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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131113
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20240920BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20240920BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240920BHJP
   F24H 15/45 20220101ALI20240920BHJP
   F24H 15/457 20220101ALI20240920BHJP
   F24H 15/281 20220101ALI20240920BHJP
   F24H 15/395 20220101ALI20240920BHJP
   F24H 15/10 20220101ALI20240920BHJP
   F24H 9/25 20220101ALI20240920BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/0488
G06F3/041 520
F24H15/45 101
F24H15/457
F24H15/281
F24H15/395
F24H15/10
F24H9/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041178
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中越 雅紀
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA07
5E555AA57
5E555AA59
5E555BA05
5E555BA15
5E555BB05
5E555BB15
5E555BC15
5E555CA12
5E555DD03
5E555DD08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】タッチパネルにおけるユーザーのタッチ位置と、タッチパネルに表示される画像においてタッチ位置に対応する対応位置と、の間に生じる位置ずれが較正されないまま使用され続けることを抑制しつつ、当該位置ずれを精度よく較正することが可能な、操作装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る操作装置は、画像を表示するとともに、ユーザーによるタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、タッチパネルの動作を制御する制御器と、報知器と、を備え、制御器は、タッチパネルにおけるユーザーのタッチ位置と、タッチパネルに表示される画像においてタッチ位置に対応する対応位置と、の間の位置ずれを較正する較正モードをタッチ操作に基づき実行可能であり、タッチパネルの動作時間を計測し、当該動作時間が所定のしきい値以上になった場合に、報知器により較正モードの実行を促す報知を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するとともに、ユーザーによるタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチパネルの動作を制御する制御器と、
報知器と、を備え、
前記制御器は、
前記タッチパネルにおけるユーザーのタッチ位置と、前記タッチパネルに表示される前記画像において前記タッチ位置に対応する対応位置と、の間の位置ずれを較正する較正モードを前記タッチ操作に基づき実行可能であり、
前記タッチパネルの動作時間を計測し、前記動作時間が所定のしきい値以上になった場合に、前記報知器により前記較正モードの実行を促す報知を行う、操作装置。
【請求項2】
前記報知器は、前記タッチパネルを含み、
前記タッチパネルが、問い合わせ画面を表示することにより、前記較正モードの実行を促す報知を行う、請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記問い合わせ画面は、前記位置ずれが生じているか否かを問い合わせる第1問い合わせ画面を含む、請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記問い合わせ画面は、前記較正モードを実行するか否かを問い合わせる第2問い合わせ画面を含む、請求項2に記載の操作装置。
【請求項5】
前記制御器は、前記第2問い合わせ画面において、前記較正モードを実行する旨の前記タッチ操作を受け付けた場合に、前記較正モードを実行する、請求項4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記制御器は、前記第1問い合わせ画面において、前記位置ずれが生じている旨の前記タッチ操作を受け付けた場合に、前記較正モードを実行する、請求項3に記載の操作装置。
【請求項7】
温水機器を遠隔操作するリモコンである、請求項1ないし6のいずれかに記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像を表示するとともに、ユーザーによるタッチ操作を受け付けるタッチパネルを備える操作装置が知られている。このような操作装置では、タッチパネルにおけるユーザーのタッチ位置と、タッチパネルに表示される画像において当該タッチ位置に対応する対応位置と、の間に位置ずれが生じてしまう場合があった。これに関して、例えば、特許文献1の入力装置、特許文献2のタッチパネル座標自動修正装置、および特許文献3のタッチパネル付きディスプレイ装置がある。
【0003】
特許文献1の入力装置では、タッチパネルに表示される特定のボタン画像が基準位置を含む。当該基準位置は、例えば、当該特定のボタン画像の中心である。そして、当該基準位置と、当該基準位置を含む特定のボタン画像においてタッチ位置に対応する対応位置と、の間の差分に基づき、当該基準位置と当該対応位置との間の位置ずれが較正される。
【0004】
特許文献2のタッチパネル座標自動修正装置では、タッチパネルの押圧座標と予め設定された基準座標との差分に基づき、トップページで当該基準座標を修正することにより、次ページ以降のタッチパネルの座標を修正する。
【0005】
特許文献3のタッチパネル付きディスプレイ装置では、ディスプレイ画面上で検出されたタッチ位置を当該タッチ位置の座標を算出する際に用いるタッチ座標空間で表したタッチ座標と、同タッチ位置を同ディスプレイ画面上で予め設定された表示座標空間で表した表示座標と、の相違に基づき、タッチ座標を表示座標に一致させる補正係数を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-016516号公報
【特許文献2】特許第5674079号公報
【特許文献3】特開2005-56088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
タッチ位置と対応位置との間の位置ずれを較正するには、例えば、ユーザーが自らの意思で操作装置を操作してタッチパネルを較正モードに遷移させる必要があった。このような操作装置では、当該位置ずれが較正されないまま使用され続けてしまう問題が生じていた。これに関して、特許文献1,2では、当該位置ずれを自動で較正するが、較正モードに遷移しないので、精度よく当該位置ずれを較正できない場合があった。一方、特許文献3では、当該位置ずれを較正モードに遷移して較正するが、ユーザーが自らの意思でタッチパネルを操作して較正モードに遷移させる必要があるので、上記のように、当該位置ずれが較正されないまま使用され続けてしまう虞があった。
【0008】
そこで、本開示は、タッチパネルにおけるユーザーのタッチ位置と、タッチパネルに表示される画像においてタッチ位置に対応する対応位置と、の間に生じる位置ずれが較正されないまま使用され続けることを抑制しつつ、当該位置ずれを精度よく較正することが可能な、操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る操作装置は、画像を表示するとともに、ユーザーによるタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、前記タッチパネルの動作を制御する制御器と、報知器と、を備え、前記制御器は、前記タッチパネルにおけるユーザーのタッチ位置と、前記タッチパネルに表示される前記画像において前記タッチ位置に対応する対応位置と、の間の位置ずれを較正する較正モードを前記タッチ操作に基づき実行可能であり、前記タッチパネルの動作時間を計測し、前記動作時間が所定のしきい値以上になった場合に、前記報知器により前記較正モードの実行を促す報知を行う。
【0010】
この構成によれば、タッチパネルの動作時間を計測し、当該動作時間が所定のしきい値以上になった場合に、報知器により較正モードの実行を促す報知を行う。これにより、タッチパネルにおけるユーザーのタッチ位置と、タッチパネルに表示される画像においてタッチ位置に対応する対応位置と、の間に生じる位置ずれが較正されないまま使用され続けることを抑制しつつ、当該位置ずれを精度よく較正することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、タッチパネルにおけるユーザーのタッチ位置と、タッチパネルに表示される画像においてタッチ位置に対応する対応位置と、の間に生じる位置ずれが較正されないまま使用され続けることを抑制しつつ、当該位置ずれを精度よく較正することが可能な、操作装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の一態様に係る設備機器システムの概略構成図である。
図2図2は、本開示の一態様に係るリモコンの正面図である。
図3図3は、本開示の一態様に係るリモコンの制御部が較正モードを実行するまでの処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本開示の一態様に係るリモコンのタッチパネルに表示される第1問い合わせ画面を示す図である。
図5図5は、本開示の一態様に係るリモコンのタッチパネルに表示される第2問い合わせ画面を示す図である。
図6A図6Aは、本開示の一態様に係るリモコンのタッチパネルにおいて、タッチ位置と対応位置との間の位置ずれを較正する前の状態を示す模式図である。
図6B図6Bは、本開示の一態様に係るリモコンのタッチパネルにおいて、タッチ位置と対応位置との間の位置ずれを較正したあとの状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.設備機器システムについて
以下、本開示の一態様に係る操作装置について図面を参照して説明する。なお、本態様によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0014】
図1は、本開示の一態様に係る設備機器システムの概略構成図である。
【0015】
この設備機器システム1は、設備機器の一例である給湯器2(例えば、燃焼加熱式の給湯器)と、給湯器2と通信可能に接続された給湯器専用のリモコン3A,3Bと、インターネット等の通信網4に接続されたサーバ装置である管理サーバ5とを備えている。本態様では、リモコン3Aが、操作装置を構成する。一のリモコン3Aは、給湯器2と管理サーバ5との間の通信を中継するための中継装置(後述する外部通信部36)を筐体内に内蔵している。管理サーバ5は、通信網4およびこの通信網4に接続されたルータ(無線LANルータ)6を介してリモコン3Aと通信を行う。無線LANルータ6は、給湯器2が設置されている住宅の入居者(ユーザ)が所有しているものである。
【0016】
なお、給湯器2が設置されている住宅は1つでもよいが通常多数存在し、設備機器システム1を構成する給湯器2も1つでもよいが通常多数存在する。ここでは、代表して、1台の給湯器2のみを図示し、また、その給湯器2のみに対応するリモコン3A,3Bおよびルータ6を図示している。以下では、図示されたものについて説明する。
【0017】
給湯器2は、給湯器本体21と、給湯器本体21に接続され、給湯器本体21の制御を行う主制御部23を含むコントローラ22と、を備えている。給湯器本体21は、住宅の屋外または屋内の所定の場所に設置され、例えば、風呂または台所等の所定の給湯箇所における給湯機能、風呂の追い焚き機能等を備えている。コントローラ22は、通常、給湯器本体21の筐体内に設けられる。
【0018】
コントローラ22は、主制御部23、記憶部24および通信部25を備えている。主制御部23は、CPU、ROM、およびRAM等で構成されたマイクロコントローラや集積回路を備えている。主制御部23と、給湯器本体21を構成する送風機、風呂ポンプをはじめとする各電装品等との間には、各電装品等を制御する信号経路(図示せず)が設けられている。記憶部24は、例えば、フラッシュメモリのような不揮発性メモリ等により構成される。主制御部23は、記憶部24に記憶された制御プログラムに従って給湯器本体21の各種制御を実行する。制御プログラムには、各電装品の運転に関する各種プログラムが含まれており、これらのプログラムに基づいて各電装品の制御が行われる。
【0019】
本態様において、リモコン3A,3Bは、給湯器本体21を遠隔操作するために室内の壁面等に設置される壁面設置型のリモコン(専用リモコン)として構成される。コントローラ22およびリモコン3A,3Bは、通信線7により互いに通信可能に接続されている。主制御部23は、通信部25を介してリモコン3A,3Bと通信する。リモコン3A,3Bは、主制御部23に対する操作信号を出力可能に構成される。
【0020】
このために、リモコン3Aは、ユーザーによる入力操作を行うための操作部31と、給湯器本体21からの情報を報知する報知部32と、給湯器2(主制御部23)との通信を行うための通信部33と、記憶部34と、リモコン制御部35と、を備えている。操作部31は、後述するタッチパネル60を含む。リモコン制御部35は、当該タッチパネル60の動作を制御する制御部90(制御器)を含む。図示しないが、リモコン3Bも、リモコン3Aと同様に、操作部31、報知部32、通信部33、記憶部34およびリモコン制御部35を備えている。操作部31、報知部32、通信部33、記憶部34およびリモコン制御部35は、通信バス37を介して互いに通信可能に構成されている。報知部32は、図示しないが、例えば、給湯および/または風呂湯水についての現在の設定温度、動作確認表示、現在時刻等が表示されるディスプレイ(表示部)と設定温度到達音、警告音、所定のアナウンス等を出力するスピーカ(音声出力部)とを含む。
【0021】
操作部31は、後述するように、例えば複数の操作ボタンを備えている。リモコン制御部35は、マイクロコントローラ等により構成され、複数の操作ボタンの何れかが押下操作された場合に、当該押下操作された操作ボタンに応じた操作信号を生成する。生成された操作信号は、通信部33および25を介して主制御部23に送られ、主制御部23は、受信した操作信号に基づいて給湯器本体21の制御を行う。
【0022】
なお、図1には、1つの給湯器2に対して2つのリモコン3A,3Bが示されている。例えば、リモコン3Aは、台所に設置される台所リモコンであり、リモコン3Bは、浴室に設置される浴室リモコンである。なお、リモコンの数は、これに限られず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、各リモコンの設置場所は、上記に限られない。
【0023】
通信線7は、例えば電源線上に通信情報を重畳させることが可能な2芯通信線が用いられる。給湯器2は、外部交流電源(商用電源)から供給される交流電圧を変換して所定の直流電圧を生成する電源部(図示せず)を有し、この電源部で生成した直流電圧を内部で使用するとともに、通信線(2芯通信線)7を介してリモコン3A,3Bへその動作用電源電圧として供給する。
【0024】
給湯器2(主制御部23)とリモコン3A,3Bとの間で相互通信される情報は、給湯に関する指令データ(給湯器2の後述する運転オンモードと運転オフモードの切り替え、給湯設定温度変更等)、給湯状態のデータ(各種センサの測定結果、風呂設定温度到達の報知、異常報知等)等を含む。
【0025】
上述したように、2つのリモコン3A,3Bのうちのリモコン3Aは、給湯器2と管理サーバ5との間の中継装置としてルータ6と通信接続される外部通信部36を備えている。外部通信部36は、通信線7に直接接続され、主制御部23(通信部25)およびリモコン制御部35(通信部33)等と通信可能に構成されている。外部通信部36は、主制御部23との間の通信処理を実行するとともに、ルータ6および通信網4を介して行う管理サーバ5との間の通信処理を実行する。外部通信部(中継装置)36は、例えば、主制御部23から送信されてきた機器情報を、通信形式を変換してルータ6および通信網4を介して管理サーバ5へ送信する。
【0026】
管理サーバ5は、機器情報を記憶する記憶部50を備えている。ここで、機器情報としては、主制御部23から電源投入後に最初に外部通信部36へ送信される機器構成情報、主制御部23から定期的(例えば1時間間隔)に外部通信部36へ送信される給湯器本体21の運転状態を示す運転状態情報、エラー情報等がある。ここで、機器構成情報は、給湯器本体21の種類等を示す情報であり、運転状態情報は、給湯器本体21の給湯設定温度、燃焼運転回数、燃焼運転時間等を含む情報である。エラー情報は、給湯器本体21に何らかの異常が発生したときに、その異常を示す情報であり、各リモコン3A,3Bにも表示される情報である。
【0027】
これらの機器情報は、外部通信部36から中継装置としての外部通信部36の識別番号とともに管理サーバ5へ送信される。そして管理サーバ5では、受信した機器情報を、中継装置としての識別番号と関連付けて記憶部50に記憶している。
【0028】
また、外部通信部36は、管理サーバ5から通信網4およびルータ6を介して送信されてきた情報を取得し、必要であれば、通信形式を変換して主制御部23へ送信する。
【0029】
なお、中継装置を内蔵しないリモコン3Bには、外部通信部36は設けられない。
【0030】
2.リモコン(操作装置)について
2.1.基本構成について
図2は、本開示の一態様に係るリモコンの正面図である。図2に示すように、リモコン3Aは、ユーザーにより押下操作されることで、給湯器2が給湯運転可能な運転オンモードと、給湯器2が給湯運転不可能な運転オフモードと、を切り替える運転スイッチ58と、画像を表示するとともに、ユーザーによるタッチ操作を受け付けるタッチパネル60と、を備える。
【0031】
本態様では、リモコン3Aへの通電時には、タッチパネル60が常時動作している場合について説明する。なお、本態様では、給湯器2の電源プラグが外部交流電源(例えば、商用電源の交流電圧100V)の電源コンセントに差し込まれると、自動的に通信線7に直流電圧15Vが供給され、リモコン3A、3Bが常時通電状態になる。また、例えば、給湯器2の上記した運転オンモードでは、タッチパネル60のバックライトは通常点灯しているが、運転スイッチ58への押下操作およびタッチパネル60へのタッチ操作が一定時間行われなかった場合、給湯器2の運転オンモードが維持されたまま、リモコン3Aが省電力モードへと遷移し、タッチパネル60のバックライトが消灯する。本態様では、タッチパネル60の動作時間は、給湯器2の運転オンモードの累積時間である。また、本態様では、当該タッチパネルの動作時間には、省電力モードの実行時間も含まれるものとする。
【0032】
図2には、タッチパネル60が通常モードのトップ画面61を表示した状態を示している。給湯器2から通信線7を介して直流電圧15Vがリモコン3Aに通電され、そのあとで、運転スイッチ58が押下操作されて給湯器2が運転オンモードとなり、制御部90(制御器)が通常モードを実行することで、図2に示すようにタッチパネル60がトップ画面61を表示した状態となる。上記のように、給湯器2が運転オンモードになり、タッチパネル60が動作を開始することで、当該タッチパネル60がユーザーによるタッチ操作を受け付け可能な状態となる。トップ画面61には、給湯器2から供給されるお湯の給湯設定温度を表わす「温度」表示画像62、日時を表わす「日時」表示画像63、「メニュー」ボタン画像64、「追いだき」ボタン画像65、および「ふろ自動」ボタン画像66が含まれる。
【0033】
「メニュー」ボタン画像64がタッチ操作されることで、トップ画面61から下位階層の画面へと遷移し、タッチパネル60に各種のメニューが表示される。また、「追いだき」ボタン画像65がタッチ操作されることで、浴槽のお湯の追い焚きが実行される。また、「ふろ自動」ボタン画像66がタッチ操作されることで、浴槽のお湯が予め設定された水位および温度となるように、浴槽への湯張りなどが実行される。
【0034】
リモコン3Aの使用を一定期間続けると、タッチパネルにおけるユーザーのタッチ位置と、タッチパネルに表示される画像において当該タッチ位置に対応する対応位置と、の間に位置ずれ(以下特に必要な場合を除き単に「位置ずれ」と言う。)が生じてしまう場合がある。制御部90は、当該位置ずれを較正する較正モードを実行可能である。
【0035】
2.2.制御部90による処理の一例
タッチパネル60の制御部90(制御器)が較正モードを実行するまでの処理について、図3ないし5に基づき説明する。図3は、本開示の一態様に係るリモコンの制御部が較正モードを実行するまでの処理の一例を示すフローチャートである。
【0036】
まず、給湯器2の電源プラグが外部交流電源の電源コンセントに差し込まれることで、制御部90ひいてはリモコン3Aへの通電が開始される(図3において、ステップS1)。
【0037】
次に、運転スイッチ58が押下操作され、給湯器2が運転オンモードとなることで(図3のステップS2で「はい」)、制御部90が、通常モードを実行してタッチパネル60に図2に示すトップ画面61を表示し、当該タッチパネル60の動作時間の計測を開始する(図3において、ステップS3)。ここで、タッチパネル60の動作時間の計測は、給湯器2の運転オンモードの累積時間の計測と同義である。制御部90は、運転オンモードが終了する毎に、前回までの運転オンモードの累積時間に今回の運転オンモードの実行時間を加算して新たな累積時間を導出し、導出した当該累積時間を記憶部34に記憶する。
【0038】
次に、制御部90は、タッチパネル60の動作時間が所定のしきい値以上になったか否かを判定する(図3において、ステップS4)。所定のしきい値は、例えば、3年であっても良い。
【0039】
制御部90は、タッチパネル60の動作時間が所定のしきい値以上になったと判定した場合に(ステップS4で「はい」)、タッチパネル60に、位置ずれが生じているか否かを問い合わせる第1問い合わせ画面71を表示する。
【0040】
図4は、本開示の一態様に係るリモコンのタッチパネルに表示される第1問い合わせ画面を示す図である。図4に示すように、第1問い合わせ画面71には、「トップ」ボタン画像72、「戻る」ボタン画像73、「タッチパネル補正」文字画像74、「SWの位置ずれはありませんか?」文字画像75、「あり」ボタン画像76、および「なし」ボタン画像77が含まれる。
【0041】
「トップ」ボタン画像72がタッチ操作されることで、図2に示すトップ画面61が表示された状態となる。また、「戻る」ボタン画像73がタッチ操作されることで、第1問い合わせ画面71から当該第1問い合わせ画面71を表示する直前の状態へと遷移する。また、「あり」ボタン画像76がタッチ操作されることで、タッチパネル60に後述する第2問い合わせ画面81を表示する。また、「なし」ボタン画像77がタッチ操作されることで、第1問い合わせ画面71から当該第1問い合わせ画面71を表示する直前の状態へと遷移する。
【0042】
制御部90は、第1問い合わせ画面71において、タッチ操作を受け付け(図3において、ステップS6)、受け付けた当該タッチ操作に基づき、位置ずれが生じているか否かを判定する(図3において、ステップS7)。
【0043】
制御部90は、第1問い合わせ画面71において、「あり」ボタン画像76がタッチ操作されることで、位置ずれが生じていると判定し(ステップS7で「はい」)、タッチパネル60に、較正モードを実行するか否かを問い合わせる第2問い合わせ画面81を表示する(図3において、ステップS8)。
【0044】
図5は、本開示の一態様に係るリモコンのタッチパネルに表示される第2問い合わせ画面を示す図である。図5に示すように、第2問い合わせ画面81には、「トップ」ボタン画像82、「戻る」ボタン画像83、「タッチパネル補正」文字画像84、「タッチパネルの補正を行いますか?」文字画像85、「する」ボタン画像86、および「しない」ボタン画像87が含まれる。
【0045】
「トップ」ボタン画像82がタッチ操作されることで、図2に示すトップ画面61が表示された状態となる。また、「戻る」ボタン画像73がタッチ操作されることで、第1問い合わせ画面71が再び表示される。また、「する」ボタン画像86がタッチ操作されることで、較正モードが実行される。また、「しない」ボタン画像87がタッチ操作されることで、第1問い合わせ画面71を表示する直前の状態へと遷移する。
【0046】
制御部90は、第2問い合わせ画面81において、タッチ操作を受け付け(図3において、ステップS9)、受け付けた当該タッチ操作に基づき、較正モードを実行するか否かを判定する(図3において、ステップS10)。
【0047】
制御部90は、第2問い合わせ画面81において、「する」ボタン画像86がタッチ操作されることで、較正モードを実行すると判定し(ステップS10で「はい」)、較正モードを実行する(図3において、ステップS11)。
【0048】
なお、制御部90は、第1問い合わせ画面71において、「トップ」ボタン画像72、「戻る」ボタン画像73、および「なし」ボタン画像77がタッチ操作されることで、位置ずれが生じていないと判定し(ステップS7で「いいえ」)、そのあとで、上記した所定のしきい値を変更するとともに(図3において、ステップS12)、タッチパネル60の動作時間をリセットし(換言すれば、給湯器2の運転オンモードの累積時間を0に初期化し)(図3において、ステップS13)、ステップS3に戻って以降の処理を実行する。同様に、制御部90は、第2問い合わせ画面81において、「トップ」ボタン画像82、「戻る」ボタン画像83、および「しない」ボタン画像87がタッチ操作されることで、較正モードを実行しないと判定し(ステップS10で「いいえ」)、そのあとで、上記した所定のしきい値を変更するとともに(図3において、ステップS12)、タッチパネル60の動作時間をリセットし(図3において、ステップS13)、ステップS3に戻って以降の処理を実行する。なお、ステップS12では、上記した所定のしきい値を、例えば、3年から1年に変更しても良いし、他の値に変更しても良い。
【0049】
2.3.較正モードについて
次に、較正モードの一例について説明する。制御部90(制御器)は、較正モードに遷移すると、例えば、まず、タッチパネル60の上端部にタッチ操作を促す文字画像を表示するとともに、ユーザーがタッチ操作すべき「十」ボタン画像を表示し、タッチ操作を受け付ける。次に、制御部90は、タッチパネル60の上端部にタッチ操作を促す文字画像を表示した状態を維持しつつ、前回とは異なる場所にユーザーがタッチ操作すべき「十」ボタン画像を表示し、タッチ操作を再び受け付ける。そのあと、制御部90は、タッチパネル60に同様の動作を複数回実行させたあとで、受け付けた複数回のタッチ操作に基づき、位置ずれを較正する。
【0050】
図6Aは、本開示の一態様に係るリモコンのタッチパネルにおいて、タッチ位置と対応位置との間の位置ずれを較正する前の状態を示す模式図である。図6Bは、当該位置ずれを較正したあとの状態を示す模式図である。図6A,6Bにおいて、タッチパネル60は、タッチ操作可能なタッチ操作可能領域67を有する。当該タッチ操作可能領域67は、例えば、タッチパネル60の表面全体である。制御部90は、タッチパネル60に対応して、タッチ操作を認識可能な認識領域68を有する。
【0051】
タッチパネル60の使用を続けていると、図6Aに示すように、認識領域68が、タッチ操作可能領域67からずれてしまう。これにより、図6Aに示すように、タッチパネル60におけるユーザーのタッチ位置67aと、タッチパネル60に表示される画像において当該タッチ位置67aに対応する対応位置68aと、の間に位置ずれが生じてしまう。したがって、例えば、ユーザーがタッチパネル60の中心部分をタッチ操作したにもかかわらず、制御部90がタッチパネル60の右下部分がタッチ操作されたと認識してしまう。
【0052】
そこで、制御部90が較正モードを実行して、図6Bに示すように、認識領域68をタッチ操作可能領域67に一致させる。これにより、同図に示すように、タッチ位置67aと対応位置68aとの間の位置ずれが較正される。
【0053】
2.4.効果
本態様に係るリモコン3A(操作装置)は、タッチパネル60の動作時間を計測し、当該動作時間が所定のしきい値以上になった場合に、タッチパネル60により較正モードの実行を促す報知を行う。これにより、タッチパネル60におけるユーザーのタッチ位置と、タッチパネル60に表示される画像においてタッチ位置に対応する対応位置と、の間に生じる位置ずれが較正されないまま使用され続けることを抑制しつつ、当該位置ずれを精度よく較正することが可能となる。
【0054】
また、本態様では、タッチパネル60が、問い合わせ画面(第1問い合わせ画面71および第2問い合わせ画面81)を表示することにより、較正モードの実行を促す報知を行う。すなわち、本態様では、報知器がタッチパネル60を含む。これにより、例えば、報知器がタッチパネル60とは別個に設けられた他の機器を含む場合と比較して、装置構成を簡単にすることが可能となる。
【0055】
また、本態様では、上記した問い合わせ画面が、位置ずれが生じているか否かを問い合わせる第1問い合わせ画面71を含む。これにより、タッチパネル60の動作時間が所定のしきい値以上になったタイミングで、位置ずれが生じていない場合に、較正モードが実行されることを防止することができるので、利便性が向上する。
【0056】
また、本態様では、上記した問い合わせ画面が、較正モードを実行するか否かを問い合わせる第2問い合わせ画面81を含む。これにより、タッチパネル60の動作時間が所定のしきい値以上になったタイミングで、ユーザーの判断に基づき、簡単な操作で較正モードを実行することが可能となる。
【0057】
また、本態様では、制御部90(制御器)は、第2問い合わせ画面81において、較正モードを実行する旨のタッチ操作を受け付けた場合に、較正モードを実行する。これにより、例えば、第1問い合わせ画面71において、位置ずれが生じている旨のタッチ操作を受け付けた場合に、較正モードを実行する場合と比較して、ユーザーの判断に沿ってタッチパネル80を動作させることが可能となる。
【0058】
2.5.変形例
上記の説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良や他の態様が明らかである。したがって、上記の説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
【0059】
上記の態様では、タッチパネル60の動作時間の所定のしきい値が、3年である場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、当該所定のしきい値は、3年より短くても良いし、または、3年より長くても良い。また、上記の態様では、図3のステップS12において、所定のしきい値を3年から1年に変更する場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、当該ステップS12において、所定のしきい値を3年から当該3年より短く1年より長い値に変更しても良いし、1年より短い値に変更しても良い。同様に、例えば、所定のしきい値の初期値が3年以外の場合であっても、当該初期値から当該初期値よりも短い任意の値に変更することができる。
【0060】
上記の態様では、較正モードの実行を促す報知を行う報知器が、タッチパネル60である場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、当該報知器は、タッチパネル60の代わりに、例えば、点灯もしくは点滅するランプ、または音声を発するスピーカを含んでも良い。あるいは、当該報知器は、当該ランプ、当該スピーカおよびタッチパネル60のうちの少なくともいずれか2つを含んでも良い。
【0061】
上記の態様では、問い合わせ画面が、第1問い合わせ画面71および第2問い合わせ画面81を含む場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、問い合わせ画面が、例えば、第1問い合わせ画面71のみであっても良いし、または、第2問い合わせ画面81のみであっても良い。これにより、ユーザーへの問い合わせ回数を減らすことができるので、較正モードへと遷移させる際の利便性が向上する。また、例えば、問い合わせ画面が、第1問い合わせ画面71のみである場合には、第2問い合わせ画面81を含む場合と比較して、位置ずれが較正されないまま使用され続けることをいっそう抑制することができる。
【0062】
上記の態様では、タッチパネル60の動作時間に、省電力モードの実行時間も含まれる場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、タッチパネル60の動作時間に、省電力モードの実行時間が含まれなくても良い。また、タッチパネル60の動作時間として、給湯器2、あるいは、リモコン3Aの累積通電時間を用いても良い。
【0063】
上記の態様では、リモコン3Aが、操作装置を構成する場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、リモコン3A,3Bが、それぞれ、操作装置を構成しても良いし、または、リモコン3Aの代わりに、リモコン3Bが、操作装置を構成しても良い。
【0064】
上記の態様では、リモコン3A(操作装置)が適用される設備機器として、給湯器2を例に挙げた。しかし、これに限らず、本開示に係る操作装置は、例えば、給湯機能以外の機能を有する温水熱源機(温水機器)にも適用可能である。また、本開示に係る操作装置は、住宅設備機器を備えた住宅設備機器システムだけでなく業務用の設備機器を備えた業務用浴場システム等の業務用設備機器システムにも適用可能である。さらに、本開示に係る操作装置は、各種機器を遠隔操作するリモコンではなく、各種機器(例えば、プリンタなど)の表面に設けることで、各種機器を直接的に操作するものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本開示は、タッチパネルにおけるユーザーのタッチ位置と、タッチパネルに表示される画像においてタッチ位置に対応する対応位置との間に生じる位置ずれを較正する際に有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 設備機器システム
2 給湯器(温水機器)
3A リモコン(操作装置)
60 タッチパネル
71 第1問い合わせ画面
81 第2問い合わせ画面
90 制御部(制御器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B