(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130716
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】超音波診断装置、超音波診断装置の動作方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040594
(22)【出願日】2023-03-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】小林 幸史
(72)【発明者】
【氏名】橋本 浩
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DE06
4C601EE11
4C601JC04
4C601JC07
4C601JC16
4C601JC37
4C601KK31
4C601KK45
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザがデータ群の修正作業を容易に行うことができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】ユーザインターフェースと、プロセッサと、複数の画像群を記憶するメモリと、ディスプレイとを含み、該複数のデータ群における前記関心領域の特徴量の時間変化を表すデータ系列を作成する超音波診断装置1であって、前記複数の画像群のうちの1つの画像群を選択するユーザの入力は、前記複数の画像群のうちの第1の画像群を選択するユーザの第1の入力と、該第1の入力を受け付けた後、前記複数の画像群のうちの第2の画像群を選択するユーザの第2の入力とを含み、前記ユーザインターフェースは、前記第2の入力を受け付けた後で、ユーザが、前記第1の画像群における前記特徴量の時間変化を表すデータ群に対して修正作業ができるように、前記第1の画像群を再び選択するユーザの入力を受付可能に構成される。
【選択図】
図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインターフェースと、
プロセッサと、
複数の画像群を記憶する記憶装置であって、各画像群は、時系列に並ぶ複数の超音波画像を含む、記憶装置と、
ディスプレイと
を含み、
(i)前記ユーザインターフェースは、前記複数の画像群の中から1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付け、
(ii)前記プロセッサは、前記ユーザインターフェースが前記1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付けると、選択された画像群に含まれる超音波画像をディスプレイに表示し、
(iii)前記ユーザインターフェースは、前記ディスプレイに表示された超音波画像に関心領域を付与するユーザの入力を受け付け、
(iv)前記プロセッサは、前記ユーザインターフェースが前記関心領域を付与するユーザの入力を受け付けると、前記選択された画像群に含まれる超音波画像に基づいて、前記関心領域における特徴量の時間変化を表すデータ群を作成し、
(v)前記プロセッサは、前記(i)~(iv)を繰り返し実行することにより得られた複数のデータ群を時系列に並べて統合し、該複数のデータ群における前記関心領域の特徴量の時間変化を表すデータ系列を作成する超音波診断装置であって、
前記1つの画像群を選択するユーザの入力は、前記複数の画像群のうちの第1の画像群を選択するユーザの第1の入力と、該第1の入力を受け付けた後、前記複数の画像群のうちの第2の画像群を選択するユーザの第2の入力とを含み、
前記ユーザインターフェースは、前記第2の入力を受け付けた後で、ユーザが、前記第2の入力よりも前に受け付けられた前記第1の入力により選択された前記第1の画像群における前記特徴量の時間変化を表すデータ群に対して修正作業ができるように、前記第1の画像群を再び選択するユーザの入力を受付可能に構成される、超音波診断装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記ユーザによって選択された1つの画像群が、新規に選択された画像群であるかどうかを判断し、新規に選択された画像群でない場合、前記第1の画像群を再び選択する入力を受け付けたと判断して、前記記憶装置から前記第1の画像群にマッピングされた解析情報を読み出して復元する、請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記複数の画像群のうち、ユーザにより選択された画像群が、新規に選択された画像群である場合、ユーザにより選択された画像群に識別子を割り当てる、請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記識別子は、
画像番号、又は
造影剤の投与を開始してからデータの取得を開始するまでの経過時間、
である、請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記複数の画像群のうち、ユーザにより選択された画像群が、新規に選択された画像群である場合、新規で選択された画像群の画像番号を表すパラメータをインクリメントする、請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記ユーザインターフェースはタッチパネルを含んでおり、
前記タッチパネルは、選択された画像群を再び選択するためのボタンであって、前記画像番号を含むボタンを表示し、
ユーザが前記ボタンにタッチすると、前記タッチパネルは、前記画像番号に対応する画像群を再び選択するユーザの入力を受け付ける、請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記ユーザインターフェースは操作パネルを含んでおり、
前記ディスプレイに、選択された画像群を再び選択するためのボタンであって、前記画像番号を含むボタンが表示され、
ユーザが前記操作パネルを操作して前記ボタンを選択する命令を入力すると、前記操作パネルは、前記画像番号に対応する画像群を再び選択するユーザの入力を受け付ける、請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記ユーザインターフェースはタッチパネルを含んでおり、
前記タッチパネルは、選択された画像群を再び選択するためのボタンであって、前記経過時間を含むボタンを表示し、
ユーザが前記ボタンにタッチすると、前記タッチパネルは、前記経過時間に対応する画像群を再び選択するユーザの入力を受け付ける、請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記ユーザインターフェースは操作パネルを含んでおり、
前記ディスプレイに、選択された画像群を再び選択するためのボタンであって、前記経過時間を含むボタンが表示され、
ユーザが前記操作パネルを操作して前記ボタンを選択する命令を入力すると、前記操作パネルは、前記経過時間に対応する画像群を再び選択するユーザの入力を受け付ける、請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記ユーザインターフェースは、新規に画像群を選択するユーザの入力を受け付ける、請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記ディスプレイは、前記複数の画像群の各々に対応するサムネイルを表示する、請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記記憶装置には、前記第1の画像群を解析するための解析情報が、前記第1の画像群にマッピングされて記憶されており、
前記ユーザインターフェースが前記第1の画像群を再び選択するユーザの入力を受け付けると、前記プロセッサは、前記記憶装置から前記第1の画像群にマッピングされた解析情報を読み出して復元する、請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項13】
前記解析情報は、関心領域の位置、大きさ、形状、又は色、時間強度曲線のスムージングの程度、および関心領域の動き補正処理の有無のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項14】
前記ディスプレイは、前記データ群に含まれる複数のデータのうちの時間軸方向に隣り合うデータを線で繋ぐことにより得られる時間強度曲線を表示する、請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記ユーザが前記ユーザインターフェースを操作することにより修正作業が行われた場合、修正された解析情報を更新し、
前記修正作業には、新たに関心領域を付与すること、関心領域の位置、大きさ、形状、又は色を変更すること、時間強度曲線のスムージングの程度を変更すること、関心領域の動き補正の有無を変更することのうちの少なくとも1つが含まれる、請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項16】
ユーザインターフェースと、
プロセッサと、
複数の画像群を記憶する記憶装置であって、各画像群は、時系列に並ぶ複数の超音波画像を含む、記憶装置と、
ディスプレイと
を含む超音波診断装置の動作方法であって、前記動作方法は、
(i)前記ユーザインターフェースは、前記複数の画像群の中から1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付け、
(ii)前記プロセッサは、前記ユーザインターフェースが前記1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付けると、選択された画像群に含まれる超音波画像をディスプレイに表示し、
(iii)前記ユーザインターフェースは、前記ディスプレイに表示された超音波画像に関心領域を付与する作業を実行するユーザの入力を受け付け、
(iv)前記プロセッサは、前記ユーザインターフェースが前記関心領域を付与するユーザの入力を受け付けると、前記選択された画像群に含まれる超音波画像に基づいて、前記関心領域における特徴量の時間変化を表すデータ群を作成し、
(v)前記プロセッサは、前記(i)~(iv)を繰り返し実行することにより得られた複数のデータ群を時系列に並べて統合し、該複数のデータ群における前記関心領域の特徴量の時間変化を表すデータ系列を作成する、ことを含み、
前記1つの画像群を選択するユーザの入力は、前記複数の画像群のうちの第1の画像群を選択するユーザの第1の入力と、該第1の入力を受け付けた後、前記複数の画像群のうちの第2の画像群を選択するユーザの第2の入力とを含み、
前記動作方法は、更に、
前記ユーザインターフェースが前記第2の入力を受け付けた後で、ユーザが、前記第2の入力よりも前に受け付けられた前記第1の入力により選択された前記第1の画像群における前記特徴量の時間変化を表すデータ群に対して修正作業ができるように、前記第1の画像群を再び選択するユーザの入力を受け付けることを含む、超音波診断装置の動作方法。
【請求項17】
ユーザインターフェースと、
プロセッサと、
複数の画像群を記憶する記憶装置であって、各画像群は、時系列に並ぶ複数の超音波画像を含む、記憶装置と、
ディスプレイと
を含む超音波診断装置のプログラムであって、前記プログラムは、
(i)前記ユーザインターフェースが、前記複数の画像群の中から1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付けること、
(ii)前記ユーザインターフェースが前記1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付けると、前記プロセッサが、選択された画像群に含まれる超音波画像をディスプレイに表示すること、
(iii)前記ユーザインターフェースが、前記ディスプレイに表示された超音波画像に関心領域を付与する作業を実行するユーザの入力を受け付けること、
(iv)前記ユーザインターフェースが前記関心領域を付与するユーザの入力を受け付けると、前記プロセッサが、前記選択された画像群に含まれる超音波画像に基づいて、前記関心領域における特徴量の時間変化を表すデータ群を作成すること、
(v)前記プロセッサが、前記(i)~(iv)を繰り返し実行することにより得られた複数のデータ群を時系列に並べて統合し、該複数のデータ群における前記関心領域の特徴量の時間変化を表すデータ系列を作成すること、
を含む動作を実行させるものであり、
前記1つの画像群を選択するユーザの入力は、前記複数の画像群のうちの第1の画像群を選択するユーザの第1の入力と、該第1の入力を受け付けた後、前記複数の画像群のうちの第2の画像群を選択するユーザの第2の入力とを含み、
前記プログラムは、更に、
前記ユーザインターフェースが前記第2の入力を受け付けた後で、ユーザが、前記第2の入力よりも前に受け付けられた前記第1の入力により選択された前記第1の画像群における前記特徴量の時間変化を表すデータ群に対して修正作業ができるように、前記ユーザインターフェースが前記第1の画像群を再び選択するユーザの入力を受け付けることを含む動作を実行させる、超音波診断装置のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関心領域における特徴量の時間変化を表すデータ群を作成する超音波診断装置、その超音波診断装置の動作方法、および超音波診断装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波を利用した検査方法として、被検体に造影剤を注入し、被検体の造影画像を作成する造影超音波検査が知られている。造影超音波検査では、造影画像のターゲット(例えば、腫瘍)に関心領域(ROI:Region Of Interest)を付与し、関心領域について時間強度曲線(Time Intensity Curve)を作成することがある。時間強度曲線は、TIC又は時間輝度曲線とも呼ばれている。時間強度曲線は腫瘍の鑑別診断などに使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
造影超音波検査では、造影剤が投与されてから例えば5分後あるいは10分後といった比較的長時間の観察が行われることで、新たな診断情報が得られることが分かってきている。例えば、造影剤の投与後2分から5分の緩やかな信号強度の減少を観察することで、腫瘍内の血管構造の複雑さや血管抵抗などを推定できると言われている。また、肝実質に蓄積する造影剤は、投与直後と5分後、10分後を比較することで、肝機能を定量化できる可能性がある。
【0005】
上記の様な診断情報を得るためには、造影剤投与後に比較的長時間のデータ収集が必要となる。しかし、検査時間が長時間になるほど、検査者や被検体に掛かる負担が大きくなる。
【0006】
そこで、検査者や被検体の負担を軽減するための手法として、間欠的なデータを取得する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この手法では、例えば、10分間の造影剤からの信号強度の変化を観察したい場合、10分の間連続して超音波走査や画像記録を行うのではなく、最初の1分間は連続して撮像するが、その後は、所定時間(例えば1分)経過するたびに5秒間などの短時間の動画を撮像する。したがって、最初の1分は連続的にスキャンをするので多数の超音波画像を含む画像群を取得する必要がある。しかし、最初の1分が経過した後は、所定時間(例えば1分)経過するたびに、例えば5秒程度の短い時間長に対応する画像群を取得すればよい。したがって、最初の1分の画像を取得した後は、短い時間だけ画像取得に集中すればよく、検査者や被検体の負担を軽減することができる。これらの画像群を取得した後、検査者は、画像群ごとに時間強度曲線を作成し、作成された時間強度曲線を時系列に並べて統合することにより1つの時間強度曲線を表示する。したがって、検査者は、統合によって得られた1つの時間強度曲線を参照することにより、様々な診断情報を得ることができる。
【0007】
1つの統合された時間強度曲線を作成する場合、ユーザは、先ず、検査によって得られた複数の画像群の中から1つの画像群を選択する。そして、選択された画像群に関心領域を付与し、付与された関心領域におけるデータ群を確認しながら、関心領域の位置、大きさ、及び/又は形状などを調整し、関心領域を決定する。このようにして、選択した画像群に対して関心領域を決定することにより、選択した画像群に対応するデータ群を求めることができる。データ群を求めることができたら、ユーザは、複数の画像群の中から次の画像群を選択する。そして、選択された次の画像群に対して関心領域を決定し、データ群を求める。以下同様に、複数の画像群の中から画像群を選択し、全ての画像群に対してデータ群を求める。そして、画像群ごとに得られたデータ群に基づいて、1つの統合された時間強度曲線を作成することができる。この場合、全ての画像群に対して所望のデータ群を求めることができていれば、1つの統合された時間強度曲線は、診断に有益な情報を得るのに適していると考えられる。しかし、検査で得られた複数の画像群のうちの1つ以上の画像群に対して、所望のデータ群を得ることができなかった場合、1つの統合された時間強度曲線は、診断に有益な情報を得るのに適していない恐れがある。そこで、ユーザは、全ての画像群に対して所望のデータ群を得るために、選択された画像群に対して関心領域の最適な位置などを慎重に検討し、選択された画像群について所望のデータ群が得られたと判断できたら、次の画像群を選択している。しかし、ユーザにとって、選択された画像群に対して所望のデータ群が得られたかどうかを判断することは必ずしも簡単な作業ではない。このため、ユーザが、或る画像群に対してデータ群を求める作業をしているときに、既にデータ群を求める作業が完了した画像群に対して、データ群の修正をしたいと考えることがある。この場合、データ群に対して必要な修正作業をすることなく、1つの統合された時間強度曲線を作成してしまうと、診断に有益な情報を得ることができなくなる恐れがある。このような問題に対処する方法としては、後でデータ群の修正作業をしなくても済むように、ユーザが各画像群に対して最適な関心領域を決定する作業を十分に時間を掛けて慎重に行うことが考えられる。しかし、このような作業はユーザの作業負担を増加させてしまうという問題があり、また、後でデータ群の修正作業をしなくても済むようにユーザが関心領域を決定することは実際には難しいという問題もある。
【0008】
したがって、ユーザがデータ群の修正作業を容易に行うことができる超音波診断装置の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点は、ユーザインターフェースと、
プロセッサと、
複数の画像群を記憶する記憶装置であって、各画像群は、時系列に並ぶ複数の超音波画像を含む、記憶装置と、
ディスプレイと
を含み、
(i)前記ユーザインターフェースは、前記複数の画像群の中から1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付け、
(ii)前記プロセッサは、前記ユーザインターフェースが前記1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付けると、選択された画像群に含まれる超音波画像をディスプレイに表示し、
(iii)前記ユーザインターフェースは、前記ディスプレイに表示された超音波画像に関心領域を付与するユーザの入力を受け付け、
(iv)前記プロセッサは、前記ユーザインターフェースが前記関心領域を付与するユーザの入力を受け付けると、前記選択された画像群に含まれる超音波画像に基づいて、前記関心領域における特徴量の時間変化を表すデータ群を作成し、
(v)前記プロセッサは、前記(i)~(iv)を繰り返し実行することにより得られた複数のデータ群を時系列に並べて統合し、該複数のデータ群における前記関心領域の特徴量の時間変化を表すデータ系列を作成する超音波診断装置であって、
前記1つの画像群を選択するユーザの入力は、前記複数の画像群のうちの第1の画像群を選択するユーザの第1の入力と、該第1の入力を受け付けた後、前記複数の画像群のうちの第2の画像群を選択するユーザの第2の入力とを含み、
前記ユーザインターフェースは、前記第2の入力を受け付けた後で、ユーザが、前記第2の入力よりも前に受け付けられた前記第1の入力により選択された前記第1の画像群における前記特徴量の時間変化を表すデータ群に対して修正作業ができるように、前記第1の画像群を再び選択するユーザの入力を受付可能に構成される、超音波診断装置である。
【0010】
本発明の第2の観点は、ユーザインターフェースと、
プロセッサと、
複数の画像群を記憶する記憶装置であって、各画像群は、時系列に並ぶ複数の超音波画像を含む、記憶装置と、
ディスプレイと
を含む超音波診断装置の動作方法であって、前記動作方法は、
(i)前記ユーザインターフェースは、前記複数の画像群の中から1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付け、
(ii)前記プロセッサは、前記ユーザインターフェースが前記1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付けると、選択された画像群に含まれる超音波画像をディスプレイに表示し、
(iii)前記ユーザインターフェースは、前記ディスプレイに表示された超音波画像に関心領域を付与する作業を実行するユーザの入力を受け付け、
(iv)前記プロセッサは、前記ユーザインターフェースが前記関心領域を付与するユーザの入力を受け付けると、前記選択された画像群に含まれる超音波画像に基づいて、前記関心領域における特徴量の時間変化を表すデータ群を作成し、
(v)前記プロセッサは、前記(i)~(iv)を繰り返し実行することにより得られた複数のデータ群を時系列に並べて統合し、該複数のデータ群における前記関心領域の特徴量の時間変化を表すデータ系列を作成する、ことを含み、
前記1つの画像群を選択するユーザの入力は、前記複数の画像群のうちの第1の画像群を選択するユーザの第1の入力と、該第1の入力を受け付けた後、前記複数の画像群のうちの第2の画像群を選択するユーザの第2の入力とを含み、
前記動作方法は、更に、
前記ユーザインターフェースが前記第2の入力を受け付けた後で、ユーザが、前記第2の入力よりも前に受け付けられた前記第1の入力により選択された前記第1の画像群における前記特徴量の時間変化を表すデータ群に対して修正作業ができるように、前記第1の画像群を再び選択するユーザの入力を受け付けることを含む、超音波診断装置の動作方法である。
【0011】
本発明の第3の観点は、ユーザインターフェースと、
プロセッサと、
複数の画像群を記憶する記憶装置であって、各画像群は、時系列に並ぶ複数の超音波画像を含む、記憶装置と、
ディスプレイと
を含む超音波診断装置のプログラムであって、前記プログラムは、
(i)前記ユーザインターフェースが、前記複数の画像群の中から1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付けること、
(ii)前記ユーザインターフェースが前記1つの画像群を選択するユーザの入力を受け付けると、前記プロセッサが、選択された画像群に含まれる超音波画像をディスプレイに表示すること、
(iii)前記ユーザインターフェースが、前記ディスプレイに表示された超音波画像に関心領域を付与する作業を実行するユーザの入力を受け付けること、
(iv)前記ユーザインターフェースが前記関心領域を付与するユーザの入力を受け付けると、前記プロセッサが、前記選択された画像群に含まれる超音波画像に基づいて、前記関心領域における特徴量の時間変化を表すデータ群を作成すること、
(v)前記プロセッサが、前記(i)~(iv)を繰り返し実行することにより得られた複数のデータ群を時系列に並べて統合し、該複数のデータ群における前記関心領域の特徴量の時間変化を表すデータ系列を作成すること、
を含む動作を実行させるものであり、
前記1つの画像群を選択するユーザの入力は、前記複数の画像群のうちの第1の画像群を選択するユーザの第1の入力と、該第1の入力を受け付けた後、前記複数の画像群のうちの第2の画像群を選択するユーザの第2の入力とを含み、
前記プログラムは、更に、
前記ユーザインターフェースが前記第2の入力を受け付けた後で、ユーザが、前記第2の入力よりも前に受け付けられた前記第1の入力により選択された前記第1の画像群における前記特徴量の時間変化を表すデータ群に対して修正作業ができるように、前記ユーザインターフェースが前記第1の画像群を再び選択するユーザの入力を受け付けることを含む動作を実行させる、超音波診断装置のプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、ユーザインターフェースは、第2の画像群を選択する第2の入力を受け付けた後でも、複数の画像群の中から、先に選択された第1の画像群を再び選択して、修正作業をすることができる。したがって、ユーザは、第2の画像群よりも先に選択された第1の画像群のデータ群の修正を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態の超音波診断装置1で被検体をスキャンしている様子を示す図である。
【
図3】造影画像が取得されるタイムラインの説明図である。
【
図4】
図3に示すタイムラインに従って取得されるデータの説明図である。
【
図5】時間強度曲線を作成するフローチャートを示す図である。
【
図7】ユーザにより画像群21が選択された後の画面を示す図である。
【
図8】画像群21に割り当てられたパラメータiを示す図である。
【
図9】ユーザがタッチパネル28に表示されているボタン(TIC Analysis)101をタッチしている様子を示す図である。
【
図10】モニタ18に表示された解析画面の概略図を示す。
【
図14】ユーザが関心領域41および42の大きさおよびサイズを調整した後の様子を示す図である。
【
図15】スムージングの程度が調整された後の時間強度曲線の一例を示す図である。
【
図16】ユーザが関心領域41および42を移動させた様子を示す図である。
【
図17】メモリに記憶される解析情報の説明図である。
【
図18】ターゲットの比較対象となる組織に関心領域51および52が付与された様子を示す図である。
【
図20】画像群22に割り当てられたパラメータiを示す図である。
【
図21】選択された画像群22の時間強度曲線を解析するための解析画面を示す図である。
【
図22】ステップST6でユーザが実行する解析作業の説明図である。
【
図23】メモリに記憶される解析情報の説明図である。
【
図24】以前に選択された画像群21を再び選択する方法の説明図である。
【
図26】モニタ18に表示された修正画面を示す図である。
【
図27】修正された関心領域の位置を示す図である。
【
図29】画像群23に割り当てられたパラメータiを示す図である。
【
図30】選択された画像群23の時間強度曲線を解析するための解析画面を示す図である。
【
図31】3つの選択ボタン104、105、および106が表示されたサブメニュー103を示す図である。
【
図32】J個の選択ボタンが表示されたサブメニュー103を示す図である。
【
図33】ユーザがタッチパネル28に表示されたボタン(Merge Graphs)107をタッチする様子を示す図である。
【
図34】複数のデータ群を1つの統合されたデータ系列として表示する様子を示す図である。
【
図35】時間強度曲線を繋ぐ線81、82、83、および84が追加された様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態の超音波診断装置1で被検体をスキャンしている様子を示す図、
図2は、超音波診断装置1のブロック図である。
【0016】
超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送信ビームフォーマ3、送信器4、受信器5、受信ビームフォーマ6、プロセッサ7、ディスプレイ8、メモリ9、およびユーザインターフェース10を有している。
【0017】
超音波プローブ2は、アレイ状に配置された複数の振動素子2aを有している。送信ビームフォーマ3および送信器4は、超音波プローブ2内に配列された複数の振動素子2aをドライブし、振動素子2aから超音波が送信される。振動素子2aから送信された超音波は被検体57(
図1参照)内において反射し、反射エコーが振動素子2aで受信される。振動素子2aは、受信したエコーを電気信号に変換し、この電気信号をエコー信号として受信器5に出力する。受信器5はエコー信号に対して所定の処理を実行し、受信ビームフォーマ6に出力する。受信ビームフォーマ6は、受信器5から受け取った信号に受信ビームフォーミングを実行し、エコーデータを出力する。
【0018】
受信ビームフォーマ6は、ハードウェアビームフォーマであってもよいし、ソフトウェアビームフォーマであってもよい。受信ビームフォーマ6がソフトウェアビームフォーマである場合、受信ビームフォーマ6は、i)グラフィックス処理ユニット(GPU)、ii)マイクロプロセッサ、iii)中央処理装置(CPU)、iv)デジタル信号プロセッサ(DSP)、v)論理演算を実行することができる他の種類のプロセッサ、のうちの1つまたは複数を含む1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。受信ビームフォーマ6を構成するプロセッサは、プロセッサ7とは別のプロセッサで構成されていてもよいし、プロセッサ7で構成されていてもよい。
【0019】
超音波プローブ2は、送信ビームフォーミングおよび/または受信ビームフォーミングの全部または一部を行うための電気回路を含むことができる。例えば、送信ビームフォーマ3、送信器4、受信器5、および受信ビームフォーマ6の全部または一部は、超音波プローブ2内に設けることができる。
【0020】
プロセッサ7は、送信ビームフォーマ3、送信器4、受信器5、および受信ビームフォーマ6を制御する。また、プロセッサ7は、超音波プローブ2と電子通信している。プロセッサ7は、振動素子2aのどれがアクティブであるか、および超音波プローブ2から送信される超音波ビームの形状を制御する。プロセッサ7はディスプレイ8とも電子通信している。プロセッサ7は、エコーデータを処理して超音波画像を生成することができる。「電子通信」という用語は、有線通信と無線通信の両方を含むように定義することができる。プロセッサ7は、一実施形態によれば中央処理装置(CPU)を含むことができる。他の実施形態によれば、プロセッサ7は、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、または他のタイプのプロセッサなど、処理機能を実行することができる他の電子構成要素を含むことができる。他の実施形態によれば、プロセッサ7は、処理機能を実行することができる複数の電子構成要素を含むことができる。例えばプロセッサ7は、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、およびグラフィックスプロセッシングユニットを含む電子構成要素のリストから選択された2つ以上の電子構成要素を含むことができる。
【0021】
プロセッサ7は、RFデータを復調する複合復調器(図示せず)を含むこともできる。別の実施形態では、処理チェーン(processing chain)の早い段階で復調を実行することができる。
【0022】
また、プロセッサ7は、受信ビームフォーマ6による処理によって得られたデータに基づいて、様々な超音波画像(例えば、Bモード画像、カラードップラ画像、Mモード画像、カラーMモード画像、スペクトルドップラ画像、エラストグラフィ画像、TVI画像、歪み画像、歪み速度画像、など)を生成することができる。また、1つまたは複数のモジュールが、これらの超音波画像を生成することができる。
【0023】
画像ビームおよび/または画像フレームは保存され、データがメモリに取得された時を示すタイミング情報を記録することができる。前記モジュールは、例えば、画像フレームを座標ビーム空間から表示空間座標に変換するために走査変換演算を実行する走査変換モジュールを含むことができる。被検体に処置が実施されている間にメモリから画像フレームを読み取り、その画像フレームをリアルタイムで表示する映像プロセッサモジュールを設けることもできる。映像プロセッサモジュールは画像フレームを画像メモリに保存することができ、超音波画像は画像メモリから読み取られディスプレイ8に表示される。
【0024】
本明細書において、「画像」という用語は、可視画像と可視画像を表すデータの両方を広く指すものとすることができる。また、「データ」という用語は、走査変換演算前の超音波データであるローデータ(raw data)と、走査変換演算後のデータである画像データを含み得る。
【0025】
尚、プロセッサ7が担当する上述の処理タスクを、複数のプロセッサで実行するようにしてもよい。
【0026】
また、受信ビームフォーマ6がソフトウェアビームフォーマである場合、ビームフォーマが実行する処理を、単一のプロセッサで実行させてもよいし、複数のプロセッサで実行させてもよい。
【0027】
ディスプレイ8は、例えば、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。ディスプレイ8は、超音波画像を表示する。第1の実施形態では、ディスプレイ8は、
図1に示すように、表示モニタ18とタッチパネル28とを含んでいるが、ディスプレイ8は、表示モニタ18とタッチパネル28との代わりに、1つのディスプレイで構成されてもよい。また、表示モニタ18とタッチパネル28に代えて、2つ以上の表示装置を備えてもよい。
【0028】
メモリ9は、任意の既知のデータ記憶媒体である。一例では、超音波画像表示ステムは、メモリとして、非一過性の記憶媒体および一過性の記憶媒体を含む。また、超音波画像表示システムは、複数のメモリを含むこともできる。非一過性の記憶媒体は、例えば、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性の記憶媒体である。非一過性の記憶媒体は、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)などの可搬性の記憶媒体を含むことができる。プロセッサ7によって実行されるプログラムは、非一過性の記憶媒体に記憶されている。一過性の記憶媒体は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶媒体である。
【0029】
メモリ9には、プロセッサ7による実行が可能な1つ又は複数の命令が格納されている。この1つ又は複数の命令は、プロセッサ7に、所定の動作を実行させる。
【0030】
尚、プロセッサ7は、外部記憶装置15に有線接続又は無線接続することができるように構成することもできる。この場合、プロセッサ7に実行させる命令を、メモリ9と外部記憶装置15との両方に分散させて記憶させることも可能である。
【0031】
ユーザインターフェース10は、オペレータ56の入力を受け付けることができる。例えば、ユーザインターフェース10は、オペレータ56からの指示や情報の入力を受け付ける。ユーザインターフェース10は、タッチパネル28および操作パネル38を含んでいる。操作パネル38は、キーボード(keyboard)、ハードキー(hard key)、トラックボール(trackball)、ロータリーコントロール(rotary control)などを含んでいる。また、タッチパネルはソフトキーやボタンなどを表示することができる。
超音波診断装置1は上記のように構成されている。
【0032】
次に、本例の超音波診断装置1の動作について説明する。本実施形態では、超音波診断装置1の動作として、被検体の造影画像のデータを取得し、取得した造影画像のデータに基づいて時間強度曲線を作成する例について説明する。
【0033】
先ず、造影画像のデータの取得方法について説明する。具体的には、以下のようにして造影画像のデータを取得する。
【0034】
図3は、造影画像が取得されるタイムラインの説明図である。
オペレータ56は、被検体57に造影剤を注入し、造影画像を取得する。造影剤は、マイクロバブルを有効成分とする造影剤を使用することができる。オペレータ56は、プローブ2を操作し、時点t
11(造影剤を注入した時点、又は造影剤の注入時点に近い時点)から、検査部位の造影画像の取得を開始する。
【0035】
プロセッサ7は、被検体57に対して超音波を送信するよう超音波プローブ2を制御する。超音波プローブ2は、造影剤によって反射した超音波(エコー)を受信する。プロセッサ7は、エコー信号に対して所定の処理を実行し、造影剤によって反射された超音波の信号強度を示すデータを作成する。この造影剤によって反射された超音波の信号強度を示すデータを、造影画像のデータとして得ることができる。
【0036】
オペレータ56は、時点t11から所定の時間に渡って間欠的に造影画像のデータを取得する。オペレータ56は、例えば、時点t11~tn2の間の期間に渡って間欠的に造影画像のデータを取得する。時点t11~tn2の時間長は、例えば、10分程度の時間とすることができる。
【0037】
尚、オペレータ56は、時点t
11~t
n2の間、連続して超音波走査や画像記録を行うのではなく、所要のタイミングでデータを収集する。本実施形態では、時点t
11~t
12は、連続して被検体57のデータの取得SC
1を行い、その後、一定時間が経過するたびに、数秒間のデータの取得SC
2~SC
nが実行される。本実施形態では、
図3に示すタイムラインに従って被検体57のスキャンが実行される。
【0038】
図4は、
図3に示すタイムラインに従って取得されるデータの説明図である。
先ず、オペレータ56は、造影剤を投与し、時点t
11~t
12の間、連続的にスキャンを行い、複数の超音波画像を含む画像群21のデータを取得する。時点t
11~t
12の時間長は「TS
1」で表されており、時間長TS
1は、例えば、60秒である。時点t
11~t
12の間、プロセッサ7は、被検体57に対して超音波を送信するよう超音波プローブ2を制御する。超音波プローブ2は、造影剤によって反射した超音波(エコー)を受信する。プロセッサ7は、エコー信号に対して所定の処理を実行し、造影剤によって反射された超音波の信号強度を示す超音波画像を作成する。超音波画像は、例えば被検体57の肝臓の断面画像である。プロセッサ7は、取得した画像群21のデータをメモリ9に記憶する。本実施形態では、超音波画像として、2種類の超音波画像を作成する。1つは、造影剤で反射したエコー信号に含まれる非線形信号を強調した造影画像であり、もう1つは、Bモード画像である。したがって、画像群21は、時系列に並ぶ複数の造影画像を含む画像群211と、時系列に並ぶ複数のBモード画像を含む画像群212とを含んでいる。
【0039】
時点t11~t12のデータを取得した後、オペレータ56は、データの取得を中断し、造影剤が注入されてから次のデータ取得を開始する時点t21が来るまで待つ。そして、オペレータ56は時点t21~t22の間(時間長TS2)のデータを取得する。時間長TS2は、例えば、5秒である。プロセッサ7は、エコー信号に対して所定の処理を実行し、画像群22を作成する。画像群22は、時系列に並ぶ複数の造影画像を含む画像群221と、時系列に並ぶ複数のBモード画像を含む画像群222とを含んでいる。画像群22のデータはメモリ9に記憶される。
【0040】
時点t21~t22のデータを取得した後、オペレータ56は、データの取得を中断し、造影剤が注入されてから次のデータ取得を開始する時点t31が来るまで待つ。そして、オペレータ56は時点t31~t32の間(時間長TS3)にデータを取得する。時間長TS3は、例えば、5秒である。プロセッサ7は、エコー信号に対して所定の処理を実行し、画像群23を作成する。画像群23は、時系列に並ぶ複数の造影画像を含む画像群231と、時系列に並ぶ複数のBモード画像を含む画像群232とを含んでいる。画像群23のデータはメモリ9に記憶される。
以下同様に、一定時間待った後でデータを取得するステップを繰り返し実行する。
【0041】
最後に、オペレータ56は時点tn1~tn2の間(時間長TSn)にデータを取得する。プロセッサ7は、エコー信号に対して所定の処理を実行し、画像群2nを作成する。画像群2nは、時系列に並ぶ複数の造影画像を含む画像群2n1と、時系列に並ぶ複数のBモード画像を含む画像群2n2とを含んでいる。画像群2nのデータはメモリ9に記憶される。
【0042】
このようにして、被検体57の検査データを取得する。
被検体57をスキャンすることにより得られたデータはメモリ9に記憶される。
【0043】
次に、オペレータ56は、被検体57から取得されたデータに基づいて、時間強度曲線を作成する。以下に、時間強度曲線を作成する方法について、
図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0044】
図5は、時間強度曲線を作成するフローチャートを示す図である。
ステップST1では、ユーザ(例えば、オペレータ56、他のオペレータ、および/又は医師)は、ユーザインターフェース10を操作して、時間強度曲線を作成するための初期画面をモニタ18に表示する(
図6参照)。
【0045】
図6は、初期画面の一例の説明図である。
図6には、モニタ18に表示された初期画面が拡大して示されている。
【0046】
モニタ18の画面にはサムネイル領域20が示されている。サムネイル領域20には、被検体57をスキャンすることにより取得したn個の画像群21~2nの各々に対応するサムネイルが表示されている。
図6では、画像群21~2nのうち、代表して、4つの画像群21、22、23、および2nについて、符号を使用して示してある。初期画面を表示した後、ステップST2に進む。
【0047】
ステップST2では、ユーザは、ユーザインターフェース10を操作して、複数の画像群21~2nの中から、時間強度曲線を作成するために使用する画像群を選択する命令を入力する。ユーザは、例えば、操作パネル38のトラックボールや各種ボタンを操作することにより、複数の画像群21~2nの中から、時間強度曲線を作成するために使用する画像群を選択することができる。例えば、画像群21を選択する場合、ユーザは、操作パネル38を操作して画像群21を選択する命令を入力する。この命令が入力されると、ユーザインターフェース10は、複数の画像群21~2nの中から画像群21を選択するユーザの入力を受け付ける。ユーザインターフェース10がユーザの入力を受け付けると、画像群21が選択され、モニタ18に次の画面が表示される(
図7参照)。
【0048】
図7は、ユーザにより画像群21が選択された後の画面を示す図である。
モニタ18の画面に表示されているサムネイル領域20の右側には、画像表示領域30が示されている。ユーザが画像群21を選択すると、プロセッサは、画像表示領域30に、選択された画像群21の画像を再生する。画像群21には、造影画像の画像群211およびBモード画像の画像群212が含まれており、画像表示領域30の右半分には、画像群211の造影画像311が表示され、左半分には画像群212のBモード画像312が表示される。画像群211および画像群212は、時間長TS
1(
図4参照)の動画として再生される。したがって、ユーザは、時点t
11~t
12の間に取得した画像を動画として確認することができる。尚、画像表示領域30には、造影画像の画像群211の中の1つの造影画像311(複数のフレームの中から選択された1フレームの画像)を静止画像として表示するとともに、Bモード画像の画像群212の中の1つのBモード画像312(複数のフレームの中から選択された1フレームの画像)を静止画像として表示するようにしてもよい。また、造影画像の画像群211およびBモード画像の画像群212のうちの一方の画像群のみを表示するようにしてもよい。画像群が選択されると、ステップST3に進む。
【0049】
ステップST3では、プロセッサは、選択された画像群が、以前に選択されたことがある画像群であるのか、それとも、今回初めて選択された(即ち、新規で選択された)画像群であるかを判断する。選択された画像群が、以前に選択されたことがある画像群の場合ステップST8に進み、一方、今回初めて選択された(即ち、新規で選択された)画像群である場合ステップST4に進む。ここでは、画像群21は、以前に選択された画像群ではなく、今回初めて選択された(新規で選択された)画像群である。したがって、ステップST4に進む。
【0050】
ステップST4において、プロセッサは、ユーザにより選択された画像群に識別子を割り当てる。識別子は、新規に選択された画像群であることを識別できるのであれば、任意の識別子を使用することができる。本実施形態では、識別子として、画像番号を使用する例について説明する。
【0051】
ステップST4では、プロセッサは、新規で選択された画像群の画像番号を表すパラメータiをインクリメントする。ここでは、パラメータiは、初期値i=0に設定されているとする。したがって、プロセッサは、パラメータiを、初期値i=0からi=1にインクリメントする。したがって、プロセッサは、
図8に示すように、画像群21にパラメータi=1(即ち、画像番号1)を割り当ててメモリに記憶する。画像群21にパラメータi=1を割り当てた後、ステップST5に進む。
【0052】
ステップST5では、ユーザは、ユーザインターフェースを操作して、選択された画像群21の時間強度曲線を解析するための解析画面をモニタ18に表示する命令を入力する。この命令は、例えば、タッチパネル28を操作することにより入力することができる。具体的には、
図9に示すように、ユーザがタッチパネル28に表示されているボタン(TIC Analysis)101を指80でタッチすることにより、命令を入力することができる。ユーザインターフェースがユーザの入力(ユーザによるボタン101のタッチ)を受け付けると、プロセッサは、画像群21の時間強度曲線を解析するための解析画面をモニタ18に表示する。
図10に、モニタ18に表示された解析画面の概略図を示す。
【0053】
モニタ18には、サムネイル領域20と、画像表示領域40と、TIC領域60が表示されている。サムネイル領域20には、画像群21~2nが表示されている。画像表示領域40には、選択された画像群21に含まれる画像群211(造影画像311)と画像群212(Bモード画像312)が表示されている。TIC領域60は、時間強度曲線が表示される領域である。モニタ18に解析画面が表示された後、ステップST6に進む。
【0054】
ステップST6では、ユーザは、解析作業を実行する。以下に、具体的な作業内容について説明する。
先ず、ユーザは、モニタ18に表示された造影画像311(およびBモード画像312)上に関心領域を付与する。
図11は、関心領域の付与方法の説明図である。
【0055】
ユーザは、造影画像311(およびBモード画像312)を参照しながら、検査部位のターゲット(例えば、腫瘍、病変)の箇所を確認する。そして、ユーザは、ユーザインターフェースを操作して、造影画像311(およびBモード画像312)のターゲットの箇所に関心領域を付与する命令を入力する。ユーザインターフェースが関心領域を付与するユーザの入力を受け付けると、プロセッサ7は、造影画像311(およびBモード画像312)上に、関心領域41および42を表す図形を表示する。
図11では、関心領域41および42は円の図形によって表されている。Bモード画像312における関心領域42の位置は、造影画像311における関心領域41の位置に対応している。ユーザは、ユーザインターフェースを操作することによって、関心領域41および42を同時に移動させることができる。
【0056】
関心領域が付与されると、プロセッサ7は、画像群211の各造影画像311(各フレーム)に対して、関心領域41における特徴量を計算する。関心領域41における特徴量は、例えば、関心領域41における輝度情報を表す値として計算することができる。一例として、関心領域41における特徴量は、関心領域41に含まれるピクセル値の平均値、中央値、又は標準偏差として計算することができる。このようにして、画像群211の造影画像311ごとに、関心領域41の特徴量を計算することができる。
【0057】
関心領域の特徴量が計算されると、プロセッサは、
図11のTIC領域60に示されるように、画像群211の造影画像311ごとに計算された関心領域41の特徴量を表示する。TIC領域60には、造影画像311の画像群211に対して計算された関心領域41の特徴量の時間変化を表すデータ群61が示されている。データ群61の横軸は時間であり、縦軸は関心領域の特徴量を示す。
図11では、データ群61に含まれる各データは黒丸で示されている。データ群61の各データは、画像群211の各造影画像311における関心領域41の特徴量を表している。例えば、データDaは、時点t
aにおける造影画像に基づいて計算された関心領域41の特徴量を表している。
【0058】
ユーザは、TIC領域60に表示されたデータ群61を参照することによって、関心領域41の特徴量の時間変化を視覚的に認識することができる。尚、
図11では、関心領域41の特徴量の時間変化は、時系列に並べられた点で表示されている。しかし、関心領域41の特徴量の時間変化を視覚的に認識しやすくするために、
図12に示すように、時間軸方向に隣接する点どうしが線で繋がれた時間強度曲線62を表示するようにしてもよい。また、点は使用せずに、
図13に示すように、関心領域41の特徴量の時間変化を表すデータ群を線のみで示した時間強度曲線63を表示するようにしてもよい。このように、関心領域41の特徴量の時間変化は、様々な方法で表示することができる。以下の説明では、説明の便宜上、関心領域の特徴量の時間変化は、
図13に示すように、線のみを使用して表示するものとする。
【0059】
このように、TIC領域60に表示される時間強度曲線63を参照することにより、ユーザは、関心領域41の特徴量が時間とともにどのように変化しているかを視覚的に認識することができる。
【0060】
尚、ユーザは、必要に応じて、時間強度曲線を作成するための条件を変更することができる。
例えば、ユーザは、ターゲットの大きさやターゲットの形状などに応じて、関心領域の大きさや形状を変更することができる。ターゲットが例えば楕円形状を有している場合、ユーザは、関心領域の大きさおよび形状を、ターゲットの楕円形状に対応するように調整することができる。
図14は、ユーザが関心領域41および42の大きさおよびサイズを調整した後の様子を示す図である。
図14では、関心領域41および42の形状を楕円形に調整した例が示されている。このように、ユーザは、ターゲットの大きさや形状に基づいて、関心領域41および42の大きさや形状を調整することができる。関心領域41および42の大きさや形状が調整された場合、プロセッサは、
図14に示すように、調整後の関心領域41に対応した時間強度曲線64を表示する。
【0061】
また、ユーザは、時間強度曲線のスムージングの程度を調整することができる。ユーザは、例えば、モニタ18に表示されている時間強度曲線63(
図13参照)を参照することにより、関心領域の特徴量がどのように時間変化しているのかを認識することができるが、必要に応じて、時間強度曲線63のスムージングの程度を調整したいと考える場合がある。例えば、ユーザは、時間強度曲線63の波形をもう少し滑らかにしたいと考える場合や、その逆に、時間強度曲線63の波形をもう少し粗くしたいと考える場合がある。この場合、ユーザはユーザインターフェースを操作し、時間強度曲線のスムージングの程度を調整するためのスムージング処理を実行する命令を入力することができる。ユーザインターフェースは、時間強度曲線のスムージングの程度を調整するユーザの入力を受け付けると、プロセッサ7は、時間強度曲線のスムージングの程度が調整されるようにスムージング処理を実行し、時間強度曲線を表示する。
図15は、スムージングの程度が調整された後の時間強度曲線の一例を示す図である。
図15では、スムージングの程度が調整された後の時間強度曲線が符号「65」で示されている(尚、
図15では、スムージング処理の効果を明確にするために、参考として、スムージングの程度を調整する前の時間強度曲線63が細線で示されている。この時間強度曲線63は、TIC領域60に表示しなくてもよい)。
【0062】
ユーザは、時間強度曲線のスムージングの程度を調整することにより、関心領域の特徴量の時間変化の傾向を視覚的に認識しやすくすることができる。スムージング処理としては、例えば、時間軸方向に隣接するm個のデータの平均値を計算する移動平均法を利用することができる。mの値を増減させることにより、時間強度曲線のスムージングの程度を調整することができるので、ユーザは、時間強度曲線の滑らかさをユーザ自身の好みに合うように調整することができる。
【0063】
尚、被検体の拍動する部位を検査する場合や、被検体の呼吸動作などにより動く部位を検査する場合、ユーザがターゲット(例えば、腫瘍、病変)に一致するように関心領域を付与しても、検査部位の動きによってターゲットが動くので、ターゲットの位置が関心領域の位置からズレてしまうことがある。このターゲットと関心領域との間の位置ずれが大きくなってしまうと、ターゲットにおける特徴量の時間変化が正しく反映された時間強度曲線を得ることができない恐れがある。そこで、心臓や腹部などの動く部位に関心領域を付与する場合、ターゲットの動きに関心領域が追従できるように、関心領域の動き補正を実行するようにしてもよい。ユーザが、ユーザインターフェースを操作して、関心領域の動き補正を実行するための命令を入力し、ユーザインターフェースが関心領域の動き補正を実行するユーザの入力を受け付けると、プロセッサは、関心領域がターゲットの動きに追従して動くように関心領域の動き補正を実行する。したがって、検査部位が動いても、関心領域がターゲットに位置決めされるので、ターゲットの特徴量の時間変化が正しく反映された時間強度曲線を得ることができる。
【0064】
また、ユーザは、関心領域の位置を調整したい場合は、ユーザインターフェースを操作することにより、関心領域の位置を所望の位置に移動させることができる。
図16は、ユーザが関心領域41および42を移動させた様子を示す図である。
図16では、ユーザは関心領域41および42を元の位置(
図15参照)に対して左側に移動させた例が示されている。このように、ユーザは、画像上で関心領域を任意の位置に自在に移動させることができる。関心領域41の位置を移動させた場合、プロセッサは、
図16に示すように、移動後の関心領域41の特徴量の時間変化を表す時間強度曲線66を表示することができる。
【0065】
上記のように、ユーザは、ターゲットの箇所を参考にして画像上に関心領域を設置し、時間強度曲線を参考にしながら、関心領域の位置を調整する。また、ユーザは、必要に応じて、関心領域の大きさや形状を調整したり、時間強度曲線のスムージングの程度を調整する。このようにして、ユーザは、画像群21を解析する。そして、時間強度曲線に関する画像群21の解析情報(関心領域の位置、大きさ、形状、色、スムージングの程度、関心領域の動き補正の有無など)を決定することができたら、ユーザは、決定した解析情報をメモリに記憶する。ユーザは、ユーザインターフェースを操作して、解析情報をメモリに記憶する命令を入力する。ユーザインターフェースが、解析情報をメモリに記憶するユーザの入力を受け付けると、プロセッサは、解析情報をメモリに記憶する。
図17は、メモリに記憶される解析情報の説明図である。メモリに記憶される解析情報としては、例えば、関心領域の位置、大きさ、形状、色、スムージングの程度、関心領域の動き補正の有無などがあるが、これらの解析情報に限定されることは無く、これらの解析情報の代わりに、又はこれらの解析情報に加えて、他の解析情報をメモリに記憶してもよい。解析情報はデータ番号D1の欄に記憶される。また、プロセッサは、解析情報を、選択された画像群21にマッピングしてメモリに記憶する。
【0066】
また、ユーザは、必要に応じて、他の関心領域も付与する。例えば、検査部位の診断をする上で、ターゲット(例えば、腫瘍、病変)の時間強度曲線だけでなく、ターゲットの比較対象となる組織の時間強度曲線を作成したいと考える場合がある。このような場合、ユーザは、他の関心領域も付与する。ここでは、ターゲットの比較対象となる組織の時間強度曲線を作成するとする。したがって、ユーザは、ターゲットの比較対象となる組織に関心領域を付与する。
図18は、ターゲットの比較対象となる組織に関心領域51および52が付与された様子を示す図である。関心領域51および52が付与された後、関心領域51の特徴量が計算され、関心領域51の特徴量の時間変化を表す時間強度曲線67が表示される。
図18では、ターゲットの比較対象となる組織の時間強度曲線67は、破線で示されている。ユーザは、時間強度曲線67に関する画像群21の解析情報を決定することができたら、決定した解析情報をメモリに記憶する。プロセッサは、時間強度曲線67に関する画像群21の解析情報(関心領域の位置、大きさ、形状、色、スムージングの程度、関心領域の動き補正の有無など)が、画像群21に対応しているデータ番号D1(
図17参照)の欄に追加されるように、解析情報をメモリに記憶する。従って、データ番号D1には、関心領域がターゲットに付与されたときの解析情報と、関心領域がターゲットの比較対象となる組織に付与されたときの解析情報が記憶される。
【0067】
ユーザは、更に関心領域を付与する場合は、上記の方法にしたがって、関心領域を付与する。一方、必要な関心領域を全て付与した場合は、ステップST7に進む。ここでは、必要な関心領域は全て付与されたとする。したがって、ステップST7に進む。
【0068】
ステップST7では、ユーザは、画像群を更に選択するかどうかを判断する。画像群を選択する場合、ステップST2に戻り、画像群を選択しない場合、ステップST11に進む。ここでは、ユーザは、画像群を更に選択すると判断する。したがって、ステップST2に戻る。
ステップST2では、ユーザは、時間強度曲線を解析するための次の画像を選択する。
【0069】
図19は、次の画像群の選択方法の説明図である。
ユーザは、ユーザインターフェースを操作して、画像群21~2nの中から、時間強度曲線を解析するための次の画像群を選択する命令を入力する。ここでは、ユーザは、次の画像群として、画像群22を選択することを考える。したがって、ユーザは、ユーザインターフェースを操作して、画像群21~2nの中から、画像群22を選択する命令を入力する。ユーザは、例えば、操作パネル38のトラックボールや各種ボタンを操作することにより、画像群22を選択する命令を入力することができる。ユーザが命令を入力すると、ユーザインターフェースは、複数の画像群21~2nの中から画像群22を選択するユーザの入力を受け付け、画像群22が選択される。画像群22が選択されると、ステップST3に進む。
【0070】
ステップST3では、プロセッサは、選択された画像群22が、以前に選択されたことがある画像群であるのか、それとも、今回初めて選択された(即ち、新規で選択された)画像群であるかを判断する。画像群22は、以前に選択された画像群ではなく、今回初めて選択された(新規で選択された)画像群である。したがって、ステップST4に進む。
【0071】
ステップST4では、プロセッサは、新規で選択された画像群の画像番号を表すパラメータiをインクリメントする。パラメータiの現在値はi=1であるので、プロセッサは、パラメータiを、i=1からi=2にインクリメントする。そして、プロセッサは、
図20に示すように、パラメータi=2を画像群22に割り当ててメモリに記憶する。画像群22にパラメータi=2を割り当てた後、ステップST5に進む。
【0072】
ステップST5では、プロセッサ7は、選択された画像群22のデータを読み出し、モニタ18に、選択された画像群22の時間強度曲線を解析するための解析画面を表示する(
図21参照)。
【0073】
図21は、選択された画像群22の時間強度曲線を解析するための解析画面を示す図である。
画像群22には、造影画像の画像群221およびBモード画像の画像群222が含まれており、画像表示領域40の上段には、画像群221の造影画像321が表示され、下段には画像群222のBモード画像322が表示される。画像群221および画像群222は、時間長TS
2(
図4参照)の動画として再生される。尚、画像表示領域40には、画像群221の中の1つの造影画像321(複数のフレームの中から選択された1フレームの画像)を静止画像として表示するとともに、画像群222の中の1つのBモード画像322を静止画像として表示するようにしてもよい。また、造影画像の画像群221およびBモード画像の画像群222のうちの一方の画像群のみを表示するようにしてもよい。
【0074】
画像群22の造影画像321およびBモード画像322が表示されたら、ステップST6に進む。
ステップST6では、ユーザは、選択された画像群22の解析作業を実行する(
図22参照)。
【0075】
図22は、ステップST6でユーザが実行する解析作業の説明図である。
ユーザは、モニタ18に表示された造影画像321(およびBモード画像322)を参照しながら、検査部位のターゲット(例えば、腫瘍、病変)の箇所を確認する。そして、ユーザは、ユーザインターフェースを操作して、造影画像321(およびBモード画像322)のターゲットの箇所に関心領域を付与する命令を入力する。ユーザは、例えば、操作パネル38のトラックボールや各種ボタンを操作することにより、造影画像およびBモード画像上に関心領域を付与することができる。ユーザインターフェースが関心領域を付与するユーザの入力を受け付けると、プロセッサ7は、造影画像321(およびBモード画像322)上に、関心領域43および44を表す図形を表示する。Bモード画像322における関心領域44の位置は、造影画像321における関心領域43の位置に対応している。ユーザは、ユーザインターフェースを操作することによって、関心領域43および44を同時に移動させることができる。
【0076】
プロセッサ7は、画像群221の各造影画像321(各フレーム)に対して、関心領域43の特徴量を計算する。この特徴量は、例えば、関心領域43に含まれるピクセル値の平均値、中央値、又は標準偏差とすることができる。そして、プロセッサは、
図22のTIC領域60に示されるように、関心領域43の特徴量の時間変化を表すデータ群(時間強度曲線68)を表示する。
【0077】
ユーザは、時間強度曲線などを参考にしながら、関心領域の位置を調整する。また、ユーザは、必要に応じて、関心領域の大きさや形状を調整したり、時間強度曲線のスムージングの程度を調整する。
このようにして、ユーザは、時間強度曲線68に関する画像群22の解析情報を決定する。
【0078】
また、ユーザは、ターゲットの比較対象の組織に関心領域53および54を付与し、時間強度曲線69を作成する。そして、時間強度曲線69に関する画像群22の解析情報も決定する。
【0079】
ユーザは、時間強度曲線68および69に関する画像群22の解析情報を決定したら、ユーザインターフェースを操作して、これらの解析情報をメモリに記憶する命令を入力する。ユーザインターフェースが、解析情報をメモリに記憶するユーザの入力を受け付けると、プロセッサは、解析情報をメモリに記憶する。
図23は、メモリに記憶される解析情報の説明図である。プロセッサは、時間強度曲線68に関する画像群22の解析情報と、時間強度曲線69に関する画像群22の解析情報を、画像群22にマッピングして、データ番号D2の欄に記憶する。画像群22の解析情報を記憶したら、ステップST7に進む。
【0080】
ステップST7は、ユーザは、画像群を更に選択するかどうかを判断する。ユーザは、例えば、画像群23を選択したいと考えた場合は、ユーザインターフェースを操作して次の画像群23を選択することができる。
【0081】
一方で、ユーザは、各画像群に対して時間強度曲線を解析する作業を行っている途中で、以前に選択された画像群(例えば、画像群21)の解析情報を再度確認したり、以前に選択された画像群のデータ群(例えば、画像群21のデータ群61)に対して修正作業を行いたいと判断することがある。例えば、ユーザは、現在選択されている画像群22の関心領域43(
図22参照)の位置や時間強度曲線68の波形から判断すると、以前に選択した画像群21のデータ群61(例えば、
図13参照)を修正したほうがいいのではないかと考えることがある。
【0082】
しかし、
図22を参照すると、現在選択されている画像群は画像群22であり、モニタ18の画像表示領域40には、画像群22の造影画像321およびBモード画像322が表示され、TIC領域60には、画像群22のデータ群(時間強度曲線68および69)が表示されている。したがって、画像群22が選択されている状態では、以前に選択された画像群21のデータ群を修正することができない。
【0083】
そこで、本実施形態では、ユーザインターフェースは、必要に応じて、ユーザが、以前に選択された画像群(例えば画像群21)のデータ群(時間強度曲線)に対して修正作業をすることができるように構成されている。具体的には、ユーザインターフェースは、画像群22を選択するユーザの入力を受け付けた後でも、以前に選択した画像群21を再び選択するユーザの入力を受け付けることができるように構成されている。
【0084】
以下では、ステップST7において、ユーザが、以前に選択された画像群21を再び選択したいと考えた場合のフローについて説明する。
【0085】
ステップST7において、ユーザが、以前に選択された画像群21を再び選択したいと考えた場合、ステップST2に戻る。
【0086】
ステップST2では、ユーザは、タッチパネル28を操作して、以前に選択された画像群21を再び選択する(
図24参照)。
【0087】
図24は、以前に選択された画像群21を再び選択する方法の説明図である。
ユーザは、以前に選択した画像群21のデータ群を修正したいと考えた場合、ユーザインターフェースを操作して、以前に選択された画像群21を再び選択する命令を入力する。本実施形態では、ユーザは、以前に選択された画像群21を選択するために、先ず、
図24に示すように、タッチパネル28のボタン102を指80でタッチする。ユーザがボタン102をタッチすると、
図25に示すように、ユーザにより以前に選択された画像群を、ユーザが再び選択できるようにするためのサブメニュー103が表示される。サブメニュー103には、2つの選択ボタン104および105が表示されている。選択ボタン104には画像番号1が含まれている。この画像番号1は、選択ボタン104が、画像番号1(パラメータi=1)が割り当てられた画像群21(
図20参照)をユーザが再び選択できるようにするためのボタンであることを表している。また、選択ボタン105には画像番号2が含まれている。この画像番号2は、選択ボタン105が、画像番号2(パラメータi=2)が割り当てられた画像群22をユーザが再び選択できるようにするためのボタンであることを表している。ここでは、ユーザは、画像群21の修正作業を考えているので、ユーザは、選択ボタン104をタッチする。ユーザが選択ボタン104をタッチすると、タッチパネル28は、画像番号1に対応する画像群21を再び選択するユーザの入力を受け付け、画像群21が選択される。画像群21が選択されると、ステップST3に進む。
【0088】
ステップST3では、プロセッサは、選択された画像群21が、以前に選択されたことがある画像群であるのか、それとも、今回初めて選択された(即ち、新規で選択された)画像群であるかを判断する。画像群21は、新規に選択された画像ではなく、以前に選択された画像である。したがって、ステップST8に進む。
【0089】
ステップST8では、プロセッサは、メモリから、画像群21にマッピングされた解析情報(
図23に示すデータ番号D1の欄の解析情報)を読み出して復元する。解析情報を復元した後、ステップST9に進む。
【0090】
ステップST9では、プロセッサは、モニタ18に画像群21用の修正画面を表示する(
図26参照)。
【0091】
図26は、モニタ18に表示された修正画面を示す図である。
プロセッサは、モニタ18に、復元された画像群21の解析情報に基づいて、画像群21の修正画面を表示する。
【0092】
モニタ18の画像表示領域40には、再び選択された画像群21の造影画像311およびBモード画像312が表示されている。造影画像311には、ユーザが画像群21を新規で選択したときに付与された関心領域41および51が表示されており、Bモード画像312には、ユーザが新規で画像群21を選択したときに付与された関心領域42および52が表示されている。また、TIC領域60には、造影画像311の関心領域41の時間強度曲線66および関心領域51の時間強度曲線67も表示されている。修正画面が表示された後、ステップST10に進む。
【0093】
ステップST10では、ユーザは、画面に表示されている関心領域の位置や時間強度曲線の波形を確認し、画像群21のデータ群(時間強度曲線66および67)に対して修正作業を行うかどうかを判断する。ユーザは修正作業を行うと判断した場合、ユーザインターフェースを操作し、修正の命令を入力する。ユーザは、例えば、現在の関心領域41の位置がターゲットの位置からズレていると考えた場合、ユーザインターフェースを操作し、関心領域の位置を修正するための命令を入力する。ユーザインターフェースが、関心領域の位置を修正するユーザの入力を受け付けると、プロセッサは、ユーザの入力に基づいて、関心領域の位置を修正する(
図27参照)。
【0094】
図27は、修正された関心領域の位置を示す図である。
ユーザは、例えば、操作パネル38のトラックボールや各種ボタンを操作することにより、関心領域41の位置を修正する命令を入力することができる。ユーザインターフェースが、関心領域41の位置を修正するユーザの入力を受け付けると、プロセッサは、ユーザの入力に基づいて、関心領域41を、位置Pから位置Qに移動させる。関心領域41の位置が移動すると、プロセッサは、位置が修正された後の関心領域41内のピクセル値に基づいて、関心領域41内の輝度値を計算し、位置Qの関心領域41における特徴量の時間変化を表すデータ群(時間強度曲線661)を表示する。
【0095】
したがって、ユーザは、修正後の関心領域のデータ群(時間強度曲線661)を確認することができる。ユーザは、必要に応じて、関心領域41の位置を更に修正しながら、関心領域41のデータ群(時間強度曲線)を確認する。このようにして、ユーザは、関心領域41の位置を修正することができる。
【0096】
また、ユーザは、必要に応じて、他の修正作業をすることもできる。他の修正作業としては、例えば、新たな関心領域を付与すること、関心領域の大きさ、形状、又は色を変更すること、スムージングの程度を変更すること、関心領域の動き補正の有無を変更することなどがある。
【0097】
このようにして、ユーザは、関心領域における特徴量の時間変化を表すデータ群に対して修正作業を行うことができる。修正作業を行った後、ユーザは、ユーザインターフェースを操作して、メモリに記憶されている解析情報を、修正後の解析情報に更新する命令を入力する。この命令が入力されると、プロセッサは、修正後の解析情報をメモリに記憶し、その結果、解析情報が更新される。修正作業が終了した後、ステップST7に戻る。
【0098】
ステップST7は、ユーザは、画像群を更に選択するかどうかを判断する。画像群を選択する場合、ステップST2に戻り、画像群を選択しない場合、ステップST11に進む。ここでは、ユーザは、画像群を更に選択すると判断する。したがって、ステップST2に戻る。
ステップST2では、ユーザは、時間強度曲線を解析するための次の画像を選択する。
【0099】
図28は、次の画像群の選択方法の説明図である。
ユーザは、ユーザインターフェースを操作して、画像群21~2nの中から、時間強度曲線を解析するための次の画像群を選択する命令を入力する。ここでは、ユーザは、次の画像群として、画像群23を選択することを考える。したがって、ユーザは、ユーザインターフェースを操作して、画像群21~2nの中から、画像群23を選択する命令を入力する。ユーザは、例えば、操作パネル38のトラックボールや各種ボタンを操作することにより、画像群23を選択する命令を入力することができる。ユーザが命令を入力すると、ユーザインターフェースは、複数の画像群21~2nの中から画像群23を選択するユーザの入力を受け付け、画像群23が選択される。画像群22が選択されると、ステップST3に進む。
【0100】
ステップST3では、プロセッサは、選択された画像群23が、以前に選択されたことがある画像群であるのか、それとも、今回初めて選択された(即ち、新規で選択された)画像群であるかを判断する。画像群23は、以前に選択された画像群ではなく、今回初めて選択された(新規で選択された)画像群である。したがって、ステップST4に進む。
【0101】
ステップST4では、プロセッサは、新規で選択された画像群23の画像番号を表すパラメータiをインクリメントする。パラメータiの現在値はi=2であるので、プロセッサは、パラメータiを、i=2からi=3にインクリメントする。そして、プロセッサは、
図29に示すように、パラメータi=3を画像群23に割り当ててメモリに記憶する。画像群23にパラメータi=3を割り当てた後、ステップST5に進む。
【0102】
ステップST5では、プロセッサ7は、選択された画像群23のデータを読み出し、モニタ18に、選択された画像群23の時間強度曲線を解析するための解析画面を表示する(
図30参照)。
【0103】
図30は、選択された画像群23の時間強度曲線を解析するための解析画面を示す図である。
画像群23には、造影画像の画像群231およびBモード画像の画像群232が含まれており、画像表示領域40の上段には、画像群231の造影画像331が表示され、下段には画像群232のBモード画像332が表示される。画像群231および画像群232は、時間長TS
3(
図4参照)の動画として再生される。尚、画像表示領域40には、画像群231の中の1つの造影画像331(複数のフレームの中から選択された1フレームの画像)を静止画像として表示するとともに、画像群232の中の1つのBモード画像332を静止画像として表示するようにしてもよい。また、造影画像の画像群231およびBモード画像の画像群232のうちの一方の画像群のみを表示するようにしてもよい。
画像群23の造影画像331およびBモード画像332が表示されたら、ステップST6に進む。
【0104】
ステップST6では、ユーザは、選択された画像群23における時間強度曲線を解析するための解析作業を実行する。解析作業は、これまで説明した方法と同様の方法で行われるので、説明は省略する。解析作業を終了したら、ステップST7に進み、ユーザは、画像群を更に選択するかどうかを判断する。そして、画像を選択すると判断したら、ステップST2に戻る。
【0105】
ステップST2に戻り、ユーザが、以前に選択された画像群を修正したいと考えた場合、例えば、画像群22を選択したいと考えた場合には、
図31に示すように、タッチパネル28のボタン102を指80でタッチする。ユーザがボタン102をタッチすると、ユーザにより以前に選択された画像群をユーザが再び選択できるようにするためのサブメニュー103が表示される。サブメニュー103には、3つの選択ボタン104、105、および106が表示されている。選択ボタン104および105は、
図25を参照しながら説明したように、それぞれ、画像群21および22を選択するためのボタンである。一方、選択ボタン106は画像番号3を含んでいる。この画像番号3は、選択ボタン106が、画像番号3が割り当てられた画像群23(
図29参照)をユーザが再び選択できるようにするためのボタンであることを表している。ユーザは、以前に選択された画像群22の修正作業をしたいと考えた場合は、選択ボタン105をタッチする。選択ボタン105がタッチされると、モニタ18に、画像群22の修正画面が表示される。したがって、ユーザは、画像群22のデータ群に対して修正作業をすることができる。
【0106】
以下同様に、ステップST7において、ユーザが画像群の選択が不要であると考えるまで、ステップST2~ST10が繰り返し実行される。ステップST2~ST10を繰り返している間に、以前に選択された画像群の修正作業を実行したいと考えた場合、
図32に示すように、タッチパネル28のボタン102を指80でタッチする。ユーザがボタン102をタッチすると、ユーザにより以前に選択された画像群をユーザが再び選択できるようにするためのサブメニュー103が表示される。サブメニュー103には、J個の選択ボタンが表示されている。したがって、ユーザは、J個の選択ボタンの中から、選択したい画像群に対応するボタンをタッチすることにより、モニタ18に、以前に選択した画像群の修正画面を表示させることができる。
【0107】
そして、ステップST7において、ユーザが、画像群を選択する必要はないと判断した場合、ステップST11に進む。例えば、ユーザが、患者の診断に必要な画像群を全て選択することができたのでこれ以上次の画像を選択しなくてもよいと判断した場合、ステップST11に進む。
【0108】
ステップST11では、ユーザは、ユーザインターフェースを操作して、ステップST1~ST10を実行することにより得られた複数のデータ群を1つの統合されたデータ系列として表示する命令を入力する。本実施形態では、ユーザは、例えば、
図33に示すように、タッチパネル28に表示されたボタン(Merge Graphs)107をタッチすることにより、複数のデータ群を1つの統合されたデータ系列として表示する命令を入力することができる。ユーザインターフェースがこの命令を受け付けると、プロセッサは、複数のデータ群を時系列に並べて統合し、1つの統合されたデータ系列として表示する。
【0109】
図34は、複数のデータ群を1つの統合されたデータ系列として表示する様子を示す図である。
モニタ18には、マージグラフ領域70が表示されている。マージグラフ領域70には、データ系列91および92が表示されている。
図34では、説明の便宜上、3つの画像群21、22、および23から得られたデータ群のデータ系列91および92が示されている。
【0110】
データ系列91は太線で示されており、データ系列92は細線で示されている。
データ系列91は、画像群21、22、および23におけるターゲット(例えば、腫瘍)に付与された関心領域の特徴量の時間変化を表している。データ系列91は、画像群21に基づいて得られたデータ群(時間強度曲線71)、画像群22に基づいて得られたデータ群(時間強度曲線72)、および画像群23に基づいて得られたデータ群(時間強度曲線73)を含んでいる。
【0111】
一方、データ系列92は、ターゲットの比較対象である組織に付与された関心領域の特徴量の時間変化を表している。データ系列92は、画像群21に基づいて得られたデータ群(時間強度曲線74)、画像群22に基づいて得られたデータ群(時間強度曲線75)、および画像群23に基づいて得られたデータ群(時間強度曲線76)を含んでいる。
【0112】
ユーザは、データ系列91および92を参照することにより、画像群ごとのデータ群だけでなく、複数の画像群21、22、および23に渡って関心領域の特徴量が時間とともにどのように変化するかを視覚的に容易に認識することができる。したがって、ユーザに、患者の診断に更に有意義な情報を提供することができる。
【0113】
尚、
図34では、データ系列91の時間強度曲線71、72、および73は離散的に表示されている。また、データ系列92の時間強度曲線74、75、および76も離散的に表示されている。しかし、時間軸方向に隣接する時間強度曲線を線で繋いでもよい。ユーザは、ユーザインターフェースを操作して、時間強度曲線を繋ぐ線を追加する命令を入力することができる。
図35は、時間強度曲線を繋ぐ線81、82、83、および84が追加された様子を示す図である。これらの線を追加することにより、データ系列91および92の各々を、1つの統合された時間強度曲線として表示することができる。尚、時間強度曲線に加えて、又は時間強度曲線の代わりに、時間強度曲線の微分曲線(例えば、一次微分曲線、二次微分曲線など)を表示することもできる。
このようにして、
図4のフローが終了する。
【0114】
本実施形態では、ユーザが、或る画像群を選択した後で、以前に選択した画像群のデータ群の修正をしたいと考えた場合、タッチパネル28で再び選択したい画像群のボタンをタッチするだけで、以前に選択した画像群の修正画面を表示することができる。したがって、ユーザは、以前に選択した画像群のデータ群の修正作業を容易に行うことができる。
【0115】
本実施形態では、ユーザは、タッチパネル28に表示された選択ボタン(例えば、選択ボタン104)をタッチすることにより、以前に選択された画像群を再び選択している。しかし、選択ボタンが、タッチパネル28の代わりにディスプレイ18に表示され、操作パネル38が、ディスプレイ18に表示された選択ボタンの画像番号に対応する画像群を再び選択するユーザの入力を受け付けるように構成されてもよい。
【0116】
本実施形態では、ユーザは、操作パネル38を操作することにより、新規の画像群を選択している。しかし、タッチパネル28を操作することにより、新規の画像群を選択するようにしてもよい。
【0117】
本実施形態では、ステップST3において、ユーザにより選択された画像群が、新規に選択された画像群である場合、ステップST4に進み、ユーザにより選択された画像群に、画像番号を割り当てている。しかし、新規で選択された画像群を識別することができるのであれば、ユーザにより選択された画像群に、画像番号とは異なる識別子を割り当ててもよい。例えば、ユーザにより選択された画像群に、造影剤の投与を開始してからデータの取得を開始するまでの経過時間を、識別子として割り当ててもよい。識別子として経過時間を使用する場合、画像番号の代わりに経過時間を含む選択ボタンをタッチパネル28に表示することができる。この場合、ユーザがタッチパネル28に表示されたボタンをタッチすると、タッチパネル28が、経過時間に対応する画像群を再び選択するユーザの入力を受け付けるように、タッチパネル28を構成することができる。また、経過時間を含む選択ボタンが、タッチパネル28の代わりにディスプレイ18に表示され、ユーザが操作パネル38を操作して選択ボタンを選択する命令を入力すると、操作パネル38が、ディスプレイ18に表示された選択ボタンの経過時間に対応する画像群を再び選択するユーザの入力を受け付けるように構成されてもよい。識別子として経過時間を含む選択ボタンを表示することにより、ユーザは、タッチパネル28又はディプレイ18に表示された選択ボタンが、データ取得SC1~SCn(
図3および
図4参照)のうちのどのデータ取得の画像群に対応しているのか、視覚的に容易に理解することができる。
【符号の説明】
【0118】
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
2a 振動素子
3 送信ビームフォーマ
4 送信器
5 受信器
6 受信ビームフォーマ
7 プロセッサ
8 ディスプレイ
9 メモリ
10 ユーザインターフェース
15 外部記憶装置
18 表示モニタ
20 サムネイル領域
21、22、23、2n 画像群
28 タッチパネル
30、40 画像表示領域
38 操作パネル
41、42、43、44、51、52、53、54 関心領域
56 オペレータ
57 被検体
60 TIC領域
61 データ群
62、63、64、66、67、68、69、71、72、73、74、75、76、661 時間強度曲線
70 マージグラフ領域
80 指
81、82、83、84 線
91、92 データ系列
101、102、107 ボタン
103 サブメニュー
104、105、106 選択ボタン
211、212、221、222,231、232 画像群
311、321、331 造影画像
312、322、332 Bモード画像