(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131170
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】無線装置、チューナブルフィルタの制御方法、及び無線システム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/16 20060101AFI20240920BHJP
H01P 1/207 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H04B1/16 J
H01P1/207 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041264
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 匡稔
【テーマコード(参考)】
5J006
5K061
【Fターム(参考)】
5J006JA01
5J006LA12
5K061CC18
5K061CD04
(57)【要約】
【課題】 温度変化による影響を抑制して良好な通信特性をえることにある。
【解決手段】 無線装置は、中心周波数を変更する補正機構を備えるチューナブルフィルタと、復調器に設けられた、波形等化器の波形等化器情報、又は、遅延等化器の遅延等化器情報に基づいて、補正機構を制御するための補正情報を生成し、生成した補正情報を用いて補正機構を制御する制御手段と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心周波数を変更する補正機構を備えるチューナブルフィルタと、
復調器に設けられた、波形等化器の波形等化器情報、又は、遅延等化器の遅延等化器情報に基づいて、前記補正機構を制御するための補正情報を生成し、生成した前記補正情報を用いて前記補正機構を制御する制御手段と、
を有する無線装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記波形等化器情報を用いる場合、波形等化器特性の中心周波数に対応する補正量と、前記波形等化器特性の低周波数側にあらかじめ設定した下端帯域に対応する補正量との第一の差を算出し、
前記波形等化器特性の中心周波数の補正量と、前記波形等化器特性の高周波数側にあらかじめ設定した上端帯域の補正量との第二の差を算出し、
前記第一の差が、あらかじめ設定した期間以上、前記第一の差が前記第二の差により、あらかじめ設定した第一の閾値以上大きい状態が継続した場合、前記チューナブルフィルタの前記中心周波数を、低周波数側にシフトするための前記補正情報を生成する、
請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記第二の差が、前記期間以上、前記第一の差が前記第二の差により、あらかじめ設定した第二の閾値以上大きい状態が継続した場合、前記チューナブルフィルタの前記中心周波数を、高周波数側にシフトするための前記補正情報を生成する、
請求項2に記載の無線装置。
【請求項4】
中心周波数を変更する補正機構を備えるチューナブルフィルタを有する無線装置で、
前記無線装置のコンピュータは、
復調器に設けられた、波形等化器の波形等化器情報、又は、遅延等化器の遅延等化器情報に基づいて、前記補正機構を制御するための補正情報を生成し、
生成した前記補正情報を用いて前記補正機構を制御する、
チューナブルフィルタの制御方法。
【請求項5】
前記波形等化器情報を用いる場合、波形等化器特性の中心周波数に対応する補正量と、前記波形等化器特性の低周波数側にあらかじめ設定した下端帯域に対応する補正量との第一の差を算出し、
前記波形等化器特性の中心周波数の補正量と、前記波形等化器特性の高周波数側にあらかじめ設定した上端帯域の補正量との第二の差を算出し、
前記第一の差が、あらかじめ設定した期間以上、前記第一の差が前記第二の差により、あらかじめ設定した第一の閾値以上大きい状態が継続した場合、前記チューナブルフィルタの前記中心周波数を、低周波数側にシフトするための前記補正情報を生成する、
請求項4に記載のチューナブルフィルタの制御方法。
【請求項6】
前記第二の差が、前記期間以上、前記第一の差が前記第二の差により、あらかじめ設定した第二の閾値以上大きい状態が継続した場合、前記チューナブルフィルタの前記中心周波数と、通過域を、高周波数側にシフトするための前記補正情報を生成する、
請求項5に記載のチューナブルフィルタの制御方法。
【請求項7】
第一の無線装置と、前記第一の無線装置と対向する第二の無線装置と、を有する無線システムであって、
前記第一の無線装置は、
中心周波数を変更する補正機構を備えるチューナブルフィルタを有し、
前記第二の無線装置の復調器に設けられた、波形等化器の波形等化器情報、又は、遅延等化器の遅延等化器情報に基づいて、前記補正機構を制御するための補正情報を生成し、生成した前記補正情報を用いて前記補正機構を制御する制御手段と、
を有する無線システム。
【請求項8】
第一の無線装置と、前記第一の無線装置と対向する第二の無線装置と、を有する無線システムであって、
前記第一の無線装置は、
受信系に設けられた、中心周波数を変更する第一の補正機構を備える第一のチューナブルフィルタを有し、
前記第二の無線装置は、
送信系に設けられた、中心周波数を変更する第二の補正機構を備える二のチューナブルフィルタを有し、
前記第一の無線装置の復調器に設けられた、波形等化器の波形等化器情報、又は、遅延等化器の遅延等化器情報に基づいて、前記第一の補正機構を制御するための第一の補正情報と、前記第二の補正機構を制御するための第二の補正情報とを生成し、生成した前記第一の補正情報を用いて前記第一の補正機構を制御し、生成した前記第二の補正情報を用いて前記第二の補正機構を制御する制御手段と、
を有する無線システム。
【請求項9】
前記第一の補正情報、前記第二の補正情報それぞれの、前記中心周波数を変更するための補正量は、前記第一の無線装置の周辺温度と前記第二の無線装置の周辺温度とに基づいて設定する、
請求項8に記載の無線システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線装置、チューナブルフィルタの制御方法、及び無線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線装置に設けられたチューナブルフィルタの中心周波数が温度変化によってシフトすると、通過域の周波数特性と遅延特性が劣化する。また、減衰させたい帯域において所望の減衰量が得られなくなる。そこで、温度に応じて、チューナブルフィルタの中心周波数(通過域の中心周波数)を可変させる技術が提案されている。
【0003】
関連する技術として特許文献1には、衛星局において、送信機の小型化及び低消費電力化と、送信機の良好な非線形歪み補償とを両立できる通信機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
温度変化によるチューナブルフィルタの中心周波数のシフトの影響を考慮して設計すると、チューナブルフィルタの多段化につながるので、サイズ、コストの増大につながる。
【0006】
本開示の目的の一例は、温度変化による影響を抑制して良好な通信特性をえることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の一側面における無線装置は、
中心周波数を変更する補正機構を備えるチューナブルフィルタと、
復調器に設けられた、波形等化器の波形等化器情報、又は、遅延等化器の遅延等化器情報に基づいて、前記補正機構を制御するための補正情報を生成し、生成した前記補正情報を用いて前記補正機構を制御する制御部と、
を有することを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本開示の一側面におけるチューナブルフィルタの制御方法は、
中心周波数を変更する補正機構を備えるチューナブルフィルタを有する無線装置のコンピュータは、
復調器に設けられた、波形等化器の波形等化器情報、又は、遅延等化器の遅延等化器情報に基づいて、前記補正機構を制御するための補正情報を生成し、
生成した前記補正情報を用いて前記補正機構を制御する、
ことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示の一側面における無線システムは、
第一の無線装置と、前記第一の無線装置と対向する第二の無線装置と、を有する無線システムであって、
前記第一の無線装置は、
中心周波数を変更する補正機構を備えるチューナブルフィルタを有し、
前記第二の無線装置の復調器に設けられた、波形等化器の波形等化器情報、又は、遅延等化器の遅延等化器情報に基づいて、前記補正機構を制御するための補正情報を生成し、生成した前記補正情報を用いて前記補正機構を制御する制御部と、
を有することを特徴とする。
【0010】
さらに、上記目的を達成するため、本開示の一側面における無線システムは、
第一の無線装置と、前記第一の無線装置と対向する第二の無線装置と、を有する無線システムであって、
前記第一の無線装置は、
受信系に設けられた、中心周波数を変更する第一の補正機構を備える第一のチューナブルフィルタを有し、
前記第二の無線装置は、
送信系に設けられた、中心周波数を変更する第二の補正機構を備える第二のチューナブルフィルタを有し、
前記第一の無線装置の復調器に設けられた、波形等化器の波形等化器情報、又は、遅延等化器の遅延等化器情報に基づいて、前記第一の補正機構を制御するための第一の補正情報と、前記第二の補正機構を制御するための第二の補正情報とを生成し、生成した前記第一の補正情報を用いて前記第一の補正機構を制御し、生成した前記第二の補正情報を用いて前記第二の補正機構を制御する制御部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本開示によれば、温度変化による影響を抑制して良好な通信特性をえることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、温度ごとの中心周波数、通過域の変化を示す図である。
【
図2】
図2は、温度ごとの遷移域、減衰域の減衰量の変化を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の無線装置の受信系の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、チューナブルフィルタの一例を説明するための斜視図である。
【
図5】
図5は、チューナブルフィルタの構造の一例を説明するための下面図である。
【
図6】
図6は、波形等化器の説明をするための図である。
【
図7】
図7は、中心周波数の変更を説明するための図である。
【
図8】
図8は、無線装置の動作を説明するための図である。
【
図9】
図9は、チューナブルフィルタの制御方法の一例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、実施形態2の無線装置の一例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、通過特性と遅延特性との関係を表す図である。
【
図13】
図13は、無線装置の送信系にチューナブルフィルタを配置した図である。
【
図14】
図14は、無線装置の受信系と送信系にチューナブルフィルタを配置した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
はじめに、以降で説明する実施形態の理解を容易にするために概要を説明する。
図1、
図2を用いて、温度変化による、チューナブルフィルタの通過域の変化について説明する。
図1は、温度ごとの中心周波数、通過域の変化を示す図である。
図2は、温度ごとの遷移域、減衰域の減衰量の変化を示す図である。なお、
図1の太線(Pass_band)は設計時(規格)の通過域を示し、
図2の太線(Att_band)は設計時(規格)の減衰域を表している。
【0014】
チューナブルフィルタは、機械的又は電気的に、中心周波数を可変(チューナブル)できるフィルタである。また、
図1に示すように、温度が変化すると、中心周波数、通過域がシフトすることが分かる。さらに、
図2に示すように、温度が変化すると、遷移域及び減衰域において、設計時の減衰量を得られていないことが分かる。
【0015】
このようなプロセスを経て、発明者は、温度変化により、チューナブルフィルタの中心周波数がシフトすること、更には、遷移域、減衰域において設計時(規格)の減衰量を得られないという課題を見出し、それとともに係る課題を解決する手段を導出するに至った。
【0016】
すなわち、発明者は、温度に応じて、チューナブルフィルタの中心周波数をシフトする手段を導出するに至った。その結果、温度変化による影響を抑制して良好な通信特性を得るに至った。
【0017】
以下、図面を参照して実施形態1について説明する。なお、以下で説明する図面において、同一の機能又は対応する機能を有する要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0018】
(実施形態1)
図3を用いて、実施形態1における無線装置の構成について説明する。
図3は、実施形態1の無線装置の受信系の一例を説明するための図である。なお、
図3においては、説明を分かり易くするために、受信系の機器を示したが、無線装置は当然であるが、送信系の機器を有している。
【0019】
[装置構成]
無線装置10は、設定周波数に応じて制御部15によりチューナブルフィルタの中心周波数を変更できる。無線装置10は、例えば、ポイントトゥポイントのマイクロ波・ミリ波帯の周波数分割無線通信機などの各種無線装置が考えられる。
【0020】
また、
図3の無線装置10は、アンテナ11と、チューナブルフィルタ12と、受信RF(Radio Frequency)回路13と、復調器14と、制御部15とを有する。
【0021】
復調器14は、波形等化器14-1などの復調に必要な回路(不図示)を有する。なお、
図3に示した実線は信号線を表している。また、
図3に示した破線は制御線を表している。
【0022】
なお、
図3の例では、無線装置10に、アンテナ11と、チューナブルフィルタ12と、受信RF(Radio Frequency)回路13と、復調器14と、制御部15を収納しているが、それぞれを分割して設けてもよい。
【0023】
アンテナ11は、電波を送信(放射)又は受信(吸収)する。具体的には、アンテナ11は、無線装置10以外の無線装置からの電波(信号)を受信すると、受信した信号をチューナブルフィルタ12に出力する。
【0024】
チューナブルフィルタ12は、(1)受信した信号の帯域制限をする。(2)チューナブルフィルタ12は、機械的に、中心周波数を可変する。チューナブルフィルタ12は、例えば、バンドパスフィルタ(BPF)などの各種フィルタが考えられる。
【0025】
(1)の動作について説明する。チューナブルフィルタ12は、受信した信号に対して、現在、設定されている中心周波数、通過域、遷移域、減衰域で帯域制限を行い、帯域制限した信号を受信RF回路13に出力する。
【0026】
(2)の動作について説明する。チューナブルフィルタ12は、制御部15が生成した補正情報に基づいて、中心周波数を変更する。
【0027】
チューナブルフィルタの構造について説明する。
図4、
図5を用いて、チューナブルフィルタ12の構造について説明する。
図4は、チューナブルフィルタの一例を説明するための斜視図である。
図5は、チューナブルフィルタの構造の一例を説明するための下面図である。
【0028】
チューナブルフィルタ12は、導波管41と、金属板42と、誘電体板43と、支持棒44(44-1、44-2)と、を有する。なお、このチューナブルフィルタ12としては、例えば、半同軸フィルタ又はエバネッセントモードフィルタなどが考えられる。
【0029】
導波管41は、導電性の方形導波管である。導波管41は、水平面で二つの部材に分割され、この二つの部材で板状の金属板42を挟持している。
【0030】
金属板42は、板状の導電体からなり、導波管41の長手方向(x方向)に延びている。また、金属板42には、
図5に示すように、三つの共振板421-1、421-2、421-3と、二つの入出力ポート422-1から422-2と、が形成されている。
【0031】
図5の例では、共振板421-1から421-3が三段構成の帯域通過フィルタを示したが、チューナブルフィルタ12の段数は、三段に限定されず、二段以上であればよい。
【0032】
共振板421-1から421-3は、一端(プラスy方向側)が金属板42に接続され、他端(マイナスy方向側)が他の部材と接していない開放端である、板状の共振器である。共振板421-1から421-3は、導波管41に収納され、共振板421の側面同士が対向するように、導波管41の長手方向(x方向)に並べられている。共振板421-1から421-3は、形状、長さ(y方向)などで決まる共振周波数で共振するように動作する。
【0033】
入出力ポート422-1から422-2は、高周波信号を入出力するポートである。入出力ポート422-1は、電磁結合により共振板421-1と接続され、入出力ポート422-2は、電磁結合により共振板421-3と接続される。入出力ポート422-1から422-2は、一方が入力ポートとして動作し、他方が出力ポートとして動作する。
【0034】
例えば、入出力ポート422-1が入力ポート、入出力ポート422-2が出力ポートとして動作する場合、入出力ポート422-1に高周波信号が入力され、そのうちチューナブルフィルタ12の通過域内の高周波信号のみが入出力ポート422-2から出力される。
【0035】
誘電体板43は、板状の誘電体からなる。誘電体板43は、導波管41の長手方向(x方向)に延び、誘電体板43の主面(面積が最も大きい面)が共振板421-1から421-3の主面と対向するように、共振板421-1から421-3と隣接するように配置されている。
【0036】
支持棒44(44-1、44-2)は、誘電体板43のx方向両端にそれぞれ取り付けられている。
【0037】
なお、制御部15は、補正情報を算出し、導波管41の外部に設けられたステッピングモータなどの補正機構(不図示)を用いて、支持棒44-1、44-2を、上下方向(つまり、誘電体板43の主面と垂直なz方向)に変位させることで、誘電体板43を上下方向(z方向)に移動させる機構である。このように、誘電体板43は、共振板421-1から421-3との距離を可変することができる。
【0038】
したがって、チューナブルフィルタ12は、中心周波数を変更する場合、誘電体板43を上下方向(z方向)に移動させる。例えば、誘電体板43が共振板421-1から421-3から遠ざかるほど(誘電体板43上方(プラスz方向)に移動するほど)、通過域の中心周波数が高くなる。逆に、誘電体板43が共振板421-1から421-3に近づくほど(誘電体板43が下方(マイナスz方向)に移動するほど)、通過域の中心周波数が低くなる。
【0039】
なお、チューナブルフィルタ12は、上述した
図4、
図5に示したチューナブルフィルタに限定されず、例えば、国際公開第2019/187761号などに開示されているチューナブルフィルタなどでもよい。
【0040】
さらに、チューナブルフィルタ12は、電気的に、中心周波数を変化させてもよい。具体的には、チューナブルフィルタ12は、マイクロストリップ線路などを用いて、電気的に特性を制御し、中心周波数を可変にさせる。
【0041】
受信RF回路13は、チューナブルフィルタ12から出力された、帯域制限された信号の信号レベル及び周波数を、復調器14のインターフェイスの仕様に基づいて、変換する(増幅・周波数変換処理)。その後、受信RF回路13は、増幅・周波数変換処理した信号を復調器14に出力する。なお、受信RF回路13は、例えば、ローノイズアンプ、自動増幅率制御回路、局部発振器などを用いた周波数変換回路である。
【0042】
復調器14は、受信RF回路13が出力した信号を用いて復調をする。また、復調器14は、受信RF回路13から入力された信号のフェージング特性(例えば信号レベルの変動)を補償するための波形等化器14-1を有している。
【0043】
波形等化器14-1は、復調器14に入力された信号の波形劣化を小さくする回路である。具体的には、波形等化器14-1は、受信RF回路13から信号が入力されると、波形等化処理をし、波形補償された信号を出力する。
【0044】
図6を用いて波形等化器14-1について説明する。
図6は、波形等化器の説明をするための図である。
図6のグラフ61には、受信RF回路13から入力された信号の入力波形の周波数特性を示している。
図6のグラフ62には、波形等化器14-1から出力された信号の出力波形の周波数特性を示している。
図6のグラフ63には、波形等化器14-1の波形等化器特性を示している。例えば、波形等化器14-1に、グラフ61に対応する信号が入力されると、入力された信号は平滑化され、グラフ62に対応する信号が出力される。
【0045】
制御部15は、受信RF回路13の制御(例えば、局部発振器の周波数設定、ゲインコントロールなど)をする。また、チューナブルフィルタ12の中心周波数を補正するための制御をする。
【0046】
なお、中心周波数は、あらかじめ中心周波数と制御値とが関連付けられたテーブルを準備しておき、装置に設定された周波数に中心周波数がくるように制御する。チューナブルフィルタを使用する利点は、複数ある周波数チャンネルに対応ができる。
【0047】
制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプログラマブルなデバイス、又はGPU(Graphics Processing Unit)、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路、又はコンピュータなどである。
【0048】
チューナブルフィルタの制御について説明する。制御部15は、あらかじめ設定した期間ごとに、復調器14の波形等化器14-1の波形等化器特性を表す波形等化器情報を収集する。
【0049】
波形等化器情報は、例えば、
図6に示すグラフ63に示す波形等化器14-1の波形等化器特性を表す情報である。なお、受信RF回路13から入力された信号に応じて波形等化器14-1の波形等化器特性は変化する。
【0050】
温度によりチューナブルフィルタの中心周波数(通過域)が変わる。それが受信特性に影響するほど変わると等化器がそれを補正するように動く。そこで、等化器特性をモニタし等化器の補正量が少なくなるようにチューナブルフィルタの中心周波数を変更する。
【0051】
次に、制御部15は、
図6に示す波形等化器14-1の波形等化器特性における中心周波数の補正量c2と、
図6に示す波形等化器特性の低周波数側のあらかじめ設定した下端帯域の補正量c1との差(第一の差:Sub1=|c2-c1|)を算出する。また、
図6に示す中心周波数の補正量c2と、
図6に示す波形等化器特性の高周波数側のあらかじめ設定した上端帯域の補正量c3との差(第二の差:Sub2=|c3-c2|)を算出する。
【0052】
次に、制御部15は、差Sub1と差Sub2を比較し、あらかじめ設定した期間Ts以上、差Sub1が、差Sub2により閾値Vth1以上大きい状態(閾値Vth1≦|Sub1-Sub2|)が継続した場合、チューナブルフィルタ12の中心周波数を、低周波数側(下端帯域)にシフトさせるための補正情報を生成する。
【0053】
又は、制御部15は、差Sub1と差Sub2を比較し、あらかじめ設定した期間Ts以上、差Sub2が、差Sub1により閾値Vth2以上大きい状態(閾値Vth2≦|Sub2-Sub1|)が継続した場合、チューナブルフィルタ12の中心周波数を、高周波数側(上端帯域)にシフトするための補正情報を生成する。例えば、
図1で+25℃の特性が+75℃の特性になった場合、
図6の周波数特性となる。
【0054】
補正情報は、チューナブルフィルタの中心周波数を制御するための情報である。具体的には、補正情報は、例えば、ステッピングモータを制御して、支持棒44-1、44-2を、上下方向(誘電体板43の主面と垂直なz方向)に変位させる変位量を表す情報である。変位量は、誘電体板43と共振板421の距離を可変する情報である。
【0055】
なお、期間Ts以上継続の判定と、閾値Vth1、Vth2以上の判定とを行っている理由は、期間Tsは伝送路に対して補正をしないようにするため、閾値Vthは高頻度で追従しないようにするためである。なお、期間Ts、閾値Vth1、Vth2は、例えば、実験シミュレーションなどにより決定する。
【0056】
温度特性によりチューナブルフィルタの通過域の周波数特性が受信特性に影響するほど変わることを補償しようとしているためTsを設定する。また、Vthは、チューナブルフィルタの補正機構にステッピングモータを用いている場合、機械的な理由でその動作回数に上限があるので、故障防止のため高頻度で追従しないようにするため設けている。
【0057】
次に、制御部15は、生成した補正情報に基づいて、支持棒44-1、44-2を上下方向に変位させることで、誘電体板43を上下方向(z方向)に移動させる。
【0058】
このように、実施形態1においては、チューナブルフィルタ12に設けられた誘電体板43と共振板421との距離を可変することで、
図7に示すように、チューナブルフィルタの中心周波数を変更できる。
【0059】
図7は、中心周波数の変更を説明するための図である。
図7の折れ線71(破線)は温度変化によりシフトした特性を表している。
図7の折れ線72(一点鎖線)は補正した特性を表している。
図7の折れ線73(実線)は初期設定時の特性を表している。
【0060】
その結果、無線装置は、より良好な通信特性を得ることができる。さらに、チューナブルフィルタの多段化をしなくてもよいので、サイズ、コストの増大を防止できる。
【0061】
[装置動作]
無線装置の動作について説明する。
図8は、無線装置の動作を説明するための図である。以下の説明においては、適宜図を参照する。
【0062】
無線装置10は、まず、アンテナ11を介して、無線装置10以外の無線装置から電波(信号)を受信する(ステップA1)。
【0063】
次に、無線装置10のチューナブルフィルタ12は、受信した信号の帯域制限をし、帯域制限した信号を受信RF回路13に出力する(ステップA2)。
【0064】
次に、無線装置10の受信RF回路13は、チューナブルフィルタ12から出力された、帯域制限された信号の信号レベル及び周波数を、復調器14のインターフェイスの仕様に基づいて、増幅・周波数変換処理により変換し、変換した信号を、復調器14に出力する(ステップA3)。
【0065】
次に、復調器14は、受信RF回路13が出力した変換された信号を復調する(ステップA4)。
【0066】
上述したように、無線装置10は、ステップA1からA4の処理を繰り返し実行する。
【0067】
チューナブルフィルタの制御方法について説明する。
図9は、チューナブルフィルタの制御方法の一例を説明するための図である。以下の説明においては、適宜図を参照する。
【0068】
制御部15は、まず、あらかじめ設定したサンプリング周期で、復調器14の波形等化器14-1の波形等化器特性を表す波形等化器情報を収集する(ステップB1)。
【0069】
次に、制御部15は、
図6に示す波形等化器14-1の波形等化器特性における中心周波数の補正量c2と、
図6に示す波形等化器特性の低周波数側のあらかじめ設定した下端帯域の補正量c1との差(第一の差:Sub1=|c2-c1|)を算出する(ステップB2)。
【0070】
また、制御部15は、
図6に示す中心周波数の補正量c2と、
図6に示す波形等化器特性の高周波数側のあらかじめ設定した上端帯域の補正量c3との差(第二の差:Sub2=|c3-c2|)を算出する(ステップB3)。
【0071】
次に、制御部15は、(A)期間Ts以上、差Sub1が差Sub2により閾値Vth1以上大きい状態(閾値Vth1≦|Sub1-Sub2|)が継続したか、(B)期間Ts以上、差Sub2が、差Sub1により閾値Vth2以上大きい状態(閾値Vth2≦|Sub2-Sub1|)が継続したか、を判定する(ステップB4)。
【0072】
次に、制御部15は、期間Ts以上、差Sub1が差Sub2により閾値Vth1以上大きい状態(閾値Vth1≦|Sub1-Sub2|)が継続した場合(ステップB4-1)、チューナブルフィルタ12の中心周波数を、低周波数側(下端帯域)にシフトするための補正情報を生成する(ステップB5)。
【0073】
また、制御部15は、期間Ts以上、差Sub2が差Sub1により閾値Vth2以上大きい状態(閾値Vth2≦|Sub2-Sub1|)が継続した場合(ステップB4-2)、チューナブルフィルタ12の中心周波数を、高周波数側(上端帯域)にシフトするための補正情報を生成する(ステップB6)。
【0074】
また、(A)又は(B)でない場合(ステップB4-3)、ステップB1に移行する。
【0075】
次に、制御部15は、生成した補正情報を補正機構に出力する(ステップB7)。その後、補正機構は、補正情報に基づいて、支持棒44-1、44-2を上下方向に変位させることで、誘電体板43を上下方向(z方向)に移動させる。
【0076】
上述したように、制御部15は、ステップB1からB7の処理を繰り返し実行する。
【0077】
[実施形態1の効果]
このように、実施形態1においては、波形等化器特性に基づいて、チューナブルフィルタ12に設けられた誘電体板43と共振板421との距離を可変することで、チューナブルフィルタ12の中心周波数を最適化することができる。その結果、無線装置は、通過域、遷移域、減衰域が補正されより良好な通信特性を得ることができる。
【0078】
さらに、チューナブルフィルタの多段化をしなくてもよいので、サイズ、コストの増大を防止できる。
【0079】
(実施形態2)
実施形態2は、波形等化器14-1の代わりに遅延等化器14-2の遅延等化特性を用いて、チューナブルフィルタ12の中心周波数を補正する。具体的には、通過域の端部では遅延量が大きく変化することを利用して、チューナブルフィルタ12の中心周波数を補正する。
【0080】
図10は、実施形態2の無線装置の一例を説明するための図である。
図10の無線装置10aは、アンテナ11と、チューナブルフィルタ12と、受信RF回路13と、復調器14と、制御部15aとを有する。なお、
図10においては、説明を分かり易くするために、受信系の機器を示したが、無線装置は当然であるが、送信系の機器を有している。
【0081】
さらに、チューナブルフィルタ12の導波管41の外部には補正機構が設けられている。復調器14は、遅延等化器14-2などの復調に必要な回路(不図示)を有する。なお、
図10に示した実線は信号線を表している。また、
図10に示した破線は制御線を表している。
【0082】
なお、
図10の例では、無線装置10aに、アンテナ11と、チューナブルフィルタ12と、受信RF回路13と、復調器14と、制御部15aを収納しているが、それぞれを分割して設けてもよい。
【0083】
アンテナ11、チューナブルフィルタ12、受信RF回路13、復調器14については、既に実施形態1で説明したので、これらの説明は省略する。
【0084】
遅延等化器14-2は、復調器14に入力された信号の遅延劣化を小さくする回路である。具体的には、遅延等化器14-2は、受信RF回路13から信号が入力されると、遅延等化処理をし、補償された信号を出力する。
【0085】
図11は、通過特性と遅延特性との関係を表す図である。
図11のAは、通過特性を表している。また、折れ線111(実線)は初期設定時の通過特性を表している。折れ線112(破線)は温度変化によりシフトした通過特性を表している。
図11のBは、遅延特性を表している。また、折れ線113(実線)は初期設定時の遅延特性を表している。折れ線114(破線)は温度変化によりシフトした遅延特性を表している。
【0086】
制御部15aは、受信RF回路13の制御(例えば、局部発振器の周波数設定、ゲインコントロールなど)をする。また、チューナブルフィルタ12の中心周波数を補正するための制御をする。具体的には、制御部15aは、遅延特性を表す遅延等化器情報に基づいて、チューナブルフィルタ12の中心周波数を補正するための制御をする。
【0087】
チューナブルフィルタの制御について説明する。制御部15aは、あらかじめ設定した期間ごとに、復調器14の遅延等化器14-2の遅延等化器特性を表す遅延等化器情報を収集する。
【0088】
次に、制御部15aは、遅延等化器情報に基づいて、チューナブルフィルタ12の導波管の外部に設けられている補正機構を制御するための補正情報を生成する。
【0089】
図12を用いて遅延等化器14-2について説明する。
図12は、遅延等化器の説明をするための図である。
図12のグラフ121には、受信RF回路13から入力された信号の入力波形の周波数特性を示している。
図12のグラフ122には、遅延等化器14-2から出力された信号の出力波形の周波数特性を示している。
図12のグラフ123には、遅延等化器14-2の遅延等化器特性を示している。例えば、遅延等化器14-2に、グラフ121に対応する信号が入力されると、入力された信号は平滑化され、グラフ122に対応する信号が出力される。
【0090】
次に、制御部15aは、生成した補正情報に基づいて、支持棒44-1、44-2を上下方向に変位させることで、誘電体板43を上下方向(z方向)に移動させる。
【0091】
このように、実施形態2においては、チューナブルフィルタ12に設けられた誘電体板43と共振板421との距離を可変することで、チューナブルフィルタの中心周波数を変更できる。
【0092】
[実施形態2の効果]
このように、実施形態2においては、遅延器特性に基づいて、チューナブルフィルタ12に設けられた誘電体板43と共振板421との距離を可変することで、チューナブルフィルタ12の中心周波数を補正することができる。その結果、無線装置は、より良好な通信特性を得ることができる。
【0093】
さらに、チューナブルフィルタの多段化をしなくてもよいので、サイズ、コストの増大を防止できる。
【0094】
(実施形態3)
実施形態1、2では、無線装置の受信系について説明したが、実施形態3では、受信系だけでなく、無線装置の送信系について説明する。
【0095】
図13は、無線装置の送信系にチューナブルフィルタを配置した図である。
図13の無線装置10b-1(第一の無線装置)、無線装置10b-2(第二の無線装置)は、実施形態1、2と異なり、送信系にチューナブルフィルタ12が設けられている。なお、
図13においては、説明を分かり易くするために、送信系のみ記載しているが、無線装置は当然であるが、受信系の機能も有している。
【0096】
図13に示した無線システムは無線装置10b-1、10b-2を有する。無線装置10b-1、10b-2は、アンテナ11と、チューナブルフィルタ12と、送信RF回路13bと、変復調器14bと、制御部15bとを有する。
【0097】
変復調器14b(変調器と復調器とを有する)は、波形等化器14-1、遅延等化器14-2などの復調に必要な回路(不図示)を有する。なお、
図13に示した実線は信号線を表している。また、
図13に示した破線は制御線を表している。
【0098】
なお、
図13の例では、無線装置10b-1、10b-2それぞれに、アンテナ11と、チューナブルフィルタ12と、送信RF回路13bと、変復調器14bと、制御部15bを収納しているが、それぞれを分割して設けてもよい。
【0099】
チューナブルフィルタの制御について説明する。
無線装置10b-1のチューナブルフィルタ12の中心周波数を補正する場合、無線装置10b-1は、まず、無線装置10b-1に対向する無線装置10c-1から、波形等化器情報又は遅延等価器情報を取得する。波形等化器情報又は遅延等価器情報は、例えば、無線又は有線などの通信により取得する。
【0100】
次に、無線装置10b-1の制御部15bは、取得した波形等化器情報又は遅延等価器情報に基づいて補正情報を生成する。次に、無線装置10b-1は、生成した補正情報を補正機構に出力する。
【0101】
次に、補正機構は、補正情報に基づいて、支持棒44-1、44-2を上下方向に変位させることで、誘電体板43を上下方向(z方向)に移動させる。
【0102】
[実施形態3の効果]
このように、実施形態3においては、送信系に設けられたチューナブルフィルタ12に設けられた誘電体板43と共振板421との距離を可変することで、チューナブルフィルタの中心周波数を変更できる。
【0103】
(実施形態4)
実施形態1、2では無線装置の受信系について説明した。また、実施形態3では無線装置の送信系について説明した。実施形態4では、無線装置の受信系と送信系について説明する。
【0104】
図14は、無線装置の受信系と送信系にチューナブルフィルタを配置した図である。
図14に示した無線システムは無線装置10c-1(第一の無線装置)、無線装置10c-2(第二の無線装置)を有する。無線装置10c-1、10c-2は、実施形態1、2、3と異なり、受信系と送信系にチューナブルフィルタ12が設けられている。
【0105】
チューナブルフィルタの制御について説明する。
図14の無線装置10c-1の受信系と無線装置10c-2の送信系に、それぞれチューナブルフィルタ12が配置されている場合、チューナブルフィルタ12それぞれの中心周波数の温度シフトは、無線装置10c-1(受信側)と無線装置10c-2(送信側)にも影響する。
【0106】
そこで、実施形態4では、無線装置10c-1(受信側)の波形等化器情報又は遅延等化器情報に基づいて、チューナブルフィルタ12それぞれの中心周波数の補正量を、送受信のチューナブルフィルタ12に振り分けて制御する。
【0107】
例えば、受信系のチューナブルフィルタ12(第一のチューナブルフィルタ)と送信系のチューナブルフィルタ12(第二のチューナブルフィルタ)それぞれの中心周波数、通過域、遷移域、減衰域を、補正量の1/2ずつ振り分けて補正する。
【0108】
すなわち、無線装置10c-1の制御部15cは、取得した波形等化器情報又は遅延等価器情報に基づいて、受信系の補正機構(第一の補正機構)を制御するための第一の補正情報と、送信系の補正機構(第二の補正機構)を制御するための第二の補正情報とを生成する。
【0109】
次に、無線装置10c-1は、生成した第一の補正情報を用いて受信系の補正機構(第一の補正機構)を制御し、無線装置10c-2は、生成した第二の補正情報を用いて送信系の補正機構(第二の補正機構)を制御する。第二の補正情報は、無線装置10c-1から無線装置10c-2に送信される。
【0110】
さらに、対向局である無線装置10c-1、10c-2のそれぞれの周辺温度が違う場合、無線装置10c-1、10c-2それぞれの周辺温度をモニタしておき、基準温度からの差分の比を算出する。算出した比に基づいて、補正量を振り分けて、受信系と送信系のチューナブルフィルタ12それぞれの中心周波数、通過域、遷移域、減衰域の補正をする。
【0111】
例えば、基準温度=+25℃、判定対象復調器のある無線装置の温度が+45[℃](Δr=+20[℃])である場合、対向する無線装置の温度が+55[℃](Δt=+30[℃])で、周波数補正量=10[MHz]だった場合、Δr:Δt=2:3なので復調器のある無線装置の受信系のチューナブルフィルタの補正量を4[MHz]とし、対向する無線装置の送信系のチューナブルフィルタの補正量は6[MHz]と制御する。
【0112】
[実施形態4の効果]
このように、実施形態4においては、中心周波数の補正量を受信系と送信系に振り分けて、受信系と送信系に設けられたチューナブルフィルタそれぞれの制御をすることができる。
【0113】
以上、実施形態を参照して発明を説明したが、発明は上述した実施形態に限定されるものではない。発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
上述した記載によれば、温度変化による影響を抑制して良好な通信特性をえることができる。また、無線通信の分野において有用である。
【符号の説明】
【0115】
10、10a、10b-1、10b-2、10c-1、10c-2 無線装置
11 アンテナ
12 チューナブルフィルタ
13 受信RF回路
13b 送信RF回路
14 復調器
14b 変復調器
14-1 波形等化器
14-2 遅延等化器
15、15a、15b、15c 制御部
41 導波管
42 金属板
421-1、421-2、421-3 共振板
422-1、422-2 入出力ポート
43 誘電体板
44、44-1、44-2 支持棒