IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大西 徳生の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130821
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】共振形AC-DC電源
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20240920BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H02M7/12 Q
H02M3/155 Q
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040731
(22)【出願日】2023-03-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】594170185
【氏名又は名称】大西 徳生
(72)【発明者】
【氏名】大 西 徳 生
【テーマコード(参考)】
5H006
5H730
【Fターム(参考)】
5H006AA01
5H006AA02
5H006CA07
5H006CB01
5H006CC01
5H006DA02
5H006DA04
5H006DB01
5H006DC02
5H006DC05
5H730AA02
5H730AA14
5H730AA18
5H730AS04
5H730AS17
5H730BB14
5H730BB61
5H730CC01
5H730EE59
5H730FD01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スイッチングノイズの発生およびスイッチング損失を抑えて、整流回路の流入電流波形の改善と出力電圧、電流制御を可能にするAC-DC電源を提供する。
【解決手段】共振形AC-DC電源は、LC共振回路を用いた第一のスイッチS1を制御して零電流スイッチング制御整流する共振形整流回路200の出力端に、第二のスイッチ制御で昇圧あるいは昇降圧制御可能なDCDCコンバータ回路300を接続し、LC共振期間を超える出力制御に必要な適切なスイッチング周期で第一のスイッチS1をオンオフ制御し、オフ期間に第二のスイッチS2のパルス幅を制御することにより、整流回路200の出力制御と入力電流波形の改善を行う。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源に接続した全波整流回路の直流出力端子に第一のスイッチ回路とダイオードを直列に接続して共振インダクタLrの一端に接続した端子を逆充電防止用ダイオードが並列接続された共振キャパシタCrに接続して、前記共振キャパシタC rの他端を前記ダイオード整流回路の他端に接続するLC共振回路を構成し、前記共振キャパシタC rの両端に第二のスイッチで昇圧あるいは昇降圧制御可能なDCDCコンバータ回路を接続する共振形整流回路を構成し、前記第一のスイッチをLC共振期間以上の出力制御に必要な適切なスイッチング周期でオンオフ制御することにより零電流スイッチング動作をさせ、前記第一のスイッチのオフ期間に前記第二のスイッチをオンするスイッチングパルス幅を制御することにより、前記共振形整流回路の出力電圧、電流制御と流入電流波形の改善を可能にすることを特徴とする共振形AC-DC電源。
【請求項2】
請求項1記載の共振形AC-DC電源を構成する前記DCDCコンバータとして、前記共振キャパシタCrの一端にインダクタLdと前記第二のスイッチを介して前記共振キャパシタC rの他端に接続し、前記インダクタLdと前記第二のスイッチの接続端に逆流防止ダイオードを介して平滑用キャパシタCdの一端に接続し、前記平滑用キャパシタCdの他端を前記共振キャパシタC rと前記インダクタLdとの接続点に接続し、前記平滑用キャパシタCdの両端に直流負荷を接続する昇降圧形のDCDCコンバータを接続することにより、前記共振キャパシタCrの電圧に対する昇降圧制御により前記直流負荷端子の電圧、電流制御と流入電流波形の改善を可能にすることを特徴とする共振形AC-DC電源。
【請求項3】
請求項1記載の共振形AC-DC電源を構成する前記DCDCコンバータとして、前記共振キャパシタCrの両端に、前記第二のスイッチ回路と変圧器の直列接続回路を接続して、前記変圧器の二次巻線の一端にダイオードを介して平滑用キャパシタCdに接続し、前記平滑用キャパシタCdの他端に前記変圧器の二次巻線の他端を接続し、前記平滑用キャパシタCdの両端に直流負荷を接続する変圧器を用いた昇降圧形のDCDCコンバータを接続することにより、前記共振キャパシタCrの電圧に対して前記変圧器の変圧比を含めて昇降圧制御により、前記直流負荷端子の電圧、電流制御と流入電流波形の改善を可能とし、前記交流電源と絶縁した直流出力を得ることができることを特徴とする共振形AC-DC電源。
【請求項4】
請求項1記載の共振形AC-DC電源を構成する前記DCDCコンバータとして、前記共振キャパシタC rの一端にインダクタLdと前記第二のスイッチを介して前記共振キャパシタC rの他端に接続し、前記インダクタLdと前記第二のスイッチの接続端に逆流防止ダイオードを介して平滑用キャパシタCdの一端に接続し、前記平滑用キャパシタCdの他端を前記共振キャパシタCrの他端に接続して、前記平滑用キャパシタCdの両端に直流負荷を接続する昇圧形のDCDCコンバータを接続することにより、前記共振キャパシタCrの電圧に対して昇圧制御により前記直流負荷端子の電圧、電流制御と流入電流波形の改善を可能にすることを特徴とする共振形AC-DC電源。
【請求項5】
請求項1から請求項4記載の前記共振形AC-DC電源において、前記DCDCコンバータを構成制御する前記第二のスイッチにダイオードを直列接続した端子に、前記零電流スイッチング整流回路を構成制御する前記第一のスイッチにダイオードを直列接続した端子を接続することにより、前記第二のスイッチ動作において前記第一のスイッチに対するドライブ電源のブートストラップ充電を可能として、前記共振形整流回路のドライブ回路構成を簡単化することを特徴とする共振形AC-DC電源。
【請求項6】
請求項1から請求項5記載の前記共振形AC-DC電源において、前記全波整流回路の直流側あるいは交流側にインダクタLaとキャパシタcaを必要に応じて振動抑制用抵抗を前記キャパシタCa に直列接続して、前記LC共振動作によるパルス列の共振電流の高周波成分を除去するLCフィルタ回路を前記共振形AC-DC電源に接続して流入電流波形の改善をはかることを徴とする共振形AC-DC電源。
【請求項7】
請求項1から請求項6記載の前記共振形AC-DC電源において、交流電源が単相電源の場合は、前記全波整流回路を単相全波整流回路とし、前記交流電源が三相電源の場合は、前記全波整流回路を三相全波整流回路とし、前記共振電流のパルス列の電流を前記LC フィルタ回路に通すことにより、前記交流電源が単相正弦波の場合は正弦波状の交流電流波形に、三相正弦波の場合は120度通流幅の方形波交流電流波形にすることを特徴とする共振形AC-DC電源。
【請求項8】
請求項1から請求項7記載の前記共振形AC-DC電源において、前記共振形整流回路の直流出力電圧あるいは出力電流を検出して、それらが一定の基準値に一致するように、それらの比較出力を電圧調節器あるいは電流調節器を介して、前記第一のスイッチが適切な前記スイッチング周期のオフ期間に前記第二のスイッチのスイッチングパルス幅を制御することにより、出力電圧、電流制御と流入電流波形の改善を可能にすることを特徴とする共振形AC-DC電源。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源としてのLED照明器具用電源から比較的容量の大きなインバータエアコンなど比較的容量の大きな応用分野の電気エネルギーを消費する負荷に対する直流電源の電源品質改善と小型化、軽量化、低価格化に貢献する技術である。
【背景技術】
【0002】
LED照明は、本来の低消費電力や長寿命の特徴に加えて省エネ化への期待や制御機能の向上が図られるため、近年の照明器具の低価格化と共に広く普及してきた。
【0003】
LED照明電源は、電気エネルギーを一方的に需要要求に応じて消費する負荷であるため、極めて簡単な回路構成でも実用に供することができるが、市販される台数が極めて多いため、比較的簡単な回路構成で必要とする特性を有することが求められている。
【0004】
一般的なLED照明用電源は、交流電源を整流して電解コンデンサで平滑した後、スイッチ回路で調光制御しており、ハードスイッチング損失、スイッチングノイズ、電解コンデンサによる寿命等の課題に加えて、力率改善対策としてPFC(Power Factor Correction:力率改善)整流回路を付加したものは、LED照明用駆動電源としては動作電圧が高くなり、その後段に電圧を下げるためにDC-DCコンバータを接続する2段構成となるなど、回路構成がさらに複雑化するなどの課題があった。
【0005】
一方、インバータエアコンなどのインバータの直流電源の構成においては、LED照明用電源に比べて比較的動作電圧が高く、動作電流も大きいので、整流動作における電流波形ひずみによる周辺機器への影響も大きい。
【0006】
このため、インバータエアコン用の直流電源構成においてもPFCコンバータが用いられており、主回路構成が複雑化するだけでなく、スイッチング損失、高周波ノイズが課題となるため、種々の改善策も講じられている。
【0007】
本発明は、2個のスイッチング素子を用い、スイッチング損失やスイッチングノイズの低減に有効なソフトスイッチング技術による共振形整流制御動作と、それに接続するDCDCコンバータによる電流制御動作を組み合わせた制御により、極めて簡単な回路構成ではあるが、優れた流入電流特性のもと、DCDCコンバータのスイッチング制御で出力電圧電流制御を実現するものである。
【0008】
さらに、本発明は、DCDCコンバータに変圧器を用いた構成により、幅広い電圧制御が可能で、交流電源から絶縁した直流出力を得ることができ、さらに幅広い応用が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第6667750:「DC-DCコンバータ」
【特許文献2】特許第6775745:「AC-DCコンバータ」
【特許文献3】特許第7137260:「AC-DC電源」
【0010】
パワーエレクトロニクス機器は、理想的なスイッチング制御ができれば、原理的には損失を伴わないことから、スイッチング素子の高速化に向けた開発が進み、近年では従来からのシリコン半導体に代わり、SiC半導体、GaN半導体が利用可能となってきており、この傾向は今後も急速に進むものと思われる。
【0011】
そして、スイッチング周波数を高くすることで、インダクタ、キャパシタ、変圧器などが小型化でき、効率改善と装置の小型軽量化が急速に進んでいる。
【0012】
一方で、ハードスイッチング制御によるものは、スイッチング特性が高速化できても、スイッチングの伴うスイッチング損失やスイッチングノイズの発生の問題は残る。
【0013】
これに対して、スイッチング素子にかかる電圧か電流が零の時にスイッチング制御できれば、これらの問題を解決させることができ、ソフトスイッチング制御として実用に供しているが、ソフトスイッチング制御をさせるための回路構成や制御システムが複雑化することが課題となっている。
【0014】
(特許文献1)は、新しい零電流スイッチング手法を用いたソフトスイッチング制御によるDC-DCコンバータであり、LC共振電流の大きさが負荷の軽重によって変化できるのが大きな特徴であり、広範な負荷変化に対して高い効率が期待できる。
【0015】
(特許文献2)は、交流電源からの交流―直流変換動作に(特許文献1)のスイッチング手法を適用した図1に示すAC-DCコンバータであり、同図(a)に主回路構成、同図(b)に抵抗負荷時の動作波形を示している。
【0016】
このAC-DCコンバータは、同図(a)に示すように、1個のスイッチング制御だけで、一般の電流不連続のPFCコンバータと同様に、電流振幅が交流電源電圧に比例するので、特に流入電流波形制御によらなくても流入電流波形を正弦波にでき、LC共振回路によりソフトスイッチング動作をさせるときのスイッチング周期を制御することにより、出力制御を行うことができる。
【0017】
ここで、このAC-DCコンバータの直流負荷として白熱電球や電熱器などの抵抗負荷が接続される場合は、同図(b)に示すように、全波整流回路への流入電流は共振電流のパルス列を波形となるが、LC高周波フィルタを通すことにより、簡単に低次高調波電流が全く含まれない交流電源電圧波形と同じ正弦波に制御することができる。
【0018】
図2には、一般的な直流出力に平滑用キャパシタが接続される一般的な負荷や、数多くのLEDを直列接続したLED照明など高い順方向電圧降下を表現した等価回路負荷を平滑用キャパシタと共に接続したAC-DCコンバータの主回路と動作波形を示している。
【0019】
この回路状態での電流は、AC-DCコンバータの出力電圧が負荷の端子電圧より高いときしか流れないため、同図(b)に示すように、正弦波の交流電源波形の中央付近は流れるが、零電圧近辺は電流が流れないので、交流電源波形は正弦波ではなくなる問題を生じる。
【0020】
これに対して、(特許文献3)は、共振形整流回路に昇圧形DC-DCコンバータを接続して、昇圧用コンバータのスイッチ動作を、共振形整流回路のスイッチがオフ期間に波形改善につながる程度のパルス幅のスイッチ動作を入れることにより、(特許文献2)の流入電流波形改善をはかったものである。
【0021】
図3は、その主回路構成と動作波形であり、直流出力側に平滑用コンデンサや素子のオン電圧降下が高いLED負荷が接続されていれも、昇圧チョッパ動作により、交流電源電圧が低い期間でも全期間で電流を流すことができる。
【0022】
図4は、図3(a)に示す主回路構成をもとにドライブ回路を簡単化する共振形整流回路のスイッチS1と昇圧用スイッチS2を直列接続して、スイッチS1のドライブ電源をスイッチS2のスイッチ動作によりブートストラップ充電できるようにした主回路構成とこれらスイッチで制御するときの制御システムをスイッチングタイミングと共に示したものである。
【0023】
スイッチS1には、LC共振回路の共振周期Tw1の期間オンとし、スイッチング周期Tsにおけるオフの期間にスイッチS2をTw2の期間スイッチング信号を与えることにより、流入電流波形改善し、スイッチ期間Tw1,Tw2の合計を超えるスイッチング周期Tsを調整することにより出力制御を行っている。
【0024】
これにより(特許文献3)では、一般的な直流出力に平滑用キャパシタが接続される一般的な負荷や、数多くのLEDを直列接続したLED照明など順方向電圧が高い場合においても、ソフトスイッチング制御による優れた流入電流波形で直流出力電圧、電流が連続的に制御することできようになったが、なお、いくつかの課題が残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
(特許文献3)は、交流電源電圧が100Vから240Vまでのワールドワイドな入力電圧に対応させる場合や、幅広い出力電圧、電流制御が要求される場合は、スイッチング周期Tsを大幅に変える必要があるため、スイッチング動作周波数に限界を生じる恐れがある。
【0026】
また、交流電源と直流出力間で絶縁が要求される用途には、AC-DC電源の入力側か出力側に絶縁を確保するための付加回路が必要になる。
【0027】
本発明は、これらの課題を以下の手段により解決するものである。
【0028】
先ず、交流電源電圧の幅広い動作電圧に対応させるためには、(特許文献3)で用いている昇圧形DCDCコンバータを、昇降圧形のDCDCコンバータに置き換えることにより解決する手段を用いる。
【0029】
また、絶縁された直流出力を得るために、昇圧形DCDCコンバータを、昇降圧特性を有するフライバック形DCDCコンバータに置き換えることにより解決する手段を用いる。
【0030】
さらに、スイッチング動作周波数の課題に対しては、必要とする制御に適切な一定のスイッチング周期Tsは一定とし、共振形整流回路のスイッチS1がオフの期間にDCDCコンバータのスイッチS2のスイッチング期間Tw2を制御することにより出力制御することにより解決する手段を用いる。
【0031】
図5は、本発明の共振形AC-DC電源の基本回路構成と基本制御システムを示している。
【0032】
主回路構成としては、図示するように共振形整流回路の共振キャパシタCrの両端に、電流源特性を有するDCDCコンバータを接続して、直流出力に平滑用キャパシタが接続される一般的な負荷に接続する回路構成であり、共振形整流回路制御用スイッチS1とDCDCコンバータのスイッチS2へのスイッチング信号を図示しているタイミングで与える。
【0033】
なお、共振形整流回路の共振キャパシタCrの電圧波形に、直流出力電圧からのの直接的な影響を与えないようにするため、共振キャパシタCrにの両端には電流源となるインダクタなどを介する電流源特性を有するDCDCコンバータを接続する。
【0034】
そして、本発明による共振形AC-DC電源としての出力電圧、電流制御は、変換回路前段の共振形整流回路のスイッチS1と後段のDCDCコンバータのスイッチS2のスイッチング信号として、スイッチング周期TsおよびスイッチS1へのスイッチングパルス幅Tw1は一定とし、スイッチS2のスイッチングパルス幅Tw2を制御することにより行われる。
【0035】
なお、本発明による共振形AC-DC電源は、一定の交流電圧で一定のスイッチング周波数で、第一のスイッチである共振形整流回路のスイッチS1を共振周期間オンする度に共振キャパシタCrの電圧がスイッチング周期毎に零電圧から充電し、零電圧まで低下する動作条件のもとでは定電力特性を有しているので、第二のスイッチであるDCDCコンバータのスイッチS2についても流入電流波形改善に必要なオン期間で一定としたままとすることにより、出力制御はできないが、出力電圧、電流をフィードバック制御することなく働かせることができる。
【0036】
また、スイッチS1がオフの期間にスイッチS2へのスイッチング信号は、スイッチS1がオフになった時点でスイッチS2への信号を与える場合とスイッチS2への信号がオフになった時点でスイッチS1への信号を与える場合が考えられるが、以下では前者によるスイッチング信号の発生方法で説明することとする。
【0037】
図6は、一般的な昇降圧形DCDCコンバータを用いた時の共振形AC-DC電源の主回路構成と、スイッチS1、S2の信号を与えた時の共振インダクタLrに流れる共振電流irと、昇降圧形DCDCコンバータのインダクタLdの電流idの波形であり、id’はスイッチS2がオフの時に流れる電流idであり、ダイオードD4を通して出力側に流れる電流を示している。
【0038】
出力電圧は、スイッチS2のスイッチング信号のパルス幅Tw2によって流れる電流idによる電流id’によって制御される。
【0039】
昇圧形DCDCコンバータを用いた場合とは異なり、昇降圧形DCDCコンバータを用いた場合は、スイッチS2がオフになると共振キャパシタCrからの電流は流れなくなるので、負荷が軽いときは共振キャパシタCrの電圧Vr低下は抑えられるので共振電流irの振幅が抑えられる共振電流の大きさが負荷に依存して変えられ、(特許文献1)のDCDCコンバータと同様の望ましい特性を得ることができる。
【0040】
図7は、図4と同様に図6に示す主回路構成でスイッチS1とスイッチS2とを直列接続して、スイッチS1のブートストラップ充電できる回路構成に出力電流を基準値に制御するための電流一定制御システムを示している。
【0041】
同図において、一定のスイッチング周期Tsと一定のLC共振周期Tw1のもとで、スイッチS1がオフの期間、直流出力電流ioと直流基準電流Iorとの比較出力をPI電流調節器により、スイッチS2に対するスイッチング信号を発生することにより出力電流を制御している。
【0042】
図8は、同様の主回路構成で、出力電圧を検出し、その基準値との比較制御により、出力電圧を一定に制御する制御システムを示している。
【0043】
次に、図9は、図5に示すDCDCコンバータとして、昇降圧特性を有し変圧器絶縁ができるフライバック形DCDCコンバータを用いた主回路構成を示している。
【0044】
フライバック形DCDCコンバータとして用いる変圧器の励磁インダクタが図6に示した昇降圧形DC-DCコンバータのインダクタLdと同様の電流源となり、一定のスイッチング周期Tsと一定の共振周期Tw1のもとで、スイッチS2のスイッチングパルス幅Tw2を制御することにより出力電圧、電流制御が可能であることに加えて、変圧比により高効率で大幅な電圧制御範囲の設定が可能となると共に、交流電源とは絶縁した直流出力を得ることができる。
【0045】
なお、変圧器を用いる場合は、変圧器の漏れインダクタンスにより、スイッチS2がオフの時にスパイク状の過大な電圧がスイッチS2にかかるので、変圧器の一次巻線の両端にスナバ回路を付加するなどの付加的な対策を施すことは必要となる。
【0046】
本発明による制御手法は、スイッチング周波数は一定のもと、スイッチS2のスイッチングパルス幅を変えることで出力制御することができるので、(特許文献3)のスイッチング周波数を変える制御手法で課題となっていた交流電源電圧と直流出力電圧の大きさの関係による制御可能範囲の問題は避けることができる。
【0047】
以上は、交流電源が単相交流に対して説明したが、三相交流電源から直流出力を得る場合においては、(特許文献2)、(特許文献3)の場合と同様に、単相整流回路を三相整流回路とし、三相整流回路の交流電源側か直流側かに共振パルス電流列に対するフィルタ回路を挿入することで流入電流特性の改善を図ることができる。
【0048】
図10は、図6に示した昇降圧形DC-DCコンバータを三相電源から給電するときの回路構成例を示しており、三相交流電源電流波形としては、三相電源から三相整流回路を通して抵抗負荷が接続された場合と同様に全波整流により振幅変動を伴う120度通流幅の方形波電流が流れ、正弦波電流とはならないものの流入電流波形の改善ができ、三相電源に対してもソフトスイッチング制御により、制御可能な直流出力を得ることができる。
【0049】
以上では、交流電源として単相電源が接続される場合は、共振電流のパルス列に対するフィルタを交流側に配置する交流フィルタ回路を用いているが、整流回路の直流側に配置する直流フィルタ回路も用いることができ、三相電源が接続される場合は、フィルタ回路の簡単化のため直流側に配置しているが、交流側にも配置する交流フィルタ回路を用いることができる。
【0050】
なお、実装置を構成する上では、フィルタ回路における振動抑制のためにフィルタ用キャパシタに直列に抵抗を挿入することなど、周知の対策を付加する必要となることがあるが、抵抗での損失が問題とならないように設計する必要がある。
【発明の効果】
【0051】
以上、図5に示したように、共振形整流回路の共振キャパシタCrの両端に、昇圧形DCDCコンバータや昇降圧形DCDCコンバータ、あるいは昇降圧形フライバックコンバータを接続した主回路構成において、主回路で用いられるスイッチS1、S2のスイッチング周期Ts を一定とし、スイッチS1は一定のLC共振回路の共振期間 Tw1(=π√LrCr)か,それ以上の期間オン信号を与え、スイッチS1がオフ期間にスイッチS2を出力制御に必要な期間Tw2だけオンさせるスイッチング制御により直流出力が制御でき、以下の優れた効果が期待できる。
【0052】
共振形DCDCコンバータで用いられることが多いスイッチング周期を変化することによる手法に比べて、一定のスイッチング周期でスイッチS2のパルス幅Tw2を制御することで出力制御が可能となるため、フィルタ回路の設計やEMIノイズ対策が容易になる。
【0053】
共振形整流回路の共振キャパシタCrの両端に昇圧形のDCDCコンバータを接続する場合に比べ、昇降圧形のDCDCコンバータを用いる場合は、ワールドワイドな交流電源電圧に対しても、出力制御に特別な支障を伴うことなく動作させることができる。
【0054】
また、DCDCコンバータは、交流電源と直流出力間の絶縁が要求される用途が多いが、本発明では図9に示すように。共振キャパシタCrの両端に接続するDCDCコンバータにフライバック形DCDCコンバータを接続することにより、昇降圧動作と入出力間の絶縁を同時に達成することができる。
【0055】
さらに、主回路構成を図7に示すようにスイッチS1とスイッチS2を直列接続構成とすることにより、スイッチS1に対するドライブ電源がスイッチS2によりブートストラップ充電が可能になるので、ドライブ回路の構成も簡単となる。
【0056】
以上、本発明による共振形AC-DC電源は、交流電源が単相、三相いずれにも適用でき、広範な交流電源電圧にも対応でき、共振形整流回路によるソフトスイッチング制御によるスイッチング損失の低減、スイッチングノイズの低減に加えて、DCDCコンバータのスイッチング制御により広範な出力電圧電流制御が可能で、変圧器を用いた構成においても新たなスイッチング回路の付加せずに回路構成を複雑化することなく、変圧比によりさらに広範な出力電圧制御出力を得ることが可能で、交流電源と直流出力間で絶縁出力を得ることができるなど、数多くの優れた特徴を有している。
【0057】
また、本発明による共振形AC-DC電源の特殊な使い方として、スイッチング周波数 fs あるいはスイッチング周期Tsと、共振形整流回路部のスイッチS1のスイッチオン期間Tw1を共振回路の共振周期で一定とするだけでなく、定出力特性を有する動作条件のもとで、DCDCコンバータ部のスイッチS2のスイッチオン期間Tw2を流入電流波形改善ができるだけの一定のオン期間のスイッチングパルスを与えることにより、出力電圧電流のフィードバック制御をかけないでも動作させることができ、制御システムを簡単化することができる。
【0058】
このため、本発明による共振形AC-DC電源は、LED照明用の直流制御電源からインバータエアコン用電源などの直流電源など非絶縁での用途だけでなく、回路構成をあまり複雑化することなく絶縁直流出力も容易に得ることができるので、小型スイッチング電源としての用途も期待できる。
【0059】
また、容量が大きく絶縁が必要となる場合は、本発明による非絶縁の共振形AC-DC電源と、(特許文献1)による変圧器を用いたDC――DCコンバータを組み合わせることにより対応させるなどにより、さらに幅広い分野での適用も可能になると思われる。

【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】共振形整流回路1
図2】共振形整流回路2
図3】共振形高力率整流回路
図4】共振形高力率整流電源
図5】本発明による共振形AC-DC電源
図6】昇降圧形DCDCコンバータを用いた共振形AC-DC電源
図7】共振形AC-DC電源の定電流制御システム
図8】共振形AC-DC電源の定電圧制御システム
図9】フライバックDCDCコンバータを用いた共振形AC-DC電源
図10】共振形三相AC-DC電源
図11】昇圧形DCDCコンバータを用いたAC-DC電源のシミュレーション条件 ・ シミュレーション回路 (b) 動作条件
図12】AC100V印加時の動作波形(fs=40kHz)
図13】AC200V印加時の動作波形(fs=40kHz)
図14】AC200V印加時にスイッチング周波数を下げたときの動作波形(fs=10kHz)
図15】昇降圧形DCDCコンバータを用いたAC-DC電源のシミュレーション条件 ・ シミュレーション回路 (b) 動作条件
図16】AC200V、基準電流1.0A時の動作波形(fs=40kHz)
図17】AC200V、基準電流0.2A時の動作波形(fs=40kHz)
図18】AC100V、基準電流1.0A時の動作波形(fs=40kHz)
図19】AC100V、基準電流0.2A時の動作波形(fs=40kHz)
図20】昇降圧形フライバックコンバータを用いたAC-DC電源のシミュレーション条件 ・ シミュレーション回路 (b) 動作条件
図21】AC200V、基準電流1.0A時の動作波形(N1/N2=1,fs=40kHz)
図22】AC100V、基準電圧10V時の動作波形 (N1/N2=10,fs=40kHz)
図23】AC200V、基準電圧10V時の動作波形(N1/N2=10,fs=40kHz)
図24】昇降圧形DCDCコンバータを用いた三相AC-DC電源のシミュレーション条件 ・ シミュレーション回路 (b) 動作条件
図25】AC100V、基準電流2.0A時の動作波形(fs=40kHz)
【発明を実施するための形態】
【0061】
本発明を実施する上で、図5に示す共振形AC-DC電源を構成するDCDCコンバータとして、(1)昇圧形DCDCコンバータ、(2)昇降圧形DCDCコンバータ、(3)昇降圧形フライバックDCDCコンバータの3種類のDCDCコンバータを用いたAC-DC電源の制御動作をシミュレーション解析により確認する。
【0062】
以下のシミュレーション解析では、主回路構成と動作条件を示すが、いずれもスイッチング周期Tsあるいはスイッチング周波数fsは一定で、共振整流回路部でのスイッチS1のスイッチのオン期間Tw1は、共振インダクタLrと共振キャパシタCrで決まる共振周期とし、出力制御はDCDCコンバータ部でのスイッチS2のスイッチ期間Tw2で制御することを基本としている。
【0063】
また、実施形態の一つとして、数多くのLEDを直列に接続して構成したLED照明器の等価回路として、順方向電圧降下が165Vと抵抗10Ωの直列接続した負荷を接続して以下のシミュレーション解析を行った。
【0064】
なお、交流電源の周波数に対してスイッチング周波数fsが40kHzと高いために、AC-DC電源としての動作波形だけでなく、共振動作が確認できるスイッチング動作波形も確認できるように正弦波電圧電流のピーク値付近の波形の時間軸の拡大動作波形も同時に示している。
【実施例0065】
(1)昇圧形DCDCコンバータを用いた共振形AC-DC電源
図11は、(a) シミュレーションを行った昇圧形DCDCコンバータを用いた共振形AC-DC電源の主回路図と、(b) シミュレーション解析の動作条件を示している。
【0066】
図12は、AC100Vの電源電圧を加えて、電流基準を1Aとした時の動作波形であり、出力電流ioは多少の電流脈動はあるものの基準値に制御できるとともに、ほぼ正弦波の電源電流波形が確認できる。
【0067】
同図(b)に示す時間軸拡大動作波形から、スイッチS1,S2のスイッチング信号に対して、共振電流irインダクタ電流id、共振キャパシタの端子電圧vrなどの動作波形が確認できる。
【0068】
図13は、電源電圧を200Vとした時の動作波形であり、制御ができていないことが確認できるが、これは昇圧動作のみのDCDCコンバータで構成すると制御可能を超えていることによるものである。
【0069】
このため、図14では、スイッチング周波数fsを10kHzと大幅に下げた時の動作波形を示していて、制御可能領域に近づき電流が基準値に近づいている様子が分かるが、同図(b)に示すように、スイッチング周期が長くなるため、EMIノイズ対策でも支障をきたす恐れがあるので、交流電源電圧は大幅に変化することがない用途に限定される。
【実施例0070】
(2)昇降圧形DCDCコンバータを用いた共振形AC-DC電源
図15は、(a) シミュレーションを行った昇降圧形DCDCコンバータを用いた共振形AC-DC電源の主回路図と、(b) シミュレーション解析の動作条件を示している。
【0071】
図16は、AC200Vの電源電圧を加えて、電流基準を1Aとした時の動作波形であり、図13に示したように昇圧形DCDCコンバータを用いた場合では制御できなかったのに対し、出力電流は一定の基準値に制御できており、きれいな正弦波の流入電流が流れていることが確認できる。
【0072】
同図(b)に示す時間軸の拡大波形から、スイッチS1,S2のスイッチング信号に対して、共振電流irが流れ終えてからスイッチS2が出力電流一定制御ができる期間オンすることでインダクタLdの電流が流れていることが確認できる。
【0073】
図17は、基準電流を下げて0.2Aとした時の動作波形であり、同図(b)に示しているスイッチS2のオン期間が図16(b)に比べて狭くなっていて、出力電流に比例して共振電流の振幅の大きさが変化できることが分かる。
【0074】
次に、図18図19は電源電圧を100Vとし、前者は基準電流が1。0A、後者は0.2Aとしたときのシミュレーション解析による動作波形である。
【0075】
昇降圧形のDCDCコンバータを用いた本発明の共振形AC-DC電源は、ワールドワイドな大幅な電源電圧変動に対しても、また幅広い基準電流値に対しても、正弦波の流入電流波形で連続的に出力電圧電流制御ができることが確認できる。

【実施例0076】
(3)昇降圧形フライバック形コンバータを用いた共振形AC-DC電源
図20は、(a) シミュレーションを行った昇降圧形フライバックコンバータを用いた共振形AC-DC電源の主回路図と、(b) シミュレーション解析の動作条件を示している。
【0077】
図21は、変圧比N1/N2=1の変圧器を用い、AC200Vの電源電圧を加えて、電流基準を1.0Aとした時の動作波形であり、出力電流は一定の基準値に制御できており、きれいな正弦波の流入電流が流れていることが確認できる。
【0078】
図22および図23は、変圧比N1/N2=10の変圧器を用い、出力電圧の基準値を10VとしたときのAC100Vおよび200Vの電源電圧に対する動作波形を示している。
【0079】
本発明による昇降圧形フライバックコンバータを用いた共振形AC-DC電源は、ワールドワイドな大幅な電源電圧変動に対しても、ソフトスイッチング制御と昇降圧形DCDCコンバータの制御により、絶縁した一定の直流出力電圧が得られることが確認できる。
【実施例0080】
(4)三相電源対応共振形AC-DC電源
図24は、 (a)昇降圧形DCDCコンバータを用いた共振形三相電源対応AC-DC電源の主回路図と、(b) シミュレーション解析の動作条件を示している。
【0081】
図25は、三相100Vの交流電圧を印加して、直流基準電流を5Aとしたときの動作波形であり、三相電源より、基準値に一致した直流電流が流れ、120度通流幅の交流電流波形で動作できていることが確認できる。
【0082】
以上、本発明の共振形AC-DC電源は、高力率の優れた流入電流波形で出力制御できるが、昇降圧形のDCDCコンバータを用いた場合は、ワールドワイドな交流電源電圧に対しても、また大幅な出力電圧の制御基準値に対しても安定に動作させることが確認でき、昇降圧形のフライバックコンバータを用いると、変圧器によるさらに大幅な電圧制御が可能となる事に加えて、交流電源と絶縁した出力が得られることから、幅広い分野での応用が期待できる。

【符号の説明】
【0083】
100 … 交流電源
100 -1…単相交流電源
100 -2…三相交流電源
200 … 共振形整流回路
210 … 共振電流に対するLCフィルタ
210-1…交流フィルタ回路
210-2…直流フィルタ回路
220 … ダイオード整流回路
220-1…単相ブリッジ整流回路
220-2…三相ブリッジ整流回路
230 … 共振スイッチ回路
240 … 逆充電防止用ダイオード付きLC共振回路
300 … 電流源・DCDCコンバータ回路
310 … 電流源インダクタ
320 … DCDCコンバータ回路
320-1…昇圧形DCDCコンバータ回路
320-2…昇降圧形DCDCコンバータ回路
320-3…昇降圧形フライバックDCDCコンバータ回路
400 … 直流負荷回路
410 … 平滑キャパシタ
420 … 負荷回路
420-1…抵抗負荷
420-2…LEDの順方向電圧降下等価電圧源を含む負荷
500 …制御信号発生回路
510 …スイッチングパルス信号発生回路部
520 …出力制御器
520-1…出力電流制御器
520-2…出力電圧制御器
530 …出力量検出部
530-1…出力電流検出器
530-2…出力電圧検出器


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2023-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源に接続した全波整流回路の直流出力端子に第一のスイッチとダイオードを直列に接続して共振インダクタLrの一端に接続した端子を逆充電防止用ダイオードが並列接続された共振キャパシタCrに接続して、前記共振キャパシタC rの他端を前記全波整流回路の他端に接続するLC共振回路を構成し、前記共振キャパシタC rの両端に第二のスイッチで昇圧あるいは昇降圧制御可能なDCDCコンバータを接続する共振形整流回路を構成し、前記第一のスイッチをLC共振期間以上の出力制御に必要な適切なスイッチング周期でオンオフ制御することにより零電流スイッチング動作をさせ、前記第一のスイッチのオフ期間に前記第二のスイッチをオンするスイッチングパルス幅を制御する前記第二のスイッチ動作により、前記共振形整流回路の直流負荷端子の出力電圧、電流制御と流入電流波形の改善を可能にすることを特徴とする共振形AC-DC電源。
【請求項2】
請求項1記載の共振形AC-DC電源を構成する前記DCDCコンバータとして、前記共振キャパシタCrの一端にインダクタLdと前記第二のスイッチを介して前記共振キャパシタC rの他端に接続し、前記インダクタLdと前記第二のスイッチの接続端に逆流防止ダイオードを介して平滑用キャパシタCdの一端に接続し、前記平滑用キャパシタCdの他端を前記共振キャパシタC rと前記インダクタLdとの接続点に接続し、前記平滑用キャパシタCdの両端に直流負荷を接続する昇降圧形のDCDCコンバータを接続することにより、前記共振キャパシタCrの電圧に対する昇降圧制御により前記直流負荷端子の電圧、電流制御と流入電流波形の改善を可能にすることを特徴とする共振形AC-DC電源。
【請求項3】
請求項1記載の共振形AC-DC電源を構成する前記DCDCコンバータとして、前記共振キャパシタCrの両端に、前記第二のスイッチと変圧器の直列接続回路を接続して、前記変圧器の二次巻線の一端にダイオードを介して平滑用キャパシタCdに接続し、前記平滑用キャパシタCdの他端に前記変圧器の二次巻線の他端を接続し、前記平滑用キャパシタCdの両端に直流負荷を接続する変圧器を用いた昇降圧形のDCDCコンバータを接続することにより、前記共振キャパシタCrの電圧に対して前記変圧器の変圧比を含めて昇降圧制御により、前記直流負荷端子の電圧、電流制御と流入電流波形の改善を可能とし、前記交流電源と絶縁した直流出力を得ることができることを特徴とする共振形AC-DC電源。
【請求項4】
請求項1記載の共振形AC-DC電源を構成する前記DCDCコンバータとして、前記共振キャパシタC rの一端にインダクタLdと前記第二のスイッチを介して前記共振キャパシタC rの他端に接続し、前記インダクタLdと前記第二のスイッチの接続端に逆流防止ダイオードを介して平滑用キャパシタCdの一端に接続し、前記平滑用キャパシタCdの他端を前記共振キャパシタCrの他端に接続して、前記平滑用キャパシタCdの両端に直流負荷を接続する昇圧形のDCDCコンバータを接続することにより、前記共振キャパシタCrの電圧に対して昇圧制御により前記直流負荷端子の電圧、電流制御と流入電流波形の改善を可能にすることを特徴とする共振形AC-DC電源。
【請求項5】
請求項1から請求項4記載の前記共振形AC-DC電源において、前記DCDCコンバータを構成制御する前記第二のスイッチにダイオードを直列接続した端子に、前記零電流スイッチング動作をさせる前記第一のスイッチにダイオードを直列接続した端子を接続することにより、前記第二のスイッチ動作において前記第一のスイッチに対するドライブ電源のブートストラップ充電を可能として、前記共振形整流回路のドライブ回路構成を簡単化することを特徴とする共振形AC-DC電源。