(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130896
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ハンドルスイッチ装置
(51)【国際特許分類】
B62K 23/02 20060101AFI20240920BHJP
B62J 6/16 20200101ALI20240920BHJP
【FI】
B62K23/02
B62J6/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040845
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】田中 夕美子
(57)【要約】
【課題】ハンドルスイッチ装置におけるカバーの取り付け作業の効率の向上と美観の向上を図ること。
【解決手段】本発明のハンドルスイッチ装置は、ハンドルスイッチ装置の外形の少なくとも一部を形成するハウジング10と、ハウジングに装着されるカバー20と、カバーをハウジングに締結するためにカバー及びハウジングに挿入される締結部材30と、を備え、カバー20は、締結部材の挿入方向Y2とは異なる方向Y1からハウジング10に対して移動されて装着可能なよう構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルスイッチ装置の外形の少なくとも一部を形成するハウジングと、
前記ハウジングに装着されるカバーと、
前記カバーを前記ハウジングに締結するために前記カバー及び前記ハウジングに挿入される締結部材と、を備え、
前記カバーは、前記締結部材の挿入方向とは異なる方向から前記ハウジングに対して移動されて装着可能なよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記カバーは、前記締結部材の挿入方向に対して略直交する方向から前記ハウジングに対して移動されて装着可能なよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングは、前記カバーが装着された際に当該カバーの縁部と係合する係合部を有する、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングの前記係合部は、前記締結部材の挿入方向に沿った少なくとも一方向への前記カバーの移動を係止するよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記締結部材の挿入方向は、重力方向とは反対方向であり、
前記ハウジングの前記係合部は、重力方向への前記カバーの移動を係止するよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項6】
請求項4に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングの前記係合部は、前記締結部材の挿入方向と直交する壁部を有する、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項7】
請求項3に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングの前記係合部は、前記締結部材の挿入方向に沿って前記カバーの縁部と積層されて係合する、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項8】
請求項3に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングの前記係合部は、前記カバーの前記ハウジングに対する移動をガイドするよう形成されている、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項9】
請求項3に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングの前記係合部は複数箇所に形成されており、前記カバーの複数箇所の縁部とそれぞれ係合するよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項10】
ハンドルスイッチ装置の外形の少なくとも一部を形成するハウジングと、
前記ハウジングに装着されるカバーと、
前記カバーを前記ハウジングに締結するために前記カバー及び前記ハウジングに挿入される締結部材と、
を備えたハンドルスイッチ装置の組み付け方法であって、
前記カバーを、前記締結部材の挿入方向とは異なる方向から前記ハウジングに対して移動して装着位置に配置し、
前記締結部材を前記カバー及び前記ハウジングに挿入して前記カバーを前記ハウジングに締結する、
ハンドルスイッチ装置の組み付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車のハンドルバーには、各種スイッチ装置を搭載したハンドルスイッチ装置が配置される。このようなハンドルスイッチ装置には、内部に種々の部品が搭載され、かかる部品と車体側の電装品を電気的に接続するハーネスの取り出し口を塞ぐカバーが設けられる。例えば、特許文献1には、ハンドルスイッチ装置にカバーを取り付けるときの様子が記載されている。具体的に、特許文献1の
図8では、ハンドルスイッチ装置のカバー取り付け箇所に、下方側からカバーを配置し、その後、さらに下方側からボルトを挿通させてカバーを固定している。つまり、特許文献1では、カバーとボルトとを同一方向から取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のカバー取り付け方法では、カバーをハンドルスイッチ装置の取り付け箇所に配置した状態で保持しつつ、ボルトを取り付ける必要がある。このため、カバーの取付作業の効率が低下する、という問題が生じる。また、ハンドルスイッチ装置を構成するハウジングとカバーとの間に生じる隙間や段差により美観が損ねられる、という問題も生じる。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題である、ハンドルスイッチ装置におけるカバーの取り付け作業の効率が低下することと、美観が損ねられる、という問題を解決することができるハンドルスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態であるハンドルスイッチ装置は、
ハンドルスイッチ装置の外形の少なくとも一部を形成するハウジングと、
前記ハウジングに装着されるカバーと、
前記カバーを前記ハウジングに締結するために前記カバー及び前記ハウジングに挿入される締結部材と、を備え、
前記カバーは、前記締結部材の挿入方向とは異なる方向から前記ハウジングに対して移動されて装着可能なよう構成されている。
【0007】
また、本発明の一形態であるハンドルスイッチ装置の組み付け方法は、
ハンドルスイッチ装置の外形の少なくとも一部を形成するハウジングと、
前記ハウジングに装着されるカバーと、
前記カバーを前記ハウジングに締結するために前記カバー及び前記ハウジングに挿入される締結部材と、
を備えたハンドルスイッチ装置の組み付け方法であって、
前記カバーを、前記締結部材の挿入方向とは異なる方向から前記ハウジングに対して移動して装着位置に配置し、
前記締結部材を前記カバー及び前記ハウジングに挿入して前記カバーを前記ハウジングに締結する、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上のように構成されることにより、ハンドルスイッチ装置におけるカバーの取り付け作業の効率の向上と、美観の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態におけるハンドルスイッチ装置の全体構成を示す図である。
【
図2】
図1に開示したハンドルスイッチ装置を別の方向から見た全体構成を示す図である。
【
図3】
図1に開示したハンドルスイッチ装置のカバーを取り付ける前の様子を示す図である。
【
図4】
図1に開示したハンドルスイッチ装置においてカバーを取り付けるときの様子を示す図である。
【
図5】
図1に開示したハンドルスイッチ装置においてカバーを取り付けるときの様子を示す図である。
【
図6】
図1に開示したハンドルスイッチ装置においてカバーを取り付けるときの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、
図1乃至
図6を参照して説明する。
図1乃至
図2は、ハンドルスイッチ装置の構成を説明するための図であり、
図3乃至
図6は、ハンドルスイッチ装置の組み付け方法を説明するための図である。
【0011】
[構成]
本発明のハンドルスイッチ装置1は、自動二輪車といった車両のハンドルバーに装備され、車両の各種装置の操作を行うスイッチ装置が搭載されるものである。
図1に示すように、本実施形態におけるハンドルスイッチ装置1は、ハンドルスイッチ装置自体の外形を形成するハウジング10と、ハウジング10に形成された開口部10Aを塞ぐようハウジング10に装着されるカバー20と、カバー20をハウジング10に締結する締結部材となるボルト30と、を備え、車両の仕様に応じて様々なスイッチ装置が搭載されている。なお、
図2は、
図1におけるハンドルスイッチ装置1を下方から見た図であり、
図3は、ハンドルスイッチ装置1のカバー20をハウジング10に取り付ける前の様子を示す図である。
図3に示すように、ハウジング10には開口部10Aが形成されており、かかる開口部10Aにカバー20が装着されることとなる。なお、
図4乃至
図6は、後述するようにハウジング10にカバー20を取り付けるときの様子を示す図であり、
図3とは異なる方向、特に、
図3における上方から見た図を示している。このとき、
図4乃至
図6では、ハウジング10の
図3における手前側の壁面を削除して図示している。
【0012】
ここで、ハンドルスイッチ装置1に搭載されるスイッチ装置には外部と電気的に接続するコネクタが設けられるが、車両へのハンドルスイッチ装置1の取り付け時にハンドルスイッチ装置側のコネクタに車両から延設されるハーネスのコネクタを接続する仕様である場合がある。この場合には、ハンドルスイッチ装置1のハウジング10に、コネクタを通過させる大きさの穴である開口部10Aを形成する必要がある。本実施形態におけるカバー20は、
図3に示すようにハウジング10に形成された開口部10Aを塞ぐようハウジング10に取り付けられるものである。また、本実施形態におけるハンドルスイッチ装置1は、
図1及び
図3に示すような向きでハンドルバーに取り付けられることとなる。つまり、ハウジング10の車両取り付け時における重力方向に臨む面つまり下方の面(下面)に開口部10Aが形成されており、かかる開口部10Aを塞ぐようカバー20を装着することで、ハンドルスイッチ装置1の下方側にカバー20が位置することとなる。具体的に、開口部10Aは、
図3に示すように、ハウジング10の下面の一部と、かかる下面から連続する右側の側面の一部と、に渡って形成されている。このとき、ハウジング10の下面側に位置する開口部10Aの部位は略L字状に形成されている。
【0013】
なお、ハンドルスイッチ装置1のハウジング10は、
図1乃至
図3に示す形状であることに限定されず、いかなる形状であってもよく、ハンドルスイッチ装置1の外形の少なくとも一部を形成していればよい。また、ハウジング10に形成される開口部10Aは、必ずしもコネクタを通過させるための穴である必要はなく、いかなる用途や形状の穴であってもよい。また、カバー20は、必ずしも開口部10Aといった穴を塞ぐよう装着されることに限定されず、ハウジング10のいかなる構造の部位に取り付けられてもよい。さらに、カバー20は、必ずしもハンドルスイッチ装置1の下方側に位置する箇所に取り付けられることに限定されず、いかなる位置に取り付けられてもよい。
【0014】
図3乃至
図4に示すように、カバー20は、略板状部材が略直角に屈曲した形状に形成されており、
図1及び
図3における下方側に位置する第一壁部20Aと、右側の側方に位置する第二壁部20Bと、を有する。そして、第一壁部20Aは、第二壁部20Bとの連結箇所(屈曲箇所)から延設された略長方形の長方形部位20Aaと、長方形部位20Aaの第二壁部20Bとの連結箇所とは反対側に位置する縁部の一部が後述するカバー取り付け方向Y1に突出して延設された突出部位20Abと、により略L字形状に形成されている。なお、
図4においては、説明のため、第一壁部20Aの長方形部位20Aaと突出部位20Abとを点線で区切って示している。なお、第一壁部20Aの略L字形の形状は、上述したハウジング10の下面側に位置する開口部10Aの略L字状の部位に対応した形状となっている。
【0015】
そして、カバー20の第一壁部20Aの長方形部位20Aaの縁部の一部は、後述するようにハウジング10に取り付けられた際にハウジング10の開口部10Aの周囲の一部に形成された係合部11,12と係合することとなる。具体的に、第一壁部20Aの長方形部位20Aaの縁部のうち、
図4に示すように、突出部位20Ab側とは反対側に位置し、第二壁部20Bとの連結箇所に隣接する縁部の一部がカバー側第一係合部21となる。なお、カバー20は、
図4の矢印Y1に示すカバー取り付け方向Y1に移動してハウジング10に取り付けられることとなるが、このカバー取り付け方向Y1に沿って延びる縁部の一部がカバー側第一係合部21として形成されていることとなる。このとき、カバー取り付け方向Y1は、略水平面に沿った方向であり、第二壁部20Bの壁面、及び、第一壁部20Aと第二壁部20Bとの連結辺に対して略垂直な方向となる。また、第一壁部20Aの長方形部位20Aaの縁部のうち、
図4に示すように、突出部位20Ab側とは反対側に位置し、第二壁部20Bとの連結辺の対辺に位置する縁部の一部がカバー側第二係合部22となる。このとき、カバー側第二係合部22は、カバー取り付け方向Y1に対して略直交して延びる縁部の一部にて形成されていることとなる。
【0016】
また、カバー20の突出部位20Abの突出端付近には、ボルト30が挿入されるボルト穴23が形成されている。なお、ボルト30は、カバー20及びハウジング10の下面側から挿入されることとなるため、ボルト穴23は略垂直方向に沿って貫通して形成されている。つまり、ボルト挿入方向Y2は、後述する
図5の矢印Y2に示す下方から上方に向かう重力方向とは反対方向であり、上述したカバー取り付け方向Y1とは略直交することとなる。
【0017】
ハウジング10の開口部10Aの周囲の一部には、カバー20が装着されたときに、上述したカバー側第一係合部21とカバー側第二係合部22とにそれぞれ係合するハウジング側第一係合部11とハウジング側第二係合部12とが形成されている。具体的に、
図4に示すように、開口部10Aの周囲のうち、装着されたカバー20のカバー側第一係合部21に対応する箇所には、カバー取り付け方向Y1に沿ったハウジング側第一係合部11が形成されている。ハウジング側第一係合部11は、開口部10Aの内側から外側に向かって延びる略水平な平面で形成された平面部と、かかる平面部に略直交して開口部10Aの縁を形成する壁部と、を有する略直角の溝形状に形成されており、かかる溝形状がカバー取り付け方向Y1に沿って延びて形成されている。そして、ハウジング側第一係合部11には、平面部にカバー側第一係合部21が積層された状態で係合されることとなる。このとき、ハウジング側第一係合部11は、カバー20が装着される際に、カバー側第一係合部21が平面部に積層された状態で、壁部がカバー取り付け方向Y1に沿ってカバー20の縁部のさらに外側に位置するため、カバー20自体がカバー取り付け方向Y1に沿って移動されるようガイドすることとなる。さらに、ハウジング側第一係合部11の平面部にはカバー側第一係合部21が載置され、ハウジング側第一係合部11とカバー側第一係合部21とが略垂直方向つまりボルト挿入方向Y2に沿って積層されて係合した状態となる。つまり、車両に取り付けられるハンドルスイッチ装置1の外形を形成するハウジング10の一部であるハウジング側第一係合部11が、カバー20の下面側に位置して積層されることとなり、カバー20を下方から支持している状態となる。このため、カバー20が下方つまり略垂直方向に移動することが係止される。
【0018】
また、ハウジング側第二係合部12は、
図4に示すように、開口部10Aの周囲のうち、装着されたカバー20のカバー側第二係合部22に対応する箇所に形成される。ハウジング側第二係合部12は、ハウジング側第一係合部11と同様に、開口部10Aの内側から外側に向かって延びる略水平な平面で形成された平面部と、かかる平面部に略直交して開口部10Aの縁を形成する壁部と、を有する略直角の溝形状に形成されており、かかる溝形状がカバー取り付け方向Y1とは直交した方向に沿って形成されている。そして、ハウジング側第二係合部12の平面部には、カバー20が装着された際にカバー側第二係合部22が載置され、ハウジング側第二係合部12とカバー側第二係合部22とが略垂直方向つまりボルト挿入方向Y2に沿って積層されて係合した状態となる。つまり、車両に取り付けられるハンドルスイッチ装置1の外形を形成するハウジング10の一部であるハウジング側第二係合部12が、カバー20の下面側に位置して積層されることとなり、カバー20を下方から支持している状態となる。このため、カバー20が下方つまり略垂直方向に移動することが係止される。
【0019】
なお、本実施形態では、ハウジング10とカバー20との2箇所に、それぞれ相互に係合する係合部11,12,21,22を形成する場合を例示しているが、さらに多くの箇所に係合部を設けてもよく、あるいは、係合部は1箇所だけであってもよい。
【0020】
[組み付け]
次に、上述したハンドルスイッチ装置1の組み付け方法を、主に
図3乃至
図6を参照して説明する。まず、
図3及び
図4の矢印Y1に示すように、カバー20をカバー取り付け方向Y1である略水平方向に沿って移動させて、ハウジング10の開口部10Aの位置である装着位置にカバー20を配置する。このとき、カバー20の移動中には、カバー側第一係合部21がハウジング10の開口部10Aの周囲の一部に形成されたハウジング側第一係合部11に沿ってガイドされて移動されることとなる。具体的には、カバー側第一係合部21がハウジング側第一係合部11の平面部に載置された状態で、カバー側第一係合部21の側方にハウジング側第一係合部11の壁部がカバー取り付け方向Y1に沿って位置しているため、カバー20のカバー取り付け方向Y1への移動がガイドされることとなる。
【0021】
続いて、カバー20のカバー取り付け方向Y1への移動が完了すると、
図5に示すように、ハウジング10の開口部10Aにカバー20が配置される。このとき、カバー20のカバー側第一係合部21とカバー側第二係合部22とが、それぞれハウジング側第一係合部11とハウジング側第二係合部12とに係合された状態となる。特に、カバー側第一係合部21とカバー側第二係合部22とは、それぞれハウジング側第一係合部11とハウジング側第二係合部12とに形成された略水平な平面部に載置された状態で係合しているため、ハウジング10の一部が、カバー20の下面側に位置して積層され、カバー20を下方から支持している状態となり、カバー20の下方への移動が係止される。つまり、上述したようにカバー20をカバー取り付け方向Y1に移動させてハウジング10の開口部10Aに配置することで、カバー20が開口部10Aに保持された状態となり、作業者が常にカバー20を押さえておく必要はなくなる。
【0022】
続いて、
図5の矢印Y2に示すように、上述したカバー取り付け方向Y1とは略直交するボルト挿入方向Y2つまり略鉛直方向に沿って下方から上方にボルト30を移動させて、カバー20に設けられたボルト穴23及びハウジング10に設けられたボルト穴にボルト30を挿入する。そして、
図6に示すようにボルト30を締結することで、ハウジング10にカバー20を取り付ける。
【0023】
以上のように、本発明のハンドルスイッチ装置1は、ハウジング10に対してカバー20を移動させて配置し、その後、カバー20の移動方向とは異なる方向からボルト30を挿入してカバー20とハウジング10とを締結している。このように、相互に異なる方向からカバー20の移動配置とボルト30の挿入を行い、ハウジング10がカバー20を支持する構造であるため、カバー20の取り付け作業の効率の向上を図ることができる。
【0024】
また、ハウジング10とカバー20との間に積層される部分を設けることで、ハウジング10とカバー20との間に生じる隙間や段差などを抑制する構造にすることができ、美観の向上を図ることができる。特に、カバー20を取り付け箇所に配置する際に、カバー20の縁部がハウジング10の係合部に係合する構造とすることで、カバー20の配置状態がより安定して取付作業の効率のさらなる向上を図ることができると共に、美観のさらなる向上を図ることができる。
【0025】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明におけるハンドルスイッチ装置の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
ハンドルスイッチ装置の外形の少なくとも一部を形成するハウジングと、
前記ハウジングに装着されるカバーと、
前記カバーを前記ハウジングに締結するために前記カバー及び前記ハウジングに挿入される締結部材と、を備え、
前記カバーは、前記締結部材の挿入方向とは異なる方向から前記ハウジングに対して移動されて装着可能なよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
(付記2)
付記1に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記カバーは、前記締結部材の挿入方向に対して略直交する方向から前記ハウジングに対して移動されて装着可能なよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
(付記3)
付記1又は2に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングは、前記カバーが装着された際に当該カバーの縁部と係合する係合部を有する、
ハンドルスイッチ装置。
(付記4)
付記3に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングの前記係合部は、前記締結部材の挿入方向に沿った少なくとも一方向への前記カバーの移動を係止するよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
(付記5)
付記4に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記締結部材の挿入方向は、重力方向とは反対方向であり、
前記ハウジングの前記係合部は、重力方向への前記カバーの移動を係止するよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
(付記6)
付記4又は5に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングの前記係合部は、前記締結部材の挿入方向と直交する壁部を有する、
ハンドルスイッチ装置。
(付記7)
付記3乃至6のいずれかに記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングの前記係合部は、前記締結部材の挿入方向に沿って前記カバーの縁部と積層されて係合する、
ハンドルスイッチ装置。
(付記8)
付記3乃至7のいずれかに記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングの前記係合部は、前記カバーの前記ハウジングに対する移動をガイドするよう形成されている、
ハンドルスイッチ装置。
(付記9)
付記3乃至8のいずれかに記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ハウジングの前記係合部は複数箇所に形成されており、前記カバーの複数箇所の縁部とそれぞれ係合するよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
(付記10)
ハンドルスイッチ装置の外形の少なくとも一部を形成するハウジングと、
前記ハウジングに装着されるカバーと、
前記カバーを前記ハウジングに締結するために前記カバー及び前記ハウジングに挿入される締結部材と、
を備えたハンドルスイッチ装置の組み付け方法であって、
前記カバーを、前記締結部材の挿入方向とは異なる方向から前記ハウジングに対して移動して装着位置に配置し、
前記締結部材を前記カバー及び前記ハウジングに挿入して前記カバーを前記ハウジングに締結する、
ハンドルスイッチ装置の組み付け方法。
【0026】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 ハンドルスイッチ装置
10 ハウジング
11 ハウジング側第一係合部
12 ハウジング側第二係合部
20 カバー
20A 第一壁部
20Aa 長方形部位
20Ab 突出部位
20B 第二壁部
21 カバー側第一係合部
22 カバー側第二係合部
23 ボルト穴
30 ボルト