(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130952
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】照明装置および診療システム
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240920BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20240920BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20240920BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240920BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20240920BHJP
G02B 13/00 20060101ALI20240920BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240920BHJP
F21Y 103/33 20160101ALN20240920BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20240920BHJP
【FI】
F21S2/00 611
F21V5/00 320
F21V5/04
F21V29/503
F21V29/70
F21S2/00 412
G02B13/00
F21Y115:10
F21Y103:33
F21Y113:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040931
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】390011121
【氏名又は名称】株式会社モリタ東京製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】船木 耕太朗
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 達矢
(72)【発明者】
【氏名】青羽 俊
【テーマコード(参考)】
2H087
3K244
【Fターム(参考)】
2H087KA29
2H087LA24
2H087PA01
2H087PA18
2H087PB02
2H087QA01
2H087QA07
2H087QA18
2H087QA21
2H087QA34
2H087QA42
2H087RA45
2H087UA01
3K244AA04
3K244BA08
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA16
3K244EA08
3K244EA16
(57)【要約】
【課題】複数の光源により対象物を照射する照明装置において、照射領域内の光のムラを抑制する。
【解決手段】照明装置は、対象物に対して対向する面の各々複数位置に配置される複数の発光部を用いて対象物を照射する照明装置であって、複数の発光部は、各々の発光部毎に設けられ波長が互いに異なる光を出射する複数の光源と、各々の発光部毎に設けられ複数の光源から出射される光を対象物に向けて集光させる一組のレンズと、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に対して対向する面の各々複数位置に配置される複数の発光部を用いて当該対象物を照射する照明装置であって、
前記複数の発光部は、
各々の発光部毎に設けられ波長が互いに異なる光を出射する複数の光源と、
前記各々の発光部毎に設けられ前記複数の光源から出射される光を前記対象物に向けて集光させる一組のレンズと、
を有する照明装置。
【請求項2】
前記複数の発光部は、互いに隣接する当該発光部において、前記複数の光源の配置態様が異なっていることを特徴とする、請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記複数の発光部は、前記対向する面における略楕円の環状に各々の発光部が配置され、
前記各々の発光部に設けられる前記複数の光源は、前記略楕円の略長軸方向に並んで配置される
ことを特徴とする、請求項1または2記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数の発光部を収容し、閉じた空間を形成する筐体と、
前記筐体の内部であって前記複数の発光部の各々に接触して設けられ、各々の当該発光部が蓄えてしまう熱を当該筐体の内部に発散させる放熱構造と、をさらに備える
ことを特徴とする、請求項1記載の照明装置。
【請求項5】
前記放熱構造は、前記各々の発光部における出射方向に伸びる放熱板を備えたことを特徴とする、請求項4記載の照明装置。
【請求項6】
対象物に対して対向する面の各々複数位置に配置される複数の発光部を用いて当該対象物を照射する照明装置であって、
前記複数の発光部の各々の発光部は、
波長が互いに異なる光を出射する複数の光源と、
前記複数の光源から出射される光を導く導光部と、
前記導光部を介して導かれた光を前記対象物に向けて集光させるレンズ部と、
を有する照明装置。
【請求項7】
前記導光部は、前記複数の光源から出射される光を混ぜ合わせて前記レンズ部へ導くことを特徴とする、請求項6記載の照明装置。
【請求項8】
前記導光部は、前記複数の光源側から前記レンズ部に向けて断面積が徐々に広がることを特徴とする、請求項7記載の照明装置。
【請求項9】
前記レンズ部は、
分散の異なる複数のレンズで構成され、
前記対象物上での前記レンズ部の色収差による色ムラの発生を抑制する
ことを特徴とする、請求項6記載の照明装置。
【請求項10】
前記レンズ部は、
分散の異なる複数のレンズで構成され、
前記複数のレンズを透過して前記対象物に向かう光のうち、長波長の光が短波長の光よりも外側に向かうことを抑制する
ことを特徴とする、請求項6記載の照明装置。
【請求項11】
前記レンズ部は、2枚のレンズで構成され、
前記導光部と前記レンズ部の前記対象物側のレンズとは、耐熱温度が130度以上の耐熱性樹脂で構成される
ことを特徴とする、請求項9または10記載の照明装置。
【請求項12】
対象物を照射するとともに、当該対象物に対して対向する面の各々の位置に配置される複数の発光部を有する照明装置であって、
前記複数の発光部からの各々の照射は、照射領域における中心から端に向かう照度の勾配の変化点が、当該中心から当該端への当該照射領域の割合を100%とした場合に、当該割合の70%よりも当該中心に近い側に存在する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項13】
対象物を照射するとともに、当該対象物に対して対向する面の各々の位置に配置される複数の発光部を有する照明装置であって、
前記複数の発光部からの各々の照射は、前記対象物に対して当該複数の発光部の焦点距離よりも短い近距離にて当該複数の発光部の照射位置がずれることによる、照射領域での階段状の照度ムラを軽減する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項14】
前記複数の発光部は、前記照射領域が前記対象物である患者の口元の照射に好ましい形状となるように照射し、
前記複数の発光部から前記対象物までの距離が400~700mmの範囲で、前記照射領域の前記形状が維持される
ことを特徴とする、請求項12または13記載の照明装置。
【請求項15】
対象物に対向する面の各々複数位置に配置される複数の発光部を用いて当該対象物を照射する照明装置と、
前記照明装置を前記対象物の上方にて移動可能に支持する支持構造と、を備え、
前記複数の発光部は、
各々の発光部毎に設けられ波長が互いに異なる光を出射する複数の光源と、
前記各々の発光部毎に設けられ前記複数の光源から出射される光を前記対象物に向けて集光させる一組のレンズと、を有する診療システム。
【請求項16】
対象物に対して対向する面の各々複数位置に配置される複数の発光部を用いて当該対象物を照射する照明装置と、
前記照明装置を前記対象物の上方にて移動可能に支持する支持構造と、を備え、
前記複数の発光部の各々の発光部は、
波長が互いに異なる光を出射する複数の光源と、
前記複数の光源から出射される光を導く導光部と、
前記導光部を介して導かれた光を前記対象物に向けて集光させるレンズ部と、
を有することを特徴とする診療システム。
【請求項17】
対象物を照射するとともに、当該対象物に対して対向する面の各々の位置に配置される複数の発光部を有する照明装置と、
前記照明装置を前記対象物の上方にて移動可能に支持する支持構造と、を備え、
前記複数の発光部からの各々の照射は、照射領域における中心から端に向かう照度の勾配の変化点が、当該中心から当該端への当該照射領域の割合を100%とした場合に、当該割合の70%よりも当該中心に近い側に存在することを特徴とする診療システム。
【請求項18】
対象物を照射するとともに、当該対象物に対して対向する面の各々の位置に配置される複数の発光部を有する照明装置と、
前記照明装置を前記対象物の上方にて移動可能に支持する支持構造と、を備え、
前記複数の発光部からの各々の照射は、前記対象物に対して当該複数の発光部の焦点距離よりも短い近距離にて当該複数の発光部の照射位置がずれることによる階段状の照度ムラを軽減することを特徴とする診療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置および診療システムに関する。
【背景技術】
【0002】
位置や角度の異なる複数の光源により対象物を照射することで、影を生じ難くした照明装置がある(いわゆる無影灯)。
例えば、特許文献1には、医療分野に用いられる照明装置に適用される無影灯として、LEDチップ列の中心線に対して線対称に、かつ、光線が交差するように各LEDチップを配置して、照射野に無影効果を生じさせるとともに、LEDチップの各々が、所定の照射距離の地点に所定の大きさの照射野を形成するビーム開角を有する無影灯について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば無影灯のように、複数の発光部により光を照射する照明装置では、各々の発光部が配置された位置や出射する光の角度、対象物までの距離等の条件によって、照射領域内の各地点での光の色のムラや照度のムラ等、光のムラが生じる場合がある。このような照射領域内の光のムラが大きくなると、ユーザが見難さや目へのストレス等を感じる恐れがあり、好ましくない。
本発明は、複数の光源により対象物を照射する照明装置等において、照射領域内の光のムラを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される照明装置は、対象物に対して対向する面の各々複数位置に配置される複数の発光部を用いて当該対象物を照射する照明装置であって、前記複数の発光部は、各々の発光部毎に設けられ波長が互いに異なる光を出射する複数の光源と、前記各々の発光部毎に設けられ前記複数の光源から出射される光を前記対象物に向けて集光させる一組のレンズと、を有することができる。
ここで、前記複数の発光部は、互いに隣接する当該発光部において、前記複数の光源の配置態様が異なるようにしても良い。
また、前記複数の発光部は、前記対向する面における略楕円の環状に各々の発光部が配置され、前記各々の発光部に設けられる前記複数の光源は、前記略楕円の略長軸方向に並んで配置されるようにしても良い。
さらに、前記複数の発光部を収容し、閉じた空間を形成する筐体と、前記筐体の内部であって前記複数の発光部の各々に接触して設けられ、各々の当該発光部が蓄えてしまう熱を当該筐体の内部に発散させる放熱構造と、をさらに備えるようにしても良い。
さらにまた、前記放熱構造は、前記各々の発光部における出射方向に伸びる放熱板を備えるようにしても良い。
【0006】
また、本発明が適用される照明装置は、対象物に対して対向する面の各々複数位置に配置される複数の発光部を用いて当該対象物を照射する照明装置であって、前記複数の発光部の各々の発光部は、波長が互いに異なる光を出射する複数の光源と、前記複数の光源から出射される光を導く導光部と、前記導光部を介して導かれた光を前記対象物に向けて集光させるレンズ部と、を有することができる。
ここで、前記導光部は、前記複数の光源から出射される光を混ぜ合わせて前記レンズ部へ導くようにしても良い。
また、前記導光部は、前記複数の光源側から前記レンズ部に向けて断面積が徐々に広がるようにしても良い。
さらに、前記レンズ部は、分散の異なる複数のレンズで構成され、前記対象物上での前記レンズ部の色収差による色ムラが発生することを抑制するようにしても良い。
さらにまた、前記レンズ部は、分散の異なる複数のレンズで構成され、前記複数のレンズを透過して前記対象物に向かう光のうち、長波長の光が短波長の光よりも外側に向かうことを抑制するようにしても良い。
また、前記レンズ部は、2枚のレンズで構成され、前記導光部と前記レンズ部の前記対象物側のレンズとは、耐熱温度が130度以上の耐熱性樹脂で構成されるようにしても良い。
【0007】
また、本発明が適用される照明装置は、対象物を照射するとともに、当該対象物に対して対向する面の各々の位置に配置される複数の発光部を有する照明装置であって、前記複数の発光部からの各々の照射は、照射領域における中心から端に向かう照度の勾配の変化点が、当該中心から当該端への当該照射領域の割合を100%とした場合に、当該割合の70%よりも当該中心に近い側に存在することを特徴とすることができる。
さらに、本発明が適用される照明装置は、対象物を照射するとともに、当該対象物に対して対向する面の各々の位置に配置される複数の発光部を有する照明装置であって、前記複数の発光部からの各々の照射は、前記対象物に対して当該複数の発光部の焦点距離よりも短い近距離にて当該複数の発光部の照射位置がずれることによる、照射領域での階段状の照度ムラを軽減することを特徴とすることができる。
ここで、前記複数の発光部は、前記照射領域が前記対象物である患者の口元の照射に好ましい形状となるように照射し、前記複数の発光部から前記対象物までの距離が400~700mmの範囲で、前記照射領域の前記形状が維持されるようにしても良い。
【0008】
本発明が適用される診療システムは、対象物に対向する面の各々複数位置に配置される複数の発光部を用いて当該対象物を照射する照明装置と、前記照明装置を前記対象物の上方にて移動可能に支持する支持構造と、を備え、前記複数の発光部は、各々の発光部毎に設けられ波長が互いに異なる光を出射する複数の光源と、前記各々の発光部毎に設けられ前記複数の光源から出射される光を前記対象物に向けて集光させる一組のレンズと、を有することができる。
また、本発明が適用される診療システムは、対象物に対して対向する面の各々複数位置に配置される複数の発光部を用いて当該対象物を照射する照明装置と、前記照明装置を前記対象物の上方にて移動可能に支持する支持構造と、を備え、前記複数の発光部の各々の発光部は、波長が互いに異なる光を出射する複数の光源と、前記複数の光源から出射される光を導く導光部と、前記導光部を介して導かれた光を前記対象物に向けて集光させるレンズ部と、を有することができる。
さらに、本発明が適用される診療システムは、対象物を照射するとともに、当該対象物に対して対向する面の各々の位置に配置される複数の発光部を有する照明装置と、前記照明装置を前記対象物の上方にて移動可能に支持する支持構造と、を備え、前記複数の発光部からの各々の照射は、照射領域における中心から端に向かう照度の勾配の変化点が、当該中心から当該端への当該照射領域の割合を100%とした場合に、当該割合の70%よりも当該中心に近い側に存在することを特徴とすることができる。
さらにまた、本発明が適用される診療システムは、対象物を照射するとともに、当該対象物に対して対向する面の各々の位置に配置される複数の発光部を有する照明装置と、前記照明装置を前記対象物の上方にて移動可能に支持する支持構造と、を備え、前記複数の発光部からの各々の照射は、前記対象物に対して当該複数の発光部の焦点距離よりも短い近距離にて当該複数の発光部の照射位置がずれることによる階段状の照度ムラを軽減することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の光源により対象物を照射する照明装置において、照射領域内の光のムラが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態に係る診療システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施の形態が適用される照明装置の正面図である。
【
図3】本実施の形態が適用される照明装置の内部構成について説明する図であり、(A)は照明装置からカバーを外した状態の正面図、(B)は
図3(A)の破線部分を拡大した斜視図である。
【
図4】本実施の形態に係る発光部の断面構造を示す図である。
【
図5】本実施の形態が適用される照明装置の照射領域について説明する図である。
【
図6】本実施の形態が適用される照明装置における部分照射領域について説明する図である。
【
図7】本実施の形態が適用される照明装置における、LEDの配置態様について説明する図である。
【
図8】互いに隣接する発光部において、LEDの配置態様が異なることの効果について説明する図であり、(A)は比較例の照明装置における部分照射領域を示す図、(B)は比較例の照明装置において隣接する部分照射領域が重なった状態を示す図、(C)は本実施の形態が適用される照明装置における部分照射領域を示す図、(D)は本実施の形態が適用される照明装置において隣接する部分照射領域が重なった状態を示す図である。
【
図9】導光部を有しない比較例の発光部について説明する図であり、(A)は発光部においてLEDが出射した光の進路を示す概略図、(B)は発光部により照射された光の様子を示す図である。
【
図10】本実施の形態の発光部について説明する図であり、(A)は発光部においてLEDが出射した光の進路を示す概略図、(B)は発光部により照射された光の様子を示す図である。
【
図11】比較例の発光部が照射する光について説明する図であり、(A)はある照射距離に比較例の発光部が照射する光を示す図、(B)はXIA-XIA線上での照度分布を示す図である。
【
図12】本実施の形態に係る発光部が照射する光について説明する図であり、(A)はある照射距離に発光部が照射する光を示す図、(B)はXIIA-XIIA線上での照度分布を示す図である。
【
図13】照射領域における階段状の照度ムラについて説明する図であり、(A)は焦点距離における照射領域を説明する図、(B)は焦点距離における比較例の照射領域の照度分布を示す図、(C)は焦点距離における本実施の形態の照射領域の照度分布を示す図、(D)は他の照射距離における照射領域を説明する図、(E)は他の照射距離における比較例の照射領域を示す図、(F)は他の照射距離における本実施の形態の照射領域の照度分布を示す図である。
【
図14】比較例の照明装置の照射領域を説明する図であり、(A)は照射領域の様子を示す図、(B)はXIVA-XIVA線上の照度分布を示す図である。
【
図15】本実施の形態が適用される照明装置の照射領域を説明する図であり、(A)は照射領域の様子を示す図、(B)はXVA-XVA線上の照度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態(「本実施の形態」と呼ぶ。)について詳細に説明する。
以下では、本実施の形態が適用される照明装置が、歯科において、歯科医師やアシスタント(「医師等」と呼ぶ。)が患者の口腔内を診療するための診療システムに組み込まれ、患者の口元(口腔内)の照射に利用される場合を例にして説明する。なお、本実施の形態において、患者の口元(口腔内)は照明装置による照射の対象となる対象物の一例であり、医師等は照明装置を利用するユーザの一例である。
【0012】
<診療システム100の全体構成>
図1は、本実施の形態に係る診療システム100の全体構成の一例を示す図である。
本実施の形態に係る診療システム100は、患者の口元への光照射を行うための照明装置1と、患者を下方から支える診療台7と、照明装置1を患者の上方に支持する支持構造8とを備えている。その他、診療システム100は、患者がうがい等に用いるための水を供給する供給装置91と、診療用器具(いわゆるインスツルメント)を保持するためのインスツルメントホルダ92と、医師等が利用する作業台93とを備えている。
【0013】
診療台7は、基台71と座面72との他に、患者の背中を支える背もたれ73と、脚部を支えるレッグレスト74と、頭部を支えるヘッドレスト75とを備えている。
座面72は、基台71により昇降され、床面からの高さを調整することが可能である。
また、背もたれ73は、一端が座面72に取り付けられ、この一端を中心にして、座面72に対する角度が調整可能である。同様に、レッグレスト74は、一端が座面72に取り付けられ、角度が調整可能である。
さらに、ヘッドレスト75は、一端が背もたれ73に取り付けられ、この一端を中心にして、背もたれ73に対する角度が調整可能である。
【0014】
支持構造8は、一端が例えば供給装置91の上面に固定されており、他端の取付部83に取り付けられた照明装置1を患者の上方にて移動可能に支持する。
図1に示すように、支持構造8は、複数の軸部81とコネクタ82とを備える。軸部81同士の間はコネクタ82で接続されており、角度の調整が可能となっている。また、他端側の軸部81と取付部83との間がコネクタ82で接続されており、角度の調整が可能となっている。
【0015】
そして、本実施の形態に係る診療システム100では、軸部81同士の角度および軸部81と取付部83との角度を調整することによって、照明装置1の位置の調整が可能となっている。
より具体的には、医師等が照明装置1を所望の位置へ引っ張る/押し込むことによって移動させると、軸部81同士の角度および軸部81と取付部83との角度が適宜調整され、照明装置1が移動後の位置にて支持される。
【0016】
本実施の形態に係る診療システム100では、診療台7の座面72の高さ、背もたれ73およびヘッドレスト75の角度と、照明装置1の位置および角度とに応じて、照明装置1から患者の口元までの距離が、予め定められた範囲で調整される。より具体的には、400~700mmの範囲で調整される。
以下では、照明装置1から患者の口元までの距離を「照射距離」と呼び、照射距離について予め定められた範囲を、「予め定められた照射距離の範囲」と呼ぶ場合がある。なお、上記した照射距離の範囲は一例であって、限定されるものではない。また、上記した照射距離の範囲は、実用上調整される範囲であって、診療システム100の構成上調整可能な範囲とは必ずしも一致しない。調整可能な範囲は400~700mmよりさらに広くても構わない。
【0017】
その他、本実施の形態に係る診療システム100は、操作パネルやスイッチ、コントローラ等、医師等による操作入力を受け付けるための入力機器(不図示)を備える。
そして、入力機器が受け付けた操作入力に応じ、照明装置1のオン/オフ(照射状態/非照射状態)の切り替えや、照射する光の色(いわゆる色温度)、照射する光の強さを調節することが可能である。
以下では、照明装置1が照射する光の色を調節する機能を「調色機能」と呼ぶ場合がある。本実施の形態では、この調色機能の一例として、橙色~白色の範囲(色温度でおよそ3500~6500K程度の範囲)で照射する光の色を調節可能となっている。
【0018】
<照明装置1>
図2は、本実施の形態が適用される照明装置1の正面図である。なお、
図2における紙面の右側を+x方向、紙面の上側を+y方向、紙面の表(手前)側を+z方向とする。また、照明装置1の「正面」とは、診療に際し患者の口元と対向する面である。
図示するように、照明装置1は、光を出射する発光部10a,10b,10c,…,10l(各発光部を区別しない場合は「発光部10」と呼ぶ。)と、発光部10の外側を囲って保護するカバー20とを備える。
その他、医師等が照明装置1の位置の調整に際し把持するハンドル30が設けられている。
【0019】
発光部10は、内部に備える発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を発光させ、+z方向に向けて光を出射する。
そして、照明装置1は、各発光部10が出射した光によって、正面側(+z方向)に位置する患者の口元を照射する。より詳しくは、発光部10が出射した光により形成される照射領域内に位置する患者の口元を照射する。付言すると、12個の発光部10は、各々が様々な角度から光を照射することにより、照射領域内に影を生じ難くする、いわゆる無影効果を有する。
なお、照明装置1の照射領域については、
図4を用いて詳細を後述する。
【0020】
照明装置1が備える発光部10の個数は限定されるものではなく、形成する照射領域の大きさや明るさ等の条件に応じた適当な個数とすれば良い。
また、照明装置1における発光部10の配置は限定されるものではなく、形成する照射領域の大きさや形状等の条件に応じた適当な配置とすれば良い。
図2に示すように、本実施の形態が適用される照明装置1では、12個の発光部10(10a,10b,10c,…,10l)が、±x方向の長軸と±y方向の短軸とを有する略楕円の環状に配置されている。
【0021】
カバー20は、発光部10の外側を囲うことで衝撃や汚れ等から保護する、いわゆるハウジングの部分である。
図2に示すように、本実施の形態に係るカバー20は、照明装置1の正面側に位置する正面カバー21と、背面側に位置する背面カバー22とにより構成される。
【0022】
正面カバー21には、各々の発光部10からの光を通過または透過させる窓部211が設けられている。本実施の形態が適用される照明装置1は、12個の発光部10を備えるため、各々の発光部10に対して+z方向に位置するように、12個の窓部211が設けられている。
窓部211は、各発光部10からの光の通過/透過させるものであれば良く、窓部211に対応する位置に開口を設けたり、窓部211を透明な部材で形成したりすれば良い。
【0023】
なお、本実施の形態では、正面カバー21および背面カバー22の2つの部分から構成されるカバー20を例示したが、カバー20を構成する方法は限定されるものではない。カバー20の全体を1つの部分から構成しても良く、また3つ以上の部分から構成することとしても構わない。
【0024】
本実施の形態では、カバー20により形成される照明装置1の外観は、平面視(正面図)において、略楕円の環状となっている。
図2に示すように、照明装置1を正面から見た場合の中央部分には発光部10が設けられておらず、内縁23を有してz方向に伸びる貫通孔が形成されている。
なお、内縁23には、患者の口元(口腔内)を撮影するためのカメラや、患者の口元を映すための鏡等、各種の機器を取り付けても良い。
【0025】
図3は、本実施の形態が適用される照明装置1の内部構成について説明する図であり、(A)は照明装置1からカバー20を外した状態の正面図、(B)は
図3(A)の破線部分(発光部10b,10cの部分)を拡大した斜視図である。なお、
図3(B)では、説明のため、発光部10bを省略している。
図3(A)に示すように、照明装置1は、発光部10と、発光部10が配列される基部50と、各発光部10に接触して設けられる放熱構造4とを備えている。
その他、先述した操作入力に応じて発光部10のオン/オフ等を制御する制御部や、発光部10に電力を供給するための配線等が設けられている(図示を省略する。)。
【0026】
基部50は、照明装置1の備える12個の発光部10が配置される部分であり、照明装置1の内部で各発光部10を各々の位置にて保持する。
図2を用いて説明したように、本実施の形態が適用される照明装置1では、12個の発光部10が略楕円の環状に配置されているので、基部50が対応する略楕円の環状となっている。そして、12個の発光部10が基部50の一方の面(
図3(A)における+z方向の面)の各々異なる位置に取り付けられることで、照明装置1の内部にて各発光部10が保持される。
【0027】
その他、基部50には、ねじ等によりカバー20(
図2参照)を取り付けるための取付部51が形成されている。なお、取付部51を設けずに、他の手段によって基部50とカバー20とを互いに固定することとしても良い。
また、基部50には、先述した制御部や配線等が取り付けられていても良く、配線の取り回しのための孔等が形成されていても良い。
【0028】
図3(B)に示すように、本実施の形態に係る発光部10(
図3(B)では発光部10c)は、基部50から+z方向に伸びる略円柱状の形状を有し、-z方向の一端が基部50へ取り付けられるとともに、+z方向の他端から光を出射する。
そして、この+z方向の他端が窓部211(
図2参照)の近傍に位置し、発光部10の出射した光が窓部211を通過/透過することで、照明装置1の外部に光が照射されるようになっている。
【0029】
放熱構造4は、発光部10の各々に接触させて設けられ、発光部10への電力の供給やLEDの発光に伴い発光部10が蓄えてしまう熱を、カバー20の内部に発散させる。放熱構造4は一例として、アルミ等の熱導電性の良い金属で構成された放熱板である。
図3(B)に示すように、本実施の形態に係る放熱構造4は、発光部10および基部50の間に基部50に沿って伸びる平面部41と、基部50から起立して発光部10の光の出射方向(+z方向)に伸びる起立部42とを備えている。
【0030】
図3(A),(B)の例では、各発光部10の両側(例えば、発光部10cの対する±x方向の両側)に合計2枚の起立部42を設けているが、起立部42の枚数は限定されず、例えば発光部10の四方に合計4枚を設けても良い。
また、
図3(B)では、平面部41および起立部42が平板状の放熱板である例を示しているが、蛇腹状等の形状や孔等を有することとして、表面積を増大させ、放熱の効率を向上させても良い。
【0031】
次に、発光部10の詳細な構造について説明する。
図4は、本実施の形態に係る発光部10の断面構造を示す図であり、
図3(B)における±z方向の断面図に対応する。
図示するように、本実施の形態に係る発光部10は、光源の一例であるLED111,112(まとめてLED組110と呼ぶ場合がある。)と、LED組110からの光を出射方向に導く導光部120と、導光部120を介して入射した光の形状を整えて出射するマスク130と、マスク130から入射した光を集光して出射するレンズ141,142(まとめてレンズ組140と呼ぶ場合がある。)と、導光部120を保持する保持部160と、マスク130およびレンズ組140の間の距離を調整する調整部150とを備える。
【0032】
LED111,112は、電力が供給されることにより発光する発光素子である。本実施の形態では、これらのLED111,112が発光した光を集光して+z方向に出射することで、発光部10からの光の出射が実現される。
本実施の形態において、LED111は白色光を出射し、LED112は橙色光を出射する。このように、本実施の形態に係るLED111,112は、波長が互いに異なる光を出射する複数の光源の一例である。
【0033】
ここで、本明細書中において、「波長が互いに異なる光」とは、波長毎の強度分布(スペクトル)が互いに異なる光の組み合わせを指す。このことは、「異なる波長で発光する」等の類似の表現についても同様である。
先述したように、本実施の形態が適用される照明装置1では、発光部10の備えるLED111により白色光が出射され、LED112により橙色光が出射される。ここで、白色光は例えば可視光域の略全体に亘って強度分布を示す光であり、橙色光は例えば600nm付近をピークとする局所的な強度分布を示す光である。つまり、白色光と橙色光とは波長毎の強度分布が互いに異なる光の組み合わせであり、本実施の形態における波長が互いに異なる光の一例である。
【0034】
導光部120は、透過率の高い材料により形成された部分であり、LED111,112から出射された光を、発光部10の出射方向に導く。より詳しくは、本実施の形態に係る導光部120は、LED111,112側からレンズ組140の方向に向けて断面積が徐々に広がる形状を有し、LED111,112から出射された光を壁側面で全反射させてレンズ組140の方向に導く。なお、「壁側面」とは、LED111,112および導光部120が並ぶ方向(
図4における紙面左右方向)とは異なる方向における、導光部120の表面である。
本実施の形態に係る導光部120は、LED111,112から出射された光を混ぜ合わせながらレンズ組140の方向に導く。この光の混ぜ合わせについては、
図9、
図10を用いて詳細を後述する。
【0035】
マスク130は、LED組110から導光部120を介して入射した光について、出射方向の断面形状を整える。より詳しくは、マスク130は、開口部131を有し、開口部131から光を通過させる一方で、他の部分では光を遮断する。
本実施の形態では、マスク130が略矩形状の開口部131を有するため、出射する光の断面形状が略矩形状となっている。つまり、LED組110から導光部120を介して入射した光は、マスク130によって矩形状に整えられ、レンズ組140に向けて出射される。
なお、マスク130に代えてレンズ等の光学素子を利用し、光の断面形状を整えても良い。
【0036】
レンズ組140は、LED組110側のレンズ141および患者の口元側(発光部10の出射方向側)のレンズ142の組み合わせにより構成され、LED組110側から入射した光を集光して照射領域内の患者の口元側に出射する。なお、レンズ組140は、レンズ部の一例である。
本実施の形態に係るレンズ141,142は、互いに分散の異なるレンズである。例えば、LED組110側のレンズ141がガラスで構成されるのに対し、患者の口元側のレンズ142は樹脂により構成される。また、本実施の形態に係るレンズ142は凸レンズであり、分散に応じた色収差を生じる。このレンズ142による色収差を補正するために、分散の異なるレンズ141を組み合わせ、レンズ組140としている。
【0037】
レンズ組140における色収差の補正について詳しく説明する。
まず、本実施の形態とは異なり、レンズ141を有しない比較例の発光部を考える。なお、この比較例は、レンズ141を有しない他は発光部10と同様であるとして、各構成に共通の名称および符号を用いて説明する。比較例の発光部において、LED組110から出射されレンズ142に入射した光は、レンズ142の光軸に向かって屈折して出射され、光軸と交差した後、光軸から離れるように進行して患者の口元へ照射される。ここで、レンズ142にて光が屈折する際には、レンズ142の分散により、長波長の光では屈折率が小さく、短波長の光では屈折率が大きくなる。そして、短波長の光はより短い距離かつより大きな角度で光軸と交差し、長波長の光はより長い距離かつより小さな角度で光軸と交差することとなり、色収差を生じる。この結果、光軸と交差した後の光軸から離れるように進行する段階において、短波長の光が長波長の光よりも外側に向かう(より光軸から離れるように進行する)ことになる。したがって、比較例の発光部を用いた場合、照射距離等の条件によっては、患者の口元にて色ムラが発生してしまう恐れがある。
【0038】
一方、本実施の形態に係る発光部10では、LED組110から出射された光は、レンズ142に入射する前に、レンズ141の光軸から離れる向きに屈折しながらレンズ141を通過する。この際、レンズ141の分散により、長波長の光では屈折率が小さく短波長の光では屈折率が大きくなるように、言い換えると、短波長の光が長波長の光よりも光軸から離れるように屈折する。
レンズ141を通過した光は、その後、レンズ142に入射して光軸に向かって屈折して出射されることになるが、レンズ141の分散によりレンズ142の分散の少なくとも一部が打ち消され、長波長の光が光軸と交差する位置および角度について、短波長の光との差が小さくなる。この結果、光軸と交差した後、光軸から離れる向きに広がる段階において、短波長の光が長波長の光よりも外側に向かうことが抑制される。したがって、本実施の形態に係る発光部10では、レンズ141を有しない比較例の発光部に比べ、患者の口元でのレンズ142の色収差による色ムラの発生が抑制される。
【0039】
ここで、レンズ組140は、予め定められた照射距離の範囲内における、基準となる少なくとも2つの波長の光(「基準波長の光」と呼ぶ場合がある。)の照射領域のずれが、予め定められた基準よりも小さくなるように設計される。この結果、基準波長の光の各々は、レンズ142の光軸上において互いに異なる位置に焦点を有することになる。より具体的には、基準波長の光のうち、最も長波長である波長λaの光が光軸上に焦点Faを有し、最も短波長である波長λbの光が光軸上に焦点Fbを有するとき、基準波長λの光の焦点Fは、光軸上の焦点Faと焦点Fbとの間にて、波長λが長いほど焦点Faに近く、波長λが短いほど焦点Fbに近く位置することになる。言い換えると、基準波長λの光の焦点Fは、すべて、焦点Faと焦点Fbとの中点Mの近傍に位置することになる。以降、この中点Mを、「レンズ組140の焦点」と呼ぶ場合がある。
なお、レンズ組140の焦点が予め定められた照射距離の範囲内に位置する場合、レンズ組140の焦点の近傍では照射領域が小さくなり過ぎ、患者の口元の照射に適さない恐れがある。したがって、本実施の形態では、レンズ組140の焦点は、予め定められた照射距離の範囲よりも照明装置1に近い側に位置する。
【0040】
なお、
図4に示すレンズ組140の構成は一例であって、図示したものとは異なる形状のレンズを用いる他、3枚以上のレンズを組み合わせてレンズ組140を構成しても良い。
また、レンズ141,142の材料は、ガラスと樹脂との組み合わせに限定されるものではなく、分散が互いに異なるものとなれば良い。
さらに、
図4に示すレンズ組140では、色収差を補正するレンズ141がLED組110側に配置されているが、患者の口元側に配置されていても良い。また、3枚以上のレンズを組み合わせてレンズ組140を構成する場合には、色収差を補正するレンズがLED組110側と患者の口元側との両方に配置されていても良い。
【0041】
保持部160は、LED組110の光の出射方向に導光部120を保持する部品である。
保持部160は例えば、LED組110から出射された光が効率良く導光部120に入射し、かつ、LED組110からの熱が導光部120に伝わり難くなるように、LED組110から予め定められた距離だけ離れた位置にて導光部120を保持する。
この他、保持部160はねじ孔等を有し、発光部10を基部50に取り付けるための取付部として機能することとしても良い。
【0042】
調整部150は、予め定められた光学設計にてレンズ組140に光が入射するように、マスク130およびレンズ組140の間の距離を調整する。
より具体的には、調整部150は、マスク130とレンズ組140との間の距離が予め定められた距離となるように空間151を形成し、レンズ組140を保持する。
【0043】
これらの保持部160および調整部150の組み合わせにより、発光部10のLED組110、導光部120、レンズ組140等を内部に収容して保護するハウジング部分が構成される。
なお、本実施の形態においては、異なる2つの部品、保持部160および調整部150により発光部10のハウジング部分を構成しているが、1つまたは3つ以上の部品からハウジング部分を構成しても良い。
【0044】
導光部120およびレンズ141を構成する樹脂としては、LED組110等からの発熱による劣化を抑制するために、耐熱温度130度以上の耐熱樹脂を用いるのが良い。
なお、本明細書中における耐熱温度とは、軟化点、ガラス転移点、融点、分解点等で定まる、材料の使用上限温度のことを指す。
このような耐熱樹脂の具体例としては、アクリルやシリコン等が挙げられる。
【0045】
図5は、本実施の形態が適用される照明装置1の照射領域200について説明する図である。
図5において、太線の領域は照明装置1の形成する照射領域200、一点鎖線は照明装置1の照射する光の光軸201、2つの黒丸は発光部10が並ぶ略楕円の中心101と照射領域200の中心202とをそれぞれ示している。なお、光軸201は中心101から+z方向にz軸に沿って伸びているが、便宜上、-y方向に傾けて記載している。このことに対応して、照射領域200を照明装置1に対して-y方向にずらして記載している。
【0046】
本実施の形態が適用される照明装置1では、12個の発光部10の各々が出射した光によって、照射領域200が形成される。より詳しくは、本実施の形態が適用される照明装置1では、12個の発光部10の各々が出射した光により、12個の部分照射領域310(
図5では不図示)が形成される。
図6は、本実施の形態が適用される照明装置1における部分照射領域310について説明する図である。なお、
図6では、説明を簡単にするため、照明装置1の基部50、発光部10a,10bのみを記載し、発光部10a,10bの部分照射領域310a,310bのみを示している。
【0047】
先述したように、本実施の形態に係る発光部10では、マスク130(
図4参照)によって出射する光の形状が整えられており、断面形状が略矩形となっている。したがって、
図6に示すように、部分照射領域310は、出射方向(+z方向)に向かい、各発光部10のレンズ組140の焦点(
図4を用いて先述)140fを頂点とする略四角錐状に伸びている。
そして、12個の発光部10に対応する12個の部分照射領域は、互いに少なくとも一部が重なり合い、一体となって照射領域200を形成する。
【0048】
ここで、部分照射領域310同士が重なる量は、各発光部10の配置や光の出射角度(光軸の傾き)の設計に加え、照射距離によって変化する。
本実施の形態が適用される照明装置1では、照射距離700mmにおいて部分照射領域同士が重なる量が最も大きく、12個の部分照射領域310の略全体が重なり合うようになっている。反対に、照射距離400mmにおいては、部分照射領域310同士が重なる量が小さく、12個の部分照射領域310の一部のみが互いに重なり合う。
【0049】
ここで、照明装置1において、部分照射領域310同士が重なる量が最も大きくなる照射距離のことを、各発光部10の出射した光が集まる距離であることに対応して「焦点距離」と呼ぶ。
なお、照明装置1における焦点距離は限定されるものではなく、予め定められた照射距離の範囲の外に焦点距離を有していても構わない。ただし、焦点距離においては光の利用効率が高くなるので、予め定められた照射距離の範囲内に焦点距離を有することが良い。また、照射距離が大きいほど1つの発光部10あたりの照度が低下する(いわゆる逆二乗の法則)ので、予め定められた照射距離の範囲の上限付近に焦点距離を有し、照度を確保すると良い。
【0050】
また、本実施の形態が適用される照明装置1は、何れの照射距離においても、部分照射領域310a,310b,310c,310dの上端(+y方向の端)が略揃うように光を出射する。同様に、部分照射領域310i,310j,310k,310lの下端(-y方向の端)が略揃い、部分照射領域310f,310hの右端(+x方向の端)が略揃い、部分照射領域310e,310gの左端(-x方向の端)が略揃うように光を出射する。
したがって、本実施の形態が適用される照明装置1では、照射領域200が略矩形の形状を有することとなる。
【0051】
ここで、本実施の形態のように、照明装置1を歯科診療に用いる場合には、照射領域200を患者の口元の照射に好ましい形状とするのが良い。
患者の口元の照射に好ましい形状について、より具体的な例としては、略矩形や略楕円形のような、長手方向と短手方向とを有する形状が挙げられる。つまり、患者の口元を照射する際に、患者の口唇が伸びる方向には広い照射領域を確保しつつ、鼻が伸びる方向には狭い照射領域を確保できる形状である。これにより、患者の目に光が当たることを抑制することができる。
【0052】
ところで、
図4を用いて説明したように、発光部10は、それぞれ白色光と橙色光とを出射するLED111,112を有している。そして、本実施の形態が適用される照明装置1では、互いに隣接する発光部10において、LED111,112の配置態様が異なっている。
図7は、本実施の形態が適用される照明装置1における、LED111,112の配置態様について説明する図である。
図7では、照明装置1における各発光部10のLED111,112と、基部50とを示している。
【0053】
図示するように、照明装置1では、発光部10aが-x方向から順にLED111,112がこの順で並ぶLED組110aを有するのに対し、+x方向に隣接する発光部10bはLED112,111がこの順で並ぶLED組110bを有する。さらに、発光部10bに対し発光部10aとは反対側に隣接する発光部10cでは、LED111,112がこの順で並ぶLED組110aを有する。
また、発光部10eがLED組110aを有するのに対し、-y方向に隣接する発光部10gはLED組110bを有する。
このように、本実施の形態が適用される照明装置1では、互いに隣接する発光部10において、LED111,112の並ぶ順序が異なり、配置態様が異なっている。
【0054】
図8は、互いに隣接する発光部10において、LED111,112の配置態様が異なることの効果について説明する図であり、(A)は比較例の照明装置における部分照射領域310a´,310b´を示す図、(B)は比較例の照明装置において隣接する部分照射領域310a´,310b´が重なった状態を示す図、(C)は本実施の形態が適用される照明装置1における部分照射領域310a,310bを示す図、(D)は本実施の形態が適用される照明装置1において隣接する部分照射領域310a,310bが重なった状態を示す図である。
なお、比較例の照明装置では、本実施の形態とは異なり、互いに隣接する発光部10において、LED111,112の配置態様が等しいものとする。
【0055】
本実施の形態が適用される照明装置1や比較例の照明装置のように、発光部10が白色光を出射するLED111と橙色光を出射するLED112とを有する場合、発光部10の光学設計や照射距離等の条件によっては、
図8(A),(C)に示すように、部分照射領域310が白色光の領域311と橙色光の領域312とを有する場合がある。
【0056】
そして、比較例の照明装置のように、互いに隣接する発光部10において、LED111,112の配置態様が等しいと、
図8(A)に示すように、隣接する部分照射領域310a´,310b´において、領域311´と領域312´との配置が揃うことになる。そして、これらの部分照射領域310a´,310b´が重なり合った際には、
図8(B)に示すように、弱い白色光の領域313´,315´と、弱い橙色光の領域316´,318´と、強い白色光の領域314´と、強い橙色光の領域317´とを含む照射領域200´が形成されることになる。
【0057】
一方、本実施の形態が適用される照明装置1のように、互いに隣接する発光部10におけるLED111,112の配置態様が異なると、
図8(C)に示すように、隣接する部分照射領域310a,310bにおいて、領域311と領域312との配置が異なることになる。そして、これらの部分照射領域310a,310bが重なり合った際には、
図8(D)に示すように、弱い白色光の領域313,318と、弱い橙色光の領域315,316と、白色光と橙色光とが混ざった領域314,317とを含む照射領域200が形成されることになる。
したがって、本実施の形態が適用される照明装置1では、比較例の照明装置1とは異なり、強い白色光の領域または強い橙色光の領域が形成されないので、照射領域200における色ムラが抑制されることとなる。
【0058】
次に、本実施の形態に係る導光部120(
図4参照)について、
図9、
図10を用いて詳細に説明する。
図9は、導光部を有しない比較例の発光部10′について説明する図であり、(A)は発光部10′においてLED111,112が出射した光の進路を示す概略図、(B)は発光部10′により照射された光の様子を示す図である。
図10は、本実施の形態の発光部10について説明する図であり、(A)は発光部10においてLED111,112が出射した光の進路を示す概略図、(B)は発光部10により照射された光の様子を示す図である。
なお、
図9(A)、
図10(A)において、太い実線はLED111から出射されレンズ141に入射する光の進路、太い破線はLED112から出射されレンズ141に入射する光の進路を示している。また、
図9(B)、
図10(B)は何れも、照射距離650mmにおいて照射された光の様子である。
【0059】
比較例の発光部10′は、導光部を有しない他は、本実施の形態に係る発光部10と同様の構成を有している。このため、発光部10と同様の構成については共通の符号を付して説明を省略する。
図9(A)に示すように、発光部10′において、LED111が出射した光のうちレンズ141に入射するのは、LED111からレンズ141に向けて直線的に進行(「直接入射」と呼ぶ場合がある。)した光のみである。反対に、レンズ141に直接入射しない光の大部分は、例えば発光部10′のハウジング部分(不図示、
図4における符号150,160)に当たって減衰し、レンズ141に到達しない。このことは、LED112が出射した光についても同様である。
【0060】
したがって、発光部10′において、LED111からの光とLED112からの光とは、互いに異なる方向に偏ってレンズ141へ入射することになる。より詳しくは、LED111からの光がレンズ141の光軸(一点鎖線)に対し一方向(
図9(A)の例では紙面下側)に偏るのに対し、LED112からの光はレンズ141の光軸に対し他方向(
図9(A)の例では紙面上側)に偏る。この結果、レンズ組140を通過した後の発光部10′から出射される段階において、LED111からの光とLED112からの光とは互いに異なる方向に偏って出射される。
この偏りの影響により、発光部10′では、照射距離が大きくなるほどLED111からの光とLED112からの光とが分離する。例えば照射距離650mmでは、
図9(B)に示すように、LED111からの光とLED112からの光とが完全に分離し、白色光の領域(紙面下側の矩形)と橙色光の領域(紙面上側の矩形)とが形成されてしまう。つまり、発光部10′を用いた場合、照射距離によっては、照射領域200(
図5参照)において色ムラが生じてしまう恐れがある。
【0061】
一方、
図10(A)に示すように、本実施の形態に係る発光部10においては、LED111が出射した光のうち、レンズ141に直接入射する光だけでなく、直接入射しない光もレンズ141に入射する。より詳しくは、レンズ141に向けて直接入射しない光は、導光部120の壁側面で少なくとも1回反射し、レンズ141に導かれるようになっている。このことは、LED112が出射した光についても同様である。このため、本実施の形態に係る発光部10では、比較例の発光部10′に比べ、LED111,112から出射される光の利用効率が高くなる。
そして、発光部10では、導光部120によりレンズ141へと導かれた光は、レンズ141,142(レンズ組140)によって照射領域200内の患者の口元へと集光する。
【0062】
ここで、発光部10では、導光部120の壁側面での反射により、LED111からの光とLED112からの光とが混ぜ合わせられる。より詳しくは、発光部10において、LED111,112からレンズ141に直接入射しない光は、導光部120の壁側面での反射に伴い、進行方向を変化させる。
なお、
図4を用いて説明したように、本実施の形態に係る導光部120は、LED111,112側からレンズ組140の方向に向けて断面積が徐々に広がる形状を有するので、導光部120の何れの箇所にて反射するか、および、何回反射するかに応じて、光の進行方向は様々に変化する。
【0063】
したがって、発光部10では、LED111からの光およびLED112からの光は何れも、様々な位置および角度にてレンズ141に入射することになる。つまり、比較例を用いて説明したようなLED111からの光とLED112からの光との偏りが抑制され、互いに混ざり合った状態でレンズ141に入射する。
このように偏りを抑制したことにより、発光部10では、照射距離が大きくなった場合であってもLED111からの光とLED112からの光とが分離し難くなっている。例えば照射距離650mmにおいても、
図10(B)に示すように、LED111からの光とLED112からの光とが混ざり合っており、白色光の領域と橙色光の領域とに分かれていない。つまり、本実施の形態に係る発光部10を用いた場合には、比較例の発光部10′を用いた場合と比べ、照射領域200(
図5参照)における色ムラが抑制される。
【0064】
次に、本実施の形態に係る発光部10が照射する光について、さらに詳しく説明する。
図11は、比較例の発光部が照射する光について説明する図であり、(A)はある照射距離に比較例の発光部が照射する光を示す図、(B)はXIA-XIA線上での照度分布を示す図である。
図12は、本実施の形態に係る発光部10が照射する光について説明する図であり、(A)はある照射距離に発光部10が照射する光を示す図、(B)はXIIA-XIIA線上での照度分布を示す図である。
なお、
図11(A)、
図12(A)は、ある照射距離における各発光部の部分照射領域310(
図6参照)に相当し、図中の点302は部分照射領域310の中心を示している。
図11(B)、
図12(B)において、縦軸(Incoherent Illuminance)は照度を示し、横軸(X coordinate value)は部分照射領域310の中心から端までを100とした場合の位置を、紙面右方向を正(+)、紙面左方向を負(-)として示したものである。
【0065】
図11(A)、
図12(A)に示すように、比較例の発光部が照射する光および本実施の形態に係る発光部10が照射する光、つまり部分照射領域310は、何れも略矩形状であり、矩形における対角線の交点にあたる位置に中心302を有している。
また、
図11(B)、
図12(B)に示すように、照度分布は何れも略台形状である。より詳しくは、横軸が0の付近、つまり中心302の近傍では略一定の照度を有しているが、変化点600,500において勾配が変化し、横軸の絶対値が大きくなるほど、つまり部分照射領域310の端に向かうほど照度が低下して、横軸が100の地点、つまり部分照射領域310の端では照度が0となる。
【0066】
ただし、本実施の形態に係る発光部10と比較例の発光部とでは、照度の勾配の変化点500,600の位置が異なっている。より具体的には、本実施の形態に係る発光部10が横軸の絶対値が70よりも小さい地点(±60付近)に変化点500を有するのに対し、比較例の発光部は横軸の絶対値が70以上の地点(±75付近)に変化点600を有する。
言い換えると、本実施の形態に係る発光部10は、部分照射領域310における中心から端に向かう照度の勾配の変化点が、中心から端までを100%とした場合に、70%よりも中心に近い側に存在するように、光学設計がなされている。これに対し、比較例の発光部は、照度の勾配の変化点600が、70%以上の中心から遠い側に存在するように、光学設計がなされている。
つまり、本実施の形態に係る発光部10は、比較例の発光部に比べ、部分照射領域310の端付近での照度の低下がなだらかになっている。
【0067】
ここで、
図13を用いて、照射領域200における「階段状の照度ムラ」について説明する。ここでは、2つの発光部10a,10bにより光が照射される場合を例にして説明する。
図13は、照射領域200における階段状の照度ムラについて説明する図であり、(A)は焦点距離における照射領域200を説明する図、(B)は焦点距離における比較例の照射領域200の照度分布を示す図、(C)は焦点距離における本実施の形態の照射領域200の照度分布を示す図、(D)は他の照射距離における照射領域200を説明する図、(E)は他の照射距離における比較例の照射領域200を示す図、(F)は他の照射距離における本実施の形態の照射領域200の照度分布を示す図である。
なお、
図13(A),(D)は、発光部10a,10bを
図4における+z方向から眺めた図に相当するが、説明のため、発光部10a,10bと照射領域200とを紙面上下方向にずらして示している。また、
図13(B),(C),(E),(F)は、
図13(A),(D)において中心202を通る一点鎖線上の照度分布であり、横軸(x)はx方向の位置、縦軸(規格化照度)は最も大きい照度を1とした場合の規格化照度である。
【0068】
図13(A)に示すように、照射距離が焦点距離(
図6を用いて説明)である場合は、発光部10a,10bの部分照射領域310a,310bが略完全に重なり、照射領域200を形成する。この場合、照射領域200の照度分布は、部分照射領域310(310a,310b)の照度分布と同様になるので、
図13(B)に示す比較例の照射領域においても、
図13(C)に示す本実施の形態の照射領域においても、後述の階段状の照度ムラは生じない。
【0069】
図13(D)に示すように、照射距離が焦点距離とは異なる他の距離、例えば焦点距離よりも短い場合には、発光部10a,10bの部分照射領域310a,310bの一部のみが重なり、重ならなかった部分と合わせ、全体として照射領域200を形成する。
この場合、
図13(E)に示すように、比較例の照射領域200の照度分布では、各部分照射領域310の照度分布(
図11(B)参照)に由来して、照度が略一定の平坦部分と照度が急激に低下する勾配部分とが交互に現れる。これが「階段状の照度ムラ」である。この階段状の照度ムラがあると、医師等は部分照射領域310a,310bが重なっている部分と重なっていない部分との照度の差異を感じ易くなり、見難さの原因となってしまう。
一方、
図13(F)に示すように、本実施の形態の照射領域200の照度分布では、各部分照射領域310の照度分布(
図12(B)参照)に由来して、比較例よりも勾配部分がなだらかであることに加え、平坦部分が小さくなっている。つまり、本実施の形態に係る発光部10を用いることで、階段状の照度ムラが軽減される。
【0070】
階段状の照度ムラの軽減について、比較例の発光部(
図11参照)を備える照明装置と、本実施の形態に係る発光部10(
図12参照)を備える照明装置1とを例にして、より具体的に説明する。なお、
図2の例と同様に、照明装置は略楕円状に配置された12個の発光部を備えるものとする。
図14は、比較例の照明装置の照射領域を説明する図であり、(A)は照射領域の様子を示す図、(B)はXIVA-XIVA線上の照度分布を示す図である。
図15は、本実施の形態が適用される照明装置1の照射領域を説明する図であり、(A)は照射領域の様子を示す図、(B)はXVA-XVA線上の照度分布を示す図である。
【0071】
図14(B)に示すように、比較例の照明装置では、照射領域の中心から端に向かうにつれ、照度が急激に低下する箇所が複数存在し、折れ線の矢印601として示すように、階段状の照度ムラが生じている。この階段状の照度ムラは、
図14(A)に示す照射領域の様子からも明らかであり、照度が高い箇所と低い箇所との境界(輪郭)となって現れている。
一方で、
図15(B)に示すように、本実施の形態が適用される照明装置1では、直線の矢印501として示すように、照射領域の中心から端に向かうにつれ照度がなだらかに低下しており、比較例の照明装置に比べ階段状の照度ムラが軽減している。このことは、
図15(A)に示す照射領域の様子からも明らかであり、
図14(A)の比較例において現れていた境界(輪郭)が略認められなくなっている。
【0072】
以上説明したように、本実施の形態が適用される照明装置1では、発光部10の部分照射領域310(
図6参照)における中心から端に向かう照度の勾配の変化点が、中心から端までを100%とした場合に、70%よりも中心に近い側に存在するように、発光部10の光学設計がなされていることにより、階段状の照度ムラが軽減する。
なお、発光部10における光学設計の方法は限定されず、LED111,112が出射する光の拡がり角、導光部120の形状、レンズ141、142の材質や形状等、各種のパラメータの調整により実現すれば良い。
【0073】
以上、本発明の実施の形態について、患者の口元(口腔内)を対象物とする場合を例に説明したが、対象物は限定されるものではなく、例えば耳鼻や目元、皮膚のような他の箇所を対象物としても良い。また、犬や猫のような人間以外の動物を対象物としても良い。
なお、
図1では、患者の口元を対象物とする診療システム100を例示したが、診療システムの構成は対象に合わせて適宜変更して良い。
【0074】
本発明を実施する形態は、上記した例に限られるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。言い換えると、特許請求の範囲およびその趣旨から逸脱することなく、多様な変更が可能なことが理解される。
各構成の一部を省略したり、各構成に対して他の機能を付加したりしても良い。また、説明した複数の構成例について、一の構成例に含まれる構成と他の構成例に含まれる構成とを入れ替えたり、一の構成例に含まれる構成を他の構成例に付加したりしても構わない。
【符号の説明】
【0075】
1…照明装置、4…放熱構造、8…支持構造、10…発光部、20…カバー、100…診療システム、110…LED組、111,112…LED、120…導光部、140…レンズ組、141,142…レンズ、200…照射領域、500,600…変化点