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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130714
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ペット用トイレ
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/01 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A01K1/01 801B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040591
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000137188
【氏名又は名称】株式会社凡美社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】前川 隆
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101CA06
2B101GB01
(57)【要約】
【課題】シーツを無駄なく使用できるようにする。
【解決手段】シーツを載せるトレー13と、トレー13に対して上から着脱可能に固定されてシーツを押さえるメッシュ状のシーツカバー15を備えたペット用トイレにおいて、シーツカバー15を面方向で分割した態様の複数のカバー担体51で構成する。トレー13の大きさを複数枚のシーツ14が並べられるように形成するともに、カバー担体51の大きさを、トレー13に並べるシーツ14に対応する大きさに形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーツを載せるトレーと、前記トレーに対して上から着脱可能に固定されてシーツを押さえるメッシュ状のシーツカバーを備えたペット用トイレであって、
前記シーツカバーが面方向で分割された態様の複数のカバー担体で構成され、
前記トレーが複数枚のシーツを並べられる大きさに形成されるとともに、
前記カバー担体が前記トレーに並べられるシーツに対応する大きさに形成された
ペット用トイレ。
【請求項2】
前記カバー担体における他の前記カバー担体と対向する対向端面に、前記対向端面どうしを接合する接合構造が形成された
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項3】
前記接合構造が、前記対向端面から水平に突出する突片と、前記突片を受け入れる凹所で構成された
請求項2に記載のペット用トイレ。
【請求項4】
すべての前記接合構造が互いに同一形状である
請求項2または請求項3のうちいずれか一項に記載のペット用トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ペット、特に大型犬に適したペット用トイレに関するものである。
【背景技術】
【0002】
犬用にシーツを敷いて使用するペット用トイレとして、下記特許文献1に開示のものがある。これは、シーツを載置する底トレーと、底トレーに載置されたシーツを上方から覆う、メッシュ部を有するカバー部材で構成されている。
【0003】
このようなペット用トイレの大きさは、使用するシーツに対応している。すなわち、ペット用トイレ際には、「適合シーツサイズ」のシーツが使用され、1枚のシーツが敷かれる。ペットが大型犬の場合には最も大きなシーツが使用される。
【0004】
しかし、実際に汚れる部分はその一部に過ぎないことが多々ある。そのような場合に、シーツを交換することは、まだ使い切っていない部分を捨てることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第7084619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、シーツを無駄なく使用できるようにすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、この発明は下記のペット用トイレを提供する。すなわち、シーツを載せるトレーと、トレーに対して上から着脱可能に固定されてシーツを押さえるメッシュ状のシーツカバーを備えたペット用トイレであって、シーツカバーが面方向で分割された態様の複数のカバー担体で構成されている。そして、トレーが複数枚のシーツを並べる大きさに形成されるとともに、カバー担体がトレーに並べられるシーツに対応する大きさに形成されたペット用トイレである。

この構成では、ペット用トイレは次のように使用される。まず、トレーの上にそれよりも小さいシーツを複数並べて載置する。つぎに、シーツと同様に配置されることになるカバー担体をトレーに固定して、複数のカバー担体からなるシーツカバーでシーツを押さえる。
【0008】
ペットが排泄をしてシーツが汚れたときには、汚れたシーツを押さえているカバー担体を外して、そのシーツを新しいものに交換する。シーツに対応して設けられるカバー担体は、交換が必要なシーツのみを取り外し可能にする。また、その小型化により、取扱いや洗浄作業の容易化をはかる。
【発明の効果】
【0009】
この発明は、一つの部材で構成されるのが当たり前のシーツカバーを、面方向で分割された態様の複数のカバー担体で構成し、その大きさをトレーに並べる複数枚のシーツに対応させたので、汚れているシーツのみを容易に交換できる。このため、無駄をなくせる。しかも、シーツカバーがカバー担体に分けられることになるので、カバー担体の大きさはシーツカバーよりも小さい。このため、着脱や洗浄が行いやすく、ペット用トイレをきれいに保つことにも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ペット用トイレの分解斜視図。
図2】ペット用トイレの平面図。
図3】カバー担体を並べた状態の平面図。
図4】カバー担体の対向端面を見た正面図と底面図。
図5図2のA-A切断部端面図。
図6図2のB-B切断部端面図とC-C切断部端面図。
図7】他の例に係るペット用トイレの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
【0012】
図1にペット用トイレ11の分解斜視図を、図2にペット用トイレ11の平面図示す。これらの図に示すようにペット用トイレ11は、互いを着脱可能に結合するための固定構造12を有するトレー13とシーツカバー15で構成されている。トレー13とシーツカバー15は合成樹脂成形品からなるものである。なお、図2はシーツ14を敷いていない状態の平面図である。
【0013】
トレー13は、平面視形状が長方形であり、シーツ14を載せる平らなシーツ載置面31を取り囲む全周に周壁32が形成されている。シーツカバー15は、トレー13に対して上から着脱可能に固定されるものであり、板状に形成されている。固定されたときにシーツ14を押さえて、シーツ14の動きを規制するとともに、厚み方向に貫通した複数の貫通孔からなるメッシュ部15aを通して排泄物の通過を許容しつつ、ペットによるシーツ14の掻きむしりを防止する。
【0014】
図示例のペット用トイレ11は、大型犬に適したものであり、トレー13の大きさは、たとえば600mm×900mmのシーツが敷ける大きさ(たてよこ640mm×936mm程度)である。
【0015】
この大きさは、複数枚のシーツ14を並べられる大きさ、敷き詰められる大きさでもある。つまり、450mm×600mmのシーツ14を、その長辺どうしを対向させてシーツ載置面31に2枚並べて敷くことができる。
【0016】
シーツカバー15は、面方向で分割された態様の複数のカバー担体51で構成されており、カバー担体51はトレー13に並べられるシーツ14に対応する大きさに形成されている。具体的には、シーツカバー15は2枚のカバー担体51で構成され、カバー担体51の大きさは、450mm×600mmのシーツ14に対応する大きさである。換言すれば、2枚のカバー担体51は互いに同じ大きさであり、トレー13に対応する大きさの仮想のシーツカバーを、その長手方向の中間で等しく2分割した大きさである。
【0017】
カバー担体51は周囲に枠部15bを有し、枠部15bに囲まれ部分に前述のメッシュ部15aを有している。カバー担体51は、平面図である図3に示したように、長方形の長手方向の中間で2分割した態様であるので、図示例の枠部15bは平面視「コ」字形としたが、全周を取り囲む平面視「ロ」字状であってもよい。カバー担体51の裏面には、底面図である図4の(b)に示したように、シーツ14を押さえるための複数本のリブ15cが垂設されている。
【0018】
また、すべてのカバー担体51には互いに同一形状の接合構造52が形成されている。接合構造52とは、カバー担体51どうしを接合するための構造であり、カバー担体51における他のカバー担体51と対向する対向端面53(分割したと仮想したときの分割面)に形成されている。
【0019】
接合構造52は、対向端面53から水平に突出する突片54と、突片54を受け入れる凹所55で構成されている。突片54は、図1に拡大して示したように、対向端面53から突出する板状であり、その形成位置は対向端面53の下端である。対向端面53における突片54より上には、垂直な当接面53aが形成される。突片54の突出長さと幅(対向端面53を有する辺が延びる方向の長さ)は、図3に見られるように結合時の安定性を考慮して設定される。
【0020】
一方、凹所55は、同じく図1に拡大して示したように、対向端面53の下端部を切り欠いて形成されている。つまり、凹所55は袋状ではなく、図4にも示したように下端面が開放された溝状であり、突片54を対向端面53に対して直角に差し込むほかに、回動させても噛み合わせることができる構造である。
【0021】
このような突片54と凹所55は、それぞれ1個ずつを一組として対向端面53上に並べて形成される。突片54と凹所55の形成位置は、対向端面53どうしを合わせたときに、一のカバー担体51の突片54が接合する他のカバー担体51の凹所55に、凹所55が突片54に、それぞれ対応するように設定される。
【0022】
また、これら突片54と凹所55は、複数組形成されている。具体的には、図3図4からわかるように、対向端面53の長手方向の中間を示す中心線C1を境に2組形成されている。ペット用トイレ11の大きさ等によっては、3組以上形成することもできる。
【0023】
トレー13とシーツカバー15に形成される固定構造12は、シーツカバー15をトレー13に対して上から嵌めるだけで固定できるものである。図5に示したように、トレー13の周壁32に形成された被係止部33と、シーツカバー15の枠部15bに形成された係止部56で構成されている。この例の固定構造12は、カバー担体51ごとに設けられる。言い換えれば、カバー担体51の数に対応させて備えられる。
【0024】
被係止部33は、図1に示したように、カバー担体51の長手方向の両端における中間に対応する部位、換言すればトレー13の周壁32における長辺を構成する部分の離れた2カ所に、隣接部分よりも一回り小さく形成された凹み34に形成されている。凹み34における外側の下端は、トレー13の下端位置よりも上に位置しており、この下端が被係止部33である。
【0025】
係止部56は、カバー担体51の枠部15bにおける短辺を構成する部分の中間に形成されて、トレー13の凹み34に嵌る半筒状の嵌合取手57に形成されている。嵌合取手57における下端に、被係止部33に向けて突出する爪が形成されてあり、この爪が係止部56である。
【0026】
前述のようにカバー担体51の接合構造52は互いに同一形状であるうえに、固定構造12も同一形状であるので、2枚のカバー担体51は、ひとつの金型で製造できる。
【0027】
なお、トレー13は透明または乳白色の合成樹脂で形成され、カバー担体51は白色、または白色系の色の合成樹脂で形成すると、ペット用トイレ11を使用する室内空間に圧迫感を与えずに使用できるものとなる。
【0028】
以上のような構成のペット用トイレ11の使用に際しては、まず、トレー13にシーツ14を2枚に並べてシーツ載置面31に敷き詰める。つぎに、カバー担体51どうしを組んで、あるいはカバー担体51をそれぞれ単独で、固定構造12を利用してトレー13に固定する。すると、図5に示したように、カバー担体51はそれぞれトレー13に対して固定されて、シーツ14を押さえる。なお、図5図6ではシーツ14の図示が省略されている。
【0029】
カバー担体51の対向端面53は、図6の(a)に示したように互いに当接し合い、上面を面一にする。また、図6の(b)に示したように、接合構造52を構成する突片54と凹所55が互いに噛み合い、対向端面53どうしの接合状態を維持する。
【0030】
使用に伴いシーツ14が汚れたときには、汚れた部分が2枚のシーツ14のうち、どちらにあるのかを見て、一方のシーツ14だけにある場合には、そのシーツ14を覆っているカバー担体51を外す。カバー担体51を外すと、汚れのあるシーツ14が外せるので、シーツ14の交換をする。取り外したカバー担体51を水洗いしたり、その汚れを拭き取ったりして、きれいにしたのち、シーツ14を押さえるようにトレー13に取り付ける。
【0031】
このように、シーツ14が汚れても必ずしも敷いてあるもの全体を交換する必要はないので、無駄をなくすことができる。
【0032】
しかも、カバー担体51は、本来あるべきシーツカバー15よりも小さいので、トレー13に対する着脱操作や洗浄などの作業が行いやすい。
【0033】
また、カバー担体51には接合構造52が設けられているので、トレー13に対する固定時にカバー担体51どうしの一体性が高く、一つの部材からなるもののように、シーツカバー15としての機能を十分に果たせる。
【0034】
その接合構造52については、突片54と凹所55で構成されており、簡素な形状であるうえに、凹所55の下端は開放された溝状であるので、汚れが残ったりすることなく、きれいに洗浄することができる。
【0035】
さらに、すべての接合構造52が互いに同一形状であるうえに、固定構造12も同一であり、カバー担体51の大きさも互いに同一であるので、複数個のカバー担体51の製造はひとつの成形金型で行える。このため、製造コストを抑えることもできる。
【0036】
以上の構成は、この発明を実施するための一形態であって、この発明は前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することもできる。
【0037】
たとえば、接合構造52は省略してもよい。すなわち、図7に示したように、接合構造52を形成せずとも、カバー担体51にはそれぞれ固定構造12が形成されているので、充分な機能を発揮することができる。このとき、対向端面53は互いに当接させてもよく、図7に示したように対向端面53どうしの間に隙間をあけてもよい。
【0038】
接合構造52は、凹凸で物的に噛み合う構造のもののほか、たとえば磁石を用いて磁力で吸着させて接合する構造や、クリップやピン等の他の部材を用いて結合する構造などを採用することもできる。
【0039】
トレー13とシーツカバー15の固定構造12には、上から嵌める構造のほか、たとえば着脱可能なヒンジを備えたものや別体の枠などの部材を用いるものなど、他の構造を採用してもよい。
【符号の説明】
【0040】
11…ペット用トイレ
12…固定構造
13…トレー
14…シーツ
15…シーツカバー
33…被係止部
51…カバー担体
52…接合構造
53…対向端面
54…突片
55…凹所
56…係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7