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特開2024-130964車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130964
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040948
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】寺町 知峰
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA05
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC24
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】運転者にとって好適な車両の制御を実現すること。
【解決手段】車両制御装置は、車両の周辺の状況を認識する認識部と、前記周辺の状況と前記車両が進行する予定の経路とに基づいて、前記車両が前記経路を進行するように前記車両の操舵を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記車両が走行している走行車線から前記走行車線から分岐する分岐車線に前記車両が進行する予定である場合に、前記分岐車線の手前の路肩の状況に基づいて、前記車両を前記走行車線から前記分岐車線へ車線変更させるか否かを決定し、前記車線変更させると決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させ、前記車線変更させないと決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周辺の状況を認識する認識部と、
前記周辺の状況と前記車両が進行する予定の経路とに基づいて、前記車両が前記経路を進行するように前記車両の操舵を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記車両が走行している走行車線から前記走行車線から分岐する分岐車線に前記車両が進行する予定である場合に、前記分岐車線の手前の路肩の状況に基づいて、前記車両を前記走行車線から前記分岐車線へ車線変更させるか否かを決定し、
前記車線変更させると決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させ、
前記車線変更させないと決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させない、
車両制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記分岐車線の手前の路肩が渋滞していない場合、前記車両を自動で前記車線変更させ、
前記分岐車線の手前の路肩が渋滞している場合、前記車両を自動で前記車線変更させない
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記認識部が認識した前記周辺の状況に基づいて、前記走行車線と前記分岐車線との接続開始位置から第1所定距離手前までの前記路肩の領域の前記渋滞の状況を取得する、
請求項2に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1所定距離を前記車両の速度によって異なる距離に設定する、
請求項3に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記車両の速度が速くなるほど前記第1所定距離を長く設定する、
請求項4に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記車両が分岐車線に前記車両が進行する予定である場合に、前記分岐車線の手前の路肩が渋滞しているか否かに基づいて、前記車両を前記走行車線から前記分岐車線へ車線変更させるか否かを決定する処理を繰り返し、
前記渋滞が発生している判定し、且つ前記車両が渋滞の最後尾から所定距離に以内に到達した場合、または前記渋滞が発生している判定し、且つ前記車両が渋滞の最後尾に到達した場合、前記車両を自動で車線変更させないと決定する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記車両を自動で車両変更させないと決定した後、前記渋滞が発生していないと判定した場合であっても、前記車両を自動で前記車線変更させないことを継続する、
請求項6に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記車両を自動で車両変更させないと決定した後、前記渋滞が発生していないと判定した場合であっても、前記車両が前記分岐車線の所定の位置を通過するまで前記車両を自動で前記車線変更させないことを継続し、前記所定の位置を通過した後、前記自動で車線変更させる処理を再開する、
請求項7に記載の車両制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記路肩の領域に他車両が所定台数以上存在している場合、前記渋滞が発生していると判定する、
請求項2から8のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記路肩の領域に複数の他車両が連なって存在し、前記連なって存在している前記他車両の車列の長さが第2設定距離以上である場合、前記渋滞していると判定する、
請求項2から8のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記車線変更させないと決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させずに、前記車両の運転者に対して操舵の操作を行うことを通知する情報を情報出力装置に出力させる、
請求項2から8のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項12】
コンピュータが、
車両の周辺の状況を認識する処理と、
前記周辺の状況と前記車両が進行する予定の経路とに基づいて、前記車両が前記経路を進行するように前記車両の操舵を制御する処理と、
前記車両が走行している走行車線から前記走行車線から分岐する分岐車線に前記車両が進行する予定である場合に、前記分岐車線の手前の路肩の状況に基づいて、前記車両を前記走行車線から前記分岐車線へ車線変更させるか否かを決定する処理と、
前記車線変更させると決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させる処理と、
前記車線変更させないと決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させない処理と、
を実行する車両制御方法。
【請求項13】
コンピュータに、
車両の周辺の状況を認識する処理と、
前記周辺の状況と前記車両が進行する予定の経路とに基づいて、前記車両が前記経路を進行するように前記車両の操舵を制御する処理と、
前記車両が走行している走行車線から前記走行車線から分岐する分岐車線に前記車両が進行する予定である場合に、前記分岐車線の手前の路肩の状況に基づいて、前記車両を前記走行車線から前記分岐車線へ車線変更させるか否かを決定する処理と、
前記車線変更させると決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させる処理と、
前記車線変更させないと決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させない処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の状況に配慮した持続可能な輸送システムを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて運転支援技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。例えば、通信を利用して渋滞情報を取得し、取得した渋滞情報に基づいて、運転者に情報を提供する制御装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-91394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の制御装置では、運転者にとって好適な車両の制御が実現できないことがあった。例えば、渋滞情報はリアルタイムでないため、リアルタイムの車両の周辺の状況に応じた車両の制御が実現されないことがあった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、運転者にとって好適な車両の制御を実現することができる車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。例えば、リアルタイムの車両の状況に適した車両の制御が実現される。延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る車両制御装置は、車両の周辺の状況を認識する認識部と、前記周辺の状況と前記車両が進行する予定の経路とに基づいて、前記車両が前記経路を進行するように前記車両の操舵を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記車両が走行している走行車線から前記走行車線から分岐する分岐車線に前記車両が進行する予定である場合に、前記分岐車線の手前の路肩の状況に基づいて、前記車両を前記走行車線から前記分岐車線へ車線変更させるか否かを決定し、前記車線変更させると決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させ、前記車線変更させないと決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させない。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記制御部は、前記分岐車線の手前の路肩が渋滞していない場合、前記車両を自動で前記車線変更させ、前記分岐車線の手前の路肩が渋滞している場合、前記車両を自動で前記車線変更させない。
【0008】
(3):上記(2)の態様において、前記制御部は、前記認識部が認識した前記周辺の状況に基づいて、前記走行車線と前記分岐車線との接続開始位置から第1所定距離手前までの前記路肩の領域の前記渋滞の状況を取得する。
【0009】
(4):上記(3)の態様において、前記制御部は、前記第1所定距離を前記車両の速度によって異なる距離に設定する。
【0010】
(5):上記(4)の態様において、前記制御部は、前記車両の速度が速くなるほど前記第1所定距離を長く設定する。
【0011】
(6):上記(1)の態様において、前記制御部は、前記車両が分岐車線に前記車両が進行する予定である場合に、前記分岐車線の手前の路肩が渋滞しているか否かに基づいて、前記車両を前記走行車線から前記分岐車線へ車線変更させるか否かを決定する処理を繰り返し、前記渋滞が発生している判定し、且つ前記車両が渋滞の最後尾から所定距離に以内に到達した場合、または前記渋滞が発生している判定し、且つ前記車両が渋滞の最後尾に到達した場合、前記車両を自動で車線変更させないと決定する。
【0012】
(7):上記(6)のいずれかの態様において、前記制御部は、前記車両を自動で車両変更させないと決定した後、前記渋滞が発生していないと判定した場合であっても、前記車両を自動で前記車線変更させないことを継続する。
【0013】
(8):上記(7)の態様において、前記制御部は、前記車両を自動で車両変更させないと決定した後、前記渋滞が発生していないと判定した場合であっても、前記車両が前記分岐車線の所定の位置を通過するまで前記車両を自動で前記車線変更させないことを継続し、前記所定の位置を通過した後、前記自動で車線変更させる処理を再開する。
【0014】
(9):上記(2)から(8)のいずれかの態様において、前記制御部は、前記路肩の領域に他車両が所定台数以上存在している場合、前記渋滞が発生していると判定する。
【0015】
(10):上記(2)から(8)のいずれかの態様において、前記制御部は、前記路肩の領域に複数の他車両が連なって存在し、前記連なって存在している前記他車両の車列の長さが第2設定距離以上である場合、前記渋滞していると判定する。
【0016】
(11):上記(2)から(8)のいずれかの態様において、前記制御部は、前記車線変更させないと決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させずに、前記車両の運転者に対して操舵の操作を行うことを通知する情報を情報出力装置に出力させる。
【0017】
(12):本発明の他の態様に係る車両制御方法は、コンピュータが、車両の周辺の状況を認識する処理と、前記周辺の状況と前記車両が進行する予定の経路とに基づいて、前記車両が前記経路を進行するように前記車両の操舵を制御する処理と、前記車両が走行している走行車線から前記走行車線から分岐する分岐車線に前記車両が進行する予定である場合に、前記分岐車線の手前の路肩の状況に基づいて、前記車両を前記走行車線から前記分岐車線へ車線変更させるか否かを決定する処理と、前記車線変更させると決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させる処理と、前記車線変更させないと決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させない処理と、を実行する。
【0018】
(13):本発明の他の態様に係るプログラムは、車両の周辺の状況を認識する処理と、前記周辺の状況と前記車両が進行する予定の経路とに基づいて、前記車両が前記経路を進行するように前記車両の操舵を制御する処理と、前記車両が走行している走行車線から前記走行車線から分岐する分岐車線に前記車両が進行する予定である場合に、前記分岐車線の手前の路肩の状況に基づいて、前記車両を前記走行車線から前記分岐車線へ車線変更させるか否かを決定する処理と、前記車線変更させると決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させる処理と、前記車線変更させないと決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させない処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0019】
(1)-(13)の態様によれば、車両制御装置、車両制御方法、またはプログラムは、前記分岐車線の手前の路肩の状況に基づいて、前記車両を自動で前記車線変更させるか否かを決定して決定の結果に応じた車両の制御を行うため、運転者にとって好適な車両の制御を実現することができる。例えば、路肩が渋滞している場合、制御部によって車線変更する制御を行わずに、運転者の操作でスムーズに車両を車線変更させるように支援する。
【0020】
(4)または(5)の態様によれば、車両制御装置は、車速に応じた制御を実現することができる。例えば、車両制御装置は、適切なタイミングで車線変更を自動で行うことを中止することができる。
【0021】
(6)の態様によれば、車両制御装置は、渋滞の最後尾に応じた位置で車線変更を中止するため、運転者は中止が渋滞によるものであることを容易に理解することができる。
【0022】
(7)の態様によれば、車両制御装置は、自動で自車両に車線変更させることを中止させた後、渋滞が発生していないと判定した場合も中止を継続するため、中止と再開とが繰り返されることを抑制し、運転者を困惑させることを抑制することができる。
【0023】
(8)の態様によれば、車両制御装置は、所定の位置を通過した後、自動で車線変更させる処理を再開するため、適切に渋滞の判定を行うことできる。例えば、自車両が所定の位置を通過した後の渋滞に対して判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る車両制御システムを利用した車両システム1の構成図である。
図2】運転支援制御の一例を示す図である。
図3】渋滞判定処理および運転支援制御について説明するための図である。
図4】分岐退出支援が中止された後の制御について説明するための図である。
図5】運転支援装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】探索開始条件について説明するための図である。
図7】探索範囲について説明するための図である。
図8】探索範囲の車両を特定する処理について説明するための図である。
図9】登録対象の車両について説明するための図である。
図10】車両情報192の内容の一例を示す図である。
図11】分岐退出支援が中止された場面の一例を示す図である。
図12】渋滞が解消した際の処理について説明するための図である。
図13】分岐退出支援を継続する場面の一例を示す図である。
図14】分岐車線に設定された探索範囲の一例を示す図である。
図15】分岐車線が渋滞している場面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照し、本発明の車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0026】
<実施形態>
[全体構成]
図1は、実施形態に係る車両制御システムを利用した車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
【0027】
車両システム1は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、LIDAR(Light Detection and Ranging)14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、車両センサ40と、ナビゲーション装置50と、MPU60と、ドライバモニタカメラ70と、運転操作子80と、運転支援装置100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。運転支援装置100は「車両制御装置」の一例である。
【0028】
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両システム1が搭載される車両(以下、自車両M)の任意の箇所に取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
【0029】
レーダ装置12は、自車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。レーダ装置12は、FM-CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
【0030】
LIDAR14は、自車両Mの周辺に光(或いは光に近い波長の電磁波)を照射し、散乱光を測定する。LIDAR14は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。LIDAR14は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。
【0031】
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を運転支援装置100に出力する。物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14の検出結果をそのまま運転支援装置100に出力してよい。車両システム1から物体認識装置16が省略されてもよい。
【0032】
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi-Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用して、自車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。
【0033】
HMI30は、自車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キーなどを含む。HMI30は表示装置を備える。表示装置(表示部)は、例えば、自車両Mのインストルメントパネルの中央部に設けられ、自車両Mの走行速度を表す速度計(スピードメータ)または自車両Mが備える内燃機関の回転数(回転速度)を表す回転速度計(タコメータ)など、自車両Mにおける種々の情報を表示させるディスプレイ装置、いわゆるマルチインフォメーションディスプレイである。
【0034】
車両センサ40は、自車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
【0035】
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備える。ナビゲーション装置50は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機51は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、自車両Mの位置を特定する。自車両Mの位置は、車両センサ40の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。経路決定部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された自車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI52を用いて乗員により入力された目的地までの経路(以下、地図上経路)を、第1地図情報54を参照して決定する。第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。地図上経路は、MPU60に出力される。ナビゲーション装置50は、地図上経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。ナビゲーション装置50は、例えば、乗員の保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから地図上経路と同等の経路を取得してもよい。
【0036】
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61を含み、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第2地図情報62を保持している。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された地図上経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報62を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部61は、地図上経路に分岐箇所が存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な経路を走行できるように、推奨車線を決定する。
【0037】
第2地図情報62は、第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報62は、例えば、車線の中央の情報、或いは車線の境界の情報等を含んでいる。第2地図情報62には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。第2地図情報62は、通信装置20が他装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。
【0038】
ドライバモニタカメラ70は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。ドライバモニタカメラ70は、自車両Mの運転席に着座した乗員(以下、ドライバ)の頭部を正面から(顔面を撮像する向きで)撮像可能な位置および向きで、自車両Mにおける任意の箇所に取り付けられる。例えば、ドライバモニタカメラ70は、自車両Mのインストルメントパネルの中央部に設けられたディスプレイ装置の上部に取り付けられる。ドライバモニタカメラ70は、配置された位置から自車両Mの運転者を含む車室内を撮影した画像を、運転支援装置100に出力する。
【0039】
運転操作子80は、例えば、ステアリングホイール82の他、方向指示器の操作スイッチ、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、その他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量、或いは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、運転支援装置100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一部または全部に出力される。ステアリングホイール82は、必ずしも環状である必要は無く、異形ステアリングホイールやジョイスティック、ボタンなどの形態であってもよい。ステアリングホイール82には、ステアリング把持センサ86が取り付けられている。
【0040】
ステアリング把持センサ86は、例えば、静電容量センサや圧電素子などにより実現される。ステアリング把持センサ86は、運転者がステアリングホイール82を把持している状態か否かを検知する。把持とは、運転者がステアリングホイールを握っている状態や、手がステアリングホイ-ルに接触し且つ所定度合以上の力がステアリングホイールに加えられている状態等である。
【0041】
ステアリング把持センサ86は、カメラにより撮像された画像に基づいて把持を検知したり、レーダ装置などの光学手法を用いて把持を検知したりするもの(センサとの接触を要しない手法)であってもよい。
【0042】
運転支援装置100は、例えば、認識部110と、ドライバ認識部120と、渋滞判定部130と、速度制御部140と、車線維持制御部150と、車線変更制御部160と、計画部170と、情報提供部180と、記憶部190とを備える。これらの機能部の一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。少なくとも渋滞判定部130と車線変更制御部160とを含む機能構成は、「制御部」の一例である。
【0043】
記憶部190は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現される。記憶部190には、例えば、車両情報192が記憶されている(詳細は後述する)。
【0044】
認識部110は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14から物体認識装置16を介して入力された情報に基づいて、自車両Mの周辺にある物体の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。物体の位置は、例えば、自車両Mの代表点(重心や駆動軸中心など)を原点とした絶対座標上の位置として認識され、制御に使用される。物体の位置は、その物体の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、領域で表されてもよい。物体の「状態」とは、物体の加速度やジャーク、或いは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。
【0045】
認識部110は、例えば、自車両Mが走行している車線(走行車線)を認識する。例えば、認識部110は、第2地図情報62から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される自車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線を認識する。認識部110は、道路区画線に限らず、道路区画線や路肩、縁石、中央分離帯、ガードレールなどを含む走路境界(道路境界)を認識することで、走行車線を認識してもよい。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。認識部110は、一時停止線、障害物、赤信号、料金所、その他の道路事象を認識する。
【0046】
認識部110は、走行車線を認識する際に、走行車線に対する自車両Mの位置や姿勢を認識する。認識部110は、例えば、自車両Mの基準点の車線中央からの乖離、および自車両Mの進行方向の車線中央を連ねた線に対してなす角度を、走行車線に対する自車両Mの相対位置および姿勢として認識してもよい。これに代えて、認識部110は、走行車線のいずれかの側端部(道路区画線または道路境界)に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。
【0047】
ドライバ認識部120は、ドライバモニタカメラ70により撮像された画像に基づいて、運転者が所定の状態であるか否かを検知する。所定の状態とは、後述するハンズオフ車線維持制御を実行可能な状態である。ハンズオフとは運転者がステアリングホイールを把持していない状態であり、ハンズオンとは運転者がステアリングホイールを把持している状態である。ハンズオフ車線維持制御が実行可能な状態とは、運転者が前方(または自車両Mの周辺)を監視している状態である。前方を監視とは、例えば、車両システム1による自車両Mの制御から運転者による自車両Mの操作に運転者が迅速に引き継ぐことができるように運転者が前方を監視していることである。前方を監視とは、例えば、運転者の視線が前方を向いていることである。
【0048】
渋滞判定部130は、後述する探索範囲が渋滞しているか否かを判定し、渋滞していると判定した場合、走行車線から分岐車線に車線変更させる分岐退出支援を中止する。この処理の詳細については後述する。
【0049】
速度制御部140は、運転者の操作に依らずに自動で走行駆動力出力装置200およびブレーキ装置210を制御して、自車両Mの速度を自動で制御する。速度制御部140は、いわゆるACC(Adaptive Cruise Control)を実行する。
【0050】
速度制御部140は、例えば、自車両Mの前方であって自車両Mから所定距離以内に他車両が存在しない場合、運転者によって設定された速度や法定速度、道路に応じて予め設定された速度で自車両Mが走行するように、運転者の操作に依らずに自動で走行駆動力出力装置200およびブレーキ装置210を制御する。
【0051】
速度制御部140は、例えば、自車両Mの前方であって自車両Mから所定距離以内に他車両が存在する場合、他車両に追従するように、運転者の操作に依らずに自動で走行駆動力出力装置200およびブレーキ装置210を制御する。追従とは、自車両Mが、他車両の後方であって他車両から所定距離の位置を維持しながら走行することである。速度制御部140は、分岐退出支援が実行される際、分岐車線へ車線変更を滑らかに行えるように自車両Mの速度を制御する。
【0052】
車線維持制御部150は、自車両Mが走行車線から逸脱しないようにステアリング装置220を制御する。例えば、車線維持制御部150は、認識部110が認識した走行車線の中央または中央付近を自車両Mが走行するようにステアリング装置220を制御する。以下、この制御を「車線維持制御」と称することがある。車線維持制御部150は、ハンズオン車線維持制御と、ハンズオフ車線維持制御とを実行する。
【0053】
ハンズオン車線維持制御は、運転者がステアリングホイールを把持している状態(ステアリング把持センサ86がステアリングホイールの把持を検出している状態)で実行される制御である。ハンズオン車線維持制御が実行可能な条件は、ハンズオフ車線維持制御が実行可能な条件よりも緩い。例えば、ハンズオン車線維持制御は、自車両Mの速度が所定速度以上であり、且つ運転者が前方を監視していることを条件に実行される。
【0054】
ハンズオフ車線維持制御は、運転者がステアリングホイールを把持していない状態(ステアリング把持センサ86がステアリングホイールの把持を検出していない状態)で実行される制御である。ハンズオフ車線維持制は、例えば、以下の条件を満たした場合に実行可能である。自車両Mの速度が所定速度以上であること、所定の道路(例えば予めハンズオフ車線維持制が実行可能であると設定された道路または道路の種別)を自車両Mが走行していること、および運転者が前方を監視していることである。運転者が前方を監視している場合にハンズオフ車線維持制御が実行され、運転者が前方を監視していない場合はハンズオフ車線維持制御が実行されない、または停止する。
【0055】
上述したハンズオン車線維持制御およびハンズオフ車線維持制御が実行可能な条件は、一例であり、他の条件(例えば、自車両Mが前走車両に追従していること)を含んだり、一部の条件が省略されたりしてもよい。ハンズオン車線維持制御が実行可能な条件は、ハンズオフ車線維持が実行可能な条件よりも緩ければよい(ハンズオフ車線維持制御が実行可能な条件は、ハンズオン車線維持が実行可能な条件よりも厳しければよい)。
【0056】
車線変更制御部160は、自車両Mを自動で車線変更させる。車線変更制御部160は、例えば、車線変更のための軌道を生成し、生成した軌道に沿って自車両Mが走行するように自車両Mを車線変更させる。車線変更制御部160は、乗員に設定された目的地や、計画部170に生成された経路、MPU60に出力された推奨車線に基づいて、自車両Mを車線変更(ALC;オートレーンチェンジ)させる。例えば、車線変更制御部160は、目的地に向かうために車線変更が必要な場合、車線変更を行う。例えば、運転者が予めオートレーンチェンジを利用することを設定している場合(オートレーンチェンジ使用中である場合)に、目的地に向かうためのオートレーンチェンジが実行される。
【0057】
車線変更制御部160は、運転者によって車線変更の指示がされた場合、自動で自車両Mを車線変更させてもよい。車線変更の指示とは、方向指示器の操作スイッチのレバー部の操作である。例えば、運転者が、自車両Mを車線変更させたい方向にレバー部が操作すると、操作に応じた方向に自車両Mが車線変更する。車線変更の指示は、方向指示器の操作スイッチのレバー部の操作とは異なる操作であってもよい。例えば、所定の操作ボタンが押された場合、車線変更が行われてもよい。
【0058】
車線変更制御部160は、例えば、以下の条件を満たした場合に、車線変更を実行する。条件は、例えば、車線変更先の車線に障害物が存在しないことや、車線変更を行う場合に周辺の他車両に干渉しないこと、車線変更の禁止区間でないこと(車線変更の禁止の道路標示や標識がないこと)、車線変更先の車線が認識されていること(実在していること)、車両センサ40により検出されたヨーレートが閾値未満であること、走行中の道路の曲率半径が所定値以上であることなどである。車線変更を実行する条件は、他の条件を含んでもよいし、一部の条件は省略されてもよい。
【0059】
車線変更制御部160は、例えば、運転者がステアリングホイールを把持していること(ステアリング把持センサ86がステアリングホイールの把持を検出していること)を条件に車線変更を実行してもよい。
【0060】
計画部170は、自車両Mが乗員により設定された目的地に向かう経路に基づいて、自車両Mを走行させる計画を生成する。計画部170は、原則的には推奨車線決定部61により決定された推奨車線を走行し、更に、自車両Mの周辺状況に対応できるように、自車両Mが自動的に(運転者の操作に依らずに)将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいてもよい。例えば、目標軌道は、自車両Mの到達すべき地点(軌道点)を順に並べたものとして表現される。軌道点は、道なり距離で所定の走行距離(例えば数[m]程度)ごとの自車両Mの到達すべき地点であり、それとは別に、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとの目標速度および目標加速度が、目標軌道の一部として生成される。軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における自車両Mの到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
【0061】
計画部170は、例えば、速度制御部140、車線維持制御部150、および車線変更制御部160と連携して目標軌道を自車両Mに走行させる。この制御を、「運転支援制御」と称することがある。
【0062】
例えば、計画部170は、自車両Mの運転者が自車両Mの周辺を監視している状態において、速度制御部140が自車両Mの速度を制御し、車線維持制御部150が操舵を制御して、必要に応じて運転者が速度を制御、ステアリングホイールを把持、またはステアリングホイールを操作して目的地に到達するように自車両Mの行動の計画を生成する。例えば、計画部170は、第1区間では運転者の操作で自車両Mを走行させ、第2区間では運転支援装置100による制御で自車両Mを走行させる計画を生成し、計画に応じて運転者、渋滞判定部130、速度制御部140、車線維持制御部150、および車線変更制御部160と連携して自車両Mを走行させる。
【0063】
図2は、運転支援制御の一例を示す図である。自車両Mは、第1車線L1を走行し、第2車線L2に車線変更して、更に分岐車線L3に車線変更して目的地に向かう計画であるものとする。この場合、速度制御部140が速度を制御して、車線維持制御部150と車線変更制御部160とが、自車両Mを車線変更させたり、走行車線および分岐車線を走行させたりして、自車両Mを目的地に向かわせる。これにより自車両Mは、運転者の操作に依らずに目的地に向かう。
【0064】
情報提供部180は、HMI30に自車両Mの状態や、運転支援に関する各種情報を音声または画像で出力させる。
【0065】
走行駆動力出力装置200は、自車両Mが走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECUとを備える。ECUは、速度制御部140から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
【0066】
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、速度制御部140から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。
【0067】
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、車線維持制御部150または車線変更制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
【0068】
[渋滞判定処理および運転支援制御]
運転支援装置100は、自車両Mが走行している走行車線から走行車線から分岐する分岐車線に自車両Mが進行する予定である場合に、分岐車線の手前の路肩の状況に基づいて、自車両Mを走行車線から分岐車線へ車線変更させるか否かを決定する。運転支援装置100は、車線変更させると決定した場合、車両を自動で車線変更させる。このときの車線変更は、分岐車線へ自車両Mを車線変更させる制御である。
【0069】
運転支援装置100は、車線変更させないと決定した場合、自車両Mを自動で車線変更させない。運転支援装置100は、例えば、車線変更させないと決定した場合、自車両Mを自動で車線変更させずに、自車両Mの運転者に対して操舵の操作を行うことを通知する情報をHMI30(情報出力装置)に出力させる。これにより、運転者は、操舵を制御して手動で車線変更を実施することができる。
【0070】
上記の分岐車線の手前の路肩の状態とは、路肩の渋滞状況である。運転支援装置100は、例えば、分岐車線の手前の路肩が渋滞していない場合、自車両Mを自動で車線変更させ、分岐車線の手前の路肩が渋滞している場合、自車両Mを自動で車線変更させない。
【0071】
運転支援装置100は、上記のように、分岐車線の手前で自車両Mを分岐車線に自動で車線変更させる制御(分岐退出支援)を中止するため、運転者は余裕を持って運転操作を行って分岐車線へ自車両Mを車線変更させることができる。
【0072】
なお、分岐車線変更が中止される際、運転支援装置100による速度の制御も中止され、速度を運転者が制御することをリクエストする通知が運転者にされてもよい。
【0073】
図3は、渋滞判定処理および運転支援制御について説明するための図である。図2との相違点を中心に説明する。自車両Mが、第2走行車線L2を走行している。分岐退出地点P(分岐車線)の手前の路肩に渋滞が発生している場合、運転支援装置100は、分岐退出支援を中止する。分岐退出地点Pは、例えば、分岐車線の始点など予め設定された地点である。
【0074】
図4は、分岐退出支援が中止された後の制御について説明するための図である。運転支援装置100は、自車両Mを自動で車両変更させないと決定して車線変更を中止した後(分岐退出支援を中止した後)、渋滞が発生していないと判定した場合であっても、自車両Mが分岐車線の所定の位置を通過するまで自車両Mを自動で車線変更させないことを継続する。図4に示すように、分岐退出支援が中止された後、自車両Mの前方の分岐車線における渋滞が緩和して、自車両Mの前方において路肩における渋滞が発生していない場合であっても、分岐退出支援の中止は継続される。例えば、分岐車線の所定の位置とは、例えば、分岐車線に接続されているインターチェンジや、ジャンクションなどである。所定の位置は、走行車線または分岐車線における所定の位置であってもよい。
【0075】
運転支援装置100は、上記のように、分岐車線の手前で分岐退出支援を中止して、中止を継続するため、渋滞の状況によって分岐退出支援が再開させたり、中止させたりすることを抑制することができる。これにより、運転支援装置100は、運転者を困惑させることを抑制することができる。
【0076】
[フローチャート]
図5は、運転支援装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理の順序は入れ替えられてもよいし、処理の一部は省略されてもよい。各処理の詳細や各条件の詳細については後述する。
【0077】
まず、運転支援装置100は、オートレーンチェンジを使用中であるか否かを判定する(ステップS100)。オートレーンチェンジを使用中である場合、運転支援装置100は、自車両Mが分岐退出地点に近づいたか否かを判定する(ステップS102)。自車両Mが分岐退出地点に近づいた場合、運転支援装置100は、自車両Mが所定の走行車線を走行しているか否かを判定する(ステップS104)。所定の走行車線とは、例えば、分岐車線の延在方向に関して手前の路肩に隣接する車線や、分岐車線に隣接する車線である。所定の走行車線とは、図3図4では走行車線L2である。
【0078】
自車両Mが所定の走行車線を走行している場合、運転支援装置100は、探索開始条件を満たすか否かを判定する(ステップS106)。探索開始条件を満たす場合、運転支援装置100は、探索範囲を特定し(ステップS108)、探索範囲の車両を特定する(ステップS110)。
【0079】
次に、運転支援装置100は、中止条件を満たすか否かを判定する(ステップS112)。中止条件を満たす場合、運転支援装置100は、自車両Mが対象位置に到達したか否かを判定する(ステップS114)。対象位置に到達した場合、運転支援装置100は、分岐退出支援を中止し(ステップS116)、運転者に操作をリクエストする通知を行う(ステップS118)。
【0080】
対象位置は、運転支援装置100が渋滞が発生したと判定し、且つ自車両Mが渋滞の最後尾から所定距離に以内に到達した位置であってもよいし、渋滞が発生したと判定し、且つ自車両Mが渋滞の最後尾に到達した位置であってもよい。渋滞の最後尾とは、渋滞の最後尾の他車両である。最後尾の他車両は、対象の他車両の後方に所定距離以上他車両が存在していない車両である。上記のように、運転支援装置100が、最後尾を基準に分岐退出支援を中止したり、通知を行ったりすることにより、運転者は渋滞によって分岐退出支援を中止したことを容易に理解することができる。
【0081】
これにより本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。上述したステップS100、S102-S106、およびS112の判定が否定的である場合、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0082】
[探索開始条件]
探索開始条件は、自車両Mの前方所定距離以内に隣接車線が存在しない領域または分岐車線が存在する領域が存在することである。図6は、探索開始条件について説明するための図である。運転支援装置100は、路肩および分岐車線上の車両に対して渋滞の判定を行うため、図6の領域AR1に示すように自車両Mの前方所定距離以内に走行車線に対して隣接車線が存在しない領域または分岐車線が存在する領域が存在する場合、探索開始条件を満たすと判定する。隣接車線が存在しない領域とは、例えば路肩が存在する領域である。運転支援装置100は、自車両Mが走行する車線、車線における自車両Mの位置、および地図情報(第1地図情報54または第2地図情報62)を参照して、上位の判定を行う。
【0083】
[探索範囲の特定]
探索範囲は、例えば、探索開始条件を満たす路肩と分岐車線とを含む。図7は、探索範囲について説明するための図である。探索範囲AR1の車線の幅方向の範囲は、第1位置P1と第2位置P2とによって区画された範囲である。路肩の第1位置P1は、走行車線L2の路肩側の第1区画線からの走行車線L1側の第2区画線側に所定距離の位置である。これにより第1区画線の上に存在する他車両も後述する処理で判定の対象とすることができる。路肩の第2位置P2は、第1区画線から路肩側の幅方向に所定の距離の位置である。地図情報において道路の境界を示す情報が含まれている場合、路肩の第2位置P2は、道路の境界線の位置と上記の所定の距離の位置とのうち走行車線L2に近い位置である。
【0084】
分岐車線の第1位置P1および第2位置P2も路肩の第1位置P1および第2位置P2と同様である。分岐車線の第1位置P1は、走行車線L2の分岐車線側の第1区画線からの走行車線L1側の第2区画線側に所定距離の位置である。これにより第1区画線の上に存在する他車両も後述する処理で判定の対象とすることができる。分岐車線の第2位置P2は、第1区画線から分岐車線側の幅方向に所定の距離の位置である。地図情報において道路の境界を示す情報が含まれている場合、分岐車線の第2位置P2は、道路の境界線の位置と上記の所定の距離の位置とのうち走行車線L2に近い位置である。図7の例では、路肩と分岐車線とは同じ幅であるため、同じ位置に第1位置P1および第2位置P2が設定され、これらの位置により区画された領域が探索範囲AR1である。
【0085】
探索範囲の進行方向の領域は、例えば、分岐退出地点Pから第1所定距離手前までの領域を含む。渋滞判定部130は、認識部110の認識の結果に基づいて自車両Mの前方であって第1所定距離手前までの領域の状況を認識する(車両の存在の有無の情報を取得する)。第1所定距離は、自車両Mの速度に応じて異なる距離に設定される。例えば、渋滞判定部130は、自車両Mの速度が速くなるほど第1所定距離を長く設定し、自車両Mの速度が遅くなるほど第1所定距離を短く設定する。例えば、自車両Mの速度が速い場合であっても自車両Mが渋滞の最後尾に到着するまでに渋滞の判定を精度よく行うことができ、自車両Mの速度が遅い場合は処理負荷を軽減しつつ自車両Mが渋滞の最後尾に到着するまでに渋滞の判定を精度よく行うことができる。なお、分岐退出地点Pの前方の探索範囲は、分岐退出地点Pから所定距離前方の範囲である。
【0086】
[車両の特定(1)]
運転支援装置100は、探索範囲の車両を特定する。図8は、探索範囲の車両を特定する処理について説明するための図である。運転支援装置100は、図8に示すように認識部110の認識の結果に基づいて、探索範囲AR1の他車両OB1-OB6を認識する。
【0087】
[車両の特定(2)]
認識部110は、所定の間隔で物体を認識する。運転支援装置100は、例えば、所定の間隔で認識部110が認識した結果ごとに(または任意の所定の間隔ごとに)車両情報192を生成する。運転支援装置100は、条件を満たす車両を新規に車両情報192に登録する。図9は、登録対象の車両について説明するための図である。運転支援装置100は、例えば、(1)から(5)の条件の全てを満たした車両を車両情報192に新規に登録する。
(1)車両情報192に登録されていない物体であること。
(2)探索範囲内の物体であること。
(3)物体の属性が車両であること。
(4)物体の認識の信頼度が閾値以上であること。
(5)物体の速度が閾値以下であること。
【0088】
物体の認識の信頼度とは、認識部110が予め定められた所定のアルゴリズムやモデルなどに基づいて導出した信頼度のスコアが閾値以上であることである。上記の(1)から(5)の条件を満たす物体は、車両情報192に登録される。
【0089】
図10は、車両情報192の内容の一例を示す図である。車両情報192は、時刻ごとの新規に登録された物体および過去に登録された物体の情報を含む。図10に示すように、車両情報192は、例えば、時刻ごとの物体OB1-OB6と、(1)から(5)の条件を満たすか否かを示す情報とを含む。運転支援装置100は、時刻ごとの車両情報192を参照して、所定時間以上連続で認識されていない物体を車両情報192から削除する。この場合、自車両Mが進行したことによって、物体は自車両Mの後方に存在している可能性があるためである。また、運転支援装置100は、条件を満たさなくなった物体(または所定時間条件を満たさなくなった物体)を車両情報192から削除する。運転支援装置100は、自車両Mが車線変更した場合は、車両情報192をリセットする。この場合、自車両Mに対する物体の位置が大きく変化している可能性が高いためである。
【0090】
[中止条件]
運転支援装置100は、上記の車両情報192を参照して、自車両Mの前方において路肩に車両が所定台数以上存在している場合(例えば3台以上存在している場合)、分岐退出支援を中止する。渋滞判定部130は、例えば、上記の条件を満たす場合、抑制フラグを設定する。車線変更制御部160は、設定された抑制フラグに基づいて分岐車線に車線変更を実施する分岐退出支援を抑制する。中止条件は、上記に代えて(または代えて)、自車両Mの前方の路肩に車両が連なっていて、この連なりが所定距離以上である場合、分岐退出支援を中止してもよい。すなわち、渋滞判定部130は、探索範囲に複数の車両が連なって存在し、連なって存在している車列の長さが第2設定距離以上(例えば20m以上など所定の長さ)である場合、渋滞していると判定して、分岐退出支援を中止する。なお、運転支援装置100は、車両間の間隔が閾値以上である場合は、渋滞の対象の車両と判定しなくてもよいし、車両が連なっていると判定しなくてもよい。
【0091】
例えば、運転支援装置100は、分岐退出支援を中止する前に上記の中止条件を満たしたが、その後条件が満たされなくなった場合は、分岐退出支援を継続する。これに対して、運転支援装置100は、自車両Mを自動で車両変更させないと決定した後(中止条件を満たし分岐退出支援を中止した後、または中止をすることや運転者の運転で車線変更することを提示した後)、渋滞がしていないと判定した場合であっても、自車両Mを自動で車線変更させないことを継続する。例えば、運転支援装置100は、分岐退出支援を中止した後、その後中止条件が満たされなくなった場合であっても、分岐退出支援の中止を所定の位置まで継続する。
【0092】
[ここまでのまとめ]
図11は、分岐退出支援が中止された場面の一例を示す図である。図11の上図に示すように路肩に存在する車両の最後尾に到達したとき(または対象位置に到達したとき)、自車両Mは分岐退出支援を中止する。その後、運転者が操舵および速度を制御する。図11の下図に示すように、分岐退出支援が中止した後、他車両がゆっくりと分岐車線に向けて進むため、最後尾は自車両Mの前方となり、運転者は、操舵および速度を制御して最後尾の後ろに余裕をもって自車両Mを進行させることができる。
【0093】
上記のように、運転支援装置100は、渋滞の状況に応じて分岐退出支援を適切に中止することで、渋滞の状況に応じた自車両Mの制御を実現することができる。
【0094】
上記の処理では、路肩の渋滞を判定するものとして説明したが、これに代えて(または加えて)、路肩は渋滞していないが、分岐車線が渋滞しており、且つ車両が走行車線L2から分岐車線L3に進入するためのスペースが分岐車線L3において存在しない場合、運転支援装置100は、対象位置で分岐退出支援を中止してもよい。対象位置とは、例えば、分岐車線L3の渋滞の最後尾の車両に到達した位置や、最後尾の車両付近の位置、最後尾の車両から所定距離手前の位置、分岐退出地点P、分岐退出地点Pから所定距離手前の位置である。
【0095】
上記の処理では、路肩の渋滞を判定するものとして説明したが、これに代えて(または加えて)、路肩と分岐車線とを跨いで渋滞している場合、運転支援装置100は、所定の位置で分岐退出支援を中止してもよい。例えば、路肩に少なくとも1台車両が存在し、その前方所定距離以内であって分岐車線L3に所定の台数(例えば2台)車両が存在している場合、運転支援装置100は、対象位置で分岐退出支援を中止してもよい。
【0096】
[渋滞が解消した際の処理]
運転支援装置100は、渋滞が解消した場合、スムーズに渋滞の判定を行えるように、上述した抑制フラグの設定を解除する。図12は、渋滞が解消した際の処理について説明するための図である。運転支援装置100は、図12の上図に示すように、分岐退出支援を中止した後、自車両Mの前方に渋滞が存在しない場合、抑制フラグの設定を解除する(立ち下げる)。運転支援装置100は、所定の位置(インターチェンジやジャンクション、走行車線に対して定められた位置)まで分岐退出支援を中止する。
【0097】
その後、自車両Mが所定の位置を通過すると、運転支援装置100は、渋滞の判定を再開する。自車両Mが所定の位置を通過し、且つ抑制フラグが解除されているという条件を満たしたことに応じて、運転支援装置100は、渋滞の判定を再開する。運転支援装置100は、図12の下図に示すように、分岐車線L3を通り越して(走行車線L2の走行を継続して)、または分岐車線L3を走行した後、次の分岐車線L4が存在する場合であっても、渋滞の判定を行うことができる。
【0098】
上記のように、運転支援装置100は、適切なタイミング(対象位置)で分岐退出支援の中止を行い、適切なタイミングで渋滞の判定を再開するため、適切に渋滞の判定と分岐退出支援の中止とを行うことができる。
【0099】
[自車両が車線変更したときに後方に渋滞が存在する場合の処理]
運転支援装置100は、自車両Mを車線変更させた後、自車両Mの前方の探索範囲が混雑していない場合、分岐退出支援を継続してもよい。図13は、分岐退出支援を継続する場面の一例を示す図である。自車両Mが走行車線L1を走行し、走行車線L2に車線変更したとき、自車両Mの後方の探索範囲が混雑し且つ自車両Mの前方の探索範囲が混雑していない場合、自車両Mは、分岐退出支援によって分岐車線L3に車線変更する。
【0100】
上記のように、運転支援装置100は、車線変更した後の探索範囲の状況に応じて分岐退出支援を実行するため、運転者にとって好適な車両の制御を実現することができる。
【0101】
[分岐車線に対する処理]
運転支援装置100は、分岐車線に探索範囲を設定する処理について説明する。図14は、分岐車線に設定された探索範囲の一例を示す図である。図14に示すように、運転支援装置100は、自車両Mの前方所定距離以内に分岐車線が存在する領域が存在する場合、探索開始条件を満たすと判定し、分岐車線に探索範囲AR1を設定してもよい。
【0102】
運転支援装置100は、探索範囲AR1内の車両を特定し、中止条件を満たす場合、渋滞している車両の最後尾または最後尾付近で分岐退出支援を中止する。図15は、分岐車線が渋滞している場面の一例を示す図である。運転支援装置100は、図15に示すように探索範囲AR1において渋滞が発生している場合、最後尾の車両OB1に到達した、または車両OB1付近に到達した場合、分岐退出支援を中止する。
【0103】
上記のように、運転支援装置100は、分岐車線において渋滞が発生している場合においても、探索範囲の状況に応じて分岐退出支援を実行するため、運転者にとって好適な車両の制御を実現することができる。
【0104】
上記の例では、運転支援装置100は、路肩が渋滞している否かに基づいて分岐退出支援の実行の可否を判定するものとしたが、これに代えて(または加えて)、路肩に所定の種別の物体(例えば車両、人)や、路肩に所定数以上の物体が存在している場合に、分岐退出支援を中止してもよい。すなわち、運転支援装置100は、路肩の状況に基づいて自車両Mを走行車線から分岐車線へ車線変更させるか否かを決定し、車線変更させると決定した場合、自車両Mを自動で車線変更させ、車線変更させないと決定した場合、自車両Mを自動で車線変更させないことにより、運転者にとって好適な車両の制御を実現することができる。
【0105】
以上説明した実施形態によれば、運転支援装置100は、自車両Mが走行している走行車線から走行車線から分岐する分岐車線に自車両Mが進行する予定である場合に、分岐車線の手前の路肩(または分岐車線)の状況に基づいて、自車両Mを走行車線から分岐車線へ車線変更させるか否かを決定し、車線変更させると決定した場合、自車両Mを自動で車線変更させ、車線変更させないと決定した場合、自車両Mを自動で車線変更させないことにより、運転者にとって好適な車両の制御を実現することができる。
【0106】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、
車両の周辺の状況を認識する処理と、
前記周辺の状況と前記車両が進行する予定の経路とに基づいて、前記車両が前記経路を進行するように前記車両の操舵を制御する処理と、
前記車両が走行している走行車線から前記走行車線から分岐する分岐車線に前記車両が進行する予定である場合に、前記分岐車線の手前の路肩の状況に基づいて、前記車両を前記走行車線から前記分岐車線へ車線変更させるか否かを決定する処理と、
前記車線変更させると決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させる処理と、
前記車線変更させないと決定した場合、前記車両を自動で前記車線変更させない処理と、を実行させる、
ように構成されている、制御装置。
【0107】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0108】
1 車両システム
100 運転支援装置
110 認識部
130 渋滞判定部
140 速度制御部
150 車線維持制御部
160 車線変更制御部
170 計画部
180 情報提供部
192 車両情報
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