(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131043
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041065
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 徳仁
(72)【発明者】
【氏名】落合 諭
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】画像中の先行車両の照明の判別をより簡便に行う。
【解決手段】電動車両に搭載されるバッテリの配達要求を受信する。バッテリを配達する配達者を選択する。電動車両のバッテリ施錠部の施錠を解除する解除キーを発行する。選択した配達者の端末に、電動車両の駐車場の位置情報と、解除キーと、を送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両に搭載されるバッテリの配達要求を受信する第1の受信手段と、
前記バッテリを配達する配達者を選択する選択手段と、
前記電動車両のバッテリ施錠部の施錠を解除する解除キーを発行する発行手段と、
前記選択手段が選択した前記配達者の端末に、前記電動車両の駐車場の位置情報と、前記解除キーと、を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記配達者の現在位置を取得する取得手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記配達者の端末に、前記位置情報を配達指示とともに送信する一方で、前期解除キーを、前記配達者の現在位置が、前記配達要求により配達する配達場所に基づいて設定される所定の位置に到達したタイミングで前記配達者の端末に送信することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記配達要求により配達する配達場所に基づいて設定される所定の位置が、前記配達場所から所定距離の地点であることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記配達要求により配達する配達場所に基づいて設定される所定の位置が、予測される前記配達場所への配達完了時間が所定の時間となる地点であることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記配達者の端末に、前記位置情報と前記解除キーとを同時に送信することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の受信手段は、前記配達要求として、バッテリの配達を行う期限を指定する配達要求を受信することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
端末に前記解除キーを送信した前記配達者から、バッテリの配達を取りやめる連絡を受信する第2の受信手段と、
前記バッテリの配達を取りやめる通知を受信した場合に、発行した前記解除キーを失効させる失効手段と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記選択手段は、配達者の候補となる配達候補者の情報が登録されたデータベースから前記配達者を選択することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記データベースに、前記配達候補者ごとに過去に通過したルートを格納する第1の格納手段をさらに備え
前記選択手段は、前記配達要求により配達する配達場所が、前記ルートに基づいて設定される所定範囲内である配達候補者から、前記配達者を選択することを特徴とする、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記データベースに、前記配達候補者ごとに、過去に配達を行った配達希望者ごとの回数を格納する第2の格納手段をさらに備え、
前記選択手段は、前記回数に基づいて、前記配達者を選択することを特徴とする、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記選択手段は、配達希望者からの配達要求に対して、前記配達希望者へ過去に配達を行った回数が所定回数以上である配達候補者から、前記配達者を選択することを特徴とする、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
バッテリの交換が完了したことを示す信号を前記電動車両の車載装置から受信したことに応じて、前記電動車両のユーザの端末へと通知を行う通知手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記送信手段は、前記配達要求に対して配達が可能な前記配達者の端末に、前記配達要求により配達する住所と前記電動車両の自動車登録番号とを送信することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
電動車両に搭載されるバッテリの配達要求を受信する受信工程と、
前記バッテリを配達する配達者を選択する選択工程と、
前記電動車両のバッテリ施錠部の施錠を解除する解除キーを発行する発行工程と、
前記選択工程において選択した前記配達者の端末に、前記電動車両の駐車場の位置情報と、前記解除キーと、を送信する送信工程と、
を備えることを特徴とする、情報処理方法。
【請求項15】
電動車両に搭載されるバッテリの配達要求を送信する送信手段と、
前記配達要求の結果の通知を表示する表示手段と、
を備える、通信端末と、
前記電動車両に搭載されるバッテリの配達要求を受信する受信手段と、
前記バッテリを配達する配達者を選択する選択手段と、
前記電動車両のバッテリ施錠部の施錠を解除する解除キーを発行する発行手段と、
前記選択手段が選択した前記配達者の端末に、前記電動車両の駐車場の位置情報と、前記解除キーと、を送信する送信手段と、
前記配達要求の結果を前記通信端末に通知する通知手段と、
を備える、情報処理装置と、
を備えることを特徴とする、バッテリ配達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両に搭載するバッテリの配達を行う技術が存在する。特許文献1には、配達候補者から選択された配達者によりバッテリの配達を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、配達者から要求元へとバッテリを直接配達する技術である。このような技術では、配達の受け取りの場に依頼者がいない場合、バッテリを受け取ることが困難である場合があった。
【0005】
したがって、本発明の目的は、配達時に依頼者がいない場合であっても車両のバッテリの配達を可能とし、利便性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
車両に搭載されるバッテリの配達要求を受信する第1の受信手段と、
前記バッテリを配達する配達者を選択する選択手段と、
前記車両のバッテリ施錠部の施錠を解除する解除キーを発行する発行手段と、
前記選択手段が選択した前記配達者の端末に、前記車両の駐車場の位置情報と、前記解除キーと、を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配達時に依頼者がいない場合であっても車両のバッテリの配達を可能とし、利便性を向上させることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4A】ユーザデータベースに記憶されている情報の例を示す図。
【
図4B】配達者データベースに記憶されている情報の例を示す図。
【
図4C】保管場所データベースに記憶されている情報の例を示す図。
【
図4D】バッテリデータベースに記憶されている情報の例を示す図。
【
図7】情報処理システムで実行される処理の例を示すフローチャート。
【
図8】配達者を選択する処理の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、車両に搭載されるバッテリの配達要求を受信し、バッテリを配達する配達者を選択する。また情報処理装置は、車両のバッテリ施錠部の施錠を解除する解除キーを発行し、選択した配達者の端末に、車両の駐車場の位置情報と、前記解除キーと、を送信する。本実施形態においては、情報処理装置はサーバであり、各処理結果に応じて車両の制御を行うことが可能であるものとするが、同様の動作が可能なのであれば例えば車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)などであってもよく、これらに限定されるわけではない。
【0011】
[実施形態1]
[システム]
以下、
図1を参照して、本実施形態に係るサーバである情報処理装置2を含むバッテリ配達システム1(以下、単に「システム」とも称する)について説明を行う。
図1は、サーバである情報処理装置によって可搬型バッテリの配達サービスを提供するシステムである。情報処理装置2は、インターネット等の通信ネットワークを介してユーザ装置3a~3c、通信端末5a及び5bと通信可能に接続され、配達サービスを運用する。
【0012】
図示のユーザ装置3a~3cは、充電済みバッテリの配達を希望し得るユーザが用いる装置である。ユーザ装置3a~3cは、ここでは電動車両102a~102cのユーザ(乗員)101a~101cが用いる通信端末を例示したものであり、ユーザの数が3に限られるわけではない。以下の説明において、ユーザ101a~101cを総称する場合或いは区別しない場合は、ユーザ101と表記する。また、電動車両102a~102cを総称する場合或いは区別しない場合は、電動車両102と表記する。更に、ユーザ装置3a~3cを総称する場合或いは区別しない場合はユーザ装置3と表記する。
【0013】
ユーザ装置3は、例えばユーザ101が有する、配達サービスの提供を受けるアプリケーションがインストールされたスマートフォン等とすることができる。また例えばユーザ装置3は、電動車両102の制御部の一部を構成する車載通信端末であってもよい。
図1の例では、ユーザ装置3aは情報処理装置2と通信が可能な携帯端末であり、ユーザ装置3b及び3cは電動車両102b及び102cに搭載される車載装置であって、電動車両102b及び102cの制御部の一部を構成する車載通信端末である。このようにユーザ装置3は、電動車両102に据え置かれた装置であってもよいし、電動車両102とは別の装置であってもよい。
【0014】
電動車両102は、車両に搭載される可搬型バッテリの電力により走行用モータを駆動して走行する車両である。電動車両102a、102cは電動二輪車を例示しており、電動車両102bは電動四輪車を例示している。電動車両102は、バッテリ施錠部を有しており、解除キーを入力することによってバッテリ施錠部の施錠が解除される。
【0015】
図示の通信端末4a~4cは、バッテリを配達する配達者となり得る配達候補者201a~201cが用いる通信端末を例示したものであり、配達候補者の数が3に限られるわけではない。以下の説明において、配達候補者201a~201cを総称する場合或いは区別しない場合は配達候補者201と表記し、また、配達候補者201のうち配達者として選択された者を配達者201と表記する。また、通信端末4a~4cを総称する場合或いは区別しない場合は通信端末4と表記する。配達候補者は、例えば、配達事業を行う企業に属する従業員、バッテリステーションに属する従業員、或いは、そうした企業に属しない一般人であり、配達候補者として事前に登録した者である。
【0016】
図1の例において、配達候補者201aは、自動四輪車202aによりバッテリの配達を行う者である。配達候補者201bは、自動二輪車(又は自転車)202bによりバッテリの配達を行う者である。配達候補者201bの通信端末4bはスマートフォン等の携帯端末である。配達候補者201cは、徒歩によりバッテリの配達を行う者である。配達候補者201cの通信端末4cはスマートフォン等の携帯端末である。
【0017】
保管場所300a、300bは、配達対象となるバッテリ6、すなわち交換バッテリ6が保管される充電施設を例示したものであり、保管場所の数が2に限られるわけではない。保管場所300a、300bを総称する場合或いは区別しない場合は、保管場所300と表記する。保管場所は、例えば、バッテリステーションや、電動車両の販売店・レンタル店・メンテナンス工場等である。通信端末5aは、保管場所300aの管理者が使用するパソコンであり、通信端末5bは、保管場所300bに据え置かれた充電装置の制御コンピュータである。通信端末5a及び5bを総称する場合或いは区別しない場合は通信端末5と表記する。情報処理装置2は通信端末5からの情報によって充電済みバッテリの在庫状況を確認することができる。
【0018】
[配達サービスの概要]
図2は本実施形態におけるバッテリの配達サービスの運用例を示す説明図である。本実施形態の配達サービスは、例えば、電動車両102のレンタルサービスの一形態であり、電動車両102をユーザ101の車両の駐車場にバッテリ6を配達する配達サービスである。この場合、電動車両102のレンタルの運用主体と、情報処理装置2を管理する配達サービスの運用主体とは同じであってもよい。この運用形態の場合、配達サービスの提供によって電動車両102のレンタルサービスの利用が向上する場合がある。本実施形態では、共通仕様或いは互換性のあるバッテリ6の利用を想定するが、仕様が異なるバッテリ6が混在していてもよい。
【0019】
この配達サービスでは、ユーザ装置3が情報処理装置2へ充電済みの交換バッテリ6の配達要求を送信する。
図2の例では、状態ST1で電動車両102aのユーザ装置3aが情報処理装置2へ配達要求を送信している。ユーザ装置3は、例えばユーザ101の入力に基づいて情報処理装置2へ配達要求を送信してもよい。これは、例えば配達サービスの提供を受けるアプリケーション内でユーザが入力した日時に配達を行うような配達要求であってもよい。また例えば、車載装置であるユーザ装置3が、電動車両102のバッテリ6の残量が少なくなると、ユーザ装置3が情報処理装置2へ充電済みの交換バッテリ6の配達要求を送信するようにしてもよい。
【0020】
情報処理装置2は、配達候補者201の通信端末4に、配達要求に対応可能か否かの問合せを送信する。
図2の状態ST1では配達候補者201a、201bの各通信端末4a、4bに問合せが送信されている。
【0021】
問合せには、充電済みバッテリ6の在庫状況(保管場所の情報)も含めることができる。配達候補者は問合せに対して通信端末4から回答する。
図2の例では状態ST1で、配達候補者201bは承諾し、配達候補者201aは辞退している。配達候補者201bが配達者として選択される。
【0022】
情報処理装置2は、配達者201bの通信端末4bに、配達要求の要求元であるユーザ101aの電動車両102aの駐車場の位置情報と、電動車両102aのバッテリを収納するバッテリ施錠部の施錠を解除する解除キーとを送信する。
【0023】
ここで、解除キーは、バッテリ施錠部との通信により施錠を解除する電子キーであってもよく、バッテリ施錠部に配達者201bが入力することにより施錠を解除可能な(例えば、所定桁数の記号により構成される)パスワードであってもよい。解除キーとしては、通信端末4を介して解除キーを受け取った配達者201が施錠を解除できる形式であればどのようなものが用いられてもよく、公知の任意の解除キーが採用可能である。
【0024】
解除キーは、情報処理装置2で照合可能な予め定められたルールに基づき発行される。例えば、情報処理装置2は、配達者が選択された場合に、選択された配達者の、後述するDB222に格納されるIDと、電動車両102の車両番号とを組み合せて解除キーを発行してもよい。ここでは、解除キーは、発行してから所定時間の有効時間が設定され、有効時間を経過すると失効するものとするが、これは一例であり特にこのように限定されるわけではない。
【0025】
本実施形態に係る情報処理装置2は、配達者の選択が行われたことに応じて解除キーを発行し、発行した解除キーを通信端末4へと送信する。この解除キーの発行及び送信タイミングは一例であり、例えば解除キーの発行は、情報処理装置2が配達要求を受信したことに応じて行われてもよい。
【0026】
本実施形態においては、解除キーを用いた認証によって、配達者201により電動車両102aのバッテリ施錠部の解除が行われる。次いで、情報処理装置は、バッテリの交換が完了したことを示す情報を車両102aから受信することができ、その場合には交換が完了した旨の通知をユーザ装置3aに送信してもよい。
【0027】
ここで、駐車場は、電動車両102aの駐車を行う位置として、ユーザ101aに対応付けられて情報処理装置2に登録される地点である。本実施形態に係る駐車場としては、例えばユーザ101の住所が用いられてもよく、ユーザ101が設定した駐車場の住所が用いられてもよい。
【0028】
配達者は充電済みバッテリを取得して、配達要求の要求元であるユーザの電動車両の駐車場へバッテリを搬送する。
図2の例では、状態ST2において、配達者201bは保管場所300aに出向いて充電済みの交換バッテリ6を受け取る。保管場所300aは、配達者201bの所属企業の保管場所であってもよいし、情報処理装置2からの情報により配達者201bが選んだ保管場所であってもよい。その後、配達者201bは配達要求の要求元である電動車両102aの駐車場へ交換バッテリ6を配達する。配達者201bは、解除キーを用いて駐車場の電動車両102aのバッテリ施錠部の施錠を解除し、交換バッテリ6を電動車両102aに取り付ける(又は交換する)。これにより一回のサービスが終了する。このサービスにより、配達要求の要求元であるユーザ101aの電動車両102aに対して、ユーザと配達者との間のやり取りを不要とした上でバッテリ6が配達されることになる。使用済みのバッテリは配達者201bが持ち返る。
【0029】
[ユーザ装置及び通信端末の構成例]
図3は、情報処理装置2のブロック図である。情報処理装置2は、処理部21、記憶部22、通信部23を含む。処理部21は、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行する。記憶部22は、RAM、ROM、ハードディスクなどの記憶デバイスである。通信部23は、通信ネットワークを介してユーザ装置3、通信端末4及び5と通信可能な有線又は無線の通信インタフェースを含む。
【0030】
記憶部22には、処理部21が実行するプログラムの他、各種のデータが格納される。
図3の例では記憶部22に格納されるデータとして、データベース(DB)221~224が例示されている。DB221は、配達サービスの提供を受けるユーザ101の情報が登録されているDBであり、DB221をユーザDB221と呼ぶ場合がある。DB222は、配達候補者201の情報が登録されているDBであり、DB222を配達者DB222と呼ぶ場合がある。DB223は、保管場所300の情報が登録されているDBであり、DB223を保管場所DBと呼ぶ場合がある。DB224は、交換バッテリ6の情報が登録されているDBであり、DB224をバッテリDBと呼ぶ場合がある。なお、DB221、DB222、DB223、及びDB224は、それぞれ別個のデータベースとしてもよいし、まとめて1つのデータベースとしてもよい。
【0031】
なお、本実施形態では、本実施形態では、配達サービスの提供を受けるユーザ、配達候補者のいずれも事前に会員登録を行う例を想定している。電動車両102がレンタル車両である場合、会員登録はレンタル中に有効な一時会員としてもよい。なお、会員登録を行っていない者も配達サービスに参加できる運用形態であってもよい。
【0032】
図4Aは、ユーザDB221に蓄積された情報の例を示している。ユーザDB221には、ユーザ101毎(ユーザ装置3毎)のレコードが蓄積されている。「ID」は個々のユーザ101を識別するためのコードである。電動車両102がレンタル車両である場合、個々の電動車両を識別するためのコードであってもよい。「アドレス」は、そのユーザ101のユーザ装置3と情報処理装置2とが通信を行うために通信先を特定する情報であり、例えば、端末識別番号、MACアドレスやEメールアドレスである。また、本実施形態に係るIDとして、例えばユーザ101の車両の自動車登録番号(車両ナンバー)が用いられてもよい。「配達要求」は、そのユーザ101が現在、配達要求を行っているか否かのステータス情報であり、「有」は配達要求中であることを、「無」は配達要求中ではないことを示す。
【0033】
「配達条件」は、ユーザ101が配達要求中である場合にその条件を示す情報であり、本実施形態においては配達先である電動車両102の駐車場の位置を示す情報(配達場所)を含む。図示の例では、「配達条件」に含まれる情報として「配達場所」と「時間」が例示されている。「時間」は、バッテリを受け取る時間に関する情報であり、具体的な時刻情報(例えば午後2時)であってもよいし、時間帯(午後1時~午後2時)といった情報である。本実施形態においては、ユーザ101からの配達要求において各配達条件の指定が行われる。また本実施形態においては、配達場所として駐車場が用いられ、とくに、駐車場としてはユーザ101の住所が登録されている。
【0034】
「認証許可」は、解除キーを発行することによる交換バッテリ6の交換を希望しているか否かを示すステータス情報である。ここでは、認証許可が「有」である場合には認証キーを発行し、本実施形態において説明するバッテリの配達処理を行うものとし、「無」である場合には解除キーを発行しないものとする。ここで、解除キーを発行しない場合は、配達自体を行わないようにしてもよく、配達は行うが解除キーを用いたバッテリの交換を行わない(ユーザ101自身が交換する)ような形式としてもよい。
【0035】
図4Bは、配達者DB222に蓄積された情報の例を示している。配達者DB222には、配達候補者毎(会員毎)のレコードが蓄積されている。「ID」は個々の配達候補者201を識別するためのコードである。「アドレス」は、その配達候補者の通信端末4と情報処理装置2とが通信を行うために通信先を特定する情報であり、例えば、端末識別番号、MACアドレスやEメールアドレスである。
【0036】
「対応可能条件」は、配達要求に対してその配達候補者201が対応できる条件を示す情報である。この情報は、主に、配達要求があった場合に、問合せの対象とする配達候補者を検索するために用いられる情報である。図示の例では、「スケジュール」と「エリア」が例示されている。「スケジュール」とは、配達候補者201が配達を行える日時に関する情報である。その種類としては、例えば、平日のみ、休日のみ、午後のみ、午前のみ、制限なし、等を挙げることができる。「エリア」とは、配達候補者201が配達を行える地図上の範囲に関する情報である。その種類としては、例えば、○○市のみ、○○地方全域、制限なし、等を挙げることができる。
【0037】
「輸送方法」は、その配達候補者201のバッテリ6の輸送方法に関する情報である。この情報は、主に、配達要求があった場合に、配達希望者にバッテリ6が届けられる時間の推定に用いられる情報である。その種類としては、「バイク」、「徒歩」、「自動車」等を挙げることができる。
【0038】
図4Cは、保管場所DB223に蓄積された情報の例を示している。保管場所DB223には、バッテリ6の保管場所毎のレコードが蓄積されている。「ID」は個々の保管場所300を識別するためのコードである。「アドレス」は、その保管場所の通信端末5と情報処理装置2とが通信を行うために通信先を特定する情報であり、例えば、端末識別番号、MACアドレスやEメールアドレスである。「所在地」は、その保管場所300の地理的な位置を示す情報である。「在庫数」は、その保管場所300が保管している充電済みのバッテリ6の数である。情報処理装置2と通信端末5との周期的な通信によって、情報処理装置2は「在庫数」の情報を取得し、保管場所DB223を更新する。
【0039】
図4Dは、バッテリDB224に蓄積された情報の例を示している。この情報は、本実施形態に係る配達サービスにおいて取り扱われているバッテリごとに登録される情報である。「ID」は個々のバッテリを識別するためのレコードである。「状態」は、バッテリのレンタルに関わる状態を特定する情報である。「状態」の情報は、主に、そのバッテリが配達可能であるか否かを参照するために用いられる。ここでは、「状態」は、バッテリの充電状態を示す「充電状態」と、レンタル状態を示す「貸出状態」とを含んでいる。「充電状態」は、例えば「充電完了」と「充電中」とによって示される。また、「貸出状態」は、例えば「レンタル可」と「レンタル中」とによって示される。「所在」は、そのバッテリが位置する所在を特定する情報であり、例えば保管されている保管場所のIDにより示されてもよく、そのバッテリをレンタルしているユーザ101のIDにより示されてもよい。バッテリDB224に格納される情報は、例えば後述する
図7におけるS20において更新される。
【0040】
図5Aはユーザ装置3のブロック図であり、特に、ユーザ装置3b及び3cのような車載装置の構成を例示している。ユーザ装置3は、制御回路30、表示部31、入力部32、GPS(Global Positioning System)センサ33、開閉センサ34、施錠部35、電流・電圧センサ36を含む。なお、
図5はユーザ装置3が車載装置である場合の構成の一例であり、ユーザ装置3がユーザ装置3aのような携帯端末である場合の構成については
図5Bを参照して後述する。
【0041】
制御回路30は、処理部30a、記憶部30b、通信部30c、I/O(入出力インタフェース)30dを含む。処理部30aは、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶部30bに記憶されたプログラムを実行する。記憶部30bは、RAM、ROMなどの記憶デバイスである。
【0042】
通信部30cは、通信ネットワークを介して情報処理装置2と通信可能な無線通信端末、又はスマートフォン等と近距離通信が可能な無線通信端末を含む。また、通信部30cは、電動車両102が備える他の制御部(図示の例では駆動制御部37)とローカルネットワークを介して有線通信を行う通信端末も含み、制御回路30は駆動制御部37に対して動作指示を送信することができる。駆動制御部37は、バッテリ6の電力により走行用モータMを駆動する制御部である。
【0043】
I/O30dは、制御回路30と外部デバイス(表示部31、入力部32、GPSセンサ33、開閉センサ34、施錠部35、電流・電圧センサ36等)との間で、信号の入出力を行うインタフェースである。
【0044】
表示部31は、表示により情報をユーザ101に報知する装置であって、例えば、電子画像の表示装置である。ユーザ101に対する報知は音声であってもよく、或いは、音声と表示の組み合わせであってもよい。入力部32はユーザ101の指示を受け付ける装置であり、例えば、スイッチである。表示部31と入力部32とはタッチパネル式ディスプレイを構成してもよい。
【0045】
GPSセンサ33は、電動車両102の現在位置を検知するセンサである。開閉センサ34は電動車両102のバッテリ6の収納部(不図示)を開閉する収納扉の開閉状態を検知するセンサである。バッテリ6の交換時には、この収納扉を開放して収納部からバッテリ6を取り出し、交換バッテリ6が収納部に収納される。その後、収納扉は閉鎖されて交換バッテリ6の電力を電動車両102が利用可能となる。施錠部35は収納扉を閉状態に施錠する施錠機構である。施錠部35の施錠と解錠は電動車両102の始動キー等により可能である。施錠部35には、施錠及び解錠を行うモータ、電磁ソレノイド等のアクチュエータを備えており、アクチュエータの動作は制御回路30によって制御可能である。特定の電子キーを用いた解錠指示があると制御回路30は施錠部35を解錠する。
【0046】
電流・電圧センサ36は、バッテリ6に供給される電流・電圧及びバッテリ6が放電する電流・電圧を計測するセンサである。制御回路30は周期的に電流・電圧センサ36の検知結果を取得してバッテリ6の残量を演算する。演算結果は記憶部30bに残量情報として記憶し、更新する。
【0047】
図5Bはユーザ装置3の別の構成例のブロック図であり、特に、ユーザ装置3aのような、電動車両102とは別の装置の構成例を示している。また、本実施形態においては、通信端末4もユーザ装置3aと同様の構成を有するものとする。
【0048】
ユーザ装置3は、処理部38a、記憶部38b、通信部38c、表示部38d及びGPSセンサ38eを含む。処理部38aは、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶部38bに記憶されたプログラムを実行する。記憶部38bは、RAM、ROMなどの記憶デバイスである。記憶部38bに記憶されたプログラムには、本実施形態の配達サービスを利用するためのアプリケーションプログラムも含まれる。アプリケーションプログラムは、情報処理装置2からダウンロードされてもよいし、CD-ROM等の記憶媒体で配布されてもよい。
【0049】
通信部38cは、通信ネットワークを介して情報処理装置2と通信可能な無線通信端末や、電動車両102に搭載された車載装置と近距離通信が可能な無線通信端末を含む。表示部38dは、入力機能を備えた電子画像の表示装置であり、例えば、タッチパネル式ディスプレイである。GPSセンサ38eはユーザ装置3の現在位置を検知するセンサである。
【0050】
図6は、通信端末の構成例を示すブロック図である。通信端末4は、処理部41、記憶部42、通信部43、表示部44及びGPSセンサ45を含む。処理部41は、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶部42に記憶されたプログラムを実行する。記憶部42は、RAM、ROMなどの記憶デバイスである。記憶部42に記憶されたプログラムには、本実施形態の配達サービスを配達者として利用するためのアプリケーションプログラムも含まれる。アプリケーションプログラムは、情報処理装置2等の情報処理装置からダウンロードされてもよいし、CD-ROM等の記憶媒体で配布されてもよい。
【0051】
通信部43は、通信ネットワークを介して情報処理装置2と通信可能な無線通信端末である。表示部44は、電子画像の表示装置であり、例えば、タッチパネル式ディスプレイである。GPSセンサ45は通信端末4の現在位置(つまり配達者の現在位置)を検知するセンサである。
【0052】
[処理例]
バッテリ配達システム1における情報処理装置2が行う処理例について、
図7及び
図8を参照して説明する。
図7に示される処理は、例えばユーザ装置3において配達サービスを利用するためのアプリケーションを起動したタイミングで実行される。
図7は、ユーザ装置3と、情報処理装置2と、通信端末4と、が協働して行うバッテリ配達システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。S1~S9はユーザ装置3で行われる処理であり、S11~S20は情報処理装置2で行われる処理であり、S21~S23は通信端末4で行われる処理である。
【0053】
S1でユーザ装置3は、アプリケーション上でのユーザの入力を受け付ける。ここでユーザ装置3は、例えば配達の時間などの配達条件に関する入力を受け付けることができる。S2でユーザ装置3は、S1において入力された配達条件に基づいて、交換バッテリ6の配達要求を情報処理装置2に送信し、処理をS11に進める。
【0054】
情報処理装置2は、S2で配達要求が送信されたことに応じて、S11の処理を開始する。S11で情報処理装置2は、配達要求を受信する。S12で情報処理装置2は、保管場所DB223から、配達要求で指定された配達場所に基づいて、保管場所300を1又は複数選択する。例えば、「所在地」(
図4C)を参照して配達要求で指定された配達場所から一定の距離内にある保管場所300が選択される。
図9Aはその一例であり、電動車両102の駐車場の位置が配達場所であることが想定されている。ユーザ101から一定の距離の範囲である領域400に含まれる保管場所300c、300dが選択され、領域400外の保管場所300e、300fは選択されない。なお、保管場所300の選択をせず、すべての保管場所の情報を配達候補者201の端末4に配達問合わせとして送信するようにしても良い。
【0055】
S13で情報処理装置2は、少なくとも一つの保管場所300をS12の処理で選択できた場合には処理をS15に進め、そうでない場合には処理をS14に進める。S14で情報処理装置2は、配達要求を送信したユーザ装置3に、配達要求が受け付けられなかったことを示す通知を送信し、処理をS3に進める。S3でユーザ装置3は配達要求が受け付けられなかったことを示す通知をユーザに表示し、処理を終了する。
【0056】
S15で情報処理装置2は配達者を選択する。ここでは、情報処理装置2は、配達候補者201の端末4に問合せを送信し、問合せに対する応答(S21)によって配達者を選択することができる。
【0057】
図8は、S15及びS21において行われる処理の例を示すフローチャートである。S151~S158は情報処理装置2で行われる処理であり、S151及びS152は通信端末4で行われる処理である。
【0058】
S151で情報処理装置2は、配達者DB222を検索し、問合せの送信対象とする1又は複数の配達候補者201を選択する。選択候補者201としては、配達先の位置又は配達先となる駐車場の位置及び現在時刻と、配達候補者201の対応可能条件とを対比して、配達可能と推測される配達候補者201が選択される。
【0059】
配達候補者201は、配達場所、S12で選択した保管場所300、及び、配達候補者201の「エリア」情報(
図4B)に基づいて選択することができる。
図9Bはその一例を示す説明図である。図示の例では、保管場所300c、300dが選択されている。「エリア」情報の一例であるエリア401は、保管場所300c、300d及び配達場所(この例では電動車両102の駐車場)を全て包含している。したがって、エリア401が「エリア」情報として配達者DB222に設定されている配達者は、配達候補者として選択される。「エリア」情報の一例であるエリア402は、保管場所300c及び配達場所(この例では電動車両102が駐車している駐車場の位置)を包含している。エリア402は、保管場所300dを包含していないが、エリア402が「エリア」情報として配達者DB222に設定されている配達候補者も選択することができる。すなわち、複数の保管場所300が選択されている場合、いずれか一つの保管場所がエリアに含まれている配達候補者を選択してもよい。
【0060】
「エリア」情報を用いない場合、或いは、「エリア」情報と併用して更なる絞り込みを行う別の選択方法として、例えば、S12で選択した保管場所300の位置と駐車場の位置とに基づいて問合せの対象とする配達候補者201を選択してもよい。
図10Aはその一例を示す説明図である。図示の例では、S12で選択された保管場所300cから一定の距離の範囲である領域403内に位置している配達候補者201d、201eが選択され、領域403外の配達候補者201fは選択されない。
【0061】
この場合、更に、配達場所を考慮してもよい。
図10Bはその一例を示す説明図である。図示の例では、配達場所(この例では電動車両102の駐車場)から一定の距離の範囲である領域404内に位置している配達候補者201dが選択され、領域403外の配達候補者201eは選択されない。
【0062】
「エリア」情報を用いない場合の更に別の選択方法としては、例えば、配達者DB222に登録されている全配達候補者を選択してもよい。
【0063】
S152で情報処理装置2は、少なくとも一人の配達候補者201を選択できたか否かを判定し、選択できた場合は処理をS154へ進め、選択できなかった場合は処理をS153へ進める。S153で情報処理装置2は、配達者の選択が不能であったことを設定し
図8の処理を終了してS13に進める。
【0064】
S154で情報処理装置2は、S151で選択した配達候補者201の通信端末4に、配達要求に対応可能か否かの問合せを送信する。複数の配達候補者201に問合せが送信されることにより、配達者をより確実に確保することができる。通信端末4は、S211で配達問合せを受信し、受信した問合せに対する応答をS212で情報処理装置2に返す。問合せには配達要求に関わる諸条件が含まれる。通信端末4の表示部44には、問合せの内容が表示される。
【0065】
図11の情報D1は、そのような問合せの一例を示す。図示の例では、D1には、「配達場所」として電動車両102の駐車場の位置が表示されている。また、「配達日時」として配達予定の日時が示され、更に、交換バッテリ6の在庫情報として、近隣の「保管場所1」及び「保管場所2」の在庫数が示されている。配達候補者201は、「承諾」ボタン又は「辞退」ボタンのいずれかの選択入力を行う。「承諾」ボタンが選択された場合、
図8のS212で問合せに対する応答として、通信端末4から情報処理装置2へ配達を承諾したことを示す回答が送信される。「辞退」ボタンが選択されると辞退したことを示す回答が送信される。
【0066】
S155で情報処理装置2は、通信端末4から回答を受信する。S156では問合せをした配達候補者201のうち、少なくとも一人の承諾者があったか否かを判定し、承諾者があった場合は処理をS158へ進め、承諾者が一人もいなかった場合は処理をS157へ進める。S157では配達者の選択が不能であったことを設定し、
図8の処理を終了してS13に進める。S158で情報処理装置2は配達者を選択する。承諾者が一人であった場合は、その承諾者が配達者として選択される。承諾者が複数人であった場合は、いずれか一人の承諾者が配達者として選択される。選択は、抽選でもよいし、承諾者の現在位置や過去の実績を基準としたものであってもよいし、最も早く回答した承諾者を優先するものであってもよい。承諾の意思表示をした者を配達者として選択することにより、配達者をより確実に確保することができる。
【0067】
図7に戻り、S16で情報処理装置2は、配達者をS15の処理で選択できたか否かを判定し、選択できた場合は処理がS18へ進み、選択できなかった場合は処理はS17へ進む。S17で情報処理装置2は、配達要求を送信したユーザ装置3に、配達要求が受け付けられなかったことを示す通知を送信する。S4でユーザ装置は、配達要求が受け付けられなかったことを示す通知を表示し、ユーザ101はその旨を認識することができる。
【0068】
S18で情報処理装置2は、配達要求が受け付けられたことを確定し、配達時に用いる解除キーを発行する。解除キーは、例えば上述のように、配達者のIDと電動車両102の車両番号とを組み合せることで発行されてもよい。
【0069】
S19で情報処理装置は、配達要求の成立を確定し、その旨を示す成立情報を、ユーザ装置3と、配達者201の通信端末4とにそれぞれ送信する。ユーザ装置3に送信される成立情報には配達条件や配達者の情報が含まれる。通信端末4に成立情報である配達指示には配達を行う駐車場の位置と解除キーとが含まれる。S19に続いて、処理はS5及びS22へと進む。ユーザ装置3は、S5で成立情報を受信し、S6で表示部31(又は表示部38d)に受信した成立情報の内容を表示する。通信端末4は、S22で配達指示を受信し、S23で通信端末4は、受信した配達指示の内容を表示部44に表示する。
【0070】
図11の情報D2は表示される成立情報の内容の一例を示す。図示の例では、D2には、配達条件として「配達日時」が、また配達者の連絡先が示されている。
【0071】
図11の情報D3は、表示部44に表示される配達指示の内容の一例を示す。図示の例では、配達者に選ばれたことを示す内容と、配達を行う駐車場の位置と「配達日時」とがD3に示されている。またD3には、交換バッテリ6の最新の在庫情報として、近隣の「保管場所1」及び「保管場所2」の在庫数がD3に示されている。またD3には、配達先として「住所」が、配達者201が交換を行う電動車両102を識別するための情報として車両のナンバー(自動車登録番号)が示されている。自動車登録番号は、ユーザDB221においてIDとして登録されている場合にはそちらを参照してもよく、またユーザDB221においてユーザごとに自動車登録番号を登録してもよく、配達要求の送信時にユーザが入力する形式であってもよい。こうして、配達者201による交換バッテリ6の配達が開始されることになる。
【0072】
また、本実施形態に係るシステムにおいては、バッテリごとにDB224に示されるようにIDが付されており、電動車両102は、装着中のバッテリのIDが変更されたことに応じて、バッテリの変更が完了したことを確認することができる。ここで、電動車両102の車載装置であるユーザ装置3(ユーザ装置3b又は3c)は、装着中のバッテリのIDが変更したことに応じてバッテリの交換が終了した旨を示す情報を情報処理装置2に送信し、当該情報を情報処理装置2が確認したことに応じて通知を行い、
図7に示すような一連の処理を終了することができる。
【0073】
S7は、S22で配達指示が受信された後に行われる配達者による交換バッテリ6の交換の検知が行われた場合に開始される処理である。S7でユーザ装置3は、装着しているバッテリのIDを参照して、バッテリの交換が行われたことを検知する。S8でユーザ装置3は、バッテリの交換が完了したことを示す信号を情報処理装置2に送信し、処理をS20に進める。S20で情報処理装置2は、バッテリの交換の完了を確認したことに応じて、バッテリDB224を更新し、バッテリ交換が完了した旨を示す通知をユーザ端末3に送信して処理をS9へと進める。S9でユーザ装置3は、配達要求の結果として、バッテリ交換が完了した旨を示す通知を表示し、
図7に示す処理を終了する。ここで、バッテリ交換が完了した旨を示す通知は、例えばバッテリの交換が完了した時刻と、完了した旨を示すメッセージと、を含む通知である。
【0074】
ここでは、S1~6及びS9は携帯端末であるユーザ装置3(ユーザ装置3a)が行い、S7~S8は車載装置であるユーザ装置3(ユーザ装置3b又は3c)が行うが、S1~9全ての処理が単一のユーザ装置により行われてもよい。また例えば、S1~S9のうち、S3、4、及びS9のみ携帯端末が行い他の処理を車載装置が行うなど、S1~S9が2以上のユーザ装置により行われる態様であってもよい。また、S7では装着されているバッテリのIDを参照することによりバッテリの交換の検知が行われたが、これは、バッテリが交換されたことを検知できるのであれば特にこのように限定されるわけではなく、例えば電流・電圧センサ36により検知されるバッテリの充電残量の変化によりバッテリの交換が検知されてもよい。
【0075】
本実施形態においては、バッテリの配達を行うにあたり解除キーが発行されており、D3には、発行された解除キーを用いてバッテリ施錠部の解除を行うための「開錠」ボタンが示されている。配達者が配達先の電動車両102の近傍で開錠ボタンを押下することにより、近距離無線通信により解除キーがバッテリ施錠部へと送信される。バッテリ施錠部が解除キーを確認した場合、バッテリの収納の施錠が解除され、配達者によるバッテリの交換が可能となる。なお、D3に示す「解除」ボタンは一例であり、例えば解除キーとしてのパスワードを入力することでバッテリ施錠部の解除を行う様式である場合には、D3にそのパスワードが表されていてもよい。
【0076】
このような処理によれば、バッテリの配達者に対して、解除キーと駐車場の位置とを送信することができる。したがって、配達時に依頼者がいない場合であっても車両のバッテリの配達を可能とし、利便性を向上させることが可能となる、
【0077】
[変形例1]
【0078】
なお、本実施形態においては、S151で選択した配達候補者201から配達者201の選択を行った。ここで、情報処理装置2は、配達候補者201が過去に通過したルートに基づいて、配達候補者201からの配達者201の選択を行ってもよい。例えば、過去の通過ルートに基づいて所定範囲を設定し、設定した所定範囲内の配達候補者201が優先的に配達者201として選択されてもよい。この所定範囲は、例えば通過ルートを中心とした、所定の幅(例えば、15km)を有する範囲とすることができる。そのような場合、配達者ごとに過去の通過ルートが記録され、配達者DB222に追加で格納される。また配達者DB222は、過去の通過ルートをサーバ側で管理していいか否かの状態を示すステータス状態を追加で格納してもよい。過去の通過ルートは、通信端末4の位置情報を用いて取得される、例えば過去の所定期間(例えば、1か月)において通過した位置であってもよく、過去の所定回数(例えば、10回)の配達における通過ルートであってもよく、過去に所定回数以上通過した経験のある通過ルートであってもよく、過去に配達者の通過したタイミングがあるルートとして評価できる通過ルートであれば特にこれらに限定されるわけではない。
【0079】
このような処理によれば、配達者の走行ルートをサーバ側が管理し、配達先の近くを通過したことのある配達候補者を優先的に配達者として選択することができる。とくに、例えば通学などで日常的に通過するルートの近傍で配達を希望しているユーザがいる場合には、仮に住所などのエリアが配達先から遠い場合であっても、そのユーザに通学のついでに配達を行わせることで手間のかからない配達を実現することが可能となる。
【0080】
[変形例2]
また、情報処理装置2は、S151で選択した配達候補者201から配達者201の選択を行う際に、その配達を希望したユーザ101に対して過去に配達を行ったことのある配達候補者から優先的に配達者201の選択を行ってもよい。この場合、例えば、情報処理装置2は、ユーザDB221に、ユーザごとに、そのユーザに対して過去に配達を行った配達者の情報を、過去の配達回数の情報と共に格納することができる。情報処理装置2は、S151において選択した配達候補者201から、その配達を希望するユーザ101に対する過去の配達回数に基づいて(例えば、所定回数以上配達を行っている配達候補者201から)配達者201を選択する。また、例えばユーザ101により配達者201の配達の評価を行う機能がある場合には、評価が所定の評価以上(例えば、高/中/低の三段階の評価のうち「高」となる)配達を所定回数以上行った配達候補者201から配達者201を選択するようにしてもよい。
【0081】
このような処理によれば、過去に配達を行った実績のある配達者に配達を行ってもらうことで、依頼者不在でバッテリを交換してもらう場合にもより安心して依頼を行うことができるようになる。また、配達者にとっても、配達先が以前に配達したことのあるものとなることにより、比較的容易な配達業務を行うことができるようになる。
【0082】
[変形例3]
また、例えば配達者201が、配達指示を受け解除キーを受信した後に、配達が不可能になったなど配達を取りやめる場合が考えられる。そのような場合には、情報処理装置2は、配達を取りやめた配達者201において発行した解除キーを失効させる。ここでは、例えばD3などの解除キーを受信した通信端末4の表示部44に表示されるUI上で、配達を取りやめる「キャンセル」ボタンが表示され、情報処理装置2は、「キャンセル」ボタンが押下されたことに応じて、バッテリの配達を取りやめる連絡を受信する。次いで情報処理装置2は、バッテリの配達を取りやめる連絡を受信したことに応じて、その配達において発行した解除キーを失効させる。このような処理により、セキュリティの向上を図ることができる。
【0083】
[実施形態2]
実施形態1においては、(例えば、S19において)配達を行う配達場所(駐車場)の位置と解除キーとの両方を含む配達指示が通信端末4に送信されるものとして説明を行った。しかしながら、これらの送信タイミングはこのように限定されるわけではなく、例えば解除キーを送信するタイミングが配達指示の送信指示と同時でなくともよい。本実施形態に係る情報処理装置2は、配達場所の位置を配達指示とともに送信する一方で、配達者201の現在位置が、配達場所に基づいて設定される所定の位置(通知位置)に到達したタイミングで解除キーを送信する。
【0084】
ここで、通知位置は、例えば配達場所から所定距離の地点とすることができる。この所定距離は例えば5kmとするが、所望の条件に応じて任意に設定が可能である。またこの所定距離は、配達者201の現在位置から配達場所への直線距離であってもよく、現在位置から配達場所への配達予定ルートの距離であってもよい。また例えば、通知位置は、予測される配達場所への配達完了時間が所定の時間となる地点とすることができる。
【0085】
このような処理によれば、解除キーを発行するタイミングを早くしすぎないことにより、配達者が発行済みの認証キーを探す手間を省略することができ、また認証キーを紛失するリスクを軽減することもできる。
【0086】
[実施形態3]
実施形態1に係る配達サービスでは、配達要求により「時間」が指定され、その日時にバッテリの配達を行うように、通信端末4に配達指示が送信された。しかしながら、配達要求はこのようにバッテリの配達を行う日時を指定するものには限定されず、例えばバッテリの配達を行う期限を指定する配達要求が行われてもよい。すなわち、実施形態3に係る情報処理装置2は、配達要求により指定された日時を期限として、その日時までにバッテリの配達を行うように、配達者201に対して配達指示を行うことができる。この場合、情報処理装置2は、S151で配達候補者の選択を行う際に、指定された日時に配達可能な配達候補者201を選択するのではなく、指定された日時までに配達可能な配達候補者201を選択することができる。また、この場合、ユーザが配達要求を送信する際に、配達を行う「時間」を指定し、その日時に配達を行うか、その日時を配達の期限とするか、を選択できるようにしてもよい。
【0087】
配達要求により指定された期限より前にバッテリの交換を行う場合、交換前のバッテリの充電残量がまだ残っていることが考えられる。その場合、情報処理装置2は、配達サービスの料金から、バッテリの充電残量に応じた値引きを行うことができる。例えば、情報処理装置は、「バッテリの充電料金」が含まれるように交換サービスの料金を設定し、交換を行うバッテリの満充電容量に対するバッテリの充電残量に応じて、「バッテリの充電料金」の(例えば、満充電容量に対する充電残量の割合分の)値引きを行ってもよい。バッテリが切れて走行不可になった場合にはユーザ101は不便を被り不満を感じやすいが、充電残量が多少残っていたとしても交換を行うようにすることで不便を与えず、そのような不満を軽減することができる。
【0088】
このような処理によれば、配達時間を細かく指定するのではなく期限を指定することにより、配達者の選択肢を増やし、配達サービスの利用性を向上させることができる。
【0089】
[実施形態のまとめ]
上記実施形態には少なくとも以下の情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを開示している。
【0090】
1.上記実施形態の情報処理装置(例えば2)は、
電動車両に搭載されるバッテリの配達要求を受信する第1の受信手段と、
前記バッテリを配達する配達者を選択する選択手段と、
前記電動車両のバッテリ施錠部の施錠を解除する解除キーを発行する発行手段と、
前記選択手段が選択した前記配達者の端末に、前記電動車両の駐車場の位置情報と、前記解除キーと、を送信する送信手段と、
を備える。
この実施形態によれば、配達時に依頼者がいない場合であっても車両のバッテリの配達を可能とし、利便性を向上させることが可能となる。
【0091】
2.上記実施形態の情報処理装置は、
前記配達者の現在位置を取得する取得手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記配達者の端末に、前記位置情報を配達指示とともに送信する一方で、前期解除キーを、前記配達者の現在位置が、前記配達要求により配達する配達場所に基づいて設定される所定の位置に到達したタイミングで前記配達者の端末に送信する。
この実施形態によれば、配達者が認証キーを紛失するリスクを軽減することが可能となる。
【0092】
3.上記実施形態の情報処理装置では、
前記配達要求により配達する配達場所に基づいて設定される所定の位置が、前記配達場所から所定距離の地点である。
この実施形態によれば、認証キーを送信する条件を配達者の位置に応じて設定することが可能となる。
【0093】
4.上記実施形態の情報処理装置では、
前記配達要求により配達する配達場所に基づいて設定される所定の位置が、予測される前記配達場所への配達完了時間が所定の時間となる地点である。
この実施形態によれば、認証キーを送信する条件を予測される配達完了時間に応じて設定することが可能となる。
【0094】
5.上記実施形態の情報処理装置では、
前記送信手段は、前記配達者の端末に、前記位置情報と前記解除キーとを同時に送信する。
この実施形態によれば、簡便な処理で解除キーを配達者に送信することが可能となる。
【0095】
6.上記実施形態の情報処理装置では、
前記第1の受信手段は、前記配達要求として、バッテリの配達を行う期限を指定する配達要求を受信する。
この実施形態によれば、配達者の候補の選択肢を増やし、配達サービスの利用性を向上させることが可能となる。
【0096】
7.上記実施形態の情報処理装置は、
端末に前記解除キーを送信した前記配達者から、バッテリの配達を取りやめる連絡を受信する第2の受信手段と、
前記バッテリの配達を取りやめる通知を受信した場合に、発行した前記解除キーを失効させる失効手段と、
をさらに備える。
この実施形態によれば、配達サービスにおけるセキュリティを向上させることが可能となる。
【0097】
8.上記実施形態の情報処理装置では、
前記選択手段は、配達者の候補となる配達候補者の情報が登録されたデータベースから前記配達者を選択する。
この実施形態によれば、データベースからの検索により配達者を選択することが可能となる。
【0098】
9.上記実施形態の情報処理装置では、
前記データベースに、前記配達候補者ごとに過去に通過したルートを格納する第1の格納手段をさらに備え
前記選択手段は、前記配達要求により配達する配達場所が、前記ルートに基づいて設定される所定範囲内である配達候補者から、前記配達者を選択する。
この実施形態によれば、配達先の近くを通過する配達候補者を配達者として選択することが可能となる。
【0099】
10.上記実施形態の情報処理装置では、
前記データベースに、前記配達候補者ごとに、過去に配達を行った配達希望者ごとの回数を格納する第2の格納手段をさらに備え、
前記選択手段は、前記回数に基づいて、前記配達者を選択する。
この実施形態によれば、配達先の近くを通過した回数の多い配達候補者を配達者として選択することが可能となる。
【0100】
11.上記実施形態の情報処理装置では、
前記選択手段は、配達希望者からの配達要求に対して、前記配達希望者へ過去に配達を行った回数が所定回数以上である配達候補者から、前記配達者を選択する。
この実施形態によれば、過去に配達を行った実績のある配達者に配達してもらうことにより、より安心して配達要求を行うことが可能となる。
【0101】
12.上記実施形態の情報処理装置は、
バッテリの交換が完了したことを示す信号を前記電動車両の車載装置から受信したことに応じて、前記電動車両のユーザの端末へと通知を行う通知手段をさらに備える。
この実施形態によれば、配達時に依頼者がいないバッテリ配達において、配達要求の結果をユーザが確認することが可能となる。
【0102】
13.上記実施形態の情報処理装置では、
前記送信手段は、前記配達要求に対して配達が可能な前記配達者の端末に、前記配達要求により配達する住所と前記電動車両の自動車登録番号とを送信する。
この実施形態によれば、配達者がバッテリの交換を行う電動車両を特定しやすくすることが可能となる。
【0103】
14.上記実施形態の情報処理装置(例えば2)による情報処理方法は、
電動車両に搭載されるバッテリの配達要求を受信する受信工程と、
前記バッテリを配達する配達者を選択する選択工程と、
前記電動車両のバッテリ施錠部の施錠を解除する解除キーを発行する発行工程と、
前記選択工程において選択した前記配達者の端末に、前記電動車両の駐車場の位置情報と、前記解除キーと、を送信する送信工程と、
を備える。
この実施形態によれば、配達時に依頼者がいない場合であっても車両のバッテリの配達を可能とし、利便性を向上させることが可能となる。
【0104】
15.上記実施形態のバッテリ配達システムは、
電動車両に搭載されるバッテリの配達要求を送信する送信手段と、
前記配達要求の結果の通知を表示する表示手段と、
を備える、通信端末と、
前記配達要求を受信する受信手段と、
前記バッテリを配達する配達者を選択する選択手段と、
前記電動車両のバッテリ施錠部の施錠を解除する解除キーを発行する発行手段と、
前記選択手段が選択した前記配達者の端末に、前記電動車両の駐車場の位置情報と、前記解除キーと、を送信する送信手段と、
前記配達要求の結果を前記通信端末に通知する通知手段と、
を備える、情報処理装置と、
を備える。
この実施形態によれば、配達時に依頼者がいない場合であっても車両のバッテリの配達を可能とし、利便性を向上させることが可能となる。
【0105】
以上、発明の実施形態について説明したが、発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0106】
100:車両、110:情報処理装置、120:撮像装置