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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130824
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】保護回路及び充電用機器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040738
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 康輔
(72)【発明者】
【氏名】宗平 脩平
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA00
5G503BA02
5G503BB00
5G503FA03
5G503GA01
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、人体への漏洩電流に対する安全性を確保する。
【解決手段】二次電池を備えた機器に接続されるコネクタ部において外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子を介して、二次電池に供給される電力を出力する電力出力部に設けられた正極端子及び接地端子と、を接続する保護回路であって、接触正極端子と正極端子との間に接続されたP型MOSFETと、接触正極端子とP型MOSFETのドレイン端子を接続する第1電路と、正極端子とP型MOSFETのソース端子を接続する第2電路と、第2電路と、第1接触負極端子とを、抵抗を介して接続する第3電路と、P型MOSFETのゲート端子を、第3電路の第1接触負極端子と抵抗との間で接続する第4電路と、第2接触端子と接地端子とを接続する第5電路と、を備えたことを特徴とする保護回路。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池を備えた機器に接続されるコネクタ部において外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、
前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を介して、前記二次電池に供給される電力を出力する電力出力部に設けられた正極端子及び接地端子と、
を接続する保護回路であって、
前記接触正極端子と前記正極端子との間に接続されたP型MOSFETと、
前記接触正極端子と前記P型MOSFETのドレイン端子を接続する第1電路と、
前記正極端子と前記P型MOSFETのソース端子を接続する第2電路と、
前記第2電路と、前記第1接触負極端子とを、抵抗を介して接続する第3電路と、
前記P型MOSFETのゲート端子を、前記第3電路の前記第1接触負極端子と前記抵抗との間で接続する第4電路と、
前記第2接触負極端子と前記接地端子とを接続する第5電路と、
を備えたことを特徴とする保護回路。
【請求項2】
二次電池を備えた機器に接続されるコネクタ部において外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、
前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を介して、前記二次電池に供給される電力を出力する電力出力部に設けられた正極端子及び接地端子と、
を接続する保護回路であって、
前記接触正極端子と前記正極端子との間に接続されたPNPトランジスタと、
前記接触正極端子と前記PNPトランジスタのコレクタ端子を接続する第1電路と、
前記正極端子と前記PNPトランジスタのエミッタ端子を接続する第2電路と、
前記第2電路と、前記第1接触負極端子とを、抵抗を介して接続する第3電路と、
前記PNPトランジスタのベース端子を、前記第3電路の前記第1接触負極端子と前記抵抗との間で接続する第4電路と、
前記第2接触負極端子と前記接地端子とを接続する第5電路と、
を備えたことを特徴とする保護回路。
【請求項3】
二次電池を備えた機器に接続されるコネクタ部において外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、
前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を介して、前記二次電池に供給される電力を出力する電力出力部に設けられた正極端子及び接地端子と、
を接続する保護回路であって、
前記第1接触負極端子と前記接地端子との間に接続されたN型MOSFETと、
前記第1接触負極端子と前記N型MOSFETのドレイン端子を接続する第6電路と、
前記接地端子と前記N型MOSFETのソース端子を接続する第7電路と、
前記第7電路と、前記第2接触負極端子とを、抵抗を介して接続する第8電路と、
前記N型MOSFETのゲート端子を、前記第8電路の前記第1接触負極端子と前記抵抗との間で接続する第9電路と、
前記接触正極端子と前記正極端子とを接続する第10電路と、
を備えたことを特徴とする保護回路。
【請求項4】
二次電池を備えた機器に接続されるコネクタ部において外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、
前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を介して、前記二次電池に供給される電力を出力する電力出力部に設けられた正極端子及び接地端子と、
を接続する保護回路であって、
前記第1接触負極端子と前記接地端子との間に接続されたNPNトランジスタと、
前記第1接触負極端子と前記NPNトランジスタのコレクタ端子を接続する第6電路と、
前記接地端子と前記NPNトランジスタのエミッタ端子を接続する第7電路と、
前記第7電路と、前記第2接触負極端子とを、抵抗を介して接続する第8電路と、
前記NPNトランジスタのベース端子を、前記第8電路の前記第1接触負極端子と前記抵抗との間で接続する第9電路と、
前記接触正極端子と前記正極端子とを接続する第10電路と、
を備えたことを特徴とする保護回路。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の保護回路を備える充電用機器であって、
前記コネクタ部において、前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を非対称に配置したことを特徴とする充電用機器。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の保護回路を備える充電用機器であって、
前記コネクタ部において、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を、前記接触正極端子に対して対称に配置したことを特徴とする充電用機器。
【請求項7】
請求項3又は4に記載の保護回路を備える充電用機器であって、
前記コネクタ部において、前記接触正極端子及び前記第2接触負極端子を、前記第1接触負極端子に対して対称に配置したことを特徴とする充電用機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護回路及びこれを含む充電用機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二次電池を内蔵した電子機器に充電する際に、3つの端子を用いて二次電池の状態を確認してから充電を開始する構成をとっている。
【0003】
このような二次電池を充電するための充電器では、結果的に露出する端子部分から人体への漏洩電流に対する安全性確保がなされている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-178220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成では、二次電池の電圧値や温度等の情報を受け取るための部品や回路が充電器側に必要となるため、複雑な構成となっていた。
【0006】
上記のような従来の技術に鑑み、本発明は、簡易な構成で、人体への漏洩電流に対する安全性を確保し得る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、
二次電池を備えた機器に接続されるコネクタ部において外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、
前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を介して、前記二次電池に供給される電力を出力する電力出力部に設けられた正極端子及び接地端子と、
を接続する保護回路であって、
前記接触正極端子と前記正極端子との間に接続されたP型MOSFETと、
前記接触正極端子と前記P型MOSFETのドレイン端子を接続する第1電路と、
前記正極端子と前記P型MOSFETのソース端子を接続する第2電路と、
前記第2電路と、前記第1接触負極端子とを、抵抗を介して接続する第3電路と、
前記P型MOSFETのゲート端子を、前記第3電路の前記第1接触負極端子と前記抵抗との間で接続する第4電路と、
前記第2接触負極端子と前記接地端子とを接続する第5電路と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
これによれば、人が、外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子のうちのいずれか2つに接触し、接触したいずれか2つの端子が人体を介して電気的に接続されても、P型MOSFETがオン状態とならないため、人体に漏洩電流が流れないか、又は、微弱な漏洩電流が流れるに止まるようにすることができる。従って、制御部等の複雑な構成を必要としないP型MOSFETと受動部品とを用いた簡易な構成で、安全を確保することができる。
【0009】
また、本発明は、
二次電池を備えた機器に接続されるコネクタ部において外部に露出する接触正極端子、
第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、
前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を介して、前記二次電池に供給される電力を出力する電力出力部に設けられた正極端子及び接地端子と、
を接続する保護回路であって、
前記接触正極端子と前記正極端子との間に接続されたPNPトランジスタと、
前記接触正極端子と前記PNPトランジスタのコレクタ端子を接続する第1電路と、
前記正極端子と前記PNPトランジスタのエミッタ端子を接続する第2電路と、
前記第2電路と、前記第1接触負極端子とを、抵抗を介して接続する第3電路と、
前記PNPトランジスタのベース端子を、前記第3電路の前記第1接触負極端子と前記抵抗との間で接続する第4電路と、
前記第2接触負極端子と前記接地端子とを接続する第5電路と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
これによれば、人が、外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子のうちのいずれか2つに接触し、接触したいずれか2つの端子が人体を介して電気的に接続されても、PNPトランジスタがオン状態とならないため、人体に漏洩電流が流れないか、又は、微弱な漏洩電流が流れるに止まるようにすることができる。従って、制御部等の複雑な構成を必要としないPNPトランジスタと受動部品とを用いた簡易な構成で、安全を確保することができる。
【0011】
また、本発明は、
二次電池を備えた機器に接続されるコネクタ部において外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、
前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を介して、前記二次電池に供給される電力を出力する電力出力部に設けられた正極端子及び接地端子と、
を接続する保護回路であって、
前記第1接触負極端子と前記接地端子との間に接続されたN型MOSFETと、
前記第1接触負極端子と前記N型MOSFETのドレイン端子を接続する第6電路と、
前記接地端子と前記N型MOSFETのソース端子を接続する第7電路と、
前記第7電路と、前記第2接触負極端子とを、抵抗を介して接続する第8電路と、
前記N型MOSFETのゲート端子を、前記第8電路の前記第1接触負極端子と前記抵抗との間で接続する第9電路と、
前記接触正極端子と前記正極端子とを接続する第10電路と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
これによれば、人が、外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子のうちのいずれか2つに接触し、接触したいずれか2つの端子が人体を介して電気的に接続されても、N型MOSFETがオン状態とならないため、人体に漏洩電流が流れないか、又は、微弱な漏洩電流が流れるに止まるようにすることができる。従って、制御部等の複雑な構成を必要としないN型MOSFETと受動部品とを用いた簡易な構成で、安全を確保することができる。
【0013】
また、本発明は、
二次電池を備えた機器に接続されるコネクタ部において外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、
前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を介して、前記二次電池に供給される電力を出力する電力出力部に設けられた正極端子及び接地端子と、
を接続する保護回路であって、
前記第1接触負極端子と前記接地端子との間に接続されたNPNトランジスタと、
前記第1接触負極端子と前記NPNトランジスタのコレクタ端子を接続する第6電路と

前記接地端子と前記NPNトランジスタのエミッタ端子を接続する第7電路と、
前記第7電路と、前記第2接触負極端子とを、抵抗を介して接続する第8電路と、
前記NPNトランジスタのベース端子を、前記第8電路の前記第1接触負極端子と前記抵抗との間で接続する第9電路と、
前記接触正極端子と前記正極端子とを接続する第10電路と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
これによれば、人が、外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子のうちのいずれか2つに接触し、接触したいずれか2つの端子が人体を介して電気的に接続されても、NPNトランジスタがオン状態とならないため、人体に漏洩電流が流れないか、又は、微弱な漏洩電流が流れるに止まるようにすることができる。従って、制御部等の複雑な構成を必要としないNPNトランジスタと受動部品とを用いた簡易な構成で、安全を確保することができる。
【0015】
本発明は、前記保護回路を備える充電用機器であって、
前記コネクタ部において、前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を非対称に配置したことを特徴とする充電用機器。
【0016】
これによれば、接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子を非対称に配置するので、これに対応した端子の配置を有する電子機器に対して、誤った向きに接続することを防止することができる。
【0017】
本発明は、前記保護回路を備える充電用機器であって、
前記コネクタ部において、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を、前記接触正極端子に対して対称に配置したことを特徴とする。
【0018】
これによれば、第1接触負極端子及び第2接触負極端子を、接触正極端子に対して対称に配置するので、これに対応した端子の配置を有する電子機器に対し、接触正極端子に対して、第1接触負極端子と第2接触負極端子とが逆になるように接続しても、充電器と電子器とを適切に電気的に接続して、二次電池を充電することができる。
【0019】
本発明は、前記保護回路を備える充電用機器であって、
前記コネクタ部において、前記接触正極端子及び前記第2接触負極端子を、前記第1接触負極端子に対して対称に配置したことを特徴とする。
【0020】
これによれば、正極端子及び第2接触負極端子を、第1接触負極端子に対して対称に配置するので、これに対応した端子の配置を有する電子機器に対し、第1接触負極端子に対して、接触正極端子と第2接触負極端子とが逆になるように接続しても、充電器と電子器とを適切に電気的に接続して、二次電池を充電することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、簡易な構成で、人体への漏洩電流に対する安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施例1に係る充電器の回路図である。
図2図2は、実施例1に係る充電器と電子機器との正常な接続状態を示す回路図である。
図3図3は、実施例1に係る充電器と人との電気的接続を示す図である。
図4図4は、実施例1に係る充電器と人との他の電気的接続を示す図である。
図5図5は、実施例1に係る充電器と人との他の電気的接続を示す図である。
図6図6は、実施例1の変形例に係る充電器の回路図である。
図7図7は、実施例2に係る充電器の回路図である。
図8図8は、実施例2の変形例に係る充電器の回路図である。
図9図9は、実施例に係る充電器における端子の配置を示す図である。
図10図10は、実施例に係る充電器における端子の他の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0024】
<実施例1>
以下に、本発明の実施形態の一例について説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0025】
(充電器の構成)
図1は実施例1に係る充電器100の保護回路200を含む回路図である。
充電器100は、二次電池を備える電子機器400に接続されて、二次電池に電力を供給する。充電器100は、電子機器400に接続されるコネクタ部110を有する。コネクタ部2には、電子機器400側の端子T21、T22及びT23にそれぞれ電気的に接続される端子T1、T2及びT3が、外部に露出して設けられている。ここでは、充電器100、コネクタ部110及び保護回路200が、それぞれ本発明の充電用機器、コネクタ部及び保護回路に相当する。また、電子機器400が本発明の機器に相当する。また、端子T1、T2及びT3が、それぞれ本発明の接触正極端子、第2接触負極端子及び第1接触負極端子に相当する。
【0026】
保護回路200は、端子T1、T2及びT3と、出力部300の正極端子T4及び接地端子T5との間に設けられている。出力部300は、保護回路200並びに端子T1、T2及びT3を介して、電気的に接続され電子機器400の二次電池に電力を出力する。出力部300は、正極端子T4を介して電力を保護回路200へと出力し得る部品又は回路であればよく、例えば、商用電力系統に接続されたコンバータ等の電力変換装置であってもよいし、これに接続されるコネクタであってもよい。出力部300が、本発明の電力出力部に相当する。
【0027】
端子T1は、電路Ln1によって、pチャネルエンハンスメント形金属酸化膜形電界効果トランジスタ(p-MOSFET)Tr1のドレイン端子に接続される。電路Ln1には、端子T1とp-MOSETTr1のドレイン端子との間に抵抗R1が直列に接続されている。また、p-MOSETTr1のソース端子は、電路Ln2によって、出力部300の正極端子T4に接続される。電路Ln2には、正極端子T4とp-MOSETTr1のソース端子との間にフューズFが接続されている。ここでは、p-MOSETTr1が本発明のP型MOSFETに相当し、電路Ln1及び電路Ln2が、それぞれ本発明の第1電路及び第2電路に相当する。
【0028】
端子T2は、電路Ln3によって、出力部300の接地端子T5に接続されている。電路Ln3には、端子T3と接地端子T5との間に抵抗R2が直列に接続されている。また、電路Ln3は、接地線GNDによって接地されている。ここでは、電路Ln3が、本発明の第5電路に相当する。
電路Ln1の、抵抗R1とp-MOSETTr1のドレイン端子との間の接続点P1と、電路Ln3の抵抗R2と接地端子T5との間の接続点P2とを接続する電路Ln4には
、コンデンサC1が直列に接続されている。また、電路L2の、p-MOSETTr1のソース端子とフューズFとの間の接続点P3と、電路Ln3の接続点P2と接地線GNDとの間の接続点P4との間は、電路Ln5によって接続されている。電路Ln5には、接続点P3と接続点P4との間に、コンデンサC2が直列に接続されている。
【0029】
端子T3は、電路Ln6によって、電路Ln2の接続点P5に接続されている。接続点P5は、接続点P3よりもp-MOSETTr1のソース端子側に設けられている。電路Ln6の、端子T3と接続点P5との間には、抵抗R3が直列に接続されている。ここでは、電路Ln6が本発明の第3電路に相当し、抵抗R3が本発明の抵抗に相当する。
電路Ln6の端子T3と抵抗R3との間には、p-MOSETTr1のゲート端子に接続される電路Ln7が、接続点P6において接続されている。そして、電路Ln2の、p-MOSETTr1のソース端子と接続点P5との間に設けられた接続点P7と、電路Ln6の、抵抗R3と接続点P6との間に設けられた接続点P8との間は、電路Ln8によって接続されている。また、電路Ln6には、コンデンサC3が直列に接続されている。ここでは、電路Ln7が本発明の第4電路に相当する。
【0030】
p-MOSETTr1のソース端子とドレイン端子との間には、ドレイン端子からソース端子に向けて順方向であるダイオードD1が並列に接続されている。また、p-MOSETTr1のゲート端子とソース端子との間には、双方向TVSダイオードD2が並列に接続されている。
【0031】
図1に示すように、電子機器400と充電器100とが接続されていない状態では、端子T2と端子T3とが接続されておらず、p-MOSETTr1のゲート端子とソース端子が、電路Ln2と電路Ln7との間に並列接続された抵抗R3及びコンデンサC3によって接続されており、p-MOSETTr1がオフ状態となるため、端子T1、T2及びT3には充電電圧はかからない。
【0032】
図2に示すように、電子機器400と充電器100とが接続された状態では、充電器100の端子T1、端子T2及び端子T3と、電子機器400の端子T21、T22及びT23とがそれぞれ接続される。このため、p-MOSETTr1がオン状態となり、太矢印で示すように、出力部300から、保護回路200を介して、電子機器400の二次電池に充電可能となる。
【0033】
図3には、充電器100の外部に露出する端子T1と端子T2に人500が触れた状態を示す。このときには、端子T1と端子T2とが人500を介して接続されるが、端子T2と端子T3とは接続されておらず、p-MOSETTr1はオフ状態であるため、人500に対して危険な漏洩電流は流れない。
【0034】
図4には、充電器100の外部に露出する端子T1と端子T3に人500が触れた状態を示す。このときには、端子T1と端子T3とが人500を介して接続されるが、端子T2と端子T3とは接続されておらず、p-MOSETTr1はオフ状態であるため、人500に対して危険な漏洩電流は流れない。
【0035】
図5には、充電器100の外部に露出する端子T2と端子T3に人500が触れた状態を示す。このときには、端子T2と端子T3とが人500を介して接続されるが、p-MOSETTr1はオフ状態である。このため、太矢印に示すように出力部300の正極端子T4と人500とが、電路Ln2と電路Ln6とが接続点P5を介して接続されることにより形成された電路を通って、出力部300の正極端子T4から出力された電流が端子T2を介して人500に流れる。しかし、抵抗R3の抵抗値を、例えば4070kΩの大きな値に設定することにより、漏れ電流は医療機器における基準である100μA未満程
度に抑えることができるので、人体に対して危険な漏洩電流が流れることがない。
【0036】
このように、本実施例1によれば、受動部品及びトランジスタからなる簡易な構成の保護回路200により、人体への漏洩電流に対する安全性を確保することができる。
【0037】
<変形例>
図6に実施例1の変形例に係る充電器101の保護回路201を含む回路図を示す。実施例1に係る保護回路200と共通する構成については、共通の符号を用いて詳細な説明を省略する。
【0038】
保護回路201では、p-MOSETTr1に代えて、PNPトランジスタTr2を用いている。ここでは、PNPトランジスタTr2のエミッタ端子が、電路Ln2により、フューズFを介して正極端子T4に接続されている。また、PNPトランジスタTr2のコレクタ端子が、電路Ln1により端子T1に接続されている。そして、PNPトランジスタTr2のベース端子は、端子T3と電路Ln2を接続する電路6に、電路Ln11によって接続されている。電路Ln11には、PNPトランジスタTr2のベース端子と、電路Ln6との接続点P6との間に、抵抗R11が直列に接続されている。また、PNPトランジスタTr2のエミッタ端子・ベース端子間には抵抗R12が並列に接続されている。抵抗R12は、接続点P11において電路Ln11に接続し、接続点P12において電路Ln2に接続する電路Ln12に直列に接続されている。また、このとき、端子T3と電路Ln2を接続する電路Ln2にはコンデンサC2が直列に接続されている。
ここでは、PNPトランジスタTr2が本発明のPNPトランジスタに相当する。また、電路Ln6の端子T3から接続点P6まで、電路Ln11の接続点P6から接続点P11まで、電路Ln12の接続点P11から接続点P12までが、本発明の第3電路に相当する。また、抵抗R12が本発明の抵抗に相当する。また、電路Ln11の接続点P11からPNPトランジスタTr2のベース端子までが、本発明の第4電路に相当する。
【0039】
この保護回路201を有する充電器101と電子機器400とを接続した場合の動作は充電器100について説明したところと同様である。また、充電器101の端子T1、T2及びT3とのいずれか2つに人500が触れた場合の保護回路201の動作も、保護回路200について説明したところと同様であるため、説明は省略する。
【0040】
このように、本変形例によれば、受動部品及びトランジスタからなる簡易な構成の保護回路201により、人体への漏洩電流に対する安全性を確保することができる。
【0041】
<実施例2>
図7に実施例2に係る充電器102の保護回路202を含む回路図を示す。実施例1に係る充電器100及び保護回路200と共通する構成については、共通の符号を用いて詳細な説明を省略する。
【0042】
保護回路202では、正極端子T4と端子Tとを接続する電路上ではなく、接地端子T5と端子T3とを接続する電路上にn-MOSFETTr3が設けられている。
一端を端子T1に接続される電路Ln3は、抵抗R2を介して、他端をn-MOSFETTr3のドレイン端子に接続されている。そして、n-MOSFETTr3のソース端子は電路Ln21によって接地端子T5に接続されている。ここでは、n-MOSFETTr3が本発明のN型MOSFETに相当する。また、電路Ln3及び電路Ln21が、それぞれ本発明の第6電路及び第7電路に相当する。
【0043】
ここでは、端子T3は、電路Ln22を介して接続点P21において電路Ln21に接続されている。電路Ln22には、抵抗R21が直列に接続されている。そして、n-M
OSFETTr3のゲート端子が、電路Ln23を介して、電路Ln22に接続点P22において接続されている。電路Ln22と電路21との間には、電路Ln24によって、コンデンサC21が接続されている。コンデンサC21は、電路Ln24によって、一端を、電路Ln22の接続点P22と抵抗R21との間の接続点P23において電路Ln22に接続され、他端を、n-MOSFETTr3のソース端子と接続点P21との間の接続点P24において電路Ln21に接続されている。また、電路Ln1は、端子T1と正極端子T4を接続し、電路Ln1上には、正極端子T4側から順に、フューズF、接続点P3、接続点P1及び抵抗R1が配置されている。ここでは、電路Ln22が本発明の第8電路に相当し、抵抗R21が本発明の抵抗に相当する。また、電路Ln23が、本発明の第9電路に相当する。また、電路Ln1が、本発明の第10電路に相当する。
【0044】
このような保護回路202では、端子T2と接地端子T5とを接続する電路Ln3及び電路Ln21を、n-MOSFETTr3のオンオフにより接続・開放する。このように実施例1のp-MOSETTr1とは閾値の正負が逆になるn-MOSFETTr3を、接地端子T5側に接続される電路Ln3及び電路Ln21と、端子T2に一端を接続される電路Ln22との間に設けることにより、n-MOSFETTr3は実施例1の保護回路200と同様の機序でオンオフするので、同様の効果が得られる。ただし、このような構成の充電器102と接続されて、二次電池が充電される電子機器401では、端子T21と端子23とが、電子機器401内で接続されている。充電器102の端子T1、T2及びT3と、電子機器401の端子T21、T22及びT23がそれぞれ接続され、充電器102の端子T1と端子T3とが短絡されることにより、電子機器401の二次電池が充電される。
【0045】
このように、本実施例2によれば、受動部品及びトランジスタからなる簡易な構成の保護回路202により、人体への漏洩電流に対する安全性を確保することができる。
【0046】
<変形例>
図8に実施例2の変形例に係る充電器103の保護回路203を含む回路図を示す。実施例2に係る保護回路202及び実施例1に係る保護回路200と共通する構成については、共通の符号を用いて詳細な説明を省略する。
【0047】
保護回路203では、n-MOSFETTr3に代えて、NPNトランジスタTr4を用いている。ここでは、NPNトランジスタTr4のコレクタ端子が、電路Ln3により、端子T2に接続されている。また、NPNトランジスタTr4のエミッタ端子が、電路Ln21により接地端子T5に接続されている。そしてNPNトランジスタTr4のベース端子は電路Ln25により電路Ln22に接続されている。電路Ln25には抵抗R22が直列に接続されており、電路Ln25は、一端をNPNトランジスタTr4のベース端子に接続され、他端を接続点P25において電路Ln22に接続されている。また、NPNトランジスタTr4のエミッタ端子・ベース端子間には、電路Ln26によって、抵抗R23が並列に接続されている。抵抗R23は、電路Ln26によって、一端を、NPNトランジスタTr4のベース端子と抵抗R22の間の接続点P27において電路Ln25に接続され、他端を、NPNトランジスタTr4のエミッタ端子と接続点P24の間の接続点P26において電路Ln21に接続されている。ここでは、NPNトランジスタTr4が本発明のNPNトランジスタに相当する。また、電路Ln22の端子T3から接続点P25まで、電路Ln25の接続点P25から接続点P27まで、電路Ln26の接続点P27から接続点P26までが、本発明の第8電路に相当し、電路Ln26の、接続点P27から、NPNトランジスタTr4のゲート端子までが、本発明の第9電路に相当する。
【0048】
この保護回路203を有する充電器103と電子機器400とを接続した場合の動作は
充電器102と同様である。また、充電器103の端子T1、T2及びT3とのいずれか2つに人500が触れた場合の保護回路203の動作も、保護回路202と同様であるため、説明は省略する。
【0049】
このように、本変形例によれば、受動部品及びトランジスタからなる簡易な構成の保護回路203により、人体への漏洩電流に対する安全性を確保することができる。
【0050】
<充電器の構成>
以下に、上述した保護回路200を備えた充電器100における端子T1、T2及びT3の配置構成について説明する。保護回路201、202、203をそれぞれ備えた充電器101、102、103についても、以下の構成は採用できるものであるから、個別の説明は省略する。
【0051】
図9に充電器100のコネクタ部110における端子T1、T2及びT3の配置構成例を示す。充電器100は、扁平な略直方体の筐体120とケーブル130を含む。ケーブル130は、一端が筐体120に接続され、他端がACアダプタ等の電源に接続される。筐体120の一面に形成された面状のコネクタ部110には、ケーブル130側から順に、端子T2、端子T1、端子T3が、コネクタ部110の長手方向の軸Ax1に沿って配置されている。そして、端子T1と、端子T2及びT3は、コネクタ部110の長手方向の軸Ax1に対して、非対称に配置されている。すなわち、T1は軸Axの一方に配置され、端子T2及びT3は軸Axの他方に配置されている。電子機器400の端子T21、T22及びT23も、充電器100側の端子T1、T2及びT3に接触するために、同様に配列方向の軸に対して非対称に配置されるので、電子機器400と充電器100のコネクタ部110とをそれぞれの端子の配列方向に対して逆向きに接続しようしても、適切に接続することができないので、電子機器400と充電器100とを誤った向きに接続することを防止できる。
【0052】
図10に、充電器100(充電器101も同様である。)のコネクタ部110における端子T1、T2及びT3の他の配置構成例を示す。充電器100は、図9と同様に扁平な略直方体の筐体120とケーブル130を含む。ケーブル130は、一端が筐体120に接続され、他端がACアダプタ等の電源に接続される。筐体120の一面に形成された面状のコネクタ部110には、ケーブル130側から順に、端子T2、端子T1、端子T3が、コネクタ部110の長手方向の軸Ax1に沿って配置されている。そして、端子T1と、端子T2及びT3は、コネクタ部110の長手方向の軸Ax1に対して、対称に配置されている。また、このとき、端子T1を正極、端子T2及び端子T3をいずれも負極とすることにより、正極である端子T1と、負極である端子T2及び端子T3とが、長手方向に直交する方向の軸Ax2に対して対称に配置される。このため、電子機器400の端子T21、T22及びT23も、充電器100側の端子T1、T2及びT3に接触するために、同様に配列方向の軸Ax1に対して3つの端子T21、端子T22及び端子T23が対称に配置され、端子T21に対して、端子T22及び端子T23が、配列方向に直交する方向の軸Ax2に対して対称に配置される。このような配置により、電子機器400と充電器100のコネクタ部110とをそれぞれの端子の配列方向に対して逆向きに接続しても、適切に接続することができるので、電子機器400と充電器100との向きを気遣うことなく接続することができ、向きを誤って接続して適切に接続できなくなるということがなくなる。
なお、コネクタ部110において、端子T2と端子T3とを逆に配置してもよい。
【0053】
図10に、充電器102(充電器103も同様である。)のコネクタ部110における端子T1、T2及びT3の他の配置構成を示す。図10では、かっこ内の符号が充電器103及び104における配置構成を示す(端子T3の配置については、上述の充電器10
0及び101と同様である。)このとき、筐体120の位置面に形成された面状のコネクタ部110には、ケーブル130側から順に、端子T1、端子T2、端子T3が、コネクタ部110n長手方向の軸Ax1に沿って配置されている。そして、端子T2と、端子T1及び端子T3が、コネクタ部110の長手方向の軸Ax1に対して対称に配置されている。また、負極である端子T2と、正極である端子T1及び負極である端子T3とが、長手方向に直交する方向の軸Ax2に対して対称に配置される。このとき、電子機器401の端子T21、T22及びT23も、充電器102側の端子T1、T2及びT3に接触するために、同様に配列方向の軸Ax1に対して3つの端子T21、T22及びT23が対称に配置され、端子T33に対して、端子T21及び端子T23が配列方向に直交する方向の軸Ax2に対して対称に配置されるので、電子機器401と充電器102のコネクタ部110とをそれぞれの端子の配列方向に対して対称に配置される。このような配置により、電子機器401と充電器102のコネクタ部110とをそれぞれの端子の配列方向に対して逆向きに接続しても、適切に接続することができるので、電子機器401と充電器100との向きを気遣うことなく接続することができ、向きを誤って接続しても適切に接続できなくなるということがない。
なお、コネクタ部110において、端子T1と端子T3とを逆に配置してもよい。
【符号の説明】
【0054】
100,101,102,103・・・充電器
110・・・コネクタ部
200,201,202,203・・・保護回路
300・・・出力部
400・・・電子機器
T1,T2,T3・・・端子
図1
図2
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図4
図5
図6
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図8
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図10