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特開2024-131226半導体装置、半導体モジュールおよび半導体装置の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131226
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】半導体装置、半導体モジュールおよび半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20240920BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L21/88 B
H01L21/78 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041353
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】野村 一城
(72)【発明者】
【氏名】大橋 健一
(72)【発明者】
【氏名】山下 創一
(72)【発明者】
【氏名】森 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】村吉 彬
(72)【発明者】
【氏名】奥山 拓希
【テーマコード(参考)】
5F033
5F063
【Fターム(参考)】
5F033GG01
5F033KK07
5F033KK11
5F033KK13
5F033KK14
5F033MM11
5F033MM17
5F033PP15
5F033PP19
5F033QQ08
5F033QQ11
5F033QQ19
5F033QQ53
5F033VV07
5F033XX00
5F063AA05
5F063CB05
5F063CB06
5F063CB29
5F063DD68
5F063DD85
5F063EE21
(57)【要約】
【課題】信頼性を向上させることが可能な半導体装置、半導体モジュールおよび半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る半導体装置は、第1主面および前記第1主面の反対側の第2主面を有する第1電極と、前記第2主面上に配置された半導体基板と、前記半導体基板の、前記第1電極と接する第3主面と反対側の第4主面上に配置された第2電極と、を備える。前記第1電極は、前記第1主面と略垂直に交わる第1側面と、前記第1主面および前記第1側面のいずれとも略垂直に交わる第2側面と、を有し、前記第1主面、前記第1側面および前記第2側面が曲面を介して互いに接続されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面および前記第1主面の反対側の第2主面を有する第1電極と、
前記第2主面上に配置された半導体基板と、
前記半導体基板の、前記第1電極と接する第3主面と反対側の第4主面上に配置された第2電極と、
を備え、
前記第1電極は、前記第1主面と略垂直に交わる第1側面と、前記第1主面および前記第1側面のいずれとも略垂直に交わる第2側面と、を有し、
前記第1主面、前記第1側面および前記第2側面が曲面を介して互いに接続されている、半導体装置。
【請求項2】
前記第1電極は、前記第1主面のすべての角部において丸みを有する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1主面および前記第1側面が曲面を介して互いに接続されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1電極は、前記第1主面のすべての辺部において丸みを有する
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体基板は、前記第3主面と、前記第3主面と略垂直に交わる第3側面と、前記第3主面および前記第3側面のいずれとも略垂直に交わる第4側面と、を有し、
前記第3主面、前記第3側面および前記第4側面が曲面を介して互いに接続されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体基板は、前記第3主面のすべての角部において丸みを有する
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第3主面および前記第3側面が曲面を介して互いに接続されている
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体基板は、前記第3主面のすべての辺部において丸みを有する
請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1電極、前記半導体基板および前記第2電極の厚さの合計は、50μm以下である
請求項1または5に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1電極の曲面の曲率半径は10μm以上である
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1電極および前記半導体基板のうち少なくとも一方の曲面の曲率半径は10μm以上である
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記半導体装置は、縦型MOSFETであり、
前記第1電極は、ドレイン電極であり、
前記第2電極は、ソース電極である
請求項1または5に記載の半導体装置。
【請求項13】
請求項1または5に記載の半導体装置と、
前記第1電極と電気的に接続する第1金属部材と、
前記第2電極と電気的に接続する第2金属部材と、
前記半導体装置を封止する封止材と、
を備える半導体モジュール。
【請求項14】
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、前記第1主面上に第1電極層が配置され、前記第2主面上に第2電極層が配置されたウェハを用意する工程と、
前記第1電極層上に、レジストを塗布する工程と、
前記レジストを、前記ウェハの所定のダイシングラインの交点に対応する位置において選択的に露光し、現像することにより、底面に前記第1電極層が露出する複数の開口を格子点状に形成する工程と、
前記開口の底面に露出した前記第1電極層をエッチングすることにより、前記第1電極層に複数の凹部を格子点状に形成する工程と、
前記レジストを除去する工程と、
前記第1電極層上にダイシングテープを貼り付ける工程と、
前記ダイシングラインに沿って前記ウェハをダイシングすることにより、前記ウェハを複数の半導体装置に個片化する工程と、
前記ダイシングテープを引き延ばし、前記半導体装置をピックアップする工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
【請求項15】
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、前記第1主面上に第1電極層が配置され、前記第2主面上に第2電極層が配置されたウェハを用意する工程と、
前記ウェハを所定のダイシングラインに沿ってダイシングすることによって、前記ウェハを複数の半導体装置に個片化する工程であって、前記半導体装置は、前記第1主面と接触する主面の反対側の第3主面と、前記第3主面と略垂直に交わる第1側面と、前記第3主面および前記第1側面のいずれとも略垂直に交わる第2側面とを有する第1電極を備える、工程と、
前記第3主面と前記第1側面との間の境界線および前記第3主面と前記第2側面との間の境界線に沿ってレーザアブレーション加工を行う、または、前記第3主面、前記第1側面および前記第2側面からなる角部に対してレーザアブレーション加工を行うことにより、前記角部の一部を除去し、前記角部に丸みを持たせる工程と、
前記第1電極上にダイシングテープを貼り付ける工程と、
前記ダイシングテープを引き延ばし、前記個片化された半導体装置をピックアップする工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
【請求項16】
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、前記第2主面に第2電極層が配置されたウェハを用意する工程と、
前記第1主面上に、レジストを塗布する工程と、
前記レジストを、前記ウェハの所定のダイシングラインの交点に対応する位置において選択的に露光し、現像することにより、底面に前記ウェハの前記第1主面が露出する複数の開口を格子点状に形成する工程と、
前記開口に露出した前記ウェハをエッチングし、前記ウェハに複数の凹部を格子点状に形成する工程と、
前記レジストを除去する工程と、
前記第1主面上に第1電極層を形成する工程と、
前記第1電極上にダイシングテープを貼り付ける工程と、
前記ダイシングラインに沿って前記ウェハをダイシングすることにより、前記ウェハを複数の半導体装置に個片化する工程と、
前記ダイシングテープを引き延ばし、前記半導体装置をピックアップする工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
【請求項17】
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面を有し、前記第2主面に第2電極層が配置されたウェハを用意する工程と、
前記ウェハの所定のダイシングラインの交点に対応する位置における前記第2電極層上に、格子点状にスペーサを形成する工程と、
前記ウェハを、前記第2主面側が支持治具に対向するように、前記支持治具上に配置する工程と、
前記ウェハの前記第1主面を研削する工程と、
前記第1主面上に第1電極層を形成する工程と、
前記第1電極上にダイシングテープを貼り付ける工程と、
前記ダイシングラインに沿って前記ウェハをダイシングすることにより、前記ウェハを複数の半導体装置に個片化する工程と、
前記ダイシングテープを引き延ばし、前記半導体装置をピックアップする工程と、
を備えた半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置、半導体モジュールおよび半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等の半導体装置を備える半導体モジュールにおいて、半導体装置の電極が、はんだ等の接合材を介してリード材(金属部材)に電気的に接続されている。
【0003】
半導体装置は電極層が形成されたウェハをダイシングにより個片化して形成されるため、電極の角部は角張った形状を有する。したがって、半導体モジュールにおいては、接合材の熱膨張等により電極の角部に応力が集中し易くなる。その結果、環境温度の変化が大きい場合等において、半導体基板が破損するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2890851号
【特許文献2】特開2007-165371号公報
【特許文献3】特開2013-161944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、信頼性を向上させることが可能な半導体装置、半導体モジュールおよび半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る半導体装置は、第1主面および前記第1主面の反対側の第2主面を有する第1電極と、前記第2主面上に配置された半導体基板と、前記半導体基板の、前記第1電極と接する第3主面と反対側の第4主面上に配置された第2電極と、を備える。前記第1電極は、前記第1主面と略垂直に交わる第1側面と、前記第1主面および前記第1側面のいずれとも略垂直に交わる第2側面と、を有し、前記第1主面、前記第1側面および前記第2側面が曲面を介して互いに接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る半導体モジュールの断面図である。
図2A】第1の実施形態に係る半導体装置の上面図である。
図2B図2Aに示される半導体装置のI-I線に沿う断面図である。
図2C図2Aに示される半導体装置のII-II線に沿う断面図である。
図2D】第1の実施形態に係る半導体装置が備える第1電極の立体斜視図である。
図3A】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の例における工程を説明するための断面図である。
図3B図3Aに続く、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の例における工程を説明するための断面図である。
図3C図3Bに続く、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の例における工程を説明するための断面図である。
図3D図3A(3)に示される、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の例における工程を説明するための上面図である。
図3E図3B(1)に示される、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の例における工程を説明するための上面図である。
図4A】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第2の例における工程を説明するための断面図である。
図4B図4Aに続く、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第2の例における工程を説明するための断面図である。
図4C図4A(2)に示される、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第2の例における工程を説明するための上面図である。
図4D図4A(3)に示される、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第2の例におけるレーザ加工工程を説明するための上面図である。
図4E図4A(3)に示される、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第2の例におけるレーザ加工工程に係る別の例を説明するための上面図である。
図5】第1の実施形態の変型例に係る半導体装置が備える第1電極の立体斜視図である。
図6A】第2の実施形態に係る半導体装置の上面図である。
図6B図6Aに示される半導体装置のII-II線に沿う断面図である。
図6C】第2の実施形態に係る半導体装置が備える第1電極および半導体基板の立体斜視図である。
図7A】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の例における工程を説明するための断面図である。
図7B図7Aに続く、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の例における工程を説明するための断面図である。
図7C図7Bに続く、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の例における工程を説明するための断面図である。
図8A】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第2の例における工程を説明するための断面図である。
図8B図8Aに続く、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第2の例における工程を説明するための断面図である。
図8C図8Bに続く、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第2の例における工程を説明するための断面図である。
図8D図8A(2)に示される、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第2の例における工程を説明するための上面図である。
図8E図8C(2)に示される、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第2の例における工程を説明するための上面図である。
図9】第2の実施形態の変型例に係る半導体装置が備える第1電極および半導体基板の立体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
なお、本明細書では、XYZ座標を採用し、半導体装置の厚み方向(後述の電極3、半導体基板2および電極4の積層方向)をZ方向とし、Z方向に略直交する一方向をX方向とし、X方向およびZ方向に略直交する方向をY方向とする。
【0010】
(第1実施形態)
図1および図2A図2Dを参照して、第1の実施形態に係る半導体装置1について説明する。
【0011】
まず、半導体装置1を備える半導体モジュール10について説明する。図1は、半導体モジュール10の構成例を示す断面図である。半導体モジュール10は、半導体装置1と、接合材11と、金属部材12と、接合材13と、金属部材14と、封止材15と、を備えている。
【0012】
接合材11は、半導体装置1の電極3と金属部材12を電気的に接続する。接合材11は、例えばはんだである。接合材11は、熱処理することによって電極3と金属部材12との間で焼結される焼結材であってもよい。
【0013】
金属部材12は、接合材11を介して電極3と電気的に接続されるように配置される。金属部材12には、例えば、銅等の導電性材料が用いられる。
【0014】
接合材13は、半導体装置1の電極4と金属部材14を電気的に接続する。接合材13は、例えばはんだである。接合材13は、熱処理することによって電極4と金属部材14の間で焼結される焼結材であってもよい。接合材11、13には、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、スズ(Sn)またはそれらの組み合わせ等が用いられてよい。
【0015】
金属部材14は、接合材13を介して電極4と電気的に接続されるように配置される。金属部材14には、例えば、銅等の導電性材料が用いられる。
【0016】
封止材15は、半導体装置1を封止し、半導体装置1を封止材15の外部から保護する。封止材15は、接合材11、金属部材12、接合材13および金属部材14のうち少なくとも1つの一部または全部を封止してもよい。封止材15は、絶縁性を有しており、例えば、樹脂が用いられる。
【0017】
次に、半導体装置1について説明する。図2Aは、第1の実施形態に係る半導体装置1の平面図である。図2Bは、図2AのI-I線に沿う断面図である。図2Cは、図2AのII-II線に沿う断面図である。
【0018】
半導体装置1は、半導体基板2と、電極(第1電極)3と、電極(第2電極)4と、を備える。半導体装置1は、半導体素子として、電極4と電極3との間に電流を流すように構成されている。半導体装置1は、縦型のMOSFETであってもよい。半導体装置1がMOSFETである場合、電極3はドレイン電極に対応し、電極4はソース電極に対応する。より詳細には、半導体装置1は、低電圧駆動のMOSFET(LVMOSFET:Low voltage MOSFET)であってもよい。
【0019】
半導体基板2は、例えば、シリコンインゴットをスライスして形成されたウェハに、半導体素子を形成し、個片化されたものである。半導体基板2には、例えば、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、または、窒化ガリウム(GaN)が用いられる。半導体基板2は、図2Bおよび図2Cに示すように、主面21と、主面21と反対側の主面22と、を有する。
【0020】
電極3は、主面31および主面31の反対側の主面32を有する。半導体基板2は、主面32上に配置されている。半導体基板2の主面21が電極3に接している。また、図2Dに示すように、電極3は、主面31と略垂直に交わる側面33と、主面31および側面33のいずれとも略垂直に交わる側面34と、を有する。
【0021】
電極4は、半導体基板2の主面22上に配置されている。なお、半導体装置1が縦型MOSFETの場合、主面22にはゲート電極(図示せず)も配置される。
【0022】
電極3および電極4には、例えば、銅、ニッケル(Ni)、銀、金(Au)、または、パラジウム(Pd)等の材料が用いられる。
【0023】
電極3、半導体基板2および電極4の厚さの合計T(厚さT)は、50μm以下であってもよい。厚さTが50μm以下であることにより、半導体装置1のオン抵抗を十分に低減することができる。
【0024】
図2Cおよび図2Dに示されるように、電極3の主面31、側面33および側面34は、曲面35を介して互いに接続されている。これにより、電極3は、角部X1において丸みを有している。換言すれば、電極3は、丸みを有する角部X1を備える。
【0025】
本実施形態では、図2Dに示すように、電極3は、1つの角部だけでなく、全ての角部において丸みを有している。なお、電極3は、少なくとも1つの角部において丸みを有していてもよい。
【0026】
曲面35の曲率半径(即ち、角部X1の曲率半径)は、例えば、10μm以上であってもよい。これにより、電極3の角部X1にかかる応力をより効果的に分散させることができる。
【0027】
上記のように、本実施形態によれば、電極3が、角部X1において丸みを有しているため、半導体モジュール10において、接合材11により電極3の角部X1にかかる応力を分散することができる。これにより、半導体装置1の信頼性を向上させることができる。
【0028】
<半導体装置1の製造方法>
以下、図面を参照しながら、半導体装置1の製造方法を説明する。電極3の角部X1に丸みを持たせる製法の一例として、エッチングまたはレーザアブレーション加工を用いる製法について説明する。図3A図3Eはエッチングによる製造方法(第1の例)を示し、図4A図4Dはレーザアブレーションによる製造方法(第2の例)を示す。
【0029】
[第1の例(エッチング)]
まず、図3A(1)に示されるように、主面21と、主面21と反対側の主面22とを有し、主面21上に電極層3Aが配置され、主面22上に電極層4Aが配置されたウェハ2Wを用意する。補強のため、ウェハ2Wは、ガラス板等の支持部材(図示せず)に貼り合わせられてもよい。なお、ウェハ2Wには、各種の半導体領域がすでに形成されており、以下の別の例でも同様である。たとえば、半導体装置1が縦型MOSFETの場合、ウェハ2Wには、ベース領域、ソース領域、ドレイン領域等が形成されている。
【0030】
次に、図3A(2)に示されるように、電極3上にレジストRを塗布する。
【0031】
次に、図3A(3)および図3Dに示されるように、レジストRを、ウェハ2WのダイシングラインLの交点に対応する位置において、選択的に露光する。その後、現像することにより、図3Dに示すように、底面に電極層3Aが露出する開口OPを格子点状に(つまり、ダイシングラインLの交点に対応する位置に)形成する。図3Dは、図3A(3)に示される状態の上面図である。
【0032】
なお、図3Dには、方形状の開口OPが示されているが、開口OPの形状はこれに限定されず、円形状など、如何なる形状であってもよい。
【0033】
次に、図3A(4)に示されるように、開口OPの底面に露出した電極層3Aをエッチングすることにより、電極層3Aに複数の凹部RE1を格子点状に形成する。凹部RE1の深さは、例えば10μm以上である。エッチングはドライエッチングまたはウェットエッチングである。凹部RE1を形成することにより、後にウェハ2Wを複数の半導体装置1に個片化したときに、半導体装置1が備える電極3は、角部X1において丸みを有するようになる。
【0034】
次に、図3B(1)に示されるように、レジストRを、現像液などを用いて除去する。これにより、図3Eに示されるように、ダイシングラインLの交点に沿って凹部RE1が配置された状態になる。
【0035】
次に、図3B(2)に示されるように、電極層3A上にダイシングテープDを貼り付ける。この後、ウェハ2Wにガラス板等の支持部材が貼り合わされている場合は、支持部材を取り外す。
【0036】
次に、図3B(3)に示されるように、ダイシングラインLに沿ってウェハ2Wをダイシングすることにより、ウェハ2Wを複数の半導体装置1に個片化する。半導体装置1は、半導体基板2、電極3および電極4を備える。なお、ダイシングは、ブレードダイシングまたはレーザダイシング等の任意の方法で行われる。
【0037】
次に、図3B(4)に示されるように、ダイシングテープDを引き延ばす。その後、図3C(1)に示されるように、個片化された半導体装置1を、突き上げピンPを用いて突き上げ、コレットCを用いてピックアップする。
【0038】
ピックアップされた半導体装置1は、例えばダイボンダに搬送され、リードフレーム(図示せず)の上に接合材11を介して載置される。その後、金属部材12,14のマウント工程、金属部材12,14と半導体装置1をワイヤで接続するワイヤボンディング工程、封止材15で半導体装置1を封止するモールド工程などを経て、半導体モジュール10が製造される。ピックアップ後の工程は、以下の別の例においても同様である。
【0039】
上記工程を経て、第1の実施形態に係る半導体装置1が製造される。
【0040】
次に、レーザアブレーション加工を用いる半導体装置1の製造方法について説明する。
【0041】
[第2の例(レーザアブレーション)]
まず、図4A(1)に示されるように、主面21と、主面21と反対側の主面22とを有し、主面21上に電極層3Aが配置され、主面22上に電極層4Aが配置されたウェハ2Wを用意する。ウェハ2Wは、例えば支持治具Jによって支持されている。支持治具Jは、例えばガラスまたはダイシングテープである。
【0042】
次に、図4A(2)に示されるように、ダイシングラインLに沿ってウェハ2Wをダイシングすることによって、ウェハ2Wを複数の半導体装置1に個片化する。これにより、側面33と側面34を有する電極3が形成される。ダイシングは、ブレードダイシングまたはレーザダイシング等の任意の方法で行われる。
【0043】
図4C図4A(2)に示される状態の上面図である。図4Cでは、ダイシングにより個片化されたウェハ2W(複数の半導体装置1)のそれぞれの間に生じた隙間を誇張して表示している。
【0044】
次に、図4A(3)に示されるように、電極3の角部の一部をレーザアブレーション加工によって除去する。例えば、主面31、側面33および側面34からなる角部の一部を除去することで、丸みを有する角部X1が形成される。
【0045】
レーザアブレーション加工の際、例えば、図4Dに示されるように、ダイシングされたウェハ2Wの辺(主面31と側面33との間の境界線および主面31と側面34との間の境界線)に沿ってレーザ光を照射する。即ち、図4Dに示される矢印A1および矢印A2に沿ってレーザアブレーション加工を行う。これにより、矢印A1と矢印A2との交点部分は、レーザアブレーション加工が2回実施されるため、電極3の除去量が大きくなる。そのため、図2Dに示されるように、電極3が角部X1において丸みを有するようになる。レーザアブレーション加工では、たとえば、UVレーザが使用される。
【0046】
なお、レーザアブレーション加工は、例えば、図4Eに示される領域Aのように、電極3の角部のみに対して選択的に行ってもよい。
【0047】
次に、図4A(4)に示されるように、電極3上にダイシングテープDを貼り付ける。その後、図4B(1)に示されるように、ダイシングテープDを引き延ばす。そして、図4B(2)に示されるように、個片化された半導体装置1を、突き上げピンPを用いて突き上げ、コレットCを用いてピックアップする。
【0048】
上記工程を経て、第1の実施形態に係る半導体装置1が製造される。
【0049】
第1の例または第2の例のいずれにせよ、上記の半導体装置1の製造方法によれば、電極3が角部X1において丸みを有しているため、半導体装置1をダイシングテープDから剥離し易くすることができる。
【0050】
半導体装置の裏面電極(ダイシングテープに接触している電極)の角部に丸みがない場合、半導体装置をピックアップする際、ダイシングテープから剥離し難い。ダイシング時に生じたバリ(裏面電極の金属バリ等)が、ダイシングテープに食い込んでいる場合、さらに剥離し難くなる。また、半導体装置の薄化に伴い(例えば厚さが50μm以下)、半導体装置の剛性が下がるため、ピックアップ時に突き上げピンPなどによってダイシングテープが変形する際、半導体装置も追随して変形し、損傷することがある。
【0051】
これに対し、上記の半導体装置1の製造方法によれば、電極3が角部X1において丸みを有しているため、半導体装置1をダイシングテープDから容易に剥離することができる。また、ダイシング時に発生するバリがダイシングテープDに食い込む可能性を低減することができる。これにより、半導体装置1が薄い場合(例えば厚さTが50μm以下)であっても、半導体装置1のピックアップ成功率を向上させることができ、半導体装置1の歩留まりを向上させることができる。
【0052】
また、第1の例または第2の例のいずれについても、角部X1の曲率半径は10μm以上であってもよい。その場合、半導体装置1がダイシングテープDからより剥離し易くなり、半導体装置1のピックアップ成功率を向上させることができる。
【0053】
(変形例)
次に、図5を参照して第1の実施形態の変形例を説明する。図5に示されるように、本変形例において、電極3の主面31および側面33は、曲面36を介して互いに接続されている。これにより、電極3は、主面31および側面33を含む辺部Y1において丸みを有する。換言すれば、電極3は、丸みを有する辺部Y1を備える。
【0054】
本変形例では、図5に示すように、電極3は、主面31の1つの辺部だけでなく、主面31の全ての辺部において丸みを有している。なお、電極3は、主面31の少なくとも1つの辺部において丸みを有していてもよい。
【0055】
本変形例によれば、電極3が辺部Y1においても丸みを有しているため、半導体モジュール10において接合材11により電極3の辺部Y1にかかる応力を分散させることができる。よって、半導体装置1の耐久性をより向上させることができる。
【0056】
また、電極3が本変形例のような形状をとることにより、個片化された半導体装置1をピックアップする工程において、角部X1だけでなく、辺部Y1においても、ダイシングテープDから剥離し易くなる。このため、半導体装置1のピックアップをより容易にし、歩留まりをさらに向上させることができる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、第2の実施形態に係る半導体装置1Aについて説明する。第1の実施形態では、電極3が角部X1において丸みを有していることにより、電極3の角部X1に応力が集中することを防ぎ、半導体装置1の耐久性を向上させることができることを説明した。これに対し、第2の実施形態では、半導体基板2の角部X2にも、丸みを持たせている。これにより、半導体基板2の角部X2についても応力が集中することを防ぎ、より耐久性を向上させた半導体装置を提供することができる。以下、第1の実施形態との相違点を中心に第2の実施形態を説明する。
【0058】
図6Aは、第2の実施形態に係る半導体装置1Aを説明するための上面図である。第1の実施形態で説明した図面と同じ名称または機能の要素には同じ符号を付している。以後、変更または追加された事項を除き説明を省略する。
【0059】
図6Aは、第2の実施形態に係る半導体装置1Aの平面図である。図6Bは、図6AのII-II線に沿う断面図である。図6AのI-I線に沿う断面図は、第1の実施形態で説明した図2Bと同じであるため省略する。
【0060】
半導体基板2は、電極3と接する主面21と、主面21と略垂直に交わる側面23と、主面21および側面23のいずれとも略垂直に交わる側面24と、を有する。
【0061】
図6Bおよび図6Cに示されるように、半導体基板2の主面21、側面23および側面24は、曲面25を介して互いに接続されている。これにより、半導体基板2の角部X2において、丸みを有している。換言すれば、半導体基板2は、丸みを有する角部X2を備える。また、電極3も、半導体基板2の形状に合わせて、第1の実施形態と同様に角部に丸みを有している。換言すれば、電極3も丸みを有する角部X1を備える。
【0062】
曲面25の曲率半径(即ち、角部X2の曲率半径)は、例えば、10μm以上であってもよい。これにより、半導体基板2の角部X2にかかる応力をより効果的に分散させることができる。
【0063】
本実施形態では、図6Cに示すように、半導体基板2は、主面21の1つの角部だけでなく、主面21の全ての角部において丸みを有している。なお、半導体基板2は、主面21の少なくとも1つの角部において丸みを有していてもよい。
【0064】
このように、第2の実施形態によれば、電極3だけでなく、半導体基板2も角部X2において丸みを有している。このため、半導体基板2の角部X2にかかる応力を分散することができる。これにより、半導体装置1Aの耐久性をより向上させることができる。たとえば、半導体装置の薄化により電極3が薄い場合であっても、本実施形態によれば、半導体基板2も角部X2おいて丸みを有するので、半導体装置1Aの耐久性を維持、向上させることができる。
【0065】
また、第1の実施形態では、電極3が角部X1において丸みを有することとしていたが、第2の実施形態では、半導体基板2が角部X2において丸みを有している。このため、半導体装置1が横型MOSFETである場合など、主面21上に電極が配置されていない場合(半導体基板2の一方の主面にのみ電極が配置されている場合)でも、第2の実施形態は同様に適用可能である。
【0066】
<半導体装置1Aの製造方法>
以下、図面を参照しながら、半導体装置1Aの製造方法を説明する。角部X2に丸みを持たせる製法の一例として、エッチングまたはスペーサを用いる製法について説明する。図7A図7Cはエッチングによる製造方法(第3の例)を示し、図8A図8Cはスペーサを用いる方法(第4の例)を示す。
【0067】
[第3の例(エッチング)]
まず、図7A(1)に示されるように、主面21と、主面21と反対側の主面22を有し、主面22上に電極層4Aが配置されたウェハ2Wを用意する。補強のため、ウェハ2Wは、ガラス板等の支持部材(図示せず)に貼り合わせられてもよい。
【0068】
次に、図7A(2)に示されるように、ウェハ2Wの主面21上にレジストRを塗布する。
【0069】
次に、図7A(3)に示されるように、レジストRを、ウェハ2WのダイシングラインLの交点に対応する位置において、選択的に露光する。その後、現像することにより、底面に主面21が露出する開口OPを格子点状に(つまり、ダイシングラインLの交点に対応する位置に)形成する。第1の例と同様に、開口OPはダイシングラインLの交点に対応する位置に、格子点状に形成される。なお、開口OPの形状は円形状など、如何なる形状であってもよい。
【0070】
次に、図7A(4)に示されるように、開口OPの底面に露出した半導体基板2をエッチングすることにより、半導体基板2に複数の凹部RE2を格子点状に形成する。凹部RE2の深さは、例えば10μm以上である。エッチングはドライエッチングまたはウェットエッチングである。凹部RE2を形成することにより、後にウェハ2Wを複数の半導体装置1Aに個片化したときに、半導体基板2が角部X2において丸みを有するようになる。
【0071】
次に、図7B(1)に示されるように、レジストRを、現像液などを用いて除去する。これにより、ダイシングラインLの交点に沿って凹部RE2が配置された状態になる。
【0072】
次に、図7B(2)に示されるように、ウェハ2Wの主面21上に、電極層3Aを形成する。例えば、蒸着法またはスパッタリング法などにより、主面21上に電極層3Aを形成する。
【0073】
次に、図7B(3)に示されるように、電極層3A上にダイシングテープDを貼り付ける。この後、ウェハ2Wにガラス板等の支持部材が貼り合わされている場合は、支持部材を取り外す。
【0074】
次に、図7B(4)に示されるように、ダイシングラインLに沿ってウェハ2Wをダイシングすることにより、ウェハ2Wを複数の半導体装置1Aに個片化する。ダイシングは、ブレードダイシングまたはレーザダイシング等の任意の方法で行われる。
【0075】
次に、図7C(1)に示されるように、ダイシングテープDを引き延ばす。そして、図7C(2)に示されるように、個片化された半導体装置1Aを、突き上げピンPを用いて突き上げ、コレットCを用いてピックアップする。
【0076】
上記工程を経て、第2の実施形態に係る半導体装置1Aが製造される。
【0077】
次に、スペーサを用いる半導体装置1Aの製造方法について説明する。
【0078】
[第4の例(スペーサ)]
まず、図8A(1)に示されるように、主面21と、主面21と反対側の主面22を有し、主面22上に電極層4Aが配置されたウェハ2Wを用意する。補強のため、ウェハ2Wは、ガラス板等の支持部材(図示せず)に貼り合わせられてもよい。
【0079】
次に、図8A(2)、図8Dに示されるように、ウェハ2Wの所定のダイシングラインLの交点に対応する位置における、電極層4A上に、格子点状にスペーサSを形成する。スペーサSは、例えばポリイミドからなる。図8Dは、図8A(1)に示される状態の上面図である。スペーサSの高さ(厚み)は、たとえば、10μm以上である。
【0080】
次に、図8A(3)に示されるように、ウェハ2Wを、主面22側が支持治具Jに対向するように、支持治具J上に配置する。
【0081】
次に、図8A(4)および図8B(1)に示されるように、ウェハ2Wの主面21側を、研削機POを用いて研削する(バックグラインド工程)。このとき、研削機POはウェハ2Wを支持治具Jに押し付けながら研削する。そのため、ウェハ2Wの、スペーサSが形成されている部分は、スペーサSが形成されていない部分に比べ、より強い圧力がかかるため、研削される量が多くなる。
【0082】
研削中は、ウェハ2Wが研削機POによって支持治具Jに押し付けられるため、図8B(1)に示されるように、ウェハ2W(および電極層4A)が歪む。研削が終了し、研削機POの押し付け力がなくなると、図8B(2)に示されるように、ウェハ2Wの形状が元に戻る。その結果、主面21において、スペーサSの真上に位置する部分が凹み、凹部RE3が形成される。凹部RE3を形成することにより、後にウェハ2Wを複数の半導体装置1Aに個片化したときに、半導体基板2が角部X1において丸みを有するようになる。スペーサSの高さが10μm以上であるとき、凹部RE3の深さは、例えば10μm以上である。
【0083】
次に、図8B(3)に示されるように、ウェハ2Wの主面21上に、電極層3Aを形成する。たとえば、蒸着法またはスパッタリング法などにより、主面21上に電極層3Aを形成する。
【0084】
次に、図8B(4)に示されるように、電極層3A上にダイシングテープDを貼り付ける。その後、図8C(1)および図8Eに示されるように、ダイシングラインLに沿ってウェハ2Wをダイシングすることにより、ウェハ2Wを複数の半導体装置1Aに個片化する。ダイシングは、ブレードダイシングまたはレーザダイシング等の任意の方法で行われる。
【0085】
次に、図8C(2)および図8Fに示されるように、ダイシングテープDを引き延ばす。その後、図8C(3)に示されるように、個片化された半導体装置1Aを、突き上げピンPを用いて突き上げ、コレットCを用いてピックアップする。
【0086】
上記工程を経て、第2の実施形態に係る半導体装置1Aが製造される。
【0087】
なお、上記の説明では、スペーサSを半導体装置1Aから除去していないが、スペーサSを半導体装置1Aから除去してもよい。また、バックグラインド工程前にダイシングを行う、いわゆる先ダイシング法を採用してもよい。
【0088】
第3の例または第4の例のいずれにせよ、上記の半導体装置1Aの製造方法によれば、半導体基板2の角部X2に丸みを形成することにより、電極3の角部X1にも丸みを形成する。そのため、第2の実施形態に係る半導体装置1Aの製造方法によっても、第1の実施形態に係る半導体装置1の製造方法と同様に、半導体装置1AをダイシングテープDから剥離し易くすることができる。また、ダイシング時に発生するバリ(電極3の金属バリ等)がダイシングテープDに食い込む可能性を低減することができる。これにより、半導体装置1Aが薄い場合であっても、半導体装置1Aのピックアップ成功率を向上させることができ、半導体装置1Aの歩留まりを向上させることができる。
【0089】
また、第3の例または第4の例のいずれについても、角部X2の曲率半径は10μm以上であってもよい。その場合、角部X2の形状(丸み)に追随して、角部X1の曲率半径も10μm以上になる。これにより、半導体装置1AがダイシングテープDからより剥離し易くなり、半導体装置1Aのピックアップ成功率を向上させることができる。
【0090】
(変形例)
次に、図9を参照して第2の実施形態の変形例を説明する。図9に示されるように、本変形例において、半導体基板2の主面21および側面23は、曲面26を介して互いに接続されている。これにより、半導体基板2は主面21および側面23からなる辺部Y2においても丸みを有する。換言すれば、半導体基板2は、丸みを有する辺部Y2を有する。
【0091】
本実施形態では、図9に示すように、半導体基板2は、主面21の1つの辺部だけでなく、主面21の全ての辺部において丸みを有している。なお、半導体基板2は、主面21の少なくとも1つの辺部において丸みを有してもよい。
【0092】
本変形例によれば、半導体基板2が、角部X2だけでなく、辺部Y2においても丸みを有しているため、辺部Y2にかかる応力を分散させることができる。よって、半導体装置1Aの耐久性をより向上させることができる。
【0093】
また、半導体基板2が本変形例のような形状をとることにより、製造工程において、角部X2だけでなく、辺部Y2においても、ダイシングテープDから剥離し易くなるため、半導体装置1Aのピックアップをより容易にし、半導体装置1Aの歩留まりをさらに向上させることができる。
【0094】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態および実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態および実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態および実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0095】
1、1A 半導体装置
2 半導体基板
2W ウェハ
3、4 電極
3A、4A 電極層
10 半導体モジュール
11、13 接合材
12、14 金属部材
15 封止材
21、22 主面
23、24 側面
25、26 曲面
31、32 主面
33、34 側面
35、36 曲面
A 領域
A1 矢印
A2 矢印
C コレット
D ダイシングテープ
J 支持治具
L ダイシングライン
OP 開口
P 突き上げピン
PO 研削機
R レジスト
RE1、RE2、RE3 凹部
S スペーサ
T 厚さ
X1、X2 角部
Y1、Y2 辺部
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9