14のねじ部が挿入される。その後、ねじ14が締められる。
【0022】
図6はブラシ1の部分断面図である。前述したように、各発光面10cには、第2凹部13cが設けられている。第2凹部13cの底面には、内外方向に貫通する貫通孔13dが設けられている。貫通孔13dの開口の面積は、ねじ14の頭部の面積より小さく、ねじ14のねじ部の断面積よりも大きい。ねじ14のねじ部は、貫通孔13dに通る。ねじ14のねじ部を貫通孔13dに通した場合、ねじ14の頭部は、第2凹部13cの底面における貫通孔13dの周辺部に当たる。貫通孔13dが通ったねじ部をブラシ板20のねじ穴20aに挿入する。その後、ドライバを用いてねじ14を締める。結果、収容箱21はブラシ板20に取り付けられる。
【0023】
ドライバでねじ14を緩めて、ねじ穴20aからねじ14を外す。これにより、収容箱21をブラシ板20から取り外すことができる。
【0024】
図7はブラシ1の側面図である。
図7には、ブラシ台10において、前述した一方向(
図1の左右方向)に沿って対向する2つの側面の一方が示されている。
図1及び
図7に示すように、ブラシ板20において、互いに対向する端面それぞれに第3凹部20bが設けられている。このため、清掃者は、2つの第3凹部20bに手を挿入してブラシ台10を容易に把持することができる。
【0025】
収容箱21は、前述した一方向(
図2の左右方向)に沿って互いに対向する2つの対向面Fを有する。
図7には、収容箱21が有する2つの対向面Fの一方が示されている。一方の対向面Fには第4凹部21aが設けられている。第4凹部21a内にはスライダ15が配置されている。清掃者は、第4凹部21a内において、スライダ15をスライドさせることができる。
図7の例では、スライダ15は第4凹部21a内において左側に位置している。清掃者は、
図7において、スライダ15を右側に移動させることができる。スライダ15が
図7の右側に位置している場合、清掃者は、スライダ15を左側に移動させることができる。スライダ15は操作部に相当する。清掃者が行うスライダ15の移動は、操作部の操作に相当する。
【0026】
ブラシ台10に関して、他方の側面の形状は、前述した一方の側面の形状と同様である。従って、収容箱21の他方の対向面Fにおいても、第4凹部21aが設けられ、第4凹部21a内にスライダ15が配置されている。従って、ブラシ1には、2つの第4凹部21aと、2つのスライダ15とが配置されている。
図2の右側に位置する収容箱21の対向面Fにおいて、第4凹部21aは上側に位置している。
図2の左側に位置する収容箱21の対向面Fにおいて、第4凹部21aは下側に位置している。
【0027】
従って、
図1において毛材配置面10aが下側に位置している状態で、
図2における左右の対向面Fが入れ替わるようにブラシ1を回転させた場合であっても、2つのスライダ15の位置は変わらない。
図1の上側から、清掃者が、
図2におけるブラシ1の上側及び下側の側面を右手で把持したと仮定する。この場合において、右手の親指が、
図2におけるブラシ1の上側及び下側の側面のいずれに当たっているかに無関係に、人差し指とスライダ15との相対的な位置関係は同じである。このため、清掃者は、ブラシ1を把持する場合に、ブラシ1の持ち方を考える必要がない。
【0028】
収容箱21における2つの対向面Fそれぞれは、ブラシ台10の表面である。従って、ブラシ1は、ブラシ台10の表面に配置された2つのスライダ15を備える。
【0029】
図8は発光回路3の回路図である。発光回路3は、複数の発光部13の他に、直流電源30、第1スイッチ31及び第2スイッチ32を有する。第1スイッチ31及び第2スイッチ32それぞれは、共通端子40、第1端子41及び第2端子42を有する。
図8の例では、発光部13は発光ダイオードである。
図8の上側において、左右方向に並んでいる複数の発光部13は、
図2において、左側に配置されている複数の発光部13である。
図8の下側において、左右方向に並んでいる複数の発光部13は、
図2において、右側に配置されている複数の発光部13である。直流電源30は例えば電池である。電池として、乾電池又は充電電池等が用いられる。
【0030】
発光回路3では、直流電源30の正極及び負極それぞれを正極端子Tp及び負極端子Tnに接続する。清掃者は、正極端子Tp及び負極端子Tn間に接続される直流電源30を交換することができる。正極端子Tpは、複数の発光部13それぞれのアノードに接続されている。複数の発光部13それぞれのカソードは第1スイッチ31の共通端子40に接続されている。第1スイッチ31の第1端子41及び第2端子42それぞれは、第2スイッチ32の第1端子41及び第2端子42に接続されている。第2スイッチ32の共通端子40は負極端子Tnに接続されている。
【0031】
第1スイッチ31及び第2スイッチ32それぞれでは、共通端子40は、第1端子41及び第2端子42の一方に接続されている。第1スイッチ31及び第2スイッチ32それぞれは、ブラシ1が備える2つのスライダ15に対応している。
【0032】
第1スイッチ31に関して、共通端子40の接続先が第1端子41である状態で、第1スイッチ31に対応するスライダ15を移動させた場合、共通端子40の接続先は第2端子42に変更される。第1スイッチ31に関して、共通端子40の接続先が第2端子42である状態で、第1スイッチ31に対応するスライダ15を移動させた場合、共通端子40の接続先は第1端子41に変更される。
【0033】
同様に、第2スイッチ32に関して、共通端子40の接続先が第1端子41である状態で、第2スイッチ32に対応するスライダ15を移動させた場合、共通端子40の接続先は第2端子42に変更される。第2スイッチ32に関して、共通端子40の接続先が第2端子42である状態で、第2スイッチ32に対応するスライダ15を移動させた場合、共通端子40の接続先は第1端子41に変更される。
【0034】
第1スイッチ31及び第2スイッチ32の両方において、共通端子40の接続先が第1端子41である場合、直流電源30の正極から、電流は、複数の発光部13それぞれのアノードに入力される。複数の発光部13それぞれにおいて、アノードに入力された電流はカソードから出力される。結果、直流電源30の正極から、電流は、複数の発光部13それぞれを介して流れ、複数の発光部13は発光する。複数の発光部13のカソードから出力された電流は、第1スイッチ31の共通端子40、第1スイッチ31の第1端子41、第2スイッチ32の第1端子41、第2スイッチ32の共通端子40及び直流電源30の負極の順に流れる。
【0035】
第1スイッチ31及び第2スイッチ32の両方において、共通端子40の接続先が第2端子42である場合も、複数の発光部13は発光する。第1スイッチ31及び第2スイッチ32の両方において、共通端子40の接続先が第2端子42である場合、直流電源30の正極から、電流は、複数の発光部13それぞれのアノードに入力される。複数の発光部13それぞれにおいて、アノードに入力された電流はカソードから出力される。結果、直流電源30の正極から、電流は、複数の発光部13それぞれを介して流れ、複数の発光部13は発光する。複数の発光部13のカソードから出力された電流は、第1スイッチ31の共通端子40、第1スイッチ31の第2端子42、第2スイッチ32の第2端子42、第2スイッチ32の共通端子40及び直流電源30の負極の順に流れる。
【0036】
第1スイッチ31及び第2スイッチ32中の一方のスイッチにおいて、共通端子40の接続先が第1端子41であり、かつ、他方のスイッチにおいて、共通端子40の接続先が第2端子42である場合、直流電源30の正極から複数の発光部13へ電流が流ことはない。発光部13を介して電流が流れていない場合、発光部13は発光を停止している。
【0037】
前述したように、第1スイッチ31に対応するスライダ15を移動させた場合、第1スイッチ31において共通端子40の接続先が変更される。第2スイッチ32に対応するスライダ15を移動させた場合、第2スイッチ32において共通端子40の接続先が変更される。従って、複数の発光部13が発光している状態で2つのスライダ15のいずれかを移動させた場合、複数の発光部13を介した電流の通流が停止し、複数の発光部13は発光を停止する。複数の発光部13が発光を停止している状態で2つのスライダ15のいずれかを移動させた場合、複数の発光部13を介して電流が流れ、複数の発光部13は発光する。以上のように、清掃者は、2つのスライダ15中の1つを移動させることによって、複数の発光部13の動作を制御することができる。
【0038】
前述したように、2つ対向面Fそれぞれにスライダ15が設けられている。このため、清掃者は、ブラシ1を把持する場合にブラシ台10の持ち方を考える必要がない。結果、清掃者は、ブラシ台10の持ち方に無関係に複数の発光部13の動作を容易に制御することができる。
【0039】
以上のように構成されたブラシ1は、成形型5(
図9参照)を清掃するために用いられる。以下では、成形型5について説明する。成形型5は、基板W(
図9参照)の一面を樹脂材料R(
図9参照)で封止するために用いられる。
【0040】
図9は、成形型5を用いた樹脂成形の説明図である。
図9には、樹脂で封止される前の基板Wが配置された成形型5の断面が示されている。
図9に示す成形型5の状態は、型開きが行われた状態である。成形型5は上型50及び下型51を有する。上型50の下側に下型51が配置されている。上型50は直方体状をなす。上型50の下面には、カル部60と、2つのキャビティ61とが形成されている。カル部60及び2つのキャビティ61それぞれは、上側に凹んだ凹部である。上型50の下面において、左側から右側に向かって、キャビティ61、カル部60及びキャビティ61がこの順に並んでいる。左側のキャビティ61は、図示しないランナー部によってカル部60に連絡している。ランナー部は、通路である。右側のキャビティ61もランナー部によってカル部60に連絡している。
【0041】
下型51は、2つのキャビティブロック70、ポットブロック71及びプランジャ72を有する。2つのキャビティブロック70、及び、ポットブロック71それぞれは直方体状をなす。下型51では、左側から右側に向かって、キャビティブロック70、ポットブロック71及びキャビティブロック70がこの順に並んでいる。左側及び右側それぞれのキャビティブロック70の上側に、左側及び右側のキャビティ61が位置している。ポットブロック71の上側にカル部60が位置している。
【0042】
ポットブロック71の内側には、上下方向に延びるポット71aが設けられている。ポット71aは孔である。ポット71a内には、プランジャ72が配置されている。プランジャ72の上面の形状は、ポット71aの開口の形状とほぼ一致している。プランジャ72は、ポット71a内において上下方向に移動する。樹脂成形が行われる前の段階では、熱硬化性を有するタブレット状の樹脂材料Rがポット71a内に配置されている。樹脂材料Rはプランジャ72の上面に載っている。
【0043】
上型50及び下型51それぞれには、図示しないヒータが内蔵されている。上型50及び下型51それぞれの温度は、ヒータによって、予め設定されている温度に維持されている。従って、タブレット状の樹脂材料Rをポット71a内に投入した場合、樹脂材料Rの溶融が開始される。
【0044】
2つのキャビティブロック70の上面の高さは一致している。ポットブロック71の上面は、2つのキャビティブロック70の上面よりも、若干、上側に位置している。2つのキャビティブロック70それぞれの上面には、基板Wが配置されている。基板Wの上面には、例えば、半導体チップが固定されている。半導体チップは、キャビティ61の下側に位置する。
【0045】
なお、「一致」は、厳密な意味だけではなく、実質的な意味を含む。従って、2つのキャビティブロック70の上面の高さの差が誤差範囲の値である場合、2つのキャビティブロック70の上面の高さは一致している。
【0046】
図10は、成形型5を用いた樹脂成形の他の説明図である。
図9、
図10を参照しながら、成形型5を用いた樹脂成形について説明する。基板Wの上面を封止する場合、まず、
図9に示すように、2つのキャビティブロック70それぞれに基板Wが配置され、ポット71a内にタブレット状の樹脂材料Rが投入される。投入された樹脂材料Rは溶融される。
【0047】
次に、下型51を上昇させることにより、型締めを開始する。これにより、2つの基板Wそれぞれは、上型50と下型51によって挟まれ、下型51の上昇が停止する。結果、型締めが完了する。型締めが完了した後、プランジャ72を上昇させる。これにより、プランジャ72の上側に位置する溶融された樹脂材料Rは、カル部60、ランナー部及びキャビティ61の順に流れる。樹脂材料Rがカル部60、ランナー部及びキャビティ61に充填されている状態で、予め設定されているキュア時間が経過するまで待機する。これにより、樹脂材料Rが硬化し、2つの基板Wそれぞれの上面において、半導体チップが配置される部分が樹脂で封止される。結果、樹脂成形が完了する。成形型5は、トランスファ成形用の成形型である。
【0048】
樹脂成形が完了した後、下型51が下側に移動し、型開きが行われる。型開きが行われた後、樹脂で封止された2つの基板Wが成形型5から取り出される。その後、樹脂成形前の2つの基板Wそれぞれを2つのキャビティブロック70の上面に配置する。タブレット状の新たな樹脂材料Rをポット71a内に投入し、前述した樹脂成形の工程を実行する。
【0049】
樹脂成形が繰り返された場合、カル部60及び2つのキャビティ61を構成する上型50の表面が汚れる。清掃者は、上型50の表面をブラシ1の複数の毛材11でこすることによって、上型50の表面に付着した汚れを除去する。
【0050】
図11は、
図9のA-A線における成形型5の断面図である。
図11に示すように、上型50のキャビティ61は前後方向に延びている。清掃者は、成形型5の前側に立ち、ブラシ1を用いて、型開きが行われた状態の成形型5を清掃する。型開きが行われた場合において、上型50及び下型51間の距離は、短く、例えば150ミリメートルである。このため、清掃者は、上型50の下面に付着している汚れを目視で直接に確認することはできない。
【0051】
以下では、清掃者が行う成形型5の清掃方法の一例を示す。清掃者は、ブラシ1を把持し、複数の発光部13の発光が停止している状態のブラシ1を上型50及び下型51間の空間に挿入する。次に、清掃者は、2つのスライダ15中のいずれかを移動させることによって、複数の発光部13に発光させる。清掃者は、ブラシ1の位置及び傾きを調整することによって、複数の発光部13が発している光を上型50又は下型51の表面に当てる。
【0052】
次に、清掃者は、鏡12に映っている上型50又は下型51の表面を確認する。清掃者は、特に、凹んでいるキャビティ61の角部分を確認する。清掃者は、汚れを見つけた場合、2つのスライダ15中のいずれかを移動させて複数の発光部13の発光を停止させる。その後、清掃者は、汚れが付着している上型50又は下型51の表面に複数の毛材11を当て、ブラシ1で表面をこする。
【0053】
次に、清掃者は、2つのスライダ15中のいずれかを移動させることによって、複数の発光部13に発光させる。その後、清掃者は、ブラシ1の位置及び傾きを調整することによって、複数の発光部13が発している光を、こすった表面に当てる。清掃者は、鏡12に映っている上型50又は下型51の表面を見ることによって、汚れが除去されているか否かを確認する。汚れが除去されていない場合、清掃者は、発光部13の発光を停止させ、汚れが付着している表面をブラシ1で再びこする。
【0054】
型開きが行われた場合において、上型50及び下型51間の間隔が短いときであっても、清掃者は、鏡12を用いて、上型50の下面又は下型51の上面を容易に確認することができる。また、清掃者は、ブラシ台10を扱うことによって、成形型5の清掃に加えて、上型50の下面又は下型51の上面を確認することができる。
【0055】
鏡12は、ガラスとは異なる材料を用いて構成されることが好ましい。ガラスとは異なる材料は、金属又は樹脂等である。金属は、例えばステンレス鋼である。樹脂は、例えば、ポリカーボネートである。ガラスは脆い。鏡12を構成する部材にガラスが含まれている場合、ブラシ1の落下によって鏡12が割れる可能性が高い。ブラシ1が下型51の上面に落下して鏡12が割れた場合、鏡12の破片を成形型5から取り除く必要がある。このため、鏡12は、ガラスとは異なる材料で構成されることが好ましい。
【0056】
また、鏡12は、鏡配置面10bの内側に配置されることが好ましい。鏡12が鏡配置面10bの内側に配置されている場合、鏡12が成形型5を傷つけにくい。また、鏡12が鏡配置面10bの内側に配置されている場合、鏡12が他の部材に当たりにくいので、鏡12が割れる可能性が低い。
【0057】
なお、実施の形態1において、ブラシ1を用いて清掃する成形型5は、上型50の下面にキャビティ61が設けられ、かつ、下型51のキャビティブロック70の上面が平坦である成形型に限定されない。成形型5は、上型50の下面及び下型51の上面の少なくとも一方にキャビティが設けられている成形型である場合、ブラシ1を用いて清掃を行うことができる。また、成形型5は、トランスファ成形用の成形型に限定されない。成形型5が、例えば、コンプレッション成形用の成形型であっても、ブラシ1を用いて清掃を行うことができる。また、成形型5は、熱硬化性を有する樹脂材料Rを用いて成形を行うための成形型に限定されず、熱可塑性を有する樹脂を用いて成形を行うための成形型であってもよい。
【0058】
(実施の形態2)
実施の形態1では、鏡配置面10bと発光面10cそれぞれとがなす角度は0度である。しかしながら、鏡配置面10bと発光面10cそれぞれとがなす角度は0度を超えていてもよい。
以下では、実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態1と共通している。このため、実施の形態1と共通する構成部には実施の形態1と同一の参照符号を付し、その構成部の説明を省略する。
【0059】
図12は、実施の形態2における成形型清掃用のブラシ1の平面図である。
図13は、
図12のB-B線におけるブラシ1の部分断面図である。実施の形態2においては、
図12及び
図13に示すように、鏡配置面10bの一方の長辺は、2つの発光面10cそれぞれの一辺に連続している。ここで、連続している3辺は
図12において上側に位置する。
【0060】
図13に示すように、鏡配置面10bの他方の長辺は、前述した一方の長辺よりもブラシ板20側に位置している。ここで、ブラシ板20側は、
図13において下側である。2つの発光面10cは同一平面上に位置する。結果、鏡配置面10bは、2つの発光面10cそれぞれに対して、ブラシ板20側に傾斜している。鏡配置面10b全体は、発光面10cよりもブラシ板20側に位置し、固定されている。
【0061】
なお、同一平面は、厳密な意味だけではなく、実質的な意味も含む。従って、2つの発光面10cに段差が生じている場合であっても、段差の長さが誤差の範囲内の値である場合、2つの発光面10cは同一平面上にある。
【0062】
鏡配置面10bと2つの発光面10cそれぞれとがなす角度は、0度を超えており、かつ、90度未満である。従って、鏡配置面10bと2つの発光面10cそれぞれとがなす角度は鋭角である。鏡配置面10bと2つの発光面10cそれぞれとがなす角度は、45度、又は、45度近傍の角度であることが好ましい。
【0063】
以上のように、鏡配置面10bは、発光面10cそれぞれに対して傾斜している。このため、清掃者が鏡12を確認した場合、発光面10cから発せられた光が清掃者の目に直接に入りにくい。発光面10cから発せられた光のほぼ全てが上型50又は下型51の表面に当たるので、上型50又は下型51の表面において光が当たっている部分の面積は大きい。結果、清掃者は、上型50の下面、又は、下型51の上面を容易に確認することができる。
実施の形態2における成形型清掃用のブラシ1は、実施の形態1における成形型清掃用のブラシ1が奏する効果を同様に奏する。
【0064】
(実施の形態3)
実施の形態1において、鏡配置面10bは固定されている。しかしながら、ブラシ1は、鏡配置面10bが移動可能に構成されてもよい。
以下では、実施の形態3について、実施の形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態1と共通している。このため、実施の形態1と共通する構成部には実施の形態1と同一の参照符号を付し、その構成部の説明を省略する。
【0065】
図14は、実施の形態3における成形型清掃用のブラシ1の平面図である。
図15はブラシ1の側面図である。
図14及び
図15に示すように、収容箱21にはブラシ板20側に凹む矩形状の第5凹部21bが設けられている。
図14において、第5凹部21bは、2つの発光面10cの間に配置されている。
【0066】
実施の形態3におけるブラシ台10では、第5凹部21b内に矩形状の回転板7が配置されている。回転板7は収容箱21に取り付けられている。回転板7の幅広面が矩形状の鏡配置面10bとして機能する。実施の形態1で説明したように鏡配置面10bには、鏡12が配置されている。第5凹部21b内に回転板7が配置されている場合、鏡配置面10bの長辺は、2つの発光面10cの並び方向、即ち、
図14の左右方向に沿っている。鏡配置面10bは、
図15において上側の面である。回転板7の二辺それぞれは、2つの発光面10cの並び方向に沿っている。
【0067】
図16は回転板7の説明図である。清掃者は、回転板7において2つの発光面10cの並び方向に沿っている一辺の部分を軸として、回転板7を回転させることが可能である。例えば、回転板7において、前述した一辺に沿って、2つの端面それぞれから図示しない2つの円柱が突出している。
図15において、左側の端面から一方の円柱が左側に突出し、右側の端面から他方の円柱が右側に突出している。収容箱21において、第5凹部21bの左側の側面に左側に凹む図示しない左側凹部が形成され、第5凹部21bの右側の側面に右側に凹む図示しない右側凹部が形成されている。左側の端面から突出した円柱が左側凹部に収容される。右側の端面から突出した円柱が右側凹部に収容される。これにより、回転板7が回転可能に収容箱21に取り付けられる。
【0068】
なお、回転板7を回転可能に収容箱21に取り付ける構成は、2つの円柱、左側凹部及び右側凹部を設ける構成に限定されない。
【0069】
以上のように構成された実施の形態3における成形型清掃用のブラシ1に関しては、清掃者は、回転板7を回転させることによって、鏡12の位置を調整することができる。実施の形態3における成形型清掃用のブラシ1は、実施の形態1における成形型清掃用のブラシ1が奏する効果を同様に奏する。
【0070】
実施の形態1の説明で述べた一方向は
図14の左右方向である。発光面10c上において、
図14の左右方向に垂直な方向は
図14の上下方向である。実施の形態3においては、
図15に示すように、
図14の上下方向に対向する2つの対向面それぞれに2つの第4凹部21aが設けられている。実施の形態1の説明で述べたように、各第4凹部21a内には、スライダ15が配置されている。一方のスライダ15は、
図14の下側に位置する対向面において右側に位置する。他方のスライダ15は、
図14の上側に位置する対向面において左側に位置する。
【0071】
従って、
図15において毛材配置面10aが下側に位置している状態で、
図14における左右の対向面Fが入れ替わるようにブラシ1を回転させた場合であっても、2つのスライダ15の位置は変わらない。
図15の上側から、清掃者が、
図14におけるブラシ1の上側及び下側の側面を右手で把持したと仮定する。この場合において、右手の親指が、
図2におけるブラシ1の上側及び下側の側面のいずれに当たっているかに無関係に、人差し指とスライダ15との相対的な位置関係は同じである。このため、清掃者は、ブラシ1を把持する場合に、ブラシ1の持ち方を考える必要がない。
【0072】
なお、実施の形態3において、回転板7の軸は、2つの発光面10cの並び方向に沿っている一辺の部分に限定されず、例えば、並び方向に垂直な方向に沿っている一辺の部分であってもよい。また、実施の形態1,2それぞれにおいて、2つの第4凹部21a及び2つのスライダ15を実施の形態3と同様に配置してもよい。
【0073】
実施の形態1~3において、第4凹部21a及びスライダ15の数は1でもよい。この場合、
図8に示す発光回路3は、第2スイッチ32を有する必要はない。発光回路3では、第1端子41が負極端子Tnに接続される。第2端子42は開放されている。共通端子40の接続先が第1端子41である場合、複数の発光部13は発光する。共通端子40の接続先が第2端子42である場合、複数の発光部13は発光を停止している。スライダ15を移動させた場合、第1スイッチ31における共通端子40の接続先が変更される。清掃者は、スライダ15を移動させることによって、複数の発光部13の動作を制御することができる。
【0074】
(実施の形態4)
実施の形態1における発光回路3は、3つの端子を有するスイッチを用いて構成されている。しかしながら、発光回路3の構成は、3つの端子を有するスイッチを用いた構成に限定されない。
以下では、実施の形態4について、実施の形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態1と共通している。このため、実施の形態1と共通する構成部には実施の形態1と同一の参照符号を付し、その構成部の説明を省略する。
【0075】
実施の形態4における成形型清掃用のブラシ1では、第4凹部21a及びスライダ15それぞれの数は1でもよいし、2以上であってもよい。ここでは、第4凹部21a及びスライダ15それぞれの数が2以上である場合における発光回路3の動作を説明する。
【0076】
図17は、実施の形態4における発光回路3の回路図である。実施の形態4における発光回路3は、実施の形態1における発光回路3と同様に、複数の発光部13及び直流電源30を有する。
図17の例でも、発光部13は発光ダイオードである。実施の形態4における発光回路3においては、実施の形態1と同様に、直流電源30の正極及び負極それぞれが正極端子Tp及び負極端子Tnに着脱可能に接続される。正極端子Tpは、複数の発光部13のアノードに接続されている。
【0077】
実施の形態4における発光回路3は、更に、回路スイッチ80及び切替え回路81を有する。回路スイッチ80は2つの端子を有する。複数の発光部13のアノードは回路スイッチ80の一方の端子に接続されている。回路スイッチ80の他方の端子は負極端子Tnに接続されている。回路スイッチ80がオンである場合、実施の形態1の説明で述べたように、直流電源30の正極から複数の発光部13に電流が流れ、複数の発光部13は発光する。回路スイッチ80がオフである場合、実施の形態1の説明で述べたように、直流電源30の正極から複数の発光部13への電流の通流が停止し、複数の発光部13は発光を停止する。
【0078】
複数のスライダ15それぞれについて、移動が行われた場合、スライダ15の移動を示す移動信号が切替え回路81に入力される。切替え回路81には、複数のスライダ15それぞれに対応する複数の移動信号が入力される。
【0079】
ブラシ1には、例えば、複数のスライダ15それぞれに対応する図示しない複数のセンサが設けられている。各センサは、自身に対応するスライダ15が移動した場合、移動信号を切替え回路81に出力する。
【0080】
切替え回路81は、回路スイッチ80がオフである状態で、複数のスライダ15のいずれかに対応する1つの移動信号が入力された場合、回路スイッチ80をオンに切り替える。これにより、複数の発光部13の状態は、発光を停止している状態から、発光の状態に切替わる。切替え回路81は、回路スイッチ80がオンである状態で、複数のスライダ15のいずれかに対応する1つの移動信号が入力された場合、回路スイッチ80をオフに切替える。これにより、複数の発光部13の状態は、発光の状態から、発光を停止している状態に切替わる。
【0081】
第4凹部21a及びスライダ15の数が2である場合、前述した一方向(
図2の左右方向)に対応する2つの対向面Fそれぞれに2つの第4凹部21aが配置されるか、又は、一方向に垂直な方向(
図2の上下方向)に対向する2つの対向面それぞれに2つの第4凹部21aが配置される。第4凹部21a及びスライダ15の数が3である場合、例えば、前述した4つの対向面の中で3つの対向面それぞれに3つの第4凹部21aが配置される。第4凹部21a及びスライダ15の数が4である場合、例えば、前述した4つの対向面それぞれに4つの第4凹部21aが配置される。前述したように、各第4凹部21a内にスライダ15が配置される。
【0082】
第4凹部21a及びスライダ15の数が1である場合においては、切替え回路81は、回路スイッチ80がオフである状態で移動信号が入力されたとき、回路スイッチ80をオンに切り替える。同様の場合において、切替え回路81は、回路スイッチ80がオンである状態で移動信号が入力されたとき、回路スイッチ80をオフに切り替える。第4凹部21aは、例えば、前述した4つの対向面の1つに設けられる。
【0083】
なお、実施の形態2,3それぞれにおける発光回路3は、実施の形態4における発光回路3と同様に構成されてもよい。
【0084】
なお、実施の形態1~4において、第4凹部21aが配置される場所は、前述した4つの対向面のいずれかに限定されない。第4凹部21aは、例えば、鏡配置面10b又は発光面10cに配置されてもよい。また、発光面10cの数は、2に限定されず、1又は3以上であってもよい。発光面10cの数が1である場合、矩形状の発光面10cに鏡配置面10bが隣り合っている。発光面10cの形状は矩形状に限定されない。発光面10cは環状をなしてもよい。この場合、鏡配置面10bは、発光面10cの内側に配置される。
【0085】
鏡配置面10bの形状は矩形状に限定されない。また、毛材配置面10a、鏡配置面10b及び発光面10c中の一面は、残りの二面の一方又は両方の近傍に配置されてもよい。例えば、
図1の下側に位置するブラシ板20の一面に、毛材配置面10a、鏡配置面10b及び発光面10cが配置されてもよい。
【0086】
一又は複数の発光部13の動作を制御するために清掃者が操作する操作部は、スライダ15に限定されず、例えばボタンであってもよい。複数のボタンが配置されている場合においては、複数のボタンのいずれかが押されたとき、複数の発光部13は、発光、又は、発光の停止を行う。
【0087】
発光部13の数は1であってもよい。また、発光部13は、LEDに限定されず、白熱電球又はレーザダイオード等であってもよい。鏡配置面10b及び発光面10cそれぞれの形状は矩形状に限定されず、例えば、台形状であってもよい。鏡12の面は、凸状の曲面であってもよい。この場合、鏡配置面10bも曲面である。更に、収容箱21をブラシ板20に取り付けるために用いるねじ14の数は2に限定されず、1又は3以上であってもよい。ねじ14の数に応じて、第2凹部13c、貫通孔13d及びねじ穴20aが設けられる。第2凹部13c、貫通孔13d及びねじ穴20aそれぞれの数は、ねじ14の数と同じである。
【0088】
以下、今回開示したブラシ1の概要について説明する。
【0089】
(1)本開示の成形型清掃用のブラシ1は、上型50及び下型51を有する成形型5を清掃するためのブラシであって、一面に複数の毛材11の一端が連結されるブラシ台10と、前記ブラシ台10の表面に配置される鏡12と、前記ブラシ台10の表面から光を発する発光部13とを備える。
【0090】
上記(1)に記載の成形型清掃用のブラシ1によれば、ブラシ台10に連結されている複数の毛材11を用いて、上型50の下面又は下型51の上面を清掃する。清掃者は、成形型5を清掃した後、上型50の下面又は下型51の上面を、発光部13の光で照らし、鏡12に映った上型50の下面又は下型51の上面を確認する。従って、型開きが行われた場合において、上型50及び下型51間の間隔が短いときであっても、清掃者は、鏡12を用いて、上型50の下面又は下型51の上面を容易に確認することができる。また、清掃者は、ブラシ台10を扱うことによって、成形型5の清掃に加えて、上型50の下面又は下型51の上面を確認することができる。
【0091】
(2)上記(1)に記載の成形型清掃用のブラシ1では、前記ブラシ台10は、一面に前記複数の毛材11の一端が連結されるブラシ板20と、前記ブラシ板20の他面上に配置され、前記発光部13が収容される収容箱21とを有し、前記鏡12は前記収容箱21の表面に配置され、前記収容箱21は、前記ブラシ板20に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0092】
上記(2)に記載の成形型清掃用のブラシ1によれば、ブラシ板20に連結される複数の毛材11が摩耗して短くなった場合、収容箱21をブラシ板20から取り外し、取り外した収容箱21を新しいブラシ板20に取り付けることができる。
【0093】
(3)上記(2)に記載の成形型清掃用のブラシ1では、前記ブラシ板20にて、互いに対向する2つの端面それぞれに凹部(第3凹部)20bが設けられてもよい。
【0094】
上記(3)に記載の成形型清掃用のブラシ1によれば、ブラシ板20に2つの凹部20bが設けられている。このため、清掃者は、2つの凹部20bに手を挿入してブラシ台10を容易に把持することができる。
【0095】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の成形型清掃用のブラシ1は、前記ブラシ台10の表面に配置された複数の操作部(スライダ)15を備え、前記発光部13が発光している状態で前記複数の操作部15のいずれかが操作された場合、前記発光部13は発光を停止し、前記発光部13が発光を停止している状態で前記複数の操作部15のいずれかが操作された場合、前記発光部13は発光してもよい。
【0096】
上記(4)に記載の成形型清掃用のブラシ1によれば、清掃者は、複数の操作部15中の1つを操作することによって、発光部13の動作を制御することができる。
【0097】
(5)上記(4)に記載の成形型清掃用のブラシ1では、前記ブラシ台10は、互いに対向する2つの対向面Fを有し、前記2つの対向面Fそれぞれに前記操作部15が配置されてもよい。
【0098】
上記(5)に記載の成形型清掃用のブラシ1によれば、2つの対向面Fそれぞれに操作部(スライダ)15が配置されている。このため、清掃者は、ブラシ台10の持ち方に無関係に、発光部13の動作を容易に制御することができる。
【0099】
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の成形型清掃用のブラシ1では、前記ブラシ台10は、前記鏡12が配置される鏡配置面10bと、前記鏡配置面10bに隣り合っており、前記発光部13の光を発する発光面10cとを有し、前記鏡配置面10bと前記発光面10cとがなす角度は鋭角であってもよい。
【0100】
上記(6)に記載の成形型清掃用のブラシ1によれば、鏡配置面10bは、発光面10cに対して傾斜している。このため、清掃者が鏡12を確認した場合、発光面10cから発せられた光が清掃者の目に直接に入りにくい。発光面10cから発せられた光のほぼ全てが上型50又は下型51の表面に当たるので、上型50又は下型51の表面において光が当たっている部分の面積は大きい。結果、清掃者は、上型50の下面、又は、下型51の上面を容易に確認することができる。
【0101】
(7)上記(6)に記載の成形型清掃用のブラシ1では、前記鏡配置面10b及び前記発光面10cは矩形状をなし、前記鏡配置面10bの一辺は前記発光面10cの一辺に連続していてもよい。
【0102】
上記(7)に記載の成形型清掃用のブラシ1によれば、鏡配置面10b全体は、例えば、発光面10cよりもブラシ板20側に位置する。
【0103】
(8)上記(1)から(5)に記載の成形型清掃用のブラシ1では、前記ブラシ台10は、前記ブラシ台本体と、矩形状をなし、一辺の部分を軸として、軸周りに回転可能に前記ブラシ台本体に取り付けられている回転板7とを有し、前記回転板7の一面に前記鏡が配置されてもよい。前述したように、ブラシ板20及び収容箱21全体がブラシ台本体として機能する。
【0104】
上記(8)に記載の成形型清掃用のブラシ1によれば、清掃者は、回転板7を回転させることによって、鏡12の位置を調整することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 ブラシ
5 成形型
7 回転板
10 ブラシ台
10b 鏡配置面
10c 発光面
11 毛材
12 鏡
13 発光部
15 スライダ(操作部)
20 ブラシ板(ブラシ台本体の一部)
20b 第3凹部
21 収容箱(ブラシ台本体の一部)
50 上型
51 下型
F 対向面