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特開2024-130850吐出装置、液体用容器及び液体収納製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130850
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】吐出装置、液体用容器及び液体収納製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20240920BHJP
   A47K 5/122 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65D83/00 K
A47K5/122
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040778
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】小槻 悠介
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PC03
3E014PD11
3E014PE11
3E014PE14
3E014PF10
(57)【要約】
【課題】内部に収納された液体を吐出させる機能を有する容器について、片手のみによる操作でも液体を吐出させ易くする。
【解決手段】液体Lを吐出させる吐出口1232を備えるノズル123と、液体Lを吐出させる際に操作する操作レバー124と、備え、ノズル123と操作レバー124とは、平面視において同一方向へと突出するように形成されている。操作レバー124は、ノズル123の下方に設けられ、上方へと動かした際に、吐出口1232から液体Lを吐出させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出させる吐出口を備えるノズルと、
前記液体を吐出させる際に操作する操作レバーと、
備え、
前記ノズルと前記操作レバーとは、平面視において同一方向へと突出するように形成されていることを特徴とする吐出装置。
【請求項2】
前記操作レバーは、前記ノズル側へと動かした際に、前記吐出口から前記液体を吐出させることを特徴とする請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記操作レバーは前記ノズルの下方に設けられ、上方へと動かした際に、前記吐出口から前記液体を吐出させることを特徴とする請求項2に記載の吐出装置。
【請求項4】
前記ノズルは、平面視において、最も突出する状態における前記操作レバーよりも長く突出するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の吐出装置。
【請求項5】
前記ノズルは、平面視において、最も突出する状態における前記操作レバーよりも5mm以上長く突出するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の吐出装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の吐出装置と、
前記液体が収納される容器本体と、
備えることを特徴とする液体用容器。
【請求項7】
請求項6に記載の液体用容器に前記液体が収納されていることを特徴とする液体収納製品。
【請求項8】
前記液体は、粘度が3000mPa・S以上、15000mPa・S以下であることを特徴とする請求項7に記載の液体収納製品。
【請求項9】
前記液体は、粘度が7000mPa・S以上、8000mPa・S以下であることを特徴とする請求項8に記載の液体収納製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出装置、液体用容器及び液体収納製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンドソープ、シャンプー等の液体を収納する容器として、容器本体に、ポンプが内蔵された吐出装置が備えられたものが知られている。このような容器は、上面に設けられたレバー、ボタン等を操作することで、吐出口から容器本体内に収納された液体が吐出されるように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-146241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような容器は、使用者が、一方の手でレバー、ボタン等を操作し、もう一方の手で吐出口から吐出される液体を受けるようにして使用することが想定されており、内部の液体を吐出させるために両手を使用することを要するのが通常である。
したがって、例えば片手が塞がっている場合等に、使用者が片手のみを用いて容器から内部の液体を吐出させて使用することは困難であった。
【0005】
本発明の課題は、内部に収納された液体を吐出させる機能を有する容器について、片手のみによる操作でも液体を吐出させ易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、吐出装置において、
液体を吐出させる吐出口を備えるノズルと、
前記液体を吐出させる際に操作する操作レバーと、
備え、
前記ノズルと前記操作レバーとは、平面視において同一方向へと突出するように形成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吐出装置において、
前記操作レバーは、前記ノズル側へと動かした際に、前記吐出口から前記液体を吐出させることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の吐出装置において、
前記操作レバーは前記ノズルの下方に設けられ、上方へと動かした際に、前記吐出口から前記液体を吐出させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の吐出装置において、
前記ノズルは、平面視において、最も突出する状態における前記操作レバーよりも長く突出するように形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の吐出装置において、
前記ノズルは、平面視において、最も突出する状態における前記操作レバーよりも5mm以上長く突出するように形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、液体用容器において、
請求項1から5のいずれか一項に記載の吐出装置と、
前記液体が収納される容器本体と、
備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、液体収納製品において、
請求項6に記載の液体用容器に前記液体が収納されていることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の液体収納製品において、
前記液体は、粘度が3000mPa・S以上、15000mPa・S以下であることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の液体収納製品において、
前記液体は、粘度が7000mPa・S以上、8000mPa・S以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、内部に収納された液体を吐出させる機能を有する容器について、片手のみによる操作でも液体を吐出させ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る液体収納製品の斜視図である。なお、操作レバーが引き上げられていない状態を図示している。
図2】実施形態に係る液体収納製品の平面図である。
図3】実施形態に係る液体収納製品の底面図である
図4図1のIV-IV部における断面図である。なお、ポンプの内部構造の図示を省略している。
図5】操作レバーが引き上げられた状態における図4と同一の位置における断面図である。なお、ポンプの内部構造の図示を省略している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態である液体収納製品100について、図1から図5に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。なお、液体用容器に液体が収納されたものを液体収納製品という。
【0018】
また、以下においては、図1に示すように、前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。すなわち、液体用容器1において吐出装置12が備えられた側を「上」、その反対側の容器本体11が備えられた側を「下」、吐出装置12からノズル123及び操作レバー124が突出する側を「前」、その反対側を「後」、後方向を向いた状態における右手側を「右」、後方向を向いた状態における左手側を「左」とする。
また、本明細書において、「~」を用いて記載する数値範囲は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含むものとする。
【0019】
[1 実施形態の構成]
液体収納製品100は、図4及び図5に示すように、液体用容器1内に液体Lが収納されたものである。
【0020】
[(1) 液体用容器]
液体用容器1は、図1から図5に示すように、内部に液体Lが収納される容器本体11と、容器本体11の上部に取り付けられ、容器本体11内に収納された液体Lを吐出する吐出装置12と、を備える。
【0021】
[a 容器本体]
容器本体11は、液体Lを収納するための容器であり、図1から図5に示すように、下方に位置する円形の下面111及び上方に向けて平面視における直径が狭まる略円筒形状の側面112を有し、上面が開放された略有底円筒形状に形成され、上面に開口部113が設けられている。また、側面112の上端部近傍の外面側には、図4及び図5に示すように、周方向に沿って雄ネジ部114が設けられている。
【0022】
容器本体11の材料は、内部に収納された液体Lが漏れないものであれば特に限定されず、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)等の樹脂材料を用いればよい。
ただし、成型可能かつ吐出装置12を支えられる強度を持たせるため、厚みは、全体が0.1mm以上、側面112の上部の吐出装置12が取り付けられる部分が0.2mm以上であることが好ましい。また、後述のように本実施形態によれば、容器本体11について、吐出装置12を支えられる程度の強度しか要しないことから、使用する樹脂材料の量を低減させるため、厚みは上記の下限値付近(側面112の上部の吐出装置12が取り付けられる部分が0.2mm、その他の部分が0.1mm)であることが好ましい。
【0023】
[b 吐出装置]
吐出装置12は、容器本体11内に収納された液体Lを吐出するための装置であり、図4及び図5に示すように、本体部121と、ポンプ122と、ノズル123と、操作レバー124と、吸い上げパイプ125と、を備える。
【0024】
[(a) 本体部]
本体部121は、図1から図5に示すように、上方に位置する円形の上面1211及び円筒形状の側面1212を有し、下面が開放された有底円筒形状に形成され、下面に開口部1213設けられている。また、側面1212の下端部近傍の内面側には、図4及び図5に示すように、周方向に沿って雌ネジ部1214が設けられ、雌ネジ部1214と、容器本体11に設けられた雄ネジ部114とを螺合させることで、図4及び図5に示すように吐出装置12を容器本体11の上部に固定できるように構成されている。
【0025】
本体部121の材料は特に限定されず、例えば容器本体11と同様にPP等の樹脂材料を用いて、操作レバー124の操作時に変形しない程度の強度を有するように作製すればよい。
【0026】
[(b) ポンプ]
ポンプ122は、図4及び図5に示すように、本体部121内に収納され、図5に示すように操作レバー124の先端部124aが引き上げられた際に、操作レバー124の基端部124bによって内部構造が下方に押されることで、吸い上げパイプ125を介して容器本体11内の液体Lを引き上げ、ノズル123に設けられた吐出口1232から吐出するように構成されている。また、内部に備えられたバネによって、図5に示すように引き上げられた操作レバー124の先端部124a側を下方へと付勢し、図4に示す状態へと自動的に戻すように構成されている。
【0027】
ポンプ122の構造は特に限定されず、上記のような機能を果たし得るものであれば一般的な構造のポンプを使用すればよい。また、ポンプ122の材料も特に限定されず、例えば、バネのみステンレス鋼等の金属材料を用いて作製し、他の部分を本体部121と同様にPP等の樹脂材料を用いて作製すればよい。
【0028】
[(c) ノズル]
ノズル123は、内部に液体Lが流通する流通路1231が形成されると共に、先端部に液体Lを吐出する吐出口1232が形成された筒状の部材であり、本体部121の側面1212の上端部近傍に、前方へと突出するようにして接続されている。
【0029】
ノズル123が本体部121の側面1212から前方へと突出する長さは、25mm以上、50mm以下であることが好ましい。
また、ノズル123が本体部121の側面1212から前方へと突出する長さは、操作レバー124が本体部121の側面1212から最も長く前方へと突出する状態、すなわち、後述のように先端部124aを引き上げた状態における本体部121の側面1212から突出する長さよりも、5mm以上長いことが好ましい。
【0030】
ノズル123は、図4及び図5に示すように、流通路1231がポンプ122へと接続され、操作レバー124の先端部124a側が引き上げられた際に、ポンプ122によって吸い上げパイプ125を介して容器本体11内から引き上げられた液体Lを、吐出口1232から吐出するように構成されている。
【0031】
ノズル123の材料は特に限定されず、例えば本体部121と同様にPP等の樹脂材料を用いて作製すればよい。
【0032】
[(d) 操作レバー]
操作レバー124は、図1から図5に示すように、本体部121の側面1212のノズル123の下方に位置する部分に接続されたレバー状の部材であり、平面視において、ノズル123と同一の方向、すなわち前方へと、本体部121の側面1212から突出するように形成されている。
また、操作レバー124は、本体部121の側面1212を貫通する部分の近傍を支点として、両端部(本体部121内に位置する端部である基端部124b及び本体部121外に位置する端部である先端部124a)を上下方向に回動させることができるように形成されている。すなわち、先端部124aを上方へと移動させた際に、基端部124bは下方へと移動することとなる。
【0033】
操作レバー124は、図4及び図5に示すように基端部124bにおいてポンプ122に接続され、図5に示すように操作レバー124の先端部124aが引き上げられた際に、基端部124bによってポンプ122の内部構造が下方に押されることで、ポンプ122によって吸い上げパイプ125を介して容器本体11内の液体Lを引き上げ、ノズル123に設けられた吐出口1232から吐出するように構成されている。
また、操作レバー124は、図5に示すように、このように先端部124aが引き上げられた最に、最も長く前方へと突出することとなる。
【0034】
操作レバー124の材料は特に限定されず、例えば本体部121と同様にPP等の樹脂材料を用いて作製すればよい。
【0035】
[(2) 液体]
液体Lは、液体用容器1の容器本体11内に収納される液状の物体であり、ハンドソープやシャンプー等の人体を洗うための液状の洗剤、食器洗い洗剤や洗濯洗剤等の物体を洗うための液状の洗剤、液状の化粧品等、吐出装置12から吐出させることができるものであれば特に限定されない。
【0036】
ただし、液体Lの粘度は、3000mPa・S以上、15000mPa・S以下であることが好ましく、7000mPa・S以上、8000mPa・S以下であることがさらに好ましい。
なお、上記粘度は、ブルックフィールド形回転粘度計(BROOKFIELD社製 DV2T)によって測定したものである。この点は本明細書における粘度の記載について共通である。
【0037】
粘度が7000mPa・S以上、8000mPa・S以下となる液体Lの組成としては、例えば、水を83.00~97.50質量%、特に好ましくは90.82質量%、ラウレス硫酸ナトリウムを1.00~10.00質量%、特に好ましくは5.60質量%、コカミドプロピルベタインを1.00~10.00質量%、特に好ましくは1.80質量%、コカミドDEAを0.50~5.00質量%、特に好ましくは0.58質量%、塩化ナトリウムを1.00~2.00質量%、特に好ましくは1.20質量%含有するものが挙げられる。
なお、上記組成は、シャンプー、ハンドソープ、ボディソープなどの身体洗浄剤としての用途を想定したものである。
【0038】
[2 実施形態の効果]
本実施形態に係る液体収納製品100によれば、液体用容器1の吐出装置12が、液体Lを吐出させる吐出口1232を備えるノズル123と、液体Lを吐出させる際に操作する操作レバー124と、を備え、ノズル123と操作レバー124とは、平面視において同一方向(前方)へと本体部121から突出するように形成されている。
これによって、ノズル123に備えられた吐出口1232の前方に手を置きつつ、同一の手で操作レバー124を操作し易くなることから、内部に収納された液体Lを吐出させる機能を有する容器である液体用容器1について、片手のみによる操作でも液体Lを吐出させ易くなる。
【0039】
なお、ノズル123が突出する方向と、操作レバー124が突出する方向とは、図1から図5に示すように平面視において厳密に一致していることが特に好ましいが、これに限られず、平面視において、ノズル123が突出する方向を前方として、前後に二分した際に、操作レバー124が突出する方向が同一方向側に含まれる場合、すなわち平面視における突出する方向のずれが90度以内の場合であれば、平面視において同一方向へと突出する場合に含まれるものとする。なお、平面視における突出する方向のずれは、45度以内とすることが好ましく、上記のように厳密に一致させることが特に好ましい。
【0040】
また、操作レバー124をノズル123側へと動かした際、すなわち、操作レバー124がノズル123の下方に設けられた状態においては、操作レバー124を上方へと動かした際に、吐出口1232から液体Lを吐出させるように構成されていることで、ノズル123と操作レバー124とをまとめて握るようにして、操作レバー124を操作することが可能となることから、片手のみによる操作で液体Lを吐出させることがさらに容易となる。
【0041】
また、操作レバー124を上方へと動かした際に、吐出口1232から液体を吐出させるように構成されていることで、操作レバー124を操作した際に、容器本体11に加わる力を弱くできる。すなわち、上から押すことで操作するボタンやレバーの場合、これらを操作する際に加えられた力(通常50N程度)の大部分が、吐出装置12の下方に接続された容器本体11に伝わることとなるが、操作レバー124を上方へと動かす構成であれば、操作レバー124を操作する際に加えられた力は、ほとんど容器本体11に伝わることはない。
【0042】
これによって、容器本体11の強度を向上するために厚みを厚くすることを要しなくなり、製造コストの削減及び資源の節約の面でも有利となる。
具体的には、容器本体11は、上部に取り付けられた吐出装置12を支えられる程度の強度を有すれば十分となることから、その厚みは、上記のように全体が0.1mm以上、側面112の上部の吐出装置12が取り付けられる部分で0.2mm以上あれば十分となる。
【0043】
また、容器本体11の形状についても、上から押すことで操作するボタンやレバーの場合、押した際に倒れないように底面積が大きい安定性の高いものとする必要があるが、本実施形態によれば、操作レバー124を上方へと動かす構成であることから、容器本体11の安定性確保の必要性が低減し、容器本体11の形状の自由度を増加させることができる。
【0044】
また、ノズル123が本体部121から前方へと突出する長さが、本体部121から最も長く前方へと突出する状態、すなわち、この場合、先端部124aを引き上げた状態における操作レバー124が前方へと突出する長さよりも長いことで、ノズル123に設けられた吐出口1232から吐出した液体Lが操作レバー124に付着し、操作レバー124が汚れることを防止し易くなる。
【0045】
また、ノズル123が本体部121から前方へと突出する長さが、上記状態における操作レバー124が前方へと突出する長さよりも5mm以上長いことで、ノズル123に設けられた吐出口1232から吐出した液体Lが、操作レバー124にさらに付着し難くなる。
【0046】
また、液体用容器1の容器本体11に収納された液体Lの粘度が、3000mPa・S以上、15000mPa・S以下であることで、液体Lの十分な吐出量を確保しつつ、吐出した液体Lが使用者の手の外へと飛散することを防止し易くなる。
【0047】
すなわち、液体Lの粘度が低いと、吐出量を確保し易いが、吐出した液体Lが飛散し易くなり、反対に液体Lの粘度が高いと、吐出した液体Lが飛散し難いが、吐出量を確保し難くなる。この点、液体Lの粘度が上記の範囲内であれば、吐出量の確保と液体Lの飛散し難さとのバランスを取ることができ、十分な吐出量を確保しつつ、吐出した液体Lが使用者の手の外へと飛散することを防止し易くなる。
【0048】
なお、本実施形態に係る液体用容器1のように、片手による操作で使用可能とすることを想定する場合、ノズル123の吐出口1232が使用者に向いた状態で使用される可能性が高く、液体Lが飛散した場合に、使用者に付着したり、使用者の目などに入ったりする可能性が高くなる。したがって、液体Lの粘度を飛散し難い範囲に調整することが、特に重要となる。
【0049】
また、液体用容器1の容器本体11に収納された液体Lの粘度が、7000mPa・S以上、8000mPa・S以下であることで、さらに、液体Lの十分な吐出量を確保しつつ、吐出した液体Lが使用者の手の外へと飛散することを防止し易くなる。
【実施例0050】
次に、液体用容器に収納される液体の粘度の適切な範囲について評価した結果を説明する。以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
[1 サンプル作成]
以下の実施例及び比較例の液体を作成した。
【0052】
[(1) 実施例1]
水を90.82質量%、ラウレス硫酸ナトリウムを5.60質量%、コカミドプロピルベタインを1.80質量%、コカミドDEAを0.58質量%、塩化ナトリウムを1.20質量%含有するものであり、粘度は、7000~8000mPa・S、具体的には7530mPa・Sである。
【0053】
[(2) 実施例2]
水を93.22質量%、ラウレス硫酸ナトリウムを3.50質量%、コカミドプロピルベタインを0.90質量%、コカミドDEAを0.58質量%、塩化ナトリウムを1.80質量%含有するものであり、粘度は、3000~7000mPa・S、具体的には、4580mPa・Sである。
【0054】
[(3) 実施例3]
水を83.80質量%、ラウレス硫酸ナトリウムを10.50質量%、コカミドプロピルベタインを2.40質量%、コカミドDEAを1.80質量%、塩化ナトリウムを1.50質量%含有するものであり、粘度は、8000~15000mPa・S、具体的には、9860mPa・Sである。
【0055】
[(4) 比較例1]
水を98.30質量%、ラウレス硫酸ナトリウムを1.40質量%、コカミドプロピルベタインを0.30質量%、コカミドDEAを0.00質量%、塩化ナトリウムを0.00質量%含有するものであり、粘度は、0~3000mPa・S、具体的には、12mPa・Sである。
【0056】
[(5) 比較例2]
水を65.50質量%、ラウレス硫酸ナトリウムを21.00質量%、コカミドプロピルベタインを8.00質量%、コカミドDEAを4.50質量%、塩化ナトリウムを1.00質量%含有するものであり、粘度は、15000mPa~、具体的には、53200mPa・Sである。
【0057】
[(2) 試験内容]
上記の実施例及び比較例に係る液体を用いて、吐出装置の吐出口からの吐出距離及び吐出量についての試験を実施した。
なお、液体用容器としては吐出装置として5ccポンプ(ノズル66.5mm、操作レバー37.0mm、高さ53mm)を取り付けたPET容器本体(円柱型:底面56.5mmφ×高さ165.0mm、容量350ml)用い、操作レバーに20Nの力を加えることによって容器本体内部の液体を吐出させた。
【0058】
[(3) 試験結果]
試験の結果を表Iに示す。なお、吐出距離の評価は、40.0mm以下の場合にA、40.0mmを超え、50.0mm以下の場合にB、50.0mmを超える場合にCとした。
吐出量の評価は、4.50g以上をA、4.00g以上、4.50g未満をB、4.00g未満をCとした。
総合評価は、吐出距離及び吐出量の両者の評価がAである場合にA、いずれかの評価がA、いずれかの評価がBである場合にB、いずれかの評価がCである場合にCとした。
【0059】
【表1】
【0060】
[(4) 評価]
実施例1から3に係る試験結果と比較例1から2に係る試験結果とを比較すると、実施例1から3では、全てにおいて、吐出距離及び吐出量の両者の評価が少なくともBであるのに対し、比較例1では吐出距離の評価がCとなり、比較例2では吐出量の評価がCとなる。
また、実施例1に係る試験結果と実施例2及び3に係る試験結果とを比較すると、実施例1では、吐出距離及び吐出量の両者の評価がAであるのに対し、実施例2では吐出距離の評価がBとなり、実施例3では吐出量の評価がBとなる。
したがって、液体の粘度は、3000mPa・S以上、15000mPa・S以下であることが好ましく、7000mPa・S以上、8000mPa・S以下であることが更に好ましいことが分かる。
【符号の説明】
【0061】
100 液体収納製品
1 液体用容器
11 容器本体
12 吐出装置
121 本体部
122 ポンプ
123 ノズル
1231 流通路
1232 吐出口
124 操作レバー
125 吸い上げパイプ
L 液体
図1
図2
図3
図4
図5