(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131061
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】梱包方法、および、梱包装置
(51)【国際特許分類】
B65B 5/04 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B65B5/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041088
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3E003
【Fターム(参考)】
3E003AA05
3E003AB02
3E003BA03
3E003BB02
3E003BC01
3E003BD01
3E003CA01
3E003CA02
3E003CA05
3E003CB01
3E003DA05
(57)【要約】
【課題】物品を梱包箱に梱包するための作業工程を少なくするとともに、コストを抑制すること。
【解決手段】実施形態に係る梱包方法は、選択工程と、梱包工程とを有する。選択工程は、物品の大きさ、および、物品を梱包する梱包箱の大きさに応じた緩衝材を、大きさが異なる複数の緩衝材の中から、選択する。梱包工程は、ハンドアームによって、物品を、選択された緩衝材に包む。選択工程では、緩衝材に包まれた物品を梱包する梱包箱の収容スペースよりも大きい緩衝材が選択される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の大きさ、および、前記物品を梱包する梱包箱の大きさに応じた緩衝材を、大きさが異なる複数の緩衝材の中から、選択する選択工程と、
ハンドアームによって、前記物品を、選択された緩衝材に包む梱包工程と
を有し、
前記選択工程では、緩衝材に包まれた前記物品を梱包する前記梱包箱の収容スペースよりも大きい緩衝材が選択される、梱包方法。
【請求項2】
前記選択工程では、前記物品を包んだ状態の緩衝材の大きさが、前記収容スペースよりも大きい緩衝材が選択される、請求項1に記載の梱包方法。
【請求項3】
物品を緩衝材によって包む複数のロボットアームと、
前記ロボットアームを制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記物品の大きさ、および、前記物品を梱包する梱包箱の大きさに応じて、緩衝材に包まれた前記物品を梱包する前記梱包箱の収容スペースよりも大きい緩衝材を、大きさが異なる複数の緩衝材の中から選択し、
前記物品を、選択した緩衝材によって包むように、前記ロボットアームを制御する、梱包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、梱包方法、および、梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、物品の周りに緩衝材を配置し、物品を梱包する梱包装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、大きさが異なる物品を緩衝材によって包んで梱包箱に収容することは想定されていない。そのため、従来の技術は、たとえば、物品を包んだ緩衝材と、梱包箱との間に隙間が生じる場合、物品が梱包箱の中で移動しないように、隙間を埋める部材を梱包箱に入れる作業が必要となり、作業工程が多くなり、コストが高くなる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、物品を梱包箱に梱包するための作業工程を少なくするとともに、コストを抑制すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る梱包方法は、選択工程と、梱包工程とを有する。選択工程は、物品の大きさ、および、物品を梱包する梱包箱の大きさに応じた緩衝材を、大きさが異なる複数の緩衝材の中から、選択する。梱包工程は、ハンドアームによって、物品を、選択された緩衝材に包む。選択工程では、緩衝材に包まれた物品を梱包する梱包箱の収容スペースよりも大きい緩衝材が選択される。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、物品を梱包箱に梱包するための作業工程を少なくするとともに、コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る物品の梱包装置の概略を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置の制御系ブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る梱包処理を説明するフローチャートである。
【
図4】
図4は、物品が緩衝材に挿入される状態を示す図である。
【
図5】
図5は、緩衝材によって包まれた物品が梱包箱に搬送される状態を示す図である。
【
図6】
図6は、物品を包んだ緩衝材が梱包箱に梱包された状態を示す図である。
【
図7】
図7は、情報処理装置として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
実施形態に係る梱包装置1について、
図1を参照し説明する。
図1は、実施形態に係る梱包装置1の概略を示す図である。
【0011】
実施形態に係る梱包装置1は、たとえば、出庫情報に基づいて貯蔵部(倉庫、および、棚など)からピッキング作業によって搬送された物品100(荷物)を梱包する。物品100は、たとえば、カートロボットによって搬送される。出庫情報は、たとえば、予め指示されたリスト、および、注文書などに関する情報である。ピッキング作業とは、必要な物品100を集める(ピックアップする)仕事のことである。カートロボットは、ピッキングスタッフである。ピッキングスタッフは、たとえば、倉庫内の物品100を出荷するために欠かせない役割を持つため、あらゆるジャンルの倉庫に配置される。ピッキングスタッフは、人型ロボットを含む。
【0012】
梱包装置1は、物品100を緩衝材110に包んだ後に、緩衝材110に包まれた物品100を梱包箱120(たとえば、段ボール)に梱包する。
【0013】
緩衝材110は、物品100を保護するために用いられる。緩衝材110は、たとえば、袋状に形成される。緩衝材110は、筒状に形成されてもよい。緩衝材110は、たとえば、気泡緩衝材である。緩衝材110は、気泡緩衝材に限られることはない。緩衝材110は、たとえば、紙製であってもよい。
【0014】
緩衝材110は、大きさが異なる複数の緩衝材110を含む。たとえば、緩衝材110は、小(Sサイズ)、中(Mサイズ)、および、大(Lサイズ)の3つの大きさが異なる緩衝材を含む。「中」の緩衝材110は、「小」の緩衝材110よりも大きい。すなわち、「中」の緩衝材110は、「小」の緩衝材110に対して、より大きな物品100を包むことができる。「大」の緩衝材110は、「中」の緩衝材110よりも大きい。すなわち、「大」の緩衝材110は、「中」の緩衝材110に対して、より大きな物品100を包むことができる。
【0015】
なお、緩衝材110の大きさは、上記3つの大きさに限られることはない。緩衝材110の大きさは、2種類以上であればよい。
【0016】
梱包装置1は、複数のロボットアーム2(ハンドアーム)、検出部3と、情報処理装置4(制御装置)とを備える。
【0017】
複数のロボットアーム2は、物品100、または、緩衝材110を把持し、搬送するように構成される。複数のロボットアーム2は、物品100を把持するロボットアーム2と、緩衝材110を把持するロボットアーム2とで異なる構成であってもよい。以下では、物品100を把持するロボットアーム2を、第1ロボットアーム2Aと称し、緩衝材110を把持するロボットアーム2を第2ロボットアーム2Bと称して説明することがある。
【0018】
各ロボットアーム2は、複数の棒部2aと、複数の関節部2bとを有する。関節部2bは、たとえば、2つの棒部2aとの間に設けられ、2つの棒部2aを相対的に回転可能とする。各関節部2bは、モータを有する。各関節部2bによって、棒部2aが相対的に回転することで、ロボットアーム2は、伸縮し、360度回転可能となる。
【0019】
ロボットアーム2の先端部には、把持部2cが設けられる。把持部2cは、たとえば、複数の指部2dを備える。把持部2cに対する指部2dの数は、3本、または、5本である。把持部2cに対する指部2dの数は、これに限られることはない。把持部2cに対する指部2dの数は、2本以上である。ロボットアーム2は、複数の指部2dを動かすことで、物品100、または、緩衝材110を把持する。把持部2cは、吸引によって物品100、または、緩衝材110を把持してもよい。
【0020】
第1ロボットアーム2Aは、たとえば、2つの第1ロボットアーム2Aによって物品100を把持して、物品100を持ち上げることができる。
【0021】
第2ロボットアーム2Bは、保管部10から、緩衝材110を取り出す。第2ロボットアーム2Bは、物品100の大きさ、および、物品100を梱包する梱包箱120の大きさに応じて、物品100に適した大きさの緩衝材110を、保管部10から取り出す。第2ロボットアーム2Bは、物品100を包むことができ、かつ、梱包箱120に物品100が梱包された場合に梱包箱120において物品100、および、緩衝材110の移動を抑制する緩衝材110を保管部10から取り出す。
【0022】
具体的には、第2ロボットアーム2Bは、物品100を、緩衝材110の開口部110a(
図4参照)から挿入でき、物品100を収容できる緩衝材110であり、かつ、梱包箱120の収容スペースよりも大きい緩衝材110を保管部10から取り出す。収容スペースは、緩衝材110に包まれた物品100が梱包されるスペースである。第2ロボットアーム2Bは、物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさが、収容スペースよりも大きい緩衝材110を保管部10から取り出す。第2ロボットアーム2Bは、たとえば、物品100を包んだ状態の緩衝材110の縦、横、および、高さが、梱包箱120の収容スペースにおいて対応する縦、横、および、高さよりも大きい緩衝材110を保管部10から取り出す。第2ロボットアーム2Bは、物品100を包んだ状態の緩衝材110の縦、横、および、高さの少なくとも1つが、梱包箱120の収容スペースにおいて対応する縦、横、および、高さよりも大きい緩衝材110を保管部10から取り出してもよい。
【0023】
物品100を包んだ状態の緩衝材110は、緩衝材110の開口部110aが閉じられた状態の緩衝材110である。物品100を包んだ緩衝材110の一部が折り畳まれる場合、物品100を包んだ状態の緩衝材110は、折り畳み後の緩衝材110である。たとえば、緩衝材110の一部が折り畳まれて、緩衝材110の開口部110aが閉じられた場合、物品100を包んだ状態の緩衝材110は、緩衝材110の一部が折り畳まれて、開口部110aが閉じられた状態の緩衝材110である。物品100を包んだ緩衝材110の一部が折り畳まれる場合、第2ロボットアーム2Bは、折り畳み後の緩衝材110の大きさが、収容スペースよりも大きい緩衝材110を保管部10から取り出す。
【0024】
ロボットアーム2は、物品100を、緩衝材110によって包む。たとえば、第1ロボットアーム2Aは、把持した物品100を、第2ロボットアーム2Bによって把持された緩衝材110に挿入する。
【0025】
ロボットアーム2は、物品100を包んだ緩衝材110の一部を折り畳み、緩衝材110の開口部110aを閉じる。たとえば、第1ロボットアーム2Aは、開口部110a側の緩衝材110の端部を把持し、把持した緩衝材110の端部を折り畳み、緩衝材110の開口部110aを閉じる。
【0026】
なお、緩衝材110の折り畳み位置は、緩衝材110に対して予め設定される。たとえば、緩衝材110の折り畳み位置は、緩衝材110の開口部110aから予め設定された所定距離となる位置に設定される。緩衝材110の折り畳み位置は、緩衝材110の大きさ毎に設定されてもよい。すなわち、所定距離は、緩衝材110の大きさ毎に設定されてもよい。緩衝材110の折り畳み位置は、物品100の大きさによって決定されてもよい。
【0027】
ロボットアーム2は、緩衝材110によって包まれた物品100を搬送し、緩衝材110によって包まれた物品100を梱包箱120に収容する。
【0028】
第1ロボットアーム2Aと、第2ロボットアーム2Bは、異なる種類のロボットアームであってもよく、同一種類のロボットアームであってもよい。
【0029】
検出部3は、ロボットアーム2に設けられる。検出部3は、ロボットアーム2の先端側に取り付けられる。検出部3は、たとえば、カメラである。カメラは、ロボットアーム2の先端付近、具体的には、把持部2cの周囲を撮影可能となるようにロボットアーム2に取り付けられる。カメラは、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子と、レンズとを備える。検出部3は、ソリッドステートLiDAR(light detection and ranging)、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサの少なくとも1つを含んでもよい。検出部3は、MoPU(Motion Processing Unit)を含んでもよい。MoPUは、高解像度カメラによる動きを検知するユニットである。MoPUは、例えば1000フレーム/秒以上のフレームレートで撮影された物体の画像から、撮影された物体の動きを示す動き情報を、例えば1000フレーム/秒以上のフレームレートで出力する。更に、物体の存在位置を示す点の、所定の座標軸に沿った動きのベクトル情報を動き情報として出力する。すなわち、MoPUから出力される動き情報には、撮影された物体が何であるか(例えば、人なのか、障害物なのか)を識別するために必要な情報は含まれておらず、当該物体の中心点(又は重心点)などの座標軸(x軸、y軸、z軸)上の動き(移動方向と移動速度)を示す情報のみが含まれている。
【0030】
情報処理装置4は、
図2に示すように、情報取得部40と、制御部41と、情報蓄積部42とを備える。
図2は、実施形態に係る情報処理装置4の制御系ブロック図である。
【0031】
情報取得部40は、無線、または、有線によって検出部3などに接続される。情報取得部40は、検出部3によって検知された情報を取得する。たとえば、情報取得部40は、検出部3によって撮影された画像のデータを取得する。
【0032】
情報取得部40は、コントロールセンタなどから送信される、物品100などに関する情報を取得してもよい。物品100などに関する情報は、物品100の大きさに関する情報を含んでもよい。
【0033】
制御部41は、検出部3による検出結果に基づいて、各ロボットアーム2を制御する。制御部41は、各ロボットアーム2を制御する制御信号を各ロボットアーム2に送信する。たとえば、制御部41は、検出部3による検出結果と、AI(Artificial intelligence)とを用いて、物品100を緩衝材110によって包み、緩衝材110によって包まれた物品100を梱包箱120に搬送するように各ロボットアーム2を制御する。制御部41は、たとえば、検出部3によって撮影された画像のデータに、第1画像処理を行い、処理結果に基づいて各ロボットアーム2を制御する。第1画像処理は、各ロボットアーム2によって、物品100、または、緩衝材110を把持し、搬送するための画像処理である。
【0034】
制御部41は、検出部3による検出結果に基づいて、物品100の大きさを計測する。たとえば、制御部41は、検出部3によって撮影された物品100の画像のデータに基づいて、物品100の大きさを計測する。制御部41は、たとえば、検出部3によって撮影された画像のデータに、第2画像処理を行い、処理結果に基づいて物品100の大きさを計測する。第2画像処理は、物品100の大きさを計測するための画像処理である。物品100の大きさは、物品100の長さに関する情報が含まれる。物品100の大きさは、物品100の形状に関する情報を含んでもよい。
【0035】
制御部41は、物品100の大きさ、および、物品100を梱包する梱包箱120の大きさに応じた緩衝材110を選択する。物品100を梱包する梱包箱120の大きさは、たとえば、情報蓄積部42に記憶される。制御部41は、物品100を梱包する梱包箱120が、物品100を梱包するために載置された場合に、載置された梱包箱120の大きさを、情報蓄積部42から読み出す。
【0036】
なお、梱包箱120の大きさは、物品100と同様に、ロボットアーム2に設けられた検出部3によって計測されてもよい。梱包箱120の大きさを計測するための検出部は、ロボットアーム2とは別に設けられてもよい。
【0037】
制御部41は、第2ロボットアーム2Bによって保管部10から取り出す緩衝材110を選択する。制御部41は、物品100を包むことができる緩衝材110であり、かつ、梱包箱120の収容スペースよりも大きい緩衝材110を選択する。具体的には、制御部41は、物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさが、梱包箱120の収容スペースよりも大きい緩衝材110を選択する。
【0038】
制御部41は、物品100の大きさ、および、緩衝材110の大きさに基づいて、物品100を包むことができる緩衝材110を選択する。なお、緩衝材110の大きさについての情報は、情報蓄積部42に記憶される。制御部41は、物品100を包むことができる緩衝材110に対して、物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさを算出する。制御部41は、物品100を包むことができる全ての大きさの緩衝材110に対して、物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさを算出する。
【0039】
制御部41は、物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさと、梱包箱120の収容スペースの大きさとを比較する。制御部41は、物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさが、梱包箱120の収容スペースの大きさよりも大きい緩衝材110を、物品100を包む緩衝材110として選択する。
【0040】
たとえば、物品100の大きさ、および、物品100を梱包する梱包箱120の大きさが、以下の(1)~(3)であるとする。
【0041】
(1)物品100は、「中」、および、「大」の緩衝材110に包むことが可能である。
(2)「中」の緩衝材110に物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさは、梱包箱120の収容スペースよりも小さい。
(3)「大」の緩衝材110に物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさは、梱包箱120の収容スペースよりも大きい。
【0042】
この場合、物品100を「中」の緩衝材110に包んで梱包箱120に梱包すると、梱包箱120を搬送する際に、物品100、および、緩衝材110が梱包箱120の中で移動するおそれがあり、たとえば、物品100が破損するおそれがある。梱包箱120と緩衝材110との間に、他の部材を入れることで、梱包箱120と緩衝材110との隙間を少なくし、搬送時に物品100、および、緩衝材110が梱包箱120の中で移動することを抑制することができ、物品100の破損などを抑制することができる。
【0043】
しかし、梱包箱120と緩衝材110との間に、他の部材を入れる作業工程が必要となる。また、他の部材を準備する必要があり、コストが高くなる。
【0044】
制御部41は、上記条件の場合、物品100を包む緩衝材110として、「大」の緩衝材110を選択する。これにより、物品100を包んだ「大」の緩衝材110が梱包箱120に梱包された場合、緩衝材110の一部が梱包箱120に沿って変形し、緩衝材110と梱包箱120との隙間の発生が抑制される。そのため、搬送時に物品100、および、緩衝材110が梱包箱120の中で移動することを抑制され、物品100の破損などを抑制することができる。
【0045】
物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさが、梱包箱120の収容スペースの大きさよりも大きい緩衝材110が複数ある場合、たとえば、物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさが、梱包箱120の収容スペースの大きさよりも大きい緩衝材110のうち最も小さい緩衝材110が、物品100を包む緩衝材110として選択される。
【0046】
情報蓄積部42は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子などの記憶媒体によって実現される。情報蓄積部42は、制御部41によって実行される各種のプログラムを記憶する。情報蓄積部42は、情報取得部40によって取得された情報を記憶する。
【0047】
次に、実施形態に係る梱包処理について、
図3を用いて説明する。
図3は、実施形態に係る梱包処理を説明するフローチャートである。
【0048】
制御部41は、計測工程を行う(S100)。制御部41は、たとえば、カートロボットによって搬送された物品100の大きさを計測する。制御部41は、たとえば、第1ロボットアーム2Aに設けられた検出部3によって撮影された画像のデータに基づいて、物品100の大きさを計測する。たとえば、制御部41は、第1ロボットアーム2Aを制御して、検出部3によって物品100を撮影する。そして、制御部41は、撮影された画像のデータに基づいて、物品100の大きさを計測する。
【0049】
制御部41は、計測工程の後に、選択工程を行う(S101)。制御部41は、計測された物品100の大きさ、および、梱包箱120の大きさに応じた緩衝材110を、大きさが異なる複数の緩衝材110の中から選択する。制御部41は、物品100を、緩衝材110の開口部110aから挿入でき、物品100を包むことができる緩衝材110を選択する。制御部41は、物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさが、梱包箱120の収容スペースよりも大きい緩衝材110を選択する。
【0050】
制御部41は、選択工程の後に、梱包工程を行う(S102)。制御部41は、複数のロボットアーム2を制御し、梱包工程を行う。制御部41は、物品100を緩衝材110によって包んだ後に、緩衝材110に包まれた物品100が、梱包箱120に搬送されるように、複数のロボットアーム2を制御する。
【0051】
具体的には、制御部41は、選択した緩衝材110を保管部10から第2ロボットアーム2Bによって取り出す。制御部41は、第1ロボットアーム2Aによって物品100を把持し、持ち上げる。制御部41は、
図4に示すように、第2ロボットアーム2Bによって把持した緩衝材110の開口部110aから物品100が緩衝材110に挿入されるように、第1ロボットアーム2A、および、第2ロボットアーム2Bを制御する。
図4は、物品100が緩衝材110に挿入される状態を示す図である。
【0052】
制御部41は、物品100が挿入された緩衝材110の開口部110a側の端を折り畳み、物品100が緩衝材110に包まれるように、第1ロボットアーム2A、および、第2ロボットアーム2Bを制御する。制御部41は、たとえば、第1ロボットアーム2Aによって、緩衝材110の開口部110a側の端を把持し、緩衝材110の開口部110a側の端を折り畳む。
【0053】
制御部41は、折り畳んだ緩衝材110の開口部110a側の端を閉じる。たとえば、制御部41は、折り畳んだ緩衝材110に、第1ロボットアーム2Aによって、テープを貼り、緩衝材110の開口部110a側の端を閉じる。なお、緩衝材110の開口部110a側の端を閉じる方法は、これに限られない。緩衝材110の開口部110a側の端は、ピンや、紐によって閉じられてもよく、熱圧着によって閉じられてもよい。また、制御部41は、緩衝材110の開口部110a側の端を折り畳まずに、閉じてもよい。
【0054】
なお、梱包工程において、緩衝材110の開口部110aの位置は、たとえば、検出部3によって撮影された画像のデータに基づいて、検出される。また、第2ロボットアーム2Bによって緩衝材110が把持された場合に、緩衝材110の開口部110aが、第2ロボットアーム2Bの予め設定された姿勢に対して、緩衝材110の開口部110aの位置が、所定の位置となるように、保管部10に保管されてもよい。
【0055】
制御部41は、緩衝材110によって包まれた物品100を、
図5に示すように、梱包箱120に収容するように、ロボットアーム2を制御する。
図5は、緩衝材110によって包まれた物品100が梱包箱120に搬送される状態を示す図である。
【0056】
物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさは、梱包箱120の収容スペースの大きさよりも大きい。そのため、梱包箱120に、物品100を包んだ緩衝材110が収容された場合、たとえば、緩衝材110の外側の一部110bが梱包箱120の内壁120aに沿って変形し、
図6に示すように、緩衝材110が梱包箱120の内壁120aに当接した状態で、物品100が梱包箱120に梱包される。
図6は、物品100を包んだ緩衝材110が梱包箱120に梱包された状態を示す図である。緩衝材110の一部110bが変形して、梱包箱120に当接することで、梱包箱120における物品100、および、緩衝材110の移動が抑制される。
【0057】
なお、計測工程における物品100の大きさの計測は、ロボットアーム2に設けられた検出部3とは異なる装置によって行われてもよい。たとえば、物品100の大きさを計測する計測装置が、検出部3とは別に設けられてもよい。物品100の大きさの計測は、カートロボットによって行われてもよい。この場合、カートロボットによって行われた物品100の大きさの計測結果は、情報取得部40によって受信される。また、制御部41は、たとえば、コントロールセンタなどから送信される物品100の大きさに関する情報に基づいて、物品100を包む緩衝材110を選択してもよい。
【0058】
梱包装置1は、複数のロボットアーム2と、情報処理装置4とを備える。複数のロボットアーム2は、物品100を緩衝材110によって包む。情報処理装置4は、ロボットアーム2を制御する。情報処理装置4は、物品100の大きさ、および、物品100を梱包する梱包箱120の大きさに応じて、梱包箱120の収容スペースよりも大きい緩衝材110を、大きさが異なる複数の緩衝材110の中から選択し、物品100を、選択した緩衝材110によって包むように、ロボットアーム2を制御する。
【0059】
これにより、梱包装置1は、梱包箱120に物品100を梱包した場合に、緩衝材110と梱包箱120との間に隙間が発生することを抑制し、搬送時に、梱包箱120において物品100、および、緩衝材110が移動することを抑制することができる。そのため、梱包装置1は、梱包箱120と緩衝材110との隙間を、他の部材によって埋める作業工程の発生を防ぐことができる。従って、梱包装置1は、物品100を梱包箱120に梱包する際の作業工程を少なくすることができる。また、梱包装置1は、梱包箱120と緩衝材110との隙間を埋めるための部材を用いずに、梱包箱120において物品100、および、緩衝材110が移動することを抑制することができ、コストを抑制することができる。
【0060】
梱包装置1は、物品100を包む緩衝材110として、物品100を包んだ状態の緩衝材110の大きさが、梱包箱120の収容スペースよりも大きい緩衝材110を選択する。
【0061】
これにより、梱包装置1は、梱包箱120に物品100を梱包した場合に、緩衝材110と梱包箱120との間に隙間が発生することをさらに抑制することができる。
【0062】
なお、梱包装置1は、物品100を緩衝材110に包まずに、梱包箱120に梱包可能であってもよい。また、梱包装置1は、複数の物品100を1つの梱包箱120に梱包可能であってもよい。梱包装置1は、複数の物品100を1つの緩衝材110によって包んでもよい。
【0063】
図7は、情報処理装置4として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0064】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0065】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0066】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0067】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0068】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0069】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0070】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0071】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0072】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0073】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0074】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0075】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0076】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0077】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0078】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0079】
1 梱包装置
2 ロボットアーム(ハンドアーム)
3 検出部
4 情報処理装置(制御装置)
10 保管部
40 情報取得部
41 制御部
42 情報蓄積部
100 物品
110 緩衝材
120 梱包箱