IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立製作所の特許一覧

<>
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図1
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図2
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図3
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図4
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図5
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図6
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図7
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図8
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図9
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図10
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図11
  • 特開-運行ダイヤ作成装置および方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130971
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】運行ダイヤ作成装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 27/12 20220101AFI20240920BHJP
【FI】
B61L27/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040960
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 晶子
(72)【発明者】
【氏名】濱本 佳歩
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161JJ31
(57)【要約】
【課題】
決定変数の次元が膨大となる運行ダイヤの作成を数理最適化処理により、効率的に実現することを課題とする。
【解決手段】
交通機関の移動体の運行予定を示す運行ダイヤを作成するための運行ダイヤ作成装置10において、入力情報を受け付ける入力部11と、入力情報に基づいて、運行ダイヤの初期配置を生成するダイヤ初期配置生成部12と、初期配置に対するシミュレーション処理を実行して、前記移動体の乗降場所、乗り場、経路および前記移動体の移動順を示す順序を特定し、運行ダイヤの調整配置を作成するグラフ解析部13と、運行ダイヤの調整配置に対して、数理最適化処理を実行して目的関数を満たすような、運行ダイヤの時刻を決定する最適化処理部15を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機関の移動体の運行予定を示す運行ダイヤを作成するための運行ダイヤ作成装置において、
入力情報を受け付ける入力部と、
前記入力情報に基づいて、前記運行ダイヤの初期配置を生成するダイヤ初期配置生成部と、
前記初期配置に対するシミュレーション処理を実行して、前記移動体の乗降場所、乗り場、経路および前記移動体の移動順を示す順序を特定し、前記運行ダイヤの調整配置を作成するグラフ解析部と、
前記運行ダイヤの調整配置に対して、数理最適化処理を実行して目的関数を満たすような、前記運行ダイヤの時刻を決定する最適化処理部を有する運行ダイヤ作成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運行ダイヤ作成装置において、
前記運行ダイヤの初期配置および調整配置は、前記乗降場所および前記乗り場、その利用順および前記移動体の順序の軸を有する3次元グラフである運行グラフで表現される運行ダイヤ作成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の運行ダイヤ作成装置において、
前記移動体は列車であり、
前記運行グラフは、前記列車が利用する駅および番線を示す駅番線ノード、前記列車を区間ごとに区分した部分列車を示す部分列車ノード、前記駅番線ノードとこれを利用する部分列車を利用順序で接続する駅番線リンクおよび各列車が利用する線路およびその利用順序を示す線路リンクで構成される運行ダイヤ作成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の運行ダイヤ作成装置において、
前記最適化処理部は、前記列車の運行間隔および/または前記駅での停車時間の平準化の程度を示すKPI情報を用いて、前記運行ダイヤの時刻を決定する運行ダイヤ作成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の運行ダイヤ作成装置において
さらに、時間の範囲で確率的に変更した時間マージンを算出する時間マージン算出部を有し、
前記グラフ解析部は、前記運行ダイヤにおける最終決定前の時刻を算出し、
前記最適化処理部は、前記時間マージンの示す範囲で、前記最終決定前の時刻を調整することで、前記運行ダイヤの時刻を決定する運行ダイヤ作成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の運行ダイヤ作成装置において、
列車運行シミュレータにより、作成された前記運行ダイヤに応じたシミュレーションを実行することで、当該運行ダイヤを可視化した結果を出力する出力部をさらに有する運行ダイヤ作成装置。
【請求項7】
運行ダイヤ作成装置による交通機関の移動体の運行予定を示す運行ダイヤを作成するための運行ダイヤ作成方法において、
入力部により、入力情報を受け付け、
ダイヤ初期配置生成部により、前記入力情報に基づいて、前記運行ダイヤの初期配置を生成し、
グラフ解析部により、前記初期配置に対するシミュレーション処理を実行して、前記移動体の乗降場所、乗り場、経路および前記移動体の移動順を示す順序を特定し、前記運行ダイヤの調整配置を作成し、
最適化処理部により、前記運行ダイヤの調整配置に対して、数理最適化処理を実行して目的関数を満たすような、前記運行ダイヤの時刻を決定する運行ダイヤ作成方法。
【請求項8】
請求項7に記載の運行ダイヤ作成方法において、
前記運行ダイヤの初期配置および調整配置は、前記乗降場所および前記乗り場、その利用順および前記移動体の順序の軸を有する3次元グラフである運行グラフで表現される運行ダイヤ作成方法。
【請求項9】
請求項8に記載の運行ダイヤ作成方法において、
前記移動体は列車であり、
前記運行グラフは、前記列車が利用する駅および番線を示す駅番線ノード、前記列車を区間ごとに区分した部分列車を示す部分列車ノード、前記駅番線ノードとこれを利用する部分列車を利用順序で接続する駅番線リンクおよび各列車が利用する線路およびその利用順序を示す線路リンクで構成される運行ダイヤ作成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の運行ダイヤ作成方法において、
前記最適化処理部により、前記列車の運行間隔および/または前記駅での停車時間の平準化の程度を示すKPI情報を用いて、前記運行ダイヤの時刻を決定する運行ダイヤ作成方法。
【請求項11】
請求項7に記載の運行ダイヤ作成方法において
さらに、時間マージン算出部により、時間の範囲で確率的に変更した時間マージンを算出し、
前記グラフ解析部により、前記運行ダイヤにおける最終決定前の時刻を算出し、
前記最適化処理部により、前記時間マージンの示す範囲で、前記最終決定前の時刻を調整することで、前記運行ダイヤの時刻を決定する運行ダイヤ作成方法。
【請求項12】
請求項7に記載の運行ダイヤ作成方法において、
出力部により、列車運行シミュレータが作成された前記運行ダイヤに応じたシミュレーションを実行することで、当該運行ダイヤを可視化した結果を出力する運行ダイヤ作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務における計画を作成する技術に関し、その中でも特に、交通機関の運行ダイヤを作成するための運行ダイヤ作成装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交通機関は、社会インフラ系の事業の一例であり、業務を滞りなく実施することは不可欠である。このため、交通機関の業務において、滞りが発生すれば多くの人の社会生活に重大な影響を及ぼすことになる。そこで、交通機関の業務を滞りなく遂行する上では、事前に、いつ、どこで、何を行うか、との業務についての計画を立案しておくことが重要である。このように、事前に計画を立案すること、業務当日はその計画に沿って業務を行うことでスムーズに業務を実施することができる。この業務としては、交通機関の運行があり、その計画の一例としては、交通機関における運行ダイヤが挙げられる。
【0003】
かかる運行ダイヤ等の計画の作成については、脱属人的かつ客観的指標に基づいて行われることが望まれる。このためには、運行ダイヤの自動化により実現することが可能である。このような、自動的な運行ダイヤの作成に関しては、特許文献1が提案されている。特許文献1では、「移動体に遅延の影響の最小化や、乗客の利便性の向上の観点から複数の番線を効率的に割り当てる番線計画作成装置を提供する」ことを課題とする。このために、特許文献1の「番線計画作成装置101は、複数の番線の番線情報DB310と、少なくとも1台の移動体が番線を占有する時間を含む占有情報DB320とに基づき、複数の番線の中から移動体が占有する番線を選択する番線選択部を備える。番線決定部(番線選択部)は、計画条件作成部200及び番線計画最適化部240を備える」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-112960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、移動体、つまり、列車が使用する「駅」の滞在時間が定められていることを前提として、移動体が利用する「番線」を決定し、これに基づき、「番線」を含む番線計画が作成している。
【0006】
ここで、運行ダイヤ等の計画の作成においては、列車等の移動体における「駅」、「番線」、「線路」、「順序」および「時刻」を特定することが必要である。しかしながら、特許文献1では、上述のように、「番線」しか決定できない。このため、特許文献1では、他の「線路」などの要件を人手で定めることが必要であり、脱属人的かつ客観的指標に基づいた作成は困難であった。
【0007】
また、運行ダイヤの改正を含む運行ダイヤの作成においては、様々な制約を満たす複雑な問題を解決すること必要がある。このような、複雑な問題を解決する手法として、数理最適化(単に最適化)が提案されている。ここで、運行ダイヤの作成においては、多数の駅、経路、運行時間が長時間にわたることから、大量のデータ、情報を扱うことになる。
【0008】
このため、「駅」、「番線」、「線路」、「順序」および「時刻」のそれぞれを、数理最適化処理により求めようとすると、決定変数の次元が膨大になり、実際に運用することは非常に困難である。そこで、本発明では、このような課題を鑑み、運行ダイヤ等の計画の作成を効率的に実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明では、交通機関の移動体の運行予定を示す運行ダイヤの作成において、移動体の利用する駅、番線、線路および順序については、シミュレーションで特定し、時刻については数理最適化処理により特定する。
【0010】
より具体的な本発明の構成は、交通機関の移動体の運行予定を示す運行ダイヤを作成するための運行ダイヤ作成装置において、入力情報を受け付ける入力部と、前記入力情報に基づいて、前記運行ダイヤの初期配置を生成するダイヤ初期配置生成部と、前記初期配置に対するシミュレーション処理を実行して、前記移動体の乗降場所、乗り場、経路および前記移動体の移動順を示す順序を特定し、前記運行ダイヤの調整配置を作成するグラフ解析部と、前記運行ダイヤの調整配置に対して、数理最適化処理を実行して目的関数を満たすような、前記運行ダイヤの時刻を決定する最適化処理部を有する運行ダイヤ作成装置である。また、本発明には、運行ダイヤ作成装置による運行ダイヤ作成方法も含まれる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、大量データを扱う運行ダイヤの作成を効率的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態における運行ダイヤ作成装置10の機能ブロック図である。
図2】本発明の一実施形態における運行ダイヤ作成装置10の一実装例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態で用いられる対象列車情報171を示す図である。
図4】本発明の一実施形態で用いられる設備情報172を示す図である。
図5】本発明の一実施形態で用いられる制約条件情報173を示す図である。
図6】本発明の一実施形態で用いられる運行ダイヤ情報174を示す図である。
図7】本発明の一実施形態で用いられる運行ダイヤ情報174を有向グラフ化した運行グラフを示す図である。
図8】本発明の一実施形態における運行ダイヤの作成処理を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態におけるグラフ解析処理の詳細を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態におけるグラフ更新処理の詳細を示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態における他の運行グラフを示す図である。
図12】本発明の一実施形態における運行ダイヤの出力内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。また、以下に説明する構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明は省略することがある。
【0014】
<本実施形態の概要>
本実施形態では、制約条件を満たすようにダイヤ構成要素を特定することで、公共交通機関の移動体の運行予定を示す運行ダイヤを作成する。この運行ダイヤの作成により、交通機関の設備にその業務遂行に必要な複数の移動体が到着時刻や出発時刻(時刻)が決定される。ここで、設備とは、例えば、駅・駅プラットフォーム・線路、バス停、港、空港などが含まれる。また、移動体には、例えば、列車(鉄道車両)、バス車両、船舶、航空機などが含まれる。
【0015】
さらに、ダイヤ構成要素には、乗降設備、乗り場、経路、移動体の移動順および時刻が用いられる。ここで、乗降場所は、移動体を停車させ、利用者の乗降を行う場所である。乗降場所には、例えば、駅、バス停・バスターミナル・バスステーション、港、空港が含まれる。また、乗り場は、乗降場所内での移動体の発着領域を示す。乗り場には、番線、バス停、埠頭、エプロン・搭乗口が含まれる。なお、移動体として、バスが用いられる場合、乗降場所と乗り場が、バス停で一致することもある。
【0016】
さらに、経路は、乗降場所間などでの移動体が移動する経路を示す。経路には、例えば、線路、道路、航路などが含まれる。但し、経路については、乗降場所ないし乗り場からの方向、例えば、上り/下り、を特定できればよく、乗降場所間全体の経路でなくともよい。また、移動順は、運行ダイヤにおける移動体の発着、移動の時系列順を示す。また、時刻は、運行ダイヤにおける各移動体の乗降場所等の所定場所における発着、移動の時刻を示す。
【0017】
なお、本実施形態では、交通機関として、鉄道を例示する。このため、設備として駅、駅プラットフォーム、線路を用いる、また、移動体として、鉄道車両を用いる。そして、ダイヤ構成要素として、駅、番線、線路、鉄道車両の移動順および時刻が用いられる。
【0018】
本実施形態では、運行ダイヤ作成装置により、このような運行ダイヤの作成を行うが、これは、コンピュータまたはコンピュータシステム内に実現(実装)される。以下、この構成について、説明する。
【0019】
<構成>
図1は、本実施形態における運行ダイヤ作成装置10の機能ブロック図である。図1において、運行ダイヤ作成装置10は、入力部11、ダイヤ初期配置生成部12、グラフ解析部13、時間マージン算出部14、最適化処理部15、出力部16および記憶部17を有する。
【0020】
まず、入力部11は、運行ダイヤの作成指示や作成のための入力情報を受け付ける。また、運行ダイヤの作成を、ダイヤ改正のように既存の運行ダイヤを変更する場合、入力部11は、入力情報として変更指示情報を受け付けることになる。変更指示情報は、既存の運行ダイヤに対する変更の内容を示す情報であり、例えば、列車本数の増減、始発時刻の変更などが含まれる。
【0021】
また、ダイヤ初期配置生成部12は、入力情報に応じて、運行ダイヤの初期配置を作成する。この際、ダイヤ初期配置生成部12は、ダイヤ構成要素の一部の制約条件を考慮し、他のダイヤ構成要素の制約条件は考慮せず、運行ダイヤの初期配置を作成することが望ましい。この際、考慮されるダイヤ構成要素には、番線や線路が含まれる。また、考慮されないダイヤ構成要素には、移動順や時刻が含まれる。なお、これらのダイヤ構成要素の制約条件は、変更指示情報や既存の運行ダイヤに含まれる。
【0022】
また、グラフ解析部13は、シミュレーション処理により、ダイヤ構成要素のうち、駅、番線、線路および移動順を特定する。また、グラフ解析部13は、最終決定前の時刻を算出する。この結果、グラフ解析部13では、運行ダイヤの初期値配置を調整した調整配置を作成することになる。この調整配置や初期配置として、後述する有向モデルである運行モデルを用いることができる。
【0023】
ここで、時間マージン算出部14は、最終決定前の時刻に関して、算出された時間の範囲で確率的に変更した時間マージンを算出する。なお、時間マージン算出部14の機能は、グラフ解析部13に設けてもよい。また、最適化処理部15は、数理最適化処理を実行して目的関数を満たすように、時刻を特定する。このために、最適化処理部15では、数理最適化のための数理モデル(詳細は後述)の数式を用いて、数理最適化を実行する。
【0024】
また、出力部16は、作成された運行ダイヤなどを出力する。また、記憶部17は、対象列車情報171、設備情報172、制約条件情報173および運行ダイヤ情報174を記憶する。
【0025】
この運行ダイヤ作成装置10は、一つの物理的な計算機(コンピュータ)によって構成されることができる。あるいは、運行ダイヤ作成装置10は、各構成要素が別々の物理的な計算機によって実現されていてもよい。さらにまた、運行ダイヤ作成装置10は、一つ以上の物理的な計算機を備えた計算機システムに代えて、他種のシステム、例えば、物理的な計算リソース群上に実現されたシステムであってもよい。例えば、計算リソース群としては、クラウド基盤が挙げられ、そのシステムとしてはクラウドコンピューティングシステムが挙げられる。ここで、図2を用いて、本実施形態における運行ダイヤ作成装置10の一実装例を説明する。図2において、運行ダイヤ作成装置10は、サーバのようなコンピュータで実現でき、処理装置101、通信装置102、主記憶装置103および副記憶装置104を有し、これらはバスのような通信路を介して互いに接続されている。
【0026】
まず、処理装置101は、CPUなどのプロセッサで実現でき、後述する副記憶装置104に記憶されている運行ダイヤ作成プログラム105に従って演算を実行する。運行ダイヤ作成プログラム105については、後述する。また、通信装置102は、ネットワーク30と接続し、他の装置、システムとの通信を行う。
【0027】
また、主記憶装置103および副記憶装置104は、図1の記憶部17に該当する。そして、主記憶装置103は、副記憶装置104に記憶されている運行ダイヤ作成プログラム105や処理装置101での処理に用いられる各種情報、つまり、対象列車情報171、設備情報172、制約条件情報173および運行ダイヤ情報174等が展開される。また、副記憶装置104は、いわゆるストレージで実現でき、運行ダイヤ作成プログラム105、対象列車情報171、設備情報172、制約条件情報173および運行ダイヤ情報174を記憶する。また、副記憶装置104は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどの記憶媒体で実現してもよいし、ファイルサーバのような運行ダイヤ作成装置10とは別装置で実現してもよい。例えば、運行ダイヤ作成装置10には運行ダイヤ作成プログラム105を記憶し、ファイルサーバに対象列車情報171、設備情報172、制約条件情報173および運行ダイヤ情報174を記憶してもよい。
【0028】
ここで、運行ダイヤ作成プログラム105は、ダイヤ初期配置生成モジュール106、グラフ解析モジュール107、時間マージン算出モジュール108および最適化処理モジュール109で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。
【0029】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図1に示す構成は、以下のとおりである。
ダイヤ初期配置生成モジュール106:ダイヤ初期配置生成部12
グラフ解析モジュール107:グラフ解析部13
時間マージン算出モジュール108:時間マージン算出部14
最適化処理モジュール109:最適化処理部15
このため、処理装置101は、運行ダイヤ作成プログラム105に従って、ダイヤ初期配置生成部12、グラフ解析部13、時間マージン算出部14および最適化処理部15の処理を実行することになる。
【0030】
また、通信装置102は、ネットワーク30を介して、端末装置群25などと接続する。図2の例では、運行ダイヤ作成装置10は、クラウドコンピューティングシステムとして実現されるため、複数の各鉄道会社システムと接続する。この鉄道会社システムは、鉄道会社端末群21、23や鉄道会社サーバ22、24で構成される。
【0031】
この結果、運行ダイヤ作成装置10は、各鉄道会社の運行ダイヤを作成し、これを各鉄道会社システムに出力する。このため、鉄道会社システムは、作成された運行ダイヤを用いて、各鉄道会社の運行業務等を実現できる。この鉄道会社システムは、一般的なコンピュータシステムで実現できる。なお、図2では、対象列車情報171、設備情報172、制約条件情報173および運行ダイヤ情報174を運行ダイヤ作成装置10が記憶しているが、各鉄道会社システム(鉄道会社サーバ22、24)が、自社分のこれらの情報をきおくしてもよい。さらに、鉄道会社サーバ22、24が、運行ダイヤ作成装置10そのものもしくはその一部の機能を有してもよい。
【0032】
また、端末装置群25は、運行ダイヤ作成装置10の管理等のために用いられ、PC、スマートフォン、タブレット等のコンピュータで実現でき、図1における入力部11や出力部16を有する。なお、図1の入力部11および出力部16は、通信装置102として実現してもよい。さらに、端末装置群25は、単数であってもよいし、ネットワーク30を介さず運行ダイヤ作成装置10と接続してもよい。またさらに、運行ダイヤ作成装置10は、鉄道会社システムの一機能として、鉄道会社サーバ22、24として実現してもよい。以上で、本実施形態の構成についての説明を終わる。
【0033】
<情報>
次に、本実施形態で用いられる情報について説明する。図3は、本実施形態で用いられる対象列車情報171を示す図である。対象列車情報171は、列車(鉄道車両)ごとの駅(停車駅)における出発時刻を示す情報である。具体的には、列車を識別する列車番号ID、部分列車ID、停車駅および始発時刻の各項目を有する。ここで、列車番号とは、作成対象の運行ダイヤの列車、つまり、運行する列車を識別する項目である。また、部分列車IDとは、列車を、運行区間ごとに識別するための項目である。図3の例では、各駅ないし駅間を運行区間として区分している。このように、部分列車IDは、列車番号を区分したものである。このため、本実施形態では列車番号に枝番を付与して部分列車IDが構成される。また、部分列車IDが示す部分列車とは、列車の時系列順を示すもので、駅(番線)単位での管理に限定されない。
【0034】
また、停車駅は、ダイヤ構成要素の駅とその属性を示す。例えば、部分列車IDが110-1の停車駅A駅は、該当の列車の始発駅である。また、始発時刻は、該当の列車の始発時刻が記録される。なお、始発時刻は、始発駅であるA駅やC駅に記録されることになる。なお、対象列車情報171は、利用者の入力により作成されてもよいし、既存の運行ダイヤの少なくとも一部を用いてもよい。
【0035】
また、図4は、本実施形態で用いられる設備情報172を示す図である。設備情報172は、交通機関の設備に関する情報であり、本実施形態では番線情報172-1および線路情報172-2からなる。番線情報172-1は、駅ごとに利用可能な番線を示している。図4の例では、A駅では、1番線、2番線・・・が利用可能である。また、線路情報172-2は、区間ごとに列車が利用可能な線路を示す。例えば、A駅-B駅間では、線路R1001が利用される。
【0036】
また、図5は、本実施形態で用いられる制約条件情報173を示す図である。制約条件情報173は、作成対象の運行ダイヤに対する制約を示す情報である。このため、制約条件情報173は、項目ごとに制約条件が示される。なお、図5の例では、「A駅-B駅」間の駅間移動時間が例示される。ただし、これは線路情報172-2により、ダイヤ構成要素の線路における制約条件であることが把握できる。このように、制約条件情報173の各項目は、各ダイヤ構成要素と対応付けることができる。
【0037】
また、図6は、本実施形態で用いられる運行ダイヤ情報174を示す図である。運行ダイヤ情報174は、列車の運行計画を示す情報であり、複数のダイヤ構成要素から構成される。図6の例では、運行ダイヤ情報174は、列車番号、部分列車ID、停車駅、番線、到着時刻、出発時刻および線路で構成される。ここで、ダイヤ構成要素については、列車番号および部分列車IDが列車に相当し、到着時刻および出発時刻が時刻に相当する。また、順序については、レコードの到着時刻ないし出発時刻の時刻順がこれに該当する。さらに、番線および線路は、それぞれ同じ名称のダイヤ構成要素に該当する。さらに、運行ダイヤ情報174の各行が部分列車となる。
【0038】
またさらに、運行ダイヤ情報174については、有向グラフで示すことができる。図7は、本実施形態で用いられる運行ダイヤ情報174を有向グラフ化した運行グラフを示す図である。図7においては、運行グラフは、駅番線ノード81、部分列車ノード82、駅番線リンク83および線路リンク84で構成される。そして、ノード間がリンクで接続されている。以下、その詳細を説明する。
【0039】
まず、駅番線ノード81は、列車ないし部分列車ごとに利用する駅および番線を表し、図7では5つの駅番線ノード81が示される。また、部分列車ノード82は、該当の部分列車を示し、図7では6つの部分列車ノード82が示される。
【0040】
また、駅番線リンク83は、駅番線ノード81とこれを利用する部分列車を、利用する順序で接続する。この順序は、ダイヤ構成要素の順序に含まれ、図7では矢印の方向でその順序が示される。例えば、A駅1番線については、部分列車ID=110-1、123-1の順序で利用される。
【0041】
また、線路リンク84は、各列車が利用する線路およびその利用(移動)順序を示す。この順序は、ダイヤ構成要素の順序に含まれ、図7では矢印の方向でその順序が示される。例えば、列車番号=110の列車については、部分列車ID=110-1から線路=R1001を経由して移動して、部分列車ID=110-2で管理されることになる。
【0042】
またさらに、運行グラフは、駅・番線、その利用順序および列車の順序の3つの軸を有する、つまり、3次元グラフとして表現される。つまり、(1)駅番線ノード81により駅・番線を、(2)駅番線ノード81、部分列車ノード82および駅番線リンク83により駅・番線の利用順序を、(3)部分列車ノード82および線路リンク84により列車の順序の軸を示している。
【0043】
以上のように、駅番線リンク83および線路リンク84の矢印は、時系列順(順序)を意味している。なお、運行グラフにおいては、上述の時刻を含む完成した運行ダイヤ情報174に対応してもよいし、詳細な時刻が決定しない作成中の情報であってよい。また、この運行グラフを、運行ダイヤ情報174として記憶してもよいし、図6に示すような表形式の運行ダイヤ情報174と合わせて記憶してもよい。以上で、本実施形態で、用いられる情報の説明を終わる。
【0044】
<処理フロー>
次に、本実施形態における処理フローについて説明する。図8は、本実施形態における運行ダイヤの作成処理を示すフローチャートである。以下、本フローチャートに従って、運行ダイヤの作成処理を説明するが、この際、処理主体は図1に示す構成を用いる。
【0045】
まず、ステップS1において、入力部11が、運行ダイヤの作成のための入力情報を受け付ける。また、ステップS2において、ダイヤ初期配置生成部12が、入力情報に応じて、運行ダイヤの初期配置を作成する。ここで、入力情報には、作成対象の運行ダイヤにおける列車の、始発駅、経由駅、終着駅、始発時刻が分かればよい。このため、入力情報として、対象列車情報171を用いることができる。また、入力情報として、制約条件情報173から制約条件を抽出される。この制約条件には、上述したものの他、駅間の移動時間(列車によって速度が異なるならばそれもわかるようなもの)や駅に最低限停車しなければならない時間を用いてもよい。
【0046】
また、ステップS3において、グラフ解析部13が、シミュレーション処理により、ダイヤ構成要素のうち、駅、番線、線路および移動順を特定する。さらに、ステップS3において、グラフ解析部13は、最終決定前の時刻の調整を行うことが望ましいい。以上のステップS3の処理の一例には、グラフ解析処理がある。以下、その詳細を説明する。図9は、本実施形態におけるグラフ解析処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS31において、グラフ解析部13が、ステップS2で作成された初期配置を読込む。
【0047】
また、ステップS32において、グラフ解析部13が、初期配置に応じて、各ノードを特定、配置する。具体的には、グラフ解析部13は、初期配置から駅(停車駅)、番線および部分列車IDを抽出する。そして、グラフ解析部13は、これらから駅番線ノード81および部分列車ノード82を特定し、配置する。
【0048】
また、ステップS33において、グラフ解析部13が、駅番線ノード81と該当の駅番線を最初に発車する列車の部分列車ノード82を接続する。そして、ステップS34において、グラフ解析部13が、同駅・同進行方向(線路)の部分列車ノード82を出発時刻順に、駅番線リンク83で接続する。また、ステップS35において、グラフ解析部13が、各部分列車ノード82に対して、仮の出発時刻および到着時刻(仮発着時刻)を割り当てる。以上のステップS33~ステップS35により、仮発着時刻が割当てられた初期配置の運行グラフが作成されることになる。
【0049】
そして、ステップS36において、グラフ解析部13が、仮発着時刻を割り当てられた初期配置を示す運行グラフについての更新を行う。すなわち、グラフ解析部13は、運行ダイヤの初期配置のダイヤ構成要素に対して、制約条件を満たすような調整を行う。例えば、番線の制約条件が満たされない場合、グラフ解析部13は、所定の確率で制約条件が満たされる番線に変更する。また、時刻の制約条件が満たされない場合、グラフ解析部13は、満たされる範囲での最終決定前の時刻を算出する。以下、本ステップでのグラフ更新処理の詳細を説明する。
【0050】
図10は、本実施形態におけるグラフ更新処理の詳細を示すフローチャートである。まず、本フローチャートでは、全ての部分列車ノード82について、以降の処理を繰り返す。まず、ステップS361において、グラフ解析部13が、ステップS35で仮発着時刻が割当てられた運行ダイヤである運行グラフのうち、所定の部分列車ノード82を抽出する。そして、グラフ解析部13が、抽出された部分列車ノード82について、隣接する駅における駅番線ノード81間の部分列車ノードが時系列順に接続しているかを判定する。つまり、その順序に矛盾が無いかを判定する。この結果、時系列順に接続している場合(Yes)、ステップS364に遷移する。また、時系列順に接続していない場合(No)、ステップS362に遷移する。
【0051】
また、ステップS362において、グラフ解析部13が、矛盾のあった駅番線ノード81の駅番線が次の方向である部分列車ノード82の発着時刻をシフトする。このシフトの向き、分量は予め定められたものを用いることができる。
【0052】
また、ステップS363において、グラフ解析部13が、該当の部分列車ノード82の方向順に、以降の各部分列車ノードの発着時刻をシフトする。このシフトの向き、分量は予め定められたものを用いることができる。以上のステップS362~ステップS363により、グラフ解析部13は、同一駅の別番線になるように部分列車ノード82を繋ぎ直すことになる。
【0053】
また、ステップS364において、グラフ解析部13が、制約条件情報173を満たす範囲内の発着時刻および時間マージンを、該当の部分列車ノード82と対応付ける。この時間マージンは、時間マージン算出部14で算出されたものが用いられる。そして、グラフ解析部13は、運行グラフの各部分列車ノード82についてのステップS361~ステップS364を繰り返し、各部分列車ノード82に対する処理が終了した場合、ステップS365に遷移する。
【0054】
また、ステップS365において、グラフ解析部13が、運行グラフの各部分列車ノード82について時系列順であるかを判定する。この結果、各部分列車ノード82が時系列順である場合(Yes)、ステップS4に遷移する。また、時系列順でない部分列車ノード82がある場合(No)、ステップS361に遷移する。そして、時系列でない部分列車ノード82に対して、ステップS361以降の処理を実行する。この結果、グラフ解析部13では、運行ダイヤの初期配置を調整することになる。つまり、グラフ解析部13は、運行ダイヤの調整配置を作成している。
【0055】
以上の図10に示すグラフ更新処理によれば、各部分列車の時刻(仮発着時刻)について、その時系列が維持されるように、更新される。つまり、各部分列車が時系列通りになるように仮発着時刻を付与しながら、運行グラフ形状を変更していくことになる。仮発着時刻は、一定範囲のずれは制約条件の範囲ならば許容でき、本願明細書では、その範囲を時間マージンと呼んでいる。なお、時間マージンについては、後述の最適化処理でも用いられる。また、これらの処理において、駅番線リンク83に対して、時間マージンの付与において、CMOSアニーリング式の係数を利用する。また、以上の処理では、仮発着時刻を算出しているが、これらを省略してもよい。
【0056】
またさらに、グラフ更新処理については、以下のように実行することもできる。グラフ解析部13は、各部分列車ノード82の処理した場合においても、ノード更新処理を複数回行う。このことで、異なるグラフ形状を示す運行グラフについての解を算出できる。その結果、グラフ解析部13は、例えば、図11のような、図7とは異なる配置の運行グラフを得ることもできる。図11は、本実施形態における他の運行グラフを示す図である。図11の運行グラフは、図7と比較して、駅番線リンク83-3がなくなり、駅番線リンク83-7が追加されている。以上で、図10の説明を終わり、図8のステップS4以降の説明を行う。
【0057】
ステップS4において、最適化処理部15が、ステップS3で作成された運行ダイヤの調整配置である調整された運行モデルに対する最適化モデル係数を算出する。また、ステップS5において、最適化処理部15が、最適化モデル係数を用いて、運行モデルに対する最適化処理を実行する。
【0058】
以下、その具体例を説明する。最適化処理部15は、時間マージンを係数aiとして、(数1)を算出する(同一駅番線の利用)。
【0059】
【数1】
【0060】
ここで、(数1)のxiは0~1の間を取る連続変数で、ノードiの時刻を、所定の時刻tiから、時間マージンをai足した、ti+aiの範囲の間で、時刻を決定するための変数である。
【0061】
そして、最適化処理部15は、(数1)を用いて、数理モデルを示す(数2)を用いて最適化のための計算を実行する。つまり、運行ダイヤの全体において、連続する列車との間隔が均等になるように時刻を割当てる。ここで、(数2)における< >stは、駅番線について、リンク方向に隣り合うペアを表す。
【0062】
【数2】
【0063】
また、(数2)の代わりに、(数3)を用いてもよい。
【0064】
【数3】
【0065】
また、ステップS6において、最適化処理部15が、ステップS5の計算結果である最適化結果の評価を行う。例えば、最適化処理部15は、記憶部17に記憶されたKPI情報(図示せず)を用いて、所定の評価を行う。このKPI情報として、列車の運行間隔および/または駅での停車時間の平準化の程度を示す情報を用いることができる。また、最適化処理部15は、出力部16を介して、最適化結果を示す運行グラフを出力し、利用者からの評価結果を、入力部11を介して、受け付けてもよい。
【0066】
また、ステップS7において、最適化処理部15が、評価結果に応じて、最適化結果が示す運行ダイヤを作成する。この運行ダイヤは、ステップS6での評価に応じて修正されたものであってもよい。この際、列車運行シミュレータで、作成された運行ダイヤに応じたシミュレーションを実行して、運行ダイヤを可視化してもよい。この列車運行シミュレータは、運行ダイヤ作成装置10自身にその機能を設け、出力部16に可視化結果を出力してもよい。
【0067】
そして、ステップS8において、最適化処理部15は、出力部16を介して、運行ダイヤを出力する。ここで、出力部16での出力内容を説明する。図12は、本実施形態における運行ダイヤの出力内容を示す図である。図12において、運行ダイヤは、運行ダイヤ表で示されている。この運行ダイヤ表の出力では、所定の列車について、強調することができる。例えば、図12の太枠161にある3行は同一の列車番号110の列車の運行ダイヤを示す。そして、列車番号110については、駅Aを始発とし、駅Cと終着とする。より具体的には、列車番号110として運行される鉄道車両は、駅Aを出発した後、線路R1001を経由して、B駅に到着する。その後、列車番号110の鉄道車両は、線路R2001を経由し、駅Cに到着することになる。
【0068】
なお、本ステップにおいて、最適化処理部15は、作成された運行ダイヤを運行ダイヤ情報174として、記憶部17に記憶することになる。
【0069】
以上の本実施形態を纏めると、(1)グラフ解析部13がシミュレーション処理を実行し、(2)最適化処理部15が数理最適化処理を実行することで、運行ダイヤを作成するしている。そして、(1)については、3次元グラフである運行グラフが作成され、運行間隔などの評価値(KPI)を考慮して、具体的な時刻を調整することで、運行間隔(スジ間隔)を平準化することが望ましい。また、(2)については、線路や番線などの設備を、何番目にどの列車が使うように割り当て、運転時分や停車時分や列車間の時隔など考慮して、基準となる時刻を決定する。
【0070】
以上で、本実施形態の説明を終わるが、本発明の対象は、上述した鉄道における運行ダイヤに限定されず、バス等の他の交通機関の運行ダイヤの作成にも適用できる。さらに、作成対象は、運行ダイヤに限らず、様々な計画立案に適用できる。例えば、生産計画やトラックと等を利用した運送計画の作成にも適用できる。例えば、生産計画として、工場内外での各部品、半製品、製品の搬送や製造の予定を作成できる。このように、本発明は様々な分野に適用できる。このため、駅番線ノード81や部分列車ノード82については、単位ノード等の他の表現も含む各種ノードに置き換え可能である。
【符号の説明】
【0071】
10…運行ダイヤ作成装置、11…入力部、12…ダイヤ初期配置生成部、13…グラフ解析部、14…時間マージン算出部、15…最適化処理部、16…出力部、17…記憶部、21…会社端末群21、22…鉄道会社サーバ、23…会社端末群、24…鉄道会社サーバ、25…端末装置群、30…ネットワーク、101…処理装置、102…通信装置、103…主記憶装置、104…副記憶装置、105…運行ダイヤ作成プログラム、106…ダイヤ初期配置生成モジュール、107…グラフ解析モジュール、108…時間マージン算出モジュール、109…最適化処理モジュール、171…対象列車情報、172…設備情報、173…制約条件情報、174…運行ダイヤ情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12