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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131022
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ワイパ制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/08 20060101AFI20240920BHJP
   B60S 1/24 20060101ALI20240920BHJP
   H02K 11/21 20160101ALI20240920BHJP
【FI】
B60S1/08 Z
B60S1/24
H02K11/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041031
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】株式会社デンソーエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相馬 泰輝
(72)【発明者】
【氏名】天本 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】森田 学
【テーマコード(参考)】
3D225
5H611
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AD02
3D225AE02
3D225AE66
3D225AG21
5H611AA01
5H611BB01
5H611BB03
5H611QQ01
5H611QQ06
(57)【要約】
【課題】簡素な構成でワイパの回転角度を推定するワイパ制御装置を提供する。
【解決手段】ワイパ制御装置30の推定部64は、ワイパ90の動作状態が連続高速モードであるとき、ワイパモータ100のうち電圧が印加されるHi端子104とは異なる端子であるLo端子106の電圧を取得する。また、Lo端子106では、Hi端子104に電圧が印加されるとき周期性を有するノイズ電圧が発生する。さらに、このとき、推定部64は、Lo端子106の電圧に基づいて、ワイパ角度を推定する。また、推定部64は、ワイパ90の動作状態が連続低速モードであるとき、ワイパモータ100のうち電圧が印加されるLo端子106とは異なる端子であるHi端子104の電圧を取得する。Hi端子104では、ノイズ電圧が発生する。さらに、このとき、推定部64は、Hi端子104の電圧に基づいて、ワイパ角度を推定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1位置(Pd)および第2位置(Pu)を往復するワイパ(90)を駆動させるワイパモータ(100)のうち電圧が印加される第1端子(104、106)とは異なる端子であって前記第1端子に電圧が印加されるとき周期性を有するノイズ電圧(Vn)が発生する第2端子(106、104)の電圧を取得する取得部(S200)と、
前記第1端子に電圧が印加されるとき、前記第2端子の電圧に基づいて、前記ワイパの回転角度であるワイパ角度(θw)を推定する推定部(S210)と、
を備えるワイパ制御装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記第2端子の電圧が閾値(Vn_th)未満から前記閾値以上となるときの回数(N)に基づいて、前記ワイパ角度を推定する請求項1に記載のワイパ制御装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記第2端子の電圧が閾値(Vn_th)よりも大きいときから前記閾値以下となるときの回数(N)に基づいて、前記ワイパ角度を推定する請求項1に記載のワイパ制御装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記第1端子の電圧の変化に伴って、前記閾値を変更する請求項2または3に記載のワイパ制御装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記ワイパモータの温度の変化に伴って、前記閾値を変更する請求項2または3に記載のワイパ制御装置。
【請求項6】
前記推定部は、前記ワイパモータのトルクの変化に伴って、前記閾値を変更する請求項2または3に記載のワイパ制御装置。
【請求項7】
前記ワイパの位置が前記第1位置の直前であるとき、および、前記ワイパの位置が前記第2位置の直前であるときのどちらかであるとき、前記第1端子に供給される電力を減少させる駆動部(62)をさらに備える請求項1ないし3のいずれか1つに記載のワイパ制御装置。
【請求項8】
前記ワイパ制御装置は、オンすることにより、前記第1端子に電圧を印加させることで前記ワイパモータを回転させる駆動素子(35、45)をさらに備え、
前記駆動部は、前記ワイパの位置が前記第1位置の直前であるとき、および、前記ワイパの位置が前記第2位置の直前であるときのどちらかであるとき、前記駆動素子をオンオフさせることにより、前記第1端子に供給される電力を減少させる請求項7に記載のワイパ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイパ制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、ホールセンサで検出されたワイパモータのロータの回転数と、ワイパモータの減速機構の減速比とに基づいて基準位置からのワイパブレードの位置を算出するワイパ装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-43158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたワイパ装置では、ロータの回転数を検出するホールセンサが備えられる。これにより、ホールセンサ用の信号の配線が必要となることから、特許文献1に記載されたワイパ装置の構成が複雑化する。このため、ワイパ装置のコストが増加する。
【0005】
本開示は、簡素な構成でワイパの回転角度を推定するワイパ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、第1位置(Pd)および第2位置(Pu)を往復するワイパ(90)を駆動させるワイパモータ(100)のうち電圧が印加される第1端子(104、106)とは異なる端子であって第1端子に電圧が印加されるとき周期性を有するノイズ電圧(Vn)が発生する第2端子(106、104)の電圧を取得する取得部(S200)と、第1端子に電圧が印加されるとき、第2端子の電圧に基づいて、ワイパの回転角度であるワイパ角度(θw)を推定する推定部(S210)と、を備えるワイパ装置である。
【0007】
これにより、ロータの回転数を検出するホールセンサを設けることなく、ワイパ角度が推定される。このため、ホールセンサ用の信号の配線を設ける必要がなくなる。したがって、簡素な構成でワイパ角度が推定される。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態のワイパ制御装置が用いられるワイパ駆動システムの構成図。
図2】ワイパ駆動システムのワイパを示す図。
図3】ワイパ駆動システムのワイパモータのノイズ電圧と時間との関係図。
図4】ワイパ制御装置の駆動部の処理を示すフローチャート。
図5】ワイパ制御装置の推定部の処理を示すフローチャート。
図6】ワイパ駆動システムのワイパモータに印加される電圧と平滑化されたノイズ電圧と時間との関係図。
図7】一実施形態の変形例のワイパ制御装置が用いられるワイパ駆動システムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0011】
本実施形態のワイパ制御装置30は、車両のワイパ駆動システム1に用いられる。まず、このワイパ駆動システム1について説明する。
【0012】
ワイパ駆動システム1は、図1に示すように、モータユニット10、モータ用グラウンド12、モータ用電源14、ワイパスイッチ16およびワイパ制御装置30を備えている。
【0013】
モータユニット10は、ワイパモータ100を有する。ワイパモータ100は、Hi端子104、Lo端子106およびGND端子108を含む。Hi端子104およびLo端子106は、後述のワイパ制御装置30に接続されている。GND端子108は、モータ用グラウンド12に接続されている。ワイパモータ100は、Hi端子104への通電によって比較的高速で回転する。また、ワイパモータ100は、Lo端子106への通電によってHi端子104への通電時よりも低速で回転する。そして、ワイパモータ100の回転とワイパモータ100と接続された図示しないリンク機構により、図2に示すような車両のワイパ90が動作する。
【0014】
また、ワイパモータ100の回転により、ワイパ90は、図示しないウィンドシールド上の下反転位置Pdおよび上反転位置Puの間を往復する。このとき、ワイパモータ100は、図3に示すように、電圧が印加されていない端子にて、周期性を有して変動するノイズ電圧Vnが発生する特性を有する。さらに、ノイズ電圧Vnは、ワイパモータ100が回転している場合においてワイパモータ100の整流子とブラシとが接触および非接触を繰り返す際に瞬間的に大きくなる。また、後述のワイパスイッチ16がオフされるとき、ワイパ90が下反転位置Pdで停止するようワイパモータ100の回転が停止する。
【0015】
また、ここで、下反転位置Pdおよび上反転位置Puの間を往復するときのワイパ90の回転角度をワイパ角度θwとする。さらに、下反転位置Pdおよび上反転位置Puの間の角度を最大角度θmaxとする。最大角度θmaxは、例えば、140度である。また、ここでは、ワイパ角度θwの値は、ゼロ以上、2×θmax以下の範囲とする。さらに、ワイパ角度θwがゼロまたは2×θmaxであるときを、ワイパ位置Pwが下反転位置Pdであるときとする。また、ワイパ角度θwがθmaxであるときを、ワイパ位置Pwが上反転位置Puであるときとする。さらに、0<θw<θmaxであるときを、ワイパ90が下反転位置Pdから上反転位置Puに向かって回転するときとする。また、θmax<θw<2×θmaxであるときを、ワイパ90が上反転位置Puから下反転位置Pdに向かって回転するときとする。
【0016】
図1に戻って、モータ用電源14は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池および鉛蓄電池等の2次電池である。また、モータ用電源14の電圧は、例えば、12Vである。
【0017】
ワイパスイッチ16は、操作者により操作されて、ワイパ90の動作状態を後述する連続高速モード、連続低速モード、間欠モードおよび停止のいずれかにさせる信号を、後述のワイパ制御装置30の制御部60に出力する。
【0018】
ワイパ制御装置30は、ワイパモータ100に印加される電圧を制御することでワイパモータ100を制御する。これにより、ワイパ制御装置30は、ワイパモータ100に接続されているワイパ90の駆動を制御する。具体的には、ワイパ制御装置30は、Hiスイッチ35、Hi配線37、Loスイッチ45、Lo配線47および制御部60を有する。
【0019】
Hiスイッチ35は、リレーまたはトランジスタ等を含む。また、Hiスイッチ35の一端は、モータ用電源14と接続されている。さらに、Hiスイッチ35の他端は、Hi配線37を介してHi端子104に接続されている。また、Hiスイッチ35は、駆動素子に相当しており、後述の制御部60からの信号により、オンオフする。これにより、Hi端子104への通電または電流の遮断がされる。
【0020】
Loスイッチ45は、リレーまたはトランジスタ等を含む。また、Loスイッチ45の一端は、モータ用電源14と接続されている。さらに、Loスイッチ45の他端は、Lo配線47を介してLo端子106に接続されている。また、Loスイッチ45は、駆動素子に相当しており、後述の制御部60からの信号により、オンオフする。これにより、Lo端子106への通電または電流の遮断がされる。
【0021】
制御部60は、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、フラッシュメモリ、RAM、I/O、駆動回路、A/Dコンバータ、コンパレータ回路、DCDCコンバータ、ローパスフィルタおよびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。また、制御部60は、モータ用電源14または図示しない電源からの電圧によって駆動する。さらに、制御部60は、モータ温度推定部61、駆動部62および推定部64を機能ブロックとして有する。
【0022】
モータ温度推定部61は、制御部60に内蔵のプログラムを実行することにより、ワイパモータ100の温度を推定する。例えば、モータ温度推定部61は、図示しない検出装置と通信することにより、環境温度Teを取得する。また、モータ温度推定部61は、Hi配線37およびLo配線47に配置された図示しない電流検出部から、モータ電流Imを取得する。なお、図示しない検出装置では、例えば、サーミスタ等のデバイスが用いられることで、環境温度Teが検出される。さらに、モータ電流Imは、ワイパモータ100に流れる電流である。また、図示しない電流検出部では、例えば、シャント抵抗、カレントミラー回路またはホールIC等のデバイスが用いられることで、モータ電流Imが検出される。
【0023】
さらに、モータ温度推定部61は、取得したモータ電流Imと、Hi電圧Vm_HiまたはLo電圧Vm_Loとから、ワイパモータ100の電力を算出する。また、モータ温度推定部61は、算出した電力と、上記取得した環境温度Teと、マップとを用いて、ワイパモータ100の温度を推定する。さらに、モータ温度推定部61は、この推定したワイパモータ100に応じた信号を、後述の推定部64に出力する。なお、Hi電圧Vm_Hiは、Hi端子104の電圧である。また、Lo電圧Vm_Loは、Lo端子106の電圧である。さらに、環境温度Teが固定される場合に、上記電力が大きくなることに伴って、ワイパモータ100の発熱量が大きくなる。このため、ワイパモータ100の温度を推定するためのマップは、例えば、上記電力が大きくなることに伴って、ワイパモータ100の温度が高くなるように設定される。また、ワイパモータ100の電力が固定される場合に、環境温度Teとワイパモータ100の温度とが平衡される。このため、ワイパモータ100の温度を推定するためのマップは、例えば、環境温度Teが高くなることに伴って、ワイパモータ100の温度が高くなるように設定される。
【0024】
駆動部62は、制御部60に内蔵のプログラムを実行することにより、ワイパスイッチ16および後述の推定部64からの信号に基づいて、Hiスイッチ35およびLoスイッチ45のオンオフを制御する。これにより、駆動部62は、ワイパモータ100に印加される電圧を制御する。このため、ワイパ90の動作状態が連続高速モード、連続低速モード、間欠モードおよび停止のいずれかになる。
【0025】
推定部64は、制御部60に内蔵のプログラムを実行することにより、ワイパスイッチ16からの信号、ワイパモータ100の温度、Hi電圧Vm_HiおよびLo電圧Vm_Loに基づいて、ワイパ角度θwを推定する。また、推定部64は、この推定したワイパ角度θwに応じた信号を駆動部62に出力する。
【0026】
以上のように、ワイパ駆動システム1は、構成されている。次に、制御部60のプログラム実行による駆動部62でのワイパモータ100に印加される電圧の制御について、図4のフローチャートを参照して説明する。なお、制御部60のプログラムは、例えば、図示しない車両のイグニッションがオンされると、実行される。
【0027】
ステップS100において、駆動部62は、各種情報を取得する。具体的には、駆動部62は、ワイパ90の動作状態を連続高速モード、連続低速モードおよび間欠モードにさせる信号を、ワイパスイッチ16から取得する。また、駆動部62は、ワイパ角度θwを、推定部64から取得する。
【0028】
続いて、ステップS102において、駆動部62は、ステップS100にて取得したワイパスイッチ16からの信号に基づいて、ワイパスイッチ16がオンか否かを判定する。駆動部62は、ステップS100にてワイパ90の動作状態を連続高速モード、連続低速モードおよび間欠モードにさせる信号を取得したとき、ワイパスイッチ16がオンされていると判定する。その後、駆動部62の処理は、ステップS104に移行する。また、駆動部62は、ステップS100にてワイパ90の動作状態を停止させる信号を取得したとき、ワイパスイッチ16がオフされていると判定する。このとき、ワイパ90が停止してワイパ90を駆動させる必要がなくなるため、駆動部62の処理は、ステップS100に戻る。
【0029】
ステップS102に続くステップS104において、駆動部62は、ステップS100にて取得したワイパ角度θwがθmax-Δ以上、θmax未満であるか否かを判定する。これにより、駆動部62は、ワイパ位置Pwが上反転位置Puの直前であるか否かを判定する。また、駆動部62は、ステップS100にて取得したワイパ角度θwが2×θmax-Δ以上、2×θmax未満であるか否かを判定する。これにより、駆動部62は、ワイパ位置Pwが下反転位置Pdの直前であるか否かを判定する。なお、Δは、ワイパ位置Pwが下反転位置Pdまたは上反転位置Puの直前であるか否かが判定されるように、実験やシミュレーション等によって設定される。例えば、Δは、1~10度である。
【0030】
そして、ワイパ角度θwがθmax-Δ未満、または、θmaxであるとき、ワイパ位置Pwが上反転位置Puの直前でないため、駆動部62の処理は、ステップS106に移行する。また、ワイパ角度θwがθmaxよりも大きく2×θmax-Δ未満、または、2×θmaxであるとき、ワイパ位置Pwが下反転位置Pdの直前でないため、駆動部62の処理は、ステップS106に移行する。さらに、ワイパ角度θwがθmax-Δ以上、θmax未満であるとき、ワイパ位置Pwが上反転位置Puの直前であるため、駆動部62の処理は、ステップS108に移行する。また、ワイパ角度θwが2×θmax-Δ以上、2×θmax未満であるとき、ワイパ位置Pwが下反転位置Pdの直前であるため、駆動部62の処理は、ステップS108に移行する。
【0031】
ステップS104に続くステップS106において、駆動部62は、Hiスイッチ35またはLoスイッチ45をオンさせる。これにより、ワイパモータ100が回転することによりワイパ90が駆動される。
【0032】
ここで、例えば、操作者の操作により、ワイパスイッチ16がワイパ90の動作状態を連続高速モードにさせる信号を駆動部62に出力していたとする。このとき、駆動部62は、Hiスイッチ35をオンさせる。このため、モータ用電源14からHiスイッチ35、Hi配線37およびHi端子104を介してワイパモータ100に電圧が印加される。これにより、ワイパモータ100は、Lo端子106への通電時よりも高速で回転する。したがって、ワイパモータ100に接続されているワイパ90が高速で回転することにより、ワイパ90の動作状態が連続高速モードになる。なお、このとき、Loスイッチ45は、オフされている。
【0033】
また、例えば、操作者の操作により、ワイパスイッチ16がワイパ90の動作状態を連続低速モードにさせる信号を駆動部62に出力していたとする。このとき、駆動部62は、Loスイッチ45をオンさせる。このため、モータ用電源14からLoスイッチ45、Lo配線47およびLo端子106を介してワイパモータ100に電圧が印加される。これにより、ワイパモータ100は、Hi端子104への通電時よりも低速で回転する。したがって、ワイパモータ100に接続されているワイパ90が低速で回転することにより、ワイパ90の動作状態が連続低速モードになる。なお、このとき、Hiスイッチ35は、オフされている。また、ワイパ90の動作状態が間欠モードである場合には、駆動部62は、Loスイッチ45をオンさせる。これにより、ワイパモータ100が低速で回転する。また、ワイパ90が下反転位置Pdおよび上反転位置Puの間を往復してワイパ位置Pwが下反転位置Pdであるときに、駆動部62は、Loスイッチ45をオフさせる。このため、ワイパモータ100が一時停止することから、ワイパ90が一時停止する。その後、駆動部62は、Loスイッチ45をオンさせる。これにより、ワイパモータ100が低速で回転する。したがって、これらの動作により、ワイパ90は、間欠に下反転位置Pdおよび上反転位置Puの間を往復する。
【0034】
このように、駆動部62がHiスイッチ35およびLoスイッチ45の制御を行った後、駆動部62の処理は、ステップS100に戻る。
【0035】
ステップS104に続くステップS108では、ワイパ位置Pwが下反転位置Pdまたは上反転位置Puの直前である。このため、ステップS108において、駆動部62は、Hiスイッチ35またはLoスイッチ45のオンオフ制御を行うことで、ワイパモータ100に対してPWM制御を行う。これにより、駆動部62は、ワイパモータ100に供給される電力を減少させる。これによって、ワイパ90が減速することで、下反転位置Pdまたは上反転位置Puに滑らかに移動する。したがって、例えば、ワイパ位置Pwが下反転位置Pdまたは上反転位置Puであるときに発生するワイパ90の作動音が低減する。なお、PWMは、Pulse Width Modulationの略である。
【0036】
具体的には、ワイパ90の動作状態が連続高速モードであるとき、駆動部62は、Hiスイッチ35をHi用第1時間オンさせた後、Hi用第2時間オフさせる動作を繰り返す。また、ワイパ90の動作状態が連続低速モードであるとき、駆動部62は、Loスイッチ45をLo用第1時間オンさせた後、Lo用第2時間オフさせる動作を繰り返す。これらの動作により、ワイパモータ100に供給される電力が減少することから、ワイパ90が減速される。このため、ワイパ90の駆動が滑らかとなる。また、ワイパ90を停止する場合には、ワイパ90が下反転位置Pdで滑らかに停止する。なお、Hi用第1時間、Hi用第2時間、Lo用第1時間およびLo用第2時間は、ワイパモータ100に供給される電力が減少されてワイパ90の駆動が滑らかとなるように、実験やシミュレーション等によって設定される。また、Hi用第1時間、Hi用第2時間、Lo用第1時間およびLo用第2時間を変化させることによりワイパモータ100に供給される電力を徐々に変化させることで、ワイパ90の動作がより滑らかなものとなる。
【0037】
このように、駆動部62がHiスイッチ35およびLoスイッチ45のどちらかのオンオフ制御を行った後、駆動部62の処理は、ステップS100に戻る。
【0038】
以上のように、駆動部62は、ワイパモータ100に印加される電圧の制御を行う。次に、制御部60のプログラム実行による推定部64でのワイパ角度θwの推定について、図5のフローチャートを参照して説明する。なお、推定部64のステップS200の処理が開始されてからステップS200の処理に戻るまでの一連の動作の期間を、推定部64の制御周期τとする。
【0039】
ステップS200において、推定部64は、各種情報を取得する。具体的には、推定部64は、ワイパ90の動作状態を連続高速モード、連続低速モード、間欠モードおよび停止にさせる信号を、ワイパスイッチ16から取得する。また、推定部64は、ワイパモータ100の温度をモータ温度推定部61から取得する。さらに、推定部64は、Hi配線37を介してHi電圧Vm_Hiを取得する。また、推定部64は、Lo配線47を介してLo電圧Vm_Loを取得する。さらに、推定部64は、ワイパモータ100のトルクを図示しないトルク推定装置から取得する。なお、トルク推定装置では、例えば、図示しないウィンドシールドの状態、車速およびワイパモータ100の電力等によって、ワイパモータ100のトルクが推定される。
【0040】
ここで、例えば、ワイパ90の動作状態が連続高速モードであるとする。このとき、Hiスイッチ35がオンされる。このため、モータ用電源14からHiスイッチ35、Hi配線37およびHi端子104を介してワイパモータ100に電圧が印加される。これにより、図6に示すように、Hi電圧Vm_Hiは、所定の値になる。このとき、Loスイッチ45は、オフされているところ、ワイパモータ100の特性により、電圧が印加されていないLo端子106では、ノイズ電圧Vnが発生する。このため、このときのノイズ電圧Vnは、Lo電圧Vm_Loに対応する。なお、図6では、Hi電圧Vm_HiおよびLo電圧Vm_Loは、ローパスフィルタ等を介して取得されていることにより、平滑化されている。
【0041】
また、例えば、ワイパ90の動作状態が連続低速モードまたは間欠モードであるとする。このとき、Loスイッチ45がオンされる。このため、モータ用電源14からLoスイッチ45、Lo配線47およびLo端子106を介してワイパモータ100に電圧が印加される。これにより、Lo電圧Vm_Loは、所定の値になる。このとき、Hiスイッチ35は、オフされているところ、ワイパモータ100の特性により、電圧が印加されていないHi端子104では、ノイズ電圧Vnが発生する。このため、このときのノイズ電圧Vnは、Hi電圧Vm_Hiに対応する。
【0042】
また、ここで、上記したように、ノイズ電圧Vnは、ワイパモータ100が回転している場合においてワイパモータ100の整流子とブラシとが接触および非接触を繰り返す際に瞬間的に大きくなる。さらに、ワイパ90が下反転位置Pdから上反転位置Puまで移動する間および上反転位置Puから下反転位置Pdまで移動する間におけるノイズ電圧Vnがノイズ閾値Vn_th以上となるときの回数が、ワイパモータ100の構造により一意に決まる。したがって、ノイズ電圧Vnがノイズ閾値Vn_th以上となるときの回数またはノイズ電圧Vnがノイズ閾値Vn_thより大きいときからノイズ閾値Vn_th以下となるときの回数をパルス数Nとして計上することで、ワイパ角度θwの推定が可能である。
【0043】
また、ここで、ワイパモータ100に印加される電圧が変化することに伴って、ノイズ電圧Vnは、変化する。さらに、ワイパモータ100の温度が変化することに伴って、ノイズ電圧Vnは、変化する。また、ワイパモータ100のトルクが変化することに伴って、ノイズ電圧Vnは、変化する。したがって、ワイパモータ100に印加される電圧、ワイパモータ100の温度およびワイパモータ100のトルクにより、ノイズ閾値Vn_thを変更することが好ましい。
【0044】
このため、図5のフローチャートに示すように、ステップS200に続くステップS202において、推定部64は、ノイズ閾値Vn_thを算出する。具体的には、推定部64は、ステップS200にて取得したワイパモータ100の温度と、Hi電圧Vm_HiまたはLo電圧Vm_Loと、ワイパモータ100のトルクと、マップとを用いることにより、ノイズ閾値Vn_thを算出する。
【0045】
例えば、ワイパ90の動作状態が連続高速モードであるとする。この場合、推定部64は、ワイパモータ100の温度と、ワイパモータ100に印加される電圧であるHi電圧Vm_Hiと、ワイパモータ100のトルクと、マップとを用いることにより、ノイズ閾値Vn_thを算出する。また、例えば、ワイパ90の動作状態が連続低速モードまたは間欠モードであるとする。この場合、推定部64は、ワイパモータ100の温度と、ワイパモータ100に印加される電圧であるLo電圧Vm_Loと、ワイパモータ100のトルクと、マップとを用いることにより、ノイズ閾値Vn_thを算出する。なお、ノイズ閾値Vn_thを算出するためのマップは、例えば、ワイパモータ100の温度が低くなることに伴って、ノイズ閾値Vn_thが大きくなるように設定される。さらに、ノイズ閾値Vn_thを算出するためのマップは、例えば、ワイパモータ100に印加される電圧が大きくなることに伴って、ノイズ閾値Vn_thが大きくなるように設定される。また、ノイズ閾値Vn_thを算出するためのマップは、例えば、ワイパモータ100のトルクが大きくなることに伴って、ノイズ閾値Vn_thが大きくなるように設定される。
【0046】
続いて、ステップS204において、推定部64は、ステップS200にて取得したHi電圧Vm_HiおよびLo電圧Vm_Loのどちらかに対応するノイズ電圧Vnと、ステップS202にて算出したノイズ閾値Vn_thとを比較する。
【0047】
例えば、推定部64は、前回制御周期τ(n-1)におけるノイズ電圧Vn(n-1)がノイズ閾値Vn_th未満、かつ、今回制御周期τ(n)におけるノイズ電圧Vn(n)がノイズ閾値Vn_th以上であるか否かを判定する。これにより、推定部64は、ノイズ電圧Vnがノイズ閾値Vn_th以上となるときであるか否かを判定する。なお、ノイズ電圧Vn(0)は、例えば、ゼロである。また、推定部64は、前回制御周期τ(n-1)におけるノイズ電圧Vn(n-1)がノイズ閾値Vn_thよりも大きい、かつ、今回制御周期τ(n)におけるノイズ電圧Vn(n)がノイズ閾値Vn_th以下であるか否かを判定してもよい。これにより、推定部64は、ノイズ電圧Vnがノイズ閾値Vn_th以上であったときであるか否かを判定してもよい。
【0048】
そして、前回制御周期τ(n-1)におけるノイズ電圧Vn(n-1)がノイズ閾値Vn_th未満、かつ、今回制御周期τ(n)におけるノイズ電圧Vn(n)がノイズ閾値Vn_th以上であるとき、推定部64の処理は、ステップS206に移行する。また、前回制御周期τ(n-1)におけるノイズ電圧Vn(n-1)がノイズ閾値Vn_th未満、かつ、今回制御周期τ(n)におけるノイズ電圧Vn(n)がノイズ閾値Vn_th未満であるとき、推定部64の処理は、ステップS208に移行する。さらに、前回制御周期τ(n-1)におけるノイズ電圧Vn(n-1)がノイズ閾値Vn_th以上、かつ、今回制御周期τ(n)におけるノイズ電圧Vn(n)がノイズ閾値Vn_th以上であるとき、推定部64の処理は、ステップS208に移行する。また、ここでは、前回制御周期τ(n-1)におけるノイズ電圧Vn(n-1)がノイズ閾値Vn_th以上、かつ、今回制御周期τ(n)におけるノイズ電圧Vn(n)がノイズ閾値Vn_th未満であるとき、推定部64の処理は、ステップS208に移行する。
【0049】
ステップS204に続くステップS206において、ノイズ電圧Vnがノイズ閾値Vn_th未満からノイズ閾値Vn_th以上となるときである。このため、このとき、推定部64は、前回制御周期τ(n-1)におけるパルス数N(n-1)に1を加算することにより、今回制御周期τ(n)におけるパルス数N(n)を算出する。なお、ここでは、パルス数Nは、ノイズ電圧Vnがノイズ閾値Vn_th未満からノイズ閾値Vn_th以上となるときの回数である。さらに、パルス数N(0)は、例えば、ゼロである。また、パルス数Nは、ノイズ電圧Vnがノイズ閾値Vn_thより大きいときからノイズ閾値Vn_th以下となるときの回数であってもよい。
【0050】
ステップS204に続くステップS208において、ノイズ電圧Vnがノイズ閾値Vn_th未満からノイズ閾値Vn_th以上となるときではない。このため、このとき、推定部64は、今回制御周期τ(n)におけるパルス数N(n)を、前回制御周期τ(n-1)におけるパルス数N(n-1)とする。
【0051】
ここで、上記したように、ノイズ電圧Vnがノイズ閾値Vn_th以上となるときの回数、すなわち、パルス数Nから、ワイパモータ100の回転角度の推定が可能であるため、ワイパ角度θwの推定が可能である。
【0052】
このため、ステップS210において、推定部64は、上記算出した今回制御周期τ(n)におけるパルス数N(n)と、マップとに基づいて、ワイパ角度θwを推定する。また、推定部64は、この推定したワイパ角度θwに応じた信号を駆動部62に出力する。その後、推定部64の処理は、ステップS200に戻る。なお、パルス数Nからワイパ角度θwを推定するためのマップは、図示しないリンク機構およびワイパモータ100の特性、実験やシミュレーション等によって設定される。例えば、ワイパ90が下反転位置Pdおよび上反転位置Puを往復したときのパルス数Nが1000回であるとする。この場合、例えば、今回制御周期τ(n)におけるパルス数N(n)が500回であるとき、ワイパ角度θwは、最大角度θmaxと推定されるとともに、ワイパ位置Pwが上反転位置Puであると推定される。また、この場合、例えば、今回制御周期τ(n)におけるパルス数N(n)が1000回であるとき、ワイパ角度θwは、2×θmaxと推定されるとともに、ワイパ位置Pwが下反転位置Pdであると推定される。なお、このとき、パルス数Nは、リセットされてもよい。
【0053】
以上のように、推定部64は、ワイパ角度θwを推定する。次に、ワイパ制御装置30では、簡素な構成でワイパ角度θwが推定されることについて説明する。
【0054】
ワイパ90の動作状態が連続高速モードであるとする。このとき、推定部64は、ステップS200にて、ワイパモータ100のうち電圧が印加されるHi端子104とは異なる端子であるLo端子106の電圧を取得する取得部としての役割を果たす。また、Lo端子106では、Hi端子104に電圧が印加されるとき、周期性を有するノイズ電圧Vnが発生する。さらに、推定部64は、ステップS210にて、ステップS200にて取得したLo端子106の電圧に基づいて、ワイパ角度θwを推定する。なお、ワイパモータ100は、下反転位置Pdおよび上反転位置Puを往復するワイパ90を駆動させる。また、下反転位置Pdは、第1位置に相当する。さらに、上反転位置Puは、第2位置に相当する。また、ワイパ90の動作状態が連続高速モードであるとき、Hi端子104は、第1端子に相当する。さらに、ワイパ90の動作状態が連続高速モードであるとき、Lo端子106は、第2端子に相当する。
【0055】
また、ワイパ90の動作状態が連続低速モードまたは間欠モードであるとする。このとき、推定部64は、ステップS200にて、ワイパモータ100のうち電圧が印加されるLo端子106とは異なる端子であるHi端子104の電圧を取得する取得部としての役割を果たす。また、Hi端子104では、Lo端子106に電圧が印加されるとき、周期性を有するノイズ電圧Vnが発生する。さらに、推定部64は、ステップS210にて、ステップS200にて取得したHi端子104の電圧に基づいて、ワイパ角度θwを推定する。
【0056】
これにより、ロータの回転数を検出するホールセンサを設けることなく、ワイパ角度θwが推定される。このため、ホールセンサ用の信号の配線を設ける必要がなくなる。したがって、簡素な構成でワイパ角度θwが推定される。また、ここで、ワイパモータ100の回転に応じてオンオフするカムスイッチによりワイパ位置Pwが推定されることがある。これに対して、本実施形態のワイパ制御装置30は、上記構成によってワイパ位置Pwを推定するため、カムスイッチを備えなくてもよくなる。
【0057】
また、本実施形態のワイパ制御装置30では、以下に記載する効果も奏する。
【0058】
[1-1]推定部64は、パルス数Nに基づいて、ワイパ角度θwを推定する。これにより、ワイパ角度θwの推定がしやすくなる。なお、パルス数Nは、第2端子の電圧が閾値未満から閾値以上となるときの回数、および、第2端子の電圧が閾値よりも大きいときから閾値以下となるときの回数のどちらかに相当する。
【0059】
[1-2]ここで、ワイパモータ100に印加される電圧が変化することで、ノイズ電圧Vnは、変化する。また、ワイパモータ100の温度が変化することで、ノイズ電圧Vnは、変化する。さらに、ワイパモータ100のトルクが変化することで、ノイズ電圧Vnは、変化する。
【0060】
これに対して、推定部64は、ワイパ90の動作状態が連続高速モードであるとき、ステップS202にて、Hi電圧Vm_Hiの変化に伴って、ノイズ閾値Vn_thを変更する。また、推定部64は、ワイパ90の動作状態が連続低速モードまたは間欠モードであるとき、ステップS202にて、Lo電圧Vm_Loの変化に伴って、ノイズ閾値Vn_thを変更する。さらに、推定部64は、ステップS202にて、ワイパモータ100の温度の変化に伴って、ノイズ閾値Vn_thを変更する。また、推定部64は、ステップS202にて、ワイパモータ100のトルクの変化に伴って、ノイズ閾値Vn_thを変更する。
【0061】
これらにより、ノイズ電圧Vnとノイズ閾値Vn_thとの比較により算出されるパルス数Nの算出精度が向上する。このため、ワイパ角度θwの推定精度が向上する。
【0062】
[1-3]駆動部62は、ワイパ位置Pwが下反転位置Pdの直前であるとき、および、ワイパ位置Pwが上反転位置Puの直前であるときのどちらかであるとき、ワイパモータ100に供給される電力を減少させる。
【0063】
これにより、ワイパ90は、下反転位置Pdまたは上反転位置Puに滑らかに移動する。このため、ワイパ位置Pwが下反転位置Pdまたは上反転位置Puであるときに発生するワイパ90の作動音が低減する。
【0064】
(変形例)
上記実施形態では、駆動部62は、ステップS108にて、Hiスイッチ35またはLoスイッチ45のオンオフ制御を行う。これにより、駆動部62は、ワイパモータ100に供給される電力を減少させる。これに対して、駆動部62によりワイパモータ100に供給される電力を減少させる手段は、上記オンオフ制御であることに限定されない。例えば、駆動部62は、モータ用電源14に接続された図示しないDCDCコンバータを制御することにより、モータ用電源14からワイパモータ100に印加される電圧を降圧することにより、ワイパモータ100に供給される電力を減少させてもよい。
【0065】
また、上記実施形態において、推定部64は、ステップS210にて推定したワイパ角度θwに応じた信号を外部装置に出力してもよい。例えば、外部装置は、図7に示すように、ウォッシャ装置70である。ウォッシャ装置70は、推定部64からの信号に基づいて、図示しないウィンドシールドを洗浄するウォッシャ液を噴出するタイミングの制御を行う。例えば、ウォッシャ装置70は、推定部64によって推定されたワイパ角度θwがゼロまたは2×θmaxであるとき、すなわち、ワイパ位置Pwが下反転位置Pdであるとき、ウォッシャ液を噴出する。
【0066】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0067】
本開示に記載の取得部、推定部、駆動部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の取得部、推定部、駆動部およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の取得部、推定部、駆動部およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0068】
(本開示の観点)
[観点1]
第1位置(Pd)および第2位置(Pu)を往復するワイパ(90)を駆動させるワイパモータ(100)のうち電圧が印加される第1端子(104、106)とは異なる端子であって前記第1端子に電圧が印加されるとき周期性を有するノイズ電圧(Vn)が発生する第2端子(106、104)の電圧を取得する取得部(S200)と、
前記第1端子に電圧が印加されるとき、前記第2端子の電圧に基づいて、前記ワイパの回転角度であるワイパ角度(θw)を推定する推定部(S210)と、
を備えるワイパ制御装置。
[観点2]
前記推定部は、前記第2端子の電圧が閾値(Vn_th)未満から前記閾値以上となるときの回数(N)に基づいて、前記ワイパ角度を推定する観点1に記載のワイパ制御装置。
[観点3]
前記推定部は、前記第2端子の電圧が閾値(Vn_th)よりも大きいときから前記閾値以下となるときの回数(N)に基づいて、前記ワイパ角度を推定する観点1に記載のワイパ制御装置。
[観点4]
前記推定部は、前記第1端子の電圧の変化に伴って、前記閾値を変更する観点2または3に記載のワイパ制御装置。
[観点5]
前記推定部は、前記ワイパモータの温度の変化に伴って、前記閾値を変更する観点2ないし4のいずれか1つに記載のワイパ制御装置。
[観点6]
前記推定部は、前記ワイパモータのトルクの変化に伴って、前記閾値を変更する観点2ないし5のいずれか1つに記載のワイパ制御装置。
[観点7]
前記ワイパの位置が前記第1位置の直前であるとき、および、前記ワイパの位置が前記第2位置の直前であるときのどちらかであるとき、前記第1端子に供給される電力を減少させる駆動部(62)をさらに備える観点1ないし6のいずれか1つに記載のワイパ制御装置。
[観点8]
前記ワイパ制御装置は、オンすることにより、前記第1端子に電圧を印加させることで前記ワイパモータを回転させる駆動素子(35、45)をさらに備え、
前記駆動部は、前記ワイパの位置が前記第1位置の直前であるとき、および、前記ワイパの位置が前記第2位置の直前であるときのどちらかであるとき、前記駆動素子をオンオフさせることにより、前記第1端子に供給される電力を減少させる観点7に記載のワイパ制御装置。
【符号の説明】
【0069】
14 モータ用電源
16 ワイパスイッチ
35 Hiスイッチ
45 Loスイッチ
60 制御部
61 モータ温度推定部
62 駆動部
64 推定部
100 ワイパモータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7