(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130825
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】保護回路及び充電用機器
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040739
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 康輔
(72)【発明者】
【氏名】宗平 脩平
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503FA03
5G503GA01
(57)【要約】
【課題】簡易に人体への漏洩電流からの安全性を確保する。
【解決手段】露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、電力出力部の正極端子及び接地端子との間の保護回路であり、P型MOSFETと、接触正極端子とP型MOSFETのドレイン端子を接続する第1電路と、正極端子とP型MOSFETのソース端子を接続する第2電路と、第1N型MOSFETと、第2接触負極端子と第1N型MOSFETのドレイン端子とを接続し接地された第3電路と、接地端子と第1N型MOSFETのソース端子とを接続する第4電路と、第1接触負極端子と第4電路とを抵抗を介して接続する第5電路と、P型MOSFETのゲート端子と第5電路とを、第1接触負極端子と抵抗間で接続する第6電路と、第1N型MOSFETのゲート端子と第5電路とを、第6電路と抵抗間で接続する第7電路とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池を備えた機器に接続されるコネクタ部において外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、
前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を介して、前記二次電池に供給される電力を出力する電力出力部に設けられた正極端子及び接地端子と、
を接続する保護回路であって、
前記接触正極端子と前記正極端子との間に接続されたP型MOSFETと、
前記接触正極端子と前記P型MOSFETのドレイン端子とを接続する第1電路と、
前記正極端子と前記P型MOSFETのソース端子を接続する第2電路と、
前記第2接触負極端子と前記接地端子との間に接続された第1N型MOSFETと、
前記第2接触負極端子と前記第1N型MOSFETのドレイン端子とを接続するとともに接地された第3電路と、
前記接地端子と前記第1N型MOSFETのソース端子とを接続する第4電路と、
前記第1接触負極端子と前記第4電路又は前記第2電路とを抵抗を介して接続する第5電路と、
前記P型MOSFETのゲート端子と前記第5電路とを、前記第1接触負極端子と前記抵抗との間で接続する第6電路と、
前記第1N型MOSFETのゲート端子と前記第5電路とを、前記第6電路と前記抵抗との間で接続する第7電路と、
を備えたことを特徴とする保護回路。
【請求項2】
前記第2電路と前記第4電路との間に接続された第2N型MOSFETと、
前記第2N型MOSFETのドレイン端子と前記第2電路とを接続する第8電路と、
前記第2N型MOSFETのソース端子と前記第4電路とを接続する第9電路と、
前記第2N型MOSFETのゲート端子を接地する接地電路と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の保護回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の保護回路を備える充電用機器であって、
前記コネクタ部において、前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を非対称に配置したことを特徴とする充電用機器。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の保護回路を備える充電用機器であって、
前記コネクタ部において、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を、前記接触正極端子に対して対称に配置したことを特徴とする充電用機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護回路及びこれを含む充電用機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二次電池を内蔵した電子機器に充電する際に、3つの端子を用いて二次電池の状態を確認してから充電を開始する構成をとっている。
【0003】
このような二次電池を充電するための充電器では、結果的に露出する端子部分から人体への漏洩電流に対する安全性確保がなされている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成では、二次電池の電圧値や温度等の情報を受け取るための部品や回路が充電器側に必要となるため、複雑な構成となっていた。
【0006】
上記のような従来の技術に鑑み、本発明は、簡易な構成で、人体への漏洩電流に対する安全性を確保し得る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、
二次電池を備えた機器に接続されるコネクタ部において外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子と、
前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を介して、前記二次電池に供給される電力を出力する電力出力部に設けられた正極端子及び接地端子と、
を接続する保護回路であって、
前記接触正極端子と前記正極端子との間に接続されたP型MOSFETと、
前記接触正極端子と前記P型MOSFETのドレイン端子とを接続する第1電路と、
前記正極端子と前記P型MOSFETのソース端子を接続する第2電路と、
前記第2接触負極端子と前記接地端子との間に接続された第1N型MOSFETと、
前記第2接触負極端子と前記第1N型MOSFETのドレイン端子とを接続するとともに接地された第3電路と、
前記接地端子と前記第1N型MOSFETのソース端子とを接続する第4電路と、
前記第1接触負極端子と前記第4電路又は前記第2電路とを抵抗を介して接続する第5電路と、
前記P型MOSFETのゲート端子と前記第5電路とを、前記第1接触負極端子と前記抵抗との間で接続する第6電路と、
前記第1N型MOSFETのゲート端子と前記第5電路とを、前記第6電路と前記抵抗との間で接続する第7電路と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
これによれば、人が、外部に露出する接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子のうちの少なくともいずれか2つに接触し、接触した少なくともいずれか2つの端子が人体を介して電気的に接続されても、人体に漏洩電流が流れないか、又は、微弱な漏
洩電流が流れるに止まるようにすることができる。従って、制御部等の複雑な構成を必要としないP型MOSFET、第1N型MOSFET、第2N型MOSFETと受動部品とを用いた簡易な構成で、安全を確保することができる。
【0009】
また、本発明において、
前記第2電路と前記第4電路との間に接続された第2N型MOSFETと、
前記第2N型MOSFETのドレイン端子と前記第2電路とを接続する第8電路と、
前記第2N型MOSFETのソース端子と前記第4電路とを接続する第9電路と、
前記第2N型MOSFETのゲート端子を接地する接地電路と、
を備えるようにしてもよい。
【0010】
また、本発明は
前記保護回路を備える充電用機器であって、
前記コネクタ部において、前記接触正極端子、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を非対称に配置したことを特徴とする。
【0011】
これによれば、接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子を非対称に配置するので、これに対応した端子の配置を有する電子機器に対して、誤った向きに接続することを防止することができる。
【0012】
また、本発明は、
前記保護回路を備える充電用機器であって、
前記コネクタ部において、前記第1接触負極端子及び前記第2接触負極端子を、前記接触正極端子に対して対称に配置したことを特徴とする。
【0013】
これによれば、第1接触負極端子及び第2接触負極端子を、第1正極端子に対して対称に配置するので、これに対応した端子の配置を有する電子機器に対し、第1正極端子に対して、第1接触負極端子と第2接触負極端子とが逆になるように接続しても、充電器と電子器とを適切に電気的に接続して、二次電池を充電することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡易な構成で、人体への漏洩電流に対する安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施例1に係る充電器の回路図である。
【
図2】
図2は、実施例1に係る充電器と電子機器との正常な接続状態を示す回路図である。
【
図3】
図3は、実施例1に係る充電器と人との電気的接続を示す図である。
【
図4】
図4は、実施例1に係る充電器と人との他の電気的接続を示す図である。
【
図5】
図5は、実施例1に係る充電器と人との他の電気的接続を示す図である。
【
図6】
図6は、実施例1に係る充電器と人との他の電気的接続を示す図である。
【
図7】
図6は、実施例1の変形例に係る充電器の回路図である。
【
図8】
図8は、実施例に係る充電器における端子の配置を示す図である。
【
図9】
図9は、実施例に係る充電器における端子の他の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0017】
<実施例1>
以下に、本発明の実施形態の一例について説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0018】
(充電器の構成)
図1は実施例1に係る充電器100の保護回路200を含む回路図である。
充電器100は、二次電池を備える電子機器400に接続されて、二次電池に電力を供給する。充電器100は、電子機器400に接続されるコネクタ部110を有する。コネクタ部110には、電子機器400側の端子T21、T22及びT23にそれぞれ電気的に接続される端子T1、T2及びT3が、外部に露出して設けられている。ここでは、充電器100、コネクタ部110及び保護回路200が、それぞれ本発明の充電用機器、コネクタ部及び保護回路に相当する。また、電子機器400が本発明の機器に相当する。また、端子T1、T2及びT3が、それぞれ本発明の接触正極端子、第1接触負極端子及び第2接触負極端子に相当する。
【0019】
保護回路200は、端子T1、T2及びT3と、出力部300の正極端子T4及び接地端子T5との間に設けられている。出力部300は、保護回路200並びに端子T1、T2及びT3を介して、電気的に接続され電子機器400の二次電池に電力を出力する。出力部300は、正極端子T4を介して電力を保護回路200へと出力し得る部品又は回路であればよく、例えば、商用電力系統に接続されたコンバータ等の電力変換装置であってもよいし、これに接続されるコネクタであってもよい。ここでは、出力部300が、本発明の電力出力部に相当する。
【0020】
端子T1は、電路Ln1によって、pチャネルエンハンスメント形金属酸化膜形電界効果トランジスタ(p-MOSFET)Tr1のドレイン端子に接続される。電路Ln1には、端子T1とp-MOSETTr1のドレイン端子との間に抵抗R1が直列に接続されている。また、p-MOSETTr1のソース端子は、電路Ln2によって、出力部300の正極端子T4に接続される。電路Ln2には、正極端子T4とp-MOSETTr1のソース端子との間にフューズFが接続されている。ここでは、p-MOSETTr1が本発明のP型MOSFETに相当し、電路Ln1及び電路Ln2が、それぞれ本発明の第1電路及び第2電路に相当する。
【0021】
p-MOSETTr1のソース端子とドレイン端子との間には、ドレイン端子からソース端子に向けて順方向であるダイオードD11が並列に接続されている。また、p-MOSETTr1のゲート端子とソース端子との間には、双方向TVSダイオードD12が並列に接続されている。
【0022】
端子T3は、電路Ln3によって、nチャネルエンハンスメント形MOSFET(n-MOSFET)Tr2のドレイン端子に接続される。電路Ln3には、端子T3とn-MOSETTr2のドレイン端子との間に抵抗R2が直列に接続されている。また、n-MOSETTr2のソース端子は、電路Ln4によって、出力部300の接地端子T5に接続される。ここでは、n-MOSETTr2が本発明の第1N型MOSFETに相当する。また、電路Ln3及び電路Ln4が、それぞれ本発明の第3電路及び第4電路に相当する。
【0023】
n-MOSETTr2のソース端子とドレイン端子との間には、ソース端子からドレイン端子に向けて順方向であるダイオードD21が並列に接続されている。また、n-MOSETTr2のゲート端子とソース端子との間には、双方向TVSダイオードD22が並列に接続されている。
【0024】
端子T2は、電路Ln5によって、電路Ln4に接続されている。一端を端子T2に接続された電路Ln5は、直列に接続された抵抗R3を介し、他端を接続点P5において電路Ln4に接続されている。また、電路Ln5には、一端をp-MOSETTr1のゲート端子に接続された電路Ln6の他端が接続点P6において接続されている。また、電路Ln5には、一端をn-MOSETTr2のゲート端子に接続された電路Ln7の他端が接続点P7において接続されている。このとき、接続点P6及び接続点P7は、端子T2と抵抗R3との間に配置されている。ここでは、電路Ln5は本発明の第5電路に相当し、抵抗R3が本発明の抵抗に相当する。また、電路Ln6及び電路Ln7が、それぞれ本発明の第6電路及び第7電路に相当する。
【0025】
電路Ln2と電路Ln4との間には、n-MOSFETTr3が接続されている。一端をn-MOSFETTr3のドレイン端子に接続された電路Ln8の他端が、接続点P8において電路Ln2に接続されている。接続点P8は、電路Ln2上の、p-MOSFETTr1のソース端子とフューズFとの間に配置されている。また、一端をn-MOSFETTr3のソース端子に接続された電路Ln9の他端が、接続点P9において電路Ln4に接続されている。n-MOSFETTr3のゲート端子は電路Ln10によって接地されている。ここでは、n-MOSFETTr3が本発明の第2N型MOSFETに相当する。また、電路Ln8、電路Ln9及び電路Ln10が、それぞれ本発明の第8電路、第9電路及び接地電路に相当する。
【0026】
n-MOSETTr3のソース端子とドレイン端子との間には、ソース端子からドレイン端子に向けて順方向であるダイオードD31が並列に接続されている。また、n-MOSETTr3のゲート端子とソース端子との間には、双方向TVSダイオードD32が並列に接続されている。
【0027】
電路Ln1と電路Ln3との間は、コンデンサC1が直列に接続された電路Ln10によって接続されている。電路Ln10の一端は、端子T1と抵抗R1との間に配置された接続点P1において、電路Ln1に接続されている。そして、電路Ln10の他端は、端子T3と抵抗R2との間に配置された接続点P2において、電路Ln3に接続されている。電路Ln3は、接続点P2と端子T3との間で接地されている。
【0028】
電路Ln2と電路Ln4との間は、コンデンサC2が直列に接続された電路Ln11によって接続されている。電路Ln11の一端は、接続点P8とフューズFとの間に配置された接続点P8において、電路Ln2に接続されている。また、電路Ln11の他端は、接続点P9と接地端子T5との間に配置された接続点P4において、電路Ln4に接続されている。
【0029】
図2は、電子機器400の端子T21、T22、T23を含む構成の一部を示す回路図である。端子T21は電路Ln21によって充電端子ChTに接続される。電路Ln21には、端子T21側から順に、フューズF41、インダクタL41が直列に接続されている。端子T22は、電路Ln22を介して電路Ln21に接続されている。電路Ln22には、端子T22側から順にインダクタL42、インダクタL43、抵抗R41が直列に接続されている。電路Ln22は、インダクタL43と抵抗R41との間の接続点P43において、双方向TVSダイオードD42を介して接地されている。また、電路Ln22と電路Ln21との接続点P41と、インダクタL41との間の接続点P42において、電路Ln21は、双方向TVSダイオードD41を介して接地されている。そして、端子T23は電路Ln23によって接地されている。電路Ln23には、端子T23側から順にインダクタL44及びインダクタL45が直列に接続されている。
【0030】
まず、
図3に、充電器100の端子T1及び端子T2に人500が触れた状態を示す。
このとき、電路Ln2の電位が5Vであり、p-MOSFETTr1のゲート電圧VGSが-5Vとなるためp-MOSFETTr1がオンする。これにより、人500を介して充電器100の抵抗R3に電流が流れる。しかし、例えば、抵抗R3の抵抗値を100kΩに設定することにより、人500に流れる電流は5V/100kΩ=50μAとなり、漏れ電流は医療機器における基準である100μA未満程度に抑えることができるので、人体に対して危険な漏洩電流が流れることがない。
【0031】
図4に、充電器100の端子T1及び端子T3に人500が触れた状態を示す。このとき、p-MOSFETTr1には、ゲート電圧VGSが閾値を超えるような電圧降下は生じないので、p-MOSFETTr1はオフ状態であり、人500に電流が流れることはない。
【0032】
図5に、充電器100の端子T2及び端子T3に人500が触れた状態を示す。このとき、人500に印加される電圧及び流れる電流は生じない。
【0033】
図6に、充電器100の端子T1、端子T2及び端子T3に触れた状態を示す。例えば、人500の表面が液体でぬれている箇所にこれらの3端子が接触した場合や、洗面所等で誤って、充電器100の3端子が水につかった場合に、このような状態になることが想定される。このとき、p-MOSFETTr1のゲート電圧VGSが-5Vとなるためp-MOSFETTr1がオンする。そして、抵抗R3に電流が流れる。この抵抗R3に生じる電圧降下により、n-MOSFETTr3のゲート電圧VGSが閾値を超え、n-MOSFETTr3がオンされる。これにより、n-MOSFETTr3を介して、電路Ln2に電流が流れるとフューズFが開放状態となり、充電器100の動作が止まる。従って、人500に電流が流れ続けることはない。ただし、このような動作を実現するためには、n-MOSFETTr3は、n-MOSFETTr2より閾値が低く。スイッチング速度が速い部品を選定する必要がある。
【0034】
このように、本実施例1によれば、受動部品及びトランジスタからなる簡易な構成の保護回路200により、人体への漏洩電流に対する安全性を確保することができる。
【0035】
<変形例>
図7に変形例に係る充電器101の保護回路201を含む回路図を示す。実施例1に係る保護回路200と共通する構成については、共通の符号を用いて詳細な説明を省略する。
保護回路201では、一端が端子T2に接続される電路Ln5の他端が、電路Ln4ではなく、p-MOSETTr1のソース端子と正極端子T4とを接続する電路Ln2に、p-MOSETTr1のソース端子と接続点P8との間において接続されている。ここでは、電路Ln5が、本発明の第5電路に相当する。
このような構成の保護回路201においても、p-MOSETTr1、n-MOSETTr2、n-MOSFETTr3は、実施例1に係る保護回路200と同様の機序でオンオフするので、同様の効果が得られる。従って、本変形例によれば、受動部品及びトランジスタからなる簡易な構成の保護回路201により、人体への漏洩電流に対する安全性を確保することができる。
【0036】
図8に充電器100のコネクタ部110における端子Er1、T2及びT3の配置構成例を示す。充電器100は、扁平な略直方体の筐体120とケーブル130を含む。ケーブル130は、一端が筐体120に接続され、他端がACアダプタ等の電源に接続される。筐体120の一面に形成された面状のコネクタ部110には、ケーブル130側から順に、端子T2、端子T1、端子T3が、コネクタ部110の長手方向の軸Ax1に沿って配置されている。そして、端子T1と、端子T2及びT3は、コネクタ部110の長手方
向の軸Ax1に対して、非対称に配置されている。すなわち、T1は軸Axの一方に配置され、端子T2及びT3は軸Axの他方に配置されている。電子機器400の端子T21、T22及びT23も、充電器100側の端子T1、T2及びT3に接触するために、同様に配列方向の軸に対して非対称に配置されるので、電子機器400と充電器100のコネクタ部110とをそれぞれの端子の配列方向に対して逆向きに接続しようしても、適切に接続することができないので、電子機器400と充電器100とを誤った向きに接続することを防止できる。
【0037】
<充電器の構成>
以下に、上述した保護回路200を備えた充電器100における端子T1、T2及びT3の配置構成について説明する。保護回路201を備えた充電器101についても、以下の構成は採用できるものであるから、個別の説明は省略する。
【0038】
図9に、充電器100のコネクタ部110における端子T1、T2及びT3の他の配置構成例を示す。充電器100は、
図9と同様に扁平な略直方体の筐体120とケーブル130を含む。ケーブル130は、一端が筐体120に接続され、他端がACアダプタ等の電源に接続される。筐体120の一面に形成された面状のコネクタ部110には、ケーブル130側から順に、端子T2、端子T1、端子T3が、コネクタ部110の長手方向の軸Ax1に沿って配置されている。そして、端子T1と、端子T2及びT3は、コネクタ部110の長手方向の軸Ax1に対して、対称に配置されている。また、このとき、端子T1を正極、端子T2及び端子T3をいずれも負極とすることにより、正極である端子T1と、負極である端子T2及び端子T3とが、長手方向に直交する方向の軸Ax2に対して対称に配置される。このため、電子機器400の端子T21、T22及びT23も、充電器100側の端子T1、T2及びT3に接触するために、同様に配列方向の軸Ax1に対して3つの端子T21、端子T22及び端子T23が対称に配置され、端子T21に対して、端子T22及び端子T23が、配列方向に直交する方向の軸Ax2に対して対称に配置される。このような配置により、電子機器400と充電器100のコネクタ部110とをそれぞれの端子の配列方向に対して逆向きに接続しても、適切に接続することができるので、電子機器400と充電器100との向きを気遣うことなく接続することができ、向きを誤って接続して適切に接続できなくなるということがなくなる。
【符号の説明】
【0039】
100,101・・・充電器
110・・・コネクタ部
200,201・・・保護回路
300・・・出力部
400・・・電子機器
T1,T2,T3・・・端子