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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130729
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240920BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240920BHJP
【FI】
F21S2/00 440
F21S2/00 432
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040617
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】國持 亨
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA11
3K244BA26
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244FA12
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA03
3K244GA05
3K244GA10
(57)【要約】
【課題】薄型化および高効率化が図れる面状照明装置を提供すること。
【解決手段】実施形態の面状照明装置は、導光板と、基板と、光源と、反射部材とを備える。前記導光板は、入光側面を有する。前記基板は、前記導光板の導光方向に延在し、前記入光側面の非出射側の一端が載置され、前記導光板側の面の表面に反射処理が施される。前記光源は、前記基板上に配置され、前記基板に対向する面を除き、前記入光側面に対向する面を含む複数の面から発光する。前記反射部材は、前記基板、前記光源および前記入光側面を包囲する。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入光側面を有する導光板と、
前記導光板の導光方向に延在し、前記入光側面の非出射側の一端が載置され、前記導光板側の面の表面に反射処理が施された基板と、
前記基板上に配置され、前記基板に対向する面を除き、前記入光側面に対向する面を含む複数の面から発光する光源と、
前記基板、前記光源および前記入光側面を包囲する反射部材と、
を備える面状照明装置。
【請求項2】
前記光源は、略直方体状であり、前記基板に対向する面以外の5面から発光する発光ダイオードである、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
前記反射部材は、一端が前記基板に当接し、前記導光板の厚み方向に延在する壁部と、該壁部の他端から屈曲して前記基板に略平行に延在して前記入光側面を覆う庇部と、隣接する前記光源の間を仕切る仕切り部とを有する、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項4】
前記導光板は、非出射側が平坦で、出射側は前記入光側面側が厚く、前記入光側面側から所定の長さだけ一定の厚みを維持した後にテーパ状に厚みが減少して一定の厚みに達する、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記基板の前記光源が配置される面と反対側の面が固定され、前記導光板が反射シートを介して載置される、板状のボトムフレームを備える、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記ボトムフレームの少なくとも前記入光側面側および終端側の端部に前記基板が設けられない側に係合する折り曲げ部を側壁に有し、前記ボトムフレーム、前記基板、前記光源および前記導光板を包囲し、出射側に開口を有するトップフレームを備え、
前記入光側面側を除き、前記折り曲げ部の両端には前記導光板の厚み方向に延在する切り欠きが設けられ、前記側壁の前記折り曲げ部および前記切り欠きに隣接する部分に前記ボトムフレームを前記折り曲げ部側に押圧する凸部を有する、
請求項5に記載の面状照明装置。
【請求項7】
前記反射部材は、前記入光側面の長手方向に複数に分割されている、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項8】
前記反射部材は、前記導光板の前記入光側面側の出射側の端部に設けられた凸部に嵌り合い、位置決めを行う凹部を有する、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項9】
前記仕切り部により前記光源ごとに形成される空間は、前記光源の前記壁部側から前記入光側面側に向かって広くなり、
前記基板と前記壁部と前記庇部と前記仕切り部との前記光源に対向する面により反射面を形成する、
請求項3に記載の面状照明装置。
【請求項10】
前記反射部材は、光学シートの前記入光側面側の端部に設けられた、穴が形成された耳部の前記穴に係合する凸部を有する、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項11】
前記反射部材は、一端が前記基板に当接し、前記導光板の厚み方向に延在する壁部と、該壁部の他端から前記入光側面を覆う庇部と、隣接する前記光源の間を仕切る仕切り部とを有し、
前記導光板は、非出射側が平坦で、出射側は前記入光側面側が厚く、前記入光側面側から所定の長さだけ一定の厚みを維持した後にテーパ状に厚みが減少して一定の厚みに達し、
前記反射部材は、光学シートの前記入光側面側の端部に設けられた、穴が形成された耳部の前記穴に係合する凸部を有し、
前記庇部は前記導光板のテーパ状に厚みが減少する傾斜部に係合する、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項12】
前記反射部材は、光学シートの前記入光側面側の端部に設けられた耳部が固定される凹部を有する、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項13】
前記導光板は、前記入光側面側に前記光源ごとに形成される前記空間にせり出すせり出し部を有し、該せり出し部には前記光源を前記基板に平行な面内で包囲する凹部を有する、
請求項9に記載の面状照明装置。
【請求項14】
前記導光板は、前記入光側面側に前記光源ごとに形成される前記空間にせり出すせり出し部を有し、該せり出し部は前記光源の前記基板と反対側の面を覆う、
請求項9に記載の面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルのバックライト等として用いられる面状照明装置として、導光板の一または複数の側面(入光側面)から光が入りし、導光板の一方の主面から光が出る、いわゆるエッジライト型の面状照明装置が知られている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0003】
また、導光板の入光側面に対向して配置されるLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の光源には、部品の天面から発光するトップビュー型と、部品の一つの側面から発光するサイドビュー型とが存在し、上記のエッジライト型の面状照明装置には、原理的にはいずれも採用が可能である。
【0004】
図1Aは、トップビュー型の光源102’と導光板103’との配置関係を示す正面図である。図1Bは、トップビュー型の光源102’付近の斜視図である。なお、筐体となるフレームや光学シート等は省略されている。図1Aおよび図1Bにおいて、基板101’上に配置された光源102’の天面の発光面102a’から出射した光は導光板103’の入光側面103a’に入り、出射面103b’から出射する。車載用途を考慮した高輝度・高出力のLEDによる光源102’の場合、発光面102a’側のパッケージの導光板103’の入光側面103a’の厚み方向の寸法L1は例えば1.4mmであり、基板101’の入光側面103a’の厚み方向の幅を考慮すると、導光板103’の厚みの寸法L2は例えば2~3mmである。そのため、より一層の薄型化が求められる場合がある。
【0005】
図2Aは、サイドビュー型の光源202’と導光板203’との配置関係を示す正面図である。図2Bは、サイドビュー型の光源202’付近の斜視図である。なお、筐体となるフレームや光学シート等は省略されている。図2Aおよび図2Bにおいて、基板201’上に配置された光源202’の一つの側面の発光面202a’から出射した光は導光板203’の入光側面203a’に入り、出射面203b’から出射する。車載用途を考慮した高輝度・高出力のLEDによる、図1Aおよび図1Bと同一メーカラインナップ品の光源202’の場合、発光面202a’側のパッケージの導光板203’の入光側面203a’の厚み方向の寸法L3は例えば1.0mmであり、導光板203’の厚みの寸法L4は例えば1.0mmであり、この数値からは図1Aおよび図1Bよりも薄型化が図れるようにも見える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-34214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、同一メーカラインナップ品であってもサイドビュー型のLEDでは発光効率が25%程度低下し、バックライト全体としても20%以上の発光効率の低下となる。LEDの発光効率の低下の原因は、発光素子の効率、パッケージからの光取り出し効率、内部熱抵抗が高いことによる発熱などの影響がある。そのため、サイドビュー型のまま、必要な光量を確保しようとすると光源202’のサイズを大きくせざるを得なくなり、結果的にバックライトの薄型化は達成できなくなる。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、薄型化および高効率化が図れる面状照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、導光板と、基板と、光源と、反射部材とを備える。前記導光板は、入光側面を有する。前記基板は、前記導光板の導光方向に延在し、前記入光側面の非出射側の一端が載置され、前記導光板側の面の表面に反射処理が施される。前記光源は、前記基板上に配置され、前記基板に対向する面を除き、前記入光側面に対向する面を含む複数の面から発光する。前記反射部材は、前記基板、前記光源および前記入光側面を包囲する。
【0010】
本発明の一態様に係る面状照明装置は、薄型化および高効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A図1Aは、トップビュー型の光源と導光板との配置関係を示す正面図である。
図1B図1Bは、トップビュー型の光源付近の斜視図である。
図2A図2Aは、サイドビュー型の光源と導光板との配置関係を示す正面図である。
図2B図2Bは、サイドビュー型の光源付近の斜視図である。
図3図3は、一実施形態にかかる面状照明装置の外観斜視図である。
図4図4は、面状照明装置の主要構成要素の分解斜視図である。
図5図5は、面状照明装置の図3におけるX-X断面図である。
図6図6は、基板および光源の斜視図である。
図7A図7Aは、光源の斜視図である。
図7B図7Bは、光源の図7AにおけるY-Y断面図である。
図8図8は、導光板の斜視図である。
図9図9は、反射部材の斜視図(1)である。
図10図10は、反射部材の斜視図(2)である。
図11図11は、光学シートの斜視図(1)である。
図12図12は、光学シートの斜視図(2)である。
図13図13は、トップフレームの斜視図(1)である。
図14図14は、トップフレームの斜視図(2)である。
図15図15は、トップフレームの折り曲げ部付近の拡大斜視図(1)である。
図16図16は、トップフレームの折り曲げ部付近の拡大斜視図(2)である。
図17図17は、導光板(LGP)厚とバックライト発光効率との関係の例を示す図である。
図18図18は、導光板107の変形例を示し、反射部材、光学シート、トップフレーム等を省略した状態の平面図(1)である。
図19図19は、構成要素を省略しない状態の面状照明装置の図18におけるX-X断面図である。
図20図20は、導光板107の変形例を示し、反射部材、光学シート、トップフレーム等を省略した状態の平面図(2)である。
図21図21は、構成要素を省略しない状態の面状照明装置の図20におけるX-X断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係る面状照明装置について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0013】
図3は、一実施形態にかかる面状照明装置100の外観斜視図であり、光の出射面側から見た図である。図3において、説明の便宜上、面状照明装置100の筐体の長辺に沿った方向をX軸方向、筐体の短辺に沿った方向をY軸方向、筐体の厚みに沿った方向をZ軸方向とするが、使用時における姿勢は任意である。
【0014】
図3において、面状照明装置100は、略長方形(略正方形でも可)で略板状の外形をしている。なお、本実施形態では、図3の下辺の長辺を入光側としているが、短辺を入光側としてもよい。また、入光側を対向する一方の辺としているが、対向する両方の辺を入光側としてもよい。
【0015】
図3における手前側の光の出射面側には、トップフレーム112が露出している。図では見えない裏面側には、ボトムフレーム(101)がある。トップフレーム112は、出射面側の内側に光が出射する開口112aが形成されている。開口112aの周囲の部分は、額縁部となる。トップフレーム112は、ステンレス材による板金や樹脂等により形成されている。液晶表示装置等のバックライトとして面状照明装置100が用いられる場合、液晶表示装置等は開口112aの側に装着される。
【0016】
図4は、面状照明装置100の主要構成要素の分解斜視図であり、図3と同様に光の出射面側から見た図である。図4において、面状照明装置100は、図の右上のボトムフレーム101に対して、光源104が搭載された基板103と、反射シート106と、導光板107と、反射部材108と、光学シート109、110、111とが順次に積層され、その上にトップフレーム112が蓋をする形で配置される。
【0017】
図5は、面状照明装置100の図3におけるX-X断面図であり、図の上方向が光の出射方向として描かれており、面状照明装置100の入光側の端部の断面状態を示している。図5において、平面形状が略矩形で曲げ加工なしのフラットな板状の金属材等から形成されるボトムフレーム101の図における上側の面には、端部側に両面テープ102を介して基板103が固定されている。基板103は、導光板107の導光方向(Y軸方向)に延在している。ボトムフレーム101の図における上側の面には、基板103に続いて、両面テープ105を介して反射シート106が固定されている。両面テープ105による反射シート106の固定は、基板103側の所定の範囲内だけでよい。基板103の光源104が搭載される側の面は、白色のレジスト等により高反射率の反射処理が施され、反射シート106の導光板107側も高反射率の反射面となっている。
【0018】
図6は、基板103および光源104の斜視図であり、破線で囲まれた部分が拡大されている。基板103はFPC(Flexible Printed Circuits)等により構成され、薄い帯状である。図示の例では、基板103の長手方向に沿って28個の光源104が搭載されている。光源104は、例えば、基板103に対向する面以外の5面から発光する発光ダイオードである。なお、5面から発光する発光ダイオードに限らず、基板103に対向する面を除き、導光板107の入光側面107aに対向する面を含む複数の面から発光する光源であればよい。
【0019】
図7Aおよび図7Bは、5面から発光する発光ダイオードの例である。図7Aは、光源104の斜視図であり、図7Bは、光源104の図7AにおけるY-Y断面図である。図7Aおよび図7Bにおいて、光源104は、直方体状の外形をしており、板状の素子基板104aの上にLEDチップ104bが配置され、LEDチップ104bの回りが樹脂による封止剤104cにより覆われている。素子基板104aの裏側には、配線用の電極104dが設けられている。LEDチップ104bは、通電により例えば青色に発光し、封止剤104cに含まれる蛍光材による黄色の発光が加えられることで、全体として白色に発光する。
【0020】
図5に戻り、基板103の一端と反射シート106の上には、導光板107が載置され、導光板107の入光側面107aは基板103上の光源104と対向している。なお、導光板107は入光側面107a付近に設けられた凸部107gが反射部材108の凹部108eに係合することで位置決めおよび固定がされ、両面テープ等により固定されていない。導光板107は、非出射側の裏面107cが平坦で、出射側は入光側面107a側が厚く、入光側面107a側から所定の長さだけ平坦部107dが一定の厚みを維持した後に、傾斜部107eでテーパ状に厚みが減少して一定の厚みの平坦部107fに達し、出射面107bに連なる。図8は、導光板107の斜視図であり、破線で囲まれた部分を拡大して示しており、入光側面107aに連なる平坦部107d、傾斜部107e、平坦部107f(出射面107b)と、凸部107gとが示されている。なお、凸部107gは図示の例では1個となっているが、反対側の対称位置を含めて、複数個としてもよい。
【0021】
図5に戻り、基板103、光源104および導光板107の入光側面107a側は、白色の樹脂等により形成された反射部材108により包囲されている。図9および図10は、反射部材108の斜視図であり、図10図9の裏側から見た図である。図10においては、破線で囲まれた部分が拡大されている。
【0022】
図9および図10において、反射部材108は、長手方向に複数(図示の例では3個)に分割され、中央の反射部材パーツ108Aと、その両端の反射部材パーツ108B、108Cとから構成されている。反射部材108は、一端が基板103に当接し、導光板107の厚み方向に延在する壁部108aと、壁部108aの他端から屈曲して基板103に略平行に延在して導光板107の入光側面107aを覆う庇部108bと、隣接する光源104の間を仕切る仕切り部108cとを有する。仕切り部108cにより光源104ごとに形成される空間は、光源104の壁部108a側から導光板107の入光側面107a側に向かって広くなりっている。基板103と、反射部材108の壁部108aと、庇部108bと、仕切り部108cとの光源104に対向する面により反射面を形成している。
【0023】
中央の反射部材パーツ108Aの導光板107と接する側(図10)には、前述した、導光板107の凸部107gと係合する凹部108eが設けられている。また、中央の反射部材パーツ108Aの導光板107と接するのと反対側(図9)には、最も外側の光学シート111の耳部111aが両面テープ113を介して固定される凹部108dが設けられている。更に、両側の反射部材パーツ108B、108Cには、内側の光学シート109、110の耳部109aの中に空いた穴109b(図11)と係合する凸部108f、108hが設けられている。凸部108f、108hの周囲は凹部108g、108iとなっている。
【0024】
図11は、光学シート109の斜視図であり、破線で囲まれた部分が拡大されている。光学シート109は、例えば、拡散シートである。光学シート109の入光側の辺には、反射部材108の凸部108f(図10)と係合する穴109bを有する耳部109aが間隔をあけて2個、設けられている。なお、光学シート109に重ねて配置される光学シート110は、耳部(110a)および穴(110b)の位置が光学シート109の耳部109aおよび穴109bと重ならないようにずれて設けられているだけであるため、図示は省略されている。光学シート110は、例えば、BEF(Brightness Enhancement Films:輝度上昇フィルム)である。
【0025】
図12は、光学シート111の斜視図であり、破線で囲まれた部分が拡大されている。光学シート111は、例えば、DBEF(Dual Brightness Enhancement Film:反射型偏光フィルム)である。光学シート111の入光側の辺の略中央には、反射部材108の凹部108d(図5図9)と両面テープ113を介して固定される耳部111aが設けられている。光学シート111は、光学シート109、110に比べて厚く重いため、幅の小さい耳部での固定は難しいため、ある程度の面積のある凹部108dに幅の大きい耳部111aを両面テープで固定するようにしている。
【0026】
図13および図14は、トップフレーム112の斜視図であり、図14図13の裏側から見た図である。図14では、破線で囲まれた部分が拡大されている。トップフレーム112の入光側(図13および図14の下側)には折り曲げ部112bが設けられている。折り曲げ部112bは、トップフレーム112の側面から背面にかけて略直角に折れ曲がっている。また、非入光側(図13および図14の上側)には、両端に切り欠き112cが設けられた折り曲げ部112dと、その両側に設けられた凸部112eとが、例えば4箇所、設けられている。折り曲げ部112dについても、トップフレーム112の側面から背面にかけて略直角に折れ曲がっている。なお、図示の例では、トップフレーム112の側方や入光側には折り曲げ部や切り欠きや凸部が設けられていないが、同様に設けられるようにしてもよい。
【0027】
図15は、トップフレーム112の折り曲げ部112d付近の拡大斜視図であり、ボトムフレーム101と組み合わされた状態を示している。すなわち、折り曲げ部112dによってボトムフレーム101をZ軸の正方向へ押圧するとともに、凸部112eによってボトムフレーム101を図のZ軸の負方向へ押圧することとなり、ボトムフレーム101を挟み込んで固定する。これは、入光側と異なり、ボトムフレーム101の内部に収納される導光板107等は厚み方向が部材で充填されていないため、導光板107等が収納される空間を確保するためである。なお、ボトムフレーム101とトップフレーム112とを結合する際には、先ず、トップフレーム112の入光側の折り曲げ部112bにボトムフレーム101を差し込み、他端側でボトムフレーム101に折り曲げ部112dを係合する際には、折り曲げ部112dを図のY軸の正方向へ撓ませてボトムフレーム101の端部を折り曲げ部112dの内側に入れた状態で折り曲げ部112dの撓みを解除する。
【0028】
図16は、トップフレーム112の折り曲げ部112b付近の拡大斜視図であり、ボトムフレーム101と組み合わされた状態を示している。すなわち、折り曲げ部112bによりボトムフレーム101がZ軸の負方向に外れないように、固定を行っている。
【0029】
図17は、導光板(LGP)厚とバックライト発光効率との関係の例を示す図である。バックライト発光効率は、トップビュー(TopView)型の比較例#1のLGP厚が2.6mmを基準(100%)としている。図17において、トップビュー型の比較例#1のLGP厚が2~2.6mmでバックライト発光効率が約95~100%であり、サイドビュー型(SideView)の比較例#2のLGP厚が1mmでバックライト発光効率が約77%であるが、実施形態ではLGP厚が1~2mmでバックライト発光効率が約102~110%となり、いずれの比較例に対しても薄型および高効率が達成されている。
【0030】
(変形例)
図18は、導光板107の変形例を示し、反射部材108、光学シート109~111、トップフレーム112等を省略した状態の平面図であり、図19は、構成要素を省略しない状態の面状照明装置100の図18におけるX-X断面図である。図18および図19において、導光板107は、反射部材108により入光側面107a側に光源104ごとに形成される空間にせり出すせり出し部107hを有し、このせり出し部107hには光源104を基板103に平行な面内で包囲する凹部107iを有する。この場合、凹部107iの光源104を包囲する面が実質的に入光側面となる。これにより、光源104から導光板107に取り込む光の量を増やし、効率を向上させることができる。
【0031】
図20は、導光板107の変形例を示し、反射部材108、光学シート109~111、トップフレーム112等を省略した状態の平面図であり、図21は、構成要素を省略しない状態の面状照明装置100の図20におけるX-X断面図である。図20および図21において、導光板107は、反射部材108により入光側面107a側に光源104ごとに形成される空間にせり出すせり出し部107jを有し、このせり出し部107jは光源104の基板103と反対側の面を覆う。これにより、光源104から導光板107に取り込む光の量を増やし、効率を向上させることができる。
【0032】
図18および図19は光源104を基板103に平行な面内で包囲し、図20および図21は光源104の基板103と反対側の面を覆うものであるが、両者を同時に適用してもよい。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0034】
以上のように、実施形態に係る面状照明装置は、入光側面を有する導光板と、前記導光板の導光方向に延在し、前記入光側面の非出射側の一端が載置され、前記導光板側の面の表面に反射処理が施された基板と、前記基板上に配置され、前記基板に対向する面を除き、前記入光側面に対向する面を含む複数の面から発光する光源と、前記基板、前記光源および前記入光側面を包囲する反射部材と、を備える。これにより、薄型化および高効率化を図ることができる。
【0035】
すなわち、導光板の導光方向に延在する基板に光源が配置される構造であるため、導光板の厚みを光源の高さと同等にでき、薄型化を図ることができる。また、複数の面から発光する光源は、出射面が一つに規制されるトップビュー型やサイドビュー型の光源に比べて内部の熱抵抗による熱損失等が少なく効率が高いとともに、反射部材により光源の複数の面から出射する光が有効に導光板に入射するため、高効率化を図ることができる。更に、面状照明装置を薄型化できることで軽量化も行え、液晶パネルのバックライトとして用いる場合、ネジ止め等を含むスタッド構造等をとらずに両面テープによる貼付固定が可能となり、組立工程を簡略化することができる。
【0036】
また、前記光源は、略直方体状であり、前記基板に対向する面以外の5面から発光する発光ダイオードである。これにより、基板に対向する面を除き入光側面に対向する面を含む複数の面から発光する光源を容易に実現することができる。
【0037】
また、前記反射部材は、一端が前記基板に当接し、前記導光板の厚み方向に延在する壁部と、該壁部の他端から屈曲して前記基板に略平行に延在して前記入光側面を覆う庇部と、隣接する前記光源の間を仕切る仕切り部とを有する。これにより、光源の複数の面から出射する光を反射部材により有効に導光板に入射させることができる。
【0038】
また、前記導光板は、非出射側が平坦で、出射側は前記入光側面側が厚く、前記入光側面側から所定の長さだけ一定の厚みを維持した後にテーパ状に厚みが減少して一定の厚みに達する。これにより、導光板の全体の厚みを大きくすることなく入光側面側の厚みを大きくすることができ、光源から取り込む光を増やすことができる。また、反射部材の庇部と導光板との係合を容易にすることができるとともに、光学シートの耳部の固定場所の確保も容易になる。
【0039】
また、前記基板の前記光源が配置される面と反対側の面が固定され、前記導光板が反射シートを介して載置される、板状のボトムフレームを備える。これにより、ボトムフレームの加工を容易かつ安価に行うことができるとともに、ボトムフレームを金属製とすることで基板からボトムフレームへの放熱も容易になる。
【0040】
また、前記ボトムフレームの少なくとも前記入光側面側および終端側の端部に前記基板が設けられない側に係合する折り曲げ部を側壁に有し、前記ボトムフレーム、前記基板、前記光源および前記導光板を包囲し、出射側に開口を有するトップフレームを備え、前記入光側面側を除き、前記折り曲げ部の両端には前記導光板の厚み方向に延在する切り欠きが設けられ、前記側壁の前記折り曲げ部および前記切り欠きに隣接する部分に前記ボトムフレームを前記折り曲げ部側に押圧する凸部を有する。これにより、トップフレームとボトムフレームとの固定を容易に行うことができる。
【0041】
また、前記反射部材は、前記入光側面の長手方向に複数に分割されている。これにより、入光側面の長手方向の長さが長い場合(例えば、300mm程度)、温度変化による伸縮により基板との固定が破綻するのを防止することができる。
【0042】
また、前記反射部材は、前記導光板の前記入光側面側の出射側の端部に設けられた凸部に嵌り合い、位置決めを行う凹部を有する。これにより、導光板との位置決めを容易に行うことができる。
【0043】
また、前記仕切り部により前記光源ごとに形成される空間は、前記光源の前記壁部側から前記入光側面側に向かって広くなり、前記基板と前記壁部と前記庇部と前記仕切り部との前記光源に対向する面により反射面を形成する。これにより、光源から導光板と反対側に出射する光を有効に反射して導光板側に出すことができ、効率を向上させることができる。
【0044】
また、前記反射部材は、光学シートの前記入光側面側の端部に設けられた、穴が形成された耳部の前記穴に係合する凸部を有する。これにより、光学シートの位置決めを含めた固定を容易にすることができる。
【0045】
また、前記反射部材は、一端が前記基板に当接し、前記導光板の厚み方向に延在する壁部と、該壁部の他端から前記入光側面を覆う庇部と、隣接する前記光源の間を仕切る仕切り部とを有し、前記導光板は、非出射側が平坦で、出射側は前記入光側面側が厚く、前記入光側面側から所定の長さだけ一定の厚みを維持した後にテーパ状に厚みが減少して一定の厚みに達し、前記反射部材は、光学シートの前記入光側面側の端部に設けられた、穴が形成された耳部の前記穴に係合する凸部を有し、前記庇部は前記導光板のテーパ状に厚みが減少する傾斜部に係合する。これにより、導光板をゴム等の弾性部材により押圧固定したり、両面テープ等により貼付固定したりすることなく、反射部材により位置決めを含めた固定がほぼ可能となり、部品点数の削減および組立工程の簡略化が図れる。
【0046】
また、前記反射部材は、光学シートの前記入光側面側の端部に設けられた耳部が固定される凹部を有する。これにより、光学シートの位置決めを含めた固定を容易にすることができる。
【0047】
また、前記導光板は、前記入光側面側に前記光源ごとに形成される前記空間にせり出すせり出し部を有し、該せり出し部には前記光源を前記基板に平行な面内で包囲する凹部を有する。これにより、光源から導光板に取り込む光の量を増やし、効率を向上させることができる。
【0048】
また、前記導光板は、前記入光側面側に前記光源ごとに形成される前記空間にせり出すせり出し部を有し、該せり出し部は前記光源の前記基板と反対側の面を覆う。これにより、光源から導光板に取り込む光の量を増やし、効率を向上させることができる。
【0049】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
100 面状照明装置,101 ボトムフレーム,102 両面テープ,103 基板,104 光源,104a 素子基板,104b LEDチップ,104c 封止剤,104d 電極,105 両面テープ,106 反射シート,107 導光板,107a 入光側面,107b 出射面,107c 裏面,107d 平坦部,107e 傾斜部,107f 平坦部,107g 凸部,107h せり出し部,107i 凹部,108 反射部材,108A、108B、108C 反射部材パーツ,108a 壁部,108b 庇部,108c 仕切り部,108d 凹部,108e 凹部,108f 凸部,108g 凹部,108h 凸部,108i 凹部,109 光学シート,109a 耳部,109b 穴,110 光学シート,110a 耳部,110b 穴,111 光学シート,111a 耳部,112 トップフレーム,112a 開口,112b 折り曲げ部,112c 切り欠き,112d 折り曲げ部,112e 凸部,113 両面テープ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21