IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ニューギンの特許一覧

<>
  • 特開-遊技機 図1
  • 特開-遊技機 図2
  • 特開-遊技機 図3
  • 特開-遊技機 図4
  • 特開-遊技機 図5
  • 特開-遊技機 図6
  • 特開-遊技機 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131236
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A63F7/02 312Z
A63F7/02 312C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041371
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】石田 嘉也
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088EA24
(57)【要約】
【課題】遊技釘の調整を困難にして、所期の遊技性能を維持し得る遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤20には、ゲート部33の上方に、第2球流下経路26bを流下するパチンコ球を、ゲート部33の通過口33に導く複数の案内遊技釘23A~23Fが植設されている。枠状装飾体25に、案内遊技釘23A~23Fを前側から覆う第1の規制部材37が配設される。第1の規制部材37の第1の前カバー部38に、案内遊技釘23A~23Fに対応して遊技盤側に開口する複数の規制部39~42が設けられる。各規制部39~42の内側面を構成する指標面は、案内遊技釘23A~23Fの頭部の側方に位置し、案内遊技釘23A~23Fの延在方向と交差する方向への所定量以上の変位を規制する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域が前面側に形成された遊技盤に、前記遊技領域に臨む複数の遊技釘が設けられた遊技機において、
前記遊技釘の延在方向と交差する方向への該遊技釘の所定量以上の変位を規制する規制部材を着脱自在に備え、
前記規制部材における前記遊技釘の側方に位置し、該遊技釘との距離を識別可能な指標面は、前記遊技釘から所定間隔離間して位置すると共に、前記遊技釘に沿う曲面または複数面で構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球が流下可能な遊技領域が前面側に形成された遊技盤に多数の遊技釘が設けられた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機は、パチンコ球(遊技球)が流下可能な遊技領域が前面側に形成された遊技盤に、パチンコ球が入賞可能な普通入賞口や始動入賞口(始動入賞手段)、および演出図柄(所謂飾図)を変動表示して図柄変動演出を行う液晶式やドラム式等の表示装置(表示手段)が設けられている。また、遊技領域には、遊技盤の前面に植設された多数の遊技釘が、入賞部材や装飾体といった遊技部材の配設領域を避けて点在している(例えば、特許文献1参照)。そして、パチンコ機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が、遊技領域内の遊技釘や遊技部材等との接触により跳ね返りながら次第に自重により流下し、該遊技領域を流下する過程で前記始動入賞口に入賞することにより、前記表示装置で図柄変動に伴うリーチ演出等の各種の遊技演出がなされ、該表示装置に図柄が所定の組み合わせで停止することにより所謂大当りが発生し、遊技盤に設けられた特別入賞装置が開放して多数の賞球を獲得し得るよう構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-81244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技機メーカーでは、入賞率や出球率等の遊技性能が、パチンコ機に予め設定された値となるように、複数の遊技釘の釘間隔や打ち込み角度などを調整して出荷している。しかし、複数の遊技釘の釘間隔や打ち込み角度が、遊技店において入賞口等へ遊技球が全く入球しないような過度に調整されてしまうと、パチンコ機に予め設定された所期の遊技性能を発揮できなくなる問題があった。
【0005】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、遊技釘の調整を困難にして、所期の遊技性能を維持し得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(26)が前面側に形成された遊技盤(20)に、前記遊技領域(26)に臨む複数の遊技釘(23A~23J,56)が設けられた遊技機において、
前記遊技釘(23A~23J,56)の延在方向と交差する方向への該遊技釘(23A~23J,56)の所定量以上の変位を規制する規制部材(37,49,55)を着脱自在に備え、
前記規制部材(37,49,55)における前記遊技釘(23A~23J,56)の側方に位置し、該遊技釘(23A~23J,56)との距離を識別可能な指標面(39a~42a,51a,52a,58a)は、前記遊技釘(23A~23J,56)から所定間隔離間して位置すると共に、前記遊技釘(23A~23J,56)に沿う曲面または複数面で構成されていることを要旨とする。
このように、遊技釘の変位を規制部材によって規制することで、遊技釘の調整を困難にして、所期の遊技性能を維持することができる。また、規制部材は着脱可能であるので、該規制部材の交換等のメンテナンスを容易に行うことができる。更に、規制部材の指標面と遊技釘との間隔の変化によって、遊技釘が適正な位置に配置されているか否かを容易に判断できる。更にまた、指標面を遊技釘に沿う曲面または複数面で構成しているので、遊技盤に対する遊技釘の打ち込み角度に応じて該遊技釘の変位を適切に規制することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る遊技機によれば、遊技釘の調整を困難にして、所期の遊技性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
図2】実施例に係る遊技盤を示す概略正面図である。
図3】実施例に係る遊技盤の要部概略正面図である。
図4】実施例の第1の前カバー部に設けた規制部と案内遊技釘との関係を示す説明図である。
図5】実施例の第2の前カバー部に設けた規制部と案内遊技釘との関係を示す説明図である。
図6】実施例の第1の前カバー部および遊技盤を、第1規制部の位置で縦断して示す説明図である。
図7】別実施例の規制部材の指標面と案内遊技釘との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例0010】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、複数種類の図柄を変動表示可能な表示手段としての表示装置(演出手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透明保護板13bで前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。実施例では、前記表示装置17としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
【0011】
図1に示す如く、前記前枠13には、窓部13aを囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。そして、ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記表示装置17で行われる各種の表示演出(図柄変動演出)に合わせて光による演出や音による演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記ランプ装置18やスピーカ19は、表示装置17と同様に演出手段としての機能を有している。
【0012】
前記前枠13の右下方位置には、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで前記打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を操作することで、前記遊技盤20に形成された第1球流下経路26a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された第2球流下経路26b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。
【0013】
(遊技盤20について)
実施例の前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材から所定板厚の略矩形状に形成された平板状の透明板(遊技領域形成部材)であって、該遊技盤20の裏側に前記表示装置17が着脱自在に組み付けられている。遊技盤20の前側には、図2に示す如く、前面(盤面)に配設された略円形状の案内レール21によりパチンコ球が流下可能(移動可能)な遊技領域26が画成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が当該遊技領域26内に打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、遊技盤20には、該遊技盤20との間に収容空間を画成する設置部材(図示せず)が配設されており、収容空間には、発光により演出を行う発光演出装置や、可動体の動作により演出を行う可動演出装置等の各種演出手段が設置されている。なお、前記表示装置17は、設置部材の裏側に取り付けられて、後述するように設置部材に設けた開口部(可視部)および枠状装飾体25(後述)の開口部25aを介して遊技盤20の前側から視認可能に臨むよう構成される。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
【0014】
前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口が前記遊技領域26内に複数開設されて、各装着口に対して各種遊技構成部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域26の最下部位置には、該遊技領域26に開口するアウト口22が開設されており、遊技領域26に打ち出されてアウト口22に入球したパチンコ球が機外に排出されるよう構成される。また、前記遊技盤20には、前記遊技領域26内に多数の遊技釘23が設けられると共に、後述する枠状装飾体25の左側方に、遊技領域26(第1球流下経路26a)を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技釘23や回転案内部材24との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に対して取り付けられる各種遊技構成部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
【0015】
実施例の前記遊技盤20には、図2に示す如く、前記案内レール21で囲まれた遊技領域26の略中央の大部分が開口する装着口に、前後に開口する開口部25aが形成された枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の開口部25aを介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。前記設置部材は、前記遊技盤20の外郭形状より僅かに小さな形状に形成された略矩形状の背面板と、該背面板の外周縁部から前方に突出する画壁部とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部の開口前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材とがネジにより固定される。また、前記設置部材の背面板には、前記枠状装飾体25の開口部25aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部が前後に開口するよう開設されると共に、該背面板の裏側に前記表示装置17が着脱自在に取り付けられて、該開口部を介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。
【0016】
(枠状装飾体25について)
前記枠状装飾体25は、図2に示す如く、前記遊技盤20に開設された前記装着口の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部(図示せず)と、該枠状基部に設けられて前記遊技盤20の前面より前方に突出し、前記遊技領域26と表示装置17の表示部17aを区切って該遊技領域26の内周を画成する庇状部25bと、該庇状部25bの後縁から外方に延出する薄板状の台板部25cとを備える。そして、前記枠状基部を装着口に挿入すると共に台板部25cを遊技盤20の前面に当接した状態で、該台板部25cをネジ等の固定手段で遊技盤20に固定することで、枠状装飾体25が遊技盤20に取り付けられる。ここで、前記庇状部25bは、図2に示す如く、前記枠状装飾体25(枠状基部)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するように設けられており、開口部25a側、すなわち表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。
【0017】
前記枠状装飾体25には、図2に示す如く、前記開口部25aの下側に、ステージ25dが設けられると共に、開口部25aの左側に、遊技領域26(第1球流下経路26a)に開口して該遊技領域26を流下するパチンコ球を取り込んでステージ25dに案内する球導入口25eが設けられ、該球導入口25eからステージ25dに通出されたパチンコ球は、ステージ25d上を左右に転動した後に、後述する第1始動入賞部30が配設されている遊技領域26に排出される。またステージ25dの後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる透明板25fが設けられ、ステージ25d上を転動するパチンコ球が表示装置17の表示部17a側に移動するのを該透明板25fで防止している。
【0018】
前記遊技盤20に画成された遊技領域26は、前記枠状装飾体25における庇状部25bの左側方をパチンコ球が流下する第1球流下経路26aと、該枠状装飾体25における庇状部25bの上方から右側方をパチンコ球が流下する第2球流下経路26bとに区画されている。これにより、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することで、遊技領域26に打ち出されたパチンコ球が第1球流下経路26aを流下する遊技形態(左打ちの遊技形態)および当該パチンコ球が第2球流下経路26bを流下する遊技形態(右打ちの遊技形態)の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。そして、実施例に係るパチンコ機10では、前記第1球流下経路26aをパチンコ球が流下する場合(左打ちの遊技形態の場合)に、パチンコ球が第2球流下経路26bを流下する場合に較べて後述する第1始動入賞部30にパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されると共に、該第2球流下経路26bをパチンコ球が流下する場合(右打ちの遊技形態の場合)に、パチンコ球が第1球流下経路26aを流下する場合に較べて後述するゲート部33、第2始動入賞部31および特別入賞部32へパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されている。
【0019】
(入球部について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、遊技領域26を流下するパチンコ球が入球可能な複数の入球部(具体的には、後述する第1始動入賞部30、第2始動入賞部31、ゲート部33、特別入賞部32、普通入賞部34)が設けられており、パチンコ球が入球した入球部に応じた制御が実行されることで所定の遊技を行い得るようになっている。具体的に、実施例のパチンコ機10では、前記入球部としての第1始動入賞部30が前記第1球流下経路26aを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられると共に、前記入球部としての第2始動入賞部31、特別入賞部32およびゲート部33が、前記第2球流下経路26bを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられている。なお、実施例の遊技盤20には、前記第1球流下経路26aに位置するよう入球部としての普通入賞部34が配置されており、第1球流下経路26aを流下させたパチンコ球が普通入賞部34に入賞し得るようになっている。
【0020】
(始動入賞部30,31について)
前記遊技盤20には、図2に示す如く、前記枠状装飾体25の下方位置に、遊技領域26に臨んで該遊技領域26(第1球流下経路26aおよび第2球流下経路26b)を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞部30が配設されると共に、該第1始動入賞部30の右側方において遊技領域26(第2球流下経路26b)に臨んで特別入賞部32が配設されている。また、枠状装飾体25の右側方に、遊技領域26(第2球流下経路26b)に臨んで該遊技領域26(第2球流下経路26b)を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部33が配設されている。更に、ゲート部33の下側に、第2始動入賞部31が配設されている。第1および第2始動入賞部30,31は、遊技領域26を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口30a,31aが設けられる。ここで、第1始動入賞部30は、第1始動入賞口30aが遊技領域26に常時開放する常時開放型の入賞部とされ、第2始動入賞部31は、所定の開放条件および閉鎖条件に従って第2始動入賞口31aが始動用開閉部材(開閉手段)31bにより開閉される開閉型の入賞部とされている。なお、第2始動入賞部31は、始動用開閉部材31bを開閉作動する始動入賞ソレノイド(図せず)を備え、該始動入賞ソレノイドがパチンコ機10の裏側に配置されたメイン制御基板(図示せず)によって駆動制御される。
【0021】
前記第1および第2始動入賞部30,31は、該第1および第2始動入賞口30a,31aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段(検出手段)としての始動入賞検出センサ(図示せず)が設けられている。前記始動入賞検出センサは、前記メイン制御基板に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサからの検出信号がメイン制御基板に入力されると、該メイン制御基板は、始動入賞検出センサからの検出信号の入力を賞球の払出条件として払出制御基板(図示せず)に制御信号を出力して球払出装置(図示せず)に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。また、第1および第2始動入賞検出センサによるパチンコ球の検出を遊技の開始条件とし、該開始条件の成立を契機として前記メイン制御基板が各種入賞情報(大当り判定用乱数等の遊技情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記表示装置17において図柄変動演出を実行するように、該表示装置17をサブ制御基板(図示せず)が制御するよう構成される。すなわち、実施例のパチンコ機10では、始動入賞検出センサがパチンコ球を検出したことを特定条件の成立として、該特定条件の成立を契機としてメイン制御基板が当り判定を行うよう構成されている。
【0022】
また、前記表示装置17での図柄変動演出の結果、該表示装置17に所定の当り表示(予め定められた特定表示)となる組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等の特定表示結果)で図柄(飾図)が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、大当り遊技の発生に伴って特別入賞部32の特別入賞口32aを所定の開放条件で開放する大当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
【0023】
(特別入賞部32について)
前記特別入賞部(入賞部)32は、遊技領域26(第2球流下経路26b)に開口する特別入賞口(入賞口)32aを開閉自在に閉成する特別用開閉部材(開閉手段)32bを備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド(図示せず)の駆動に伴って特別用開閉部材32bが閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記特別入賞部32には、前記特別入賞口32aに入賞したパチンコ球を検出する特別検出手段(検出手段)としての特別入賞検出(図示せず)が設けられている。特別入賞検出センサは、前記メイン制御基板に配線接続されており、特別入賞検出センサがパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板に出力し、該メイン制御基板は、特別入賞検出センサからの検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。前記特別入賞ソレノイドは、前記第1および第2始動入賞口30a,31aへのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口32aを開閉する大当り遊技が付与される場合に、前記表示装置17による図柄変動演出の終了後にメイン制御基板によって駆動制御される。なお、実施例のパチンコ機10では、前記第2始動入賞部31および特別入賞部32は、遊技盤20に着脱自在に配設した入賞ユニット35に設けられている。
【0024】
(ゲート部33について)
前記ゲート部33には、該ゲート部33をパチンコ球が通過したことを検出する検出手段としてのゲートセンサ(図示せず)が配設される。ゲートセンサは、前記メイン制御基板に配線接続されており、該ゲートセンサからメイン制御基板への検出信号の入力、すなわちゲートセンサのパチンコ球の検出に伴って各種通過検出情報(乱数等の遊技情報)が取得され、この取得した遊技情報に基づいて普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果、第2始動入賞口31aを開閉する普図当り遊技が付与される場合に、前記始動入賞ソレノイドが駆動制御されて始動用開閉部材31bが開閉動作するようになっている。
【0025】
(普通入賞部34について)
図2に示すように、前記普通入賞部34は、前記遊技領域26の左下部位置(第1球流下経路26a)において、パチンコ球が入賞可能な普通入賞口34aが上方に常時開口するよう前記遊技盤20に設けられており、第1球流下経路26aを流下するパチンコ球が一定の確率で普通入賞口34aに入賞し得るようになっている。普通入賞部34は、普通入賞口34aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサ(図示せず)が設けられている。普通入賞検出センサは、前記メイン制御基板に配線接続されている。そして、普通入賞検出センサからの検出信号がメイン制御基板に入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御基板が賞球の払い出しを決定し、前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。
【0026】
(表示装置17について)
前記表示装置17には、演出図柄としての前記飾図を変動表示可能な図柄列が複数列設定されており、前記第1始動入賞口30aまたは第2始動入賞口31aへの入賞(始動条件の成立)を契機として、各図柄列の飾図が変動開始されるようになっている。実施例の表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置(図柄が確定停止表示される位置、確定停止表示領域)が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列の有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインに確定停止表示される飾図の図柄組み合わせ図柄(表示結果)を導出するようになっている。すなわち、表示装置17では、始動条件の成立を契機として飾図(演出図柄)を変動表示した後に、所定の飾図(演出図柄)を有効停止位置に確定停止するよう構成される。なお、実施例の表示装置17には、3列の図柄列が左右横並び状に設定されると共に、各図柄列毎に飾図(演出図柄)の有効停止位置が1箇所ずつ定められており、3列の飾図(演出図柄)からなる図柄変動演出が行われるようになっている。そして、前記表示装置17における各図柄列の有効停止位置に確定停止表示された各図柄列の飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、大当り遊技(当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。
【0027】
(案内遊技釘23A~23Jについて)
図2図3図4に示す如く、前記遊技盤20には、前記ゲート部33の上方に、上流(上側)から流下してくるパチンコ球を、ゲート部33の通過口33aに導くように案内可能な複数の遊技釘23(他の遊技釘23と区別する場合は案内遊技釘23A~23Fという)が植設されている。すなわち、複数の案内遊技釘23A~23Fにより、第2球流下経路26bを流下するパチンコ球は、ゲート部33の通過口33aや、その他の領域へ振り分けられるようになっている。実施例では、通過口33aの上方において、左右方向にパチンコ球の通過を許容する間隔をあけて一対の第1案内遊技釘23A,23Bが左右方向に並んで配置されると共に、該第1案内遊技釘23A,23Bに対してパチンコ球の通過を許容しない間隔で下方に離間する位置に、左右方向にパチンコ球の通過を許容する間隔をあけて第2案内遊技釘23C,23Dが左右方向に並んで配置されている。そして、これら4つの案内遊技釘23A~23Dによって、パチンコ球をゲート部33の通過口33aに向けて案内可能な第1球通過路36Aが画成される。また、第2案内遊技釘23C,23Dの下方に、左右方向にパチンコ球の通過を許容する間隔をあけて第3案内遊技釘23E,23Fが左右方向に並んで配置され、該第3案内遊技釘23E,23Fの間に、第1球通過路36Aを通過したパチンコ球をゲート部33の通過口33aに向けて案内可能な第2球通過路36Bが画成される。なお、遊技釘23(案内遊技釘23A~23F)は、図6に示す如く、遊技盤20の盤面から突出する軸部23aと、該軸部23aの突出端に設けられた軸部23aより大径の円盤状で突出端面が弧状に形成された頭部23bとから構成され、前記第1案内遊技釘23A,23Bの間隔(釘間隔)、第2案内遊技釘23C,23Dの間隔(釘間隔)および第3案内遊技釘23E,23Fの間隔(釘間隔)とは、隣り合う軸部同士の間隔である。
【0028】
図2図5に示す如く、前記遊技盤20には、前記第2始動入賞部31の上方に、上流(上側)から流下してくるパチンコ球を、第2始動入賞部31の始動入賞口31aに導くように案内可能な複数の遊技釘23(他の遊技釘23と区別する場合は案内遊技釘23G~23Jという)が植設されている。すなわち、複数の案内遊技釘23G~23Jは、前記案内遊技釘23A~23Fと同様に、第2球流下経路26を流下するパチンコ球を、第2始動入賞部31の始動入賞口31aや、その他の領域へ振り分ける。実施例では、始動入賞口31aの上方において左側に偏った位置に、第4案内遊技釘23G、第5案内遊技釘23Hおよび第6案内遊技釘23Iが、上下方向にパチンコ球の通過を許容しない間隔で配置されると共に、始動入賞口31aの上方において右側に偏った位置に第7案内遊技釘23Jが配置されている。第4~第6案内遊技釘23G~23Iと、第7案内遊技釘23Jとの対向方向の離間間隔(釘間隔)は、パチンコ球の通過を許容する間隔に設定されて、第4~第6案内遊技釘23G~23Iと、第7案内遊技釘23Jとの間に、パチンコ球を第2始動入賞部31の始動入賞口31aに向けて案内可能な第3球通過路36Cが画成される。なお、第4~第6案内遊技釘23G~23Iは、第7案内遊技釘23J側が凹となる略弧状に配列されている。
【0029】
(第1の規制部材37について)
図3に示す如く、前記枠状装飾体25には、パチンコ機の遊技に影響える手段である前記ゲート部33より上流側の第2球流下経路26bに位置する、少なくとも前記案内遊技釘23A~23Fを、遊技盤20の盤面から前方に離間した位置で覆う第1の規制部材37が着脱自在に配設されている。第1の規制部材37は、枠状装飾体25の庇状部25bとの間で第2球流下経路26bを画成する前記案内レール21における左レール部21aとの間において、遊技盤20の盤面からパチンコ球の直径より離間して盤面との間に第2球流下経路26bを画成するよう盤面と略平行に延在する平板状の第1の前カバー部38を備える。第1の規制部材37は、少なくとも第1の前カバー部38が透明な材料(透明樹脂)で形成されて、第2球流下経路26bを流れるパチンコ球の動きを前側から視認可能に構成される。図4に示す如く、第1の前カバー部38には、前記案内遊技釘23A~23Fに対応する位置に、案内遊技釘23A~23Fの頭部23bを収容可能な規制部39~42が、少なくとも盤面側に開口する凹状に形成されている。実施例では、上下に並ぶ左側の第1案内遊技釘23Aおよび第2案内遊技釘23Cの2つの案内遊技釘23A,23Cをまとめて囲う盤面側に開口する第1規制部39と、上下に並ぶ右側の第1案内遊技釘23Bおよび第2案内遊技釘23Dの2つの案内遊技釘23B,23Dをまとめて囲う盤面側に開口する第2規制部40と、左側の1つの第3案内遊技釘23Eを囲う盤面側および下方(ゲート部側)に開口する第3規制部41と、右側の1つの第3案内遊技釘23Fを囲う盤面側および下方(ゲート部側)に開口する第4規制部42とが、第1の前カバー部38に形成されている。
【0030】
前記第1の前カバー部38に形成された第1規制部39~第4規制部42における前記頭部23bの側方に離間して位置する内側面は、第1案内遊技釘23A~第3案内遊技釘23Fの延在方向と交差する方向への該案内遊技釘23A~23Fの所定量以上の変位を規制する規制面(以後、指標面と称す)39a~42aとして機能する。図4に示す如く、前記第1規制部39および第2規制部40における各指標面39a,40aは、対応する各案内遊技釘23A,23C,23B,23Dの頭部23bの外形形状に合わせて該頭部23bの外周に沿い、頭部23bの直径より大径の半円弧状(曲面)の曲面部43と、両曲面部43,43を接続するよう直線状に延在する直線部44,44とから構成され、曲面部43および直線部44は、頭部23bから所定間隔離間している。そして、第1規制部39および第2規制部40において、対応する案内遊技釘23A,23Cまたは案内遊技釘23B,23Dを挟んで左右方向(第1球通過路36Aの幅方向)に対向する各直線部44と、頭部23bとの離間間隔Lは、左右方向に並ぶ第1案内遊技釘23A,23Bおよび第2案内遊技釘23C,23Dの釘間隔を、第1球通過路36Aの左右寸法(通路寸法)を狭めて、該第1球通過路36Aから前記ゲート部33の通過口33aへパチンコ球が全く入球しない間隔としたり、反対に釘間隔を極端に拡げてゲート部33の通過口33aへパチンコ球が過剰に入球する間隔としたりするのを規制し得る寸法に設定される。これにより、案内遊技釘23A~23Dの釘間隔を過度に狭める調整を困難にして、パチンコ機に初期設定した遊技性能が維持できなくなったり、または釘間隔を過度に拡げるゴト行為によって不正にパチンコ球が獲得されてしまうのを防ぐことができるようになっている。
【0031】
図4に示す如く、前記第3規制部41および第4規制部42における各指標面41a,42aは、対応する各案内遊技釘23E,23Fの頭部23bの外形形状に合わせて該頭部23bの外周に沿い、頭部23bの直径より大径の半円弧状(曲面)の曲面部45と、曲面部45の両端から下方に直線状に延在する直線部46,46とから構成され、該第3規制部41および第4規制部42においても、第1規制部39および第2規制部40と同様に、各直線部46と頭部23bとの離間間隔Lは、左右方向に並ぶ第3案内遊技釘23E,23Fの釘間隔を、第2球通過路36Bの左右寸法(通路寸法)を狭めて、該第2球通過路36Bから前記ゲート部33の通過口33aへパチンコ球が全く入球しない間隔としたり、反対に釘間隔を極端に拡げてゲート部33の通過口33aへパチンコ球が過剰に入球する間隔としたりするのを規制し得る寸法に設定される。
【0032】
すなわち、実施例の第1の規制部材37では、案内遊技釘23A~23Fにおける頭部23bの側方に対向する指標面39a~42aによって、左右方向に並ぶ第1案内遊技釘23A,23B、第2案内遊技釘23C,23Dおよび第3案内遊技釘23E,23Fの各釘間隔を、第1および第2球通過路36A,36Bの左右寸法を狭めて、球通過路36A,36Bから前記ゲート部33の通過口33aへパチンコ球が全く入球しない間隔としたり、反対に釘間隔を極端に拡げてゲート部33の通過口33aへパチンコ球が過剰に入球する間隔としたりするのを規制し得るよう設定される。
【0033】
図4に示す如く、前記第1の規制部材37の各規制部39~42における各指標面39a~42aは、各案内遊技釘23A~23Fの釘間隔や打ち込み角度などが、パチンコ機に予め設定された入賞率や出球率等の遊技性能を維持し得る位置(初期位置)に調整された状態(メーカーから出荷された状態)において、頭部23bの外周と、指標面39a~42a(具体的には直線部44,46)との左右方向の離間間隔Lが略等しくなるよう設定されて、案内遊技釘(具体的には頭部23b)23A~23Fと指標面39a~42aとの離間距離の変化を識別可能に設定される。すなわち、頭部23bが、左右方向に対向する指標面39a~42a(直線部44,46)の中間から左右方向にずれていれば、該案内遊技釘23A~23Fが初期位置から調整あるいはゴト行為されて変位したことが認識できるようになっている。また、各規制部39~42において、対応する案内遊技釘23A~23Fの頭部23bと対向する各曲面部43,45の離間距離についても、案内遊技釘23A~23Fの初期位置において周方向の全域において等しくなるよう設定されており、案内遊技釘23A~23Fの初期位置からの曲面部43,45との対向方向への変位も認識し得るようになっている。
【0034】
(リブ47について)
図6に示す如く、前記第1の前カバー部38には、遊技盤20の盤面に向けて突出するリブ47が設けられている。このリブ47は、前記第2球流下経路26bを流下するパチンコ球が当接可能なように、第2球流下経路26bに臨んでいる。実施例では、リブ47は、前記第1球通過路36Aより上流側の第2球流下経路26bに臨むように配置され、該リブ47によって、第2球流下経路26bを流下するパチンコ球の、第1球通過路36Aと、第1球通過路36A以外の第2球流下経路26bとを流下する割合を異ならせ得るよう構成されている。
【0035】
(発光手段48について)
図6に示す如く、前記遊技盤20には、前記第1の規制部材37における第1の前カバー部38と対向する位置に、第1の前カバー部38(前側)に向けて光を照射可能なLED等の発光手段48が配設されている。図6では、第1規制部39に対応する位置に設けた発光手段48を示しているが、他の規制部40~42に対応する部分にも発光手段48が夫々配設されている。そして、発光手段48から照射された光により、第1の前カバー部38を発光装飾し得ると共に、発光手段48から照射された光が前記指標面39a~42aで反射し得るよう構成される。また、指標面39a~42aで光が反射することで、第1~第4規制部39~42の内側に位置する各案内遊技釘23A~23Fの存在や、指標面39a~42aと案内遊技釘23A~23Fの頭部23bとの間隔の変化が感覚的に分かるようになる。すなわち、指標面39a~42aで反射した光が頭部23bに当った際に、指標面39a~42aと頭部23bとの離間距離が長い場合には頭部23bの反射光による光り方は弱くなるのに対し、指標面39a~42aと頭部23bとの離間距離が短かい場合には頭部23bの反射光による光り方は強くなり、光り方の強弱によって頭部23bの初期位置からの変位を認識できる。このように、案内遊技釘23A~23Fの変位を規制する指標面39a~42aは、遊技釘23A~23Fの存在や変位を指し示す機能を有する。
【0036】
(第2の規制部材49について)
図2に示す如く、前記入賞ユニット35には、パチンコ機の遊技に影響える手段である前記第2始動入賞部31より上流側の第2球流下経路26bに位置する、少なくとも前記案内遊技釘23G~23Jを、遊技盤20の盤面から前方に離間した位置で覆う第2の規制部材49が着脱自在に配設されている。第2の規制部材49は、前記第1の規制部材37と同様に、遊技盤20の盤面からパチンコ球の直径より離間して盤面との間に第2球流下経路26bを画成するよう盤面と略平行に延在する平板状の第2の前カバー部50を備え、第2の規制部材49は、少なくとも第2の前カバー部50が透明な材料(透明樹脂)で形成されて、第2球流下経路26bを流れるパチンコ球の動きを前側から視認可能に構成される。第2の前カバー部50には、図5に示す如く、前記案内遊技釘23G~23Jに対応する位置に、案内遊技釘23G~23Jの頭部23bを収容可能な規制部51,52が、盤面側に開口する凹状に形成されている。実施例では、始動入賞口31aの上方左側に偏って配置された3つの案内遊技釘23G~23Iをまとめて囲う第5規制部51と、始動入賞口31aの上方右側に偏って配置された第7案内遊技釘23Jを単独で囲う第6規制部52とが、第2の前カバー部50に形成されている。
【0037】
図5に示す如く、前記第2の前カバー部50に形成された第5規制部51および第6規制部52における前記頭部23bの側方に離間して位置する内側面は、前記第1規制部39~第4規制部42と同様に、対応する案内遊技釘23G~23Jの延在方向と交差する方向への該案内遊技釘23G~23Jの所定量以上の変位を規制する指標面51a,52aとして機能する。図5に示す如く、前記第5規制部51における指標面51aは、第4および第6案内遊技釘23G,23Iの各頭部23bの外形形状に合わせた半円弧状(曲面)の曲面部53と、両曲面部53,53を接続するよう3つの案内遊技釘23G~23Fの配列に合わせた弧状の弧状部54,54とから構成され、曲面部53および弧状部54は、頭部23bから所定間隔離間している。そして、第5規制部51の曲面部53において、第4または第6案内遊技釘23G,23Iの第7案内遊技釘23Jに対する接近離間方向(第3球通過路36Cを狭めたり拡げたりする方向)の頭部23bとの離間間隔L、および弧状部54において、第5案内遊技釘23Hの第7案内遊技釘23Jに対する接近離間方向の頭部23bとの離間間隔Lは、前記第1規制部39~第4規制部42と同様に、第3球通過路36Cを画成する第4~第6案内遊技釘23G~23Iと、第7案内遊技釘23Jとの釘間隔を、第3球通過路36Cの通路寸法を狭めて、該第3球通過路36Cから前記第2始動入賞部31の始動入賞口31aへパチンコ球が全く入球しない間隔としたり、反対に釘間隔を極端に拡げて第2始動入賞部31の始動入賞口31aへパチンコ球が過剰に入球する間隔としたりするのを規制し得る寸法に設定される。これにより、案内遊技釘23G~23Jの釘間隔を過度に狭める調整を困難にして、パチンコ機に初期設定した遊技性能が維持できなくなったり、または釘間隔を過度に拡げるゴト行為によって不正にパチンコ球が獲得されてしまうのを防ぐことができるようになっている。
【0038】
図5に示す如く、前記第6規制部52における指標面52aは、第7案内遊技釘23Jの頭部23bの外形形状に合わせた円形(曲面)に形成されて、頭部23bとの離間間隔Lは、頭部23bの周方向の全域において等しくなっている(第6規制部52の中央に頭部23bが位置する)。また、頭部23bと指標面52aとの離間間隔Lは、前記第5規制部51の指標面51aと案内遊技釘23G~23Iとの関係と同様に、第4~第6案内遊技釘23G~23Iと第7案内遊技釘23Jとの釘間隔を、第3球通過路36Cの通路寸法を狭めて、該第3球通過路36Cから前記第2始動入賞部31の始動入賞口31aへパチンコ球が全く入球しない間隔としたり、反対に釘間隔を極端に拡げて第2始動入賞部31の始動入賞口31aへパチンコ球が過剰に入球する間隔としたりするのを規制し得る寸法に設定される。
【0039】
また、前記第2の規制部材49においても、第5規制部51の指標面51aと第4~第6案内遊技釘23G~23Iの各頭部23bとの関係、および第6規制部52の指標面52aと第7案内遊技釘23Jの頭部23bとの関係は、前記第1の規制部材37の場合と同様に、対応する案内遊技釘23G~23Jの頭部23bから対向する各指標面51a,52aまでの離間距離(第3球通過路36Cを狭めたり拡げたりする方向の距離)が同じで、各指標面51a,52aに対する案内遊技釘23G~23Jの初期位置からの変位を認識し得るようになっている。前記第1および第2の規制部材37,49における各指標面39a~42a,51a,52aの前後方向の長さは、案内遊技釘23A~23Jを初期位置から変位するように曲げることで遊技盤20の盤面からの高さ位置が変化する頭部23bが当接して、該頭部23bのそれ以上の変位を規制し得る寸法に設定されている。なお、第2の規制部材49の第2の前カバー部50に、第2球流下経路26bを流下するパチンコ球が当接して流下方向を変化させるリブ(図示しない)が設けられている。また、遊技盤20における第2の前カバー部50に対応する位置に、該第2の前カバー部50に向けて光を照射する発光手段(図示せず)が設けられ、該発光手段から照射される光が対応する指標面51a,52aで反射するよう構成される。
【0040】
ここで、前記第4~第6案内遊技釘(第1の遊技釘)23G~23Iの遊技盤20に対する打ち込み角度は異なっている。そして、これら打ち込み角度が異なる3つの案内遊技釘23G~23Iを纏めで囲う前記第2の規制部材49の第5規制部51における指標面51aにおいて、第4および第6案内遊技釘(第1の遊技釘)23G,23Iの頭部23bに対向する部分(曲面部53)と、第5案内遊技釘(第2の遊技釘)23Hの頭部23bに対向する部分(弧状部54)とは、各案内遊技釘23G~23Iの打ち込み角度等の違いに応じた形状に形成されている。すなわち、第5規制部51の指標面51aは、変位を規制する第1の案内遊技釘23G,23Iに対応する指標面51a(曲面部53)の形状と、変位を規制する第2の案内遊技釘23Jに対応する指標面51a(弧状部54)の形状とが異なるように形成されている。
【0041】
前記第1および第2の規制部材37,49に対応して配設した前記発光手段48は、発光色が異なる複数の発光態様で発光することが可能に構成されて、各色の光が前記指標面39a~42a,51a,52aで反射可能になっている。また、パチンコ機10では、前記図柄変動演出中や大当り遊技中に、発光手段48で実行可能な発光演出として、発光態様が異なる複数種類が設定されている。そして、パチンコ機10では、前記第1および第2始動入賞検出センサによるパチンコ球の検出による開始条件の成立を契機として取得した入賞情報に基づいて、図柄変動演出中や大当り遊技中に実行する発光演出の種類を決定して発光手段48で実行させるよう構成される。複数種類の発光演出の夫々は、入賞情報に基づく特図当り抽選(当り判定)において大当りの場合に選択される確率と、はずれの場合に選択される確率との組み合わせによって、大当り遊技が付与される期待度が異なるように設定されている。すなわち、図柄変動演出中に実行される発光演出の種類によって、図柄変動演出後に大当り遊技が付与される期待度を示唆可能に構成されている。また、パチンコ機10では、大当り遊技の種類として、大当り遊技の終了後に遊技者にとって有利な特典状態(確変状態や変短状態)が付与される種類と、該特典状態が付与されない種類とが設定されて、複数種類の発光演出の夫々は、入賞情報に基づく特図当り抽選で決定された大当り遊技の種類が特典状態を付与する大当り遊技であった場合に選択される確率と、大当り遊技の種類が特典状態を付与しない大当り遊技であった場合に選択される確率との組み合わせによって、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が異なるように設定されている。すなわち、大当り遊技中に実行される発光演出の種類によって、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度を示唆可能に構成されている。このように、パチンコ機10では、発光手段48により実行される発光演出の種類によって、大当り遊技や特典状態のように遊技者にとって有利な有利状態が付与される期待度を示唆できるようになっている。なお、発光態様の種類としては、発光色の違いに限らず、点滅する間隔を異ならせるものであってもよい。
【0042】
実施例のパチンコ機10には、当該パチンコ機10に対する不正行為を検知するための不正検知センサとして、電波を検知する電波検知センサや、磁気を検知する磁気検知センサ等が、不正の対象となる前記ゲート部33、第1始動入賞部30、第2始動入賞部31、特別入賞部32および普通入賞部34等の遊技に影響を与える手段の近傍に配設されている。また、前記案内遊技釘23A~23Jの変位を規制する前記第1および第2の規制部材37,49は、不正検知センサによる電波や磁気の検知範囲内に位置するよう構成されている。
【0043】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機の作用につき説明する。
【0044】
実施例のパチンコ機10では、前記第1の規制部材37や第2の規制部材49によって案内遊技釘23A~23Jの変位を規制するよう構成したので、案内遊技釘23A~23Jの調整を困難にして、パチンコ機10において予め設定された入賞率や出球率等の所期の遊技性能を維持することができる。特に、第1の規制部材37や第2の規制部材49は、遊技に影響を与えるゲート部33や第2始動入賞部31にパチンコ球を導く案内遊技釘23A~23Jを対象として配置してあるので、所期の遊技性能をより好適に維持することができる。また、規制部材37,49は、遊技盤20に対して着脱可能に構成してあるので、該規制部材37,49の交換等のメンテナンスを容易に行うことができる。更に、規制部材37,49の指標面39a~42a,51a,52aと案内遊技釘23A~23Jとの間隔の変化によって、案内遊技釘23A~23Jが適正な位置(初期位置)に配置されているか否かを容易に判断できる。更にまた、第1および第2の規制部材37,49の各規制部39~42,51の指標面39a~42a,51aにおいて、直線部44,46や弧状部54を、半円弧状の曲面部43,45,53で接続するようにしたので、規制部39~42,51の端が欠けたり損傷するのを抑制できる。なお、第1の規制部材37の規制部41,42において、下方に開口する端部をR形状として、規制部材37の損傷等を抑制するようにしてもよい。
【0045】
実施例のパチンコ機10では、第1および第2規制部材37,49において案内遊技釘23A~23Jの前側を覆う前カバー部38,50は透明な材料で形成されているので、案内遊技釘23A~23Jの変位を規制する部材によってパチンコ球の動きが見え難くなることはなく、遊技者に不信感を与えるおそれはない。また、遊技盤20に設けた発光手段48から照射される光によって規制部材37,49の装飾性を高めることができ、興趣を向上し得る。また、発光手段48から照射された光が規制部材37,49の各指標面39a~42a,51a,52aで反射することで、案内遊技釘23A~23Jの存在を指し示すことができると共に、当該案内遊技釘23A~23Jの変位を容易に認識することが可能となり、遊技店による過度の釘調整や不正者によるゴト行為を認識でき、適正な対策を講じることができる。また、遊技店での調整ができない規制部材37,49に、パチンコ球の流下方向(動き)に影響を与えるリブ47を設けたので、遊技性能が遊技店によって改変されるのを防ぐことができる。また、規制部材37,49は遊技盤20に対して着脱可能であるので、パチンコ球が当接するリブ47が摩耗したり損傷した場合の交換が容易である。また、既存の規制部材37,49と、リブ47の配設位置が異なる規制部材とを交換することで、案内遊技釘の植設位置を変えることなく、任意の遊技性能に変更することができる。
【0046】
実施例のパチンコ機10では、前記第2の規制部材49における第5規制部51は、該第5規制部51の指標面51aで囲う第4案内遊技釘23Gおよび第6案内遊技釘23Iに対応して、該第4案内遊技釘23Gおよび第6案内遊技釘23Jの変位を規制する曲面部53と、第5案内遊技釘23Hと対応して、該第5案内遊技釘23Hの変位を規制する弧状部54との形状を、遊技盤20に対する案内遊技釘23G,23H,23Iの打ち込み角度や配設位置に応じた対応する形状に形成したので、各案内遊技釘23G,23H,23Iの変位を夫々適切に規制することができる。また、第2の規制部材49における第6規制部52は、該第6規制部52の指標面52aで囲う第7案内遊技釘23Jの頭部23bの外形に沿う曲面(円形)に形成されているので、当該第7案内遊技釘23Jの遊技盤20に対する打ち込み角度に応じて、該第7案内遊技釘23Jの径方向への変位を適切に規制することができる。
【0047】
(別実施例について)
図7は、規制部材に設けられる規制部の別実施例を示すものであって、別実施例の規制部材55には、前記ゲート部33や第2始動入賞部31へパチンコ球を導く案内遊技釘56を前側から覆う透明な前カバー部57に、該案内遊技釘56の頭部23bを囲う指標面58aを有する規制部58が設けられている。該規制部58における指標面58aは、図示の如く、多角形状に形成されている。多角形状の指標面58aにおける頭部23bと対向する各面と頭部23bとの離間間隔は、実施例と同様に、案内遊技釘56の延在方向と交差する方向への該案内遊技釘56の所定量以上の変位を規制し得る寸法に設定されている。このように、頭部23bを複数の面で囲うことで、遊技盤20に対する案内遊技釘56の打ち込み角度に合わせて頭部23bの径方向の変位を好適に規制することができる。
【0048】
(変更例)
本発明は実施例や別実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の各変更例を相互に組み合わせて採用することができると共に、実施例等に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 実施例等では、遊技に影響を与える手段として、ゲート部や第2始動入賞部を挙げたが、遊技に影響を与える手段としては、第1始動入賞部、特別入賞部、普通入賞部、あるいは枠状装飾体の導入口の何れであってもよい。
(2) 実施例等では、規制部材を、枠状装飾体や入賞ユニットに配設したが、規制部材を配設する対象は、遊技盤や、その他各種の装飾部材等に配設する構成を採用することができる。
(3) 実施例等では、別体で構成した規制部材を、枠状装飾体や入賞ユニット等の配設対象物に着脱自在に配設したが、遊技盤に対して着脱自在に配設されて、案内遊技釘の周囲に配置される各種部品に規制部材を一体で設ける構成を採用することができる。すなわち、遊技盤に配設される各種部品を規制部材として、当該部品における案内遊技釘の側方に対向位置する部位を、指標面として用いることができる。
(4) 実施例等では、規制部材に設けた規制部の内側面を指標面としたが、規制部材に設けた前後方向に貫通する貫通孔の内側面を指標面とすることができる。
(5) 規制部材に設けられるリブの数や位置は、規制部材の指標面で変位を規制する案内遊技釘の位置や数に応じて任意に設定することができる。
(6) 実施例等では、遊技盤に発光手段を配設したが、該発光手段は、遊技盤に配設される装飾部材や、可動体等に配設することができる。また、遊技盤を発光装飾する各種の発光手段を、規制部材に光を照射する発光手段として利用できる。
(7) 実施例では、遊技盤の盤面に対して指標面が垂直となるよう形成したが、遊技盤の盤面に対する案内遊技釘の打ち込み角度に合わせて傾斜させてもよい。また、案内遊技釘を挟む両側の指標面を、遊技盤の盤面に向けて拡開するように傾斜させてもよく、このように構成することで、遊技盤に設けた発光手段からの光を効果的に反射させることができる。
(8) 案内遊技釘の頭部と指標面との離間間隔は、案内遊技釘を挟む両側が同じ長さである必要はなく、異なっていてもよく、球通過路を画成する案内遊技釘の釘間隔を、ゲート部の通過口や第2始動入賞部の始動入賞口へパチンコ球が全く入球しない間隔としたり、反対に釘間隔を極端に拡げて通過口や始動入賞口へパチンコ球が過剰に入球する間隔としたりするのを規制し得る寸法に設定されていればよい。
(9) 規制部により変位が規制される案内遊技釘の植設位置より上流側の遊技領域に臨むように、該案内遊技釘に接触する前のパチンコ球が当接可能な緩衝部材(遊技釘以外の部材)を設ける構成を採用することができる。この構成によれば、緩衝部材によって速度が低下したパチンコ球が案内遊技釘に接触するようになるので、案内遊技釘の変形等を抑制することができる。なお、緩衝部材は、規制部材に対して連続するように設けたり、離間して設けたりすることができる。
【符号の説明】
【0049】
20 遊技盤
23A~23J,56 案内遊技釘(遊技釘)
26 遊技領域
37 第1の規制部材(規制部材)
39a~42a,51a,52a,58a 指標面
49 第2の規制部材(規制部材)
55 規制部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7