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特開2024-131091完成商品および洗浄済食器具の搬送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131091
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】完成商品および洗浄済食器具の搬送システム
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/24 20060101AFI20240920BHJP
   B65G 21/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A47L15/24
B65G21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041141
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】591186176
【氏名又は名称】株式会社 ゼンショーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】大貫 正文
(72)【発明者】
【氏名】宮田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆志
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082AA03
(57)【要約】
【課題】調理エリア内で使用済食器具を洗浄することなく、調理エリア内での作業を単純化させる。
【解決手段】完成商品および洗浄済食器具の搬送システム10は、調理エリア30と、洗浄エリア40と、調理エリア30と洗浄エリア40との間に接続され座席エリア1に沿って延びる搬送ライン20とを備える。搬送ライン20は完成商品提供コンベア21と、この完成商品提供コンベア21下方に設けられた洗浄済食器具返却コンベア22とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品と食器具とを含む完成商品を準備する調理エリアと、
使用済食器具を洗浄する洗浄エリアと、
前記調理エリアと前記洗浄エリアとの間に配置された座席エリアと、
前記調理エリアと前記洗浄エリアとの間に接続され、前記座席エリアに沿って延びる搬送ラインとを備え、
前記搬送ラインは前記調理エリアで準備された完成商品を前記座席エリアまで搬送する完成商品提供コンベアと、前記完成商品提供コンベアの下方に配置され、前記洗浄エリアで洗浄された洗浄済食器具を前記調理エリアまで搬送する洗浄済食器具返却コンベアとを有する、完成商品および洗浄済食器具の搬送システム。
【請求項2】
前記洗浄エリアは、前記使用済食器具をラック内に収納して前記使用済食器具を前記ラックとともに洗浄し、前記洗浄済食器具を前記ラックとともに、前記洗浄済食器具返却コンベアを経て前記調理エリアまで搬送し、
前記調理エリアと前記洗浄エリアとの間であって、前記完成商品提供コンベア上方に、前記ラックを前記調理エリアから前記洗浄エリアまで戻すラック戻しコンベアを設けた、請求項1記載の完成商品および洗浄済食器具の搬送システム。
【請求項3】
前記ラックは水切りラックとなっている、請求項2記載の完成商品および洗浄済食器具の搬送システム。
【請求項4】
前記ラック戻しコンベアは前記調理エリアから前記洗浄エリアまで下方へ向かって降下するローラーコンベアを有する、請求項2記載の完成商品および洗浄済食器具の搬送システム。
【請求項5】
前記ラック戻しコンベアはその下面および一対の側面が覆い体により覆われている、請求項2記載の完成商品および洗浄済食器具の搬送システム。
【請求項6】
前記調理エリアから前記搬送ラインに平行に延びる追加搬送ラインが設けられ、
前記追加搬送ラインに沿って追加座席エリアが配置されている、請求項1記載の完成商品および洗浄済食器具の搬送システム。
【請求項7】
前記追加搬送ラインは追加完成商品提供コンベアを有する、請求項6記載の完成商品および洗浄済食器具の搬送システム。
【請求項8】
前記完成商品および洗浄済食器具の搬送システムは出入口側と奥側とを含む店内に配置され、
前記調理エリアは前記店内の奥側に配置され、
前記洗浄エリアは前記店内の出入口側に配置される、請求項1記載の完成商品および洗浄済食器具の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、完成商品および洗浄済食器具の搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より料理を提供する店内には座席エリアと、座席エリアから仕切られた調理エリアとが設けられ、調理エリアで準備された完成商品は座席エリアへ搬送される。そして座席エリアで使用された使用済食器具は調理エリアへ戻された後、調理エリアで洗浄される。
【0003】
このように調理エリア内で完成商品の作製と、使用済食器具の洗浄が行われるが、調理エリア内で完成商品の作製と使用済食器具の洗浄の双方を行う場合、調理エリア内での作業が煩雑となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-201889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、このような点を考慮してなされたものであり、調理エリア内で使用済食器具の洗浄を行うことがない、完成商品および洗浄済食器具の搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、商品と食器具とを含む完成商品を準備する調理エリアと、使用済食器具を洗浄する洗浄エリアと、前記調理エリアと前記洗浄エリアとの間に配置された座席エリアと、前記調理エリアと前記洗浄エリアとの間に接続され、前記座席エリアに沿って延びる搬送ラインとを備え、前記搬送ラインは前記調理エリアで準備された完成商品を前記座席エリアまで搬送する完成商品提供コンベアと、前記完成商品提供コンベアの下方に配置され、前記洗浄エリアで洗浄された洗浄済食器具を前記調理エリアまで搬送する洗浄済食器具返却コンベアとを有する、完成商品および洗浄済食器具の搬送システムである。
【0007】
本開示は、前記洗浄エリアは、前記使用済食器具をラック内に収納して前記使用済食器具を前記ラックとともに洗浄し、前記洗浄済食器具を前記ラックとともに、前記洗浄済食器具返却コンベアを経て前記調理エリアまで搬送し、前記調理エリアと前記洗浄エリアとの間であって、前記完成商品提供コンベア上方に、前記ラックを前記調理エリアから前記洗浄エリアまで戻すラック戻しコンベアを設けた、完成商品および洗浄済食器具の搬送システムである。
【0008】
本開示は、前記ラックは水切りラックとなっている、完成商品および洗浄済食器具の搬送システムである。
【0009】
本開示は、前記ラック戻しコンベアは前記調理エリアから前記洗浄エリアまで下方へ向かって降下するローラーコンベアを有する、完成商品および洗浄済食器具の搬送システムである。
【0010】
本開示は、前記ラック戻しコンベアはその下面および一対の側面が覆い体により覆われている、完成商品および洗浄済食器具の搬送システムである。
【0011】
本開示は、前記調理エリアから前記搬送ラインに平行に延びる追加搬送ラインが設けられ、前記追加搬送ラインに沿って追加座席エリアが配置されている、完成商品および洗浄済食器具の搬送システムである。
【0012】
本開示は、前記追加搬送ラインは追加完成商品提供コンベアを有する、完成商品および洗浄済食器具の搬送システムである。
【0013】
本開示は、前記完成商品および洗浄済食器具の搬送システムは出入口側と奥側とを含む店内に配置され、前記調理エリアは前記店内の奥側に配置され、前記洗浄エリアは前記店内の出入口側に配置される、完成商品および洗浄済食器具の搬送システムである。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本開示によれば、調理エリア内で使用済食器具を洗浄することなく、調理エリア内での作業を単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は完成商品および洗浄済食器具の搬送システムを示す全体平面図。
図2図2は座席エリアを示す側面図。
図3図3図1のIII線方向矢視図。
図4図4図1のIV線方向矢視図。
図5図5は調理エリアと洗浄エリアとを接続する搬送ラインを示す概略図。
図6図6は水切りラックを示す概略図。
図7図7はラック戻しコンベアを構成するローラーコンベアを示す概略図。
図8図8は座席エリアを示す斜視図。
図9図9は回収ロボットを示す図。
図10図10図1に示す洗浄エリアの拡大図。
図11A図11Aは搬送ラインを示す概略正面図。
図11B図11Bは商品提供コンベアを示す拡大正面図。
図12図12は完成商品および洗浄済食器具の搬送システムの作用を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<本実施の形態>
以下、図面を参照して本開示による完成商品と使用済食器具の搬送システムの実施の形態について説明する。
【0017】
ここで図1乃至図12は本開示による完成商品と使用済食器具の搬送システムの実施の形態を示す図である。図1に示すように、完成商品と使用済食器具の搬送システム10は、商品(料理)7aと食器具(皿)7bとを含む完成商品7(図11Aおよび図11B参照)を準備する調理エリア30と、使用済食器具5(図9参照)を洗浄する洗浄エリア40と、調理エリア30と洗浄エリア40との間に配置された複数の座席エリア1と、調理エリア30と洗浄エリア40との間に接続され、座席エリア1に沿って延びる搬送ライン20とを備えている。
【0018】
完成商品と使用済食器具の搬送システム10は商品をお客様へ提供する店内11に収納され、店内11は出入口側12と、奥側13とを含む。そして調理エリア30は店内11の奥側13に設けられ、洗浄エリア40は店内11の出入口側12に設けられている。
【0019】
また店内11の出入口側12には、お客様自身で対応するセルフ式のレジカウンタ14が設けられ、さらに出入口側12には、お客様が待機する待機エリア15、ドリンクバー17およびトイレ16が設置されている。
【0020】
図1に示すように、調理エリア30と洗浄エリア40との間に配置された各座席エリア1はテーブル2と、このテーブル2を挟んで設置され、お客様が座る一対の座席3とを含んでおり、複数の座席エリア1は搬送ライン20の両側に連続的に並んで配置されている。本実施の形態においては、5個座席エリア1が配置され、座席エリア1と座席エリア1との間はパーティション4で仕切られている。
【0021】
ところで調理エリア30と洗浄エリア40との間に設けられた搬送ライン20は、調理エリア30で作製された(準備された)完成商品7を座席エリア1まで搬送する完成商品提供コンベア21と、完成商品提供コンベア21の下方に配置され、洗浄エリア40で洗浄された洗浄済食器具6を調理エリア30まで搬送する洗浄済食器具返却コンベア22とを有する(図5、および図11A乃至図11B参照)。
【0022】
図11Aおよび図11Bに示すように、調理エリア30で作製された完成商品7は商品7aと食器具7bとを有し、この完成商品7は完成商品提供コンベア21により搬送される。また後述のように使用済食器具5は、座席エリア1から回収ロボット50により回収されて洗浄エリア40まで運ばれるが、この洗浄エリア40において使用済食器具5は、使用済食器具5を保持する係合部8aと、開口8bとを有する水切りラック8(図6参照)内に収納されて洗浄される。
【0023】
そして使用済食器具5は洗浄エリア40で水切りラック8とともに洗浄される。使用済食器具5は洗浄エリア40において水切りラック8とともに洗浄されて洗浄済食器具6となり、その後洗浄された洗浄済食器具6は水切りラック8とともに洗浄済食器具返却コンベア22によって洗浄エリア40から調理エリア30へと搬送される。
【0024】
この間、洗浄済食器具返却コンベア22上で搬送される間、水切りラック8内の洗浄済食器具6は、水分が開口8bから排出され水切りされて、乾燥した状態で調理エリア30まで搬送されている。
【0025】
次に洗浄済食器具6が調理エリア30まで搬送されると、調理エリア30内で洗浄済食器具6は水切りラック8から取り出され、完成商品を作製する際使用される。他方、水切りラック8から洗浄済食器具6を取り出した後、水切りラック8は、完成商品提供コンベア21上に設けられたラック戻しコンベア23により調理エリア30から洗浄エリア40へ戻される(図5および、図11A乃至図11B参照)。
【0026】
本実施の形態において、ラック戻しコンベア23は調理エリア30から洗浄エリア40まで降下するローラーコンベア23aを含む。
【0027】
また図11Aに示すように、ラック戻しコンベア23は、その下面および一対の側面が覆い体23Aにより覆われており、このためお客様からラック戻しコンベア23上の水切りラック8がみえないようになっている。
【0028】
また図8、および図11A乃至図11Bに示すように、完成商品提供コンベア21上の完成商品7は、お客様からみることができるが、洗浄済食器具6を搬送する洗浄済食器具返却コンベア22は完成商品提供コンベア21の下方に配置されているため、お客様からみることはできない。
【0029】
また図1に示すように、調理エリア30から搬送ライン20に平行して延びる2本の追加搬送ライン20A,20Aが設けられている(図1の中央部および右側部)。
【0030】
そして2本の追加搬送ライン20A,20Aに沿って複数の追加座席エリア1Aが配置されている。各追加座席エリア1Aは、座席エリア1と同様、追加テーブル2Aと、追加テーブル2Aを挟んで設置され、お客様が座る一対の追加座席3Aとを含む。
【0031】
図1において、追加搬送ライン20Aは追加完成商品提供コンベア21Aを有する。また、図1において、搬送ライン20は完成商品提供コンベア21を含むが、便宜上、ラック戻しコンベア23を取り外して示している(図1の左側部)。
【0032】
また図1に示すように、洗浄エリア40内に使用済食器具5と回収する回収ロボット50が待機している(図9参照)。
【0033】
図1に示すように、搬送ライン20の両側に、座席エリア1が配置され、2本の追加搬送ライン20Aの両側に追加座席エリア1Aが配置されている。
【0034】
そして洗浄エリア40内に待機する回収ロボット50は、出口40aから出て、ロボット用通路51Aを通り、座席エリア1まで接近することができる。
【0035】
あるいは洗浄エリア40内に待機する回収ロボット50は出口40bから出て、ロボット用通路51Bを通り、座席エリア1または追加座席エリア1Aまで接近することができる。
【0036】
あるいは洗浄エリア40内に待機する回収ロボット50は出口40bから出てロボット用通路51Cまたは51Dを通り、追加座席エリア1Aまで接近することができる。
【0037】
ところで回収ロボット50は、商品(料理)を食べ終わった後の使用済皿、使用済グラス、使用済フォーク、使用済ナイフ等(これらを総称して「使用済食器具5」という)を回収するロボットであり、上述のようにロボット用通路51A~51Dに沿って所定の座席エリア1または追加座席エリア1Aまで走行し、これら使用済食器具5を回収するようになっている。
【0038】
また図1に示すように、回収ロボット50は洗浄エリア40内に待機している。
【0039】
また搬送ライン20、追加搬送ライン20Aおよび回収ロボット50は制御部10Aにより駆動制御される。
【0040】
次に回収ロボット50について、図9により説明する。図9に示すように回収ロボット50は、車輪52を含むロボット本体51と、ロボット本体51に上下方向に複数段(例えば3段)に設けられた収納棚53とを有している。
【0041】
回収ロボット50が座席エリア1または追加座席エリア1Aまで接近した際、座席エリア1または追加座席エリア1Aから使用済食器具5がバスボックス5a内に回収される。そしてバスボックス5a内に回収された使用済食器具5は、回収ロボット50の収納棚53内に収納される。使用済食器具5を回収した回収ロボット50は、その後、ロボット用通路51A~51Dを通って洗浄エリア40まで戻って、この洗浄エリア40で待機する。
【0042】
次に図1により調理エリア30について述べる。調理エリア30には、洗浄済食器具返却コンベア22により返却された洗浄済食器具6を搬送する食器具搬送ライン31が設けられている。
【0043】
調理エリア30内のスタッフPは食器具搬送ライン31から搬送される洗浄済食器具6を調理台33まで運び、調理台33上で洗浄済食器具6を用いて商品7aと食器具7bとからなる完成商品7を作製する。
【0044】
この間、食器具搬送ライン31により搬送される洗浄済食器具6は、水切りラック8内で水切りされて乾燥している。食器具搬送ライン31により搬送される洗浄済食器具6を水切りラック8から取り出した後、空となった水切りラック8は、上述したラック戻しコンベア23により調理エリア30から洗浄エリア40まで戻される。
【0045】
そして調理台33で作製された完成商品7は載置台32上に載置された後、搬送ライン20の完成商品提供コンベア21により座席エリア1まで搬送される。あるいは調理台33で作製された完成商品7は載置台32上に載置された後、追加搬送ライン20Aの完成商品提供コンベア21により追加座席エリア1Aまで搬送される。
【0046】
次に洗浄エリア40について述べる。図1および図10に示すように、洗浄エリア40には洗浄済食器具返却コンベア22の一端部22aが配置されている。そしてこの洗浄済食器具返却コンベア22の一端部22aに、昇降機42と洗浄機41とが順次並んで設けられている(図3および図4参照)。
【0047】
ここで図3図1のIII線方向矢視図であり、図4図1のIV線方向矢視図である。
【0048】
図3および図4に示すように洗浄エリア40には、洗浄エリア40内のスタッフPが回収ロボット50から回収したバスボックス5aを載置し、このバスボックス5aから使用済食器具5を取り出す作業台43と、常時、水切りラック8を載置しておき、この水切りラック8内に使用済食器具5を収納する載置台44とが設けられている(図4参照)。
【0049】
そしてこの載置台44に隣接して、水切りラック8内の使用済食器具5を水切りラック8とともに洗浄する洗浄機41が設けられている。洗浄機41で洗浄された使用済食器具5は洗浄済食器具6となる。
【0050】
洗浄機41で洗浄された洗浄済食器具6は、水切りラック8とともに、昇降機42へ水平方向に搬送される(図3参照)。そしてこの昇降機42において水切りラック8内の洗浄済食器具6は降下し、洗浄済食器具返却コンベア22の一端部22aと同一高さに達する。
【0051】
その後、昇降機42により降下した洗浄済食器具6は水切りラック8とともに、洗浄済食器具返却コンベア22の一端部22aから調理エリア30まで、洗浄済食器具返却コンベア22により搬送される。
【0052】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について図12に示すフローチャートにより説明する。
【0053】
まず図2に示すように、テーブル2と座席3とを含む所定の座席エリア1にお客様が着席する。
【0054】
次にお客様が端末タブレットを操作して、あるいは店内11のスタッフPが操作して所望の商品(料理)を注文する。この商品注文情報は制御部10Aに送られ、調理エリア30内で調理エリア30内のスタッフPにより商品7aと食器具7bとからなる完成商品7が作製される。
【0055】
次に調理エリア30内で作製された完成商品7は、スタッフPにより、搬送ライン20の完成商品提供コンベア21上に載置され、この完成商品提供コンベア21により座席エリア1まで搬送される。あるいはスタッフPにより追加搬送ライン20Aの追加完成商品提供コンベア21Aにより追加座席エリア1Aまで搬送される。
【0056】
この間、回収ロボット50は洗浄エリア40内に待機している。
【0057】
次に所定の座席エリア1および追加座席エリア1Aのお客様が完成商品提供コンベア21上あるいは追加完成商品提供コンベア21A上の完成商品7を受け取り、このようにして商品提供は終了する。
【0058】
その後、回収ロボット50は、ロボット用通路51A~51Dを走行し、所定の座席エリア1または追加座席エリア1Aまで接近して、使用済食器具5を回収する。
【0059】
次に回収ロボット50による食器具回収作用について説明する。
【0060】
制御部10Aは予め洗浄エリア40内に待機していた回収ロボット50を使用済食器具5の回収タイミングに合わせて作動させ、所定の座席エリア1または追加座席エリア1Aまで走行させる。
【0061】
例えば所定の座席エリア1あるいは追加座席エリア1Aにお客様が着席してから一定時間経過後に、制御部10Aは使用済食器具5の回収タイミングと定めて回収ロボット50を作動させることもできる。
【0062】
あるいは所定の座席エリア1あるいは追加座席エリア1Aから受けた注文商品の数が一定以上となった時、制御部10Aは使用済食器具5の回収タイミングと定めてもよい。また制御部10Aは、所定の座席エリア1または追加座席エリア1Aから最初の注文を受けた時から一定時間経過後を使用済食器具5の回収タイミングとして定めてもよい。
【0063】
この場合、「最初の注文を受けた時」とは、一旦、回収ロボット50により使用済食器具5を回収した場合、回収後の「最初の注文を受けた時」を意味する。
【0064】
あるいは所定の座席エリア1あるいは追加座席エリア1Aからデザートの注文を受けた時に、制御部10Aは使用済食器具5の回収タイミングと定めてもよい。一般にデザートの注文を受けた時は、それまでに予めメイン商品の注文を受け、メイン商品を食べ終わっている場合が多い。このためデザートの注文を受けた時、制御部10Aは、メイン商品の使用済食器具5を回収するため回収ロボット(食器具回収ロボット)50を作動させる。
【0065】
あるいはまた、店内11のスタッフPあるいはお客様が入力部(図示せず)から制御部10Aに対して使用済食器具5の回収タイミングを入力し、制御部10Aはこの入力された回収タイミングに基づいて回収ロボット50を作動させてもよい。
【0066】
このように制御部10Aは、使用済食器具5の回収タイミングに合わせて洗浄エリア40内に待機していた回収ロボット50を出口40aまたは40bから外方へ出し、ロボット用通路51A~51D上を走行させて、所定の座席エリア1または追加座席エリア1Aまで接近させる。
【0067】
回収ロボット50が所定の座席エリア1または追加座席エリア1Aまで達すると、回収ロボット50は顧客に向けて「空いたお皿を回収します」と声を掛ける。
【0068】
このとき、座席エリア1または追加座席エリア1Aのお客様は、この声掛けに応えて、回収ロボット50のロボット本体51に設けられた収納棚53からバスボックス5aを取り出し、このバスボックス5a内に使用済食器具5、例えば使用済皿、使用済グラス、使用済フォーク、使用済ナイフを投入する(図9参照)。その後、お客様が「了解ボタン」(図示せず)を押す、又は一定時間経過後に、回収ロボット50はロボット用通路51A~51D上を走行して洗浄エリア40まで戻る。
【0069】
回収ロボット50が洗浄エリア40まで戻ってくると、スタッフPは回収ロボット50の収納棚53からバスボックス5aを抜き出す。その後スタッフPはバスボックス5aを作業台43上に載置する。
【0070】
次にスタッフPは作業台43上でバスボックス5a内から使用済食器具5を回収し、使用済食器具5を載置台44上に置かれた水切りラック8内に収納する。
【0071】
使用済食器具5が回収されたバスボックス5aは、バスボックス回収台46上に載置される。その後、バスボックス回収台46上のバスボックス5aはまとめて洗浄された後、一つずつ回収ロボット50の収納棚53内に戻される。
【0072】
この間、後述のように調理エリア30から洗浄エリア40までラック戻しコンベア23を介して洗浄済の水切りラック8が戻される。洗浄エリア40内のスタッフPは、ラック戻しコンベア23により洗浄エリア40まで戻された洗浄済の水切りラック8を載置台44上に常に載置しておく。
【0073】
このように載置台44に載置された水切りラック8内に使用済食器具5が収納された後、水切りラック8内の使用済食器具5は、載置台44に隣接して設けられた洗浄機41へ運ばれる。そして洗浄機41により水切りラック8内の使用済食器具5が、水切りラック8とともに洗浄される。洗浄機41で洗浄された使用済食器具5は洗浄済食器具6となる。
【0074】
洗浄機41で洗浄された洗浄済食器具6は、水切りラック8とともに、昇降機42へ水平方向に搬送される。そしてこの昇降機42において水切りラック8内の洗浄済食器具6は降下し、洗浄済食器具返却コンベア22の一端部22aと同一高さに達する。
【0075】
その後、昇降機42により降下した洗浄済食器具6は水切りラック8とともに、洗浄済食器具返却コンベア22の一端部22aから調理エリア30まで、洗浄済食器具返却コンベア22により搬送される。
【0076】
洗浄済食器具返却コンベア22上で搬送される間、水切りラック8内の洗浄済食器具6は、水分が開口8bから排出され、水切りされて乾燥した状態で調理エリア30まで搬送される。
【0077】
次に洗浄済食器具6が調理エリア30まで搬送されると、洗浄済食器具6は水切りラック8とともに、食器具搬送ライン31を通って調理台33まで搬送される。調理台33において、洗浄済食器具6は水切りラック8から取り出され、完成商品7を作製する際使用される。他方、水切りラック8から洗浄済食器具6を取り出した後、水切りラック8は、完成商品提供コンベア21上に設けられたラック戻しコンベア23により調理エリア30から洗浄エリア40へ戻される(図5および、図11A乃至図11B参照)。
【0078】
以上のように本実施の形態によれば、店内11の出入口側12に洗浄エリア40が配置され、店内11の奥側13に調理エリア30が配置されている。このため調理エリア30内で商品7aと食器具7bとを含む完成商品7を作製し、かつ調理エリア30内で使用済食器具5を洗浄する場合に比べて、調理エリア30内における作業と洗浄エリア40内における作業を明確に切り分けることができる。このため調理エリア30内において完成商品を作製する作業に集中することができ、このことにより、調理エリア30内の作業が煩雑になることはない。
【0079】
また店内11の出入口側に洗浄エリア40を設けることにより、例えば洗浄エリア40内の作業量が少なくなった際、洗浄エリア40内のスタッフPは洗浄エリア40内の作業から離れて、出入口側11近傍でお客様の接客対応を行うこともできる。
【0080】
また使用済食器具5は洗浄エリア40内で水切りラック8とともに洗浄されて洗浄済食器具6となり、この洗浄済食器具6は水切りラック8とともに洗浄済食器具返却コンベア22により調理エリア30まで返却される。この場合、洗浄済食器具返却コンベア22を搬送ライン20のうち、完成商品提供コンベア21の下方に配置することができるため、洗浄済食器具返却コンベア22を設置するため、特別に設置エリアを設ける必要はない。
【0081】
また洗浄済食器具返却コンベア22により調理エリア30まで搬送される洗浄済食器具6は、洗浄済食器具返却コンベア22による搬送中に水切りされて乾燥するため、調理エリア30まで搬送された洗浄済食器具6を直ちに完成商品7を作製するために用いることができる。
【0082】
また、搬送ライン20に設置された洗浄済食器具返却コンベア22は、水切りラック8内の洗浄済食器具6を搬送するものである。このため搬送ライン20に使用済食器具5からの汚れが付着したり、搬送ライン20に異臭が残ることはない。
【0083】
また調理エリア30まで搬送された洗浄済食器具6は水切りラック8から取り出されて使用され、他方、洗浄済食器具6が取り出されて空となった水切りラック8は完成商品提供コンベア21上に設けられたローラーコンベア23aからなるラック戻しコンベア23により調理エリア30から洗浄エリア40まで戻される。この場合、ラック戻しコンベア23はその下面および一対の側面が覆い体23Aにより覆われているため、お客様からラック戻しコンベア23上の水切りラック8がみえることはない。
【0084】
またラック戻しコンベア23はローラーコンベア23aからなるとともに、このローラーコンベア23aは調理エリア30から徐々に洗浄エリア40まで降下するよう配置されている。
【0085】
このため調理エリア30内のスタッフPは空の水切りラック8をローラーコンベア23a上に載せるだけで、特に動力を使うことなく、このローラーコンベア23aにより水切りラック8を洗浄エリア40まで確実に搬送させることができる。
【0086】
ところで座席エリア1あるいは追加座席エリア1Aから使用済食器具5を回収する場合、洗浄エリア40内に待機する回収ロボット50が、出口40aから出て、ロボット用通路51Aを通り、座席エリア1まで接近する。
【0087】
あるいは洗浄エリア40内に待機する回収ロボット50は出口40bから出て、ロボット用通路51Bを通り、座席エリア1または追加座席エリア1Aまで接近することができる。
【0088】
あるいは洗浄エリア40内に待機する回収ロボット50は出口40bから出てロボット用通路51Cまたは51Dを通り、追加座席エリア1Aまで接近することができる。
【0089】
このように洗浄エリア40内に待機する回収ロボット50が座席エリア1および追加座席エリア1Aまで接近する動線を、搬送ライン20と独立して確保することができるため、回収ロボット50により使用済食器具5をスムーズに回収することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 座席エリア
1A 追加座席エリア
2 テーブル
2A 追加テーブル
3 座席
3A 追加座席
5 使用済食器具
5a バスボックス
6 洗浄済食器具
7 完成商品
7a 商品
7b 食器具
8 水切りラック
10 完成商品および洗浄済食器具の搬送システム
11 店内
12 出入口側
13 奥側
20 搬送ライン
20A 追加搬送ライン
21 完成商品提供コンベア
21A 追加完成商品提供コンベア
22 洗浄済食器具返却コンベア
23 ラック戻しコンベア
23a ローラーコンベア
23A 覆い体
30 調理エリア
31 食器具搬送ライン
32 載置台
33 調理台
40 洗浄エリア
41 洗浄機
42 昇降機
43 作業台
44 載置台
46 バスボックス回収台
50 回収ロボット
51A~51D ロボット用通路
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12