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特開2024-130925信号伝送装置および該信号伝送装置を備える原子炉内計装装置
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  • 特開-信号伝送装置および該信号伝送装置を備える原子炉内計装装置 図1
  • 特開-信号伝送装置および該信号伝送装置を備える原子炉内計装装置 図2
  • 特開-信号伝送装置および該信号伝送装置を備える原子炉内計装装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130925
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】信号伝送装置および該信号伝送装置を備える原子炉内計装装置
(51)【国際特許分類】
   G21C 17/00 20060101AFI20240920BHJP
   G21D 1/00 20060101ALI20240920BHJP
   G21C 11/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G21C17/00 030
G21D1/00 M
G21C11/02 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040891
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々野 晃輔
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 純一
(72)【発明者】
【氏名】里見 弘久
【テーマコード(参考)】
2G075
【Fターム(参考)】
2G075AA01
2G075BA03
2G075CA50
2G075DA20
2G075FB02
2G075GA02
(57)【要約】
【課題】使い勝手のよい信号伝送装置および該信号伝送装置を備える原子炉内計装装置を提供すること。
【解決手段】放射線領域3内の機器と非放射線領域4内の機器とを接続する信号伝送装置1は、放射線領域内の機器としての耐放射線性マルチプレクサ14と、非放射線領域内の機器としてのサンプルホールド回路15と、耐放射線性マルチプレクサとサンプルホールド回路を接続する第1伝送路L1と、耐放射線性マルチプレクサへ入力される制御信号と、サンプルホールド回路へ入力される制御信号とを同期させる制御信号同期回路(11,12)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線領域内の機器と非放射線領域内の機器とを接続する信号伝送装置であって、
前記放射線領域内の機器としての耐放射線性マルチプレクサと、
前記非放射線領域内の機器としてのサンプルホールド回路と、
前記耐放射線性マルチプレクサと前記サンプルホールド回路を接続する第1伝送路と、
前記耐放射線性マルチプレクサへ入力される制御信号と、前記サンプルホールド回路へ入力される制御信号とを同期させる制御信号同期回路と、
を備える信号伝送装置。
【請求項2】
前記放射線領域には、さらに、前記耐放射線性マルチプレクサへの入力信号の数に応じた耐放射線性コンパレータが設けられ、
前記各耐放射線性コンパレータには、第2伝送路を介して、前記制御信号同期回路からの共通のチャネル選択信号が入力され、
前記耐放射線性コンパレータは、前記共通のチャネル選択信号が自回路を選択する場合、前記耐放射線性マルチプレクサへの入力信号のうち自回路に対応する所定の入力信号が出力されるように制御信号を出力する、
請求項1に記載の信号伝送装置。
【請求項3】
前記共通のチャネル選択信号は所定の範囲のアナログ値を取る信号であり、
前記各耐放射線性コンパレータには、それぞれの自回路を選択するための閾値が前記所定の範囲内で設定される
請求項2に記載の信号伝送装置。
【請求項4】
前記共通のチャネル選択信号は、前記各耐放射線性コンパレータを所定の順序で周期的に選択するようにアナログ値が調整される
請求項3に記載の信号伝送装置。
【請求項5】
前記共通のチャネル選択信号は、前記各耐放射線性コンパレータのうち、外部からの選択指示により選択された耐放射線性コンパレータが選択されるように、アナログ値が調整される
請求項3に記載の信号伝送装置。
【請求項6】
前記耐放射線性マルチプレクサには、非放射線領域に設置された他の機器としての計測装置から計測信号が入力されるようになっており、前記計測信号を増幅させる増幅回路をさらに備える
請求項1に記載の信号伝送装置。
【請求項7】
前記第1伝送路と前記第2伝送路とは、前記放射線領域と前記非放射線領域とを隔てる構造物を貫通する共通の信号貫通部を通って設けられる
請求項2に記載の信号伝送装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の信号伝送装置を備える原子炉内計装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号伝送装置および該信号伝送装置を備える原子炉内計装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線の線量が高い放射線領域と放射線の線量の低い非放射線領域の境、例えば原子力発電プラントの格納容器(PCV:Primary Containment Vessel)の壁には、ケーブルを格納容器(PCV)の外部に引き出すための信号貫通部(ペネトレーション。通称ペネ)が設けられている。格納容器の壁に形成可能なペネの数には限界があるため、ペネを有効利用する必要がある。
【0003】
PCV内に設置された複数の計測計器の出力を複数のアナログスイッチ回路に接続し、それらアナログスイッチ回路の複数の出力をPCVの外部に取り出す場合に、PCVの外部にケーブルを引き出すためのペネの数に制限を受ける。そのため、特許文献1では、PCV内に、耐放射線性回路、例えば高バンドギャップ半導体を用いたマルチプレクサを配置し、複数のアナログスイッチ回路の出力を1本化して、PCVの外部に取り出すことにより、ペネを有効利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-32396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、放射線領域内に設置された複数の計測計器の出力信号を、耐放射線性マルチプレクサへ入力し、外部からの制御信号によりマルチプレクサ内の複数のアナログスイッチ回路を切り替えることで、マルチプレクサからの出力信号を1本化する。しかし、従来技術では、任意の時点で、どの計測計器の出力信号を計測しているかを特定するための構成が明らかではない。さらに、計測計器の数と同数のマルチプレクサの切り替え信号線用のペネも必要となる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、使い勝手のよい信号伝送装置および該信号伝送装置を備える原子炉内計装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明に従う、放射線領域内の機器と非放射線領域内の機器とを接続する信号伝送装置は、放射線領域内の機器としての耐放射線性マルチプレクサと、非放射線領域内の機器としてのサンプルホールド回路と、耐放射線性マルチプレクサとサンプルホールド回路を接続する第1伝送路と、耐放射線性マルチプレクサへ入力される制御信号と、サンプルホールド回路へ入力される制御信号とを同期させる制御信号同期回路と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、放射線領域内の耐放射線性マルチプレクサへ入力される制御信号と非放射線領域内のサンプルホールド回路へ入力される制御信号とを同期させることができ、第1伝送路を流れる信号を特定してユーザの使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施例に係る原子炉内計装装置の説明図である。
図2】第2実施例に係る原子炉内計装装置の説明図である。
図3】第3実施例に係る原子炉内計装装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態に係る信号伝送装置1は、例えば、原子炉格納容器内で計測された計測信号を原子炉格納容器の外部へ取り出すために用いられる。
【0011】
本実施例は、例えば、原子力発電における原子炉格納容器(PCV)の信号貫通部16,17を有効に利用することができる。すなわち、PCVに形成する信号貫通部の数を少なくすることができ、効率的にかつ安価に、放射線領域としてのPCV内の信号を非放射線領域としての建屋などに引き出して利用することができる。
【0012】
本実施例では、耐放射線性マルチプレクサ14の出力信号を切り替えるための制御信号を一つの伝送路L2にまとめて放射線領域3へ通し、放射線領域内に設けられた複数の耐放射線性コンパレータ13から耐放射線性マルチプレクサ14へ制御信号を与える。したがって、非放射線領域4から放射線領域3を通る信号貫通部16,17の数を少なくすることができる。
【0013】
さらに、本実施例では、非放射線領域に設けられた制御信号同期回路11,12により、放射線領域内の耐放射線性コンパレータ13へ入力される制御信号と非放射線領域内のサンプルホールド回路15へ入力される制御信号との、同期を取ることができる。したがって、どのチャネルの信号がサンプルホールド回路から出力されているかを正確に特定できる。
【0014】
本実施例によれば、制御信号同期回路としてのアナログ値発生回路11から耐放射線性コンパレータ13へのアナログ値入力用のケーブルL2を1本化することで信号貫通部(ペネ)を有効利用でき、放射線領域3に設置されたマルチプレクサ14を切り替える制御信号の配列と非放射線領域に設置されたサンプルホールド回路を切り替える制御信号の配列の同期を取ることができる。
【実施例0015】
図1を用いて第1実施例を説明する。図1は、耐放射線性を持つコンパレータ13(1)~13(n)を用いた、信号伝送装置1および信号伝送装置1を備える原子炉内計装装置100を示す構成図である。
【0016】
原子炉内計装装置100は、例えば原子力発電所などで各種計測信号を収集し、収集された計測信号に基づいて所定の制御を実行する。原子力発電所の建物は、原子炉格納容器(図示せず)の設けられた放射線領域3と非放射線領域4とに分けることができる。放射線領域3と非放射線領域4の間は遮断壁2により遮断されている。遮断壁2には、放射線領域3と非放射線領域4との間で信号を送受信する伝送路L1,L2が通るための信号貫通部16,17が形成されている。第1の信号貫通部16には第1の伝送路L1が挿通されており、第2の信号貫通部17には第2の伝送路L2が挿通されている。
【0017】
信号伝送装置1は、放射線領域3内の機器と非放射線領域4内の機器との間で、信号を伝送する装置である。
【0018】
信号伝送装置1は、例えば、アナログ値発生回路11、切替選択回路12、耐放射線性コンパレータ13(1)~13(n)、耐放射線性マルチプレクサ14、サンプルホールド回路15を備える。以下、特に区別しない場合、耐放射線性コンパレータ13(1)~13(n)を耐放射線性コンパレータ13と呼ぶことがある。同様に、後述する他の構成に付与された符号(1)~(n)も、特に区別しない場合は省略する。なお、(2)~(n-1)までの符号は図示を省略する。以下、便宜上、n=4の例を説明する。ただし、nは4以外の値でもよい。
【0019】
アナログ値発生回路11は、例えば1~5V、4~20mAのような電圧値または電流値のアナログ値を発生させる回路である。アナログ値発生回路11から出力されるアナログ値は、第2の信号貫通部17を通過する第2の伝送路L2を介して、放射線領域3内の各耐放射線性コンパレータ13へ入力されると同時に、伝送路L6を介して非放射線領域4内の切替選択回路12へも入力される。第2の伝送路L2は、放射線領域3内で分岐し、各耐放射線性コンパレータ13にそれぞれ入力される。第2の伝送路L2は、信号貫通部17を通過するまでは1本であるため、信号貫通部17の開口面積は伝送ケーブル1本分の大きさでよい。
【0020】
アナログ値発生回路11は、耐放射線性マルチプレクサ14から出力される計測信号が周期的に切り替わるように、アナログ値を出力することができる。これにより、各計測装置5から出力される計測信号は所定周期で切り替わり、サンプルホールド回路15へ入力される。これに対し、アナログ値発生回路11は、後述のように、ユーザの指示によって耐放射線性マルチプレクサ14のチャネルを切り替えることもできる。
【0021】
アナログ値発生回路11と切替選択回路12は、「制御信号同期回路」の例である。切替選択回路12の動作については後述する。
【0022】
放射線領域3内に設けられるコンパレータ13は、耐放射線性を持つ。各耐放射線性コンパレータ13には、自他を区別するための閾値があらかじめ設定されている。例えば、アナログ値発生回路11が1~5Vの範囲内で電圧値を出力する場合、耐放射線性コンパレータ13(1)には「1V以上2V未満」の閾値が、耐放射線性コンパレータ13(2)には「2V以上3V未満」の閾値が、耐放射線性コンパレータ13(3)には「3V以上4V未満」の閾値が、耐放射線性コンパレータ13(4)には「4V以上5V未満」の閾値が設定される。
【0023】
したがって例えば、アナログ値発生回路11からアナログ値「2V」が出力されると、耐放射線性コンパレータ13(2)が選択される。アナログ値発生回路11からアナログ値「4V」が出力されると、耐放射線性コンパレータ13(4)が選択される。
【0024】
各耐放射線性コンパレータ13(1)~13(n)は、伝送路L3(1)~L3(n)を介して、耐放射線性マルチプレクサ14のチャネル選択ポートに接続されている。各耐放射線性コンパレータ13は、アナログ値発生回路11から出力されるアナログ値によって自回路が選択されると、耐放射線性マルチプレクサ14のチャネルを選択するための制御信号を出力する。
【0025】
伝送路L2に出現したアナログ値が自回路に割り当てられた閾値内の値である場合、その耐放射線性コンパレータ13からは高電位(例えば正電圧、H電位、1)の値を持つ制御信号が出力される。アナログ値発生回路11により選択されなかった耐放射線性コンパレータ13からは低電位(例えば負電圧、L電位、0)の制御信号が出力される。つまり、複数の耐放射線性コンパレータ13のうちアナログ値発生回路11の発生するアナログ値に対応する一つの耐放射線性コンパレータ13のみが高電位の制御信号を出力し、それ以外の他の耐放射線性コンパレータ13は低電位の制御信号を出力する。このような制御信号の配列により、耐放射線性マルチプレクサ14に入力された各計測信号のうちいずれか一つの計測信号を選択できる。
【0026】
上述のように、耐放射線性マルチプレクサ14は、各チャネル選択ポートに入力された制御信号に基づいて、複数のチャネルのうち一つのチャネルを選択し、選択されたチャネルからの信号を出力する。
【0027】
例えば、耐放射線性コンパレータ13(1)がアナログ値発生回路11により選択されると、耐放射線性マルチプレクサ14では、耐放射線性コンパレータ13(1)に対応するチャネルが開き、計測装置5(1)と耐放射線性マルチプレクサ14とを接続する伝送路L4(1)が選択される。チャネルが開くとは、信号が流れるという意味である。これにより、計測装置5(1)で計測された信号は、伝送路L4(1)から耐放射線性マルチプレクサ14を介して出力される。この計測信号は、第1の信号貫通部16を通る第1の伝送路L1を介して、サンプルホールド回路15へ入力される。同様に、例えば、アナログ値発生回路11により耐放射線性コンパレータ13(n)が選択されると、耐放射線性マルチプレクサ14では、耐放射線性コンパレータ13(n)に対応するチャネルが開き、そのチャネルに対応する計測装置5(n)からの計測信号が伝送路L4(n)から耐放射線性マルチプレクサ14を介して第1の伝送路L1へ出力される。出力された計測信号は、第1の信号貫通部16を通る第1の伝送路L1を介して、サンプルホールド回路15へ入力される。
【0028】
「放射線領域内に設けられる他の機器」としての計測装置5は、例えば、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、水位センサなどである。上述の通り、各計測装置5で計測された計測信号は、それぞれ専用の伝送路L4を介して耐放射線性マルチプレクサ14の入力ポートへ入力される。
【0029】
サンプルホールド回路15および制御信号同期回路について説明する。サンプルホールド回路15は、出力する計測信号を切り替える機能と、計測信号の値をホールドする機能を備える。アナログ値発生回路11で発生したアナログ値は、切替選択回路12へ入力される。切替選択回路12は、入力されたアナログ値に応じた制御信号の配列により、サンプルホールド回路15の接点を切り替える。
【0030】
例えば、耐放射線性マルチプレクサ14の接点(1)が導通(ON)しているときは、サンプルホールド回路15の内、計測装置5(1)からの計測信号に対応する接点が導通(ON)し、伝送路L5(1)から計測信号が出力される。このように、耐放射線性マルチプレクサ14に入力される制御信号(チャネル選択信号)の配列とサンプルホールド回路15に入力される制御信号(切替信号)とは同期している。
また、サンプルホールド回路15は、信号の切り替え機能および測定値のホールド機能を有している。
【0031】
サンプルホールド回路15から出力された計測信号は、計測信号利用機器6へ入力されて使用される。計測信号利用機器6は、例えば、データロガー、コントローラ、温度調節計、警報システム(不図示)などへ入力される。
【0032】
このように構成される本実施例によれば、耐放射線性マルチプレクサ14へ入力される制御信号と、サンプルホールド回路15へ入力される制御信号とを同期させるため、ある時点で出力される信号がどの計測装置5からの信号であるかを正確に特定することができ、ユーザの使い勝手が向上する。
【0033】
本実施例に係る信号伝送装置1は、耐放射線性マルチプレクサ14への入力信号の数に応じた耐放射線性コンパレータ13を設け、各耐放射線性コンパレータには、第2伝送路L2を介して、アナログ値発生回路11からの共通のチャネル選択信号を入力させ、耐放射線性コンパレータ13は、共通のチャネル選択信号が自回路を選択する場合、耐放射線性マルチプレクサへの入力信号のうち自回路に対応する所定の入力信号が出力されるように制御信号を出力する。放射線領域内の各耐放射線性コンパレータ13に対し、共通のチャネル選択信号(アナログ値発生回路11から出力されるアナログ値)を入力すればよいので、遮断壁2に形成する信号貫通部17の数を少なくできる(本実施例では1つ)。
【0034】
本実施例では、共通のチャネル選択信号は所定の範囲のアナログ値を取る信号であり、各耐放射線性コンパレータ13には、それぞれの自回路を選択するための閾値が所定の範囲内で設定されるため、伝送路L2と各耐放射線性コンパレータ13との接続を簡素化することができる。
【0035】
本実施例では、アナログ値発生回路11は、各耐放射線性コンパレータ13を所定の順序で周期的に選択するようにアナログ値を発生させるため、各計測装置5で計測された信号を所定の順序で周期的にサンプルホールド回路15へ入力させることができる。
【実施例0036】
図2を用いて第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例では、第1実施例との相違を中心に述べる。本実施例の原子炉内計装装置100Aは、信号伝送装置1Aを備えている。各計測装置5で計測された信号は、増幅回路18を介して、耐放射線性マルチプレクサ14へ入力される。
【0037】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、計測装置5からの計測信号を増幅して耐放射線性マルチプレクサ14へ入力するため、ノイズの大きい放射線領域3において、計測信号のSN比を高く保持することができ、信頼性を向上できる。
【実施例0038】
図3を用いて第3実施例を説明する。本実施例の原子炉内計装装置100Bは、信号伝送装置1Bを有している。信号伝送装置1Bでは、放射線領域3と非放射線領域4とを遮断する遮断壁2に信号貫通部16が設けられている。耐放射線性マルチプレクサ14とサンプルホールド回路15を接続する第1の伝送路L1と、アナログ値発生回路11Bと各耐放射線性コンパレータ13を接続する第2の伝送路L2とは、共通の信号貫通部16を通って配置されている。
【0039】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、遮断壁2に形成する信号貫通部16の数を第1実施例に比べて少なくできるため、より一層構成を簡略化し、製造コストを低減できる。
【0040】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。実施形態に述べた特徴は適宜組み合わせることもできる。
【符号の説明】
【0041】
1,1A,1B:信号伝送装置、2:遮断壁、3:放射線領域、4:非放射線領域、5:計測装置、6:信号利用機器、11:アナログ値発生回路、12:切替選択回路、14:耐放射線性マルチプレクサ、15:サンプルホールド回路、16,17:信号貫通部、100:原子炉内計装装置、L1:第1の伝送路、L2:第2の伝送路
図1
図2
図3