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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131213
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 3/04 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A47C3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041333
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】河合 春樹
(72)【発明者】
【氏名】井澤 晶一
【テーマコード(参考)】
3B091
【Fターム(参考)】
3B091BA04
(57)【要約】
【課題】充分な強度を維持して連結強度を確保することのできるとともに、荷重受面構成部材のダメージを低減することのできる椅子を提供可能とする。
【解決手段】座と、座を支持する支持フレームと、を備えてネスティング可能な椅子であって、支持フレームは、座の左右位置で前後方向に配置された座支持側部フレームと、座支持側部フレームの前端位置から後方の接地部まで傾斜して下降する後脚支持フレームと、座支持側部フレームと後脚支持フレームとを湾曲して接続する連結フレームと、連結フレームを補強する補強部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座と、
前記座を支持する支持フレームと、
を備える椅子であって、
前記支持フレームは、
前記座の左右位置でそれぞれ前後方向に配置された座支持側部フレームと、
前記座支持側部フレームの前端付近から接地部まで下降する脚支持フレームと、
側面視して湾曲して形成され上端が前記座支持側部フレームに接続され、下端が前記脚支持フレームに連結されて、前記座支持側部フレームと前記脚支持フレームとを連続する移行部分と、
前記移行部分の両端が互いに近接しないように補強する補強部と、
を有する、
ことを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記補強部は、前記移行部分と前記脚支持フレームとに接続される、
ことを特徴とする請求項1記載の椅子。
【請求項3】
前記脚支持フレームは、
前記移行部分の前記下端付近から後方の接地部まで傾斜して下降する後脚支持フレームと、
前記移行部分の前記上端付近から前方の接地部まで傾斜して下降する前脚支持フレームと、
を有し、
前記補強部は、前記前脚支持フレームに沿って配置される、
ことを特徴とする請求項2記載の椅子。
【請求項4】
前記補強部は、前記移行部分の上端付近に接続される上接続部と、前記移行部分の下端付近に接続される下接続部と、前記脚支持フレームに接続される長辺接続部と、を有する、
ことを特徴とする請求項3記載の椅子。
【請求項5】
前記前脚支持フレームの上端は、後方に向けて延在する肘掛け部に接続される、
ことを特徴とする請求項3記載の椅子。
【請求項6】
前記座支持側部フレームは、前方から後方に向けて上昇するように傾斜している、
ことを特徴とする請求項1記載の椅子。
【請求項7】
前記座支持側部フレームは、後端が立ち上がり背もたれ部を形成する背もたれフレームに接続される、
ことを特徴とする請求項1記載の椅子。
【請求項8】
前記座支持側部フレームと前記移行部分とは、前記座の両側部に沿った直線状の接続部によって互いに接続される、
ことを特徴とする請求項1記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は椅子に関し、特にネスティング可能な椅子に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、重ね合わせ(ネスティング)可能な椅子として、前方又は後方に開口する平面視コ字状のベースフレームと、その左右の前端又は後端より、弧状をなすコーナーフレームを介して起立する左右1対の支持フレームとからなり、かつ全体が管材により形成された脚フレームを有する構成が記載される。
【0003】
特許文献1に記載された構造では、接地するベースフレーム6他に対して、支持フレーム8、背凭れ3、座4等が、コーナーフレーム7を介して片持ち状に支持されている。片持ち状に支持するコーナーフレーム7には、補強部として内部に挿通された補強管16が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-314420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、コーナーフレーム7、補強管16は、補強部分としては、それ自体の配置、および曲げ作業が非常に困難である。そして、支持フレーム8まで補強管16を配置することが困難である。つまり、椅子全体の剛性の増強を、コーナーフレーム7における小さい範囲の曲げ剛性増強に依拠する構成である。この片持ち部分には非常に大きな負荷が加わるので、より改善の余地が残されている。
さらに、椅子を収納する際などの重ね合わせ(ネスティング)のために、座面等が互いに接触すると、座面の被覆部が傷む可能性があり、改善の余地が残されている。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、充分な強度を維持してフレーム部材の連結強度を確保することができるとともに、ネスティング可能な椅子において、荷重受面構成部材のダメージを低減することのできる椅子を提供可能とするという目的を達成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明の一態様における椅子は、
座と、
前記座を支持する支持フレームと、
を備える椅子であって、
前記支持フレームは、
前記座の左右位置でそれぞれ前後方向に配置された座支持側部フレームと、
前記座支持側部フレームの前端付近から接地部まで下降する脚支持フレームと、
側面視して湾曲して形成され上端が前記座支持側部フレームに接続され、下端が前記脚支持フレームに連結されて、前記座支持側部フレームと前記脚支持フレームとを連続する移行部分と、
前記移行部分の両端が互いに近接しないように補強する補強部と、
を有する、
ことにより上記課題を解決した。
【0008】
上記の構成によれば、着座者から印加される荷重が片持ち状態となっている座にかかった場合でも、座支持側部フレームと脚支持フレームとが連続する移行部分が、補強部によってその両端が互いに近接しないように補強されているため、補強部が所謂つっかえ棒となって、座を支持するモーメントの大きさに抗して強固に支持することができる。また、湾曲した移行部分の両端が補強部に接続されて補強されている。これにより、座にかかる荷重、モーメントを接地部に伝達して椅子の安定を向上することができる。また、支持フレームにおいて、一対の座支持側部フレームと脚支持フレームと移行部分と補強部とが、座の両側にそれぞれ配置されていることにより、これら一対の脚支持フレームと移行部分と補強部との間に近接するように他の椅子を収納することで、複数の椅子をコンパクトにネスティング可能とすることができる。ネスティングは、水平スタッキング(積み重ね)とも呼ばれ、上面視して全体の面積が減少するように複数の椅子を近接して整列状態にすることである。このとき例えば、前後方向に複数並べることが想定される。
【0009】
(2) 本発明の一態様における椅子は、上記(1)において、
前記補強部は、前記移行部分と前記脚支持フレームとに接続される、
ことができる。
【0010】
上記の構成によれば、湾曲した移行部分と脚支持フレームとの間の空間に余裕を持たせた配置とすることができる。これにより、補強部を接続する移行部分と脚支持フレームとの位置を適宜設定することにより、座にかかる着座者からの荷重に応じたモーメントの大きさに対応して、補強部の接続される移行部分の両端付近の位置を設定することが可能となる。
【0011】
(3) 本発明の一態様における椅子は、上記(2)において、
前記脚支持フレームは、
前記移行部分の前記下端付近から後方の接地部まで傾斜して下降する後脚支持フレームと、
前記移行部分の前記上端付近から前方の接地部まで傾斜して下降する前脚支持フレームと、
を有し、
前記補強部は、前記前脚支持フレームに沿って配置される、
ことができる。
【0012】
上記の構成によれば、座支持側部フレームと後脚支持フレームとの接続部分が、移行部分と補強部とによって接続される。さらに、補強部が前脚支持フレームに沿って配置されていることにより、補強部がその全長で前脚支持フレームに接続されることができる。これにより、座支持側部フレームと前記後脚支持フレームとの接続、および、座支持側部フレームと前記後脚支持フレームとの支持を、補強部に加えて前脚支持フレームによっておこなうことができる。前脚支持フレームが座の両側に位置するこれら後脚支持フレームと移行部分と補強部とに対応して設けられることで、ネスティングの際に、前脚支持フレームが隣接する椅子に対して邪魔になることがない。
また、ネスティング時に近接する前脚支持フレームと後脚支持フレームとが、互いに交差する付近に前後方向の位置規制をおこなう位置規制当接部を設けて、ネスティング時に隣接する椅子の座どうしにおける互いの前後方向および上下方向の離間距離を設定することが可能となる。これにより、ネスティング時に隣接する座が互いに接触することがなくなり、座の表面等が互いに擦れることを防止できる。
【0013】
(4) 本発明の一態様における椅子は、上記(3)において、
前記補強部は、前記移行部分の上端付近に接続される上接続部と、前記移行部分の下端付近に接続される下接続部と、前記脚支持フレームに接続される長辺接続部と、を有する、
ことができる。
【0014】
上記の構成によれば、上接続部によって補強部が移行部分の上端付近に接続され、また、下接続部によって補強部が移行部分の下端付近に接続され、長辺接続部によって補強部が脚支持フレームに接続されることで、上接続部と下接続部におけるフレームどうしの接続を確実におこない、支持構造体としての支持フレームを強固に構成することが可能となる。さらに、長辺接続部により補強部が脚支持フレームに接続されることで、補強部と脚支持フレームとの接続を確実におこない、支持構造体としての支持フレームを強固に構成することが可能となる。これにより、移行部分と脚支持フレームとの接続角度、つまり、座支持側部フレームと脚支持フレームとの接続角度が変化せず、必要な剛性を維持することが可能となる。
【0015】
(5) 本発明の一態様における椅子は、上記(3)において、
前記前脚支持フレームの上端は、後方に向けて延在する肘掛け部に接続される、
ことができる。
【0016】
上記の構成によれば、前脚支持フレームの上端が座よりも高い位置で後方に向けて延在する肘掛け部に接続されることで、前脚支持フレームと肘掛け部とを一体とすることができる。これにより、肘掛け部が座の両側に位置する前脚支持フレームに対応して設けられることで、ネスティングの際に、肘掛け部が隣接する椅子に対する邪魔になることがない。
さらに、ネスティング時に近接する肘掛け部どうしの対応する位置に、位置規制当接部を設けて、ネスティング時に隣接する椅子の座どうしにおける互いの離間距離を設定することが可能となる。これにより、ネスティング時に隣接する座が互いに接触することがなくなり、座の表面が互いに擦れてしまうことを防止できる。
【0017】
(6) 本発明の一態様における椅子は、上記(1)において、
前記座支持側部フレームは、前方から後方に向けて上昇するように傾斜している、
ことができる。
【0018】
上記の構成によれば、座支持側部フレームに架け渡したニット等からなる伸縮性を有する荷重受面構成部材が着座者の荷重に応じて伸びることで、着座者の大腿に対応する部分が略水平となるように着座状態を規定することが可能となる。これにより、着座者からの荷重が印加していない状態で、後方に向けて上昇するように傾斜した座を有する椅子を構成することが可能となる。
さらに、座支持側部フレームの最上端に背もたれ部を接続することが容易に可能となる。
【0019】
(7) 本発明の一態様における椅子は、上記(1)において、
前記座支持側部フレームは、後端が立ち上がり背もたれ部を形成する背もたれフレームに接続される、
ことができる。
【0020】
上記の構成によれば、座の両側部を形成する座サイドフレームに沿った座支持側部フレームと、背もたれフレームと、を一体として形成することができる。これにより、座面を形成するニット等からなる枚葉の荷重受面構成部材を、一体とされた座サイドフレームおよび座支持側部フレームと、背もたれフレームと、に架け回して、座と背もたれ部とを一体として形成することができる。
また、枚葉の荷重受面構成部材をニット等から形成して伸縮性を有する構成とすることができる。これにより、座サイドフレームと背もたれフレームとに架け渡したニット等の荷重受面構成部材が着座者の荷重に応じて伸びて、着座者の大腿に対応する部分が略水平となるように着座状態を規定することが可能となる。
【0021】
(8) 本発明の一態様における椅子は、上記(1)において、
前記座支持側部フレームと前記移行部分とは、前記座の両側部に沿った直線状の接続部によって互いに接続される、
ことができる。
【0022】
上記の構成によれば、座支持側部フレームと移行部分とを接続する際に、前後方向に延在する接続部に沿って直線状に相対移動させるだけで、座支持側部フレームと移行部分とを接続することが容易に可能となる。これにより、椅子の組み立てにおける作業性を向上し、座支持側部フレームと移行部分との接続作業の効率を向上することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、充分な強度を維持して連結強度を確保することのできるとともに、荷重受面構成部材のダメージを低減することができ、加えてネスティング可能である椅子を提供可能とすることができるという効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る椅子の実施形態を示す側面図である。
図2】本発明に係る椅子の実施形態における正面上方から斜めに見た状態を示す斜視図である。
図3】本発明に係る椅子の実施形態において荷重受面構成部材をフレームから外した状態を示す平面図である。
図4】本発明に係る椅子の実施形態におけるフレームを前方上側から斜めに見た状態を示す斜視図である。
図5】本発明に係る椅子の実施形態におけるフレームを後方下側から斜めに見た状態を示す斜視図である。
図6】本発明に係る椅子の実施形態におけるフレームを示す上面図である。
図7】本発明に係る椅子の実施形態における接続部材を示す模式断面図である。
図8】本発明に係る椅子の実施形態においてネスティングした状態を示す側面図である。
図9】本発明に係る椅子の実施形態の脚支持フレームにおいてネスティングした状態を示す側面図である。
図10】本発明に係る椅子の実施形態における変形例を示す側面図である。
図11】本発明に係る椅子の実施形態における変形例を示す側面図である。
図12】本発明に係る椅子の実施形態における変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る椅子の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における椅子を示す側面図である。図2は、本実施形態における椅子を示す斜視図である。図において、符号10は、椅子である。
以下、椅子10に、着座者が着座した際に、顔が向かう方向を前方向、背中が向かう方向を後方向と称する。また、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。3次元空間で互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向は、各軸に平行な方向である。
【0026】
本実施形態に係る椅子10は、図1図2に示すように、座11と、背もたれ部12と、これらを支持する支持フレーム20と、を有する。
【0027】
座11と背もたれ部12とは、一体として構成される。座11と背もたれ部12とは、連続している。
座11は、前端11aから後方向に向かって上昇するように傾斜している。座11は、前後方向の全長において、上昇する傾斜角度がほぼ一定である。前端11aは、座11の傾斜角度に比べて大きい角度で、下方に向かう部分を有する。
座11は、前後方向の全長において、前端11aの左右方向寸法とほぼ等しい左右方向寸法を有する。なお、座11の隅部は角丸めされた輪郭形状を有する。座11の後端11bは、背もたれ部12の下端12aと一致している。座11は、上面視して、左右方向の両端がいずれも前後方向に延在する。座11は、上面視して、左右方向の両端が互いに平行である。
【0028】
座11の後端11bと、背もたれ部12の下端12aとは、等しい左右方向寸法を有する。座11の後端11bと、背もたれ部12の下端12aとは、側面視において湾曲している。背もたれ部12の下端12aとは、滑らかに連続している。
【0029】
背もたれ部12は、座11の後端11bの位置から上方に起立している。背もたれ部12は、座11の後端11bの位置から鉛直よりも後方に傾斜している。背もたれ部12の上端12bは、座11の後端11bよりもさらに後方に位置する。背もたれ部12は、後方に傾斜する角度が一定である。上端12bは、背もたれ部12の傾斜角度に比べて大きい角度で、後方に向かう部分を有する。
【0030】
背もたれ部12は、前後方向あるいは上下方向の全長において、下端12aの左右方向寸法とほぼ等しい左右方向寸法を有する。なお、背もたれ部12の上端12bは角丸めされた輪郭形状を有する。
背もたれ部12は、前面視あるいは上面視して、左右方向の両端がいずれも上下方向あるいは前後方向に延在する。背もたれ部12は、前面視あるいは上面視して、左右方向の両端が互いに平行である。
【0031】
座11と背もたれ部12とは、連続した荷重受面構成部材13と、環状の背座フレーム14とによって形成されている。
図3は、本実施形態における荷重受面構成部材をフレームから外した状態を示す平面図である。
荷重受面構成部材13は、座11の座面を構成する。荷重受面構成部材13は、背もたれ部12の背もたれ面を構成する。
なお、座11および背もたれ部12の少なくとも一方が、合成樹脂等の板状部材から構成される場合もある。この場合、板状部材が荷重受面構成部材として機能し、環状のフレームは不要である。さらに、座11と背もたれ部12とが別体とされた構成も可能である。
【0032】
荷重受面構成部材13は、図3に示すように、枚葉のシート材から構成される。荷重受面構成部材13は、弾性を有する。荷重受面構成部材13は、伸縮性を有する。荷重受面構成部材13は、例えば、ニットのように編み上げられた編み物から形成される。荷重受面構成部材13は、背座フレーム14に取り付ける取付部13aを有する。取付部13aは、背座フレーム14を内部に収納するように袋状に形成される。取付部13aは、荷重受面構成部材13の輪郭外周に沿って形成される。取付部13aは、荷重受面構成部材13の全周に形成される。取付部13aは、左右方向にそれぞれ開口部13kを有する。開口部13kに関しては、後述する。
【0033】
荷重受面構成部材13の伸縮性は、互いに異なる領域を有する。
例えば、荷重受面構成部材13は、座11の領域と、背もたれ部12の領域とでは伸縮性が異なることができる。例えば、着座者の体重を支持する座11では、伸縮性を小さくし、また、座11に対して、荷重の小さい背もたれ部12では、伸縮性を大きくすることが可能である。
【0034】
さらに、荷重受面構成部材13は、座11の前端11aに近接する部分と、背もたれ部12とでは伸縮性が異なることができる。
例えば、荷重受面構成部材13は、座11の前端11aに近接する領域の伸縮性は、後端11b付近の領域の伸縮性に比べて小さい。荷重受面構成部材13は、背もたれ部12の下端12aに近接する領域の伸縮性は、上端12b付近の領域の伸縮性に比べて大きい。
【0035】
具体的には、荷重受面構成部材13は、椅子10に着座者が着座した状態で、図1に破線で示すように、着座者の大腿部が略水平となるように各部分の伸縮性が設定される。つまり、荷重受面構成部材13は、着座者の腰が当接する部分である後端11bおよび下端12a付近では、伸縮性が大きい。椅子10に着座者が着座した状態で、荷重受面構成部材13Aは、座11の部分が下方に引き延ばされる。
【0036】
さらに、荷重受面構成部材13は、椅子10に着座者が着座した状態で、着座者の大腿部が略水平な状態よりも着座者の腰が下方に沈み込む変形状態が可能なように伸縮性を設定してもよい。この場合、着座者の臀部が荷重受面構成部材13によって包み込まれてずれにくくなり、安定した着座感を呈することが可能となる。
【0037】
また、荷重受面構成部材13は、前端11aおよび上端12b付近では伸縮性が小さい。椅子10に着座者が着座した状態で、荷重受面構成部材13Aは、背もたれ部12の部分が後方に引き延ばされる。
さらに、荷重受面構成部材13は、背もたれ部12とでは伸縮性が異なることができる。荷重受面構成部材13の伸縮性は、ニットの編み方によって設定することができる。なお、荷重受面構成部材13の伸縮性は、前後方向あるいは上下方向における椅子10の中心線に対して、左右対称にすることができる。
【0038】
荷重受面構成部材13の伸縮性は、上記の関係に限定されない。荷重受面構成部材13の伸縮性は、着座状態、座11の傾斜角度、背もたれ部12の傾斜角度、座11と背もたれ部12との各種寸法等によって、大小関係および、この関係を設定する領域の形状および配置を適宜設定することができる。
【0039】
また、荷重受面構成部材13は、着座者が着座していない状態では、背座フレーム14よりも後端11bおよび下端12a付近が前方あるいは上方に突出する突出部(膨らみ部)13fを形成する。これは、荷重受面構成部材13が、前後方向あるいは上下方向において椅子10の中心線に沿って、前端11aと上端12bとの間で引張されるように背座フレーム14に張り渡されているからである。なお、荷重受面構成部材13は、前後方向に比べて、左右方向には伸縮性を呈さないようにすることが好ましい。突出部13fは、中心線に対して左右対称に形成される。
【0040】
環状の背座フレーム14は、環状である。背座フレーム14は、座11と背もたれ部12との輪郭に沿って延在する。背座フレーム14が形成する輪郭は、座11と背もたれ部12との輪郭を形成する。背座フレーム14は、左右方向視して、右側と左側とが重なるように形成される。左右方向視して、右側と左側とが重なった背座フレーム14よりも、突出部13fが前方あるいは上方に突出する。
【0041】
突出部13fは、座11の後端11bにおいて左右方向の寸法が最も大きい。突出部13fは、座11の後端11bから前方に向かって左右方向の寸法が減少する。突出部13fは、座11の前端11aとは接していない。突出部13fは、座11の前端11aとは離間している。突出部13fは、座11の左右方向において、後述する座サイドフレーム14cとは接していない。
【0042】
突出部13fは、背もたれ部12の下端12aにおいて左右方向の寸法が最も大きい。突出部13fは、背もたれ部12の下端12aから上方に向かって左右方向の寸法が減少する。突出部13fは、背もたれ部12の上端12bとは接していない。突出部13fは、背もたれ部12の上端12bとは離間している。突出部13fは、背もたれ部12の左右方向において、後述する背もたれフレーム14bとは接していない。
【0043】
荷重受面構成部材13は、前端11aと上端12bとの間で引張されて張り渡されている。荷重受面構成部材13は、左右方向に引張されて張り渡されている。このため、荷重受面構成部材13に突出部13fが形成される。荷重受面構成部材13における左右方向の引張力は、座11においては、前後方向、背もたれ部12においては、上下方向で異なる。この荷重受面構成部材13における左右方向の引張力の設定は、上述した編み方等によっても影響を受けることになる。
【0044】
図4は、本実施形態におけるフレームを前方上側から斜めに見た状態を示す斜視図である。図4は、荷重受面構成部材を外した状態のフレームを示す斜視図である。
背座フレーム14は、座前フレーム14aと、座サイドフレーム14cと、背もたれフレーム14bと、を有する。
【0045】
座前フレーム14aは、座11の前端11aに対応する。座前フレーム14aは、座11の前端11aから若干両サイドで後方に向かう部分に対応する。座前フレーム14aは、左右両端が後方に曲がった略U字状に形成される。また、座前フレーム14aは、他の座サイドフレーム14cおよび背もたれフレーム14bに比べて、大きな径寸法とすることができる。座前フレーム14aの大きな径寸法は、着座者が着座した際に接触の多い座11の前端11aの強度を維持するためである。また、座前フレーム14aの大きな径寸法は、着座者が着座した際に接触の多い座11の前端11aにおける接触感覚を向上するためである。
【0046】
座前フレーム14aの径寸法は、左右方向位置によって変更する。前端11aに対応する座前フレーム14aの径寸法は大きく、両サイドで後方に向かう部分に対応する座前フレーム14aの径寸法は小さくすることができる。前端11aに対応する座前フレーム14aの断面形状は扁平である。前端11aに対応する座前フレーム14aの断面形状は上下方向に押しつぶされた輪郭を有する。両サイドで後方に向かう部分に対応する座前フレーム14aの径寸法は、座サイドフレーム14cおよび背もたれフレーム14bとほぼ等しい。
【0047】
なお、座前フレーム14aの径寸法は、左右方向位置においてほぼ均一であることもできる。
両サイドで後方に向かう部分に対応する座前フレーム14aの径方向断面形状は、略円形とすることができる。両サイドで後方に向かう部分に対応する座前フレーム14aの径方向断面形状は、座サイドフレーム14cおよび背もたれフレーム14bの径方向断面形状とほぼ等しい。
座前フレーム14aは、両サイドで後方に向かう部分の後端が座サイドフレーム14cの前端に接続される。
【0048】
背もたれフレーム14bは、ほぼ背もたれ部12の輪郭を形成する。背もたれフレーム14bは、背もたれ部12の上端12bに沿って湾曲する部分と、その両端で下方に傾斜する部分とを有する。背もたれフレーム14bは、略U字状に形成される。背もたれフレーム14bは、その全長においてほぼ均一である。背もたれフレーム14bは、背もたれ部12の輪郭のうち、下端12aに近接する部分が欠けている。
背もたれフレーム14bは、略U字状の両端が、それぞれ座サイドフレーム14cの後端に接続されている。
【0049】
座サイドフレーム14cは、座前フレーム14aと背もたれフレーム14bとの端部を連結している。座サイドフレーム14cは、座11の左右方向両端に沿って延在する。左右方向両側に位置する座サイドフレーム14cは、互いに平行である。あるいは、左右方向において座サイドフレーム14cどうしの距離は、前後方向の全長でほぼ等しい。座サイドフレーム14cは、座11における後方に向かって上昇する傾斜に沿って延在する。座サイドフレーム14cは、座前フレーム14aに接続する前端から、背もたれフレーム14bに接続する後端に向かって上昇するように傾斜している。さらに、座サイドフレーム14cは、後端11bから背もたれ部12の後方への傾斜に沿って延在するように、屈曲部が形成されている。
【0050】
座サイドフレーム14cは、背もたれフレーム14bと一体として形成することもできる。背座フレーム14は、荷重受面構成部材13の取付部13aに挿入して、その内部で互いに連結する。この際、座前フレーム14aと座サイドフレーム14cとの接続、および、座サイドフレーム14cと背もたれフレーム14bとの接続は、いずれも取付部13aの内部でおこなう。つまり、背座フレーム14の組み立ては、取付部13aの内部に収納した状態でおこなうことができる。
【0051】
座サイドフレーム14cは、支持フレーム20と接続される。
【0052】
図5は、本実施形態におけるフレームの後方下側から斜めに見た状態を示す斜視図である。図6は、本実施形態におけるフレームを示す上面図である。
支持フレーム20は、座支持側部フレーム21と、後脚支持フレーム22と、前脚支持フレーム23と、連結フレーム(移行部分)24と、肘掛けフレーム25と、補強部26と、左右連結フレーム27aと、左右連結フレーム27bと、を有する。
【0053】
座支持側部フレーム21は、座11の左右位置で前後方向に配置される。座支持側部フレーム21は、座11に沿って、後方に向かって上昇するように傾斜している。座支持側部フレーム21は、座サイドフレーム14cと平行である。座支持側部フレーム21は、座サイドフレーム14cに沿って延在する。座支持側部フレーム21は、椅子10の中心に対して、座サイドフレーム14cの外側に接続される。座支持側部フレーム21は、その全長が座サイドフレーム14cに接続される。
【0054】
座支持側部フレーム21の後端は、前後方向で座11の後端11bから離間している。座支持側部フレーム21の後端は、後端11bよりも前方に位置している。座支持側部フレーム21は、前後方向で座サイドフレーム14cよりも短い。座支持側部フレーム21は、後述するように接続部を構成する。座支持側部フレーム21は、略円形の断面形状を有する。座支持側部フレーム21の断面形状は、その全長でほぼ同一である。
座支持側部フレーム21の前端は、連結フレーム24に接続される。
【0055】
後脚支持フレーム22は、座支持側部フレーム21の前端付近から後方の接地部22dまで傾斜して下降する。後脚支持フレーム22は、その前端から後端に向かって傾斜して下降する。後脚支持フレーム22の傾斜角度は、ほぼ一定である。後脚支持フレーム22は、脚支持フレームを構成する。後脚支持フレーム22は、略円形の断面形状を有する。後脚支持フレーム22の断面形状は、その全長でほぼ同一である。後脚支持フレーム22の径寸法は、座支持側部フレーム21の径寸法とほぼ等しい。
【0056】
後脚支持フレーム22は、下端が接地部22dとされる。後脚支持フレーム22は、接地部22d付近で上下方向に延在する部分を有する。
接地部22dは、走行方向が可変な転動部とされる。接地部22dは、車輪である。接地部22dは、前後方向で後端11bよりも後方に位置する。
後脚支持フレーム22は、前端が連結フレーム24に接続される。
【0057】
前脚支持フレーム23は、座支持側部フレーム21から前方の接地部23dまで傾斜して下降する。前脚支持フレーム23は、その上端から下端に向かって前方に向かうように傾斜している。前脚支持フレーム23の傾斜角度は、ほぼ一定である。前脚支持フレーム23の傾斜角度は、後脚支持フレーム22の傾斜角度よりも小さい。前脚支持フレーム23の傾斜する向きは、後脚支持フレーム22の傾斜する向きに比べて鉛直方向に近い。
【0058】
前脚支持フレーム23は、脚支持フレームを構成する。前脚支持フレーム23は、略円形の断面形状を有する。前脚支持フレーム23の断面形状は、その全長でほぼ同一である。前脚支持フレーム23の径寸法は、座支持側部フレーム21の径寸法とほぼ等しい。前脚支持フレーム23の径寸法は、後脚支持フレーム22の径寸法とほぼ等しい。
前脚支持フレーム23は、下端が接地部23dとされる。前脚支持フレーム23は、接地部23d付近で上下方向に延在する部分を有する。
【0059】
接地部23dは、走行方向が可変な転動部とされる。接地部23dは、車輪である。接地部23dは、前後方向の位置が前端11aとほぼ一致する。
前脚支持フレーム23は、座11よりも上方まで延在する。前脚支持フレーム23は、座11の下方と上方とで、傾斜角度がほぼ等しい。
前脚支持フレーム23の上端は、肘掛けフレーム25に接続される。前脚支持フレーム23と肘掛けフレーム25とは一体に形成されてもよい。
【0060】
肘掛けフレーム25は、後方に向けて延在する。肘掛けフレーム25は、上下方向において、その前端から後端に向かって水平から上昇するように若干傾斜している。肘掛けフレーム25は、左右方向において、その前端から後端に向かって、椅子10の中心から離間するように若干傾斜している。肘掛けフレーム25は、その前端どうしの左右方向における離間距離に比べて、後端どうしの左右方向における離間距離が大きくなるように左右方向に若干傾斜している。
肘掛けフレーム25は、座支持側部フレーム21および連結フレーム24よりも上方に位置する。肘掛けフレーム25は、後端11bおよび下端12aよりも上方に位置する。
【0061】
肘掛けフレーム25は、上方を肘掛け部材25bによって覆われる。肘掛けフレーム25と肘掛け部材25bとは、肘掛け部を構成する。
肘掛けフレーム25は、略円形の断面形状を有する。肘掛けフレーム25の断面形状は、その全長でほぼ同一である。肘掛けフレーム25の径寸法は、座支持側部フレーム21の径寸法とほぼ等しい。肘掛けフレーム25の径寸法は、後脚支持フレーム22の径寸法とほぼ等しい。肘掛けフレーム25の径寸法は、前脚支持フレーム23の径寸法とほぼ等しい。肘掛けフレーム25は、前脚支持フレーム23と一本の管材を屈曲して形成されてもよい。
【0062】
肘掛け部材25bは、肘掛けフレーム25の後端に差し込むことで固定可能である。肘掛け部材25bは、肘掛けフレーム25の後端に差し込んだ際に、肘掛け部材25bと肘掛けフレーム25とを固定可能な固定部を有することができる。肘掛け部材25bの固定部は、肘掛け部材25bと肘掛けフレーム25とを固定した際に、管状の肘掛けフレーム25における内部に位置する。
【0063】
連結フレーム24は、座支持側部フレーム21に嵌合接続される。連結フレーム24は、後脚支持フレーム22に接続される。連結フレーム24は、上下方向に湾曲している。連結フレーム24は、側面視して略C字状あるいは略U字状に形成される。連結フレーム24は、湾曲した上端と下端とがいずれも後方を向いている。連結フレーム24は、湾曲している前方が前後方向において座11の前端11aよりも後方に位置する。連結フレーム24における、側面視において略C字状あるいは略U字状に形成される部位が、本願発明の座から脚支持フレームへの移行部分を構成している。
【0064】
ここで、連結フレーム(移行部分)24は、説明のために示す名称であり、移行部分としては、後脚支持フレーム22の上端部分を湾曲させて、図における符号24と符号22とが示す一本の管材から構成されることが好ましい。
連結フレーム24を設けずに、後脚支持フレーム22の上端部を、直接座支持側部フレーム21に接続した場合は、座支持側部フレーム21の前端部と、後脚支持フレーム22の上端部との角度の違いによって形成される側面視においての屈曲部分が、移行部分を構成する。
【0065】
さらに、この移行部分、または、連結フレーム24における湾曲とは、屈曲も含むものとする。つまり、座支持側部フレーム21から後脚支持フレーム22への移行部分を介した軸方向が変化する状態において、曲率半径の大きい状態を湾曲と称し、曲率半径が小さい場合を屈曲と称し、これらを包括して湾曲するとの表現を使用することがある。
【0066】
連結フレーム24は、上端が前脚支持フレーム23よりも後方に位置する。連結フレーム24は、上端が前脚支持フレーム23の左右方向内側位置に接続される。連結フレーム24は、その上端が座支持側部フレーム21の前端と同軸に組み付けされる。
なお、連結フレーム24の上端は、座支持側部フレーム21に直接接続されてもよい。連結フレーム24の下端部は、後脚支持フレーム22、または前脚支持フレーム23に直接接続されもよい。
【0067】
連結フレーム24は、その下端が前脚支持フレーム23の左右方向内側位置に接続される。連結フレーム24の下端は、連結フレーム24の上端よりも下側に位置する。連結フレーム24の下端は、上端と同様に、前脚支持フレーム23に接続される。連結フレーム24の下端が前脚支持フレーム23に接続される位置は、連結フレーム24の上端が前脚支持フレーム23に接続される位置よりも下方である。
【0068】
連結フレーム24は、その下端が後脚支持フレーム22の前端と同軸に接続される。連結フレーム24は、後脚支持フレーム22と一体に形成してもよい。この場合、一本の管材を曲げ加工して、連続した連結フレーム24と後脚支持フレーム22とを形成することができる。これにより、製造作業性を向上することができる。さらに、連続した連結フレーム24と後脚支持フレーム22とを形成することにより、連結フレーム24と後脚支持フレーム22との剛性を向上することができる。
【0069】
連結フレーム24は、略円形の断面形状を有する。連結フレーム24の断面形状は、その全長でほぼ同一である。連結フレーム24の径寸法は、座支持側部フレーム21の径寸法とほぼ等しい。連結フレーム24の径寸法は、後脚支持フレーム22の径寸法とほぼ等しい。連結フレーム24の径寸法は、前脚支持フレーム23の径寸法とほぼ等しい。連結フレーム24の径寸法は、肘掛けフレーム25の径寸法とほぼ等しい。
連結フレーム24は、単管パイプである。
【0070】
前脚支持フレーム23および肘掛けフレーム25は、座支持側部フレーム21、後脚支持フレーム22および連結フレーム24よりも椅子10の中心から左右方向に離間して配置される。つまり、前脚支持フレーム23および肘掛けフレーム25は、座支持側部フレーム21、後脚支持フレーム22および連結フレーム24よりも左右方向で外側に位置する。
前脚支持フレーム23は、左右方向における座支持側部フレーム21の外側位置に接続される。前脚支持フレーム23は、左右方向における後脚支持フレーム22または連結フレーム24の外側位置に接続される。
【0071】
湾曲した連結フレーム24の内部位置には、補強部26が配置される。補強部26は、側面視して連結フレーム24よりも連結フレーム24の湾曲中心に近接する位置に配される。補強部26は、左右方向における前脚支持フレーム23の内側位置に配置される。補強部26は、前面視して、連結フレーム24に重なる位置に配置される。補強部26は、前脚支持フレーム23に沿って延在する。補強部26は、その全長で前脚支持フレーム23に接続される。
【0072】
補強部26は、略矩形の板体とされる。補強部26は、上接続部26aと、下接続部26bと、長辺接続部26cと、を有する。
上接続部26aは、矩形輪郭の板体である補強部26の上端に形成される。上接続部26aは、連結フレーム24の上端付近に接続される。上接続部26aは、連結フレーム24の断面形状に沿った切欠として形成される。上接続部26aは、連結フレーム24の外周に沿った形状に形成される。
板体である補強部26は、前脚支持フレーム23に対して、前脚支持フレーム23の径方向に板面が沿った状態で接続される。連結フレーム24は、その外周が上接続部26aに当接した状態で接続される。
【0073】
下接続部26bは、矩形輪郭の板体である補強部26の下端付近に形成される。下接続部26bは、連結フレーム24の断面形状に沿った切欠として形成される。板体である補強部26は、連結フレーム24の下端付近に対して、連結フレーム24の径方向に板面が沿った状態で接続される。連結フレーム24の下端付近は、その外周が下接続部26bに当接した状態で接続される。
【0074】
長辺接続部26cは、矩形輪郭の板体である補強部26の一方の長辺である。長辺接続部26cは、前脚支持フレーム23の軸線方向に沿って形成される。長辺接続部26cは、前脚支持フレーム23の外周に接続される。板体である補強部26は、前脚支持フレーム23の外周に対して、前脚支持フレーム23の軸線方向に板面が沿った状態で接続される。
【0075】
前脚支持フレーム23は、補強部26を介して連結フレーム24に接続される。前脚支持フレーム23は、補強部26を介して連結フレーム24の上端および下端に接続される。
補強部26は、連結フレーム24の上端および下端が、互いに近接しないように補強する。補強部26は、連結フレーム24の上端および下端が互いに近接するような変形を防止する。補強部26は、座支持側部フレーム21の軸線方向と後脚支持側部フレーム22の軸線方向とにおいて、互いに為す角度が変化してしまうような変形を防止する。
補強部26は、連結フレーム24を補強することによって、座支持側部フレーム21と後脚支持側部フレーム22とが上下方向に近接するように変位することを規制する。
【0076】
前脚支持フレーム23と座支持側部フレーム21と後脚支持フレーム22と連結フレーム24とで形成される略三角形状によって、連結フレーム24に対して片持ち状態である座支持側部フレーム21および座サイドフレーム14cを強固に支持することができる。補強部26は、前脚支持フレーム23および連結フレーム24に対して片持ち状態である座支持側部フレーム21のモーメント荷重に対する変形耐性を呈することが容易となる。
【0077】
左右連結フレーム27aと左右連結フレーム27bとは、椅子10の左右両側に位置する連結フレーム24どうしを接続する。左右連結フレーム27aと左右連結フレーム27bとは、いずれも左右方向に延在する。左右連結フレーム27aと左右連結フレーム27bとは、いずれも水平方向に延在する。左右連結フレーム27aと左右連結フレーム27bとは、互いに平行である。左右連結フレーム27aと左右連結フレーム27bとは、座11の下方に位置する。左右連結フレーム27aと左右連結フレーム27とは、両端が後脚支持フレーム22に接続される。左右連結フレーム27aと左右連結フレーム27bとは、椅子10の中心に対して左右両側に配置される脚支持フレームどうしを接続する。
【0078】
連結フレーム24の上端と座支持側部フレーム21の前端とは、直線状である。連結フレーム24の上端と座支持側部フレーム21の前端とは、互いの軸線が一致している。連結フレーム24の上端と座支持側部フレーム21の前端とは、互いの軸線に沿って近接するだけで組み立てをおこなうことが可能とされる。
【0079】
図7は、本実施形態における接続部材を示す模式断面図である。
具体的には、連結フレーム24の上端と座支持側部フレーム21の前端とは、いずれも同軸で縮径された接続部材24gによって接続される。接続部材24gは、例えば連結フレーム24の上端に嵌合される。接続部材24gは、直線状である。接続部材24gは、棒状部材とされる。接続部材24gは、連結フレーム24の上端から後方に突出している。
【0080】
座支持側部フレーム21の前端を組み付ける場合には、接続部材24gに対して、座支持側部フレーム21の前端を嵌め込む。これにより、支持フレーム20に対して、背座フレーム14を座支持側部フレーム21を介して組み付けることができる。
連結フレーム24の上端と座支持側部フレーム21の前端と接続部材24gとは接続部を構成する。
【0081】
前脚支持フレーム23は、左右方向の内側位置に位置規制当接部28aを有する。後脚支持フレーム22の左右方向の外側位置に位置規制当接部28bを有する。位置規制当接部28aと位置規制当接部28bとは、ネスティング時に、隣接する椅子10の前後方向位置を規定する。位置規制当接部28aと位置規制当接部28bとは、同じ上下方向位置に配置される。
【0082】
位置規制当接部28aは、左右方向に一対の前脚支持フレーム23にそれぞれ配置される。
位置規制当接部28aは、前脚支持フレーム23の軸線に沿って形成される。位置規制当接部28aは、前脚支持フレーム23の外周から左右方向の内側位置に形成される。位置規制当接部28aは、前脚支持フレーム23の外周から左右方向の内側に向けて突出する。位置規制当接部28aは、前脚支持フレーム23の外周に沿って上下方向に延在する。位置規制当接部28aの下端は、位置規制当接部28aの上端に比べて、左右方向の内方に突出する突出量が大きい。
【0083】
位置規制当接部28aは、左右方向の内側面が下端から上端に向けて傾斜している。位置規制当接部28aは、左右方向の内側面が上端から下端に向けて突出量が大きくなるように傾斜している。位置規制当接部28aは、左右方向の内側面が略平面として形成される。左右方向において、一対の位置規制当接部28aの内側面どうしの離間距離は、前後方向で前方よりも後方が広くなる。
【0084】
位置規制当接部28bは、左右方向に一対の後脚支持フレーム22にそれぞれ配置される。
位置規制当接部28bは、後脚支持フレーム22の軸線に沿って形成される。位置規制当接部28bは、後脚支持フレーム22の外周から左右方向の外側位置に形成される。位置規制当接部28bは、後脚支持フレーム22の外周から左右方向の外側に向けて突出する。位置規制当接部28bは、後脚支持フレーム22の外周に沿って上下方向に傾斜した前後方向に延在する。位置規制当接部28bの前端は、位置規制当接部28bの後端に比べて、左右方向の内方に突出する突出量が大きい。
【0085】
位置規制当接部28bは、左右方向の外側面が後端から前端に向けて傾斜している。位置規制当接部28bは、左右方向の外側面が後端から前端に向けて突出量が大きくなるように傾斜している。位置規制当接部28bは、左右方向の外側面が略平面として形成される。左右方向において、一対の位置規制当接部28bの外側面どうしの離間距離は、前後方向で前方よりも後方が狭くなる。
【0086】
図8は、本実施形態における2脚の椅子をネスティングした状態を示す側面図である。図9は、ネスティング時における本実施形態における位置規制当接部の当接状態接を示す斜視図である。
ネスティングをおこなうためには、後方位置にある一方の椅子10に、前方から他方の椅子10を近接させる。
【0087】
この際、後方位置にある一方の椅子10の位置規制当接部28aに対して、近接させる他方の椅子10の位置規制当接部28bが当接する。これにより、一方の椅子10と他方の椅子10との前後方向距離が、位置規制当接部28aと位置規制当接部28bとが当接した位置より近接しない。また、この際、位置規制当接部28aの内側面と、位置規制当接部28bの外側面とが、互いに当接可能な斜面として形成されていることで、ネスティング時の作業性が悪くなることがない。
【0088】
これにより、ネスティング時に前後に位置する椅子10において、座11は、互いに接触しない。また、荷重受面構成部材13の突出部13fは、互いに接触しない。さらに背もたれ部12は、互いに接触しない。
【0089】
本実施形態の椅子10によれば、着座者から印加される荷重が片持ち状態となっている座11にかかった場合でも、連結フレーム24が補強部26によって補強されているため、座11を支持するモーメントの大きさに抗して強固に支持することができる。また、補強部26によって補強されている連結フレーム24により、座11にかかる荷重、モーメントを接地部22dおよび接地部23dに伝達して椅子10の安定を向上することができる。
【0090】
また、一対の座支持側部フレーム21と後脚支持フレーム22と前脚支持フレーム23と連結フレーム24と補強部26とを有する支持フレーム20が、座11の左右方向両側にそれぞれ配置されていることにより、これら一対の前脚支持フレーム23と後脚支持フレーム22と連結フレーム24との間に近接するように他の椅子10を収納することで、複数の椅子10をコンパクトにネスティング可能とすることができる。
また、ネスティングに際して可動が必要な部分を有していないため、椅子10の強度が低下することがなく、また、可動部が壊れるといった支障を来すことがない。
【0091】
補強部26が連結フレーム24と前脚支持フレーム23とに接続されることにより、湾曲した連結フレーム24と前脚支持フレーム23とで囲まれた空間に余裕を持たせた配置とすることができる。これにより、補強部26を接続する連結フレーム24と前脚支持フレーム23との位置を適宜設定することにより、座11にかかる着座者からの荷重に応じたモーメントの大きさに対応して、補強部26の接続される連結フレーム24の両端付近の位置を設定することが可能となる。
【0092】
補強部26が、連結フレーム24の上端付近に接続される上接続部26aと、連結フレーム24の下端付近に接続される下接続部26bと、前脚支持フレーム23に接続される長辺接続部26cと、を有することで、上接続部26aと下接続部26bにおける接続強度を向上して、支持構造体としての支持フレーム20を強固に構成することが可能となる。
【0093】
さらに、長辺接続部26cにより補強部26の全長が前脚支持フレーム23に接続されることで、補強部26と前脚支持フレーム23との接続強度を向上して、支持構造体としての支持フレーム20を強固に構成することが可能となる。これにより、連結フレーム24と後脚支持フレーム22との接続角度、つまり、座支持側部フレーム21と後脚支持フレーム22との接続角度が変化せず、必要な剛性を維持することが可能となる。
【0094】
さらに、片持ち状態である座11の前方において、座支持側部フレーム21と後脚支持フレーム22との接続部分が、連結フレーム24と補強部26とによって接続強度および剛性を向上できる。また、補強部26が前脚支持フレーム23に沿って配置されていることにより、補強部26がその全長で前脚支持フレーム23に接続されることができる。これにより、座支持側部フレーム21と後脚支持フレーム22との接続、および、座支持側部フレーム21と後脚支持フレーム22との支持を、補強部26に加えて前脚支持フレーム23によっておこなうことができる。
【0095】
このような前脚支持フレーム23が、座11の左右方向の両側に位置するこれら支持フレーム20に対応して設けられることで、ネスティングの際に、後方に位置する一方の椅子10における前脚支持フレーム23他の構成が、隣接する他方の椅子10に対して邪魔になることがない。
【0096】
また、ネスティング時に近接する前脚支持フレーム23と後脚支持フレーム22とが、互いに交差する付近に前後方向の位置規制をおこなう位置規制当接部28aおよび位置規制当接部28bを設けて、ネスティング時に隣接する椅子10の座11どうしにおける互いの前後方向および上下方向の離間距離を設定することが可能となる。これにより、ネスティング時に隣接する座11が互いに接触することがなくなり、座11の表面を構成する荷重受面構成部材13が互いに擦れることを防止できる。
【0097】
前脚支持フレームと肘掛けフレームとが一体とされていることで、肘掛け部材25bが座11よりも高い位置で、かつ、座11の両側に位置する前脚支持フレームに対応した位置に設けられることで、ネスティングの際に、後方の椅子10の肘掛け部材25bが隣接させる椅子10に対して邪魔になることがない。
【0098】
座11が後方に向けて上昇するように傾斜している椅子10とされたことで、左右方向の両側に位置する座サイドフレーム14cおよび座支持側部フレーム21の間に架け渡したニット等からなる伸縮性を有する荷重受面構成部材13が着座者の荷重に応じて伸びることで、着座者の大腿に対応する部分が略水平となるように着座状態を規定することが可能となる。これにより、着座者からの荷重が印加していない状態で、後方に向けて上昇するように傾斜した座11を有する椅子10において、ネスティングを可能な構成とすることが可能となる。
さらに、後端11bの上方に背もたれ部12を接続することが容易に可能となる。
【0099】
座支持側部フレーム21が座サイドフレーム14cの左右方向外方で座サイドフレーム14cに沿って配置されることで、座11の左右方向両側の座支持側部フレーム21と、背座フレーム14と、を一体として形成することができる。これにより、座11の座面を形成するニット等からなる枚葉の荷重受面構成部材13を、一体とされた座サイドフレーム14cおよび座支持側部フレーム21と、背もたれフレーム14bと、に架け回して、座11と背もたれ部12とを一体として形成することができる。
【0100】
枚葉の荷重受面構成部材13をニット等から形成して伸縮性を有する構成としたことにより、座サイドフレーム14cと背もたれフレーム14bとに架け渡したニット等の荷重受面構成部材13が着座者の荷重に応じて伸びて、着座者の大腿に対応する部分が略水平となるように着座状態を規定することが可能となる。
【0101】
座支持側部フレーム21と連結フレーム24の上端とを、前後方向に延在する直線状の接続部材24gによって互いに嵌合接続可能とした。これにより、座支持側部フレーム21と連結フレーム24の上端とを接続して椅子10を組み立てる際に、前後方向に延在する接続部材24gに沿って、座支持側部フレーム21と連結フレーム24の上端とを直線状に相対移動させるだけで、座支持側部フレーム21と連結フレーム24とを接続することが容易に可能となる。これにより、背座フレーム14と、支持フレーム20との組み立てにおける作業性を向上し、椅子10の製造工程における接続作業の効率を向上することが可能となる。
【0102】
なお、上述した実施形態では、位置規制当接部28aを前脚支持フレーム23に設け、位置規制当接部28bを後脚支持フレーム22に設けたが、これらを設けないこともできる。この場合、ネスティング時に近接する肘掛け部どうしの対応する位置に、位置規制当接部を設けて、ネスティング時に隣接する椅子10の座11どうしにおける互いの離間距離を設定することが可能となる。
【0103】
具体的には、図6に示すように、ネスティング時に、後方の椅子10の肘掛け部材25bに対して、前方から近接する椅子10の肘掛け部材25Bに、これら肘掛け部材25bと肘掛け部材25Bとが互いに接触する位置を位置規制当接部とする。この場合、位置規制当接部28aおよび位置規制当接部28bを取り付ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0104】
さらに、椅子10の左右方向両側に位置する肘掛け部材25bどうしが、上面視して、後方に向かうに連れて外方に開いている。同様に、椅子10の左右方向両側に位置する肘掛け部材25Bどうしが、上面視して、後方に向かうに連れて外方に開いている。なお、図6において、肘掛け部材25Bは、二点鎖線で示している。
これにより、ネスティング時に隣接する座11が互いに接触することがなくなり、座11の荷重受面構成部材13等が互いに擦れてしまうことを防止できる。
【0105】
さらに、補強部26として、側面視した連結フレーム24と前脚支持フレーム23とで囲まれた部分を閉塞するように、前後方向および上下方向に沿った平面を有する板体とすることもできる。この場合、補強部26は、湾曲する連結フレーム24の内周側に接続していれば、前脚支持フレーム23と全長で接触している必要はない。
【0106】
以下、本実施形態における変形例について説明する。
【0107】
椅子10の変形例としては、座支持側部フレーム21と、後脚支持フレーム22と、前脚支持フレーム23と、連結フレーム24と、補強部26と、の関係が変形している構成を例示できる。
【0108】
以下、本実施形態における第1変形例について説明する。
図10は、椅子の変形例を示す模式側面図である。
この変形例の椅子10Aでは、図10に示すように、座支持側部フレーム21の前端に前脚支持フレーム23Aの上端が接続される。なお、図10において、座支持側部フレーム21は、説明のために、略水平方向に示しているが、後方に向かって上昇するように傾斜することが好ましい。
前脚支持フレーム23Aは、略鉛直に延在する。座支持側部フレーム21と前脚支持フレーム23Aとの接続される移行部分24Aは、屈曲して形成される。
【0109】
前脚支持フレーム23Aの下端は、接地部23Adである。前脚支持フレーム23Aの下端には、後脚支持フレーム22Aの前端が接続される。後脚支持フレーム22Aの後端は、接地部22Adである。後脚支持フレーム22Aは、前脚支持フレーム23Aの下端から後方に延在する。後脚支持フレーム22Aは、略水平に延在する。後脚支持フレーム22Aは、接地部22Adと前脚支持フレーム23Aの下端との間が、接地する構成としてもよい。
【0110】
椅子10Aでは、補強部26Aが、座支持側部フレーム21と前脚支持フレーム23Aとに接続される。つまり、接続部26Aは、座支持側部フレーム21と前脚支持フレーム23Aとの変形を防止する。接続部26Aは、座支持側部フレーム21の軸線と前脚支持フレーム23Aの軸線とが為す角の変化を防止する。
【0111】
以下、本実施形態における第2変形例について説明する。
図11は、椅子の変形例を示す模式側面図である。
この変形例の椅子10Bでは、図11に示すように、座支持側部フレーム21の前端に前脚支持フレーム23Bの上端が接続される。なお、図11において、座支持側部フレーム21は、説明のために、略水平方向に示しているが、後方に向かって上昇するように傾斜することが好ましい。
前脚支持フレーム23Bは、略鉛直に延在する。座支持側部フレーム21と前脚支持フレーム23Bとの接続される移行部分24Bは、屈曲して形成される。
【0112】
前脚支持フレーム23Bの下端は、接地部23Bdである。前脚支持フレーム23Bの上端には、後脚支持フレーム22Bの前端が接続される。後脚支持フレーム22Bの後端は、接地部22Bdである。後脚支持フレーム22Bの前端は、前脚支持フレーム23Bの上端に接続される。後脚支持フレーム22Bは、前脚支持フレーム23Bの上端から後方に向けて下降する。後脚支持フレーム22Bは、座支持側部フレーム21の前端位置から接地部22Bdまで下降する。接地部22Bdは、上面視して、座支持側部フレーム21の後端とほぼ同じ前後方向位置である。
前脚支持フレーム23Bの上端と、後脚支持フレーム22Bの上端とは、互いに接続されている。
【0113】
この変形例では、前脚支持フレーム23Bと後脚支持フレーム22Bとは、一体として形成されてもよい。つまり、前脚支持フレーム23Bと後脚支持フレーム22Bとは、屈曲された移行部分24Bによって、互いの軸線が交差するように屈曲して接続される。ここで、前脚支持フレーム23Bの軸線と、後脚支持フレーム22Bの軸線とが為す角は、鋭角である。
【0114】
椅子10Bでは、補強部26Bが、座支持側部フレーム21と後脚支持フレーム22Bとに接続される。つまり、接続部26Bは、座支持側部フレーム21と後脚支持フレーム22Bとの変形を防止する。接続部26Bは、座支持側部フレーム21の軸線と後脚支持フレーム22Bの軸線とが為す角の変化を防止する。
【0115】
さらに、この変形例では、補強部26Bの下端が、さらに下方に延長されて、前脚支持フレーム23Bに接続されてもよい。この場合、接続部26Bは、座支持側部フレーム21の軸線と後脚支持フレーム22Bの軸線とが為す角の変化防止に加えて、座支持側部フレーム21の軸線と前脚支持フレーム23Bの軸線とが為す角の変化を防止することができる。
【0116】
以下、本実施形態における第3変形例について説明する。
図12は、椅子の変形例を示す模式側面図である。
この変形例の椅子10Cでは、図12に示すように、座支持側部フレーム21の前端に前脚支持フレーム23Bの上端が接続される。なお、図12において、座支持側部フレーム21は、説明のために、略水平方向に示しているが、後方に向かって上昇するように傾斜することが好ましい。
前脚支持フレーム23Cは、略鉛直に延在する。座支持側部フレーム21と前脚支持フレーム23Cとの接続される移行部分24Cは、屈曲して形成される。
【0117】
前脚支持フレーム23Cの下端は、接地部23Cdである。前脚支持フレーム23Cには、後脚支持フレーム22Cの前端が接続される。
後脚支持フレーム22Cの前端は、前脚支持フレーム23Cの上端と下端との間に接続される。後脚支持フレーム22Cの後端は、接地部22Cdである。後脚支持フレーム22Cの前端は、座支持側部フレーム21の前端よりも下方位置に接続される。前脚支持フレーム23Cの上端と、後脚支持フレーム22Cの前端とは、上下方向に互いに離間している。
【0118】
後脚支持フレーム22Cは、前脚支持フレーム23Cの中程位置から接地部22Cdまで下降する。後脚支持フレーム22Cは、後脚支持フレーム22Cの前端から後方に向けて下降する。接地部22Cdは、上面視して、座支持側部フレーム21の後端よりも後方となる前後方向位置である。
【0119】
この変形例では、前脚支持フレーム23Cと後脚支持フレーム22Cとは、一体に接続されてもよい。つまり、前脚支持フレーム23Cと後脚支持フレーム22Cとは、屈曲された移行部分24Cによって、互いに軸線が交差するように接続される。ここで、前脚支持フレーム23Cの軸線と、後脚支持フレーム22Cの軸線とが為す角は、鋭角である。
【0120】
椅子10Cでは、補強部26Cが、座支持側部フレーム21と前脚支持フレーム23Cとに接続される。つまり、接続部26Cは、座支持側部フレーム21と前脚支持フレーム23Cとの変形を防止する。接続部26Cは、座支持側部フレーム21の軸線と前脚支持フレーム23Cの軸線とが為す角の変化を防止する。これにより、座支持側部フレーム21と、前脚支持フレーム23Cに接続された後脚支持フレーム22Bとの変形を防止することができる。
【0121】
上述したように、補強部は、座支持側部フレームと、脚支持フレームとの変形を防止してこれを補強することができる。なお、補強部と、座支持側部フレームと、脚支持フレームと、の取付位置関係については、上記の位置のみに限定されない。
【0122】
さらに、本発明においては、上述した実施形態における個々の構成を個別に選択して、それぞれ組み合わせて実施することも可能である。
【符号の説明】
【0123】
10…椅子
11…座
12…背もたれ部
13…荷重受面構成部材
13a…取付部
13A…荷重受面構成部材
13f…突出部(膨らみ部)
13k…開口部
14…背座フレーム
14a…座前フレーム
14b…背もたれフレーム
14c…座サイドフレーム
20…支持フレーム
21…座支持側部フレーム
22…後脚支持フレーム
22d…接地部
23…前脚支持フレーム
23d…接地部
24…連結フレーム(移行部分)
24g…接続部材
25…肘掛けフレーム
25b…肘掛け部材
26…補強部
26a…上接続部
26b…下接続部
26c…長辺接続部
28a…位置規制当接部
28b…位置規制当接部
図1
図2
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図10
図11
図12