(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131145
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B66B3/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041234
(22)【出願日】2023-03-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100199314
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100221556
【弁理士】
【氏名又は名称】金田 隆章
(72)【発明者】
【氏名】金子 元樹
【テーマコード(参考)】
3F303
【Fターム(参考)】
3F303CB25
3F303CB26
3F303CB31
3F303DB11
3F303DB27
3F303DC25
(57)【要約】
【課題】エレベータの運行効率を向上させるエレベータシステムを提供する。
【解決手段】エレベータシステムは、エレベータの利用者の顔を示す顔情報と利用者の行先階とを関連付けた利用者情報に基づいて、エレベータのかごを制御する制御装置と、エレベータのかごの中の画像を撮像して画像データを生成する撮像装置と、を備える。制御装置は、かごを停止階に停止させてかごの戸を開き、戸が開いているときに撮像装置によって撮像された戸開中の画像データと利用者情報とに基づいて、利用者のうち停止階が行先階である降車予定者がかごから降車したか否かを判定し、降車予定者がかごから降車したと判定した場合、戸を閉じる。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの利用者の顔を示す顔情報と前記利用者の行先階とを関連付けた利用者情報に基づいて、前記エレベータのかごを制御する制御装置と、
前記エレベータのかごの中の画像を撮像して画像データを生成する撮像装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記かごを停止階に停止させて前記かごの戸を開き、
前記戸が開いているときに前記撮像装置によって撮像された戸開中の画像データと前記利用者情報とに基づいて、前記利用者のうち前記停止階が行先階である降車予定者が前記かごから降車したか否かを判定し、
前記降車予定者が前記かごから降車したと判定した場合、前記戸を閉じる、
エレベータシステム。
【請求項2】
前記エレベータに関する情報を報知する報知装置を更に備え、
前記制御装置は、前記降車予定者の少なくとも一部が前記かごから降車していないと判定した場合、前記降車予定者に降車を促すための情報を前記報知装置に報知させる、
請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記利用者により入力された前記利用者の出発階及び行先階を管理する管理装置を更に備え、
前記管理装置は、前記出発階及び前記行先階を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記戸を開いた後、
前記戸開中の画像データに基づいて、前記停止階が前記出発階である乗車予定者が前記かごに乗車したか否かを更に判定し、
前記降車予定者が前記かごから降車し、かつ前記乗車予定者が前記かごに乗車したと判定した場合、前記戸を閉じる、
請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記戸開中の画像データに基づいて、前記停止階で前記かごに乗車した人の数を計数し、
前記計数された人の数と、前記停止階が前記出発階である前記乗車予定者の数とが一致した場合、前記乗車予定者が前記かごに乗車したと判定する、
請求項3に記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記管理装置は、予め登録された前記利用者の顔を含む利用者画像と、前記利用者の出発階とを関連付けて前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、
前記戸開中の画像データにおける前記停止階で前記かごに乗車した人と、前記利用者画像とを照合することにより、前記停止階が前記出発階である乗車予定者が前記かごに乗車したか否かを判定する、
請求項3に記載のエレベータシステム。
【請求項6】
前記エレベータに関する情報を報知する報知装置を更に備え、
前記制御装置は、前記乗車予定者の少なくとも一部が前記かごに乗車していないと判定した場合、前記乗車予定者に乗車を促すための情報を前記報知装置に報知させる、
請求項3~5のいずれかに記載のエレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、利用者情報から、かご内撮影装置によって撮影されたかご内の利用者に対応した降車階を抽出し、かご内の利用者を、抽出した降車階と関連付けて映像表示するエレベータ装置を開示している。特許文献1には、利用者のかごからのスムーズな乗り降りを促すことのできるエレベータ装置を得ることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、エレベータの運行効率を向上させるエレベータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係るエレベータシステムは、
エレベータの利用者の顔を示す顔情報と前記利用者の行先階とを関連付けた利用者情報に基づいて、前記エレベータのかごを制御する制御装置と、
前記エレベータのかごの中の画像を撮像して画像データを生成する撮像装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記かごを停止階に停止させて前記かごの戸を開き、
前記戸が開いているときに前記撮像装置によって撮像された戸開中の画像データと前記利用者情報とに基づいて、前記利用者のうち前記停止階が行先階である降車予定者が前記かごから降車したか否かを判定し、
前記降車予定者が前記かごから降車したと判定した場合、前記戸を閉じる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、エレベータの運行効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1に係るエレベータシステムが適用されるビルの特定階における機器配置を示した概略平面図である。
【
図2】エレベータのかごの構成例を示した概略斜視図である。
【
図3】エレベータシステムの構成を例示したブロック図である。
【
図4】エレベータ制御装置の構成を例示したブロック図である。
【
図5】行先階登録装置の構成を示したブロック図である。
【
図6】デフォルト行先階DBの構成を示す図である。
【
図8】エレベータ制御装置の動作を説明したフローチャートである。
【
図9】モニタに表示されるかご内画像の遷移例を示す模式図である。
【
図10】
図8に示した確定前の表示処理の詳細を例示するフローチャートである。
【
図11】
図8に示した確定後の表示処理の詳細を例示するフローチャートである。
【
図12】
図8に示した戸閉処理の詳細を例示するフローチャートである。
【
図13】実施の形態2における確定前の表示処理を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態2における、モニタ52に表示されるかご内画像の遷移例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
(実施の形態1)
1.構成例
1-1.エレベータシステムの概要
図1は、実施の形態1に係るエレベータシステムが適用されるビル(建物)の特定階における機器配置を示した概略平面図である。特定階とは、例えば当該ビルの外部につながるロビー階であり、ビルの利用者は特定階を経由して他の階に移動することとなる。
【0010】
本実施の形態に係るエレベータシステムは、複数台のエレベータ50と、複数台のエレベータ50の運行を統合的に制御する群管理システムとを含む。本実施の形態では、エレベータシステムが6台のエレベータ50(A号機~F号機)を有する例を示している。
【0011】
各階床のエレベータ乗場の近傍には、行先階登録装置30が配置されている。
【0012】
本実施の形態に係るエレベータシステムは、利用者がエレベータ50のかごに乗車する前に行先階登録装置30で行先階を予め登録する行先階登録方式を採用する。群管理システムは、このように行先階登録装置30を用いて予め登録された行先階又は出発階に関する呼び(乗場呼び)を、複数台のエレベータ50のうちのいずれかの号機に割り当てて、割り当てた号機を示す情報を利用者に報知し、割り当てた号機に利用者を乗車させるように構成されている。
【0013】
なお、特定階の行先階登録装置30は、操作部を有してもよい。例えば、利用者は、群管理システムにより指定されたエレベータ50に乗り遅れたときや、デフォルト行先階以外の階床に移動するときに、操作部を用いて行先階を設定し、エレベータ50を利用することが可能となる。
【0014】
各エレベータ50は、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。
【0015】
本実施の形態に係るエレベータシステムでは、かご内のモニタにかご内画像がリアルタイムで表示され、そのかご内画像において、次の停止階が行先階である利用者の顔がフレームで囲われて強調される。
【0016】
したがって、かご内の全ての利用者は、利用者のうち次の停止階が行先階である降車予定者を認識することができる。これにより、降車予定者本人は、降車する準備をすることができ、降車予定者以外の利用者は、移動するなどして降車予定者が降車しやすいように対処することができる。結果として降車予定者の降車がスムーズに行われて降車に要する時間が短縮され、エレベータ50の運行効率が向上する。
【0017】
上記の表示を可能とするためのエレベータ50のかごの構成例を説明する。
図2は、エレベータ50のかごの構成例を示した概略斜視図である。エレベータ50は、そのかごに、かごの中の画像を撮像するかごカメラ51と、モニタ52と、報知装置54と、戸55とを備える(
図1も参照)。
【0018】
戸55は、かごの前面に設けられる。「かごの前面」は、エレベータ乗場に面するかごの側面である。
図1では、A号機、B号機、及びC号機のかごの前面は、紙面に向かって右にあり、D号機、E号機、及びF号機のかごの前面は、紙面に向かって左にある。
【0019】
モニタ52は、かご内の利用者が視認し易いように、例えば戸55の上方に配置されるが、モニタ52の配置はこれに限定されない。例えば、モニタ52は、かごの床面を基準として、かごの高さの半分より高い位置に取り付けられてもよい。
図2では、モニタ52に表示されたかご内画像において、次の停止階が行先階である利用者の顔がフレームMで囲われている。
【0020】
報知装置54は、エレベータ50に関する情報を利用者に報知する。報知装置54は、例えば、音声を出力するスピーカ等の聴覚的な報知装置である。報知装置54は、LED等の光源、ディスプレイ、表示器等の視覚的な報知装置を含んでもよい。
【0021】
かごカメラ51についての説明は後述する。
【0022】
1-2.エレベータシステムの構成
1-2-1.概要
図3は、エレベータシステム100の構成を例示したブロック図である。エレベータシステム100は、複数台のエレベータ50と、これらのエレベータ50を統合的に制御する群管理システムと、を含む。
【0023】
エレベータの群管理システムは、群管理制御装置10と、複数台の行先階登録装置30と、複数台のエレベータ制御装置40とを含む。例えば、行先階登録装置30は、各階に少なくとも1つ設置される。エレベータ制御装置40は、エレベータ50に対応して設置される。本実施の形態では、エレベータシステム100は、A号機~F号機のエレベータ50にそれぞれ対応する6個のエレベータ制御装置40を備える。
【0024】
各エレベータ50は、前述のように、かごカメラ51と、モニタ52と、報知装置54とを備える。さらに、各エレベータ50は、戸開閉装置53を備える。
【0025】
かごカメラ51は、かごの床面を基準として、かごの高さの半分より高い位置に取り付けられる。かごカメラ51は、かごの天井に取り付けられてもよい。かごカメラ51は、カメラ前方の所定画角領域の被写体を所定フレームレート、所定解像度で撮像して撮像された画像(撮像画像)の画像データを生成し、生成した画像データをエレベータ制御装置40に出力する。
【0026】
かごカメラ51の所定画角領域は、かご内の利用者全員の顔を撮像可能な画角に設定されている。所定解像度は、顔検出及び顔照合を適切に行うことができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばHD、FHD、4Kなどの解像度とすることができる。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば15fpsや30fpsとすることができる。
【0027】
戸開閉装置53は、エレベータ制御装置40による制御に応じて、戸55を開閉させる。戸開閉装置53は、例えば、戸55を開閉させるためのモータ、モータ制御部等の駆動装置を備える。
【0028】
群管理制御装置10は、行先階登録装置30及びエレベータ制御装置40と通信を行いながら、各号機に対する新規の呼びの割当制御を行う。各装置間は、情報伝送可能なネットワークを介して接続されている。ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがって行われる。群管理制御装置10は、管理装置の一例である。
【0029】
なお、エレベータシステムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。例えば、群管理制御装置10は、各エレベータ制御装置40とシリアル通信を行ってもよい。
【0030】
1-2-2.群管理制御装置
群管理制御装置10は、複数台のエレベータ50の運行を統合的に制御する。
【0031】
群管理制御装置10は、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13と、を備える。
【0032】
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納する。プログラムは、本実施の形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部12は、データとして、デフォルト行先階データベース(以下「デフォルト行先階DB」という。)及び利用者データベース(以下「利用者DB」という。)を格納する。デフォルト行先階DB及び利用者DBの構成については後述する。
【0033】
制御部11は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、記憶部12から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10の各種の機能を実現する。
【0034】
入出力インタフェース13は、群管理制御装置10が、行先階登録装置30、及びエレベータ制御装置40との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。
【0035】
入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換して行先階登録装置30、エレベータ制御装置40等の外部装置に出力する出力部の一例である。また、入出力インタフェース13は、外部装置から受信した信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に入力する入力部の一例である。入出力インタフェース13は、例えばLANアダプタ、シリアルポート等を利用して構成される。
【0036】
1-2-3.エレベータ制御装置
エレベータ制御装置40は、群管理制御装置10からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ50の巻上機(モータ)等の動作を制御することにより、エレベータ50のかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置40は、対応するエレベータ50のかごの位置、走行方向、ドアの開閉、荷重等のかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報等を群管理制御装置10に出力する。
【0037】
図4は、エレベータ制御装置40の構成を例示したブロック図である。エレベータ制御装置40は、制御部41と、記憶部42と、入出力インタフェース43とを備える。制御部41、記憶部42、及び入出力インタフェース43は、それぞれ、群管理制御装置10の制御部11、記憶部12、及び入出力インタフェース13と同様の構成を有してもよい。
【0038】
入出力インタフェース43は、エレベータの利用者の顔を示す顔画像と利用者の行先階とを関連付けた利用者DBを取得する入力部の一例である。
【0039】
制御部41は、記憶部42から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、エレベータ制御装置40における後述する各種の機能を実現する。
【0040】
記憶部42は、データとして、群管理制御装置10から受信した利用者DBを格納してもよい。制御部41は、群管理制御装置10からの制御信号に代えて、又はこれに加えて、利用者DBを参照することにより、エレベータ50のかごの上昇、下降、停止等を制御してもよい。
【0041】
1-2-4.行先階登録装置
図5は、行先階登録装置30の構成を示したブロック図である。行先階登録装置30は、利用者による行先階の登録(指定)を受け付ける装置である。行先階登録装置30は、制御部31と、記憶部32と、入出力インタフェース33と、表示部34と、顔認証用カメラ35とを備える。
【0042】
記憶部32は、本実施の形態の行先階登録装置30の各種機能を実現するためのプログラム、及び種々のデータを格納する。
【0043】
制御部31は、記憶部32から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置30における後述する各種の機能を実現する。
【0044】
入出力インタフェース33は、行先階登録装置30が群管理制御装置10等の外部装置との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。
【0045】
制御部31、記憶部32、及び入出力インタフェース33は、それぞれ、群管理制御装置10の制御部11、記憶部12、及び入出力インタフェース13と同様の構成を有してもよい。
【0046】
表示部34は、制御部31から出力される表示信号に基づく画像等の表示を行う。表示部34は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルを利用して構成される。
【0047】
顔認証用カメラ35は、表示部34の周囲、例えば上方に配置され、カメラ前方の所定画角領域の被写体を所定フレームレート、所定解像度で撮像して撮像された画像(撮像画像)の画像データを生成し、生成した画像データを制御部31に出力する。
【0048】
顔認証用カメラ35の所定画角領域は、行先階の登録を行おうとする数人程度の利用者が行先階登録装置30の前にいる際に、各利用者の顔を撮像可能な画角に設定されている。所定解像度は、顔認証の際の顔検出及び顔照合を適切に行うことができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばHD、FHD、4Kなどの解像度とすることができる。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば15fpsや30fpsとすることができる。
【0049】
1-3.データ構成
図6は、群管理制御装置10の記憶部12に格納されるデフォルト行先階DBの構成を示す図である。デフォルト行先階DBは、利用者の顔を示す顔データ(利用者画像)と利用者の行先階とを関連付けた利用者情報の一例である。
【0050】
デフォルト行先階DBは、利用者の顔データに紐付けて、デフォルト行先階を記録している。これらの情報のデフォルト行先階DBへの登録は例えばエレベータ管理者やビル管理者により行われる。
【0051】
「顔データ」は、利用者の顔認証において利用されるデータである。「顔データ」は、利用者の顔を区別できるデータである限り、顔の画像データ(顔画像データ)であってもよいし、顔の特徴点データ(顔特徴点データ)であってもよいが、以下では「顔データ」が顔特徴点データである場合について説明する。顔特徴点データとは、例えば、目、眉、鼻、口などの位置、形状や、顔の輪郭などの特徴を示すデータである。顔特徴点データは、デフォルト行先階DBへの登録のために利用者から提供された顔写真や、登録のために撮像された利用者の顔画像データに基づいて生成することができる。
【0052】
「デフォルト行先階」は、利用者などによって予め指定された行先階である。例えば利用者の居住階などがデフォルト行先階として設定される。
【0053】
図6に示す例では、顔データ1に紐付けて、デフォルト行先階として“6”が登録され、顔データ2に紐付けて、デフォルト行先階として“8”が登録され、顔データ3に紐付けて、デフォルト行先階として“10”が登録されている。残りの顔データについても同様に、顔データに紐付けて、デフォルト行先階が登録されている。
【0054】
図7は、群管理制御装置10の記憶部12に格納される利用者DBの構成を示す図である。利用者DBは、利用者情報の一例である。利用者DBは、利用者の顔データに紐付けて、利用者の出発階、行先階、及び割当号機を記録する。これらの情報の利用者DBへの登録は、例えば制御部11により行われる。
【0055】
「顔データ」は、デフォルト行先階DBの顔データと同様のデータである。
【0056】
「出発階」は、利用者の出発階を示す。「出発階」は、例えば、利用者が顔認証を行った行先階登録装置30の配置階によって特定される。例えば、利用者が1階に配置された行先階登録装置30によって行先階を登録した場合、「出発階」として“1”が登録される。
【0057】
「行先階」は、利用者の出発階を示す。「行先階」は、例えば、デフォルト行先階DBのデフォルト行先階と同一に決定される。
【0058】
「割当号機」は、割当済の号機(エレベータ)を示す。
【0059】
図7に示す例では、顔データ1に紐付けて、出発階として“1”が登録され、行先階として“6”が登録され、割当号機として“A”が登録されている。利用者DBの残りのデータについても同様に、顔データに紐付けて、出発階、行先階、及び割当号機が登録されている。
【0060】
デフォルト行先階DB及び利用者DBが群管理制御装置10の記憶部12に格納される例について説明したが、デフォルト行先階DB及び利用者DBは、サーバ等の外部装置の記憶部に格納されてもよい。この場合、群管理制御装置10及びエレベータ制御装置40は、デフォルト行先階DB及び利用者DBを外部装置の記憶部から適宜受信する。
【0061】
2.エレベータシステムの動作
2-1.概要
以下、エレベータシステム100の動作を説明する。
【0062】
エレベータ制御装置40の制御部41は、かごカメラ51によって撮像されたかご内画像を取得し、取得したかご内画像をリアルタイムでモニタ52に表示させる。制御部41は、記憶部42に格納された利用者DBを参照することで、利用者DBに登録された利用者の顔をかご内画像から検出する。その後、制御部41は、
図8に示す処理を実行する。
【0063】
図8は、エレベータ制御装置40の動作を説明したフローチャートである。
【0064】
制御部41は、かごを次の停止予定階に向けて出発させる(S1)。
【0065】
制御部41は、かごカメラ51によって撮像されたかご内画像を取得する(S2)。
【0066】
制御部41は、次の停止階を確定していない場合(S3でNo)、確定前の表示処理S4を実行し、次の停止階を確定した場合(S3でYes)、確定後の表示処理S5を実行する。
【0067】
各エレベータ50のかごの次の停止階は、全てのエレベータ50の運行を統合的に制御する群管理制御装置10によって決定される。エレベータ制御装置40の制御部41は、例えば、群管理制御装置10によって決定された次の停止階を示す情報を群管理制御装置10から受信した場合、次の停止階を確定する。
【0068】
これに代えて、又はこれに加えて、制御部41は、次の停止予定階を次の停止階に確定させるための確定信号を群管理制御装置10から受信した場合、次の停止予定階を次の停止階に確定させてもよい。
【0069】
これらに代えて、又はこれらに加えて、制御部41は、所定のアルゴリズムによって次の停止予定階を次の停止階に確定させ、確定したことを示す信号を群管理制御装置10に送付してもよい。例えば、制御部41は、自己が担当するエレベータ50のかごの現在位置と、次の停止予定階との距離が所定値以下となったとき、次の停止予定階を次の停止階に確定させる。
【0070】
確定に関し、本明細書では、「次の停止予定階」(単に「予定階」ということがある。)は、一般的に、確定前の次の停止階と、確定した次の停止階(本明細書において、「確定後の次の停止階」又は「確定済みの次の停止階」ということがある。)とを含む。次の停止階は、かごの現在の位置と行先階との関係、かごの移動方向(例えば、上方向又は下方向)等に基づいて、群管理制御装置10の制御部11又はエレベータ制御装置40の制御部41が決定する。
【0071】
確定前の表示処理S4では、制御部41は、例えば、かご内画像データにおいて、行先階が次の停止予定階である利用者の顔を緑色のフレームで囲む画像処理を行う。確定後の表示処理S5では、制御部41は、例えば、かご内画像データにおいて、利用者の顔を囲むフレームの色を緑色から赤色に変更する画像処理を行う。
【0072】
制御部41は、かご内画像をモニタ52に表示させる(S6)。確定前の表示処理S4又は確定後の表示処理S5で画像処理が行われた場合は、制御部41は、画像処理後のかご内画像をモニタ52に表示させる。画像処理が行われていない場合は、ステップS2で取得したかご内画像がそのまま表示される。
【0073】
図9は、モニタ52に表示されるかご内画像の遷移例を示す模式図である。利用者の顔の検出前には、制御部41は、かごカメラ51によって撮像されたかご内画像60aをリアルタイムでモニタ52に表示させる。
【0074】
また、利用者の顔の検出後であっても、次の停止階がかご内の利用者の行先階でない階である場合等には、利用者の顔がフレームM1又はM2で囲まれていないかご内画像60aが表示される。次の停止階がかご内の利用者の行先階でない階である場合は、例えば、かごの外部から新たな乗場呼びがあり、次の停止階が、かご内の利用者の行先階でない階に確定した場合である。
【0075】
図9に示すように、制御部41は、次の停止予定階が行先階である利用者がいる場合、確定前の表示処理S4において、当該利用者の顔を緑色のフレーム(第1のマーカ)M1で囲んだかご内画像60bを生成する(後述の
図10のS23参照)。その後、当該利用者の行先階が次の停止階に確定した場合、制御部41は、確定後の表示処理S5において、当該利用者の顔を囲むフレームの色を緑色から赤色に変更したかご内画像60cを生成する(後述の
図11のS33参照)。
【0076】
制御部41は、確定した次の停止階が行先階である利用者(以下、「降車者」という。)の降車ルートを示すルート表示61をかご内画像60cに表示してもよい。ルート表示61は、降車者が、かご内の他の利用者に接触することなく戸55に到達するためのルートを示す。降車者の数が2以上である場合、ルート表示61は、各降車者が、他の降車者及びかご内の降車者以外の他の利用者のいずれとも接触することなく戸55に到達するためのルートを示す。
【0077】
確定前の表示処理S4及び確定後の表示処理S5の更なる詳細については後述する。
【0078】
図8に戻り、制御部41は、確定した停止階にかごが到着したか否かを判定する(S7)。確定した停止階にかごが到着していない場合(S7でNo)は、ステップS2に戻る。なお、確定した停止階にかごが到着していない場合(S7でNo)は、かごの次の停止階が確定していない場合を含む。
【0079】
確定した停止階にかごが到着した場合(S7でYes)、制御部41は、かごを停止させ(S8)、戸開閉装置53を制御して戸55を開く戸開処理を行う(S9)。
【0080】
次に、制御部41は、所定の条件が満たされた場合に戸閉処理を行う(S10)。戸閉処理S10の詳細については後述する。
【0081】
利用者は、モニタ52に表示されたかご内画像を確認することにより、次の停止階が自分の行先階であるか否かを知ることができ、行先階ではない階で誤って降車することを防止できる。また、利用者は、次の停止階が行先階である降車予定者を認識することができる。降車予定者本人は、降車する準備をすることができ、降車予定者以外の利用者は、移動するなどして降車予定者が降車しやすいように対処することができる。
【0082】
2-2.確定前の表示処理
図10は、
図8に示した確定前の表示処理S4の詳細を例示するフローチャートである。
【0083】
制御部41は、次の停止予定階がかご内の利用者の行先階に含まれるか否かを判定する(S21)。例えば、特定の号機を担当するエレベータ制御装置40の制御部41は、利用者DBを参照することで、次の停止予定階が、自己が担当する号機のかご内の利用者の行先階に含まれるか否かを判定する。例えば、A号機エレベータ50を制御するエレベータ制御装置40の制御部41は、利用者DBを参照することで、次の停止予定階が、A号機エレベータ50のかご内の利用者の行先階に含まれるか否かを判定する。
【0084】
次の停止予定階がかご内の利用者の行先階に含まれる場合(S21でYes)、制御部41は、かご内画像60a(
図9参照)において、次の停止予定階で降車する利用者の顔を抽出する(S22)。制御部41は、例えば、利用者DBを参照することで、次の停止予定階で降車する利用者の顔を抽出する。ここで、次の停止予定階で降車する利用者は、例えば、行先階が次の停止予定階である利用者である。
【0085】
制御部41は、ステップS22で抽出された顔を緑色のフレームM1で囲む画像処理をかご内画像60aに施し(S23)、確定前の表示処理S4を終えて
図8のステップS6に進む。
【0086】
次の停止予定階がかご内の利用者の行先階でない場合(S21でNo)、制御部41は、モニタ52に表示される画像において利用者の顔が緑色のフレームM1で囲まれているか否かを判定する(S24)。例えば、制御部41は、モニタ52に表示される画像内に緑色のフレームM1が存在するか否かを判定する。
【0087】
利用者の顔が緑色のフレームM1で囲まれている場合(S24でYes)、制御部41は、モニタ52に表示される画像から緑色のフレームM1を削除する画像処理を行う(S25)。これにより、かご内の利用者は、モニタ52に表示される画像から、次の停止階が自分の行先階ではないことを知ることができ、行先階ではない階で誤って降車することを防止できる。
【0088】
ステップS24において利用者の顔が緑色のフレームM1で囲まれていない場合(S24でNo)、制御部41は、確定前の表示処理S4を終えて
図8のステップS6に進む。
【0089】
2-3.確定後の表示処理
図11は、
図8に示した確定後の表示処理S5の詳細を例示するフローチャートである。
【0090】
制御部41は、確定した次の停止階がかご内の利用者の行先階に含まれるか否かを判定する(S31)。例えば、特定の号機を担当するエレベータ制御装置40の制御部41は、利用者DBを参照することで、確定した次の停止階が、自己が担当する号機のかご内の利用者の行先階に含まれるか否かを判定する。
【0091】
確定した次の停止階がかご内の利用者の行先階である場合(S31でYes)、制御部41は、かご内画像60b(
図9参照)において、確定した次の停止階で降車する利用者の顔を抽出する(S32)。制御部41は、例えば、利用者DBを参照することで、確定した次の停止階で降車する利用者の顔を抽出する。ここで、確定した次の停止階で降車する利用者は、例えば、行先階が確定した次の停止階である利用者である。
【0092】
制御部41は、ステップS32で抽出された顔を赤色のフレームM2で囲む画像処理をかご内画像60bに施し(S33)、確定後の表示処理S5を終えて
図8のステップS6に進む。
【0093】
ステップS33の画像処理では、制御部41は、他の方法によりフレーム(マーク)の表示態様を切り替えてもよい。例えば、制御部41は、ステップS32で抽出された顔を囲んでいる緑色のフレームM1を削除し、削除の後で当該顔を赤色のフレームM2で囲んでもよい。ステップS33の画像処理に代えて、制御部41は、ステップS32で抽出された顔を囲んでいる緑色のフレームM1を、赤色のフレームM2に変更してもよい。ステップS33の画像処理に代えて、制御部41は、ステップS32で抽出された顔を囲んでいるフレームの色を緑色から赤色に変更してもよい。
【0094】
確定した次の停止階がかご内の利用者の行先階でない場合(S31でNo)、制御部41は、モニタ52に表示される画像において利用者の顔が緑色のフレームM1で囲まれているか否かを判定する(S34)。例えば、制御部41は、モニタ52に表示される画像内に緑色のフレームM1が存在するか否かを判定する。
【0095】
利用者の顔が緑色のフレームM1で囲まれている場合(S34でYes)、制御部41は、モニタ52に表示される画像から緑色のフレームM1を削除する画像処理を行う(S35)。利用者の顔が緑色のフレームM1で囲まれていない場合(S34でNo)、制御部41は、確定後の表示処理S5を終えて
図8のステップS6に進む。
【0096】
2-4.戸閉処理
図12は、
図8に示した戸閉処理S10の詳細を例示するフローチャートである。
【0097】
制御部41は、現在かごが停止している停止階(以下、「現停止階」という。)で降車する予定である利用者(以下、「降車予定者」又は「現停止階の降車予定者」という。)がいるか否かを判定する(S41)。制御部41は、利用者DBの顔データを参照することで、戸55が開いているときにかごカメラ51によって撮像されたかご内画像から、利用者DBに登録された利用者の顔を検出する。制御部41は、その利用者の行先階が現停止階である場合、現停止階の降車予定者がいると判定する。
【0098】
あるいは、制御部41は、かごの停止前に赤色のフレームM2が付与されていた利用者が存在する場合、現停止階の降車予定者がいると判断してもよい。この場合、顔が赤色のフレームM2で囲われていた利用者が、降車予定者に該当する。
【0099】
現停止階の降車予定者がいる場合(S41でYes)、制御部41は、現停止階で乗車する予定である利用者(以下、「乗車予定者」又は「現停止階の乗車予定者」という。)がいるか否かを判定する(S42)。例えば、制御部41は、利用者DBの「出発階」及び「割当号機」を参照することで、現停止階の乗車予定者がいるか否かを判定する。
【0100】
現停止階の乗車予定者がいない場合(S42でNo)、制御部41は、現停止階の降車予定者全員が降車したか否かを判定する(S43)。制御部41は、現停止階の降車予定者全員が降車したと判定した場合(S43でYes)、戸開閉装置53を制御することにより、戸55を閉じる(S46)。
【0101】
これにより、現停止階の降車予定者全員が降車した場合、直ちに戸閉されるため、かごが停止階に停止してから戸閉までの時間を短縮することができる。したがって、エレベータシステム100は、エレベータ50の運行効率を向上させることができる。
【0102】
制御部41は、ステップS43において現停止階の降車予定者全員が降車していないと判定した場合(S43でNo)、現停止階の降車予定者に降車を促すための情報を報知装置54に報知させる(S44)。
【0103】
ステップS44では、制御部41は、報知装置54の一例であるスピーカに、例えば、「降車予定の方は降車してください」、「赤色のフレームで表示された方は降車してください」等の情報を含む音声を出力させる。これにより、制御部41は、現停止階の降車予定者に降車すべきことを知らせることができる。したがって、降車予定者の降車がスムーズに行われて降車に要する時間が短縮され、エレベータ50の運行効率が向上する。
【0104】
ステップS44の次に、制御部41は、現停止階で戸55が開いてから所定時間が経過したか否かを判定する(S45)。所定時間は、例えば数秒~20秒、例えば5秒~10秒である。所定時間が経過していない場合(S45でNo)、制御部41の処理は、ステップS43に戻る。このループによりステップS44の一例である音声による報知処理が繰り返される場合、音声による報知処理は、例えば数秒に1回のペースで行われるように調整される。
【0105】
現停止階で戸55が開いてから所定時間が経過した場合、(S45でYes)、制御部41は、戸55を閉じる(S46)。これにより、現停止階で所定時間を超えて戸55が開き続けてエレベータ50の運行が遅延することを防止することができる。したがって、エレベータシステム100は、エレベータ50の運行効率を向上させることができる。
【0106】
ステップS42において、現停止階の乗車予定者がいる場合(S42でYes)、制御部41は、現停止階の降車予定者全員が降車し、かつ、現停止階の乗車予定者全員が乗車したか否かを判定する(S47)。
【0107】
ステップS47では、制御部41は、現停止階で戸55が開いているときにかごカメラ51によって撮像された戸開中の画像データに基づいて、現停止階でかごに乗車した人の数を計数する。制御部41は、計数された人の数と、利用者DBにおける現停止階が出発階である乗車予定者の数とが一致した場合、現停止階の乗車予定者全員がかごに乗車したと判定する。
【0108】
上記の人の計数は、公知の画像処理技術により、顔認証処理を行うことなく実現できる。例えば、制御部41は、戸開中の画像データに人の後ろ姿しか映っていなくても、人の数を計数することができる。
【0109】
あるいは、上記の人の計数は、顔認証処理により実現されてもよい。例えば制御部41は、戸開中の画像データにおける現停止階でかごに乗車した人の顔画像データ又は顔特徴点データと、利用者DBの顔データとを照合することにより、現停止階の乗車予定者全員がかごに乗車したか否かを判定してもよい。
【0110】
制御部41は、現停止階の降車予定者全員が降車し、かつ、現停止階の乗車予定者全員が乗車したと判定した場合(S47でYes)、戸55を閉じる(S46)。これにより、現停止階の降車予定者全員が降車し、かつ、現停止階の乗車予定者全員が乗車した後直ちに戸閉されるため、かごが停止階に停止してから戸閉までの時間を短縮することができる。したがって、エレベータシステム100は、エレベータ50の運行効率を向上させることができる。
【0111】
ステップS47において現停止階の降車予定者全員が降車していない場合、又は現停止階の乗車予定者全員が乗車していない場合(S47でNo)、制御部41は、報知処理を行う(S48)。例えば、制御部41は、現停止階の降車予定者に降車を促すための情報と、現停止階の乗車予定者に乗車を促すための情報と、を報知装置54に報知させる。
【0112】
制御部41は、報知装置54の一例であるスピーカに、現停止階の乗車予定者に乗車を促すための情報として、例えば、「乗車予定の方は乗車してください」等の情報を含む音声を出力させる。例えば、A号機エレベータ50を制御するエレベータ制御装置40の制御部41は、A号機エレベータ50のかごのスピーカに、「A号機に乗車予定の方は乗車してください」等の情報を含む音声を出力させてもよい。
【0113】
ステップS48における現停止階の降車予定者に降車を促すための情報の一例は、前述のステップS44の例と同様である。
【0114】
ステップS48により、制御部41は、現停止階の降車予定者に降車すべきことを知らせ、かつ、乗車予定者に乗車すべきことを知らせることができる。
【0115】
ステップS47及びS48に代えて、制御部41は、以下の処理を行ってもよい。すなわち、現停止階の降車予定者全員が降車しておらず、かつ、現停止階の乗車予定者全員が乗車している場合、現停止階の降車予定者に降車を促すための情報のみを報知装置54に報知させてもよい。逆に、現停止階の降車予定者全員が降車しており、かつ、現停止階の乗車予定者全員が乗車していない場合、現停止階の乗車予定者に乗車を促すための情報のみを報知装置54に報知させてもよい。
【0116】
ステップS48の次に、制御部41は、現停止階で戸55が開いてから所定時間が経過したか否かを判定する(S49)。所定時間は、例えば数秒~20秒、例えば5秒~10秒である。ステップS49の所定時間は、ステップS45の所定時間と同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、降車予定者だけでなく乗車予定者もいることを考慮して、ステップS49の所定時間は、ステップS45の所定時間より長くてもよい。
【0117】
所定時間が経過していない場合(S49でNo)、制御部41の処理は、ステップS47に戻る。
【0118】
現停止階で戸55が開いてから所定時間が経過した場合(S49でYes)、制御部41は、戸55を閉じる(S46)。これにより、現停止階で所定時間を超えて戸55が開き続けてエレベータ50の運行が遅延することを防止することができる。したがって、エレベータシステム100は、エレベータ50の運行効率を向上させることができる。
【0119】
現停止階の降車予定者がいない場合(S41でNo)、制御部41は、現停止階の乗車予定者全員が乗車したか否かを判定する(S50)。
【0120】
制御部41は、現停止階の乗車予定者全員が乗車したと判定した場合(S50でYes)、戸55を閉じる(S46)。これにより、現停止階の乗車予定者全員が乗車した後直ちに戸閉されるため、かごが停止階に停止してから戸閉までの時間を短縮することができる。したがって、エレベータシステム100は、エレベータ50の運行効率を向上させることができる。
【0121】
ステップS50において、現停止階の乗車予定者全員が乗車していない場合(S50でNo)、制御部41は、現停止階の乗車予定者に乗車を促すための情報を報知装置54に報知させる(S51)。現停止階の乗車予定者に乗車を促すための情報は、ステップS48に関して前述した情報と同様であってもよい。
【0122】
ステップS51の次に、制御部41は、現停止階で戸55が開いてから所定時間が経過したか否かを判定する(S52)。ステップS52の所定時間は、ステップS45又はステップS49の所定時間と同じであってもよいし、異なってもよい。
【0123】
所定時間が経過していない場合(S52でNo)、制御部41の処理は、ステップS50に戻る。
【0124】
現停止階で戸55が開いてから所定時間が経過した場合(S52でYes)、制御部41は、戸55を閉じる(S46)。これにより、現停止階で所定時間を超えて戸55が開き続けてエレベータ50の運行が遅延することを防止することができる。したがって、エレベータシステム100は、エレベータ50の運行効率を向上させることができる。
【0125】
3.効果等
3-1.確定前の表示処理及び確定後の表示処理の効果等
本実施の形態の確定前の表示処理S4及び確定後の表示処理S5の効果等について説明する。
【0126】
本実施の形態に係るエレベータシステム100は、制御装置の一例である制御部41と、撮像装置の一例であるかごカメラ51と、表示装置の一例であるモニタ52とを備える。制御部41は、エレベータ50の利用者の顔を示す情報と利用者の行先階とを関連付けた利用者情報の一例である利用者DBに基づいて、エレベータ50のかごの移動を制御する。かごカメラ51は、エレベータ50のかごの中の画像を撮像して画像データを生成する。モニタ52は、かご内に配置され、画像データが示す撮像画像を表示する。
【0127】
制御部41は、利用者DBに基づいて、かごが次に停止する予定を示す予定階が、利用者の行先階であるか否かを判断する(S21,S31)。制御部41は、予定階が利用者の行先階であると判断した場合、撮像画像において利用者を強調するマーカの一例であるフレームMを表示するように、モニタ52を制御する(S23,S33)。
【0128】
この構成によれば、かご内の全ての利用者は、利用者のうち次の停止階が行先階である降車予定者を認識することができる。これにより、降車予定者本人は、降車する準備をすることができ、降車予定者以外の利用者は、移動するなどして降車予定者が降車しやすいように対処することができる。結果として降車予定者の降車がスムーズに行われて降車に要する時間が短縮され、エレベータ50の運行効率が向上する。
【0129】
さらに、かご内の利用者は、モニタ52に表示される画像から、次の停止階が自分の行先階であるか否かを知ることができ、行先階ではない階で誤って降車することを防止できる。
【0130】
制御部41は、かごの移動状況に基づいて、予定階を、かごの次の停止階として確定し、予定階の確定の前後で、フレーム(マーカ)を変更してもよい。これにより、変更後のフレームが付与された利用者は、降車する準備をすることができ、スムーズに降車をすることができる。
【0131】
制御部41は、利用者DBに含まれる利用者の顔を画像データ内で検出し、予定階が利用者の行先階であると判断した場合、撮像画像に、検出された顔の少なくとも1つを強調するフレームM1を表示するようにモニタ52を制御してもよい(S23)。制御部41は、予定階を確定した場合、フレームM1をフレームM2に変更するようにモニタ52を制御してもよい(S33)。これにより、フレームM2が付与された利用者は、降車する準備をすることができ、スムーズに降車をすることができる。
【0132】
制御部41は、利用者DBに基づいて、画像データにおいて、行先階が予定階である利用者の顔を抽出し(S22)、モニタ52に表示された画像において、抽出された顔にフレームM1を付与してもよい(S23)。これにより、フレームM1が付与された利用者は、降車する準備をすることができ、スムーズに降車をすることができる。
【0133】
エレベータシステム100は、上記のエレベータ50を含む複数台のエレベータの運行を制御する群管理制御装置10を更に備えてもよい。この場合、利用者DBは、利用者の出発階を示す情報を更に含む。群管理制御装置10は、利用者DBに基づいて、利用者の行先階と出発階とを含む停止階を複数台のエレベータ50のいずれか割り当てる。群管理制御装置10は、停止階を示す情報を、割り当てたエレベータ50の制御部41に送信する。制御部41は、群管理制御装置10から受信した情報に基づいて、予定階を管理する。
【0134】
この構成によれば、複数台のエレベータ50の総合的な運行効率を向上させることができる。
【0135】
制御部41は、モニタ52が撮像画像において利用者を強調するフレームM1を表示した後で、予定階が当該利用者の行先階ではないと判断した場合、モニタ52に表示された画像からフレームM1を削除してもよい。これにより、かご内の利用者、特に撮像画像において削除前のフレームM1を付与されていた利用者は、モニタ52に表示される画像から、次の停止階が自分の行先階ではないことを知ることができる。したがって、エレベータシステム100は、当該利用者が行先階ではない階で誤って降車することを防止できる。
【0136】
かごは、かごの前面に戸55を有し、モニタ52は、戸55の上方に配置されてもよい。この構成により、かご内の利用者にとってのモニタ52の視認性が向上する。
【0137】
3-2.戸閉処理の効果等
本実施の形態の戸閉処理S10の効果等について説明する。
【0138】
本実施の形態に係るエレベータシステム100は、エレベータの利用者の顔を示す顔情報と利用者の行先階とを関連付けた利用者DBに基づいて、エレベータ50のかごを制御する制御装置の一例である制御部41と、かごカメラ51とを備える。
【0139】
制御部41は、かごを停止階に停止させてかごの戸55を開く(S9)。制御部41は、戸55が開いているときにかごカメラ51によって撮像された戸開中の画像データと利用者DBとに基づいて、利用者のうち停止階が行先階である降車予定者がかごから降車したか否かを判定する(S43)。制御部41は、降車予定者がかごから降車したと判定した場合(S43でYes)、戸55を閉じる(S46)。
【0140】
この構成により、エレベータシステム100は、現停止階の降車予定者全員が降車した場合、直ちに戸閉するため、かごが停止階に停止してから戸閉までの時間を短縮することができる。したがって、エレベータシステム100は、エレベータ50の運行効率を向上させることができる。
【0141】
エレベータシステム100は、エレベータに関する情報を報知する報知装置54を更に備えてもよい。制御部41は、降車予定者の少なくとも一部がかごから降車していないと判定した場合、降車予定者に降車を促すための情報を報知装置54に報知させてもよい(S44)。これにより、制御部41は、現停止階の降車予定者に降車すべきことを知らせることができる。したがって、降車予定者の降車がスムーズに行われて降車に要する時間が短縮され、エレベータ50の運行効率が向上する。
【0142】
エレベータシステム100は、利用者により入力された利用者の出発階及び行先階を管理する管理装置の一例である群管理制御装置10を更に備えてもよい。群管理制御装置10は、登録された出発階及び行先階を制御部41に送信する。制御部41は、戸55を開いた後、戸開中の画像データに基づいて、停止階が出発階である乗車予定者がかごに乗車したか否かを更に判定する(S47,S50)。制御部41は、降車予定者がかごから降車し、かつ乗車予定者がかごに乗車したと判定した場合(S42,S50でYes)、戸55を閉じてもよい(S46)。
【0143】
現停止階の降車予定者全員が降車し、かつ、現停止階の乗車予定者全員が乗車した後直ちに戸閉されるため、エレベータシステム100は、かごが停止階に停止してから戸閉までの時間を短縮することができる。したがって、エレベータシステム100は、エレベータ50の運行効率を向上させることができる。
【0144】
制御部41は、戸開中の画像データに基づいて、停止階でかごに乗車した人の数を計数し、計数された人の数と、停止階が出発階である乗車予定者の数とが一致した場合、乗車予定者がかごに乗車したと判定してもよい。
【0145】
群管理制御装置10は、予め登録された利用者の顔を含む利用者画像と、利用者の出発階とを関連付けて制御部41に送信してもよい。制御部41は、戸開中の画像データにおける停止階でかごに乗車した人と、利用者画像とを照合することにより、停止階が出発階である乗車予定者がかごに乗車したか否かを判定してもよい。
【0146】
制御部41は、乗車予定者の少なくとも一部がかごに乗車していないと判定した場合、乗車予定者に乗車を促すための情報を報知装置に報知させてもよい(S48,S51)。これにより、乗車予定者は、かごに乗車すべきことを知り、スムーズにかごに乗車することができる。したがって、乗車に要する時間が短縮され、エレベータ50の運行効率が向上する。
【0147】
(実施の形態2)
実施の形態2について説明する。実施の形態1では、モニタ52に表示される画像において、行先階が次の停止予定階である利用者の顔のみを緑色のフレームM1で囲む形態を説明した。しかし、本発明では、登録された利用者全員の顔を緑色のフレームM1で囲んでもよい。以下、この形態を説明する。
【0148】
図13は、本実施の形態における確定前の表示処理S4aを示すフローチャートである。
図14は、本実施の形態おける、モニタ52に表示されるかご内画像の遷移例を示す模式図である。
【0149】
本実施の形態では、制御部41は、
図8及び
図10に示した実施の形態1の確定前の表示処理S4に代えて、
図13の確定前の表示処理S4aを実行する。
図13の確定前の表示処理S4aは、
図10のステップS22に代えてステップS22aを含み、
図10のステップS23に代えてステップS23aを含む。
【0150】
本実施の形態の確定前の表示処理S4aでは、次の停止予定階がかご内の利用者の行先階に含まれる場合(S21でYes)、制御部41は、かご内画像62aにおいて、全ての利用者の顔を抽出する(S22a)。具体的には、制御部41は、利用者DBを参照することで、登録された利用者全員の顔を抽出する。
【0151】
制御部41は、ステップS22aで抽出された顔を緑色のフレームM1で囲む画像処理をかご内画像62aに施す(S23a)。すなわち、ステップS22a及びS23aにおいて、制御部41は、登録された利用者全員の顔を緑色のフレームM1で囲んだかご内画像62bを生成する。
【0152】
その後、次の停止階が確定した場合、制御部41は、確定後の表示処理S5において、確定した次の停止階で降車する利用者の顔を赤色のフレームM2で囲む画像処理を行い、かご内画像60cを生成する(
図11のS33参照)。
【0153】
本実施の形態のステップS33では、制御部41は、ステップS32で抽出された顔を囲んでいる緑色のフレームM1を、赤色のフレームM2に変更してもよい。本実施の形態では、ステップS33の画像処理に代えて、制御部41は、ステップS32で抽出された顔を囲んでいるフレームM1の色を緑色から赤色に変更してもよい。
【0154】
実施の形態1の画像処理では、制御部41は、ステップS32で抽出された顔を囲んでいる緑色のフレームM1を削除し得たのに対して、本実施の形態のステップS33では、制御部41は、緑色のフレームM1を削除しない。
【0155】
以上のように、本実施の形態では、制御部41は、予定階が利用者の行先階であると判断した場合、モニタ52に表示された撮像画像において、検出された顔の全てに第1のマーカの一例である緑色のフレームM1を付与する。制御部41は、予定階を確定した場合、行先階が、予定階である利用者の顔を抽出し、抽出された顔に付与された緑色のフレームM1を、第2のマーカの一例である赤色のフレームM2に変更する。
【0156】
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、降車予定者の降車がスムーズに行われて降車に要する時間が短縮され、エレベータ50の運行効率を向上させることができる。
【0157】
また、本実施の形態によれば、モニタ52に表示されるかご内画像において、登録された利用者全員の顔が緑色のフレームM1で囲われる。顔が緑色のフレームM1で囲われていない場合、利用者は、顔検出が行われていない可能性があると認識し得る。したがって、顔が緑色のフレームM1で囲われていない利用者は、顔がかごカメラ51に映るように、顔の角度を変えたり移動をしたりすることができる。
【0158】
さらに、顔が緑色のフレームM1で囲われていない利用者は、停止階を注意深く確認し、自己の行先階で降り損なうことを防止する意識を持つことができる。
【0159】
顔が緑色のフレームM1で囲われていない者がいる場合、その者については行先階登録装置30又は他の顔認証装置による顔認証がされていない可能性がある。あるいは、その者はデフォルト行先階DB、利用者DB等のDBに登録されていない可能性がある。利用者は、モニタ52に表示されるかご内画像を確認することにより、上記のような者がかご内にいることを知ることができる。あるいは、制御部41又は制御部11等の情報処理装置が、上記のような者がかご内にいることを検知することができる。これにより、利用者、情報処理装置等は、上記のようなセキュリティ上の問題への対策を取ることができる。
【0160】
(その他の実施の形態)
以上の実施の形態における技術は、前述の例に限定されず、適宜、置き換え、付加、省略などの変更を行った他の実施の形態にも適用可能である。以下、このような他の実施の形態としての変形例を示す。
【0161】
前記実施の形態では、エレベータ制御装置40の制御部41がフローチャートに示した処理を実行する例を説明した。しかし、これらの処理は、群管理制御装置10の制御部11によって実行されてもよい。制御部11及び制御部41は、いずれも、利用者情報に基づいて、エレベータ50のかごの移動を制御する制御装置の一例である。本明細書では、群管理制御装置10も、エレベータ制御装置40も、このような制御装置の一例である。
【0162】
前記実施の形態では、群管理制御装置10とエレベータ制御装置40とが別個に設けられた例を説明した。しかし、群管理制御装置10とエレベータ制御装置40とは一体であってもよい。この場合、一体的な装置(制御装置の一例)の制御部が各エレベータ50を制御する。
【0163】
前記実施の形態では、エレベータシステム100が複数のエレベータ50を含む例を説明した。しかし、本発明は、エレベータ50が1台である場合にも適用可能である。エレベータ50が1台であるエレベータシステム100では、複数のエレベータの運行を統合的に制御する群管理制御装置10は不要であり、例えば、エレベータ制御装置40がエレベータ50の運行を制御する。
【0164】
前記実施の形態では、各装置の制御部は、CPU、MPU等を利用して構成され、記憶部から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現する。つまり、各制御部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。しかし、各制御部は、例えば、ハードウェア( 電子回路)のみで構成されてもよいし、FPGA、ASIC等を利用して構成されてもよい。
【0165】
(態様のまとめ)
以下、本発明の態様を例示する。
【0166】
<態様1>
エレベータの利用者の顔を示す顔情報と前記利用者の行先階とを関連付けた利用者情報に基づいて、前記エレベータのかごを制御する制御装置と、
前記エレベータのかごの中の画像を撮像して画像データを生成する撮像装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記かごを停止階に停止させて前記かごの戸を開き、
前記戸が開いているときに前記撮像装置によって撮像された戸開中の画像データと前記利用者情報とに基づいて、前記利用者のうち前記停止階が行先階である降車予定者が前記かごから降車したか否かを判定し、
前記降車予定者が前記かごから降車したと判定した場合、前記戸を閉じる、
エレベータシステム。
【0167】
<態様2>
前記エレベータに関する情報を報知する報知装置を更に備え、
前記制御装置は、前記降車予定者の少なくとも一部が前記かごから降車していないと判定した場合、前記降車予定者に降車を促すための情報を前記報知装置に報知させる、
態様1に記載のエレベータシステム。
【0168】
<態様3>
前記利用者により入力された前記利用者の出発階及び行先階を管理する管理装置を更に備え、
前記管理装置は、前記出発階及び前記行先階を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記戸を開いた後、
前記戸開中の画像データに基づいて、前記停止階が前記出発階である乗車予定者が前記かごに乗車したか否かを更に判定し、
前記降車予定者が前記かごから降車し、かつ前記乗車予定者が前記かごに乗車したと判定した場合、前記戸を閉じる、
態様1又は2に記載のエレベータシステム。
【0169】
<態様4>
前記制御装置は、
前記戸開中の画像データに基づいて、前記停止階で前記かごに乗車した人の数を計数し、
前記計数された人の数と、前記停止階が前記出発階である前記乗車予定者の数とが一致した場合、前記乗車予定者が前記かごに乗車したと判定する、
態様3に記載のエレベータシステム。
【0170】
<態様5>
前記管理装置は、予め登録された前記利用者の顔を含む利用者画像と、前記利用者の出発階とを関連付けて前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、
前記戸開中の画像データにおける前記停止階で前記かごに乗車した人と、前記利用者画像とを照合することにより、前記停止階が前記出発階である乗車予定者が前記かごに乗車したか否かを判定する、
態様3に記載のエレベータシステム。
【0171】
<態様6>
前記エレベータに関する情報を報知する報知装置を更に備え、
前記制御装置は、前記乗車予定者の少なくとも一部が前記かごに乗車していないと判定した場合、前記乗車予定者に乗車を促すための情報を前記報知装置に報知させる、
態様3~5のいずれかに記載のエレベータシステム。
【符号の説明】
【0172】
10 群管理制御装置
11 制御部
12 記憶部
13 入出力インタフェース
30 行先階登録装置
31 制御部
32 記憶部
33 入出力インタフェース
34 表示部
35 顔認証用カメラ
40 エレベータ制御装置
41 制御部
42 記憶部
43 入出力インタフェース
50 エレベータ
51 かごカメラ
52 モニタ
53 戸開閉装置
54 報知装置
55 戸
61 ルート表示
100 エレベータシステム