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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130733
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 23/08 20060101AFI20240920BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20240920BHJP
   B65G 47/54 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A47G23/08 Z
B65G47/46 D
B65G47/54 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040621
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】511305106
【氏名又は名称】アイカム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100180699
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 渓
(72)【発明者】
【氏名】田中 正明
【テーマコード(参考)】
3B115
3F015
3F016
【Fターム(参考)】
3B115CB07
3B115DC01
3F015AA13
3F015FA02
3F015GA01
3F016AA01
3F016CC06
(57)【要約】
【課題】搬送レーンで搬送された飲食物等が載ったトレーを搬送レーンから客席側に搬送するとともに、客席側から搬送レーンに回収も行う搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送ベルトによって振分位置まで搬送されたトレーを客席側に搬送する搬送装置であって、トレーを振分方向に搬送する複数の搬送ローラを有する移送部と、搬送ローラを第1の位置と第2の位置の間で昇降させる昇降部と、を備え、昇降部が複数の搬送ローラを第1の位置から第2の位置に上昇させて振分位置にあるトレーを搬送ベルトから持ち上げ、複数の搬送ローラを回転させて振分方向に向けて搬送するトレー振分部と、トレー振分部から搬送されたトレーを提供位置に搬送する客席前搬送部と、トレー振分部及び客席前搬送部の動作を制御する制御部と、を備え、トレーの回収指示信号を取得したら客席前搬送部及びトレー振分部によって振分位置までトレーを回収する搬送装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送レーンの搬送ベルトによって振分位置まで搬送された飲食物を載せたトレーを、客席側に搬送する搬送装置であって、
駆動手段によって駆動され、トレーを客席側に向けた振分方向に搬送する複数の搬送ローラを有する移送部と、
前記複数の搬送ローラを前記搬送ベルトの搬送面より低い第1の位置と前記搬送ベルトの搬送面より高い第2の位置の間で昇降させる昇降部と、
を備えるトレー振分部であって、前記昇降部が前記複数の搬送ローラを前記第1の位置から前記第2の位置に上昇させて、前記振分位置にあるトレーを前記搬送ベルトから持ち上げ、前記複数の搬送ローラを回転させて前記振分方向に向けて搬送するトレー振分部と、
前記トレー振分部の前記振分方向前方に配置され、前記トレー振分部から搬送されたトレーを客席側の提供位置に搬送する客席前搬送部と、
前記トレー振分部及び前記客席前搬送部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記提供位置に搬送されたトレーの回収を指示する信号を取得した場合に、前記客席前搬送部及び前記トレー振分部に、前記提供位置への搬送とは反対方向にトレーを搬送させて前記振分位置まで回収させることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
回収されるトレーが前記振分位置まで搬送されたら、前記昇降部は前記複数の搬送ローラを前記第2の位置から前記第1の位置に下降させることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記搬送ベルトは複数の搬送ベルトを有し、
前記複数の搬送ローラは、平面視において前記搬送ベルトと重ならない位置であって、前記複数の搬送ベルトの間と前記複数のベルトの外側に、前記振分方向に並んで配置されることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記振分方向に並んで配置される前記複数の搬送ローラは、無端回動体で連結され連動して回転することを特徴とする請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記移送部は、前記搬送ベルトの下方に配置されるガイドローラをさらに有し、
前記ガイドローラは、前記無端回動体を前記搬送ローラから前記搬送ベルトの下方にガイドすることを特徴とする請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記ガイドローラは、前記昇降部によって前記搬送ローラとともに昇降し、前記搬送ローラが前記第2の位置に上昇したときに前記搬送ベルトより下方にあることを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記トレー振分部は、トレーの回収時にトレーを前記振分位置で停止させるストッパーガイドを有することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記搬送ローラは両方向に回転して前記搬送レーンの両側の客席のいずれにもトレーを搬送可能であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記トレー振分部と前記客席前搬送部の間におけるトレーの通過を検出するセンサを備え、前記制御部は前記センサの検出信号に基づき、前記トレー振分部と前記客席前搬送部による搬送動作を停止させ、客席への搬送時における前記提供位置または回収時における前記振分位置でトレーを停止させることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送レーンで搬送されたトレーを、搬送レーンから客席側に搬送するとともに、トレーを搬送レーン側に再び搬送して回収する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転寿司店などの飲食店において、注文された飲食物が載せられたトレーを注文した客席までコンベア等を用いて搬送する搬送装置が用いられている。また、トレーをコンベアから客席側に搬送する分岐経路に移送し、テーブル上にトレーを搬送するシステムも提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5543305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のような装置の場合、搬送されたトレーから皿を取り出した後に、空いたトレーをテーブル上のスペースに置いておく必要があり、食事スペースが狭くなる場合がある。また、従業員によるトレーの回収業務も必要となる。
【0005】
本発明は、搬送レーンで搬送された飲食物等が載ったトレーを搬送レーンから客席側に搬送するとともに、客席側から搬送レーンに回収も行う搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
【0007】
(1)搬送レーンの搬送ベルトによって振分位置まで搬送された飲食物を載せたトレーを、客席側に搬送する搬送装置であって、
駆動手段によって駆動され、トレーを客席側に向けた振分方向に搬送する複数の搬送ローラを有する移送部と、
前記複数の搬送ローラを前記搬送ベルトの搬送面より低い第1の位置と前記搬送ベルトの搬送面より高い第2の位置の間で昇降させる昇降部と、
を備えるトレー振分部であって、前記昇降部が前記複数の搬送ローラを前記第1の位置から前記第2の位置に上昇させて、前記振分位置にあるトレーを前記搬送ベルトから持ち上げ、前記複数の搬送ローラを回転させて前記振分方向に向けて搬送するトレー振分部と、
前記トレー振分部の前記振分方向前方に配置され、前記トレー振分部から搬送されたトレーを客席側の提供位置に搬送する客席前搬送部と、
前記トレー振分部及び前記客席前搬送部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記提供位置に搬送されたトレーの回収を指示する信号を取得した場合に、前記客席前搬送部及び前記トレー振分部に、前記提供位置への搬送とは反対方向にトレーを搬送させて前記振分位置まで回収させることを特徴とする搬送装置。
【0008】
(2) 回収されるトレーが前記振分位置まで搬送されたら、前記昇降部は前記複数の搬送ローラを前記第2の位置から前記第1の位置に下降させることを特徴とする上記(1)に記載の搬送装置。
【0009】
(3) 前記搬送ベルトは複数の搬送ベルトを有し、
前記複数の搬送ローラは、平面視において前記搬送ベルトと重ならない位置であって、前記複数の搬送ベルトの間と前記複数のベルトの外側に、前記振分方向に並んで配置されることを特徴とする上記(1)に記載の搬送装置。
【0010】
(4) 前記振分方向に並んで配置される前記複数の搬送ローラは、無端回動体で連結され連動して回転することを特徴とする上記(3)に記載の搬送装置。
【0011】
(5) 前記移送部は、前記搬送ベルトの下方に配置されるガイドローラをさらに有し、
前記ガイドローラは、前記無端回動体を前記搬送ローラから前記搬送ベルトの下方にガイドすることを特徴とする上記(4)に記載の搬送装置。
【0012】
(6) 前記ガイドローラは、前記昇降部によって前記搬送ローラとともに昇降し、前記搬送ローラが前記第2の位置に上昇したときに前記搬送ベルトより下方にあることを特徴とする上記(5)に記載の搬送装置。
【0013】
(7) 前記トレー振分部は、トレーの回収時にトレーを前記振分位置で停止させるストッパーガイドを有することを特徴とする上記(1)に記載の搬送装置。
【0014】
(8) 前記搬送ローラは両方向に回転して前記搬送レーンの両側の客席のいずれにもトレーを搬送可能であることを特徴とする上記(1)に記載の搬送装置。
【0015】
(9) 前記トレー振分部と前記客席前搬送部の間におけるトレーの通過を検出するセンサを備え、前記制御部は前記センサの検出信号に基づき、前記トレー振分部と前記客席前搬送部による搬送動作を停止させ、客席への搬送時における前記提供位置または回収時の前記振分位置でトレーを停止させることを特徴とする上記(1)に記載の搬送装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、搬送レーンで搬送された飲食物等が載ったトレーを搬送レーンから客席側に搬送するとともに、客席側から搬送レーンに回収も行う搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態の搬送装置の概略図である。
図2】本実施形態の搬送装置の構成を示す断面図である。
図3】本実施形態の搬送装置を平面方向から見た構成を示す構成図である。
図4】本実施形態の搬送装置の動作を制御する構成について説明するブロック図である。
図5】本実施形態の搬送装置によるトレーの搬送動作の流れを示す図である。
図6】本実施形態の搬送装置によるトレーの搬送動作の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の搬送装置1の構成を示す平面視の概略図である。図2は本実施形態の搬送装置1の構成図であり、図1のA-A位置での断面図である。図3は搬送装置1の平面視における構成図である。
【0019】
本実施形態の搬送装置1は、搬送レーンの搬送ベルト52(コンベア)によって振分位置Fまで搬送された飲食物を載せたトレーTを、客席側に搬送するとともに、搬送したトレーTの回収を行う搬送装置である。具体的には搬送装置1は、搬送ベルト52からトレーTを客席側に振り分けるトレー振分部2と、トレー振分部2から搬送されたトレーを客席側の提供位置に搬送する客席前搬送部4と、トレー振分部2及び客席前搬送部4の動作を制御する制御部30と、を備える。そして制御部30は、提供位置に搬送されたトレーTの回収を指示する信号を取得した場合に、客席前搬送部4及びトレー振分部2に、提供位置までトレーを搬送する場合とは反対方向にトレーTを搬送させてトレー振分部上(搬送ベルト上)の振分位置まで回収させることができる。
【0020】
本実施形態において、搬送装置1の搬送対象物は飲食物が載せられた皿、容器などを載せるトレーTである。ただし搬送対象物はトレーに限られず、搬送ベルト52、トレー振分部2、客席前搬送部4で搬送可能なものであればよい。例えば、皿を載せられる台状のものや箱状のものでもよいし、搬送ベルトで搬送できる大きさの皿でもよい。
【0021】
本実施形態では、搬送装置1は搬送レーン50から客席側に搬送する装置(トレー振分部2や客席前搬送部4など)と、搬送レーン50を構成する装置(搬送ベルト52など)を含む装置として説明する。既存の搬送レーン50に対して客席側に搬送する装置部分のみを設置するような場合は、搬送装置1が搬送レーン50部分を含まない構成であってもよい。
【0022】
本実施形態において「搬送レーン方向」は、搬送レーン50が延びる方向であり、搬送ベルト52によってトレーTが搬送される方向である。
【0023】
本実施形態において「振分方向」は、搬送ベルト52によって搬送されたトレーTを、トレー振分部2などによって搬送ベルト52上から客席側に搬送する方向である。振分方向は、搬送レーン方向と交差する方向である。本実施形態では振分方向は搬送レーン方向に直交する方向である。
【0024】
本実施形態において「振分位置」は、トレー振分部2によってトレーTを客席側に搬送する際に、その搬送開始前に、搬送ベルト52によってトレーTが搬送される搬送レーン50上の位置であり、図1において振分位置Fで示す位置である。搬送レーン方向に沿って複数の客席60が配置される場合には、搬送先として指定された客席に対応する振分位置FにトレーTが搬送される。そして、その振分位置Fにあるトレー振分部2によって指定された客席側にトレーTが搬送される。また、トレーTの回収時には、客席側から逆方向に搬送されるトレーTが元の振分位置まで戻される。
【0025】
搬送装置1の各構成について説明する。搬送装置1は、トレー振分部2と、客席前搬送部4と、第1センサ22と、制御部30と、操作入力部34などを備える。また、搬送装置1はさらに、搬送レーン50を構成する部分として、搬送ベルト52と、第2センサ56などを備える。トレー振分部2、客席前搬送部4、第1センサ22、第2センサ56は、各客席への振分位置F毎に設けられる。
【0026】
トレー振分部2は、搬送レーン50からトレーTを提供する客席60に向けてトレーTを移送する。トレー振分部2は搬送レーン50の振分位置Fに配置される。トレー振分部2は、振分位置Fに搬送されたトレーTを、搬送先の客席60にある客席前搬送部4に移動させる。回収時は、客席前搬送部4から搬送されるトレーTを、再び振分位置Fまで戻す。トレー振分部2は、移送部と昇降部を備える。トレー振分部2は、さらにストッパーガイド18を備える。
【0027】
トレー振分部2の移送部は、複数のローラによってトレーTを搬送する部分である。移送部は、昇降部によって上昇して搬送ベルト52上のトレーTを持ち上げて振分方向に搬送する。移送部は、複数の搬送ローラ10と、駆動ローラ11と、ガイドローラ12と、従動ローラ13と、駆動ベルト14と、駆動モータ15と、筐体20などを備える。
【0028】
本実施形態では3つの搬送ローラ10と、1つの駆動ローラ11と、2つのガイドローラ12と、1つの従動ローラ13を1組とするローラセットが、搬送レーン方向に複数セット並べて配置される。本実施形態では、ローラセットが2組(2列)配置される。1組のローラセットを構成する各ローラは、振分方向(搬送レーン方向に直交する方向)に並んで配置され、振分方向に回転する。1組のローラセットを構成する各ローラには駆動ベルト14が巻回され、駆動モータ15の駆動力によって連動して回転する。なお、図3においては搬送ローラ10以外のローラや駆動モータ15などは省略している。
【0029】
搬送ローラ10は、トレーTを載せた状態で回転して客席側に向けて振分方向にトレーTを搬送する。図1のように、搬送レーン50の両側に客席60がある場合には、回転方向を変えることで両側どちらの客席にも搬送できる。
【0030】
搬送ローラ10は、2本の搬送ベルト52の両外側に1つずつと、搬送ベルト52の間に1つあり、1組のローラセットにつき合計3つ配置される。搬送ローラ10は平面視において搬送ベルト52に干渉しない位置にある。搬送ローラ10は、搬送ベルト52に干渉しないように上昇して、搬送ベルト52上にあるトレーTを持ち上げることができる。また、複数列(本実施形態では2列)の搬送ローラ10でトレーTを支持するため、トレーTを安定して搬送できる。
【0031】
駆動ローラ11は、搬送ローラ10などの複数のローラを駆動するためのローラである。駆動モータ15からの駆動力を、駆動ベルト14を介して他のローラに伝達して回転させる。本実施形態においては、駆動ローラ11は振分方向において外側(客席側)の搬送ローラ10の下方に配置される。
【0032】
ガイドローラ12は、駆動ベルト14を搬送ベルト52に干渉しない下方の位置に搬送ローラ10からガイドするローラである。3つの搬送ローラ10間には搬送ベルト52があるため、駆動ベルト14を搬送ローラ10から次の搬送ローラ10に直接通すことができない。そのため、駆動ベルト14はガイドローラ12によって下方に向きが変えられ、搬送ベルト52の下方を通って次の搬送ローラ10に巻回される。本実施形態ではガイドローラ12は2つあり、2つの搬送ベルト52の下方にそれぞれ配置される。ガイドローラ12は搬送ベルト52の数に応じて配置されればよく、例えば搬送ベルト52が3本で構成される場合は、3本のベルトの下にそれぞれ配置されればよい。
【0033】
さらに、ガイドローラ12は、昇降部による上昇前の状態で、搬送ベルト52部分との間に上昇幅よりも大きい間隔(クリアランス)が確保された位置に配置される。つまりガイドローラ12は、後述の第1の位置にある状態において、第2の位置に上昇した場合に搬送ベルト52や他の部分に当たらないような、下方の位置に配置される。
【0034】
従動ローラ13は、駆動ベルト14に従動して回転する。従動ローラ13は、駆動ベルト14が搬送ローラ10やガイドローラ12の下方を通るように、駆動ローラ11とともにガイドローラ12よりも下方に配置される。本実施形態では従動ローラ13は振分方向において駆動ローラ11とは反対側の下方に1つ配置されるが、その他の部分の配置や構造に応じて適宜の位置に、適宜の数が配置されてよい。
【0035】
駆動ベルト14は、1組のローラセットを構成する搬送ローラ10等のローラに巻回され、駆動ローラ11の駆動力を伝達して複数のローラを連動して回転させる無端回動体である。駆動ベルト14は複数のローラの端部に配置されるプーリに巻回され、駆動力を伝達する。なお、プーリの代わりに各ローラの表面に溝を設けて、その溝に駆動ベルト14を巻回して駆動力を伝達してもよい。駆動ベルト14は、回転力を伝達できる機械要素であればよく、タイミングベルトやVベルトやチェーンなど他の無端回動体を用いてもよい。
【0036】
駆動モータ15は、駆動ローラ11を駆動する駆動手段である。駆動モータ15は、制御部30によって、客席60にトレーTを提供する際と、トレーTを客席60から回収する際に駆動される。駆動モータ15はトレーTの提供時の方向と回収時の方向の両方向に回転できるものであり、例えば正逆駆動モータである。また、駆動モータ15は両方向に回転できるので、トレー振分部2は両側の客席60のどちらにもトレーTを搬送できる。駆動モータ15は例えばVベルトなどで駆動ローラ11に連結されて動力を伝える。なお駆動モータ15と駆動ローラ11は、チェーンなどの他の無端回動体や歯車などで連結されてもよいし、これら動力伝達要素を用いずに直結してもよい。
【0037】
本実施形態では、1つの駆動モータ15の駆動力を、複数組(本実施形態では2組)のローラセットに伝達して駆動する。ローラセットごとに駆動モータ15を配置して別々に駆動してもよい。
【0038】
筐体20は、移送部を構成するローラセットや駆動モータ15などの各部分を支持、固定する。筐体20は、次に説明する昇降部の電動シリンダ16によって搬送レーン50内において支持される。筐体20に固定された移送部の各部は、昇降部により一体的に上昇、下降する。筐体20は移送部を固定でき、電動シリンダ16によって昇降できれば、フレーム状や箱状など、任意の形状としてよい。
【0039】
次に、トレー振分部2の昇降部について説明する。昇降部は、振分位置FにあるトレーTを搬送ベルト52から持ち上げるために移送部を上昇させる機能を有する部分である。昇降部は、移送部を高さ方向における第1の位置と第2の位置の間で上昇・下降させる。
【0040】
第1の位置は、移送部の搬送面(上端)が搬送ベルト52の搬送面より低い位置となる位置であり、本実施形態では搬送ローラ10の上端が搬送ベルト52の搬送面より低い位置となる位置である。第2の位置は、移送部の搬送面(上端)が搬送ベルト52の搬送面より高い位置となる位置であり、本実施形態では搬送ローラ10の上端が搬送ベルト52の搬送面より高い位置となる位置である。
【0041】
昇降部が移送部を第2の位置に上昇させると、搬送ローラ10によってトレーTが持ち上げられて支持される。第1の位置は、搬送ベルト52によって搬送されるトレーTと搬送ローラ10とが干渉しない程度に下方の適宜の位置であればよい。第2の位置は、客席前搬送部4の搬送面の高さと同じくらいの適宜の位置であればよい。
【0042】
本実施形態の昇降部は、電動シリンダ16である。本実施形態では3つの電動シリンダ16で昇降部が構成される。電動シリンダ16は、電動リニアアクチュエータであり、モータの駆動力によって伸縮して移送部を上昇および下降させることができる。電動シリンダ16は例えば伸縮するロッド側を筐体20に固定し、ケース側を搬送レーン50内の取付用のベース54に対して固定して配置される。なお、昇降部としては、移送部を上記所定の位置に昇降させることができるものであれば、電動シリンダ以外の昇降装置を用いてもよい。
【0043】
次に、ストッパーガイド18は、トレーTを回収する際に後述の客席前搬送部4から搬送されてきたトレーTを、搬送ベルト52上の振分方向における適正な位置で停止させるための部材である。上記適正な位置は、搬送ベルト52でトレーTを安定して搬送できる位置であり、客席側へのトレー搬送前の元の振分位置である。ストッパーガイド18は細長い板状の部材であり、図3に示すように平面視において2列の搬送ローラ10の間に配置される。ストッパーガイド18は、トレーTの回収の際にトレーTの縁に当たる高さまで上昇する。回収時以外は下降した状態で搬送レーン50内に収容される。
【0044】
ストッパーガイド18は、電動シリンダ18aによって昇降する。ストッパーガイド18及び電動シリンダ18aは、本実施形態では両側の搬送ローラ10の外側に1つずつ配置されている。電動シリンダ18aは、例えば伸縮ロッド側にストッパーガイド18が固定され、ケース側が搬送レーン50内の壁面やベース54などに固定される。回収するトレーTがある客席60から遠い方(回収時のトレーTの移動方向において、より下流側)のストッパーガイド18が上昇してトレーTを停止させる。電動シリンダ18aは制御部30によって制御される。なお、ストッパーガイド18の形状は、トレーTに当たって停止させることができればどのような形状でもよく、断面形状が円形や多角形の棒状のものでもよい。また、ストッパーガイド18は複数本のストッパーで構成されてもよい。
【0045】
次に、客席前搬送部4について説明する。客席前搬送部4は、トレー振分部2から搬送されたトレーTを、搬送レーン50よりも客席側の提供位置に搬送する。また、提供位置からトレーTを回収する際には、提供時と逆方向にトレーTを搬送してトレー振分部2に戻す。本実施形態の客席前搬送部4は、トレーTを搬送可能なベルトコンベアであり、客席60のテーブル内に配置される。
【0046】
提供位置は、客席搬送装置4で搬送可能でかつ回収可能な範囲において、客席において搬送レーン50上よりもトレーTから皿を取り出しやすい適宜の位置に設定される。例えばボックス型の座席であれば、図3に示すように、テーブル60内の搬送レーン50側の位置とすることができる。また、カウンター席であれば、カウンターテーブルの搬送レーン50側の位置とすることができる。
【0047】
なお、客席前搬送部4は少なくとも搬送レーン50よりも客席側に配置され、上記のような提供位置までトレーTを搬送できればよい。搬送レーン50や客席60などの配置関係や、構造、形状等に応じて、客席から提供位置のトレーT上の飲食物を取り出すことができる位置であれば、本実施形態とは異なる場所に客席前搬送部4が配置されてもよい。
【0048】
また、客席前搬送部4の搬送面の高さ位置は、上述の第2の位置に移送部が上昇した状態における搬送ローラ10の搬送面の位置とほぼ同じである。これにより客席前搬送部4とトレー振分部2との間に段差が生じず、トレーTを安定して搬送できる。なお、本実施形態では、客席前搬送部4の搬送面と、テーブル60の上面の位置も合わせているが、これに限られず、搬送レーン50の位置やその他の部分の配置等に応じて、客席前搬送部4の搬送面がテーブル60よりも高い位置であってもよい。
【0049】
客席前搬送部4は、ベルト40と、従動ローラ42と、駆動ローラ44と、駆動モータ45と、格納部46などを備える。ベルト40は、トレーTを搬送可能な幅を有する搬送ベルトである。テーブル(格納部46)の開口部分の大きさは、ベルト40の搬送方向の長さと幅に合わせて形成される。ベルト40は、1組の従動ローラ42と駆動ローラ44に巻回されて配置される。駆動モータ45からの駆動力が、タイミングベルトなどによって駆動ローラ44に伝達され、駆動ローラ44の回転によりベルト40が回転する。駆動モータ45は、制御部30によって制御される。駆動モータ45は、トレー振分部2の駆動モータ15と同様に、両方向に回転する正逆駆動モータが用いられる。格納部46は、ベルト40や上記各ローラや駆動モータ45などを格納するケース状の部材であり、テーブルの開口部に設置される。客席60がカウンターテーブルの場合も同様にして客席前搬送部4がカウンターテーブルあるいはその付近に配置されればよい。
【0050】
次に、第1センサ22は、トレーTの通過を検出するセンサである。第1センサ22は、例えばエリアセンサを用いることができる。第1センサ22は、トレー振分部2と客席前搬送部4の間の位置に配置され、提供時及び回収時におけるトレーTの通過を検出する。制御部30は、第1センサ22の検出信号に基づき、トレーTの通過後にトレー振分部2や客席前搬送部4の搬送動作を停止させることで、客席60への搬送時における提供位置にトレーを停止させたり、回収時における振分位置でトレーを停止させたりすることができる。第1センサ22は、トレーTの通過を検出できればエリアセンサに限定されず、例えば光センサでもよい。
【0051】
次に、搬送レーン50を構成する部分について説明する。搬送ベルト52は、上述の通りトレーTを搬送レーン50に沿って搬送する。本実施形態では、搬送ベルト52は搬送レーン方向に2本配置される。搬送ベルト52は、駆動モータや駆動ローラや従動ローラなどの機械要素を含むローラ駆動部52a(図4に図示)によって駆動される。ローラ駆動部52aは、制御部30によって動作が制御される。搬送レーン50は、例えば厨房などの飲食物を載せる場所から延びるレーンでもよいし、その搬送レーンから分岐した先の搬送レーンでもよい。
【0052】
第2センサ56は、各振分位置Fで搬送トレーTを停止させるために、振分位置Fの手前の位置においてトレーTの通過を検出するためのセンサである。搬送ベルト52の搬送速度と、第2センサ56による検出位置から振分位置Fまでの距離によって、センサ通過から振分位置Fに到達するのに要する到達時間を算出できる。トレー搬送時に、第2センサ56における検出時から、上記到達時間分だけ搬送ベルト52を駆動することで、対象の振分位置FにトレーTを停止させることができる。第2センサ56は、トレーTの通過を検出できるものであれば限定されないが、エリアセンサや光センサなどを用いることができる。
【0053】
次に、制御部30について図4を参照して説明する。図4は、搬送装置1の動作を制御する構成について説明するブロック図である。制御部30は、搬送装置1によって行われるトレーTの提供時及び回収時の様々な動作を制御する。具体的には、制御部40は、駆動モータ15、電動シリンダ16、電動シリンダ18a、駆動モータ45、搬送ベルト駆動部52aを制御する。また、第1センサ22や第2センサ56などから信号を取得し、トレーTを適正な位置に搬送するように各部分を制御する。制御部30による搬送装置1の動作の詳細については後述する。
【0054】
制御部30は、プロセッサ31と、メモリ32等を備える。プロセッサ31は、例えばCPUであり、メモリ32に記憶されているプログラムを実行して、搬送装置1の動作を制御する。メモリ32は搬送装置1の制御プログラムなどを格納する。なお、制御部30として、ASIC(application specific integrated circuit)を備え、プロセッサ31がメモリ32に記憶されるプログラムを実行して実現される機能の一部又はすべてをASICによって実現してもよい。
【0055】
操作入力部34は、搬送装置1によってトレーTを搬送する搬送先(客席)を指定する操作などを行う装置である。操作入力部34は、例えば操作ボタンが表示されたタッチパネルや、物理的な操作ボタン、キーボード等で構成される。
【0056】
回収指示信号出力部62は、客席60に搬送されたトレーTの回収を指示する信号を出力する部分である。回収指示信号出力部62は、トレーから飲食物が取り出されたことを直接的あるいは間接的に検出して、回収動作を開始するトリガーとなる信号を出力できるものであれば特に限定されない。回収指示信号出力部62は、例えば、トレーT上に載せられた飲食物(が載った皿)などがトレー上からなくなったことを検出するセンサである。具体的には、エリアセンサを客席前搬送部4と客席60との間に配置し、客席側からトレーがある提供位置側への、飲食物を取り出す際の客の手の出入りを検出することで、トレーTから飲食物が取り出されたことを検出することができる。この場合は、飲食物を取り出す際に必ずエリアセンサの検出領域を手や飲食物が通るように、客席前搬送部4の周囲を囲うなどするとよい。
【0057】
また、エリアセンサの投光器と受光器を、客席前搬送部4の幅方向両側にトレーT上の飲食物の高さ(トレーTの縁の高さよりも高く、トレー上の飲食物等の上端よりも低い位置)に合わせて水平に設置し、トレーT上の飲食物をエリアセンサで直接検出してもよい。飲食物の取り出しの前後での検出状態の変化から、トレーから飲食物が取り出されたことを検出することができる。エリアセンサを(複数の)光電センサに置き換えて同様の検出を行ってもよい。飲食物がトレーから無くなったことを検出した検出信号が回収指示信号として出力されることで、制御部30がトレーTの回収処理を開始することができる。
【0058】
また、回収指示信号出力部62は、カメラと画像処理装置を含む画像検出システムであってもよい。客席前搬送部4の上方などからカメラでトレーT上を撮影しておき、撮影画像を画像解析してトレーT上から飲食物が取り出されたことを検出して、回収指示信号を出力することができる。
【0059】
また、回収指示信号出力部62として、客席前搬送部4上の搬送物の重さを検出する秤を備えてもよい。飲食物がトレーTから取り出される前後の重量変化(減少)を検出することで、飲食物の取り出しを検出できる。制御部30は、重量の測定値を取得し、飲食物に相当する所定値以上の重量減少が検出された場合や、予め記憶されたトレーTだけの重量まで測定値が減少した場合などに、その測定値を回収指示信号として取得して回収動作に移行することができる。なお、所定の重量変化などの判断も秤側で行い、回収を指示する信号だけを制御部30に送信するようにしてもよい。
【0060】
また、回収指示信号出力部62は、例えば、客席60に設置される回収指示用のボタンとしてもよい。トレーTから皿を取り終わったときに、客がそのボタンを押すことで、回収指示の信号が出力され、トレーTの回収を開始することができる。回収指示用のボタンは、物理的なボタンでもよいし、タッチパネルに表示されるボタンでもよい。以上が、本実施形態の搬送装置1の構成である。
【0061】
次に、搬送装置1の動作を図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6は本実施形態の搬送装置1によるトレーの搬送動作の流れを示す図である。まず、操作入力部34においてトレーTをどの客席60に搬送するかを指示する操作入力が行われる。制御部30は、その操作入力に基づき、搬送ベルト駆動部52aを制御して搬送ベルト52を動作させ、指定された客席60に対応する振分位置FまでトレーTを搬送する。対象の振分位置Fの手前に配置される第2センサ56でトレーT(の後端)の通過が検出された後、振分位置Fに到達するのに要する到達時間が経過したら搬送ベルト52を停止させることで、振分位置FでトレーTを停止できる。図5(a)に、対象の振分位置FにトレーTが搬送されて停止した状態を示す。
【0062】
次に、制御部30は、対象の振分位置Fにあるトレー振分部2を制御して、トレーTの振分方向への搬送動作を開始する。具体的にはまず、制御部30は電動シリンダ16を制御してトレー振分部2の移送部を第1の位置から第2の位置に上昇させる(図5(a)、(b))。これにより、搬送ローラ10によって、トレーTが搬送ベルト52から持ち上げられる。
【0063】
次に、制御部30は、駆動モータ15を制御して駆動ローラ11を回転させ、移送部の各ローラを回転させる。このとき、制御部30は、搬送先として指定された客席60の方向(図5では右の客席60の方向)にトレーTが搬送されるように、駆動モータ15の回転方向を制御する。また、制御部30は客席前搬送部4の駆動モータ45も動作させて、ベルト40をトレーTの搬送方向に回転させる。
【0064】
そして制御部30は、トレーTの搬送を開始した後に、搬送する客席側の第1センサ22でトレーTの通過が終了したことを検出した場合(つまり、第1センサ22をトレーTの後端が通過して、何も検出しなくなった後)に、駆動モータ15を停止させる。また、制御部30は客席前搬送部4の駆動モータ45も停止させる。制御部30は、搬送ベルト40上の適正な位置でトレーTが停止するように、トレーTの通過を検出した時点から予め設定した時間を経過してから駆動モータ45を停止させればよい。この制御により、トレーTは客席前搬送部4における提供位置で停止する(図5(c))。提供位置にトレーTが停止した後、トレーT上の皿が取り出される。
【0065】
次に制御部30は、回収指示信号出力部62から客席60に提供したトレーTの回収を指示する信号を取得する。上述の通り、例えば制御部30は回収指示信号出力部62である、エリアセンサや画像検出システムや秤などから、トレーT上の皿が無くなったことを検出した検出信号を回収指示信号として取得する。あるいは、制御部30は、回収指示信号出力部62として客席に設置される回収指示用のボタンが押され、回収指示信号を取得する。
【0066】
制御部30は回収指示信号を取得したらトレーTの回収動作に移行する。制御部30は、客席前搬送部4の駆動モータ45と、トレー振分部2の駆動モータ15を、提供時と逆方向に回転させて、トレーTをトレー振分部2の方向に搬送する(図6(d))。また制御部30は、両側の電動シリンダ18aのうち、トレーTの回収を行っている客席前搬送部4から遠い方の電動シリンダ18aを動作させてストッパーガイド18を上昇させる。
【0067】
そして、制御部30は、トレーの後端が第1センサ22を通過して、トレーTの検出が終了したら、客席前搬送部4の駆動モータ45と、トレー振分部2の駆動モータ15を停止させる(図6(e))。この際に、制御部30は搬送ローラ10上の適正な位置でトレーTを停止させて、搬送ベルト52で確実に搬送できるように、少なくともトレーTがストッパーガイド18に当たるまでに必要な時間、駆動モータ15を動作させてから停止させる。当該時間は、トレーTを検出しなくなった時点からトレーTがストッパーガイド18に当接するまでにかかる時間を予め計算または測定して求めて、その時間に基づいて適宜設定すればよい。
【0068】
次に、制御部30は、電動シリンダ18aを動作させて上昇していたストッパーガイド18を下降させるとともに、3つの電動シリンダ16を動作させて、トレー振分部2を上昇した第2の位置から第1の位置に下降させる(図6(f))。この動作により、トレーTは搬送ベルト52によって支持されて搬送ベルト52で搬送可能な状態となる。制御部30は、搬送ベルト52を動作させて、トレーTを所定の回収位置まで搬送する。トレーTの所定の回収位置は適宜の位置に設けられれば良く、例えば提供時にトレーTが載せられた厨房側でもよいし、搬送レーン50の厨房側とは反対側に回収位置を設けてそこに搬送してもよい。以上が、本実施形態の搬送装置1の動作の流れである。
【0069】
以上の本実施形態の搬送装置1によれば、飲食物などが載せられたトレーを搬送レーン50から客席側に搬送できるとともに、飲食物が取り出された後のトレーTを回収することができる。搬送装置1によれば、トレーTの搬送だけでなく回収までできるので、トレーTを客席に置かなくてよくなり食事スペースを確保できる。また、トレーTの回収を自動化して業務を効率化できる。
【0070】
なお、本実施形態では搬送ローラ10などのローラセットを搬送レーン方向に2列配置したがこれに限られない。搬送ローラ10をトレーTの大きさに近い幅を有するロールとする場合など、1組のローラセットでも安定してトレーTを搬送できる場合は、搬送ローラ10などのローラセットを1列だけ配置してもよい。
【0071】
また、複数のローラとして上記のような軸方向により長いローラを用いる場合は、駆動ベルト14の代わりに搬送用平ベルトを巻回してもよい。平ベルトで複数のローラを駆動して回転させるとともにトレーTを搬送することができる。また、複数本の駆動ベルト14を各ローラに巻回して複数の駆動ベルト14でローラを回転させてもよい。この場合も、複数の駆動ベルトによってトレーTの搬送面が形成される。
【0072】
また、搬送装置1が搬送ベルト52や搬送ベルト駆動部52aなどの搬送レーン50の装置を含まず、別々に制御されてもよい。この場合は、制御部30が、少なくとも搬送レーン50において搬送先の客席に対応する振分位置FへのトレーTの搬送が完了したことを知らせる信号を搬送レーン側から取得すればよい。その信号に基づき、制御部30が、対応する位置のトレー振分部2や客席前搬送部4を動作させてトレーTを客席に対して搬送すればよい。また、回収時には、トレー振分部2での回収動作が完了した際に制御部30が回収完了の信号を搬送ベルト52の制御部に出力し、搬送ベルト52の搬送を開始すればよい。
【符号の説明】
【0073】
1 搬送装置
2 トレー振分部
10 搬送ローラ
11 駆動ローラ
12 ガイドローラ
14 駆動ベルト
15 駆動モータ
16 電動シリンダ
18 ストッパーガイド
18a 電動シリンダ
4 客席前搬送部
40 ベルト
44 駆動ローラ
45 駆動モータ
22 第1センサ
30 制御部
50 搬送レーン
52 搬送ベルト
56 第2センサ
60 客席
T トレー
F 振分位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6