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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130723
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】防災無線システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20240920BHJP
   H04N 21/2187 20110101ALI20240920BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240920BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20240920BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
H04N21/2187
H04N7/18 D
G08B25/10 A
G08B23/00 530E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040606
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】宮部 達志
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5C164
【Fターム(参考)】
5C054CC02
5C054DA07
5C054DA08
5C054DA09
5C054EA01
5C054EA03
5C054EA07
5C054FF06
5C054FF07
5C054GB01
5C054HA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087BB02
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD02
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG65
5C164FA07
5C164FA23
5C164SA25P
5C164SB41S
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】 平常時の通信コストを抑えつつ、非常時に防災担当者が手動操作を行わなくても、迅速に画像取得頻度を高く変更でき、利便性を向上させることができる防災無線システムを提供する。
【解決手段】 ネットワークカメラ1に接続して映像データを取得する映像蓄積サーバ20を有し、映像蓄積サーバ20は、Jアラートからの緊急情報を受信し、受信した緊急情報の種別を出力するJアラート受信機7が接続され、Jアラート受信機7から入力される緊急情報の種別に基づいて、映像データの伝送を要求する頻度を、非常時用の頻度として平常時用の頻度に比べて高く設定する防災無線システムとしている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークカメラに接続して映像データを取得するサーバを有する防災無線システムであって、
前記サーバには、全国瞬時警報システムからの緊急情報を受信し、受信した緊急情報の種別を出力する受信機が接続され、
前記サーバは、前記ネットワークカメラに映像データの伝送を要求して当該映像データを取得するものであり、前記映像データの伝送を要求する頻度を、前記受信機から入力される緊急情報の種別によって、非常時としての前記頻度を平常時の前記頻度より高く設定することを特徴とする防災無線システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記緊急情報の種別の内容に応じて非常時の映像データの伝送を要求する頻度を変化させることを特徴とする請求項1記載の防災無線システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記緊急情報の種別の内容に対応して映像データの伝送を要求する頻度を設定可能とするテーブルを備え、前記緊急情報の種別が入力されると、当該テーブルを参照して非常時の映像データの伝送を要求する頻度を変更することを特徴とする請求項2記載の防災無線システム。
【請求項4】
前記受信機からの緊急情報を入力して起動し、同報系の通信装置に当該緊急情報を送信する自動起動装置を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の防災無線システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災無線システムに係り、特に、災害発生時等に、手動で操作を行わなくても画像取得頻度を高くして、利便性を向上させ、きめ細かい防災情報を提供できる防災無線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来、防災のために、道路や河川など自然災害の発生が想定される場所にネットワークカメラを設置した監視が行われている。
ネットワークカメラから得られた画像は、無線やネットワーク網を介して、自治体や消防署などの拠点に設置されているサーバへ伝送されて、画像の蓄積が行われる。サーバに蓄積された画像は、拠点の職員が端末で閲覧し、また、インターネットを介して住民への一般公開が行われ、災害発生時の初動対応や情報提供に活用される。
【0003】
[従来の防災無線システムの構成例:図5]
従来の防災無線システムの構成例について図5を用いて説明する。図5は、従来の防災無線システムの構成例を示す説明図である。
図5に示すように、従来の防災無線システムは、ネットワークカメラ1と、映像蓄積サーバ2と、閲覧端末3とを備えており、ネットワークカメラ1と映像蓄積サーバ2とは、例えば、公衆無線回線4、携帯電話基地局5及び有線ネットワーク6によって接続されている。
【0004】
ネットワークカメラ1は、インターネット等のネットワークに接続可能なカメラであり、ここでは、無線機の機能を備え、携帯電話の公衆無線回線4に接続する。
ネットワークカメラ1は、監視対象となる場所(河川や道路等)に設置されて、監視対象の映像データを取得する。そして、ネットワークカメラ1は、映像蓄積サーバ2からの要求に応じて、取得した映像データを映像蓄積サーバ2に送信する。
【0005】
映像蓄積サーバ2は、ネットワークカメラ1に対して定期的に映像データを要求し、受信した映像データを記憶部に蓄積する。そして、閲覧端末3からの閲覧要求に応じて、映像データを閲覧させる。
また、映像蓄積サーバ2は、行政等が運営する防災関連のウェブサイトに映像データを提供し、ネットワークを介して接続される住民の端末(図示省略)からのアクセスにより、映像データを閲覧させる。
【0006】
図5のように、携帯キャリアなどの公衆無線網を使用したシステムでは、公衆無線回線4において使用通信量に応じた従量課金が課されることが多い。
そのため、通信量を抑えるために、映像蓄積サーバ2では、ネットワークカメラ1からの画像更新頻度(ネットワークカメラ1に対する画像要求の頻度)を低く設定しておくことがある。
【0007】
しかし、災害が発生する恐れがある場合や災害発生時等の非常時には、リアルタイムの情報を得るために画像更新頻度を高くする必要があり、従来は、担当者の操作によって映像蓄積サーバ2における画像要求の頻度を高くするよう、設定変更を行っていた。
【0008】
[Jアラートシステムの構成例:図6]
また、従来、人工衛星等を用いて緊急情報を伝達する全国瞬時警報システム(通称J-ALERT、ここではJアラートと記載)がある。
Jアラートは、ミサイル攻撃情報や緊急地震速報、気象警報などの緊急情報を、自治体等に送信し、同報系防災行政無線等を自動起動することで人手を介さず瞬時に住民等に伝達するシステムである。
【0009】
Jアラートシステムの構成例について図6を用いて説明する。図6は、Jアラートシステムの構成例を示す説明図である。
図6に示すように、Jアラートシステムは、Jアラート受信機7と、Jアラート自動起動装置8と、同報系操作卓9と、同報系基地局10とを備えている。
【0010】
Jアラート受信機7は、衛星アンテナを備え、LG-WAN(Local Government Wide Area Network:総合行政ネットワーク)等に接続され、衛星アンテナ又はLG-WANからJアラート信号を受信すると、受信した情報を解析して、Jアラート自動起動装置8に通知する。
Jアラート自動起動装置8は、Jアラート受信機7からの通知があると、同報系防災同報無線システムを起動し、同報系操作卓9にJアラート信号の内容を通知する。
【0011】
同報系操作卓9は、行政担当者が操作する操作卓であり、Jアラート信号の内容に応じた音声を同報系基地局10に出力する。
同報系基地局10は、各所に設置された子局設備(防災スピーカや戸別受信機)に対して、音声データを同報通信にて無線送信する。
【0012】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2013-106087号公報「無線通信システム」(特許文献1)がある。
特許文献1には、統制局において、Jアラートからの緊急放送音声に含まれる、符号化によって劣化したサイレン音を子局に送信せず、予め用意した代わりのサイレン音に置き換えて送信することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2013-106087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来の防災無線システムでは、通信コストを抑えるために平常時にネットワークカメラからの画像取得頻度を低く設定しておくと、非常時に画像取得頻度を高く変更したい場合に、自治体等の防災担当者が手動によって設定を変更しなければならず、不便であるという問題点があった。
【0015】
尚、特許文献1には、Jアラートの緊急情報を受信した場合に、連動して画像取得頻度を高く変更する構成の記載がない。
【0016】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、平常時の通信コストを抑えつつ、非常時に防災担当者が手動操作を行わなくても、迅速に画像取得頻度を高く変更でき、利便性を向上させることができる防災無線システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、ネットワークカメラに接続して映像データを取得するサーバを有する防災無線システムであって、サーバには、全国瞬時警報システムからの緊急情報を受信し、受信した緊急情報の種別を出力する受信機が接続され、サーバは、ネットワークカメラに映像データの伝送を要求して当該映像データを取得するものであり、映像データの伝送を要求する頻度について、受信機から入力される緊急情報の種別によって、非常時としての頻度を平常時の頻度より高く設定することを特徴としている。
【0018】
また、本発明は、上記防災無線システムにおいて、サーバは、緊急情報の種別の内容に応じて非常時の映像データの伝送を要求する頻度を変化させることを特徴としている。
【0019】
また、本発明は、上記防災無線システムにおいて、サーバは、緊急情報の種別の内容に対応して映像データの伝送を要求する頻度を設定可能とするテーブルを備え、緊急情報の種別が入力されると、当該テーブルを参照して非常時の映像データの伝送を要求する頻度を変更することを特徴としている。
【0020】
また、本発明は、上記防災無線システムにおいて、受信機からの緊急情報を入力して起動し、同報系の通信装置に当該緊急情報を送信する自動起動装置を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ネットワークカメラに接続して映像データを取得するサーバを有する防災無線システムであって、サーバには、全国瞬時警報システムからの緊急情報を受信し、受信した緊急情報の種別を出力する受信機が接続され、サーバは、ネットワークカメラに映像データの伝送を要求して当該映像データを取得するものであり、映像データの伝送を要求する頻度について、受信機から入力される緊急情報の種別によって、非常時としての頻度を平常時の頻度より高く設定する防災無線システムとしているので、地震や大雨等の非常時に、手動で操作を行わなくても、映像データを取得する頻度を平常時よりも高く設定して、きめ細かい監視や防災情報の提供を行うことができ、利便性を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本防災無線システムの構成例を示す説明図である。
図2】映像要求頻度情報の説明図である。
図3】頻度規定テーブルの説明図である。
図4】映像蓄積サーバ4の処理を示すフローチャートである。
図5】従来の防災無線システムの構成例を示す説明図である。
図6】Jアラートシステムの構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る防災無線システム(本防災無線システム)は、ネットワークカメラに映像データの伝送を要求して当該映像データを取得するサーバを備え、サーバには、Jアラートからの緊急情報を受信し、受信した緊急情報の種別を出力する受信機が接続され、サーバは、受信機から入力される緊急情報の種別に基づいて、映像データの伝送を要求する頻度を、非常時用の頻度として平常時用の頻度に比べて高く設定するものであり、Jアラートの緊急情報をトリガとして、手動で操作を行わなくても、迅速に地震や大雨等の非常時に映像データを取得する頻度を高くして、きめ細かい監視や情報提供を行うことができ、利便性を向上させることができるものである。
【0024】
[本防災無線システムの構成:図1
本防災無線システムの構成について図1を用いて説明する。図1は、本防災無線システムの構成例を示す説明図である。
図1に示すように、本防災無線システムは、防災無線システムの映像蓄積サーバにJアラートシステムのJアラート受信機が接続された構成であり、ネットワークカメラ1と、映像蓄積サーバ20と、閲覧端末3と、Jアラート受信機7とを備えている。
また、図示は省略するが、Jアラート受信機7には、図6に示したJアラート自動起動装置8と、同報系操作卓9と、同報系基地局10とが接続されており、従来と同様の動作を行う。
尚、閲覧端末3と同報系操作卓9を同じ場所に設置するのが望ましい。
また、映像蓄積サーバ20からネットワークを介して住民に情報を公開する際、メールや各種SNSを用いてもよい。
【0025】
従来と同様に、ネットワークカメラ1と映像蓄積サーバ20とは、例えば、公衆無線回線4、携帯電話基地局5及び有線ネットワーク6によって接続されている。
また、ネットワークカメラ1は、従来と同様の構成及び動作であるため、説明は省略する。
【0026】
Jアラート受信機7の構成は、基本的には従来と同様であるが、映像蓄積サーバ20に接続されている。
そして、衛星アンテナ7又はLG-WANから緊急情報を受信すると、内容を解析して、従来と同様にJアラート自動起動装置8に出力すると共に、映像蓄積サーバ20に当該緊急情報に含まれる種別の情報を出力する。
【0027】
Jアラート受信機7は、緊急情報の種別毎に、接続機器への制御の有無を選択することが可能であり、本防災無線システムでは、地震や気象の種別について映像蓄積サーバ20に緊急情報の種別を出力するよう予め設定しておく。設定された種別以外の緊急情報を受信した場合には、Jアラート受信機7は、映像蓄積サーバ20に対する出力を行わない。
【0028】
Jアラートシステムの緊急情報の種別としては、例えば、津波警報や記録的短時間大雨情報といった種類があり、本防災無線システムでは、ネットワークカメラ1における監視対象に関係する種別を映像蓄積サーバ20に出力するよう、Jアラート受信機7に設定しておく。
【0029】
Jアラート受信機7と映像蓄積サーバ20との接続は、接点又はLAN(Local Area Network)等のネットワークによって実現する。
但し、接点の場合、複数個を組み合わせて種別を特定して出力する必要があり、接点制御等の構成が複雑になるため、種別の情報を含む電文を出力できるネットワーク接続の方が望ましい。
【0030】
映像蓄積サーバ20は、本防災無線システムの特徴部分であり、制御部21と、記憶部23とを備えた処理装置である。
映像蓄積サーバ20は、従来と同様に、ネットワークカメラ1に映像データを要求して取得し、蓄積するものであるが、本防災無線システムでは、更に、Jアラート受信機7から緊急情報の種別が入力されると、それに基づいてネットワークカメラ1からの映像データの取得頻度を変更する機能を備えている。
【0031】
映像蓄積サーバ20の制御部21は、映像蓄積サーバ20における処理を行う。
また、制御部21は、接続する複数のネットワークカメラ1のそれぞれに対応して、現在設定されている映像データの要求頻度(映像要求頻度、画像取得頻度)を映像要求頻度情報として保持している。映像要求頻度情報を記憶部22に記憶してもよい。
【0032】
また、映像蓄積サーバ20の記憶部21は、Jアラートシステムの緊急情報に含まれる種別に対応して、映像要求頻度を変更する対象となるネットワークカメラ1と、映像データを要求する頻度を記憶する頻度規定テーブルを備えている。頻度規定テーブルについては後述する。
そして、映像蓄積サーバ20の制御部21は、Jアラート受信機7から種別が入力されると、頻度規定テーブルを参照して、当該種別に対応して記憶されたネットワークカメラ1に対する映像要求頻度を変更して設定する。映像蓄積サーバ20の処理については後述する。
【0033】
[映像要求頻度情報:図2
映像要求頻度情報について図2を用いて説明する。図2は、映像要求頻度情報の説明図である。
図2に示すように、映像要求頻度情報は、映像蓄積サーバ20に接続する各ネットワークカメラ1について、現在設定されている映像要求頻度を記憶するものである。
図2の例では、No.1のネットワークカメラの映像要求頻度(要求間隔)は、現在10分に1回と設定されており、No.2のネットワークカメラの映像要求頻度は、30分に1回と設定されている。
【0034】
[頻度規定テーブル:図3
次に、頻度規定テーブルについて図3を用いて説明する。図3は、頻度規定テーブルの説明図である。
図3に示すように、頻度規定テーブルは、Jアラートの緊急情報の種別と、対象となるネットワークカメラ1の番号と、映像要求頻度(要求する間隔)とを対応付けて記憶するものである。
【0035】
種別に対応するネットワークカメラ1の番号は、危機の内容に関連する地域に設けられたカメラであり、例えば、「津波」の種別に対応して、海岸付近や河口付近等の津波が到達しそうな地域に設けられたネットワークカメラNo.1,No.2,No.3の番号が記憶され、「記録的短時間大雨情報」の種別に対応して、河川やダムの水位等を監視するネットワークカメラNo.4,No.5の番号が記憶されている。
【0036】
本防災無線システムの特徴として、種別に対応する映像要求頻度は、平常時用と非常時用の2種類を記憶している。平常時用は通信コストを抑えるために映像データを要求する間隔を長くして頻度を低くし、非常時用は平常時用に比べて間隔を短くして頻度を高くしている。
映像要求頻度は、種別に応じて任意に設定可能であり、図3の例では、「津波」の種別に対応するネットワークカメラ1に対する映像要求頻度は、平常時用は10分に1回の頻度とし、非常時用には1分に1回の頻度として規定している。
これにより、各ネットワークカメラ1の監視対象に応じて適切な映像要求頻度を設定可能とするものである。
【0037】
[制御部21の動作]
映像蓄積サーバ20の制御部21の動作について説明する。
制御部21は、例えばシステム起動時に、頻度規定テーブルから平常時用の映像要求頻度を読み取って、読み取った映像要求頻度を各ネットワークカメラ1に対応付けて設定し、映像要求頻度情報として保持する。
そして、映像要求頻度情報に従って、各ネットワークカメラ1に対して映像データの伝送を要求して、映像データを取得し、記憶部22に記憶する。
【0038】
また、制御部21は、Jアラート受信機7から緊急情報の種別が入力されると、頻度規定テーブルを参照して、当該種別に対応して記憶されている非常時用の映像要求頻度を読み取る。そして、当該種別に対応して記憶されているネットワークカメラ1について、図2に示した映像要求頻度情報を、非常時用の頻度で更新して保持する。
【0039】
これにより、本防災無線システムでは、Jアラート受信機7が気象や地震に関するJアラートの緊急情報を受信した場合には、防災担当者が手動で個々のネットワークカメラ1に対する映像要求頻度を変更しなくても、直ちに関連するネットワークカメラ1の映像要求頻度を高く設定することができ、利便性を向上させると共に、新しい映像を防災活動に利用できるものである。
【0040】
また、映像蓄積サーバ20は、緊急情報の受信によって一旦非常時用の映像要求頻度が設定された場合でも、閲覧端末3等によって非常時用から平常時用に切り替える指示が入力されると、頻度規定テーブルを参照して、対応するネットワークカメラ1の映像要求頻度を平常時用に戻して設定する。
更に、映像蓄積サーバ20は、映像要求頻度を平常時用に戻す指示が入力されない場合でも、一定時間が経過した後には、頻度規定テーブルを参照して、平常時用の頻度に戻すよう制御してもよい。
これにより、通信コストが無駄に増大するのを防ぐことができるものである。
【0041】
また、映像蓄積サーバ20は、入力された映像データに平常時又は非常時を識別する識別子を付与し、更に、非常時にはJアラート緊急情報の種別も一緒に記憶する。
これにより、蓄積された映像データを遡って解析する場合に、非常時の状況に応じて解析が容易となり、利便性が高い。
【0042】
[映像蓄積サーバの処理:図4
次に、映像蓄積サーバ20の制御部21における処理について図4を用いて説明する。図4は、映像蓄積サーバ4の処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、映像蓄積サーバ20は、Jアラート受信機7からJアラート緊急情報の種別が入力されると(100)、頻度規定テーブルを参照して、入力された種別に対応するネットワークカメラ1の番号と、非常時用の映像要求頻度を読み取り、当該ネットワークカメラ1に対応する映像要求頻度情報を非常時用の頻度に変更する(102)。
また、映像蓄積サーバ20は、非常時用の頻度に変更すると、計時を開始する。
【0043】
これにより、受信したJアラート緊急情報に関連した対象物の映像を取得するネットワークカメラ1からの映像データの取得頻度が高くなり、平常時に比べて頻繁に映像データを取得することになる。特に、Jアラート緊急情報の受信をトリガとして、直ちに取得頻度を変更するため、担当者が操作する場合に比べて迅速に取得頻度を切り換えることができるものである。
【0044】
そして、映像蓄積サーバ20は、閲覧端末3等から平常時用の映像要求頻度に戻す指示が入力されたかどうかを判断し(104)、戻す指示が入力されていなければ(Noの場合)、処理102で映像要求頻度を非常時用に変更してから一定時間が経過したかどうかを判断する(106)。
【0045】
処理106で、一定時間が経過していない場合には(Noの場合)、映像蓄積サーバ20は、処理104に戻る。
また、処理104で、映像要求頻度を平常時用に戻す指示が入力された場合(YESの場合)と、処理106で、非常時用の頻度に変更してから一定時間が経過した場合(Yesの場合)には、映像蓄積サーバ20は、処理108に移行して、処理102で変更したネットワークカメラの映像要求頻度を平常時用に変更する(108)。
このようにして、映像蓄積サーバ20の処理が行われるものである。
【0046】
[実施の形態の効果]
本防災無線システムによれば、映像蓄積サーバ20に、Jアラートからの緊急情報を受信し、受信した緊急情報の種別を出力するJアラート受信機7が接続され、映像蓄積サーバ20は、Jアラート受信機7から入力される緊急情報の種別に基づいて、映像データの伝送を要求する頻度を、非常時用の頻度として平常時用の頻度に比べて高く設定する防災無線システムとしているので、平常時の通信コストを抑えつつ、Jアラートの緊急情報をトリガとして、手動で操作を行わなくても、迅速に地震や大雨等の非常時に映像データを取得する頻度を高く設定して、きめ細かい監視や情報提供を行うことができ、利便性を向上させることができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、非常時に防災担当者が手動操作を行わなくても、迅速に画像取得頻度を高く変更でき、利便性を向上させることができる防災無線システムに適している。
【符号の説明】
【0048】
1…ネットワークカメラ、 2,20…映像蓄積サーバ、 3…閲覧端末、 4…公衆無線回線、 5…携帯電話基地局、 6…有線ネットワーク、 7…Jアラート受信機、 8…Jアラート自動起動装置、 9…同報系操作卓、 10…同報系基地局、 21…制御部、 22…記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6