IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎総業株式会社の特許一覧

特開2024-131160箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット
<>
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図1
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図2
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図3
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図4
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図5
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図6
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図7
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図8
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図9
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図10
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図11
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図12
  • 特開-箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131160
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】箱状体、及び、電子部品内蔵ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/14 20060101AFI20240920BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20240920BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240920BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20240920BHJP
   F16B 5/07 20060101ALI20240920BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H02G3/14
H02G3/16
B60R16/02 610A
H05K7/00 T
F16B5/07 L
F16B5/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041252
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 拓也
【テーマコード(参考)】
3J001
4E352
5G361
【Fターム(参考)】
3J001FA02
3J001GA06
3J001GB01
3J001HA02
3J001JD16
3J001JD29
3J001KA19
3J001KB01
4E352AA03
4E352BB15
4E352DD05
4E352DR19
4E352DR40
4E352GG01
4E352GG15
5G361AA06
5G361AC02
5G361AC04
5G361AD01
5G361BB01
5G361BC01
5G361BC02
(57)【要約】
【課題】ケースへのカバーの適正な保持と、ケースからのカバーの容易な取り外しと、を両立可能な箱状体を提供すること。
【解決手段】箱状体2は、収容溝53を内部に有するケース7と、収容溝53の開口部を塞ぐようにケース7に組み付けられる端子カバー8と、を備える。ケース7は、収容溝53を画成する溝側壁58と、溝側壁58に設けられ且つケース7への端子カバー8の取付方向に延びるスリット67と、を有する。端子カバー8は、前記取付方向に延びてスリット67に挿し込まれる係合アーム92と、係合アーム92に設けられてケース7に係合する係合突起95と、係合突起95による係合が成立した状態と係合突起95による係合が解除された状態とを切り替え可能であるように係合アーム92を弾性的に支持する支持部91と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容溝を内部に有するケースと、前記収容溝の開口部を塞ぐように前記ケースに組み付けられる第1カバーと、を備える箱状体であって、
前記ケースは、
前記収容溝を画成する溝側壁と、前記溝側壁に設けられ且つ当該ケースへの前記第1カバーの取付方向に延びるスリットと、を有し、
前記第1カバーは、
前記取付方向に延びて前記スリットに挿し込まれる係合アームと、前記係合アームに設けられて前記ケースに係合する係合突起と、前記係合突起による係合が成立した状態と前記係合突起による係合が解除された状態とを切り替え可能であるように前記係合アームを弾性的に支持する支持部と、を有する、
箱状体。
【請求項2】
請求項1に記載の箱状体において、
前記係合突起は、
前記取付方向における前記係合アームの一端部に設けられ、
前記支持部は、
前記取付方向における前記係合アームの他端部と、前記一端部と、の間に設けられる、
箱状体。
【請求項3】
請求項1に記載の箱状体において、
前記ケースは、
前記溝側壁を有するケース本体と、前記ケース本体に組み付けられて前記第1カバーが有する前記係合突起に係合する第2カバーと、を有する、
箱状体。
【請求項4】
請求項1に記載の箱状体において、
前記ケースは、
前記溝側壁を有するとともに前記第1カバーが有する前記係合突起に係合するケース本体と、前記ケース本体に係合した前記係合突起を覆うように前記ケース本体に組み付けられる第2カバーと、を有する、
箱状体。
【請求項5】
請求項4に記載の箱状体において、
前記第2カバーは、
前記係合突起を当該第2カバーが覆っているときに前記係合突起による係合が解除されることを禁止し、前記係合突起を当該第2カバーが覆っていないときに前記係合突起による係合の解除を許容する、ように構成される、
箱状体。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか一項に記載の箱状体と、
前記箱状体に格納される電子部品と、
前記電子部品と、前記収容溝に収容されることになる電線と、を電気的に接続することになる接続端子と、を備える、
電子部品内蔵ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースとカバーとを備える箱状体、及び、その箱状体を用いた電子部品内蔵ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、樹脂製の箱状体の中にコンデンサ等の電子部品等を格納した電子部品内蔵ユニットが提案されている。例えば、従来の電子部品内蔵ユニットの一つは、電線に伝達されるノイズを除去するための電子部品を内蔵するとともに、電線に取り付けられるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。この種の電子部品内蔵ユニットは、例えば、自動車等に搭載される各種センサ等に繋がる電線に取り付けられ、ホーンやワイパモータのような雑音源からの伝導ノイズや、ネオンサイン等からの外来ノイズや、誘導ノイズ等を、電線から除去するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-207710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動車等のメンテナンスの際などに、電子部品内蔵ユニットのケースからカバーを取り外す場合がある。上述した従来の電子部品内蔵ユニットでは、ケースに設けられた複数の係合溝と、カバーに設けられた複数の係合突起と、が係合することで、ケースにカバーが取り付けられている。このような複数箇所での係合は、ケースにカバーを強固に保持できる点でメリットがある。しかし、ケースからカバーを取り外すとき、複数箇所で係合溝と係合突起との係合状態をひとつひとつ解除する必要があることから、取り外しの作業の作業性を向上させ難い点でデメリットがある。
【0005】
本発明の目的の一つは、ケースへのカバーの適正な保持と、ケースからのカバーの容易な取り外しと、を両立可能な箱状体、及び、この箱状体を用いた電子部品内蔵ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る箱状体及び電子部品内蔵ユニットは、以下を特徴としている。
【0007】
収容溝を内部に有するケースと、前記収容溝の開口部を塞ぐように前記ケースに組み付けられる第1カバーと、を備える箱状体であって、
前記ケースは、
前記収容溝を画成する溝側壁と、前記溝側壁に設けられ且つ当該ケースへの前記第1カバーの取付方向に延びるスリットと、を有し、
前記第1カバーは、
前記取付方向に延びて前記スリットに挿し込まれる係合アームと、前記係合アームに設けられて前記ケースに係合する係合突起と、前記係合突起による係合が成立した状態と前記係合突起による係合が解除された状態とを切り替え可能であるように前記係合アームを弾性的に支持する支持部と、を有する、
箱状体であること。
【0008】
上述した構成を有する前記箱状体と、
前記箱状体に格納される電子部品と、
前記電子部品と、前記収容溝に収容されることになる電線と、を電気的に接続することになる接続端子と、を備える、
電子部品内蔵ユニットであること。
【発明の効果】
【0009】
本発明の箱状体及び電子部品内蔵ユニットによれば、ケースに第1カバーを取り付けると、第1カバーが有する係合アームに設けられた係合突起が、ケースに係合する。これにより、ケースに第1カバーが適正に保持される。更に、係合アームは、支持部によって弾性的に支持されており、係合突起による係合が成立した状態と係合突起による係合が解除された状態とを切り替え可能になっている。そのため、係合突起とケースとの係合状態を解除するための専用の治具等を用いることなく、係合突起による係合が成立した状態にある係合アームを、係合突起による係合を解除するように変位させることで、係合アームによる係合が解除される。これにより、ケースから第1カバーが容易に取り外される。したがって、本構成の箱状体及び電子部品内蔵ユニットは、ケースへの第1カバーの適正な保持と、ケースからの第1カバーの容易な取り外しと、を両立することができる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る電子部品内蔵ユニットの斜視図である。
図2図2は、電線側端子及びアース端子を介した電子部品と電線との接続状態を説明するための斜視図である。
図3図3は、電線に接続された電線側端子の下面図である。
図4図4は、第1カバー及び底板カバーをケース本体へ取り付ける際の様子を示す斜視図である。
図5図5は、図1に示す電子部品内蔵ユニットの下面図である。
図6図6は、図5のA-A断面図である。
図7図7は、係合アームを変位させて係合突起と底板カバーとの係合を解除する際の動作を説明するための、図6に相当する図である。
図8図8は、第1変形例に係る電子部品内蔵ユニットにおける、図1に対応する図である。
図9図9は、図8に示す電子部品内蔵ユニットにおける、図5に対応する図である。
図10図10は、図9のB-B断面図である。
図11図11は、底板カバーを外した後に係合アームを変位させて係合突起とケース本体との係合を解除する際の動作を説明するための、図10に相当する図である。
図12図12は、第2変形例に係る電子部品内蔵ユニットにおける、図10に対応する図である。
図13図13は、係合アームを変位させて係合突起とケース本体との係合を解除する際の動作を説明するための、図12に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る箱状体2を用いた電子部品内蔵ユニット1について説明する。図1に示す電子部品内蔵ユニット1は、箱状体2(図1等参照)と、箱状体2に格納される電子部品3(図2参照)と、電子部品3及び電線4を電気的に接続することになる電線側端子5及びアース端子6(図2参照)と、を備える。
【0013】
箱状体2は、ケース7と、ケース7に組み付けられる端子カバー8及びケースカバー9と、を備える。ケース7は、ケース本体7Aと、ケース本体7Aに組み付けられる底板カバー7Bと、を備える(図4参照)。電子部品内蔵ユニット1は、例えば、自動車等に搭載される各種センサ等に繋がる電線4に取り付けられ且つ自動車等のボディの所定の座面に係止・固定された状態で、ホーンやワイパモータのような雑音源からの伝導ノイズや、ネオンサイン等からの外来ノイズや、誘導ノイズ等を、電線4から除去する機能を果たす。
【0014】
以下、説明の便宜上、図1等に示すように、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」を定義する。「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」は、互いに直交している。上下方向は、ケース7(ケース本体7A)への端子カバー8の取付方向と一致している。なお、これらの方向は、あくまで説明の便宜のために定めているに過ぎず、電子部品内蔵ユニット1が自動車等に搭載されたときの自動車等の前後方向、左右方向及び上下方向に必ずしも対応する必要はない。以下、電子部品内蔵ユニット1を構成する各部品について順に説明する。
【0015】
まず、電線4及び電線側端子5について説明する。電線4は、ワイヤハーネスを構成する複数の電線のうちの一本、又は単独の電線であって、図3に示すように、導体11と、導体11を被覆する絶縁性の被覆部12と、で構成されている。電線4の延在方向(左右方向)の中間位置には、電線側端子5が電気的に接続されている。電線4に接続された電線側端子5は、ケース本体7Aの収容溝53(図4参照、後述)に収容されることになる。
【0016】
電線側端子5は、導電性を有する金属からなり、図3に示すように、導体11との接続のための電線接続部21と、電線接続部21の電線4の延在方向の一側(右側)に連続する電気接触部22と、を有している。電線接続部21は、電線4の中間位置を皮剥ぎして露出させた導体11を加締める一対の導体加締め片23と、被覆部12を加締める一対の被覆加締め部24とを有している。
【0017】
電気接触部22は、図2及び図3に示すように、基部25と、基部25の幅方向一方側の縁(前側縁)に設けられた接続タブ26と、基部25の幅方向他方側の縁(後側縁)に設けられた係止部27とを有している。電気接触部22を構成する基部25、接続タブ26及び係止部27は、折り曲げ加工によりU字状の形状に形成されている。接続タブ26と係止部27との間には、電線4が貫通している。
【0018】
接続タブ26は、タブ状であり、アース端子6の筒状のタブ接続部36(図2参照、後述)に差し込まれて電線側端子5とアース端子6とを電気的に接続する機能を果たす部分である。係止部27は、電線4に接続された電線側端子5がケース本体7Aの収容溝53(図4参照)に収容された状態で、収容溝53の所定箇所と係合して電線側端子5を収容溝53に係止する機能を果たす部分である。
【0019】
次いで、電子部品3及びアース端子6について説明する。電子部品3は、図2に示すように、略直方体状の本体41と、本体41の一の縁(前側縁)から延出する一対のリード42,43とを有している。電子部品3として、本実施形態においてはノイズフィルタのために既知のコンデンサが用いられているが、この他の用途に応じてダイオードや抵抗を用いてもよいものとする。
【0020】
アース端子6は、導電性を有する金属からなり、図2に示すように、略矩形平板状の基部31と、基部31の後側縁から後方に延出する貫通孔33を有するアース部32と、基部31の前側縁の左右両端部から前方に延出する一対の接続脚部34,35と、を有する。接続脚部34の延出端部には、上述した筒状のタブ接続部36が、上方に突出し且つ上下方向に延びるように設けられている。基部31の左右両側縁には、左右一対の被係止部37(具体的には、係止孔)が設けられている。
【0021】
基部31には、電子部品3の本体41が載置されることになる。基部31は、ケース本体7Aの収容溝52(図4参照、後述)の下端開口を塞ぐ機能を果たす部分でもある(図5参照)。アース部32は、貫通孔33に挿通されるボルト等を利用して自動車等のボディの所定の座面に締結固定されることになる。一対の接続脚部34,35の上面には、それぞれ、電子部品3の一対のリード42,43がハンダ付け等によって接合・固定されることになる。一対の被係止部37は、ケース本体7Aの左右一対の係止部55(図4参照、後述)に係止されることになる。
【0022】
次いで、ケース7を構成する(ケース7の一部である)ケース本体7Aについて説明する。ケース本体7Aは、樹脂成形体であり、図4に示すように、上方が開口した略矩形箱状の形状を有する本体部51を有する。本体部51には、本体部51の内部空間を左右方向に横断するように延びる隔壁54が設けられており、本体部51の内部空間は、隔壁54によって、電子部品3を収容する後側の収容溝52と、電線4及び電線側端子5を収容する前側の収容溝53と、に区分けされている。収容溝52及び収容溝53の各々の底壁(下壁)の大部分は、開口している(図5参照)。
【0023】
本体部51の収容溝52を画成する左右側壁には、アース端子6の左右一対の被係止部37(図2参照)に対応して、左右一対の係止部55(具体的には、係止突起)が設けられている(図4及び図5参照)。隔壁54には、電子部品3の一対のリード42,43にそれぞれ対応して、上方に開口し且つ上下方向に延びるスリット状の切欠き56,57が形成されている。
【0024】
収容溝53は、隔壁54と、本体部51の収容溝53を覆う前側壁58と、本体部51の収容溝53を覆う左側壁59と、本体部51の収容溝53を覆う右側壁60と、で画成されている。左側壁59及び右側壁60の上端面には、それぞれ、電線4を収容するための電線収容溝61,62が形成されている。左右方向に延びる隔壁54の溝内面(収容溝53の内側面)の左側領域には、上下方向に延びて上端が開口した溝部63が設けられ、溝部63の左側及び右側に隣接した位置にはそれぞれ、上下方向に延びて上端が封鎖された溝部64,65が設けられている。左右方向に延びる前側壁58の右側領域には、上方に開口し且つ上下方向に延びるスリット状の左右一対の切欠き66が、左右方向に間隔をあけて形成されている。溝部63及び左右一対の溝部64,65はそれぞれ、端子カバー8の突条及び左右一対の突起(後述)に対応して設けられ、左右一対の切欠き66は、端子カバー8の左右一対の切欠き88(図4参照、後述)に対応して設けられている。
【0025】
左右方向に延びる前側壁58の左側領域には、上下に貫通し且つ上下方向に延びる左右一対のスリット67が、左右方向に間隔をあけて形成されている。左右一対のスリット67には、端子カバー8の左右一対の係合アーム92(図4等参照、後述)がそれぞれ挿入されることになる(図1参照)。前後方向に延びる左側壁59には、左右方向に貫通し且つ前後方向に延びる挿通孔68が形成されている(図4参照)。挿通孔68には、底板カバー7Bの支持片部103(図4等参照、後述)が挿通されることになる。
【0026】
図5に示すように、収容溝53の下端開口を画成する前後一対の左右方向に延びる開口縁(即ち、隔壁54及び前側壁58の下端部)の右側領域には、互いに近づく向きに突出する前後一対の支持片69が形成されている。前後一対の支持片69には、底板カバー7Bの底板部102(図4等参照、後述)が支持されることになる。収容溝53の下端開口を画成する後側の左右方向に延びる開口縁(即ち、隔壁54の下端部)の左端部には、係止部70が形成されている。係止部70には、底板カバー7Bの係止突起107(図5参照、後述)が係合することになる。
【0027】
次いで、端子カバー8について説明する。端子カバー8は、樹脂成形体であり、図4に示すように、前後方向及び左右方向に延び且つ左右方向に長い略矩形平板状の天板部81と、天板部81の後側縁及び前側縁から下方に突出し且つ左右方向に延びる後側壁82及び前側壁83と、を備え、大略的には、左右方向からみてU字状の形状を有している。
【0028】
図4に示すように、左右方向に延びる後側壁82の左側領域の外面(後面)には、ケース本体7Aの溝部63及び左右一対の溝部64,65(図4参照)にそれぞれ対応して、突条及び左右一対の突起(図示省略)が設けられている。突条は、後方に突出し且つ上下方向に延びる突条であり、左右一対の突起の各々は、後方に突出する突起である。左右方向に延びる前側壁83の右側領域には略直方体状に前側に膨出する膨出部87が設けられており、膨出部87の左右側壁には、ケース本体7Aの左右一対の切欠き66に対応して、下方に開口し且つ上下方向に延びるスリット状の左右一対の切欠き88が形成されている。
【0029】
左右方向に延びる前側壁83の左側領域(膨出部87の左側の領域)には、ケース本体7Aの左右一対のスリット67に対応して、左右一対の係合部90が左右方向に間隔をあけて設けられている。各係合部90は、前側壁83から前方に向けて延びる支持部91と、上下方向に延び且つ上端部93と下端部94との間の中間部が支持部91の延出端に連結された係合アーム92と、を備える。支持部91は、係合アーム92を弾性的に支持している。このため、係合アーム92は、左右方向からみて支持部91を中心に回動するように(換言すると、シーソー状に傾くように)変位可能となっている。係合アーム92の下端部94には、後方へ向けて突出する係合突起95が形成されている。係合突起95は、支持部91が弾性変形していない状態(即ち、係合アーム92が上下方向に平行に延びている状態)において、ケース本体7Aに組み付けられた底板カバー7Bの係止凹部104(図4及び図5参照、後述)に係合することになる(図6参照)。一方、この係合状態から係合アーム92を操作して左方向からみて反時計回りに回動させることで、係合突起95による係止凹部104との係合が解除される(図7参照)。即ち、係合アーム92は、係合突起95による係合が成立した状態と係合突起95による係合が解除された状態とを切り替え可能になっている。
【0030】
次いで、ケースカバー9について説明する。ケースカバー9は、樹脂成形体である。図4に示すように、ケースカバー9は、ケース本体7Aの収容溝52の上端開口に対応する形状を有しており、収容溝52の上端開口を塞ぐようにケース本体7Aに組み付け可能に構成されている。
【0031】
次いで、ケース7を構成する(ケース7の一部である)底板カバー7Bについて説明する。底板カバー7Bは、樹脂成形体である。底板カバー7Bは、図4に示すように、前後方向及び上下方向に延びる略矩形平板状の側板部101と、側板部101から右方へ向けて延びる略平板状の底板部102と、底板部102から上方に離れた位置にて底板部102と上下方向に対向するように側板部101から右方へ向けて延びる略平板状の支持片部103と、で構成されている。底板部102は、ケース本体7Aの収容溝53の下端開口に対応する形状を有しており、収容溝53の下端開口を塞ぐ機能を果たす部分である(図5参照)。
【0032】
図5に示すように、底板部102の下面の前側縁の左側領域には、上方に窪み且つ左右方向に延びる係止凹部104が形成されている(図4も参照)。底板部102の後側縁近傍の左側領域には、板厚方向(上下方向)に貫通し且つ左右方向に延びる貫通孔105が形成されている。このため、貫通孔105の後側縁部は、左右方向に延びる両持ち梁状の係合梁106を構成している。係合梁106は前後方向に弾性変形可能となっている。係合梁106には、後側に向けて突出する係止突起107が設けられている。係合梁106は、ケース本体7Aから底板カバー7Bを取り外す際に前側に押圧操作されて弾性変形される箇所である。以上、電子部品内蔵ユニット1を構成する各部品について順に説明した。
【0033】
次いで、上記構成を有する箱状体2及び電子部品内蔵ユニット1の組み付け手順について説明する。まず、アース端子6がケース本体7Aに組み付けられる(図4及び図5参照)。具体的には、アース端子6の左右一対の被係止部37がケース本体7Aの左右一対の係止部55に係止されるように、且つ、アース端子6の基部31が収容溝52の下端開口を塞ぐように、且つ、アース端子6のアース部32がケース本体7Aの後端から後方へ突出するように、且つ、アース端子6の一対の接続脚部34,35が収容溝53の下端開口の一部を塞ぐように、アース端子6が、下側から、ケース本体7Aに組み付けられる。
【0034】
次いで、アース端子6の上面に電子部品3が載置される(図2及び図4参照)。具体的には、電子部品3の本体41が、収容溝52の底面を構成するアース端子6の基部31の上面に載置・固定され、且つ、電子部品3の一対のリード42,43が、それらの中間部が隔壁54の切欠き56,57にそれぞれ差し込まれつつ、それらの先端部が収容溝53の底面の一部を構成するアース端子6の一対の接続脚部34,35の上面にそれぞれ載置される。次いで、一対のリード42,43の先端部が、溶接等によって、一対の接続脚部34,35の上面にそれぞれ接合される。そして、ケースカバー9が、ケース本体7Aの収容溝52の上端開口を塞ぐように、上側からケース本体7Aに組み付けられ、且つ、底板カバー7Bが、ケース本体7Aの収容溝53の下端開口を塞ぐように、左側からケース本体7Aに組み付けられる。
【0035】
底板カバー7Bは、具体的には、図5に示すように、底板部102の先端側領域(右側領域)の左右方向に延びる前後両縁部が前後一対の支持片69に係止され、支持片部103が挿通孔68(図4参照)に挿通され、底板部102が収容溝53の下端開口を塞ぎ、且つ、係止突起107が、係止部70からの押圧による係合梁106の前側への一時的な弾性変形を経て係止部70を乗り越え且つ係止部70と係合するように、ケース本体7Aに組み付けられる。これにより、底板部102の先端側領域と前後一対の支持片69との係合によって底板カバー7Bの右側領域の下方への分離が防止され、且つ、支持片部103と挿通孔68との係合によって底板カバー7Bの左側領域の下方への分離が防止された状態で、底板カバー7Bがケース本体7Aに組み付けられる。
【0036】
次いで、電線側端子5が接続された電線4が、収容溝53に収容される(図4参照)。具体的には、電線側端子5の接続タブ26が、収容溝53内に位置するアース端子6のタブ接続部36に挿入され、且つ、電線側端子5の係止部27が、収容溝53の所定箇所と係合し、且つ、電線側端子5の左右に隣接する位置にある電線4がケース本体7Aの電線収容溝61,62にそれぞれ収容されるように、電線4及び電線側端子5が、上側から、収容溝53に収容される。これにより、電子部品3と電線4とが、電線側端子5及びアース端子6を介して電気的に接続された状態が得られる。
【0037】
次いで、端子カバー8が、ケース本体7Aの収容溝53の上端開口を塞ぐように、上側からケース本体7Aに組み付けられる。具体的には、まず、端子カバー8の前側より後側のほうが下側に位置するように端子カバー8が傾斜した姿勢を維持しながら、端子カバー8の上述した突条及び左右一対の突起がケース本体7Aの溝部63及び左右一対の溝部64,65にそれぞれ挿入される。次いで、端子カバー8の後側縁を回動中心として、端子カバー8の前端縁が下方に移動する向き(端子カバー8が水平に戻る向き)に端子カバー8が回動される。この回動により、端子カバー8の後側壁82及び前側壁83(膨出部87の前側壁89を除く)が収容溝53内に進入し、膨出部87の前側壁89が収容溝53の外側(前側壁58の前側)に位置して一対の切欠き88がケース本体7Aの一対の切欠き66に挿入され、左右一対の係合アーム92が左右一対のスリット67に前側から挿入されるように(図1参照)、且つ、各係合突起95が、底板部102の前端縁からの押圧による係合アーム92の一時的な回動動作(支持部91の一時的な弾性変形)を経て底板部102の前端縁を乗り越えて、底板部102の係止凹部104に係止される(図6参照)。これにより、端子カバー8の上述した左右一対の突起と溝部64,65との上下方向の係合によって端子カバー8の後側縁の上方への分離が防止され、且つ、左右一対の係合突起95と係止凹部104との上下方向の係合によって端子カバー8の前側縁の上方への分離が防止された状態で、端子カバー8がケース本体7Aに組み付けられる。以上により、箱状体2及び電子部品内蔵ユニット1の組み付けが完了する(図1参照)。
【0038】
このように、本実施形態では、ケース本体7Aに底板カバー7Bが組み付けられた後に、ケース本体7Aに端子カバー8が組み付けられる。そして、ケース本体7Aに底板カバー7Bが適正に組み付けられた状態において、端子カバー8の係合突起95が底板カバー7B(係止凹部104)に係合する。換言すれば、ケース本体7Aに底板カバー7Bが適正に組み付けられていない場合には、係合突起95による底板カバー7Bとの係合が適正に成立しない。よって、底板カバー7Bがケース本体7Aに適正に組み付けられているか否かを、ケース本体7Aへの端子カバー8の組み付け時に判定することができる。
【0039】
組みつけが完了した(即ち、電線4に取り付けられた)電子部品内蔵ユニット1は、ケース本体7Aから突出しているアース端子6のアース部32を、貫通孔33に挿通されるボルト等を利用して自動車等のボディの所定の座面に締結固定することで、自動車等のボディに固定される。
【0040】
メンテナンス等の理由でケース本体7Aから端子カバー8を取り外す際には、図7に示すように、作業者が、係合アーム92の上端部93及び下端部94の少なくとも一方に、係合アーム92を左方向からみて反時計回りに回動させる向きの外力(図7の2つの白矢印を参照)を及ぼして係合アーム92を回動させることで、係合突起95による係止凹部104との係合を解除することができる。その結果、専用の治具等を用いることなく、ケース本体7Aから端子カバー8を容易に取り外すことができる。
【0041】
<作用・効果>
本実施形態に係る電子部品内蔵ユニット1によれば、ケース本体7Aに端子カバー8を取り付けると、端子カバー8が有する係合アーム92に設けられた係合突起95が、ケース7(底板カバー7B)に係合する。これにより、ケース本体7に端子カバー8が適正に保持される。更に、係合アーム92は、支持部91によって弾性的に支持されており、係合突起95による係合が成立した状態と係合突起95による係合が解除された状態とを切り替え可能になっている。そのため、係合突起95とケース7(底板カバー7B)との係合状態を解除するための専用の治具等を用いることなく、係合突起95による係合が成立した状態にある係合アーム92を、係合突起95による係合を解除するように変位させることで、係合アーム92による係合が解除される。これにより、ケース本体7Aから端子カバー8が容易に取り外される。したがって、本実施形態に係る電子部品内蔵ユニット1は、ケース本体7Aへの端子カバー8の適正な保持と、ケース本体7Aからの端子カバー8の容易な取り外しと、を両立することができる。
【0042】
更に、係合突起95が係合アーム92の下端部94に設けられ、支持部91が上下方向における係合アーム92の上端部93と下端部94との間に設けられる。即ち、係合アーム92は、支持部91を中心に回動するように(換言すると、シーソー状に傾くように)変位することで、係合突起95による係合の成立・解除を切り替えることができる。よって、例えば、係合アーム92の上端部93及び下端部94の少なくとも一方に作業者が解除のための外力を及ぼせば、係合突起95による係合を解除することができる。その結果、ケース本体7Aから端子カバー8を取り外す作業の作業性を向上できる。
【0043】
更に、係合アーム92の係合突起95は、ケース本体7Aに組み付けられた底板カバー7B(係止凹部104)に係合する。よって、底板カバー7Bがケース本体7Aに適正に組み付けられていない場合には係合突起95による係合が適正に成立しないため、底板カバー7Bがケース本体7Aに適正に組み付けられているか否かを、ケース本体7Aへの端子カバー8の組み付け時に判定することができる。
【0044】
<他の形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0045】
図1図7に示す上記実施形態では、ケース本体7Aに底板カバー7Bが組み付けられた後に、ケース本体7Aに端子カバー8が組み付けられる。端子カバー8の係合突起95は、ケース本体7Aに適正に組み付けられた底板カバー7B(係止凹部104)に係合する(特に、図6参照)。これに対し、図8図11に示す第1変形例が採用されてもよい。
【0046】
第1変形例では、上記実施形態とは逆に、ケース本体7Aに端子カバー8が組み付けられた後に、ケース本体7Aに底板カバー7Bが組み付けられる。図10に示すように、ケース本体7Aに端子カバー8が組み付けられたとき、端子カバー8の係合突起95は、(底板カバー7Bに代えて)ケース本体7Aの前側壁58の下端部58aに係合するように、構成されている。図8及び図10に示すように、底板カバー7Bの底板部102の前側縁の左側領域には、(係止凹部104に代えて)リブ108が形成されている。リブ108は、底板部102の前側縁の左側領域から更に前方に延びる第1部分と、その第1部分の延出端から上方に延びる第2部分と、からなる。即ち、リブ108は、左方向からみてL字状の形状を有して左右方向に延びている。ケース本体7Aに端子カバー8が組み付けられて係合突起95がケース本体7Aの前側壁58の下端部58aに係合した状態で、ケース本体7Aに底板カバー7Bが組み付けられたとき、図10に示すように、リブ108は、第1部分が係合突起95及び係合アーム92の下端部94を下側から覆うと共に第2部分が係合アーム92の下端部94を前側から覆うように、構成されている。
【0047】
このように、リブ108の第1部分が係合突起95を下側から覆うことにより、箱状体2の周辺にある部材や作業者等が意図せず係合突起95に触れること等によって係合突起95による係合が解除されてしまうこと(即ち、誤解除)を、抑制することができる。更に、リブ108の第2部分が係合アーム92の下端部94を前側から覆うことにより、係合アーム92の左方向からみて反時計回りの回動が禁止されることで、係合突起95による係合が解除されることが禁止される。換言すれば、ケース本体7Aから端子カバー8を取り外す際には、図11に示すように、まず、ケース本体7Aから底板カバー7Bを外して係合アーム92の回動禁止を解除し、次いで、作業者が、係合アーム92の上端部93及び下端部94の少なくとも一方に、係合アーム92を左方向からみて反時計回りに回動させる向きの外力(図11の2つの白矢印を参照)を及ぼして係合アーム92を回動させることで、係合突起95による前側壁58の下端部58aとの係合を解除することができる。このように、図8図11に示す第1変形例では、底板カバー7Bの着脱と、係合突起95による係合の成立・解除と、を連動させることができる。よって、係合突起95による係合の誤解除を、更に確実に抑制することができる。
【0048】
更に、図12図13に示す第2変形例が採用されてもよい。第2変形例は、リブ108に代えて図12に示すリブ109が設けられた点のみにおいて、図8図11に示す上記第1変形例と異なる。リブ109は、底板部102の前側縁の左側領域から前方に延び且つ左右方向に延びている。ケース本体7Aに端子カバー8が組み付けられて係合突起95がケース本体7Aの前側壁58の下端部58aに係合した状態で、ケース本体7Aに底板カバー7Bが組み付けられたとき、図12に示すように、リブ109は、係合突起95のみを下側から覆い、係合アーム92の下端部94を覆わないように(下端部94が外部に露出するように)、構成されている。
【0049】
このように、リブ109が係合突起95を下側から覆うことにより、上記第1変形例と同様、箱状体2の周辺にある部材や作業者等が意図せず係合突起95に触れること等によって係合突起95による係合が解除されてしまうこと(即ち、誤解除)を、抑制することができる。一方、リブ109が係合アーム92の下端部94を覆わないことにより、係合突起95の左方向からみて反時計回りの回動が許容されている。よって、上記第1変形例とは異なり、図13に示すように、ケース本体7Aに底板カバー7Bが組み付けられた状態で、作業者が、係合アーム92の上端部に、係合アーム92を左方向からみて反時計回りに回動させる向きの外力(図13の上側の白矢印を参照)を及ぼして係合アーム92を回動させることで、係合突起95による前側壁58の下端部58aとの係合を解除することができる。また、上記第1変形例と同様に、まず、ケース本体7Aから底板カバー7Bを外し、次いで、作業者が、係合アーム92の上端部93及び下端部94の少なくとも一方に、係合アーム92を左方向からみて反時計回りに回動させる向きの外力(図13の2つの白矢印を参照)を及ぼして係合アーム92を回動させることで、係合突起95による前側壁58の下端部58aとの係合を解除することもできる。第2変形例では、リブ109が係合アーム92の下端部94を覆わないことにより、上記第1変形例と同様に、ケース本体7Aに端子カバー8が組み付けられた後にケース本体7Aに底板カバー7Bが組み付けられてもよいし、上記実施形態と同様に、ケース本体7Aに底板カバー7Bが組み付けられた後にケース本体7Aに端子カバー8が組み付けられてもよい。
【0050】
ここで、上述した本発明に係る箱状体2及び電子部品内蔵ユニット1の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[6]に簡潔に纏めて列記する。
【0051】
[1]
収容溝(53)を内部に有するケース(7)と、前記収容溝(53)の開口部を塞ぐように前記ケース(7)に組み付けられる第1カバー(8)と、を備える箱状体(2)であって、
前記ケース(7)は、
前記収容溝(53)を画成する溝側壁(58)と、前記溝側壁(58)に設けられ且つ当該ケース(7)への前記第1カバー(8)の取付方向に延びるスリット(67)と、を有し、
前記第1カバー(8)は、
前記取付方向に延びて前記スリット(67)に挿し込まれる係合アーム(92)と、前記係合アーム(92)に設けられて前記ケース(7)に係合する係合突起(95)と、前記係合突起(95)による係合が成立した状態と前記係合突起(95)による係合が解除された状態とを切り替え可能であるように前記係合アーム(92)を弾性的に支持する支持部(91)と、を有する、
箱状体(2)。
【0052】
上記[1]の構成の箱状体によれば、ケースに第1カバーを取り付けると、第1カバーが有する係合アームに設けられた係合突起が、ケースに係合する。これにより、ケースに第1カバーが適正に保持される。更に、係合アームは、支持部によって弾性的に支持されており、係合突起による係合が成立した状態と係合突起による係合が解除された状態とを切り替え可能になっている。そのため、係合突起とケースとの係合状態を解除するための専用の治具等を用いることなく、係合突起による係合が成立した状態にある係合アームを、係合突起による係合を解除するように変位させることで、係合アームによる係合が解除される。これにより、ケースから第1カバーが容易に取り外される。したがって、本構成の箱状体は、ケースへの第1カバーの適正な保持と、ケースからの第1カバーの容易な取り外しと、を両立することができる。
【0053】
[2]
上記[1]に記載の箱状体(2)において、
前記係合突起(95)は、
前記取付方向における前記係合アーム(92)の一端部(94)に設けられ、
前記支持部(91)は、
前記取付方向における前記係合アームの他端部(93)と、前記一端部(94)と、の間に設けられる、
箱状体(2)。
【0054】
上記[2]の構成の箱状体によれば、係合突起が取付方向における係合アームの一端部に設けられ、支持部が取付方向における係合アームの他端部と一端部との間に設けられる。即ち、係合アームは、支持部を中心に回動するように(換言すると、シーソー状に傾くように)変位することで、係合突起による係合の成立・解除を切り替えることができる。よって、例えば、係合アームの一端部及び他端部の少なくとも一方に作業者が解除のための外力を及ぼせば、係合突起による係合を解除することができる。その結果、ケースから第1カバーを取り外す作業の作業性を向上できる。
【0055】
[3]
上記[1]に記載の箱状体(2)において、
前記ケース(7)は、
前記溝側壁(58)を有するケース本体(7A)と、前記ケース本体(7A)に組み付けられて前記第1カバー(8)が有する前記係合突起(95)に係合する第2カバー(7B)と、を有する、
箱状体(2)。
【0056】
上記[3]の構成の箱状体によれば、係合アームの係合突起は、ケース本体に組み付けられた第2カバーに係合する。よって、第2カバーがケース本体に適正に組み付けられていない場合には係合突起による係合が成立しないため、第2カバーがケース本体に適正に組み付けられているか否かを、ケース本体へ第1カバーを組み付けるときに判定することができる。
【0057】
[4]
上記[1]に記載の箱状体(2)において、
前記ケース(7)は、
前記溝側壁(58)を有するとともに前記第1カバー(8)が有する前記係合突起(95)に係合するケース本体(7A)と、前記ケース本体(7A)に係合した前記係合突起(95)を覆うように前記ケース本体(7A)に組み付けられる第2カバー(7B)と、を有する、
箱状体(2)。
【0058】
上記[4]の構成の箱状体によれば、係合アームの係合突起は、ケース本体に係合する。更に、ケース本体に第2カバーが組み付けられたとき、係合アームの係合突起を第2カバーが覆う。よって、係止突起による係合が成立しているとき、箱状体の周辺にある部材や作業者等が意図せず係合突起に触れること等によって係止突起による係合が解除されてしまうこと(即ち、誤解除)を、抑制することができる。
【0059】
[5]
上記[4]に記載の箱状体(2)において、
前記第2カバー(7B)は、
前記係合突起(95)を当該第2カバー(7B)が覆っているときに前記係合突起(95)による係合が解除されることを禁止し、前記係合突起(95)を当該第2カバー(7B)が覆っていないときに前記係合突起(95)による係合の解除を許容する、ように構成される、
箱状体(2)。
【0060】
上記[5]の構成の箱状体によれば、係合突起を第2カバーが覆っているときに係合突起による係合が解除されることが禁止され、係合突起を第2カバーが覆っていないときに係合突起の係合の解除が許容される。これにより、係合突起による係合の誤解除を、更に確実に抑制することができる。
【0061】
[6]
上記[1]~上記[5]の何れか一つに記載の箱状体(2)と、
前記箱状体(2)に格納される電子部品(3)と、
前記電子部品(3)と、前記収容溝(53)に収容されることになる電線(4)と、を電気的に接続することになる接続端子(5,6)と、を備える、
電子部品内蔵ユニット(1)。
【0062】
上記[6]の構成の電子部品内蔵ユニットによれば、ケースに第1カバーを取り付けると、第1カバーが有する係合アームに設けられた係合突起が、ケースに係合する。これにより、ケースに第1カバーが適正に保持される。更に、係合アームは、支持部によって弾性的に支持されており、係合突起による係合が成立した状態と係合突起による係合が解除された状態とを切り替え可能になっている。そのため、係合突起とケースとの係合状態を解除するための専用の治具等を用いることなく、係合突起による係合が成立した状態にある係合アームを、係合突起による係合を解除するように変位させることで、係合アームによる係合が解除される。これにより、ケースから第1カバーが容易に取り外される。したがって、本構成の電子部品内蔵ユニットは、ケースへの第1カバーの適正な保持と、ケースからの第1カバーの容易な取り外しと、を両立することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 電子部品内蔵ユニット
2 箱状体
3 電子部品
4 電線
5 電線側端子(接続端子)
6 アース端子(接続端子)
7 ケース
7A ケース本体
7B 底板カバー(第2カバー)
8 端子カバー(第1カバー)
53 収容溝
58 前側壁(溝側壁)
67 スリット
91 支持部
92 係合アーム
93 上端部(他端部)
94 下端部(一端部)
95 係合突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13