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特開2024-13105糸巻き装置、魚釣用リール及びウィンチ
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  • 特開-糸巻き装置、魚釣用リール及びウィンチ 図1
  • 特開-糸巻き装置、魚釣用リール及びウィンチ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013105
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】糸巻き装置、魚釣用リール及びウィンチ
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/017 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
A01K89/017
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115049
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】安田 悠
(72)【発明者】
【氏名】阿部 佑太郎
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108GA03
2B108GA04
2B108GA07
2B108GA12
2B108GA27
2B108GA29
2B108GA30
2B108GA31
2B108GA35
2B108GA37
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リール内に組み込み可能でかつ小型化でき、操作部の回転時、停止時のいずれにおいても高精度で操作部に作用する負荷を測定可能な検出部を有する糸巻き装置を提供する。
【解決手段】釣糸を巻回可能なスプールと、スプールに糸巻き操作を行う操作部1と、操作部を回転可能に支持する支持軸部2と、支持軸部と操作部との間に復元力を発生させる復元力生成部4と、操作部の回転移動量を規制する規制部3と、操作部の回転移動量を検出する検出部5と、を備えるように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣糸を巻回可能なスプールと、該スプールに糸巻き操作を行う操作部と、該操作部を回転可能に支持する支持軸部と、該支持軸部と該操作部との間に復元力を発生させる復元力生成部と、該操作部の回転移動量を規制する規制部と、該操作部の回転移動量を検出する検出部と、を備えることを特徴とする糸巻き装置。
【請求項2】
釣糸を巻回可能なスプールと、該スプールに糸巻き操作を行う操作部と、該操作部を回転可能に支持する支持軸部と、該支持軸部と該操作部との間に復元力を発生させる復元力生成部と、該支持軸部の軸方向に移動可能な被検出部と、該被検出部の軸方向の変位を検出する検出部と、該操作部の回転方向の移動を変換して被検出部に伝達する変換機構とを有することを特徴とする糸巻き装置。
【請求項3】
前記復元力生成部は、バネ部材である、請求項2に記載の糸巻き装置。
【請求項4】
前記変換機構は、カム構造又はネジ構造である、請求項2又は3に記載の糸巻き装置。
【請求項5】
前記検出部は、非接触式の位置検出手段であり、前記被検出部に投光する発光部と、該発光部の光を受光する受光部と、から構成される、請求項2に記載の糸巻き装置。
【請求項6】
前記被検出部には永久磁石が設けられ、
前記検出部は、非接触式の位置検出手段であり、前記被検出部に設けられる永久磁石の磁気を検出する磁気検出部である、請求項2に記載の糸巻き装置。
【請求項7】
前記被検出部には音波反射部が設けられ、
前記検出部は、非接触式の位置検出手段であり、前記被検出部に設けられた音波反射部からの音波を検出する音波検出部である、請求項2に記載の糸巻き装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の糸巻き装置は、魚釣用リールである、魚釣用リール。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の糸巻き装置は、ウィンチである、ウィンチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部の回転時、停止時も含め高精度でトルクを検出可能な糸巻き装置、魚釣用リール及びウィンチに関する。
【背景技術】
【0002】
魚釣用リール等の糸巻き装置では、一般に、モータ及びハンドルの回転をスプールに伝達してスプールを糸巻取方向に回転させる回転伝達機構を備えている。この種の電動リールの回転伝達装置において、ハンドルから入力された人力の大きさに応じてモータを駆動する、いわゆるアシスト電動リールの回転伝達装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ハンドルによって回転駆動する人力駆動系と、人力駆動系と並列に設けられ、スプールをモータによって回転駆動する電気駆動系と、入力された人力の大きさを検出する人力検出手段と、この検出値に対して所定の比率でもってモータからの補助駆動力を制御する制御手段とを備え、ハンドルからの人力に対して常に一定の割合でモータによる補助がなされる。このため、手巻きの感覚を保ちつつ楽に釣り糸を巻き上げできる回転伝達装置について開示している。
【0004】
また、特許文献2では、ハンドル軸の先端に装着されたハンドル及びモータからの回転を糸巻用のスプールに伝達する回転伝達装置であって、前記ハンドルの回転速度を検出する第1回転速度検出手段と、前記ハンドル軸の回転速度を検出する第2回転速度検出手段と、前記ハンドルと前記ハンドル軸との間に配置され、前記ハンドルの糸巻取方向の回転のみ前記ハンドル軸に伝達する第1ワンウェイクラッチと、前記モータの回転を前記ハンドル軸に伝達する第1回転伝達手段と、前記ハンドル軸の回転を前記スプールに伝達する第2回転伝達手段と、前記第1回転伝達手段に設けられ、前記モータの糸繰り出し方向の回転のみ前記ハンドル軸に伝達する第2ワンウェイクラッチと、前記ハンドル軸の糸繰り出し方向の回転を禁止する第3ワンウェイクラッチと、前記第2回転伝達手段に設けられ、前記ハンドル軸と前記スプールとを連結・遮断するクラッチ機構と、前記第1回転速度検出手段が検出した第1速度と前記第2回転速度検出手段が検出した第2速度との差が所定速度以下となるように、前記モータを制御する第1モータ制御手段と、を備えた電動リールの回転伝達装置について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-308949号公報
【特許文献2】特開2001-286250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に係る回転伝達装置では、人力、つまりハンドル軸に作用するトルクを直接検出しなければならないために、2段増速型の遊星歯車機構を用いなければならないため、アシスト制御のための検出手段の構成が複雑になるという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に係る電動リールの回転伝達装置では、ハンドルの回転速度を検出するため、ハンドルが所定以上の速度で回転していることが前提となるものであり、ハンドルが全く回転していない又は余り回転していない場合は、ハンドルに負荷が掛かっていてもモータからのアシストを得ることができず、また装置全体を小型化しにくいといった問題があった。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リール内に組み込み可能でかつ小型化でき、操作部の回転時、停止時のいずれにおいても高精度で操作部に作用する負荷を測定可能な検出部を有する糸巻き装置を提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置は、釣糸を巻回可能なスプールと、該スプールに糸巻き操作を行う操作部と、該操作部を回転可能に支持する支持軸部と、該支持軸部と該操作部との間に復元力を発生させる復元力生成部と、該操作部の回転移動量を規制する規制部と、該操作部の回転移動量を検出する検出部と、を備えるように構成される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置は、釣糸を巻回可能なスプールと、該スプールに糸巻き操作を行う操作部と、該操作部を回転可能に支持する支持軸部と、該支持軸部と該操作部との間に復元力を発生させる復元力生成部と、該支持軸部の軸方向に移動可能な被検出部と、該被検出部の軸方向の変位を検出する検出部と、該操作部の回転方向の移動を変換して被検出部に伝達する変換機構とを有するように構成される。
【0011】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置において、前記復元力生成部は、バネ部材である。
【0012】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置において、前記変換機構は、カム構造又はネジ構造である。
【0013】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置において、前記検出部は、非接触式の位置検出手段であり、前記被検出部に投光する発光部と、該発光部の光を受光する受光部と、から構成される。
【0014】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置は、前記被検出部には永久磁石が設けられ、前記検出部は、非接触式の位置検出手段であり、前記被検出部に設けられる永久磁石の磁気を検出する磁気検出部である。
【0015】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置は、前記被検出部には音波反射部が設けられ、前記検出部は、非接触式の位置検出手段であり、前記被検出部に設けられた音波反射部からの音波を検出する音波検出部である。
【0016】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置は、魚釣用リールである。
【0017】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置は、ウィンチである。
【発明の効果】
【0018】
上記実施形態によれば、リール内に組み込み可能でかつ小型化でき、操作部の回転時、停止時のいずれにおいても高精度で操作部に作用する負荷を測定可能な検出部を有する糸巻き装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る糸巻き装置の関連する主要な構成部材の分解斜視図を説明する図である。
図2】(a)本発明の一実施形態に係る糸巻き装置の関連する主要な構成部材を組み立てた状態の斜視図を示す。(b)本発明の一実施形態に係る糸巻き装置の関連する主要な構成部材を組み立てた状態の側面図を示す。(c)本発明の一実施形態に係る糸巻き装置の関連する主要な構成部材を組み立てた状態の正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る糸巻き装置の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0021】
まず、図1及び2を参照して、本発明の一実施形態に係る糸巻き装置100の構成について説明する。なお、説明の簡略化のため、以下の説明では、従来の糸巻き装置と同様の箇所は説明の詳細については省略する。図1は本発明の一実施形態に係る糸巻き装置100の特に関連する主要な構成部材の分解斜視図を示し、図2(a)、(b)、(c)はそれぞれ当該糸巻き装置100の特に関連する主要な構成部材の組み立て状態の斜視図、側面図、正面図を示す。
【0022】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置100は、釣糸を巻回可能なスプール(図示しない、以降同様とする)と、該スプールに糸巻き操作を行う操作部1と、該操作部1を回転可能に支持する支持軸部(シャフト部)2と、該支持軸部2と該操作部1との間に復元力を発生させる復元力生成部3と、該操作部1の回転移動量を規制する規制部(回転規制部)4と、該操作部1の回転移動量を検出する検出部5と、を備えるように構成される。なお、スプールは、従来公知のもので、通常、円筒形状に形成され、その外周部により釣糸を巻き取ることが可能に構成される。なお、以下の説明では支持軸部2の中心軸方向を軸方向、その回転方向を回転方向と定義する。このようにして、リール内に組み込み可能でかつ小型化でき、操作部の回転時、停止時のいずれにおいても高精度で操作部に作用する負荷を測定可能な検出部を有する糸巻き装置を提供することが可能となる。
【0023】
また、本発明の一実施形態に係る糸巻き装置100は、釣糸を巻回可能なスプールと、該スプールに糸巻き操作を行う操作部1と、該操作部1を回転可能に支持する支持軸部(シャフト部)2と、該支持軸部2と該操作部1との間に復元力を発生させる復元力生成部3と、該支持軸部2の軸方向に移動可能な被検出部8と、該被検出部8の軸方向の変位を検出する検出部5と、該操作部1の回転方向の移動を変換して被検出部8に伝達する変換機構10とを有するように構成される。このようにして、リール内に組み込み可能でかつ小型化でき、操作部の回転時、停止時のいずれにおいても高精度で操作部に作用する負荷を測定可能な検出部を有する糸巻き装置を提供することが可能となる。
【0024】
支持軸部2は、概略円柱状に形成され、軸受け12によって操作部1を回転可能に軸支し、当該操作部1を操作することによって、スプールを回転操作することができる(操作部1の詳細については後述する)。なお、支持軸部2には、適宜軸受け17により軸支される。また、支持軸部2の雄ネジと嵌合するナット9が設けられ、これにより支持軸部2に軸支されるドライブギヤユニット19と共にねじ込み具合を調整することでドラグ力を調整することができる。ドライブギヤユニット19は、摩擦によるトルクリミッター機構を有し、ユーザが設定したトルク以上の入力があった場合に、支持軸部2に対して相対回転(空転)する。ユーザが設定するリミットトルクはねじ込み量により調整することができる。スプリングワッシャ14は、このナット9のねじ込み量(軸方向の移動量)を軸方向の押し力に変換する。この際、適宜ワッシャ15を設けるようにしてもよい。この操作により、糸をスプールに巻き取ることができる。操作部1は、支持軸部2を回転させることができ、ハンドルやレバーといったユーザの操作を受け付ける装置と、ギヤやベルト、シャフトなどの動力伝達手段との組み合わせによって実現できる。必要に応じて、モータやエンジンなどの動力源を用いてもよい。また、伝達される動力に制限を設けるドラグ装置(トルクリミッター)や、動力伝達の可否を切り替えるクラッチ装置を有するようにしてもよい。また、操作手段の一部にワンウェイクラッチやラチェットなどの逆転防止機構を設け、スプールが不用意に逆回転することを防止するようにしてもよい。
【0025】
また、回転規制部4は、支持軸部2に固定され、操作部1の支持軸部2に対する角度移動量を所定の範囲に規制する。本発明の一実施形態においては、回転規制部4に設けた突出部14が、ハンドル(又はハンドル部)6に設けた凹部16の両端に突き当たるようにしている。これにより、ハンドル6(操作部1)が支持軸部2に対して、例えば、0°から10°の範囲の角度で回転可能に構成される(角度範囲はこれに限られない)。以降、この角度をθと定義する。なお、ハンドル6は、ボールベアリング12により適宜軸支され、支持部材13は該ボールベアリング12を介してハンドル6を軸支する。支持部材13は、その内径側で支持軸部2とすり割り嵌合され、また、後述する直進部材7の内径側を支持しかつ後述するフォロアピン23が螺合される。
【0026】
復元力生成部(復元力生成手段)4は、ハンドル6(操作部1)に所定の復元力を生じさせることができる。復元力生成部(復元力生成手段)4には、これを内径側から支持するカラー11が設けられる。本発明の一実施形態においては、バネ部材(例えば、トーションバネ)によって構成することができ、その一端が回転規制部4に接触し、他端がハンドル6(操作部1)に接触している。これにより、ハンドル6(操作部1)に働くトルクTが所定値以下のときはθ=0°となるようにバネ付勢される。そしてトルクの増加に伴い、角度θが増加するように構成される。本発明の一実施形態においては、トーションバネの中心軸を支持軸部2の中心軸と概略同軸にすることで、トルクTの増加量と角度θの変位量が比例し、トルクTの値が所定値以上のときは、回転規制部とハンドルの凹部の一端が接触することで、角度θ=10°となるように構成される。復元力生成部(復元力生成手段)として、上記のような弾性バネ以外にも、永久磁石によって生じる磁力を用いるなど、復元力を発生させる他の方法を用いても構わない。
【0027】
直進部材7は、概略円筒状に構成され、支持軸部2に対して軸方向に直進(移動)可能に支持される。回転伝達部(図示しない)によって、ハンドル6から回転方向の伝達力を受けることで、当該直進部材7は、支持軸部2に対してハンドル6と共に回転方向に角度θ分移動する。直進部材7の側面部には、螺旋状に形成されたカム溝52が設けられることで、支持軸2に固定されるフォロワピン23と共に、変換機構10としてカム機構を構成する。このカム機構により、直進部材7は回転移動に応じて軸方向にも移動する。すなわち、ハンドル6の回転方向の角度θ変位量が、直進部材7の軸方向の移動量Xに変換するように構成されており、本発明の一実施形態においては、例えば、角度θが10°移動した際に、軸方向に1mm移動するように構成されるが、これに限られない。
【0028】
なお、本発明の一実施形態における変換機構は上記構成に限らず、他の構成でも同様の効果を実現できる。例えば、ネジ機構、すなわち、ハンドル6と直進部材7にそれぞれ雌ネジ部、雄ネジ部を設けて螺合させ、直進部材7は支持軸部2に対して直進可能に支持しておくことにより、ハンドル6の回転運動を、ネジ機構によって直進部材7の軸方向の直進運動に変換できる。また、本発明の一実施形態における変換機構は、カム機構やネジ機構以外の機構であってもよい。
【0029】
被検出部(被検出手段)8は直進部材7に固定され、リール本体に配置された検出部5によって軸方向の移動を検出可能としている。本発明の一実施形態においては、被検出部(被検出手段)8は永久磁石であり、検出部(検出手段)5はホール素子等の公知の磁気センサである。被検出部(被検出手段)8の軸方向の移動量に比例して、検出部(検出手段)の電圧値が上昇するように、着磁特性等を調整するように構成することができる。また、被検出部(被検出手段)8は、回転方向に対称な特性を持つ。本発明の一実施形態においては、円筒形状に形成され、回転方向にむらのない着磁がされている。これにより、被検出部8が回転をしたときでも、軸方向の移動量が無ければ検出手段からの出力は変わらないように構成することができる。
【0030】
なお、被検出部8と検出部5の組み合わせは、上記のような磁気式に限定されるものではない。検出部として、例えば、PSD等のフォトセンサを用い、被検出部として、遮光板や反射板を用いるような光学式検出方法や、検出部として、超音波受信部および超音波発信部を用い、被検出部として、音波反射部を用いるような超音波式検出方法など、従来公知の変位検出方式を使用することができる。
【0031】
被検出部8と検出部5の組み合わせは、非接触で被検出部の軸方向の変位が検出できるとより良好である。これにより、支持軸部2を回転させたときの摺動抵抗発生を避けることができる。
【0032】
既述の各部材は、リール筐体18を介してスプールを含むリール本体(図示しない)に取付けられる。前述の通り、上述した各構成部材以外の部材については、従来公知の種々の部材を適宜用いることができ、詳細な説明を省略していることに留意されたい。
【0033】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置100において、当該復元力生成部(復元部)4は、バネ部材(バネ部)である。また、本発明の一実施形態に係る糸巻き装置100において、当該変換機構10は、カム機構(カム構造)又はネジ機構(ネジ構造)である。
【0034】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置100において、当該検出部5は、非接触式の位置検出手段であり、当該被検出部8に投光する発光部と、該発光部の光を受光する受光部と、から構成される。
【0035】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置100において、当該被検出部8には永久磁石が設けられ、当該検出部5は、非接触式の位置検出手段であり、当該被検出部8に設けられる永久磁石の磁気を検出する磁気検出部である。
【0036】
また、本発明の一実施形態に係る糸巻き装置100において、当該被検出部8には音波反射部が設けられ、当該検出部5は、非接触式の位置検出手段であり、当該被検出部8に設けられた音波反射部からの音波を検出する音波検出部である。
【0037】
本発明の一実施形態に係る糸巻き装置は、魚釣用リールである。また、本発明の一実施形態に係る糸巻き装置は、ウィンチである。ここで、本発明の一実施形態に係る糸巻き装置は、魚釣用リールやウィンチに限定されるものではないことに留意されたい。
【0038】
次に、糸巻き装置100によって操作部に働くトルクを検出する方法について詳細に説明する。既述のように、本発明の一実施形態に係る糸巻き装置において、操作部1にトルクが働くと、その大きさに応じてスプールは支持軸部2に対して、回転方向に移動する。本発明の一実施形態では、トルクの大きさが0.1kgf・cm以下ではθ=0°であり、1.5kgf・cm以上ではθ=10°であり、その間ではトルクに対して移動量θが比例して変化するような特性を持つように、復元力生成部(復元力生成手段)4を構成している。そして、前述のカム機構によって、ハンドル6の回転方向の移動量θに応じて、直進部材7は軸方向に移動をする。本発明の一実施形態では、回転方向の移動量θと軸方向の移動量Xが比例するように、カム溝52を形成している。これにより、直進部材7に設けられた被検出部8は軸方向に移動量Xだけ移動するため、その移動を検出部(検出手段)5によって検出できる。したがって、検出部5の出力に基づくことで、ハンドルに働くトルクを算出することできる。
【0039】
なお、操作部1によって被検出部8が回転しても、ハンドル6に働くトルクに変化が無ければ、被検出部8の軸方向位置は変わらない。被検出部8は、回転方向に対称となっているため、検出部5から得られる信号に変化はない。したがって、支持軸部2の回転方向の位置に依らずに、安定してハンドル6に働くトルクを検出することができる。なお、支持軸部2の軸方向のガタによって検出部5の出力が変化しないよう、支持軸部2の軸方向の遊びは小さくしておく、バネ等によって軸方向に片寄せしておく、軸方向の移動可能量xをガタ量や組み立て誤差よりも十分大きく設定する、などの方法をとるとよい。
【0040】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0041】
1 操作部
2 支持軸部(シャフト部)
3 規制部(回転規制部)
4 復元力生成部(復元力生成手段)
5 検出部
6 ハンドル
7 直進部材
8 被検出部
9 ナット
11 カラー
12 軸受け
13 支持部材
14 スプリングワッシャ
15 ワッシャ
16 凹部
17 軸受け
18 リール筐体
19 ドライブギヤユニット
23 フォロワピン
52 カム溝
10 変換機構
100 糸巻き装置
図1
図2