(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130897
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】スロットルグリップ装置およびスロットルグリップ装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
B62K 23/04 20060101AFI20240920BHJP
B62M 25/08 20060101ALI20240920BHJP
B62K 21/26 20060101ALI20240920BHJP
B62J 45/41 20200101ALI20240920BHJP
F02D 11/02 20060101ALI20240920BHJP
F02D 11/04 20060101ALI20240920BHJP
F02D 11/10 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B62K23/04
B62M25/08
B62K21/26
B62J45/41
F02D11/02 R
F02D11/04 C
F02D11/10 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040848
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】吉田 聖哉
(72)【発明者】
【氏名】大谷 貴之
(72)【発明者】
【氏名】村田 敏一
【テーマコード(参考)】
3D013
3G065
【Fターム(参考)】
3D013CH01
3G065BA01
3G065CA22
3G065CA27
3G065GA46
3G065HA22
3G065JA03
3G065JA09
(57)【要約】
【課題】スロットルグリップを回転させた際の回転負荷を、簡単な構成で変更可能であるとともに、長期にわたって安定して運転手に感じさせることができるスロットルグリップ装置およびスロットルグリップ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】スロットルグリップ装置1は、スロットルグリップ12と、スロットルグリップ12を付勢するリターンスプリング2と、スロットルグリップ12の回転角度を検出するアクセルポジションセンサ3とを備える。アクセルポジションセンサ3は、スロットルグリップ12と連動して回転する磁石31と、磁石31を収容する磁性材からなる筒状部材32と、磁石31に対向して配置された磁気センサ33とを有する。スロットルグリップ装置1は、磁石31に対する筒状部材32の位置の変更可能な箇所を位置決めして、筒状部材32が磁石31に対向する面積S32が調整された状態とする位置決め部6を備える。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のハンドルバーの中心軸の周りに回転可能な状態で前記ハンドルバーに取り付けられるスロットルグリップと、
前記スロットルグリップを初期位置へ戻すように付勢するリターンスプリングと、
前記スロットルグリップの回転角度を検出するアクセルポジションセンサと、を備え、
前記アクセルポジションセンサは、
前記中心軸周りの回転方向に沿って配置された複数の磁極を有し、前記スロットルグリップと連動して前記中心軸の周りに回転する磁石と、
前記磁石を収容する磁性材からなる筒状部材と、
前記磁石の端面に対向して配置された磁気センサと、を有し、
前記磁石に対する前記筒状部材の位置の変更可能な箇所を位置決めして、前記磁石と前記筒状部材とが互いに対向する面積が調整された状態とする位置決め部を備える、スロットルグリップ装置。
【請求項2】
前記磁気センサは、前記磁石の前記中心軸の端面に対向して配置されている、請求項1に記載のスロットルグリップ装置。
【請求項3】
前記磁気センサは、前記磁石の前記中心軸の端面に対向して複数配置されている、請求項1に記載のスロットルグリップ装置。
【請求項4】
円筒状のハンドルバーの中心軸の周りに回転可能な状態で前記ハンドルバーに取り付けられるスロットルグリップと、
前記スロットルグリップを初期位置へ戻すように付勢するリターンスプリングと、
前記スロットルグリップの回転角度を検出するアクセルポジションセンサと、を備え、
前記アクセルポジションセンサは、
前記中心軸周りの回転方向に沿って配置された複数の磁極を有し、前記スロットルグリップと連動して前記中心軸の周りに回転する磁石と、
前記磁石を収容する磁性材からなる筒状部材と、
前記磁石の前記中心軸の端部に対向して配置された磁気センサと、を有し、
前記筒状部材として、全長が異なる複数の筒状部材が用意されており、該複数の筒状部材から1つの筒状部材が選択されて、前記磁石と前記筒状部材とが互いに対向する面積が調整された状態となる、スロットルグリップ装置。
【請求項5】
前記全長が異なる複数の筒状部材には、少なくとも、全長が大、中、小の3種の筒状部材が含まれており、
前記全長が大の筒状部材が選択された場合には、前記面積が最大となり、
前記全長が小の筒状部材が選択された場合には、前記面積が最小となり、
前記全長が中の筒状部材が選択された場合には、前記面積が前記最大の面積と前記最小の面積との間の大きさとなる、請求項4に記載のスロットルグリップ装置。
【請求項6】
円筒状のハンドルバーの中心軸の周りに回転可能な状態で前記ハンドルバーに取り付けられるスロットルグリップと、
前記スロットルグリップを初期位置へ戻すように付勢するリターンスプリングと、
前記スロットルグリップの回転角度を検出するアクセルポジションセンサと、
前記アクセルポジションセンサに対する調整を行う調整機構と、を備え、
前記アクセルポジションセンサは、
前記中心軸周りの回転方向に沿って配置された複数の磁極を有し、前記スロットルグリップと連動して前記中心軸の周りに回転する磁石と、
前記磁石を収容する磁性材からなる筒状部材と、
前記磁石の端面に対向して配置された磁気センサと、を有し、
前記調整機構は、前記磁石と前記筒状部材とが互いに対向する面積を調整可能とする、スロットルグリップ装置。
【請求項7】
前記調整機構は、前記磁石に対する前記筒状部材の前記中心軸方向の位置を変更して、前記面積を調整する、請求項6に記載のスロットルグリップ装置。
【請求項8】
前記ハンドルバーの内側で前記リターンスプリングと前記アクセルポジションセンサとを収容するケースを備え、
前記調整機構は、前記筒状部材の前記中心軸方向の位置を変更した状態で、前記筒状部材を前記ケースに対して固定する固定部材を有する、請求項7に記載のスロットルグリップ装置。
【請求項9】
前記ケースは、管状をなすものであり、その管壁に貫通して形成され、前記中心軸方向に沿った長尺な貫通孔を有し、
前記固定部材は、前記貫通孔を介して前記筒状部材と螺合する雄ネジを有する、請求項8に記載のスロットルグリップ装置。
【請求項10】
前記調整機構は、前記筒状部材に連結された連結部と、該連結部と螺合する螺合部材と、を有し、前記連結部に対する前記螺合部材の螺合量に応じて、前記連結部を前記筒状部材ごと前記中心軸方向に移動させて、前記磁石に対する前記筒状部材の前記中心軸方向の位置を変更する、請求項7に記載のスロットルグリップ装置。
【請求項11】
円筒状のハンドルバーの中心軸の周りに回転可能な状態で前記ハンドルバーに取り付けられるスロットルグリップと、
前記スロットルグリップを初期位置へ戻すように付勢するリターンスプリングと、
前記スロットルグリップの回転角度を検出するアクセルポジションセンサと、を備えるスロットルグリップ装置を製造する方法であって、
前記アクセルポジションセンサは、
前記中心軸周りの回転方向に沿って配置された複数の磁極を有し、前記スロットルグリップと連動して前記中心軸の周りに回転する磁石と、
前記磁石を収容する磁性材からなる筒状部材と、
前記磁石の端面に対向して配置された磁気センサと、を有するものであり、
前記スロットルグリップ装置の製造方法は、
前記磁石に対する前記筒状部材の位置を変更して、前記磁石と前記筒状部材とが互いに対向する面積を調整する調整工程を有する、スロットルグリップ装置の製造方法。
【請求項12】
円筒状のハンドルバーの中心軸の周りに回転可能な状態で前記ハンドルバーに取り付けられるスロットルグリップと、
前記スロットルグリップを初期位置へ戻すように付勢するリターンスプリングと、
前記スロットルグリップの回転角度を検出するアクセルポジションセンサと、を備えるスロットルグリップ装置を製造する方法であって、
前記アクセルポジションセンサは、
前記中心軸周りの回転方向に沿って配置された複数の磁極を有し、前記スロットルグリップと連動して前記中心軸の周りに回転する磁石と、
前記磁石を収容する磁性材からなる筒状部材と、
前記磁石の端面に対向して配置された磁気センサと、有するものであり、
前記スロットルグリップ装置の製造方法は、
前記筒状部材として、全長が異なる複数の筒状部材を用意する用意工程と、
前記複数の筒状部材から1つの筒状部材を選択して、前記磁石と前記筒状部材とが互いに対向する面積を調整する調整工程と、を有する、スロットルグリップ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットルグリップ装置およびスロットルグリップ装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から鞍乗り型の車両のハンドルバーには運転手がスロットルバルブの開度(アクセル開度)をコントロールするためのスロットルグリップ装置が設けられる。スロットルグリップ装置は、運転手の操作に応じて円筒状のハンドルバーの中心軸の周りに回転するスロットルグリップと、回転したスロットルグリップを元の位置(初期位置)へ戻すように付勢するリターンスプリングとを備える。また、スロットルグリップ装置は、磁気センサと磁石とを有するアクセルポジションセンサを備える。アクセルポジションセンサは、スロットルグリップの回転に連動して回転する磁石の磁力線の向きや密度の変化を磁気センサで検知することにより、スロットルグリップの回転角度を電気信号として出力する。また、特許文献1には、スロットルグリップの回転時に抵抗力を生じさせて、運転手に回転負荷を感じさせるスロットルグリップ装置が開示されている。この特許文献1に記載のスロットルグリップ装置は、スロットルグリップとともに回転する回転側摩擦板と、固定側摩擦板と、回転側摩擦板を固定側摩擦板に向かって付勢して押圧する付勢手段と、を有する。そして、スロットルグリップを回転させた際に、回転側摩擦板が固定側摩擦板に押圧されつつ回転して、回転側摩擦板と固定側摩擦板との間に摩擦力が生じる。この摩擦力がスロットルグリップ回転時の抵抗力となって、運転手に回転負荷を感じさせることができる。また、特許文献1に記載のスロットルグリップ装置では、付勢手段の付勢力を変更して、回転側摩擦板と固定側摩擦板との間に摩擦力を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、回転側摩擦板と固定側摩擦板との間に摩擦力を生じさせる機構では、例えば、スロットルグリップの操作の積算回数が増えるにつれて回転摩擦板や固定摩擦板が摩耗していくため、各摩擦板の破損や摩擦板からの摩耗粉等が生じ易くなるおそれがある。その結果、スロットルグリップを回転させた際の回転負荷を安定して運転手に感じさせることが困難となったり、各摩擦板に摩耗粉が堆積して、スロットルグリップ操作時の操作感が悪化したりするおそれがあった。また、回転側摩擦板と固定側摩擦板とを有する分、装置構成が複雑化するという問題も生じる。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明は、スロットルグリップを回転させた際の回転負荷を、簡単な構成で変更可能であるとともに、長期にわたって安定して運転手に感じさせることができるスロットルグリップ装置およびスロットルグリップ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のスロットルグリップ装置は、円筒状のハンドルバーの中心軸の周りに回転可能な状態で前記ハンドルバーに取り付けられるスロットルグリップと、前記スロットルグリップを初期位置へ戻すように付勢するリターンスプリングと、前記スロットルグリップの回転角度を検出するアクセルポジションセンサと、を備え、前記アクセルポジションセンサは、前記中心軸周りの回転方向に沿って配置された複数の磁極を有し、前記スロットルグリップと連動して前記中心軸の周りに回転する磁石と、前記磁石を収容する磁性材からなる筒状部材と、前記磁石の端面に対向して配置された磁気センサと、を有し、前記磁石に対する前記筒状部材の位置の変更可能な箇所を位置決めして、前記磁石と前記筒状部材とが互いに対向する面積が調整された状態とする位置決め部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スロットルグリップを回転させた際の回転負荷を、簡単な構成で変更可能であるとともに、長期にわたって安定して運転手に感じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のスロットルグリップ装置の斜視図である。
【
図2】
図1に示すスロットルグリップ装置の縦断面斜視図である。
【
図3】
図1に示すスロットルグリップ装置を中心軸方向から見たときのアクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す図である。
【
図4A】アクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図(面積最大状態)である。
【
図4B】アクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図(面積中間状態)である。
【
図4C】アクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図(面積最小状態)である。
【
図5A】第2実施形態のスロットルグリップ装置におけるアクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図(面積最大状態)である。
【
図5B】第2実施形態のスロットルグリップ装置におけるアクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図(面積中間状態)である。
【
図5C】第2実施形態のスロットルグリップ装置におけるアクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図(面積最小状態)である。
【
図6A】第3実施形態のスロットルグリップ装置におけるアクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図(面積最大状態)である。
【
図6B】第3実施形態のスロットルグリップ装置におけるアクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図(面積最小状態)である。
【
図7A】第4実施形態のスロットルグリップ装置におけるアクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図(面積最大状態)である。
【
図7B】第4実施形態のスロットルグリップ装置におけるアクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図(面積最小状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の各実施形態に記載されている構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は各実施形態に記載されている構成によって限定されることはない。例えば、本発明を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせることもできる。
【0010】
<第1実施形態>
以下、
図1~
図4Cを参照して、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のスロットルグリップ装置の斜視図である。なお、以下では、説明の都合上、
図1中の左側を「左(または左方)」、右側を「右(または右方)」と言う(
図2、
図4A~
図7Bについても同様)。
図1に示すスロットルグリップ装置1は、例えば、鞍乗り型車両のハンドルバーに搭載されて用いられる。スロットルグリップ装置1は、運転手がスロットルバルブの開度(アクセル開度)をコントロールするための装置である。なお、「鞍乗り型車両」とは、運転手が車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両等を含む車両のことである。スロットルグリップ装置1は、円筒状のハンドルバー11と、ハンドルバー11の中心軸O11の周りに回転可能な状態でハンドルバー11の外周側(外側)に取り付けられるスロットルグリップ12と、ハンドルバー11の右端側に取り付けられるグリップエンド13とを備える。スロットルグリップ12は、運転手の操作に応じてハンドルバー11の中心軸O11の周りに初期位置から所望の回転角へ回転される。そして、この操作の終了後、スロットルグリップ12は、後述するリターンスプリング2によって初期位置へ戻される。
【0011】
図2は、
図1に示すスロットルグリップ装置の縦断面斜視図である。
図3は、
図1に示すスロットルグリップ装置が有する磁石と磁気センサとの位置関係を示す図である。
図2に示すように、スロットルグリップ装置1は、スロットルパイプ14と、リターンスプリング2と、スロットルパイプ14とリターンスプリング2とを連結する連結機構15と、アクセルポジションセンサ3と、シャフト4と、アウターケース(ケース)5、インナーケース16とを備える。スロットルパイプ14は、円筒状をなし、ハンドルバー11の外周部に中心軸O11の周りに回転可能に支持されている。スロットルパイプ14の外周部には、スロットルグリップ12が固定されいる。これにより、スロットルパイプ14は、スロットルグリップ12に対する回転操作に伴って、当該スロットルグリップ12とともにハンドルバー11の中心軸O11の周りに回転することができる。
【0012】
スロットルパイプ14は、連結機構15を介して、リターンスプリング2と連結されている。連結機構15の構成としては、特に限定されず、例えば、筒状の部材を複数有し、これらの部材が中心軸O11に沿って配置されて、互いに連結された構成等が挙げられる。
図2に示す構成では、連結機構15にACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)用のスプリング17も内蔵されている。なお、スプリング17については、省略することもできる。
【0013】
リターンスプリング2は、連結機構15を介して、スロットルパイプ14ごとスロットルグリップ12を初期位置へ付勢するねじりコイルバネである。リターンスプリング2は、中心軸O11に沿って配置され、右端部(先端部)21が連結機構15に連結されている。リターンスプリング2の左端部(基端部)22は、インナーケース16に連結されている。
【0014】
シャフト4は、長尺な円柱状をなす部材で構成され、中心軸O11上で、リターンスプリング2を挿通して配置されている。シャフト4の右端部41は、例えばビス151を用いたねじ止めよって、連結機構15に連結されている。これにより、シャフト4は、スロットルグリップ12に対する回転操作に伴って、当該スロットルグリップ12とともにハンドルバー11の中心軸O11の周りに回転することができる。シャフト4の左端部42は、アウターケース5(第2ケース52)に回転可能に支持されている。
【0015】
アウターケース5は、ハンドルバー11の内側に配置されている。アウターケース5は、右側に配置された第1ケース51と、左側に配置された第2ケース52とを有する。第1ケース51は、円筒状(管状)をなし、その内側にリターンスプリング2をインナーケース16ごと収容する。第1ケース51は、中心軸O11上に配置され、その左端部511が縮径して、シャフト4の中心軸O11方向の途中を支持している。また、第1ケース51の左端部511は、第2ケース52の右端部522の内側に嵌合している。左端部511と右端部522と間には、弾性を有するリング部材18が介在している。第2ケース52は、円筒状(管状)をなし、その内側にアクセルポジションセンサ3を収容する。第2ケース52は、その中心軸O11方向の途中に設けられた壁部521によって、右側筒部53と、左側筒部54とに仕切られる。右側筒部53には、後述するアクセルポジションセンサ3の磁石31と筒状部材32とが配置される。左側筒部54には、アクセルポジションセンサ3の磁気センサ33が配置される。また、壁部521は、シャフト4の左端部42を回転可能に支持する。
【0016】
インナーケース16は、円筒状(管状)をなし、第1ケース51の内側に配置されている。また、インナーケース16の内側には、リターンスプリング2が配置されている。
【0017】
アクセルポジションセンサ3は、スロットルグリップ12の回転角度を検出するセンサである。アクセルポジションセンサ3は、磁石31と、磁石31を収容する筒状部材32と、磁石31に対向して配置された磁気センサ33とを有する。磁石31は、円筒状をなし、シャフト4の外周側に、当該シャフト4と同心的に配置されている。また、磁石31は、シャフト4に固定されている。これにより、磁石31は、スロットルグリップ12の操作に連動して、シャフト4とともに中心軸O11の周りに回転することができる。なお、本実施形態では、スロットルグリップ12に対する磁石31の回転比は1である。また、筒状部材32および磁気センサ33は、スロットルグリップ12と連動して回転することはないため、磁石31が筒状部材32および磁気センサ33に対して相対的に回転する。
図3に示すように、磁石31は、その両端面および周方向、すなわち、中心軸O11周りの回転方向に沿って配置された複数の磁極を有する。隣り合う磁極同士は、互いに極性が異なる。
【0018】
筒状部材32は、円筒状をなし、第2ケース52の右側筒部53の内側に固定されている。筒状部材32の内側には、磁石31が非接触状態で収容されている。これにより、磁石31が回転した際、磁石31と筒状部材32との間に摩擦が生じるのを防止することができ、よって、磁石31が円滑に回転することができる。また、磁石31と筒状部材32とが摩耗するのが防止される。これにより、摩耗粉が堆積して、スロットルグリップ操作時の操作感が悪化するのを防止することができる。さらに、制動力(フリクション)発生個所の損耗による操作感の変化も防止され、耐久性に優れる。筒状部材32は、例えば軟質磁性材や半硬質磁性材等の磁性材で構成されている。前述したように、磁石31は、その周方向に沿って複数の磁極を有する。これにより、筒状部材32は、磁石31の各磁極と対向する部分が、当該各磁極と反対の磁極に磁化される。そして、磁石31が回転した際、前記磁化された筒状部材32の各部分は、磁石31の回転を阻止するように磁力を発生させる。この磁力は、抵抗力としてスロットルグリップ12に伝達されて、スロットルグリップ12を操作する運転手に対して、操作感としての制動力(フリクション)、すなわち、スロットルグリップ12を回転させた際の回転負荷を付与する。
【0019】
磁気センサ33は、中心軸O11を法線とする磁石31の左端面311に対向して配置されている。ホール素子を有する磁気センサ33は、自身を通過する磁力線の向きや強さを検知する。なお、磁気センサ33は、ホール素子の代わりに、例えば、磁気抵抗素子、磁気インピーダンス素子、超電導量子干渉素子を有してもよい。磁気センサ33の配置数は、少なくとも1つであるが、複数であるのが好ましい。本実施形態では、磁気センサ33の配置数は、2つである。以下、各磁気センサ33を「磁気センサ33a」、「磁気センサ33b」と言うことがある。なお、磁気センサ33の配置数は、2つに限定されず、例えば、3つ以上であってもよい。
【0020】
以上のような構成のアクセルポジションセンサ3は、スロットルグリップ12の回転に連動して回転する磁石31の磁力線の向きや密度の変化を各磁気センサ33で検知することができる。この検出結果は、スロットルグリップ12の回転角度の電気信号として出力される。
【0021】
前述したように、スロットルグリップ装置1は、スロットルグリップ12を操作する運転手に対して、その操作感としての制動力を付与することができる。制動力の大きさは、運転手の好みや車両の特性によって異なる。
【0022】
そこで、スロットルグリップ装置1は、制動力の大きさを変更可能に構成されている。制動力の大きさは、磁石31の磁力の強さ、磁石31が有する極数、磁石31と筒状部材32とが互いに対向する面積で決定される。その他、制動力の大きさは、磁石31と筒状部材32との距離、筒状部材32の体積によっても決定される。スロットルグリップ装置1では、制動力の変更に際して、磁石31と筒状部材32とが互いに対向する面積を調整することにより、その変更を可能としている。以下、この構成および作用について説明する。
図4A~
図4Cは、それぞれ、アクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図である。
図4Aは、磁石31と筒状部材32とが互いに対向する面積が最大の状態を示す。
図4Bは、当該面積が中間の状態を示す。
図4Cは、当該面積が最小の状態を示す。
【0023】
図4A~
図4Cに示すように、スロットルグリップ装置1は、位置決め部6を備える。位置決め部6は、調整工程で用いられる。調整工程では、磁石31に対する筒状部材32の位置を変更して、磁石31と筒状部材32とが互いに対向する面積、すなわち、側面視で(中心軸O11と直交する方向から見たとき)筒状部材32の内周面(内周部)が磁石31と重なる面積S32を調整することができる。この調整工程は、スロットルグリップ装置1を製造する製造過程(スロットルグリップ装置の製造方法)の途中で行われる工程の1つである。位置決め部6は、磁石31に対する筒状部材32の位置の変更可能な箇所を決めすることができる。これにより、位置決め部6は、磁石31と筒状部材32とが互いに対向する面積、すなわち、側面視で筒状部材32が磁石31と重なる面積S32が調整された状態とすることができる。本実施形態では、位置決め部6は、第1位置決め部61、第2位置決め部62、第3位置決め部63を有する。
【0024】
第1位置決め部61は、アウターケース5の第2ケース52の内周部の左側に設けられ、内径が縮径した縮径部で構成されている。第2位置決め部62は、筒状部材32の外周部に設けられ、周方向に沿ったリング状の溝(凹部)で構成されている。第3位置決め部63は、筒状部材32の外周部に、第2位置決め部62よりも左側に設けられ、周方向に沿ったリング状の溝で構成されている。
図4Aに示すように、第1位置決め部61に筒状部材32の左端面321を当接させた場合には、面積S32が最大(面積S32max)となり、スロットルグリップ12の操作感としての制動力、すなわち、スロットルグリップ12を回転させた際の回転負荷も最大となる。
図4Cに示すように、側面視で第3位置決め部63に第2ケース52の所定部位(例えば右側の面523)を重ねた場合には、面積S32が最小(面積S32min)となり、スロットルグリップ12の操作感としての制動力(回転負荷)も最小となる。
図4Bに示すように、側面視で第2位置決め部623に第2ケース52の前記所定部位を重ねた場合には、面積S32が面積S32max(最大の面積S32)と面積S32min(最小の面積S32)との間の大きさ(面積S32mid)となり、スロットルグリップ12の操作感としての制動力(回転負荷)も中間の大きさとなる。
【0025】
以上のように本実施形態では、位置決め部6に対する筒状部材32の位置に応じて、面積S32を調整するという簡単な構成で、スロットルグリップ12の操作感としての制動力を変更することができる。また、前述したように磁石31と筒状部材32とが互いに非接触状態となっている。これにより、磁石31と筒状部材32との摩耗が防止され、よって、制動力を長期にわたって安定して運転手に感じさせることができる。また、本実施形態では、長さが1種類の筒状部材32で面積S32を大中小の3段階に調整することができ、よって、部品点数の抑制が可能となる。
【0026】
なお、
図4A~
図4Cに示す状態では、筒状部材32は、アウターケース5の第2ケース52に対して固定されている。これにより、筒状部材32と磁石31との位置関係が維持される。筒状部材32の固定方法としては、特に限定されず、例えば、接着による方法等が挙げられる。また、
図4A~
図4Cに示すように、筒状部材32の位置に関わらず、磁石31の左端部313(左端面311)は、筒状部材32から左側に突出した状態となるのが好ましい。この突出量P313は、少なくとも1mmであることが好ましい。また、位置決め部6による位置決め箇所数は、本実施形態では3箇所であるが、これに限定されず、例えば、2箇所または4箇所以上であってもよい。また、位置決め部6は、本実施形態では縮径部や溝で構成されているが、これに限定されず、例えば、凸部やマーカ等で構成されていてもよい。
【0027】
<第2実施形態>
以下、
図5A~
図5Cを参照して、第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図5A~
図5Cは、それぞれ、第2実施形態のスロットルグリップ装置におけるアクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図である。
図5Aは、磁石31と筒状部材32とが互いに対向する面積が最大の状態を示す。
図5Bは、当該面積が中間の状態を示す。
図5Cは、当該面積が最小の状態を示す。
【0028】
図5A~
図5Cに示すように、スロットルグリップ装置1では、筒状部材32として、全長が互いに異なる筒状部材32A、筒状部材32B、筒状部材32Cが用意されている。筒状部材32Aは、筒状部材32A~筒状部材32Cのうち、全長が最大(最長)のものである。筒状部材32Bは、筒状部材32A~筒状部材32Cのうち、全長が中間のものである。筒状部材32Cは、筒状部材32A~筒状部材32Cのうち、全長が最小(最短)のものである。筒状部材32A~筒状部材32Cは、用意工程で用意される。用意工程は、スロットルグリップ装置1を製造する製造過程の途中で行われる工程の1つである。そして、用意工程後の調整工程では、筒状部材32A~筒状部材32Cから1つの筒状部材32が選択されて、面積S32が調整される。なお、筒状部材32A~筒状部材32Cは、外径が互いに同じであり、内径も互いに同じである。
【0029】
図5Aに示すように、筒状部材32Aが選択された場合には、面積S32が面積S32maxに調整された状態となる。これにより、制動力(回転負荷)も最大となる。
図5Cに示すように、筒状部材32Cが選択された場合には、面積S32が面積S32minに調整された状態となる。これにより、制動力(回転負荷)も最小となる。
図5Bに示すように、筒状部材32Bが選択された場合には、面積S32が面積S32maxと面積S32minとの間の大きさである面積S32midに調整された状態となる。これにより、制動力(回転負荷)も中間の大きさとなる。このように本実施形態では、全長が互いに異なる筒状部材32A~筒状部材32Cを選択して用いることにより、面積S32を調整するという簡単な構成で、スロットルグリップ12の操作感としての制動力を変更することができる。
【0030】
なお、筒状部材32A~筒状部材32Cは、それぞれ、アウターケース5の第2ケース52に対して固定されている。これにより、筒状部材32A~筒状部材32Cと磁石31との位置関係が維持される。また、アウターケース5の第2ケース52の内周部の左側には、内径が縮径した縮径部524が設けられている。筒状部材32Aの左端面321は、縮径部524に当接した状態となる。これにより、第2ケース52に対する筒状部材32Aの挿入限界が規制される。筒状部材32Bおよび筒状部材32Cは、それぞれ、左端面321が縮径部524から離間した状態となる。また、筒状部材32Aは、側面視で右端面322が第2ケース52の右側の面523に重なった状態となる。同様に筒状部材32Bおよび筒状部材32Cについても、側面視で右端面322が第2ケース52右側の面523に重なった状態となるのが好ましい。これにより、第2ケース52に対する筒状部材32Bや筒状部材32Cの過剰な挿入を防止することができる。なお、筒状部材32Bおよび筒状部材32Cは、側面視で右端面322が第2ケース52の右側の面523に重なった状態となっているのに限定されず、左端面321が縮径部524に当接した状態となっていてもよい。また、筒状部材32としては、本実施形態では全長が大中小の3種が用意されているが、これに限定されず、例えば、2種または4種以上であってもよい。
【0031】
<第3実施形態>
以下、
図6A、
図6Bを参照して、第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図6A、
図6Bは、それぞれ、第3実施形態のスロットルグリップ装置におけるアクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図である。
図6Aは、磁石31と筒状部材32とが互いに対向する面積が最大の状態を示す。
図6Bは、当該面積が最小の状態を示す。
【0032】
図6A、
図6Bに示すように、スロットルグリップ装置1は、スロットルグリップ装置1製造後であっても、当該スロットルグリップ装置1が鞍乗り型車両に搭載される前に、面積S32の調整(アクセルポジションセンサ3に対する調整)を可能とする調整機構7を備える。調整機構7は、アウターケース5の第2ケース52の管壁に貫通して形成された貫通孔71と、筒状部材32を第2ケース52に対して固定する固定部材72とを有する。貫通孔71は、中心軸O11方向に沿った長尺形状をなす、すなわち、長孔である。固定部材72は、雄ネジ731を有するビス73と、雄ネジ731が挿通したワッシャ74とを有する。雄ネジ731は、貫通孔71を介して、側方から筒状部材32の雌ネジ323と螺合する。なお、固定部材72は、スプリングワッシャを有していてもよい。また、固定部材72は、ビス73およびワッシャ74を有する構成に限定されず、例えば、接着剤やリベット等であってもよい。
【0033】
図6Aに示すように、固定部材72は、貫通孔71のできる限り左側で筒状部材32と螺合している。この状態で固定部材72は、筒状部材32との間で第2ケース52の管壁を挟持する、すなわち、締め付けている。これにより、筒状部材32が固定され、よって、面積S32が面積S32maxに調整された状態となる。そして、
図6Aに示す状態から固定部材72を弛めることにより、固定部材72を筒状部材32ごと、右側(中心軸O11方向)に位置を変更することができる。
図6Bに示すように、固定部材72は、貫通孔71のできる限り右側で筒状部材32と螺合している。この状態でも、
図6Aに示す状態と同様に、固定部材72は、筒状部材32との間で第2ケース52の管壁を挟持する。これにより、筒状部材32が固定され、よって、面積S32が面積S32minに調整された状態となる。また、面積S32maxと面積S32minとの間では、貫通孔71における固定部材72の位置に応じて、面積S32(面積S32mid)を無段階に調整することができる。このように本実施形態では、固定部材72を弛めて、磁石31に対する筒状部材32の中心軸O11方向の位置を変更することにより、面積S32を調整するという簡単な構成で、スロットルグリップ12の操作感としての制動力を変更することができる。
【0034】
<第4実施形態>
以下、
図7A、
図7Bを参照して、第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図7A、
図7Bは、それぞれ、第4実施形態のスロットルグリップ装置におけるアクセルポジションセンサの磁石と筒状部材と磁気センサとの位置関係を示す概略縦断面図である。
図7Aは、磁石31と筒状部材32とが互いに対向する面積が最大の状態を示す。
図7Bは、当該面積が最小の状態を示す。
【0035】
図7A、
図7Bに示すように、本実施形態では、調整機構7は、スロットルグリップ装置1が鞍乗り型車両に搭載された状態であっても、面積S32の調整を可能とする。また、本実施形態では、第2ケース52は、右側筒部53と左側筒部54とが分離されている。右側筒部53(連結部)は、筒状部材32に連結されており、筒状部材32ともに中心軸O11方向に移動可能である。右側筒部53は、第1ケース51をまたいでおり、第1ケース51よりも右側で、調整機構7が有する固定部材75と螺合する。固定部材75は、グリップエンド13を挿通した状態で、当該グリップエンド13を固定する部材である。この固定部材75は、雄ネジ761を有するビス(螺合部材)76と、雄ネジ761が挿通したワッシャ77とを有する。雄ネジ761は、右方から、右側筒部53の右端部の雌ネジ531と螺合する。なお、固定部材75は、スプリングワッシャを有していてもよい。左側筒部54は、ハンドルバー11に対して固定されている。
【0036】
図7Aに示すように、固定部材75(ビス76)は、できる限り左側に位置した、すなわち、右側筒部53からできる限り離間して、右側筒部53と螺合している。この状態では、面積S32が面積S32maxに調整されている。そして、
図7Aに示す状態から固定部材75を締め込むことにより、右側筒部53を筒状部材32ごと、右側(中心軸O11方向)に移動させることができる。
図7Bに示すように、固定部材75は、できる限り右側に位置した、すなわち、右側筒部53からできる限り接近して、右側筒部53と螺合している。この状態では、面積S32が面積S32minに調整されている。また、面積S32maxと面積S32minとの間では、右側筒部53に対する固定部材75の螺合量に応じて、面積S32(面積S32mid)を無段階に調整することができる。このように本実施形態では、右側筒部53に対するビス76の螺合量に応じて、右側筒部53を筒状部材32ごと中心軸O11方向に移動させることができる。これにより、磁石31に対する筒状部材32の中心軸O11方向の位置を変更することができる。そして、この位置調整により、面積S32が調整されて、スロットルグリップ12の操作感としての制動力を変更することができる。なお、固定部材75は、本実施形態ではグリップエンド13と別体で構成されているが、これに限定されず、グリップエンド13と一体的に形成されていてもよい。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 スロットルグリップ装置
2 リターンスプリング
3 アクセルポジションセンサ
6 位置決め部
7 調整機構
31 磁石
32 筒状部材
33 磁気センサ
O11 中心軸
S32 面積