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  • 特開-診断システム並びに方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130757
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】診断システム並びに方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/00 20180101AFI20240920BHJP
【FI】
G16H50/00
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040651
(22)【出願日】2023-03-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】000153443
【氏名又は名称】株式会社 日立産業制御ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小川 郁世
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】疾病可能性を高精度に予兆診断することができる予兆診断システム並びに方法を提供することを目的とする。
【解決手段】予兆診断システムは、バイタルを入力とする学習により生成された医学観点モデルと、個人データを入力とする学習により生成された個人観点モデルと、環境データを入力とする学習により生成された環境観点モデルと、医学観点モデルと個人観点モデルと環境観点モデルを含む、少なくとも3以上のモデルが与える疾病可能性指標値を用いた多数決判断により疾病可能性を判断する総合判断部Tを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに観点の異なる入力を学習して生成された少なくとも3種類のモデルと、前記3種類のモデルが与える指標値を用いた多数決判断により診断を行う総合判断部を備えて構成されることを特徴とする診断システム。
【請求項2】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記モデルは、バイタルを入力とする学習により生成された医学観点モデルと、個人データを入力とする学習により生成された個人観点モデルと、環境データを入力とする学習により生成された環境観点モデルを含むことを特徴とする診断システム。
【請求項3】
請求項2に記載の診断システムであって、
前記総合判断部は、前記モデルが与える疾病可能性指標値を用いた多数決判断により疾病可能性を判断することを特徴とする診断システム。
【請求項4】
請求項2に記載の診断システムであって、
前記個人観点モデルは個人データを入力とする学習により生成され、環境観点モデルは環境データを入力とする学習により生成されたものであることを特徴とする診断システム。
【請求項5】
請求項2に記載の診断システムであって、
前記バイタルは血圧、脈拍、血中酸素濃度のうちいずれかを含むことを特徴とする診断システム。
【請求項6】
請求項2に記載の診断システムであって、
前記個人データは性別、年齢/年代のうちいずれかを含むことを特徴とする診断システム。
【請求項7】
請求項2に記載の診断システムであって、
前記環境データは気温、湿度、気圧のうちいずれかを含むことを特徴とする診断システム。
【請求項8】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記モデルは、決定木によるモデルであることを特徴とする診断システム。
【請求項9】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記モデルは、クラスタリングによるモデルであることを特徴とする診断システム。
【請求項10】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記モデルは、分類によるモデルであることを特徴とする診断システム。
【請求項11】
請求項1に記載の診断システムであって、
学習段階において生成された前記モデルは、利用段階における利用者が利用することでモデルデータ量が一定以上増加した際に再学習をされることを特徴とする診断システム。
【請求項12】
計算機を用いて実現される診断方法であって、
計算機は、互いに観点の異なる入力を学習して生成された少なくとも3種類のモデルの機能と、前記3種類のモデルが与える指標値を用いた多数決判断により診断を行う総合判断の機能を備えて構成されることを特徴とする診断方法。
【請求項13】
請求項12に記載の診断方法であって、
前記モデルの機能は、バイタルを入力とする学習により生成された医学観点モデルの機能と、個人データを入力とする学習により生成された個人観点モデルの機能と、環境データを入力とする学習により生成された環境観点モデルの機能と、を含むことを特徴とする診断方法。
【請求項14】
請求項12に記載の診断方法であって、
前記総合判断の機能は、前記モデルが与える疾病可能性指標値を用いた多数決判断により疾病可能性を判断することを特徴とする診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疾病可能性を診断する診断システム並びに方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から計算機を用いて、身体状態を判断することが行われている。この一例として特許文献1では、対象者毎に精度よく身体状態を把握することが可能な身体状態把握システムを提供することを目的として、「環境と個人の現在の状態を把握する測定データを取得する測定部3と、環境と個人の基本データと、前記測定データの履歴である時系列データと、が記録された記録部2と、個人の身体状態を判断する判断部4と、を備え、該判断部4は、前記測定データ、前記基本データ、前記時系列データ、の少なくともいずれか1つに基づいて、個人の身体状態を判断する。」ことを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-135741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によれば、身体状態の把握が可能であるが、疾病可能性を予兆診断することを想定すると、精度上に問題がある。
【0005】
このことから本発明においては、疾病可能性を高精度に診断することができる診断システム並びに方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のことから本発明においては、「互いに観点の異なる入力を学習して生成された少なくとも3種類のモデルと、3種類のモデルが与える指標値を用いた多数決判断により診断を行う総合判断部を備えて構成されることを特徴とする診断システム」としたものである。
【0007】
また本発明においては、「計算機を用いて実現される診断方法であって、計算機は、互いに観点の異なる入力を学習して生成された少なくとも3種類のモデルの機能と、3種類のモデルが与える指標値を用いた多数決判断により診断を行う総合判断の機能を備えて構成されることを特徴とする診断方法」としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、疾病可能性を高精度に予兆診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例に係る予兆診断システムの構成例を示す図。
図2a】クラスタリングによるモデルの例を示す図。
図2b】決定木によるモデルの例を示す図。
図2c】分類モデルの例を示す図。
図3】3モデルによる判断事例を示す図。
図4】再学習の考え方を示す図。
図5】3モデル体制にすることの優位性について説明する図。
図6】3モデル体制にすることの優位性について説明する図。
図7】3モデル体制にすることの優位性について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下,本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
【実施例0011】
図1は、本発明の実施例に係る診断システムの構成例を示す図である。この診断システムは計算機を用いて構成されている。計算機で実現する機能を述べるならば、学習機能を備える3種類のモデルM(M1,M2,M3)と、多数決原理に基づく総合判断部Tから構成されている。
【0012】
このうちモデルMは、血圧、脈拍、血中酸素濃度のうちいずれかのバイタルを入力とする医学観点モデルM2と、性別、年齢/年代のうちいずれかの個人データ(カテゴリ)を含んで入力とする個人観点モデルM1と、気温、湿度、気圧のうちいずれかの環境データを含んで入力とする環境観点モデルM3により構成される。これらのモデルは、それぞれの入力を用いた学習処理により生成されたモデルである。
【0013】
学習段階において学習処理により生成されたモデルに対して、利用段階では個別の各入力を与え個別各入力の判断処理を行う。医学観点モデルM2によりバイタル視点からの判断を行い、個人観点モデルM1によりカテゴリ視点からの判断を行い、環境観点モデルM3により環境状態視点からの判断を行うように構成されている。この場合の判断結果は、個別入力の時の疾病可能性であり、その判断根拠となるデータである。
【0014】
モデルの形成手法は任意のものが適用可能である。例えば図2aはクラスタリングによるモデルの例を示しており、学習の結果として正常状態であるときに生成される正常クラスタCNと、異常であるときに生成される疾病クラスタCAを得ており、これに対し利用段階においていずれにも属さないデータDXがモデルに与えられる時に、このデータDXは正常状態から異常状態に移行過程にある、従って経過観察が必要な予兆対象データとすることができるものである。なおクラスタ内の「●」は、このクラスタ領域に含まれた入力データを表している。
【0015】
図2bは、入力間の因果関係に基づいて予兆を推定する決定木によるモデルの例を示しており、処理ステップS(S1からS7)ごとに判断処理を行い、決定された経路を辿って結論を導くとともに、下位ステップを決定する判断場面で微妙な数値関係にある時などに正常状態から異常状態に移行過程にあると推定することができる。
【0016】
図2cは、分類モデルの例を示しており、何らかの境界条件Xに対し、いずれの側に属するかをもって、正常と疾病を区分するモデルである。この場合にも、境界条件Xの近傍に存在する入力データについて予兆対象データとすることができる。
【0017】
本発明におけるこれらのモデルM(M1,M2,M3)は、上記以外のモデルであってもよいが、いずれの場合にも予兆対象データDXを、数値化された情報として出力する。具体的には疾病可能性を数値化した疾病可能性指標値D(D1,D2,D3)として出力する。疾病可能性指標値D(D1,D2,D3)は、例えば(0>D≧1)とされ、「1」は疾病状態を表す。数値は、疾病状態にどれほど近い状態かを表すものであって、例えばクラスタリングモデルであれば、正常クラスタへの距離と異常クラスタへの距離の比として定義するのがよい。なお疾病可能性指標値Dは、確率とか%ではなくても優劣の決着が付く何らかの値であればよい。
【0018】
なお疾病可能性指標値Dは、全モデルで共通の意味とスケールを持つ値であることを要する。これにより、次段の多数決原理に基づく総合判断部Tにおける多数決による平等評価が可能となる。
【0019】
また疾病可能性指標値Dに対して、重み係数w(w1,w2,w3)により、重要視したい観点に重みを付けることができるようにするのがよい。これは例えば、予兆診断システムの利用者Yが、医者以外の例えば養老院の管理者である場合に、年齢であるとか、居住環境における不具合から生じる健康異常に留意して管理するという観点からは、個人観点モデルM1や環境観点モデルM3の出力を重視したいという傾向があることを配慮したものであり、重みの可変設定により多様な使用用途に対応可能である。
【0020】
多数決原理に基づく総合判断部Tでは、重み付けした疾病可能性指標値Dが基準値よりも大となっていると判断したモデルの数による多数決を実施し、疾病可能性指標値が基準値より大きいと判断したモデルが過半数(この場合には2台以上)であるとき、疾病可能性ありと判断する。
【0021】
図3は、3モデルによる判断事例を示す図である。なおこれらのモデルは学習段階において、極力多数人で構成される初期モデル用データ提供者からの提供データを受けた学習を行って形成されているモデルである。
【0022】
この図では、モデルMはクラスタリングモデルを適用したものとし、バイタルを入力とする医学観点モデルM2は、血圧、脈拍、血中酸素濃度のうちいずれかの複数バイタルによる多次元でのクラスタとして正常クラスタCNと、疾病クラスタCAを生成している。なおこの医学観点モデルM2の利用段階において、患者を診断した時のこの患者のバイタル面での疾病可能性指標値D(図示では確率と表記)は89%であったものとする。
【0023】
カテゴリを入力とする個人観点モデルM2は、性別、年齢/年代のうちいずれかのカテゴリによる多次元でのクラスタとして正常クラスタCNと、疾病クラスタCAを生成しているものとする。なおこの個人観点モデルM2の利用段階において、患者を診断した時のこの患者のカテゴリ面での疾病可能性指標値D(図示では確率と表記)は42%であったものとする。
【0024】
さらに環境値を入力とする環境観点モデルM3は、気温、湿度、気圧のうちいずれかの環境データによる多次元でのクラスタとして正常クラスタCNと、疾病クラスタCAを生成している。なおこの環境観点モデルM3の利用段階において、患者を診断した時のこの患者の環境面での疾病可能性指標値D(図示では確率と表記)は78%であったものとする。
【0025】
このとき、多数決原理に基づく総合判断部Tでは、3モデルの申告数値(89%、42%、78%)を基準値(例えば75%)に基づいて疾病判断を行い、個人観点モデルM1では疾病と判断することが棄却されるが、医学観点モデルM2と個人観点モデルM1では疾病と判断するために、3者中の2者合意による多数決が成立して、例えば83%の可能性をもって疾病の可能性ありと判断する。
【0026】
図4は、再学習の考え方を示す図である。図3では、比較的に初期の状態における利用場面を示しているが、これに対し、経年による利用者が増加してきた状態が図4に示されている。例えば初期に学習を行った時の初期モデル用データ提供者数に対して、その後の利用患者数の増加により、利用による蓄積データを含めた再学習により、モデルの再構築を図るべきことを示している。なお再学習するには、モデル生成データに”疾病予測が正しかったか”という情報を加えるのがよい。
【0027】
以上説明した本発明に係る予兆診断システム並びに方法では、モデル三者の判断と多数決によって疾病の可能性を判断する。これにより、モデルの複雑化を防ぎながら多観点での判定が可能となる。またモデル三者は自観点での判断のみ責任を持ち、最後に結果を持ち寄り総合判断する。この結果、判断理由の多角化がされ、観点を変えたモデルによる失報確率の減少を図ることができる。
【0028】
以下、図5,6,7を用いて、3モデル体制にすることの優位性について説明する。図5左に、仮に全ての入力に対して1モデルでの学習により1モデルを形成した場合を、右に本発明の3モデル体制としたときを示している。
【0029】
1モデルの場合には、バイタルデータD2と、カテゴリデータD1と、環境データD3を用いた学習を行い、例えば正常クラスタCNとしてカテゴリデータD1と環境データD3で定義された正常クラスタCN1と、バイタルデータD2と環境データD3で定義された正常クラスタCN2を生成し、またカテゴリデータD1とバイタルデータD2と環境データD3で定義された異常クラスタCAを生成したものとする。
【0030】
この場合、『クラスタの特徴』に属性の異なるカラム(データ)が含まれるため、全て一律に優位順位付けされることになり、ある属性が重要視されず埋もれてしまうことがある。例えば重要度1、2位にカテゴリデータが上がり、重要度3位に環境データが上がることなどが想定され、バイタルに関するデータが重要視されずに出てこないことが考えられる。なお、優先順位付けされたデータとは、学習により得られる根拠データの一部をなすものであり、学習結果としてある結論を導いたとき、その結論を選択するに至った根拠データであり、例えば影響度が高い順に優先順位が高いものとして得られる。
【0031】
これに対し、右側の3モデルの場合には、バイタルデータD2同士での学習によるクラスタ生成と、カテゴリデータD1同士での学習によるクラスタ生成と、環境データD3同士での学習によるクラスタ生成を個別に行うことになる。あるいは図3の例では環境とバイタルの学習や、カテゴリとバイタルの学習を行う。この時には、あらかじめ独立した属性で分立させたモデルを生成するので、全属性の特徴の優先度(重要度)が表れてくる。この結果、各属性の権限の範囲で重要な特徴を抽出し、分立させることで着目領域を限定化し、他属性の影響を受けず自身の属性における判断を下すことになる。この結果として、モデル毎に(バイタル、カテゴリ、環境毎に)、その中での優先度での診断結果が得られることになる。
【0032】
図6では、上段に学習により1モデルを形成した場合を、下段に本発明の3モデル体制としたときを示している。1モデルの場合には、バイタルデータD2と、カテゴリデータD1と、環境データD3を用いた学習を行い、例えば変数重要度が高いデータとして湿度、気温を上位に抽出した事例を示すものである。この時、この結論は、本当に疾病によるものか疑わしいと思われる。
【0033】
これに対し、3モデルの場合には、バイタルデータD2同士、カテゴリデータD1同士、環境データD3同士を用いた個別の学習を行い、例えば変数重要度が高いデータとしてバイタルでは脈拍、カテゴリでは年代、環境では湿度、気温を上位に抽出した事例を示すものである。この時、この結論からは、医学観点で脈拍、個人観点で年代の値から予測すると、疾病の可能性ありと推定ができる。
【0034】
このように3モデルでは、属性で限定されたモデルで各々の立場で予測するので総合判断時の意味がクリアになる。また「脈拍が少なくても年齢が高いので正常」など、判断の理由がわかる。図6の事例によれば、判断の理由差による結果の正当性の信頼性が高いことがわかる。
【0035】
図7でも、上段に1モデルを形成した場合を、下段に本発明の3モデル体制としたときを示している。ただしここでは、実はある疾病を抱えている人を疾病予測対象とした場合の想定ユースケースを示している。
【0036】
この事例では、1モデルの場合には、判定に重要な変数が全て含まれたモデルになり、疾病と正常の境界が緩くなることになり、正常との結果が窺わしい。これに対し、3モデルの場合には、ある属性のモデルで疾病と正常の境界が緩くても他属性モデルで判断の補間ができるということができ、疾病の可能性ありという結論が正しいということができる。
【0037】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、「互いに観点の異なる入力を学習して生成された少なくとも3種類のモデルと、前記3種類のモデルが与える指標値を用いた多数決判断により診断を行う総合判断部を備えて構成されることを特徴とする診断システム」とすることで、疾病可能性を高精度に予兆診断することができる。また互いに観点の異なる入力を学習するモデルは、バイタルを入力とする学習により生成された医学観点モデルと、個人データを入力とする学習により生成された個人観点モデルと、環境データを入力とする学習により生成された環境観点モデルとするのがよい。
【符号の説明】
【0038】
T:総合判断部
M2:医学観点モデル
M1:個人観点モデル
M3:環境観点モデル
w(w1,w2,w3):重み係数
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに観点の異なる入力を学習して生成された3種類のモデルと、前記3種類のモデルが与える指標値を用いた多数決判断により診断を行う総合判断部を備えるとともに、
前記モデルは、バイタルを入力とする学習により生成された医学観点モデルと、個人データを入力とする学習により生成された個人観点モデルと、環境データを入力とする学習により生成された環境観点モデルであることを特徴とする診断システム。
【請求項2】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記総合判断部は、前記モデルが与える疾病可能性指標値を用いた多数決判断により疾病可能性を判断することを特徴とする診断システム。
【請求項3】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記個人観点モデルは個人データを入力とする学習により生成され、環境観点モデルは環境データを入力とする学習により生成されたものであることを特徴とする診断システム。
【請求項4】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記バイタルは血圧、脈拍、血中酸素濃度のうちいずれかを含むことを特徴とする診断システム。
【請求項5】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記個人データは性別、年齢/年代のうちいずれかを含むことを特徴とする診断システム。
【請求項6】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記環境データは気温、湿度、気圧のうちいずれかを含むことを特徴とする診断システム。
【請求項7】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記モデルは、決定木によるモデルであることを特徴とする診断システム。
【請求項8】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記モデルは、クラスタリングによるモデルであることを特徴とする診断システム。
【請求項9】
請求項1に記載の診断システムであって、
前記モデルは、分類によるモデルであることを特徴とする診断システム。
【請求項10】
請求項1に記載の診断システムであって、
学習段階において生成された前記モデルは、利用段階における利用者が利用することでモデルデータ量が一定以上増加した際に再学習をされることを特徴とする診断システム。
【請求項11】
計算機を用いて実現される診断方法であって、
計算機は、互いに観点の異なる入力を学習して生成された3種類のモデルの機能と、前記3種類のモデルが与える指標値を用いた多数決判断により診断を行う総合判断の機能を備えるとともに、
前記モデルの機能は、バイタルを入力とする学習により生成された医学観点モデルの機能と、個人データを入力とする学習により生成された個人観点モデルの機能と、環境データを入力とする学習により生成された環境観点モデルの機能であることを特徴とする診断方法。
【請求項12】
請求項11に記載の診断方法であって、
前記総合判断の機能は、前記モデルが与える疾病可能性指標値を用いた多数決判断により疾病可能性を判断することを特徴とする診断方法。