(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131247
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】サービス提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240920BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/10
B65G61/00 540
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041387
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】520057081
【氏名又は名称】株式会社アリラ
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(72)【発明者】
【氏名】松本 陽太
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】空地、未利用地を活用してコスト安価に垂直離着陸飛行体の離着陸ポイントを整備することができるサービス提供システムを提供する。
【解決手段】垂直離着陸飛行体11が離着陸する離着陸ポイント13に、垂直離着陸飛行体11の底面或いは側面に表記された機体記号を撮像するカメラ41を備えた設置端末装置30が設置される。設置端末装置30は、カメラ41が撮像した画像の画像データと、自己に付された端末IDと、着陸日時情報とを、インターネットを通じて管理サーバに送信する。管理サーバは、画像データから機体記号を取得し、端末IDから離着陸ポイント13を示すポートIDを取得する。管理サーバは、機体記号とポートIDと着陸時刻とを対応付けて管理データベースに登録する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信インタフェース、管理データベースを記憶するサーバメモリ、及び管理コントローラを有する管理サーバと、
離着陸ポイントに設置され、第2通信インタフェース、端末IDを記憶する端末メモリ、カメラ、センサ、及び端末コントローラを有する設置端末装置と、を備え、
上記カメラは、離着陸ポイントの側方に、離着陸ポイントの上方を撮像領域として配置され、
上記センサは、離着陸ポイントの側方に、上記撮像領域及び当該撮像領域の上方を含む領域を検知領域として配置され、
上記端末コントローラは、
上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに降下しているか否かを判断する降下判断処理と、
垂直離着陸飛行体が降下していると判断したことに基づいて、上記カメラに撮像を行わせて第1画像データを取得する第1画像データ取得処理と、
上記第1画像データ或いは当該第1画像データが示す画像に映る機体記号と、上記端末IDとを含む着陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する着陸情報送信処理と、を実行し、
上記管理コントローラは、
上記着陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する着陸情報受信処理と、
上記着陸情報に基づいて、上記機体記号を取得する第1機体記号取得処理と、
取得した上記機体記号、上記着陸情報が有する上記端末ID、及び着陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する着陸情報登録処理と、を実行する、サービス提供システム。
【請求項2】
上記端末コントローラは、
上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したか否かを判断する離陸判断処理と、
垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したと判断したことに基づいて、上記端末IDを含む離陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する離陸情報送信処理と、を更に実行し、
上記管理コントローラは、
上記離陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する離陸情報受信処理と、
上記機体記号、上記端末ID、及び離陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する離陸情報登録処理と、を更に実行する、請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
上記センサは、検知物体である垂直離着陸飛行体までの距離に応じた検出値を出力する測距センサであり、
上記端末コントローラは、
上記降下判断処理において垂直離着陸飛行体が降下していると判断した後であって、上記センサの検出値が示す距離が上記端末メモリに記憶された閾値距離となった直後に、上記第1画像データ取得処理を実行する、請求項1又は2に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
上記端末コントローラは、
上記離陸判断処理において垂直離着陸飛行体が離陸したと判断したことに基づいて、上記カメラに撮像を行わせて第2画像データを取得する第2画像データ取得処理を更に実行し、
上記離陸情報は、上記第2画像データを更に含み、
上記管理コントローラは、
上記離陸情報に基づいて、上記機体記号を取得する第2機体記号取得処理を更に実行する、請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
上記管理コントローラは、
上記第1機体記号取得処理において上記機体記号を取得できたか否かを判断する取得判断処理と、
上記機体記号を取得できなかったと判断したことに基づいて、再実行指示を含む肯定応答を、上記着陸情報に対する応答として上記第1通信インタフェースを通じて上記設置端末装置に返信し、上記機体記号を取得できたと判断したことに基づいて、再実行不要指示を含む肯定応答を、上記着陸情報に対する応答として上記第1通信インタフェースを通じて上記設置端末装置に返信する返信処理と、を実行し、
上記端末コントローラは、
上記再実行指示を受信したことに基づいて上記第2画像データ取得処理を実行する、請求項4に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
上記管理データベースは、
上記機体記号と事業者IDとを対応付けており、
且つ上記離着陸ポイントの使用に対する料金である離着陸設定料金と、単位時間当たりの駐機設定料金と、上記端末IDと、を対応付けており、
上記管理コントローラは、
上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記端末IDと対応付けられた上記離着陸設定料金及び上記駐機設定料金を取得する処理と、
上記着陸時刻及び上記離陸時刻に基づいて駐機時間を算出する処理と、
算出した上記駐機時間が閾値時間未満であることに基づいて、上記離着陸設定料金を使用料金に決定する処理と、
算出した上記駐機時間が上記閾値時間以上であることに基づいて、当該駐機時間及び上記駐機設定料金に基づいて駐機料金を算出し、当該駐機料金及び上記離着陸設定料金の合計を使用料金に決定する処理と、
決定した上記使用料金と、上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記機体記号と対応付けられた事業者IDと、を対応付けて上記管理データベースに登録する使用料金登録処理と、を更に実行する、請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項7】
上記管理コントローラは、
上記端末IDと、上記機体記号と、利用開始予定日時と、利用終了予定日時と、を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、
運送事業者からの閲覧要求を上記第1通信インタフェースを通じて受信したことに基づいて、上記端末IDに応じた情報、上記利用開始予定日時、及び上記利用終了予定日時を含む利用予定情報を返信する利用予定送信処理を更に実行する、請求項1又は2に記載のサービス提供システム。
【請求項8】
上記管理コントローラは、
上記端末IDと、上記離着陸ポイントのサイズを示す離着陸サイズ情報と、上記離着陸ポイントの設置種別を示す種別情報と、を更に対応付けて上記管理データベースに登録するポート情報登録処理と、
垂直離着陸飛行体のサイズを示す機体サイズ情報を上記機体記号と対応付けて上記管理データベースに登録する飛行体情報登録処理と、
上記端末ID、上記機体記号、利用開始予定日時、及び利用終了予定日時を含む利用申請を、上記第1通信インタフェースを通じて受信する利用申請受信処理と、
上記利用申請に含まれる上記端末IDと対応付けられた上記離着陸サイズ情報及び上記種別情報を上記管理データベースから取得し、且つ上記利用申請に含まれる上記機体記号と対応付けられた上記機体サイズ情報を上記管理データベースから取得する判断情報取得処理と、
上記判断情報取得処理で取得した上記離着陸サイズ情報、上記種別情報、及び上記機体サイズ情報に基づいて、垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズか否かを判断するサイズ判断処理と、
垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズであると判断したことに基づいて、上記利用申請に含まれる上記利用開始予定日時及び利用終了予定日時を上記端末IDと対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、を更に実行する、請求項1又は2に記載のサービス提供システム。
【請求項9】
第1通信インタフェース、管理データベースを記憶するサーバメモリ、及び管理コントローラを有する管理サーバと、
離着陸ポイントに設置され、第2通信インタフェース、端末IDを記憶する端末メモリ、カメラ、センサ、及び端末コントローラを有する設置端末装置と、を備え、
上記カメラは、離着陸ポイントに埋設されて上方を撮像領域とし、
上記端末コントローラは、
上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸したか否かを判断する着陸判断処理と、
垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸したと判断したことに基づいて、上記カメラに撮像を行わせて画像データを取得する画像データ取得処理と、
上記画像データ或いは当該画像データが示す画像に映る機体記号と、上記端末IDとを含む着陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する着陸情報送信処理と、を実行し、
上記管理コントローラは、
上記着陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する着陸情報受信処理と、
上記着陸情報に基づいて、上記機体記号を取得する機体記号取得処理と、
取得した上記機体記号、上記着陸情報が有する上記端末ID、及び着陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する着陸情報登録処理と、を実行する、サービス提供システム。
【請求項10】
上記端末コントローラは、
上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したか否かを判断する離陸判断処理と、
垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したと判断したことに基づいて、上記端末IDを含む離陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する離陸情報送信処理と、を更に実行し、
上記管理コントローラは、
上記離陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する離陸情報受信処理と、
上記機体記号、上記端末ID、及び離陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する離陸情報登録処理と、を更に実行する、請求項9に記載のサービス提供システム。
【請求項11】
上記カメラは、少なくとも一部が透明な天板を有するケース内に配置され、
上記設置端末装置は、上記ケース外に配置された明度センサをさらに有しており、
上記端末コントローラは、
上記カメラが出力した画像データが示す第1明度と、上記明度センサが検知した第2明度とを示す診断情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する診断情報送信処理を更に実行し、
上記管理コントローラは、
上記診断情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する診断情報受信処理と、
上記第1明度と上記第2明度との差、或いは上記第1明度と上記第2明度との比と、上記サーバメモリに記憶された閾値とに基づいて、メンテナンスが必要であるか否かを示すメンテナンス情報を上記管理データベースにおいて上記端末IDと対応付けて登録するメンテナンス情報登録処理と、を更に実行する、請求項9又は10に記載のサービス提供システム。
【請求項12】
上記管理データベースは、
上記機体記号と事業者IDとを対応付けており、
且つ上記離着陸ポイントの使用に対する料金である離着陸設定料金と、単位時間当たりの駐機設定料金と、上記端末IDと、を対応付けており、
上記管理コントローラは、
上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記端末IDと対応付けられた上記離着陸設定料金及び上記駐機設定料金を取得する処理と、
上記着陸時刻及び上記離陸時刻に基づいて駐機時間を算出する処理と、
算出した上記駐機時間が閾値時間未満であることに基づいて、上記離着陸設定料金を使用料金に決定する処理と、
算出した上記駐機時間が上記閾値時間以上であることに基づいて、当該駐機時間及び上記駐機設定料金に基づいて駐機料金を算出し、当該駐機料金及び上記離着陸設定料金の合計を使用料金に決定する処理と、
決定した上記使用料金と、上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記機体記号と対応付けられた事業者IDと、を対応付けて上記管理データベースに登録する使用料金登録処理と、を更に実行する、請求項10に記載のサービス提供システム。
【請求項13】
上記管理コントローラは、
上記端末IDと、上記機体記号と、利用開始予定日時と、利用終了予定日時と、を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、
運送事業者からの閲覧要求を上記第1通信インタフェースを通じて受信したことに基づいて、上記端末IDに応じた情報、上記利用開始予定日時、及び上記利用終了予定日時を含む利用予定情報を返信する利用予定送信処理を更に実行する、請求項9又は10に記載のサービス提供システム。
【請求項14】
上記管理コントローラは、
上記端末IDと、上記離着陸ポイントのサイズを示す離着陸サイズ情報と、上記離着陸ポイントの設置種別を示す種別情報と、を更に対応付けて上記管理データベースに登録するポート情報登録処理と、
垂直離着陸飛行体のサイズを示す機体サイズ情報を上記機体記号と対応付けて上記管理データベースに登録する飛行体情報登録処理と、
上記端末ID、上記機体記号、利用開始予定日時、及び利用終了予定日時を含む利用申請を、上記第1通信インタフェースを通じて受信する利用申請受信処理と、
上記利用申請に含まれる上記端末IDと対応付けられた上記離着陸サイズ情報及び上記種別情報を上記管理データベースから取得し、且つ上記利用申請に含まれる上記機体記号と対応付けられた上記機体サイズ情報を上記管理データベースから取得する判断情報取得処理と、
上記判断情報取得処理で取得した上記離着陸サイズ情報、上記種別情報、及び上記機体サイズ情報に基づいて、垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズか否かを判断するサイズ判断処理と、
垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズであると判断したことに基づいて、上記利用申請に含まれる上記利用開始予定日時及び利用終了予定日時を上記端末IDと対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、を更に実行する、請求項9又は10に記載のサービス提供システム。
【請求項15】
第1通信インタフェース、管理データベースを記憶するサーバメモリ、及び管理コントローラを有する管理サーバと、
離着陸ポイントに設置され、第2通信インタフェース、端末IDを記憶する端末メモリ、複数のカメラ、センサ、及び端末コントローラを有する設置端末装置と、を備え、
複数の上記カメラは、離着陸ポイントの周囲に相互に離間して配置されて当該離着陸ポイントを囲み、且つ当該離着陸ポイントを撮像領域としており、
上記端末コントローラは、
上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸したか否かを判断する着陸判断処理と、
垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸したと判断したことに基づいて、上記カメラに撮像を行わせて画像データを取得する画像データ取得処理と、
上記画像データ或いは当該画像データが示す画像に映る機体記号と、上記端末IDとを含む着陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する着陸情報送信処理と、を実行し、
上記管理コントローラは、
上記着陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する着陸情報受信処理と、
上記着陸情報に基づいて、上記機体記号を取得する機体記号取得処理と、
取得した上記機体記号、上記着陸情報が有する上記端末ID、及び着陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する着陸情報登録処理と、を実行する、サービス提供システム。
【請求項16】
上記端末コントローラは、
上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したか否かを判断する離陸判断処理と、
垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したと判断したことに基づいて、上記端末IDを含む離陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する離陸情報送信処理と、を更に実行し、
上記管理コントローラは、
上記離陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する離陸情報受信処理と、
上記機体記号、上記端末ID、及び離陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する離陸情報登録処理と、を更に実行する、請求項15に記載のサービス提供システム。
【請求項17】
上記管理データベースは、
上記機体記号と事業者IDとを対応付けており、
且つ上記離着陸ポイントの使用に対する料金である離着陸設定料金と、単位時間当たりの駐機設定料金と、上記端末IDと、を対応付けており、
上記管理コントローラは、
上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記端末IDと対応付けられた上記離着陸設定料金及び上記駐機設定料金を取得する処理と、
上記着陸時刻及び上記離陸時刻に基づいて駐機時間を算出する処理と、
算出した上記駐機時間が閾値時間未満であることに基づいて、上記離着陸設定料金を使用料金に決定する処理と、
算出した上記駐機時間が上記閾値時間以上であることに基づいて、当該駐機時間及び上記駐機設定料金に基づいて駐機料金を算出し、当該駐機料金及び上記離着陸設定料金の合計を使用料金に決定する処理と、
決定した上記使用料金と、上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記機体記号と対応付けられた事業者IDと、を対応付けて上記管理データベースに登録する使用料金登録処理と、を更に実行する、請求項16に記載のサービス提供システム。
【請求項18】
上記管理コントローラは、
上記端末IDと、上記機体記号と、利用開始予定日時と、利用終了予定日時と、を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、
運送事業者からの閲覧要求を上記第1通信インタフェースを通じて受信したことに基づいて、上記端末IDに応じた情報、上記利用開始予定日時、及び上記利用終了予定日時を含む利用予定情報を返信する利用予定送信処理を更に実行する、請求項15又は16に記載のサービス提供システム。
【請求項19】
上記管理コントローラは、
上記端末IDと、上記離着陸ポイントのサイズを示す離着陸サイズ情報と、上記離着陸ポイントの設置種別を示す種別情報と、を更に対応付けて上記管理データベースに登録するポート情報登録処理と、
垂直離着陸飛行体のサイズを示す機体サイズ情報を上記機体記号と対応付けて上記管理データベースに登録する飛行体情報登録処理と、
上記端末ID、上記機体記号、利用開始予定日時、及び利用終了予定日時を含む利用申請を、上記第1通信インタフェースを通じて受信する利用申請受信処理と、
上記利用申請に含まれる上記端末IDと対応付けられた上記離着陸サイズ情報及び上記種別情報を上記管理データベースから取得し、且つ上記利用申請に含まれる上記機体記号と対応付けられた上記機体サイズ情報を上記管理データベースから取得する判断情報取得処理と、
上記判断情報取得処理で取得した上記離着陸サイズ情報、上記種別情報、及び上記機体サイズ情報に基づいて、垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズか否かを判断するサイズ判断処理と、
垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズであると判断したことに基づいて、上記利用申請に含まれる上記利用開始予定日時及び利用終了予定日時を上記端末IDと対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、を更に実行する、請求項15又は16に記載のサービス提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直離着陸可能な飛行体の離着陸ポイントの提供に関するサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる「空飛ぶ車」や「ドローン」などの垂直離着陸飛行体が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された垂直離着陸飛行体は自律制御型であり、搭載された制御プログラムによって飛行及び離着陸を自動で行う。離着陸ポイントや飛行ルートは、移動体通信網及びインターネットを通じてサーバから垂直離着陸飛行体に送信される。
【0003】
垂直離着陸飛行体は、例えば旅客や荷物の運送(運送事業)に用いられる(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された垂直離着陸飛行体は、荷物とともに車両によって宅配邸の近くまで運ばれる。荷物を乗せた垂直離着陸飛行体は、宅配邸まで飛行して荷物の配達を行う。垂直離着陸飛行体は、荷物の配達後、車両に戻る。そして、車両は、次の宅配邸の近くまで移動する。
【0004】
特許文献1に記載された上記車両は、いわゆるEVパレットと呼ばれる自動運転可能な無人の電動車両である。垂直離着陸飛行体及び当該車両は、運行管理サーバからの指示を受けて飛行或いは走行する。この運行管理サーバにより、垂直離着陸飛行体及び車両の運行を一括管理する運行管理システムが構築されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-57225号公報
【特許文献2】特開2019-131332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
垂直離着陸飛行体を用いて運送事業を行うには、多数の離着陸ポイントが必要となる。特許文献2に記載された運行管理システムでは、多数の離着陸ポイントの代わりに車両を用いている。運送事業者が離着陸ポイントを設置する土地を準備するにしても、離着陸ポイントを設置した車両を準備するにしても、多大な設備投資費用や運用コストが必要になる。
【0007】
一方で、従来、日本国内での空地や未利用地の有効活用の要請がある。
【0008】
そこで、本願発明の目的は、空地、未利用地を活用してコスト安価に垂直離着陸飛行体の離着陸ポイントを整備することができるサービス提供システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明に係るサービス提供システムは、第1通信インタフェース、管理データベースを記憶するサーバメモリ、及び管理コントローラを有する管理サーバと、離着陸ポイントに設置され、第2通信インタフェース、端末IDを記憶する端末メモリ、カメラ、センサ、及び端末コントローラを有する設置端末装置と、を備える。上記カメラは、離着陸ポイントの側方に、離着陸ポイントの上方を撮像領域として配置されている。上記センサは、離着陸ポイントの側方に、上記撮像領域及び当該撮像領域の上方を含む領域を検知領域として配置されている。上記端末コントローラは、上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに降下しているか否かを判断する降下判断処理と、垂直離着陸飛行体が降下していると判断したことに基づいて、上記カメラに撮像を行わせて第1画像データを取得する第1画像データ取得処理と、上記第1画像データ或いは当該第1画像データが示す画像に映る機体記号と、上記端末IDとを含む着陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する着陸情報送信処理と、を実行する。上記管理コントローラは、上記着陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する着陸情報受信処理と、上記着陸情報に基づいて、上記機体記号を取得する第1機体記号取得処理と、取得した上記機体記号、上記着陸情報が有する上記端末ID、及び着陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する着陸情報登録処理と、を実行する。
【0010】
センサは、検知物体である垂直離着陸飛行体までの距離を検知する測距センサ或いはレーダセンサなど、垂直離着陸飛行体の降下を検知可能なセンサである。或いは、センサ及びカメラは、垂直離着陸飛行体までの距離を算出可能且つ第1画像データを生成可能なステレオカメラや3Dレーザセンサ(いわゆる、レーザスキャナ)などである。端末コントローラは、センサの検出値に基づいて垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに対して降下していると判断すると、垂直離着陸飛行体の底面に表記された機体記号をカメラに撮像させ、第1画像データを取得する。端末コントローラは、取得した第1画像データ或いは当該第1画像データが示す画像に映る機体記号と、離着陸ポイントを示す端末IDとを含む着陸情報を管理サーバに送信する。管理サーバは、離着陸ポイントを識別する端末IDと、垂直離着陸飛行体を識別する機体記号と、着陸時刻とを対応付けて管理データベースに登録する。すなわち、管理サーバは、いずれの離着陸ポイントに、いずれの垂直離着陸飛行体が、いつ着陸したかを管理することができる。その結果、空地、未利用地を活用することができ、且つコスト安価に運送事業者に多数の離着陸ポイントを提供することができる。
【0011】
(2) 上記端末コントローラは、上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したか否かを判断する離陸判断処理と、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したと判断したことに基づいて、上記端末IDを含む離陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する離陸情報送信処理と、を更に実行してもよい。上記管理コントローラは、上記離陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する離陸情報受信処理と、上記機体記号、上記端末ID、及び離陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する離陸情報登録処理と、を更に実行する。
【0012】
着陸情報に加え、離陸情報が管理データベースに登録される。すなわち、管理サーバは、いずれの垂直離着陸飛行体が、いずれの離着陸ポイントから、いつ離陸したかも管理することができる。
【0013】
(3) 上記センサは、検知物体である垂直離着陸飛行体までの距離に応じた検出値を出力する測距センサであってもよい。上記端末コントローラは、上記降下判断処理において垂直離着陸飛行体が降下していると判断した後であって、上記センサの検出値が示す距離が上記端末メモリに記憶された閾値距離となった直後に、上記第1画像データ取得処理を実行する。
【0014】
降下する垂直離着陸飛行体までの距離が遠いと、天候によっては、撮像画像から機体記号を取得できないおそれが生じる。また、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに接近し過ぎると、垂直離着陸飛行体の底面に表記された機体記号を撮像できなくなる。端末コントローラは、垂直離着陸飛行体が閾値距離まで近づいたことに基づいてカメラに撮像を行わせるから、撮像画像から機体記号を取得することができる。
【0015】
(4) 上記端末コントローラは、上記離陸判断処理において垂直離着陸飛行体が離陸したと判断したことに基づいて、上記カメラに撮像を行わせて第2画像データを取得する第2画像データ取得処理を更に実行してもよい。上記離陸情報は、上記第2画像データを更に含む。上記管理コントローラは、上記離陸情報に基づいて、上記機体記号を取得する第2機体記号取得処理を更に実行する。
【0016】
設置通信端末或いは管理サーバは、着陸情報が有する第1画像データから機体記号を取得できなかった場合、離陸情報が有する第2画像データから機体記号を取得する。したがって、管理サーバにおける機体記号の取得の確実性が向上する。
【0017】
(5) 上記管理コントローラは、上記第1機体記号取得処理において上記機体記号を取得できたか否かを判断する取得判断処理と、上記機体記号を取得できなかったと判断したことに基づいて、再実行指示を含む肯定応答を、上記着陸情報に対する応答として上記第1通信インタフェースを通じて上記設置端末装置に返信し、上記機体記号を取得できたと判断したことに基づいて、再実行不要指示を含む肯定応答を、上記着陸情報に対する応答として上記第1通信インタフェースを通じて上記設置端末装置に返信する返信処理と、を実行してもよい。上記端末コントローラは、上記再実行指示を受信したことに基づいて上記第2画像データ取得処理を実行する。
【0018】
端末コントローラは、再実行指示を受信した場合にのみ第2画像データ取得処理を実行するから、端末コントローラが常に第2画像データ取得処理を実行する場合に比べ、設置端末装置と管理サーバとの間の通信量を低減することができる。
【0019】
(6) 上記管理データベースは、上記機体記号と事業者IDとを対応付けており、且つ上記離着陸ポイントの使用に対する料金である離着陸設定料金と、単位時間当たりの駐機設定料金と、上記端末IDと、を対応付けていてもよい。上記管理コントローラは、上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記端末IDと対応付けられた上記離着陸設定料金及び上記駐機設定料金を取得する処理と、上記着陸時刻及び上記離陸時刻に基づいて駐機時間を算出する処理と、算出した上記駐機時間が閾値時間未満であることに基づいて、上記離着陸設定料金を使用料金に決定する処理と、算出した上記駐機時間が上記閾値時間以上であることに基づいて、当該駐機時間及び上記駐機設定料金に基づいて駐機料金を算出し、当該駐機料金及び上記離着陸設定料金の合計を使用料金に決定する処理と、決定した上記使用料金と、上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記機体記号と対応付けられた事業者IDと、を対応付けて上記管理データベースに登録する使用料金登録処理と、を更に実行する。
【0020】
単位時間は、例えば10分や15分などである。閾値時間は、例えば10分や15分などである。垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸した後、すぐに離陸した場合、離着陸ポイントに設定された離着陸設定料金が使用料金とされる。垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸した後、閾値時間以上の間、駐機した場合、駐機時間及び単位時間当たりの駐機設定料金に基づいて算出された駐機料金に、離着陸設定料金が加算されて使用料金とされる。決定された使用料金は、機体記号が示す垂直離着陸飛行体を所有する運送事業者の事業者IDと対応付けて管理データベースに登録される。したがって、離着陸ポイントの使用に対する使用料金が事業者IDと対応付けて管理データベースに登録される。
【0021】
(7) 上記管理コントローラは、上記端末IDと、上記機体記号と、利用開始予定日時と、利用終了予定日時と、を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、
運送事業者からの閲覧要求を上記第1通信インタフェースを通じて受信したことに基づいて、上記端末IDに応じた情報、上記利用開始予定日時、及び上記利用終了予定日時を含む利用予定情報を返信する利用予定送信処理を更に実行してもよい。
【0022】
運送事業者は、サービス提供者が提供する離着陸ポイントの利用予定を閲覧することにより、運送予定日に空いている離着陸ポイントの中から、使用を希望する離着陸ポイントを選択し、選択した離着陸ポイントと、使用を予定している垂直離着陸飛行体の機体記号と、利用開始予定日時と、利用終了予定日時とを、サービス提供者に通知、或いは管理サーバに送信する。サービス提供者は、例えば通知された離着陸ポイントに設置された設置端末装置の端末ID、機体記号、利用開始予定日時、及び利用終了予定日時を管理サーバに入力して管理データベースに登録する。
【0023】
(8) 上記管理コントローラは、上記端末IDと、上記離着陸ポイントのサイズを示す離着陸サイズ情報と、上記離着陸ポイントの設置種別を示す種別情報と、を更に対応付けて上記管理データベースに登録するポート情報登録処理と、垂直離着陸飛行体のサイズを示す機体サイズ情報を上記機体記号と対応付けて上記管理データベースに登録する飛行体情報登録処理と、上記端末ID、上記機体記号、利用開始予定日時、及び利用終了予定日時を含む利用申請を、上記第1通信インタフェースを通じて受信する利用申請受信処理と、上記利用申請に含まれる上記端末IDと対応付けられた上記離着陸サイズ情報及び上記種別情報を上記管理データベースから取得し、且つ上記利用申請に含まれる上記機体記号と対応付けられた上記機体サイズ情報を上記管理データベースから取得する判断情報取得処理と、上記判断情報取得処理で取得した上記離着陸サイズ情報、上記種別情報、及び上記機体サイズ情報に基づいて、垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズか否かを判断するサイズ判断処理と、垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズであると判断したことに基づいて、上記利用申請に含まれる上記利用開始予定日時及び利用終了予定日時を上記端末IDと対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、を更に実行してもよい。
【0024】
運送事業者が使用を予定している垂直離着陸飛行体のサイズが、運送事業者が使用を希望する離着陸ポイントに対して、法的に着陸してもよいサイズであるか否かが判断される。当該垂直離着陸飛行体のサイズが、法的に着陸してもよいサイズである場合、運送事業者が行った利用申請が管理データベースに登録される。
【0025】
(9) 本発明に係るサービス提供システムは、第1通信インタフェース、管理データベースを記憶するサーバメモリ、及び管理コントローラを有する管理サーバと、離着陸ポイントに設置され、第2通信インタフェース、端末IDを記憶する端末メモリ、カメラ、センサ、及び端末コントローラを有する設置端末装置と、を備える。上記カメラは、離着陸ポイントに埋設されて上方を撮像領域としている。上記端末コントローラは、上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸したか否かを判断する着陸判断処理と、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸したと判断したことに基づいて、上記カメラに撮像を行わせて画像データを取得する画像データ取得処理と、上記画像データ或いは当該画像データが示す画像に映る機体記号と、上記端末IDとを含む着陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する着陸情報送信処理と、を実行する。上記管理コントローラは、上記着陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する着陸情報受信処理と、上記着陸情報に基づいて、上記機体記号を取得する機体記号取得処理、取得した上記機体記号、上記着陸情報が有する上記端末ID、及び着陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する着陸情報登録処理と、を実行する。
【0026】
センサは、離着陸ポイントの側方に設置されていてもよいし、カメラとともに離着陸ポイントに埋設されていてもよい。センサは、測距センサや磁気センサなど、離着陸ポイントに着陸した垂直離着陸飛行体を検知可能なセンサである。或いは、センサ及びカメラは、垂直離着陸飛行体までの距離を算出可能且つ画像データを生成可能なステレオカメラや3Dレーザセンサなどである。カメラは、離着陸ポイントに埋設されて上方を撮像領域とするから、離着陸ポイントに着陸した垂直離着陸飛行体の底面に表記された機体記号を、雨などの天候に関わりなく確実に撮像することができる。
【0027】
(10) 上記端末コントローラは、上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したか否かを判断する離陸判断処理と、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したと判断したことに基づいて、上記端末IDを含む離陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する離陸情報送信処理と、を更に実行してもよい。上記管理コントローラは、上記離陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する離陸情報受信処理と、上記機体記号、上記端末ID、及び離陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する離陸情報登録処理と、を更に実行する。
【0028】
着陸情報に加え、離陸情報が管理データベースに登録される。
【0029】
(11) 上記カメラは、少なくとも一部が透明な天板を有するケース内に配置され、上記設置端末装置は、上記ケース外に配置された明度センサをさらに有していてもよい。上記端末コントローラは、上記カメラが出力した画像データが示す第1明度と、上記明度センサが検知した第2明度とを示す診断情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する診断情報送信処理を更に実行する。上記管理コントローラは、上記診断情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する診断情報受信処理と、上記第1明度と上記第2明度との差、或いは上記第1明度と上記第2明度との比と、上記サーバメモリに記憶された閾値とに基づいて、メンテナンスが必要であるか否かを示すメンテナンス情報を上記管理データベースにおいて上記端末IDと対応付けて登録するメンテナンス情報登録処理と、を更に実行する。
【0030】
上記天板に付着した汚れ等は、撮像画像からの機体記号の取得を阻害する。管理コントローラは、第1明度と第2明度との差、或いは第1明度と第2明度との比と、閾値とに基づいて、天板に付着したゴミの除去を行うメンテナンスが必要か否かを判断し、メンテナンスが必要であるか否かを示すメンテナンス情報を、端末IDと対応付けて管理データベースに登録する。サービス提供システムを運用するサービス提供者は、管理データベースに登録されたメンテナンス情報が、天板の清掃を示す場合、端末IDが示す離着陸ポイントに人を派遣する。
【0031】
(12) 上記管理データベースは、上記機体記号と事業者IDとを対応付けており、且つ上記離着陸ポイントの使用に対する料金である離着陸設定料金と、単位時間当たりの駐機設定料金と、上記端末IDと、を対応付けていてもよい。上記管理コントローラは、上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記端末IDと対応付けられた上記離着陸設定料金及び上記駐機設定料金を取得する処理と、上記着陸時刻及び上記離陸時刻に基づいて駐機時間を算出する処理と、算出した上記駐機時間が閾値時間未満であることに基づいて、上記離着陸設定料金を使用料金に決定する処理と、算出した上記駐機時間が上記閾値時間以上であることに基づいて、当該駐機時間及び上記駐機設定料金に基づいて駐機料金を算出し、当該駐機料金及び上記離着陸設定料金の合計を使用料金に決定する処理と、決定した上記使用料金と、上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記機体記号と対応付けられた事業者IDと、を対応付けて上記管理データベースに登録する使用料金登録処理と、を更に実行する。
【0032】
垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸した後、すぐに離陸した場合、離着陸ポイントに設定された離着陸設定料金が使用料金とされる。垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸した後、閾値時間以上の間、駐機した場合、駐機時間及び単位時間当たりの駐機設定料金に基づいて算出された駐機料金に、離着陸設定料金が加算されて使用料金とされる。決定された使用料金は、機体記号が示す垂直離着陸飛行体を所有する運送事業者の事業者IDと対応付けて管理データベースに登録される。したがって、離着陸ポイントの使用に対する使用料金が事業者IDと対応付けて管理データベースに登録される。
【0033】
(13) 上記管理コントローラは、上記端末IDと、上記機体記号と、利用開始予定日時と、利用終了予定日時と、を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、
運送事業者からの閲覧要求を上記第1通信インタフェースを通じて受信したことに基づいて、上記端末IDに応じた情報、上記利用開始予定日時、及び上記利用終了予定日時を含む利用予定情報を返信する利用予定送信処理を更に実行してもよい。
【0034】
運送事業者は、サービス提供者が提供する離着陸ポイントの利用予定を閲覧することにより、運送予定日に空いている離着陸ポイントの中から、使用を希望する離着陸ポイントを選択し、選択した離着陸ポイントと、使用を予定している垂直離着陸飛行体の機体記号と、利用開始予定日時と、利用終了予定日時とを、サービス提供者に通知、或いは管理サーバに送信する。サービス提供者は、例えば通知された離着陸ポイントに設置された設置端末装置の端末ID、機体記号、利用開始予定日時、及び利用終了予定日時を管理サーバに入力して管理データベースに登録する。
【0035】
(14) 上記管理コントローラは、上記端末IDと、上記離着陸ポイントのサイズを示す離着陸サイズ情報と、上記離着陸ポイントの設置種別を示す種別情報と、を更に対応付けて上記管理データベースに登録するポート情報登録処理と、垂直離着陸飛行体のサイズを示す機体サイズ情報を上記機体記号と対応付けて上記管理データベースに登録する飛行体情報登録処理と、上記端末ID、上記機体記号、利用開始予定日時、及び利用終了予定日時を含む利用申請を、上記第1通信インタフェースを通じて受信する利用申請受信処理と、上記利用申請に含まれる上記端末IDと対応付けられた上記離着陸サイズ情報及び上記種別情報を上記管理データベースから取得し、且つ上記利用申請に含まれる上記機体記号と対応付けられた上記機体サイズ情報を上記管理データベースから取得する判断情報取得処理と、上記判断情報取得処理で取得した上記離着陸サイズ情報、上記種別情報、及び上記機体サイズ情報に基づいて、垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズか否かを判断するサイズ判断処理と、垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズであると判断したことに基づいて、上記利用申請に含まれる上記利用開始予定日時及び利用終了予定日時を上記端末IDと対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、を更に実行してもよい。
【0036】
運送事業者が使用を予定している垂直離着陸飛行体のサイズが、運送事業者が使用を希望する離着陸ポイントに対して、法的に着陸してもよいサイズであるか否かが判断される。当該垂直離着陸飛行体のサイズが、法的に着陸してもよいサイズである場合、運送事業者が行った利用申請が管理データベースに登録される。
【0037】
(15) 本発明に係るサービス提供システムは、第1通信インタフェース、管理データベースを記憶するサーバメモリ、及び管理コントローラを有する管理サーバと、離着陸ポイントに設置され、第2通信インタフェース、端末IDを記憶する端末メモリ、複数のカメラ、センサ、及び端末コントローラを有する設置端末装置と、を備える。複数の上記カメラは、離着陸ポイントの周囲に相互に離間して配置されて当該離着陸ポイントを囲み、且つ当該離着陸ポイントを撮像領域としている。上記端末コントローラは、上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸したか否かを判断する着陸判断処理と、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸したと判断したことに基づいて、上記カメラに撮像を行わせて画像データを取得する画像データ取得処理と、上記画像データ或いは当該画像データが示す画像に映る機体記号と、上記端末IDとを含む着陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する着陸情報送信処理と、を実行する。上記管理コントローラは、上記着陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する着陸情報受信処理と、上記着陸情報に基づいて、上記機体記号を取得する機体記号取得処理と、取得した上記機体記号、上記着陸情報が有する上記端末ID、及び着陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する着陸情報登録処理と、を実行する。
【0038】
複数のカメラを離着陸ポイントの周囲に配置することにより、垂直離着陸飛行体における着陸時の向きに拘らず、垂直離着陸飛行体の側面に表記された機体記号を確実に撮像することができる。
【0039】
(16) 上記端末コントローラは、上記センサの検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したか否かを判断する離陸判断処理と、垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントから離陸したと判断したことに基づいて、上記端末IDを含む離陸情報を、上記第2通信インタフェース及びインターネットを通じて上記管理サーバに送信する離陸情報送信処理と、を更に実行してもよい。上記管理コントローラは、上記離陸情報を上記第1通信インタフェースを通じて受信する離陸情報受信処理と、上記機体記号、上記端末ID、及び離陸時刻を対応付けて上記管理データベースに登録する離陸情報登録処理と、を更に実行する。
【0040】
着陸情報に加え、離陸情報が管理データベースに登録される。
【0041】
(17) 上記管理データベースは、上記機体記号と事業者IDとを対応付けており、且つ上記離着陸ポイントの使用に対する料金である離着陸設定料金と、単位時間当たりの駐機設定料金と、上記端末IDと、を対応付けていてもよい。上記管理コントローラは、上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記端末IDと対応付けられた上記離着陸設定料金及び上記駐機設定料金を取得する処理と、上記着陸時刻及び上記離陸時刻に基づいて駐機時間を算出する処理と、算出した上記駐機時間が閾値時間未満であることに基づいて、上記離着陸設定料金を使用料金に決定する処理と、算出した上記駐機時間が上記閾値時間以上であることに基づいて、当該駐機時間及び上記駐機設定料金に基づいて駐機料金を算出し、当該駐機料金及び上記離着陸設定料金の合計を使用料金に決定する処理と、決定した上記使用料金と、上記着陸情報及び上記離陸情報が有する上記機体記号と対応付けられた事業者IDと、を対応付けて上記管理データベースに登録する使用料金登録処理と、を更に実行する。
【0042】
垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸した後、すぐに離陸した場合、離着陸ポイントに設定された離着陸設定料金が使用料金とされる。垂直離着陸飛行体が離着陸ポイントに着陸した後、閾値時間以上の間、駐機した場合、駐機時間及び単位時間当たりの駐機設定料金に基づいて算出された駐機料金に、離着陸設定料金が加算されて使用料金とされる。決定された使用料金は、機体記号が示す垂直離着陸飛行体を所有する運送事業者の事業者IDと対応付けて管理データベースに登録される。したがって、離着陸ポイントの使用に対する使用料金が事業者IDと対応付けて管理データベースに登録される。
【0043】
(18) 上記管理コントローラは、上記端末IDと、上記機体記号と、利用開始予定日時と、利用終了予定日時と、を対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、
運送事業者からの閲覧要求を上記第1通信インタフェースを通じて受信したことに基づいて、上記端末IDに応じた情報、上記利用開始予定日時、及び上記利用終了予定日時を含む利用予定情報を返信する利用予定送信処理を更に実行してもよい。
【0044】
運送事業者は、サービス提供者が提供する離着陸ポイントの利用予定を閲覧することにより、運送予定日に空いている離着陸ポイントの中から、使用を希望する離着陸ポイントを選択し、選択した離着陸ポイントと、使用を予定している垂直離着陸飛行体の機体記号と、利用開始予定日時と、利用終了予定日時とを、サービス提供者に通知、或いは管理サーバに送信する。サービス提供者は、例えば通知された離着陸ポイントに設置された設置端末装置の端末ID、機体記号、利用開始予定日時、及び利用終了予定日時を管理サーバに入力して管理データベースに登録する。
【0045】
(19) 上記管理コントローラは、上記端末IDと、上記離着陸ポイントのサイズを示す離着陸サイズ情報と、上記離着陸ポイントの設置種別を示す種別情報と、を更に対応付けて上記管理データベースに登録するポート情報登録処理と、垂直離着陸飛行体のサイズを示す機体サイズ情報を上記機体記号と対応付けて上記管理データベースに登録する飛行体情報登録処理と、上記端末ID、上記機体記号、利用開始予定日時、及び利用終了予定日時を含む利用申請を、上記第1通信インタフェースを通じて受信する利用申請受信処理と、上記利用申請に含まれる上記端末IDと対応付けられた上記離着陸サイズ情報及び上記種別情報を上記管理データベースから取得し、且つ上記利用申請に含まれる上記機体記号と対応付けられた上記機体サイズ情報を上記管理データベースから取得する判断情報取得処理と、上記判断情報取得処理で取得した上記離着陸サイズ情報、上記種別情報、及び上記機体サイズ情報に基づいて、垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズか否かを判断するサイズ判断処理と、垂直離着陸飛行体のサイズが上記離着陸ポイントに着陸可能なサイズであると判断したことに基づいて、上記利用申請に含まれる上記利用開始予定日時及び利用終了予定日時を上記端末IDと対応付けて上記管理データベースに登録する利用予定登録処理と、を更に実行してもよい。
【0046】
運送事業者が使用を予定している垂直離着陸飛行体のサイズが、運送事業者が使用を希望する離着陸ポイントに対して、法的に着陸してもよいサイズであるか否かが判断される。当該垂直離着陸飛行体のサイズが、法的に着陸してもよいサイズである場合、運送事業者が行った利用申請が管理データベースに登録される。
【発明の効果】
【0047】
本発明に係るサービス提供システムは、空地、未利用地を活用してコスト安価に垂直離着陸飛行体の離着陸ポイントを整備することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】
図1は、サービス提供システム10の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、運行管理システム20の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、カメラ41による垂直離着陸飛行体11の底面の撮像を説明する説明図である。
【
図4】
図4は、設置端末装置30及び管理サーバ50の機能ブロック図である。
【
図5】
図5(A)は基本情報管理データベースを示す図であり、
図5(B)は事業者管理データベースを示す図であり、
図5(C)は機体管理データベースを示す図であり、
図5(D)は規定サイズ管理データベースを示す図であり、
図5(E)は料金管理データベースを示す図である。
【
図6】
図6は、第1利用予定管理データベースを示す図である。
【
図7】
図7は、第2利用予定管理データベースを示す図である。
【
図8】
図8は、実績管理データベースを示す図である。
【
図9】
図9は、ユーザ決済管理データベースを示す図である。
【
図10】
図10は、事業者決済管理データベースを示す図である。
【
図12】
図12は、運行予定登録処理のフローチャートである。
【
図13】
図13は、離着陸監視処理のフローチャートの一部である。
【
図14】
図14は、離着陸監視処理のフローチャートの他部である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る離着陸ポイント13の縦断面図である。
【
図17】
図17は、第2実施形態に係る離着陸監視処理のフローチャートである。
【
図18】
図18は、第2実施形態に係る診断処理のフローチャートである。
【
図19】
図19は、垂直離着陸飛行体11であるドローンにおける機体記号の表記位置を説明する説明図である。。
【
図20】
図20は、第3実施形態に係る離着陸ポイント13の平面図である
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の一実施形態について説明がされる。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更され得ることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更され得る。或いは、後述の処理の一部は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜省略され得る。
【0050】
[第1実施形態]
【0051】
図1は、本実施形態に係るサービス提供システム10を示す。
【0052】
図1が示すサービス提供システム10は、サービス提供者によって運用される。サービス提供者は、サービス提供システム10を用いて、土地所有者及び運送事業者の双方にサービスを提供する。運送事業者とは、垂直離着陸飛行体11を用いて旅客や荷物を運送する事業を行う者を意味する。土地所有者とは、垂直離着陸飛行体11が離着陸する離着陸ポイント13が設置された土地を所有する者を意味する。
【0053】
サービス提供者は、土地所有者の土地に離着陸ポイント13を設置して当該土地の運用を行うサービスを土地所有者に提供する。また、サービス提供者は、離着陸ポイント13の提供サービスを運送事業者に提供する。サービス提供システム10は、複数の土地所有者と、複数の運送事業者とを仲介するシステムである。
【0054】
図2は、運送事業者が運用する運行管理システム20を示す。
【0055】
運行管理システム20は、垂直離着陸飛行体11の運行管理を行うシステムである。運行管理システム20は、サービス提供システム10(
図1参照)と関わりなく運用されるシステムである。
【0056】
運行管理システム20は、複数台の垂直離着陸飛行体11及び運行管理サーバ21を備える。なお、
図2では、1台の垂直離着陸飛行体11のみが示され、他の垂直離着陸飛行体11の図示が省略されている。
【0057】
垂直離着陸飛行体11は、垂直上昇及び垂直下降が可能な飛行体を意味する。典型的には、垂直離着陸飛行体11は、浮力を生じさせるロータを備えた飛行体である。もっとも、垂直離着陸飛行体11は、垂直離着陸が可能であり、且つ旅客或いは荷物を運送可能であれば、どのような飛行方式を採用していてもよい。
【0058】
垂直離着陸飛行体11は、ロータを駆動させるバッテリ12を搭載している。すなわち、垂直離着陸飛行体11は、電力で駆動する、いわゆるEVモビリティである。もっとも、垂直離着陸飛行体11の動力源は、電力以外であってもよい。
【0059】
垂直離着陸飛行体11は、飛行制御ユニット22及び不図示の通信アンテナを搭載している。通信アンテナは、通信衛星17が送信したGPS(GNSS)位置情報を受信する。飛行制御ユニット22は、現在の位置を示すGPS位置情報と、目的地である離着陸ポイント13の位置情報とに基づいて、垂直離着陸飛行体11の各部の駆動制御量を決定し、垂直離着陸飛行体11を目的地まで飛行させる。また、飛行制御ユニット22は、垂直離着陸飛行体11が目的地に着陸或いは離陸するように上記駆動制御量を決定する。すなわち、垂直離着陸飛行体11は、飛行及び離着陸を自動で行う自律制御型であり、操縦者を必要としない飛行体である。もっとも、垂直離着陸飛行体11は、緊急時の着陸など、一部の操縦のみを行う補助的な操縦者の搭乗を許容してもよい。すなわち、垂直離着陸飛行体11は、いわゆる完全自動制御型であってもよいし、いわゆる半自動制御型であってもよい。
【0060】
運行管理サーバ21は、インターネット14と、移動体通信網15の基地局16とを通じて、垂直離着陸飛行体11と相互に通信を行う。運行管理サーバ21は、目的地(離着陸ポイント13)の位置情報などの情報を垂直離着陸飛行体11に送信する。また、運行管理サーバ21は、垂直離着陸飛行体11が送信した現在位置情報(GPS位置情報)、或いは離着陸を行ったことを示す離着陸情報を受信する。運行管理サーバ21は、受信した情報に基づいて、垂直離着陸飛行体11の飛行ルート、目的地への到着時刻、及び目的地からの離陸時刻を、データベース等に登録する。すなわち、運行管理サーバ21は、垂直離着陸飛行体11の運行管理を行う。
【0061】
図3は、カメラ41によって垂直離着陸飛行体11の底面を撮像する状況を説明する説明図である。
【0062】
垂直離着陸飛行体11には、機体記号が外面に表記されることが法的に義務付けられている。人(旅客)を運送する垂直離着陸飛行体11の場合、機体記号は、垂直離着陸飛行体11の底面及び側面に表記することが義務付けられている。
図3では、垂直離着陸飛行体11において機体記号が表記される箇所が破線で示されている。以下では、垂直離着陸飛行体11が、人(旅客)を運送するものであり、垂直離着陸飛行体11の底面及び側面に機体記号が表記されているものとして説明がされる。なお、例えば機体記号が刻印されたプレートが垂直離着陸飛行体11の外面に貼り付けられることにより、機体記号が垂直離着陸飛行体11に表記される。機体記号は、いわゆる機体番号である。
【0063】
図1が示すように、サービス提供システム10は、複数の設置端末装置30及び管理サーバ50を備える。なお、
図1では、1つの設置端末装置30のみが示されており、他の設置端末装置30の図示が省略されている。
【0064】
図4は、設置端末装置30及び管理サーバ50の機能ブロック図である。
【0065】
図1及び
図3が示すように、設置端末装置30は、離着陸ポイント13の側方且つ近傍に設置される。
【0066】
設置端末装置30は、筐体40と、筐体40内に配置されたカメラ41、測距センサ42、及び制御回路基板である基板43と、を備える。カメラ41及び測距センサ42は、不図示の信号線によって基板43と接続さている。カメラ41が出力した画像データ及び測距センサ42が出力した検出値は、当該信号線を通じて、後述のCPU31に入力される。
【0067】
筐体40は、傾斜壁44を上部に有している。傾斜壁44は、離着陸ポイント13の上方を向いている。傾斜壁44の少なくとも一部は、透光性を有する部材で形成されている。
【0068】
また、筐体40は、庇45を有している。庇45は、傾斜壁44の上側を覆っている。庇45は、太陽光が傾斜壁44からカメラ41に直接入射することを防止する。また、庇45は、雨や雪やゴミなどが傾斜壁44に付着することを防止する。なお、
図3には示されていないが、筐体40は、傾斜壁44の左右両側に設けられた一対の防護板を有していてもよい。また、傾斜壁44には、ワイパ装置が設けられていてもよい。ワイパ装置は、傾斜壁44に付着した雨(水)や雪やゴミを除去する。
【0069】
カメラ41は、傾斜壁44の内側に配置されている。カメラ41は、レンズ及びイメージセンサを有する、いわゆるデジタルカメラである。カメラ41のレンズは、離着陸ポイント13の上方の空間から入射する光を集光する。すなわち、カメラ41は、離着陸ポイント13の上方の空間に焦点を合わせられており、当該空間を撮像領域としている。カメラ41は、離着陸ポイント13の上方の空間を撮像して画像データを生成する。当該空間に垂直離着陸飛行体11が存在する場合、カメラ41が撮像した画像には、垂直離着陸飛行体11の底面に表記された機体記号が映る。
【0070】
測距センサ42は、検知物体までの距離に応じた検出値を出力するセンサである。測距センサ42は、例えば音波(超音波を含む)を照射し、検知物体で反射された反射波を受信する音波センサである。或いは、測距センサ42は、レーザ光を照射し、検知物体で反射された反射光を受光するレーザセンサであってもよい。或いは、測距センサ42は、電波を照射し、検知物体で反射された電波を受信するレーダセンサであってもよい。測距センサ42がレーダセンサである場合、筐体40の少なくとも一部は、電波を透過可能とするため、合成樹脂によって形成される。測距センサ42がレーザセンサである場合、測距センサ42は、傾斜壁44の内側にカメラ41とともに配置される。
【0071】
測距センサ42は、カメラ41の撮像領域よりも広い範囲を検知領域としている。具体的には、測距センサ42は、カメラ41の撮像領域と、当該撮像領域の下方であって、当該撮像領域から離着陸ポイント13までの領域と、当該撮像領域の上方の領域とを検知領域としている。測距センサ42は、特許請求の範囲に記載された「センサ」に相当する。
【0072】
基板43は、マイクロプロセッサやIC等の電子部品を実装されている。これらの電子部品により、
図4が示すCPU31、端末メモリ32、電源回路35、クロック36、及び通信インタフェース37が実現されている。なお、
図4に破線で示されたセンサ61及び明度センサ62については、第2実施形態において説明がされる。
図4に破線で示された3Dレーザセンサ65及びステレオカメラ66については、変形例において説明がされる。
【0073】
基板43には、バッテリ38が取り付けられる不図示のソケットが設けられている。バッテリ38は、例えば充放電可能な2次電池である。バッテリ38は、例えば10Vや15Vなどの所定の電圧値の直流電圧を出力する。なお、バッテリ38に代えて、商用交流電源と接続される接続端子が筐体40に設けられていてもよい。
【0074】
電源回路35は、バッテリ38が出力した直流電圧を3.3Vや5Vなどの所定の電圧値に変換且つ安定化させて出力するDC-DCコンバータである。例えば電源ICなどが電源回路35として用いられる。電源回路35は、カメラ41や測距センサ42やCPU31等に駆動電力を供給する。
【0075】
クロック36は、例えばICである。クロック36は、現在の日時を示す日時情報を出力する。
【0076】
通信インタフェース37は、有線或いは無線によりインターネット14に接続されている。通信インタフェース37は、例えばインターネット14と接続されたアクセスポイントと無線通信を行う。通信インタフェース37は、受信した情報(伝送データ)のデータ形式を、CPU31に入力可能な形式のデータに変換し、出力する情報を、インターネット14を通じて送信可能な形式の伝送データに変換する回路である。通信インタフェース37は、例えばICである。通信インタフェース37は、特許請求の範囲に記載された「第2通信インタフェース」に相当する。
【0077】
CPU31は、中央演算処理装置である。CPU31は、特許請求の範囲に記載された「端末コントローラ」に相当する。
【0078】
端末メモリ32は、オペレーティングシステムであるOS33と、端末プログラム34と、端末IDと、サーバアドレスとを予め記憶する。OS33及び端末プログラム34は、CPU31によって実行される。端末IDは、設置端末装置30を個々に識別する識別情報である。端末IDは、例えば設置端末装置30に付与されたMACアドレス、或いはIPアドレスであってもよい。サーバアドレスは、管理サーバ50の通信アドレスである。サーバアドレスは、管理サーバ50のグローバルIPアドレスであってもよいし、当該グローバルIPアドレスを含むURLなどであってもよい。
【0079】
管理サーバ50は、いわゆるWEBサーバであって、インターネット14に接続されている。管理サーバ50は、サービス提供者が所持するサーバであってもよいし、いわゆるレンタルサーバであって、サービス提供者が使用を許諾されたサーバであってもよい。
【0080】
管理サーバ50は、中央演算処理装置であるCPU51と、サーバメモリ52と、インターネット14に接続された通信インタフェース53と、を備える。通信インタフェース53は、受信した情報(伝送データ)のデータ形式を、CPU51に入力可能な形式のデータに変換し、出力する情報を、インターネット14を通じて送信可能な形式の伝送データに変換する回路である。通信インタフェース53は、例えばICである。CPU51は、特許請求の範囲に記載された「管理コントローラ」に相当する。通信インタフェース53は、特許請求の範囲に記載された「第1通信インタフェース」に相当する。
【0081】
サーバメモリ52は、オペレーティングシステムであるOS54と、管理プログラム55と、管理データベースと、を記憶する。なお、図面では、「データベース」は「DB」と省略して記載されている。
【0082】
図5から
図10は、管理データベースを示す図である。
図5(A)は、基本情報管理データベースを示す。
図5(B)は、事業者管理データベースを示す。
図5(C)は、機体管理データベースを示す。
図5(D)は、規定サイズ管理データベースを示す。
図5(E)は、料金管理データベースを示す。
図6は、第1利用予定管理データベースを示す。
図7は、第2利用予定管理データベースを示す。
図8は、実績管理データベースを示す。
図9は、ユーザ決済管理データベースを示す。
図10は、事業者決済管理データベースを示す。基本情報管理データベース、事業者管理データベース、機体管理データベース、規定サイズ管理データベース、料金管理データベース、第1利用予定管理データベース、第2利用予定管理データベース、実績管理データベース、ユーザ決済管理データベース、及び事業者決済管理データベースは、全て管理データベースの一部である。
【0083】
図5(A)に示される基本情報管理データベースは、土地所有者(ユーザ)に関する情報と、当該土地所有者が所有する土地に設置された離着陸ポイント13(
図1参照)に関する情報とを管理するためのデータベースである。
【0084】
基本情報管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0085】
項目名「ユーザID」、「氏名」、「居所」、「離着陸ポイント情報」、「設定料金番号」、及び「ユーザ決済情報」のいずれかの項目名が各カラムにそれぞれ付されている。すなわち、「ユーザID」、「氏名」、「居所」、「離着陸ポイント情報」、「設定料金番号」、及び「ユーザ決済情報」が、管理データベースにおいて相互に対応付けられている。
【0086】
項目名「ユーザID」が付されたカラムのフィールドには、土地所有者を個々に識別する識別情報であるユーザIDが登録される。基本情報管理データベースに登録される各レコードは、ユーザIDによって個々に識別される。ユーザIDは、サービス提供者と土地所有者との間で契約が締結された後、サービス提供者によって管理サーバ50に入力され、或いは管理プログラム55(CPU51)によって生成され、管理データベースに登録される。当該入力には、例えば、サービス提供者による直接入力の他、サービス提供者が所持する通信端末から管理サーバ50への送信も含まれる。
【0087】
項目名「氏名」が付されたカラムのフィールドには、土地所有者の姓及び名が登録される。
【0088】
項目名「居所」が付されたカラムのフィールドには、土地所有者が居住する場所の住所が登録される。
【0089】
項目名「離着陸ポイント情報」が付されたカラムは、項目名「ポートID」、「端末ID」、「駐機可能数」、「着陸帯情報」、「種別情報」、「上限重量」、「住所」、及び「メンテナンスフラグ」のいずれかの項目名がそれぞれ付された複数のサブカラムを有している。
【0090】
項目名「ポートID」が付されたサブカラムのフィールドには、ポートIDが登録される。ポートIDは、離着陸ポイント13を個々に識別する識別情報である。
図5に示す例では、ユーザID「A0002」で識別されるユーザである「田中花子」は、ポートID「B0003」で識別される離着陸ポイント13を所持している。なお、離着陸ポイント13が複数のポートを有する場合、ポートごとにポートIDが付されていてもよい。例えば、ポートID「B0003」が付された離着陸ポイント13が2つのポートを有する場合、「B0003-01」と、「B0003-02」とが各ポートにそれぞれ付される。すなわち、ポートIDに枝番が付されて各ポートがそれぞれ識別される。
【0091】
項目名「端末ID」が付されたサブカラムのフィールドには、設置端末装置30に付された識別情報である端末IDが登録されている。すなわち、離着陸ポイント13を識別するポートIDと、設置端末装置30を識別する端末IDとは、1対1で対応付けられている。したがって、端末IDは、離着陸ポイント13を識別するIDでもある。なお、ポートIDとして端末IDが用いられてもよい。
【0092】
項目名「駐機可能数」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13に同時に離着陸或いは駐機可能な垂直離着陸飛行体11の台数が登録される。
【0093】
項目名「着陸帯情報」が付されたサブカラムのフィールドには、着陸帯の長さ及び幅が登録される。着陸帯が「円」である場合、長さ及び幅が同一となる。着陸帯情報は、特許請求の範囲に記載された「離着陸サイズ情報」に相当する。
【0094】
項目名「種別情報」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13が地上に設置されていることを示す「地上」、或いは建物の屋上に設置されていることを示す「建物」が登録される。なお、離着陸ポイント13が地上に設置されている場合と建物に設置されている場合とでは、法的な要求サイズが変わる。例えば、離着陸ポイント13が地上に設置されている場合は、垂直離着陸飛行体11のサイズと同サイズ以上の着陸帯が要求され、離着陸ポイント13が建物に設置されている場合は、垂直離着陸飛行体11の1.2倍のサイズ以上の着陸帯が要求される。
【0095】
項目名「上限重量」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13の設置場所が「建物」である場合に、当該離着陸ポイント13に離着陸可能な垂直離着陸飛行体11の上限重量(最大重量)が登録される。なお、離着陸ポイント13が地上のみ設置される場合、項目名「上限重量」が付されたサブカラムは設けられなくてもよい。
【0096】
項目名「住所」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13の住所が登録される。住所には、緯度、経度、及び高度が含まれる。離着陸ポイント13の位置を示す緯度、経度、及び高度は、運送事業者に提供され、垂直離着陸飛行体11における離着陸ポイント13に対する離着陸に用いられる。
【0097】
項目名「メンテナンスフラグ」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13のメンテナンスが必要であることを示す「1」或いはメンテナンスが不要であることを示す「0」が登録される。メンテナンスフラグの初期値は「0」である。メンテナンスフラグについては、第2実施形態において説明がされる。
【0098】
項目名「設定料金番号」が付されたカラムのフィールドには、料金管理データベースにおける設定料金番号が登録される。
図5に示す例では、ポートID「B0003」が付された離着陸ポイント13に適用される設定料金番号は、料金管理データベースにおける設定料金番号に「1」が登録された料金である。設定料金番号に「1」が登録された料金では、離着陸設定料金が「1000円」であり、駐機設定料金が「500円/15分」である。
【0099】
項目名「ユーザ決済」が付されたカラムのフィールドには、離着陸ポイント13の使用に対する利用料金が振り込まれる口座の口座番号と、当該口座番号の所有者の姓及び名が登録される。なお、離着陸ポイント13が設置された土地の所有者と、利用料金が振り込まれる口座の所有者とは、同一であってもよいし、相違していてもよい。
【0100】
サービス提供者は、ユーザ(土地所有者)が有する空地(未利用地)に離着陸ポイント13を設置するサービスを土地所有者に提供する。サービス提供者は、当該未利用地に離着陸ポイント13を設置する際に、駐機可能数、着陸帯情報、種別情報、上限重量、及び住所を取得する。駐機可能数、着陸帯情報、種別情報、上限重量、及び住所と、離着陸ポイント13に設置された設置端末装置30の端末IDとは、サービス提供者によって管理サーバ50に入力される。管理サーバ50の管理プログラム55は、入力された駐機可能数、着陸帯情報、種別情報、上限重量、住所、及び端末IDと、生成したポートIDとを、ユーザIDと対応付けて管理データベースに登録する。管理プログラム55が、端末IDと、ポートIDと、住所と、着陸帯情報と、種別情報と、上限重量とを対応付けて管理データベースに登録する処理は、特許請求の範囲に記載された「ポート情報登録処理」に相当する。
【0101】
図5(B)が示す事業者管理データベースは、運送事業者に関する情報を管理するためのデータベースである。
【0102】
事業者管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0103】
項目名「事業者ID」、「事業者名」、「事業者住所」、「決済用アドレス」、「事業者決済情報」、及び「決済日」のいずれかの項目名が各カラムにそれぞれ付されている。すなわち、「事業者ID」、「事業者名」、「事業者住所」、「決済用アドレス」、「事業者決済情報」、及び「決済日」が、事業者管理データベースにおいて相互に対応付けられている。
【0104】
項目名「事業者ID」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者を個々に識別する識別情報である事業者IDが登録される。事業者管理データベースに登録される各レコードは、事業者IDによって個々に識別される。
【0105】
項目名「事業者名」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者の名称が登録される。
【0106】
項目名「事業者住所」が付されたカラムのフィールドには、例えば運送事業者の本部の住所が登録される。
【0107】
項目名「決済用アドレス」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者が運用する事業者サーバ18(
図4参照)に付された通信アドレスが登録される。管理サーバ50或いはサービス提供者は、離着陸ポイント13の使用に対する請求書を示す請求データを、決済用アドレス宛に送信する。
【0108】
項目名「事業者決済情報」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者が有する口座の口座番号やクレジットカード番号などの決済情報が登録される。なお、自動決済でない場合、事業者決済情報は、事業者管理データベースに登録されなくてもよい。
【0109】
項目名「決済日」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者が決済を行う日を示す情報が登録される。
図5(B)に示す例では、決済を行う日を示す情報として、「月末」及び「25日」が事業者管理データベースに登録されている。決済日は、締め日であってもよいし、支払日であってもよいし、締め日及び支払日であってもよい。
【0110】
事業者IDは、サービス提供者と運送事業者との間で契約が締結された後、サービス提供者によって管理サーバ50に入力され、或いは管理プログラム55によって生成され、管理データベースに登録される。
【0111】
事業者名、事業者住所、決済用アドレス、事業者決済情報、及び決済日は、運送事業者からサービス提供者に通知され、サービス提供者によって管理サーバ50に入力されて管理データベースに登録される。
【0112】
図5(C)が示す機体管理データベースは、運送事業者が所有する垂直離着陸飛行体11の機体記号と機種(種別)との関係を管理するデータベースである。
【0113】
機体管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0114】
項目名「事業者ID」、「機体記号」、及び「機種」のいずれかの項目名が各カラムにそれぞれ付されている。すなわち、「事業者ID」、「機体記号」、及び「機種」が、機体管理データベースにおいて相互に対応付けられている。
【0115】
項目名「事業者ID」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者の事業者IDが登録される。
【0116】
項目名「機体記号」が付されたカラムのフィールドには、運送事業者が所有する垂直離着陸飛行体11に付された機体記号が登録される。運送事業者が複数の垂直離着陸飛行体11を所有する場合、1つの事業者IDに対して複数の機体記号が対応付けられる。
【0117】
項目名「機種」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11の機種(種別)が登録される。機種は、垂直離着陸飛行体11を製造したメーカが垂直離着陸飛行体11に付した商品番号(品番)である。
【0118】
運送事業者は、所有する垂直離着陸飛行体11の機体記号及び機種の対応関係をサービス提供者に通知する。通知された機体記号及び機種は、サービス提供者によって、事業者IDと対応付けて管理サーバ50に入力される。管理サーバ50の管理プログラム55は、入力された事業者ID、機体記号、及び機種を機体管理データベースに登録する。管理プログラム55が事業者ID、機体記号、及び機種を機体管理データベースに登録する処理は、特許請求の範囲に記載された「飛行体情報登録処理」に相当する。
【0119】
図5(D)が示す規定サイズ管理データベースは、垂直離着陸飛行体11の機種と、当該機種の規格値(規定サイズ)とを対応付けたデータベースである。規格値は、垂直離着陸飛行体11の長さ(全長)、横幅(全幅)、旅客や荷物を搭載しない場合の基本重量(重量)、旅客や荷物を上限まで積載した場合における総重量(最大重量)である。
【0120】
規定サイズ管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。各カラムは、項目名「機種」、「全長」、「全幅」、「重量」、「最大重量」をそれぞれ付されている。
【0121】
サービス提供者は、例えば製造メーカが新たに垂直離着陸飛行体11を販売したことに基づいて、当該新たな垂直離着陸飛行体11の機種名及び規格値を管理サーバ50に入力する。管理サーバ50の管理プログラム55は、規定サイズ管理データベースに新たなレコードを生成し、生成したレコードに、入力された機種名及び規格値を登録する。
【0122】
図5(E)が示す料金管理データベースは、個々の離着陸ポイント13にそれぞれ設定される設定料金を管理するためのデータベースである。
【0123】
料金管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0124】
項目名「設定料金番号」、「離着陸設定料金」、及び「駐機設定料金」のいずれかの項目名が各カラムにそれぞれ付されている。すなわち、「設定料金番号」が示す番号と、「離着陸設定料金」及び「駐機設定料金」とが、料金管理データベースにおいて相互に対応付けられている。
【0125】
項目名「設定料金番号」が付されたカラムのフィールドには、通し番号が登録される。料金管理データベースの各レコードは、通し番号によって個々に識別される。
【0126】
項目名「離着陸設定料金」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11の1回の離着陸に対して運送事業者に請求される使用料金が登録される。或いは、垂直離着陸飛行体11の1回の離着陸に対して土地所有者に支払われる利用料金が登録される。使用料金と利用料金とは、同一であってもよいし、サービス提供者がサービスの提供に応じた手数料の分だけ相違していてもよい。
【0127】
項目名「駐機設定料金」が付されたカラムのフィールドには、単位時間当たりの垂直離着陸飛行体11の駐機に対して運送事業者に請求される駐機料金が登録される。或いは、単位時間当たりの垂直離着陸飛行体11の駐機に対して土地所有者に支払われる利用料金が登録される。
図5(E)が示す例では、単位時間は15分である。もっとも、単位時間は、10分など他の時間(期間)であってもよい。
【0128】
離着陸設定料金及び駐機設定料金は、例えば地価に応じて、或いは垂直離着陸飛行体11の使用頻度に応じて、或いは周囲の離着陸ポイント13の離着陸設定料金及び駐機設定料金に基づいて、サービス提供者によって決定される。決定された離着陸設定料金及び駐機設定料金は、サービス提供者によって管理サーバ50に入力される。管理サーバ50の管理プログラム55は、入力された離着陸設定料金及び駐機設定料金を料金管理データベースに登録する。
【0129】
図6が示す第1利用予定管理データベースは、垂直離着陸飛行体11の使用予定(運行予定)が登録されるデータベースである。
【0130】
第1利用予定管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0131】
項目名「日付」と、JA23CDなどの「機体記号」が各カラムにそれぞれ付されている。
【0132】
項目名「日付」が付されたカラムのフィールドには、年月日が登録される。すなわち、垂直離着陸飛行体11の運行予定は、日付ごとに管理される。なお、「年」は、西暦であってもよいし「和暦」であってもよい。
【0133】
「JA23CD」等の機体記号が付された各カラムは、「利用予定ポートID」、「利用開始予定時刻」、「利用終了予定時刻」、及び「総重量」のいずれかの項目名がそれぞれ付されたサブカラムをそれぞれ有する。
【0134】
項目名「利用予定ポートID」が付されたサブカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸を行う予定の離着陸ポイント13に付されたポートID或いは端末IDが登録される。
図6に示す例ではポートIDが登録されている。
【0135】
項目名「利用開始予定時刻」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸する予定の時刻が登録される。項目名「利用終了予定時刻」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸する予定の時刻が登録される。
【0136】
項目名「総重量」が付されたカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11の無積載時の重量である基本重量と、旅客或いは荷物の重量との和である総重量が登録される。なお、離着陸ポイント13が地上のみに設置される場合、項目名「総重量」が付されたカラムは設けられなくてもよい。
【0137】
運送事業者は、垂直離着陸飛行体11を用いた運送の予定(いわゆる運行予定)を作成する。当該運行予定の作成は、例えば法に規定されている。運送事業者は、運送を行う日付と、運送を行う垂直離着陸飛行体11の機体記号と、待機場所等からの出発予定時刻と、目的地或いは経由地である離着陸ポイント13のポートIDと、離着陸ポイント13への到着予定時刻と、離着陸ポイント13からの離陸予定時刻と、待機場所等への帰還時刻と、旅客或いは荷物の重量と、を対応付けて運行予定を作成する。運送事業者は、作成した運行予定をサービス提供者に通知する。当該通知は、Eメールであってもよいし、FAXなどであってもよいし、インターネット14を用いた通知であってもよい。
【0138】
インターネット14を用いた通知の具体例を説明する。運送事業者は、所定のWEBサーバ(不図示)の所定の格納領域に、所持するPC等の通信端末を用いて、所定のデータ形式で、自己の事業者IDとともに運行予定をアップロードする。運送事業者とサービス提供者との間では、上記所定のWEBサーバのグローバルIPアドレスと、上記所定の格納領域を示すパスと、上記所定のデータ形式とが予め決められる。管理サーバ50(
図3参照)は、上記所定のWEBサーバから事業者ID及び運行予定をダウンロードする。
【0139】
インターネット14を用いた通知の他の具体例を説明する。管理サーバ50は、インターネット14上にWEBサイト示すURLを公開する。運送事業者は、所持するPC等の通信端末を用いて、当該WEBサイトにアクセスする。当該WEBサイトにおいて、運送事業者は、自己の事業者IDとともに、運行予定が有する機体記号等の各情報をそれぞれ入力する。管理サーバ50は、WEBサイトにおいて運送事業者が入力した運行予定を取得する。
【0140】
通知された運行予定を管理サーバ50が第1利用予定管理データベースに登録する運行予定登録処理(
図12参照)については後述される。
【0141】
上記のように、第1利用予定管理データベースでは、垂直離着陸飛行体11ごとに、且つ日付ごとに、運行予定がそれぞれ登録される。
【0142】
図7が示す第2利用予定管理データベースは、第1利用予定管理データベース(
図6参照)に基づいて情報が登録されるデータベースである。第1利用予定管理データベースは、機体記号と、ポートID、利用開始予定時刻、利用終了予定時刻、及び総重量とを対応付けたものであり、第2利用予定管理データベースは、ポートID(或いは端末ID)と、利用開始予定時刻及び利用終了予定時刻とを対応付けたものである。第2利用予定管理データベースは、運送事業者が運行予定を作成する際に、離着陸ポイント13の空きの確認に用いられる。
【0143】
第2利用予定管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0144】
項目名「日付」と、「B0001」等のポートIDとが各カラムにそれぞれ付されている。
【0145】
項目名「日付」が付されたカラムのフィールドには、年月日が登録される。
【0146】
「B0001」等のポートIDが付された各カラムは、「利用開始予定時刻」或いは「利用終了予定時刻」のいずれかの項目名がそれぞれ付されたサブカラムをそれぞれ有する。当該サブカラムには、上記利用開始予定時刻及び利用終了予定時刻がそれぞれ登録される。
【0147】
第2利用予定管理データベースを示す画像が、運送事業者に対して公開される。当該画像を公開する公開処理(
図11参照)は、後述される。
【0148】
図8が示す実績管理データベースは、垂直離着陸飛行体11が実際に離着陸ポイント13に離着陸した結果(実績)が登録されるデータベースである。
【0149】
実績管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0150】
項目名「日付」と、「JA23CD」等の機体記号が各カラムにそれぞれ付されている。
【0151】
項目名「日付」が付されたカラムのフィールドには、年月日が登録される。
【0152】
「JA23CD」等の機体記号が付された各カラムは、「使用ポートID」、「着陸時刻」、「離陸時刻」、「駐機時間」、及び「使用料金」のいずれかの項目名がそれぞれ付されたサブカラムをそれぞれ有する。機体記号は、機体管理データベース(
図5(C)参照)において事業者IDと対応付けられている。すなわち、実績管理データベースでは、日付ごとに、運送事業者と、「使用ポートID」、「着陸時刻」、「離陸時刻」、「駐機時間」、及び「使用料金」と、が相互に対応付けられている。すなわち、日付ごとに、運送事業者に請求される使用料金が実績管理データベースに登録される。
【0153】
項目名「使用ポートID」が付されたサブカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸した離着陸ポイント13に付されたポートIDが登録される。なお、使用ポートIDに代えて、或いは使用ポートIDとともに、端末IDが実績管理データベースに登録されていてもよい。
【0154】
項目名「着陸時刻」が付されたサブカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸した時刻が登録される。
【0155】
項目名「離陸時刻」が付されたサブカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸した時刻が登録される。
【0156】
項目名「駐機時間」が付されたサブカラムのフィールドには、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に駐機した時間(期間)が登録される。
【0157】
項目名「使用料金」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13の使用に対して運送事業者に請求される金額(使用料金)が登録される。
【0158】
実績管理データベースへの使用ポートID、着陸時刻、離陸時刻、駐機時間、及び使用料金の登録は、離着陸監視処理(
図13参照)において、管理サーバ50によって行われる。
【0159】
図9が示すユーザ決済管理データベースは、ユーザ(土地所有者)に対して支払う利用料金を管理するためのデータベースである。
【0160】
ユーザ決済管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0161】
項目名「日付」と、「A0001」等のユーザIDが各カラムにそれぞれ付されている。
【0162】
項目名「日付」が付されたカラムのフィールドには、年月日が登録される。
【0163】
「A0001」等のユーザIDが付された各カラムは、「利用事業者ID」、「利用料金」、「決済状況」、及び「月合計金額」のいずれかの項目名がそれぞれ付されたサブカラムをそれぞれ有する。すなわち、ユーザ決済管理データベースでは、日付ごと、且つユーザ(土地所有者)ごとに、「利用事業者ID」、「利用料金」、「決済状況」、及び「月合計金額」が相互に対応付けられている。すなわち、ユーザ決済管理データベースでは、ユーザに支払うべき金額が日付ごとに登録され、且つユーザに支払うべき金額が月ごとに加算されて登録される。
【0164】
項目名「利用事業者ID」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13を使用した垂直離着陸飛行体11を所有する運送事業者に付された事業者IDが登録される。
【0165】
項目名「利用料金」が付されたサブカラムのフィールドには、離着陸ポイント13の使用に対してユーザ(土地所有者)に支払われる金額が登録される。当該金額は、日付ごと、且つ運送事業者ごとの金額である。例えば、所定の運送事業者が所定の離着陸ポイント13を1日に複数回使用した場合、各使用に対する使用料金の合計金額が利用料金としてユーザ決済管理データベースに登録される。
【0166】
項目名「決済状況」が付されたサブカラムのフィールドには、運送事業者が離着陸ポイント13の使用に対して支払いを行ったか否か、すなわち決済がされているか否かが登録される。「済」は、決済がされたことを示し、「未」は、決済がされていないことを示す。なお、運送事業者ごとに締め日や決済日が異なる。ユーザ(土地所有者)への支払日に対する締め日までに決済がされていない利用料金については、翌月の支払いとなる。また、上記利用料金と、運送事業者が支払う使用料金(
図8参照)とは、一致していてもよいし、相違していてもよい。離着陸ポイント13の管理費用やサービス料金が使用料金から差し引かれて利用料金とされる場合、利用料金と使用料金とは相違する。離着陸設定料金及び駐機設定料金とは別に管理費用やサービス料金が請求される場合、利用料金と使用料金とは一致する。
【0167】
項目名「月合計金額」が付されたサブカラムのフィールドには、利用金額を月ごとに合計した金額が登録される。なお、「月ごと」とは、月初めから月末までであってもよいし、前回の締め日の翌日から締め日までであってもよい。締め日は、サービス提供者が予め決定して管理データベースに登録される。
【0168】
図10が示す事業者決済管理データベースは、運送事業者に対し請求する使用料金を管理するためのデータベースである。
【0169】
事業者決済管理データベースは、複数のカラム(列)及び複数のレコード(行)を備える。
【0170】
項目名「日付」と、「C0001」等の事業者IDが各カラムにそれぞれ付されている。
【0171】
項目名「日付」が付されたカラムのフィールドには、年月日が登録される。
【0172】
「C0001」等の事業者IDが付された各カラムは、「利用ポートID」、「使用料金」、「月合計金額」、及び「決済状況」のいずれかの項目名がそれぞれ付されたサブカラムをそれぞれ有する。すなわち、事業者決済管理データベースでは、日付ごと、且つ運送事業者ごとに、「利用ポートID」、「使用料金」、「月合計金額」、「決済状況」が相互に対応付けられている。すなわち、事業者決済管理データベースでは、運送事業者に請求すべき金額が日付ごとに登録され、且つ運送事業者に請求すべき金額が月ごとに加算されて登録される。なお、「月ごと」とは、月初めから月末までであってもよいし、前月の決済日(締め日)の翌日から今月の決済日(締め日)までであってもよい。決済日は、運送事業者の決済日である。なお、使用ポートIDに代えて、或いは使用ポートIDとともに、端末IDが事業者決済管理データベースに登録されていてもよい。
【0173】
項目名「決済状況」が付されたサブカラムのフィールドには、運送事業者が使用料金を支払ったか否か、すなわち決済がされているか否かが登録される。「済」は、決済(支払い)がされたことを示し、「未」は、決済(支払い)がされていないことを示す。
【0174】
図5から
図10が示す管理データベースは一例である。管理データベースは、
図5から
図10が示す項目名以外の項目名が付されたカラムを有していてもよいし、
図5から
図10が示す項目名のカラムの一部を有していなくてもよい。
【0175】
図5から
図10が示す管理データベースは、管理サーバ50のサーバメモリ52に記憶されていなくてもよい。例えば、管理データベースは、データベース管理用のWEBサーバに記憶されていてもよい。すなわち、管理データベースは、管理サーバ50が有するサーバメモリ52とは別のメモリに記憶されていてもよい。その場合、管理サーバ50は、通信インタフェース53及びインターネット14を通じて当該WEBサーバと通信を行って管理データベースにアクセスする。
【0176】
図5から
図10では、管理データベースに登録されたテーブルが示された。もっとも、管理データベースは、当該テーブルに加え、当該テーブルに情報を登録し、当該テーブルを検索して情報を読み出すプログラムも含む。管理サーバ50は、当該プログラムを介して、管理データベースに情報を登録し、管理データベースにおいて情報を検索し、管理データベースから情報を読み出す。
【0177】
図11は、管理サーバ50の管理プログラム55が、離着陸ポイント13の使用予定をインターネット14上に公開する公開処理のフローチャートである。なお、管理プログラム55が実行する処理は、CPU51や管理サーバ50が実行する処理でもある。
【0178】
管理プログラム55は、第2利用予定管理データベース(
図7参照)に基づいて、公開画像データを生成する(S11)。公開画像データは、例えば本日から所定期間経過後までの第2利用予定管理データベースの画像を示すデータである。所定期間は、2週間や1月などである。公開画像データが示す画像に映る第2利用予定データベースに登録された「B0001」などのポートIDは、特許請求の範囲に記載された「端末IDに応じた情報」に相当する。公開画像データは、特許請求の範囲に記載された「利用予定情報」に相当する。
【0179】
一方、運送事業者は、所持するPC等の端末装置において、管理サーバ50が運送事業者のみに公開するWEBサイトにアクセスする。当該WEBサイトは、離着陸ポイント13の使用予定を要求するアイコンを有する。運送事業者は、当該アイコンを選択する(S12)。上記端末装置が実装するブラウザは、公開画像の閲覧要求を含むHTTPリクエストを、インターネット14を通じて管理サーバ50に送信する(S13)。HTTPリクエストとは、HTTP或いはHTTPsの通信プロトコルに基づいて送信される情報(要求)を意味する。
【0180】
管理サーバ50の管理プログラム55は、通信インタフェース53を通じて上記HTTPリクエストを受信したことに基づいて(S13)、ステップS11で生成した公開画像データを含むHTTPレスポンスを生成する(S14)。管理プログラム55は、生成したHTTPレスポンスを、ステップS13で受信したHTTPリクエストに対する応答として、通信インタフェース53及びインターネット14を通じて上記端末装置に返信する(S15)。なお、HTTPレスポンスで返信するデータは、例えば上記公開画像データが埋め込まれたHTMLデータである。ステップS15の処理は、特許請求の範囲に記載された「利用予定送信処理」に相当する。
【0181】
上記端末装置のブラウザは、受信したHTTPレスポンスに含まれる公開画像データが示す公開画像をディスプレイに表示する(S16)。
【0182】
運送事業者は、上記公開画像を閲覧して離着陸ポイント13の使用予定を確認した後、運行予定を立案する。
【0183】
なお、管理プログラム55は、例えば午前0時などの毎日の所定の時刻に、第1利用予定管理データベースに基づいて、公開画像データを生成してもよい。その場合、第2利用予定管理データベースは作成されなくてもよい。
【0184】
また、公開画像は、ポートIDが示す離着陸ポイント13の住所(
図5(A)参照)を含んでいてもよい。
【0185】
図12は、運行予定登録処理のフローチャートである。運行予定登録処理は、運送事業者が通知した運行予定に基づいて、管理プログラム55が、離着陸ポイント13の利用予定を第1利用予定管理データベースに登録する処理である。
【0186】
管理サーバ50の管理プログラム55は、サービス提供者が入力、或いは運送事業者が送信した運行予定を、当該運行予定を作成した運送事業者の事業者IDとともに取得する(S21)。具体的には、管理プログラム55は、事業者IDと、運送を行う日付と、運送を行う垂直離着陸飛行体11の機体記号と、待機場所からの出発予定時刻と、目的地或いは経由地である離着陸ポイント13のポートIDと、離着陸ポイント13への到着予定時刻と、離着陸ポイント13からの離陸予定時刻と、総重量とを取得する。ステップS21の処理は、特許請求の範囲に記載された「利用申請処理」に相当する。運行情報は、特許請求の範囲に記載された「利用申請」に相当する。
【0187】
管理プログラム55は、取得した事業者ID及び機体記号と一致する事業者ID及び機体記号を有するレコードを、機体管理データベース(
図5(C)参照)において特定する。管理プログラム55は、特定したレコードに登録された機種が示す垂直離着陸飛行体11の全長及び全幅を示す機体サイズを、規定サイズ管理データベース(
図5(D)参照)から取得する(S22)。
【0188】
また、管理プログラム55は、ステップS21で取得したポートIDと一致するポートIDを有するレコードを、基本情報管理データベース(
図5(A)参照)において特定する。管理プログラム55は、特定したレコードに登録された着陸帯情報、種別情報、及び上限重量を取得する(S23)。ステップS22、S23の処理は、特許請求の範囲に記載された「判断情報取得処理」に相当する。
【0189】
管理プログラム55は、ステップS22で取得した機体サイズと、ステップS23で取得した着陸帯情報及び種別情報とに基づいて、離着陸ポイント13についての使用を許諾するか否かを判断する(S24)。例えば、管理プログラム55は、種別情報が「地上」であること、且つ機体サイズが着陸帯情報が示すサイズ未満であることに基づいて、使用を許諾する(S24:Yes)。また、管理プログラム55は、種別情報が「建物」であること、且つ着陸帯情報が示すサイズが機体サイズの1.2倍以上であること、且つ総重量が上限重量未満であることに基づいて、使用を許諾する(S24:Yes)。ステップS24の処理は、特許請求の範囲に記載された「サイズ判断処理」に相当する。
【0190】
管理プログラム55は、使用を許諾すると判断すると(S24:Yes)、ステップS21で取得した着陸時刻から離陸時刻までの時間帯において、離着陸ポイント13の使用予定があるか否かを判断する(S25)。管理プログラム55は、上記時間帯において離着陸ポイント13の使用予定がないと判断すると(S25:No)、運行予定を第1利用予定管理データベースに登録する(S26)。具体的には、管理プログラム55は、ステップS21で取得した日付に対応する各フィールドに、ステップS21で取得した離着陸ポイント13のポートID、離着陸ポイント13への到着予定時刻、及び離着陸ポイント13からの離陸予定時刻、及び総重量を登録する。なお、離着陸ポイント13のポートIDは利用予定ポートIDに対応し、到着予定時刻は利用開始予定時刻に対応し、離陸予定時刻は利用終了予定時刻に対応する。ステップS26の処理は、特許請求の範囲に記載された「利用予定登録処理」に相当する。
【0191】
管理プログラム55が、日付(利用予定日)と、機体記号と、ポートIDと、利用開始予定時刻と、利用終了予定時刻と、総重量とを対応付けて管理データベースに登録する処理は、特許請求の範囲に記載された「利用予定登録処理」に相当する。
【0192】
管理プログラム55は、使用を許諾しないと判断すると(S24:No)、或いは離着陸ポイント13の使用予定が既に登録されていると判断すると(S25:Yes)、エラー情報通知処理を実行する(S27)。エラー情報通知処理は、運送事業者が使用予定の離着陸ポイント13のサイズや上限重量が、垂直離着陸飛行体11の着陸に必要なサイズ或いは総重量に満たないことを運送事業者に通知する処理である。或いはエラー情報通知処理は、運送事業者が使用予定の離着陸ポイント13について既に使用予定が登録されていることを運送事業者に通知する処理である。当該通知は、例えばEメールによって行われる。管理プログラム55は、ステップS21で取得した事業者IDと同一の事業者IDを有するレコードを、事業者管理データベース(
図5(B)参照)において特定する。管理プログラム55は、特定したレコードに登録されたメールアドレスを取得し、取得したメールアドレス宛に、使用予定の離着陸ポイント13のサイズが必要なサイズ未満であることを示すEメールを送信する。
【0193】
管理プログラム55は、エラー情報通知処理の実行後(S27)、運行予定を第1利用予定管理データベースに登録することなく、処理を終了する(エンド)。
【0194】
図13及び
図14は、離着陸監視処理のフローチャートである。離着陸監視処理は、設置端末装置30が送信する着陸情報及び離陸情報に基づいて、管理プログラム55が、垂直離着陸飛行体11の着陸時刻や離陸時刻や駐機時間など、離着陸に関する情報を実績管理データベースに登録する処理である。
【0195】
以下、
図13及び
図14が示す離着陸監視処理について説明がされる。なお、端末プログラム34が実行する処理は、CPU31或いは設置端末装置30が実行する処理でもある。
【0196】
運行管理システム(
図2参照)により、垂直離着陸飛行体11の運行が行われる。すなわち、垂直離着陸飛行体11の離陸及び飛行が開始される。
【0197】
離着陸ポイント13に設置された設置端末装置30の端末プログラム34は、測距センサ42を駆動させ、測距センサ42が出力したセンサ検出値を取得し、取得したセンサ検出値を端末メモリ32に記憶させる(S31)。端末プログラム34は、取得したセンサ検出値に基づいて、物体を検知したか否か、すなわち離着陸ポイント13の上方に垂直離着陸飛行体11が存在するか否かを判断する(S32)。端末プログラム34は、物体を検知していないと判断すると(S32:No)、測距センサ42を再度駆動させ、センサ検出値を端末メモリ32に記憶させる(S31)。ステップS31の処理は、所定のサンプリング周期で繰り返し実行される。所定のサンプリング周期は、例えば数百m秒から1秒の間の期間である。設置端末装置30の端末メモリ32は、複数の上記センサ検出値を記憶する記憶領域を有する。測距センサ42が繰り返し出力するセンサ検出値は、端末メモリ32に順次記憶される。
【0198】
端末プログラム34は、物体を検知したと判断すると(S32:Yes)、検知した物体が降下しているか否かを判断する(S33)。例えば、端末プログラム34は、端末メモリ32に記憶された複数のセンサ検出値が示す距離が徐々に短くなっていることに基づいて、検知物が体降下していると判断する。ステップS33の処理は、特許請求の範囲に記載された「降下判断処理」に相当する。
【0199】
端末プログラム34は、検知物体が降下していないと判断すると(S33:No)、ステップS31の処理を再度実行する。なお、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13の上方に静止している場合、垂直離着陸飛行体11が降下を開始するまで、ステップS31の処理が繰り返し実行される。また、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13の上方を通過(フライパス)した場合、ステップS33で降下していないと判断され(S33:No)、ステップS31の処理が再度実行される。
【0200】
端末プログラム34は、検知物体である垂直離着陸飛行体11が降下していると判断すると(S33:Yes)、センサ検出値が示す距離である検知距離が、端末メモリ32に予め記憶された閾値距離未満になったか否かを判断する(S34)。すなわち、ステップS34では、垂直離着陸飛行体11の底面に表記された機体記号の撮像に適した閾値距離まで垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に近づいたか否かが判断される。端末プログラム34は、検知距離が閾値距離以上であると判断すると(S34:No)、ステップS31以降の処理を再度実行する。
【0201】
端末プログラム34は、検知距離が閾値距離未満になったと判断すると(S34:Yes)、カメラ41を駆動させ、カメラ41に撮像を行わせる(S35)。なお、上述したように、測距センサ42のサンプリング周期は1秒未満であり、且つ垂直離着陸飛行体11が着陸する際の降下速度は低速であるから、垂直離着陸飛行体11は、カメラ41が機体記号を撮像可能な範囲内に存在する。すなわち、カメラ41が出力する画像データが示す画像には、垂直離着陸飛行体11の底面に表記された機体記号が映る。当該画像データは、特許請求の範囲に記載された「第1画像データ」に相当する。
【0202】
端末プログラム34は、カメラ41が出力した画像データを取得する(S36)。ステップS35、S36の処理は、特許請求の範囲に記載された「第1画像データ取得処理」に相当する。
【0203】
端末プログラム34は、画像データを取得した後、測距センサ42を駆動させ、測距センサ42が出力したセンサ検出値を端末メモリ32に記憶させる(S37)。端末プログラム34は、当該センサ検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したか否かを判断する(S38)。具体的には、端末プログラム34は、当該センサ検出値が示す検知距離が、測距センサ42と離着陸ポイント13との間の離間距離に応じた所定値未満になったことに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したと判断する。当該所定値は、端末メモリ32に予め記憶される。端末プログラム34は、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したと判断するまで(S38:No)、所定のサンプリング周期でステップS37の処理を繰り返し実行する。所定のサンプリング周期は、数百m秒から1分の間の時間(期間)である。すなわち、垂直離着陸飛行体11の着陸は、少なくとも1分単位で監視される。
【0204】
端末プログラム34は、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したと判断すると(S38:Yes)、クロック36が出力した現在日時を、着陸日時情報として取得する(S39)。端末プログラム34は、着陸日時情報と、ステップS36で取得した画像データと、端末メモリ32に記憶された端末IDと、「0」の離着陸フラグと、を含む着陸情報を生成する(S40)。離着陸フラグは、着陸を示す「0」或いは離陸を示す「1」である。「0」の離着陸フラグは、送信する情報が着陸情報であることを示す。端末プログラム34は、生成した着陸情報を含むHTTPリクエストを、通信インタフェース37及びインターネット14を通じて管理サーバ50に送信する(S41)。ステップS41の処理は、特許請求の範囲に記載された「着陸情報送信処理」に相当する。
【0205】
管理サーバ50の管理プログラム55は、着陸情報を含むHTTPリクエストを、通信インタフェース53を通じて受信する(S41)。ステップS41の処理は、特許請求の範囲に記載された「着陸情報受信処理」に相当する。
【0206】
管理サーバ50の管理プログラム55は、受信した着陸情報に含まれる画像データに基づいて、機体記号を取得する(S42)。例えば、サーバメモリ52は、OCR(Optical Character Recognition)或いはAI-OCRを記憶している。管理プログラム55は、OS54を介して画像データをOCR(AI-OCR)に受け渡し、OCRが画像データから読み取った機体記号をOCRから受け取る。ステップS42の処理は、特許請求の範囲に記載された「機体記号取得処理」及び「第1機体記号取得処理」に相当する。
【0207】
管理プログラム55は、着陸情報に含まれる画像データから機体記号を取得できたか否かを判断する(S43)。ステップS43の処理は、特許請求の範囲に記載された「取得判断処理」に相当する。
【0208】
管理プログラム55は、機体記号を取得できなかったと判断すると(S43:No)、着陸情報に含まれる端末ID及び着陸日時情報をサーバメモリ52に一時記憶させる(S44)。管理プログラム55は、「1」の指示フラグを含む肯定応答(ACK)を生成し、生成したACKを含むHTTPレスポンスを、ステップS41で受信したHTTPリクエストに対する応答として、通信インタフェース53及びインターネット14を通じて設置端末装置30に返信する(S45)。「1」の指示フラグは、特許請求の範囲に記載された「再実行指示」に相当する。
【0209】
管理プログラム55は、機体記号を取得できたと判断すると(S43:Yes)、取得した機体記号と一致する機体記号を有するカラムを、実績管理データベース(
図8参照)において特定する(S46)。また、管理プログラム55は、着陸情報に含まれる端末IDに対応するポートIDを、基本情報管理データベース(
図5(A)参照)から取得する(S47)。管理プログラム55は、ステップS46で特定したカラムに、ステップS47で取得したポートID(使用ポートID)と、着陸情報に含まれる着陸日時情報が示す着陸時刻を登録する(S48)。ステップS48の処理は、特許請求の範囲に記載された「着陸情報登録処理」に相当する。ステップS48において実績管理データベースに登録されるポートIDは、端末IDと1対1で対応し、特許請求の範囲に記載された「端末ID」に相当する。
【0210】
また、管理プログラム55は、機体記号を取得できたと判断したことに基づいて(S43:Yes)、「0」の指示フラグを含む肯定応答(ACK)を生成し、生成したACKを含むHTTPレスポンスを、ステップS41で受信したHTTPリクエストに対する応答として、通信インタフェース53及びインターネット14を通じて設置端末装置30に返信する(S49)。「0」の指示フラグは、特許請求の範囲に記載された「再実行不要指示」に相当する。ステップS45、S49は、特許請求の範囲に記載された「返信処理」に相当する。
【0211】
設置端末装置30は、管理サーバ50が返信したHTTPレスポンスを、通信インタフェース37を通じて受信する(S45、S49)。設置端末装置30の端末プログラム34は、受信したHTTPレスポンスに含まれる指示フラグを端末メモリ32に一時記憶させる(S50)。
【0212】
端末プログラム34は、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したと判断した(S38:Yes)後も、測距センサ42を駆動させてセンサ検出値を取得する(S51)。端末プログラム34は、取得したセンサ検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体11が離陸したか否かを判断する(S52)。例えば、端末プログラム34は、端末メモリ32に記憶された前回のセンサ検出値であって、着陸した垂直離着陸飛行体11までの距離を示す前回検知距離と、最新のセンサ検出値が示す最新検知距離とを比較する。端末プログラム34は、最新検知距離が前回検知距離よりも所定値以上大きいことに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離陸したと判断する。所定値は、端末メモリ32に予め記憶される。ステップS52の処理は、特許請求の範囲に記載された「離陸判断処理」に相当する。
【0213】
端末プログラム34は、垂直離着陸飛行体11が離陸していないと判断すると(S52:No)、所定のサンプリング周期でステップS50の処理を繰り返し実行する。所定のサンプリング周期は、例えば数百m秒から1分の間の期間である。なお、サンプリング周期が1分以下とされるのは、垂直離着陸飛行体11の離陸を分単位で監視するためである。
【0214】
端末プログラム34は、垂直離着陸飛行体11が離陸したと判断すると(S52:Yes)、クロック36が出力した現在日時を、離陸日時情報として取得する(S53)。また、
図14が示すように、端末プログラム34は、端末メモリ32に記憶させた指示フラグが「1」であるか否かを判断する(S54)。「1」の指示フラグは、垂直離着陸飛行体11の再撮像を指示する。
【0215】
端末プログラム34は、指示フラグが「1」でないと判断すると(S54:No)、ステップS53で取得した離陸日時情報と、端末メモリ32に記憶された端末IDと、「1」の離着陸フラグと、を含む離陸情報を生成する(S55)。「1」の離着陸フラグは、送信する情報が離陸情報であることを示す。端末プログラム34は、生成した離陸情報を含むHTTPリクエストを、通信インタフェース37及びインターネット14を通じて管理サーバ50に送信する(S56)。ステップS56の処理は、特許請求の範囲に記載された「離陸情報送信処理」に相当する。
【0216】
端末プログラム34は、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸したと判断した(S52:Yes)後も、測距センサ42を駆動させてセンサ検出値を取得する(S57)。端末プログラム34は、指示フラグが「1」であると判断すると(S54:Yes)、センサ検出値が示す検知距離が上記閾値距離を超えたか否かを判断する(S58)。端末プログラム34は、検知距離が閾値距離を超えたと判断するまで(S58:No)、ステップS57の処理を所定のサンプリング周期で繰り返し実行する。所定のサンプリング周期は、例えば数百m秒から1秒の間である。
【0217】
端末プログラム34は、検知距離が閾値距離を超えたと判断すると(S58:Yes)、すなわち、カメラ41が垂直離着陸飛行体11の底面に表記された機体記号を撮像可能な高さまで垂直離着陸飛行体11が上昇したと判断すると、カメラ41を駆動させ、画像データを生成させる(S59)。当該画像データは、特許請求の範囲に記載された「第2画像データ」に相当する。端末プログラム34は、カメラ41が生成した画像データを取得する(S60)。ステップS59、S60の処理は、特許請求の範囲に記載された「第2画像データ取得処理」に相当する。
【0218】
端末プログラム34は、取得した画像データと、ステップS53で取得した離陸日時情報と、端末メモリ32に記憶された端末IDと、「1」の離着陸フラグと、を含む離陸情報を生成する(S61)。端末プログラム34は、生成した離陸情報を含むHTTPリクエストを、通信インタフェース37及びインターネット14を通じて管理サーバ50に送信する(S62)。ステップS62の処理は、特許請求の範囲に記載された「離陸情報送信処理」に相当する。
【0219】
管理サーバ50の管理プログラム55は、離陸情報を含むHTTPリクエストを、通信インタフェース53を通じて受信する(S56、S62)。ステップS56、S62の処理は、特許請求の範囲に記載された「離陸情報受信処理」に相当する。
【0220】
管理サーバ50の管理プログラム55は、受信した離陸情報に含まれる端末IDに対応するポートIDを基本情報管理データベース(
図5(A)参照)から取得する(S63)。
【0221】
管理プログラム55は、離陸情報に画像データが含まれているか否かを判断する(S64)。管理プログラム55は、離陸情報に画像データが含まれていると判断すると(S64:Yes)、ステップS42と同様にして、画像データから機体記号を取得する(S65)。ステップS65の処理は、特許請求の範囲に記載された「第2機体記号取得処理」に相当する。
【0222】
管理プログラム55は、取得した機体記号と一致する機体記号を有するカラムを、実績管理データベース(
図8参照)において特定する(S66)。また、管理プログラム55は、ステップS44においてサーバメモリ52に一時記憶させた着陸日時情報であって、ステップS62で受信した端末IDと同一の端末IDと対応付けられた着陸日時情報を取得する(S67)。
【0223】
管理プログラム55は、ステップS63で取得したポートIDと、ステップS67で取得した着陸日時情報が示す着陸時刻と、ステップS62で受信した離陸日時情報が示す離陸時刻とを、ステップS66で特定したカラムに登録する(S68)。ステップS68の処理は、特許請求の範囲に記載された「着陸情報登録処理」に相当する。ステップS68の処理は、特許請求の範囲に記載された「離陸情報登録処理」に相当する。
【0224】
管理プログラム55は、離陸情報に画像データが含まれていないと判断すると(S64:No)、ステップS56で取得した端末IDに対応するポートIDが登録されたカラムを実績管理データベースにおいて特定する(S69)。管理プログラム55は、特定したカラムに、ステップS56で受信した離陸日時情報が示す離陸時刻を登録する(S70)。ステップS70の処理は、特許請求の範囲に記載された「離陸情報登録処理」に相当する。
【0225】
管理プログラム55は、登録した着陸時刻及び離陸時刻に基づいて駐機時間を算出し、実績管理データベースにおける項目名「駐機時間」が付されたカラムのフィールドに登録する(S71)。管理プログラム55は、算出した駐機時間が、サーバメモリ52に予め記憶された閾値時間未満であるか否かを判断する(S72)。閾値時間は、例えば15分である。
【0226】
管理プログラム55は、駐機時間が閾値時間未満でないと判断すると(S72:No)、使用料金を算出して実績管理データベース(
図8参照)に登録する(S73)。詳しく説明すると、管理プログラム55は、項目名「使用ポートID」のフィールドに登録されたポートIDと一致するポートIDを有するレコードを、基本情報管理データベース(
図5(A)参照)において特定する。管理プログラム55は、特定したレコードに登録された設定料金番号を取得する。次に、管理プログラム55は、取得した設定料金番号と一致する設定料金番号を有するレコードを、料金管理データベース(
図5(E)参照)において特定する。管理プログラム55は、特定したレコードに登録された離着陸設定料金及び駐機設定料金を取得する。管理プログラム55は、例えば、実績管理データベースに登録された駐機時間から上記閾値時間(15分)を減じた時間を15分ごとに切り捨て或いは切り上げ、更に駐機設定料金に応じた値を乗じて駐機料金として算出する。管理プログラム55は、取得した離着陸設定料金に、算出した駐機料金を加えて、使用料金として算出する。管理プログラム55は、実績管理データベースにおける項目名「使用料金」が付されたカラムのフィールドに、算出した使用料金を登録する。或いは、管理プログラム55は、算出した使用料金に管理費用或いはサービス料金を加えた額を、項目名「使用料金」が付されたカラムのフィールドに登録する。
【0227】
管理プログラム55は、駐機時間が閾値時間未満であると判断すると(S72:Yes)、ステップS73と同様にして離着陸設定料金を取得し、取得した離着陸設定料金を、実績管理データベース(
図8参照)における項目名「使用料金」が付されたカラムのフィールドに登録する(S74)。或いは、管理プログラム55は、離着陸設定料金に管理費用やサービス料金を加えた額を、項目名「使用料金」が付されたカラムのフィールドに登録する。ステップS73、S74の処理は、特許請求の範囲に記載された「使用料金登録処理」に相当する。
【0228】
また、管理プログラム55は、ステップS62で受信したHTTPリクエストに対する応答として、ACKを含むHTTPレスポンスを、通信インタフェース53及びインターネット14を通じて設置端末装置30に返信し(S75)、離着陸監視処理を終了する。
【0229】
設置端末装置30の端末プログラム34は、ACKを含むHTTPレスポンスを受信したことに基づいて(S75)、離着陸監視処理を終了する。設置端末装置30の端末プログラム34及び管理サーバ50の管理プログラム55は、例えば、電源が入れられている間、離着陸監視処理を繰り返し実行する。
【0230】
図15は、決済処理のフローチャートである。決済処理は、運送事業者に使用料金を請求し、ユーザ(土地所有者)に利用料金を支払う処理である。
【0231】
管理サーバ50の管理プログラム55は、所定時刻になったことに基づいて、決済処理を実行する。所定時刻は、0時や8時や12時などである。すなわち、決済処理は、毎日実行される。
【0232】
管理プログラム55は、本日の日付を取得する(S81)。管理プログラム55は、取得した日付に基づいて、本日が決済日(締め日)である運送事業者があるか否かを判断する(S82)。具体的には、管理プログラム55は、ステップS61で取得した日付と一致する決済日を有するレコード、或いは取得した日付が月末であれば、決済日として「月末」が登録されたレコードを、事業者管理データベース(
図5(B)参照)において検索する。管理プログラム55は、当該レコードがあることに基づいて、本日が決済日である運送事業者があると判断する。
【0233】
管理プログラム55は、本日が決済日(締め日)である運送事業者がないと判断すると(S82:No)、処理を終了する(エンド)。
【0234】
管理プログラム55は、本日が決済日(締め日)である運送事業者があると判断すると(S82:Yes)、上記特定したレコードに登録された事業者IDを取得する(S83)。管理プログラム55は、取得した事業者IDと一致する事業者IDを有するカラムを、事業者決済管理データベース(
図10参照)において特定する。管理プログラム55は、特定したカラムに登録された月合計金額を、今月の請求金額として取得する(S84)。
【0235】
管理プログラム55は、取得した請求金額を含む請求情報を、通信インタフェース53及びインターネット14を通じて事業者サーバ18に送信する(S85)。なお、運送事業者への請求は、Eメールなど、他の方法によって行われてもよい。
【0236】
事業者サーバ18は、請求情報を受信する(S85)。事業者サーバ18は、サービス提供者が指定する口座に、請求金額を振り込む(S86)。事業者サーバ18は、請求金額を支払ったことを示す通知情報を管理サーバ50に送信する(S87)。
【0237】
管理プログラム55は、通信インタフェース53を通じて通知情報を受信したか否かを判断し(S88)、通知情報を受信するまで待機する(S88:No)。管理プログラム55は、通知情報を受信したと判断すると(S88:Yes)、請求金額が口座に入金されたか否かを判断する(S89)。管理プログラム55は、請求金額が口座に入金されていないと判断すると(S89:No)、ステップS85以降の処理を再度実行する。
【0238】
なお、ステップS85からS89の処理に代えて、事業者管理データベース(
図5(B)参照)に登録された事業者決済情報に基づいて、自動で決済が行われてもよい。
【0239】
管理プログラム55は、請求金額が口座に入金されていると判断すると(S89:Yes)、入金がされたことを事業者決済管理データベース(
図10参照)に登録する。具体的には、管理プログラム55は、ステップS83で取得した事業者IDと一致する事業者IDを有するカラムを事業者決済管理データベースにおいて特定する。管理プログラム55は、特定したカラムにおける項目名「決済状況」が付されたサブカラムのフィールドに、「未」に代えて「済」を登録する(S90)。
【0240】
管理プログラム55は、ステップS81で取得した本日の日付が、ユーザ(土地所有者)への支払い日であるか否かを判断する(S91)。管理プログラム55は、ユーザへの支払日でないと判断すると(S91:No)、処理を終了する(エンド)。管理プログラム55は、ユーザへの支払日であると判断すると(S91:Yes)、ユーザごとの支払額を取得する(S92)。具体的には、ユーザ決済管理データベース(
図9参照)に登録された月合計金額(支払額)を、ユーザIDと対応付けて取得する。
【0241】
管理プログラム55は、ステップS92で取得したユーザIDと一致するユーザIDを有するレコードを、基本情報管理データベース(
図5(A)参照)において特定し、特定したレコードに登録されたユーザ決済情報を取得する。管理プログラム55は、取得したユーザ決済情報及び支払額に基づいて、ユーザへの支払いである振込処理を行う(S93)。
【0242】
管理プログラム55は、ユーザへの支払いが行われたことをユーザ決済管理データベース(
図9参照)に登録する。具体的には、管理プログラム55は、ユーザ決済管理データベースにおける項目名「決済状況」が付されたサブカラムのフィールドに、「未」に代えて「済」を登録する(S94)。
【0243】
[実施形態の作用効果]
【0244】
本実施形態に係るサービス提供システム10は、土地所有者に対して、離着陸ポイント13を設置するサービス、及び土地(離着陸ポイント13)を運用するサービスを提供することができる。また、本実施形態に係るサービス提供システム10は、運送事業者に対して、多数の離着陸ポイント13を使用するサービスを提供することができる。その結果、本実施形態に係るサービス提供システム10は、垂直離着陸飛行体11を用いた運送事業の発展に寄与することができる。
【0245】
本実施形態では、サービス提供システム10は、垂直離着陸飛行体11に搭載された飛行制御ユニット22や垂直離着陸飛行体11の運行を管理する運行管理システム20から垂直離着陸飛行体11の離着陸に関する情報の提供を受けることなく、すなわち飛行制御ユニット22や運行管理システム20にアクセスすることなく、着陸時刻等を含む着陸情報及び離陸時刻を含む離陸情報を取得することができる。その結果、空地を有効に活用して垂直離着陸飛行体11が離着陸する多数の離着陸ポイント13を運送事業者に提供することができ、且つ飛行制御ユニット22や運行管理システム20における設定の追加やセキュリティの変更などを行うことなく、すなわち運送事業者のシステムに一切の変更を加えることなく、垂直離着陸飛行体11の離着陸を管理することができる。
【0246】
垂直離着陸飛行体11では、離着陸ポイント13に着陸する際の向きが不定(任意)である。したがって、1台のカメラで、垂直離着陸飛行体11の側面に表記された機体記号を撮像することは困難である。本実施形態では、カメラ41を離着陸ポイント13の上方へ向け、且つ垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸する前に撮像を行うことにより、垂直離着陸飛行体11の底面に表記された機体記号を撮像することができる。その結果、本実施形態に係るサービス提供システム10は、カメラ41を用いて機体記号を取得することができる。
【0247】
本実施形態に係るサービス提供システム10では、垂直離着陸飛行体11が、撮像に適した高さになったときに、カメラ41によって撮像を行う。したがって、垂直離着陸飛行体11までの距離が遠くて画像に映る機体記号が小さくなり過ぎることを防止することができ、且つ垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に近づき過ぎて垂直離着陸飛行体11の底面が画像に映らなくなることを防止することができる。
【0248】
本実施形態に係るサービス提供システム10では、着陸時に撮像した画像から機体記号を取得できない場合、離陸時に撮像した画像から機体記号が取得される。したがって、管理サーバ50は、機体記号を確実に取得することができる。
【0249】
本実施形態に係るサービス提供システム10では、離陸時における機体記号の再撮像は、管理サーバ50からの指示(「1」の指示フラグ)によって行われる。したがって、離陸時の撮像によって生成された画像データが常に管理サーバ50に送信される場合に比べ、設置端末装置30と管理サーバ50との間の通信量を低減することができる。
【0250】
本実施形態に係るサービス提供システム10では、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸してから離陸するまでの時間が駐機時間として算出される。駐機時間が閾値時間未満である場合、離着陸設定料金が使用料金として算出される(
図14のS74)。駐機時間が閾値時間以上である場合、離着陸設定料金及び駐機料金が使用料金として算出される(S73)。したがって、垂直離着陸飛行体11の独自の料金設定に対応して使用料金を算出することができる。
【0251】
本実施形態に係るサービス提供システム10は、離着陸ポイント13の利用予定を公開する(
図11参照)。したがって、離着陸ポイント13に対して重複する2つの予定が登録されることが防止される。
【0252】
本実施形態に係るサービス提供システム10では、離着陸ポイント13の着陸帯情報と、離着陸ポイント13に離着陸予定の垂直離着陸飛行体11のサイズを示す機体サイズとに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に法的に離着陸可能であるか否かが判断される(
図12のS24)。したがって、運送事業の安全性が確保される。
【0253】
[第2実施形態]
【0254】
第1実施形態では、カメラ41が離着陸ポイント13の側方に設置された例が説明された。本実施形態では、
図16が示すように、カメラ41が離着陸ポイント13に埋設された例が説明される。なお、第1実施形態と同一の構成及び処理は、第1実施形態と同一の符号及びステップ番号が付されて説明が省略される。以下で説明される構成及び処理以外の構成及び処理は、第1実施形態で説明された構成及び処理と同じである。
【0255】
【0256】
本実施形態では、設置端末装置30は、測距センサ42に代えて、
図4が示すセンサ61を備える。また、設置端末装置30は、明度センサ62を更にを備える。つまり、設置端末装置30は、CPU31、端末メモリ32、バッテリ38、電源回路35、クロック36、通信インタフェース37、カメラ41、センサ61、及び明度センサ62を備える。
【0257】
図16が示すように、埋設ケース48が離着陸ポイント13に埋設されている。埋設ケース48は、透光性を有する透明な天板49を有する。
【0258】
カメラ41及びセンサ61が、埋設ケース48内に配置されている。
【0259】
カメラ41は、天板49の下に、レンズを上方に向けて配置されており、離着陸ポイント13の上方を撮像領域としている。離着陸ポイント13における垂直離着陸飛行体11の着陸位置に拘らず垂直離着陸飛行体11の底面に表記された機体記号を撮像可能なように、カメラ41のレンズには、焦点距離が35mm以下であるレンズ(いわゆる広角レンズ)、或いは超広角レンズ(いわゆる魚眼レンズ)が用いられている。
【0260】
センサ61は、例えば測距センサ42と同様のセンサであり、離着陸ポイント13の上方を検知領域として埋設ケース48内に配置されている。センサ61は、離着陸ポイント13に降下する垂直離着陸飛行体11や、離着陸ポイント13に着陸した垂直離着陸飛行体11や、離着陸ポイント13から離陸した垂直離着陸飛行体11を検知する。或いは、センサ61は、磁気センサであってもよい。センサ61は、離着陸ポイント13に着陸した垂直離着陸飛行体11を検知する。以下では、センサ61が測距センサであるとして説明される。
【0261】
第1実施形態と同様に、基板43が内部に配置された筐体40が、離着陸ポイント13の側方に設置されている。基板43と、カメラ41及びセンサ61とは、通信ケーブル63によって接続されている。通信ケーブル63は、地中に埋設されている。
【0262】
明度センサ62は、筐体40に取り付けられている。明度センサ62は、埋設ケース48の外側の明度を検出する。明度センサ62は、不図示の信号線によって、基板43(CPU31)と接続されている。
【0263】
図17は、本実施形態における離着陸監視処理のフローチャートである。設置端末装置30の端末プログラム34及び管理サーバ50の管理プログラム55は、
図13及び
図14の離着陸監視処理に代えて、
図17に示す離着陸監視処理を実行する。
【0264】
設置端末装置30の端末プログラム34は、第1実施形態と同様に、物体(垂直離着陸飛行体11)を検知するまで、センサ61が出力するセンサ検出値を所定のサンプリング周期で繰り返し取得して端末メモリ32に記憶させる(S31、S32)。
【0265】
端末プログラム34は、ステップS31で端末メモリ32に記憶させたセンサ検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したか否かを判断する(S101)。例えば、端末プログラム34は、センサ検出値が示す検知距離が、端末メモリ32に予め記憶された所定値未満になったことに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したと判断する。或いは、端末プログラム34は、センサ検出値が示す検知距離が、端末メモリ32に予め記憶された所定値未満になり、且つ所定時間の間、検知距離が変化しないことに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したと判断する。なお、センサ61が磁気センサである場合、端末プログラム34は、センサ検出値が示す磁気強度が、端末メモリ32に予め記憶された所定値未満になり、且つ当該磁気強度が所定時間の間変化しないことに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したと判断する。所定時間は、例えば数秒から1分の間である。ステップS101の処理は、特許請求の範囲に記載された「着陸判断処理」に相当する。
【0266】
端末プログラム34は、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したと判断するまで(S101:No)、センサ61が出力するセンサ検出値を所定のサンプリング周期で繰り返し取得して端末メモリ32に記憶させる(S31、S32)。
【0267】
端末プログラム34は、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸したと判断すると(S101:Yes)、カメラ41を駆動させて画像データを取得し(S35、S36)、次いでクロック36が出力する現在日時を着陸日時情報として取得し(S39)、画像データ、端末ID、及び着陸日時情報を含む着陸情報を生成する(S40)。端末プログラム34は、生成した着陸情報を含むHTTPリクエストを、通信インタフェース37及びインターネット14を通じて管理サーバ50に送信する(S41)。
【0268】
管理サーバ50の管理プログラム55は、着陸情報を含むHTTPリクエストを受信すると(S41)、着陸情報に含まれる画像データから機体記号を取得し(S42)、取得した機体記号から実績管理データベースのカラムを特定するとともに(S46)、着陸情報に含まれる端末IDに対応付けられたポートIDを取得する(S47)。管理プログラム55は、特定した上記カラムに、着陸時刻及びポートIDを登録する(S48)。管理プログラム55は、ステップS41で受信したHTTPリクエストに対する応答として、ACKを含むHTTPレスポンスを、通信インタフェース53及びインターネット14を通じて設置端末装置30に返信する(S102)。
【0269】
設置端末装置30の端末プログラム34は、着陸情報を含むHTTPリクエストを管理サーバ50に送信した後(S41)、センサ61が出力するセンサ検出値を取得して端末メモリ32に記憶させる(S51)。端末プログラム34は、取得したセンサ検出値に基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸したか否かを判断する(S103)。例えば、端末プログラム34は、センサ検出値が示す検知距離が、端末メモリ32に予め記憶された所定値以上になったことに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸したと判断する。或いは、端末プログラム34は、最新のセンサ検出値が示す検知距離が、前回のセンサ検出値が示す検知距離よりも大きいことに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸したと判断する。なお、センサ61が磁気センサである場合、端末プログラム34は、最新のセンサ検出値が示す磁気強度が、前回のセンサ検出値が示す磁気強度よりも小さいことに基づいて、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸したと判断する。ステップS103の処理は、特許請求の範囲に記載された「離陸判断処理」に相当する。
【0270】
端末プログラム34は、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸したと判断するまで(S103:No)、センサ61が出力するセンサ検出値を所定のサンプリング周期で繰り返し取得して端末メモリ32に記憶させる(S51)。
【0271】
端末プログラム34は、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13から離陸したと判断すると(S103:Yes)、クロック36が出力する現在日時を離陸日時情報として取得し(S53)、端末ID及び離陸日時情報を含む離陸情報を生成する(S55)。端末プログラム34は、生成した離陸情報を含むHTTPリクエストを、通信インタフェース37及びインターネット14を通じて管理サーバ50に送信する(S56)。
【0272】
管理サーバ50の管理プログラム55は、離陸情報を含むHTTPリクエストを受信すると(S56)、離陸情報に含まれる端末IDと対応付けられたポートIDを取得し(S63)、取得したポートIDと一致するポートIDを有するカラムを実績管理データベース(
図8参照)において特定する(S69)。管理プログラム55は、特定したカラムに、離陸情報に含まれる離陸日時情報が示す離陸時刻を登録する(S70)。
【0273】
管理プログラム55は、実績管理データベースに登録した着陸時刻及び離陸時刻に基づいて駐機時間を算出し(S71)、算出した駐機時間と、料金管理データベース(
図5(E)参照)に登録された離着陸設定料金及び単位時間当たりの駐機設定料金に基づいて、使用料金を算出し、算出した使用料金を実績管理データベースに登録する(S72、S73、S74)。管理プログラム55は、ステップS56で受信したHTTPリクエストに対する応答として、ACKを含むHTTPレスポンスを、通信インタフェース53及びインターネット14を通じて設置端末装置30に返信する(S75)。
【0274】
図18は、診断処理のフローチャートである。診断処理は、埋設ケース48の天板49が汚れているか否かを判断する処理である。
【0275】
設置端末装置30の端末プログラム34は、所定時刻になったことに基づいて、診断処理を実行する。所定時刻は、例えば日中における1時間ごとの時刻である。
【0276】
端末プログラム34は、明度センサ62及びカメラ41を駆動させ、明度センサ62が出力する検出値及びカメラ41が出力する画像データを取得する(S111)。端末プログラム34は、取得した検出値及び画像データと、端末メモリ32に記憶された端末IDとを含むHTTPリクエストを、通信インタフェース37及びインターネット14を通じて管理サーバ50に送信する(S112)。明度センサ62が出力する検出値及びカメラ41が出力する画像データは、特許請求の範囲に記載された「診断情報」に相当する。ステップS112の処理は、特許請求の範囲に記載された「診断情報送信処理」に相当する。
【0277】
なお、ステップS112において、端末プログラム34は、明度センサ62が出力する検出値及びカメラ41が出力する画像データに代えて、明度センサ62が出力する検出値が示す第2明度と、画像データが示す第1明度とを管理サーバ50に送信してもよいし、当該2つの明度の比或いは差を管理サーバ50に送信してもよい。当該2つの明度、当該2つの明度の差、及び当該2つの明度の比は、特許請求の範囲に記載された「診断情報」に相当する。
【0278】
管理サーバ50の管理プログラム55は、端末ID、検出値、及び画像データを含むHTTPリクエストを、通信インタフェース53を通じて受信する(S112)。管理サーバ50の管理プログラム55は、受信したHTTPリクエストに対する応答として、ACKを含むHTTPレスポンスを、通信インタフェース53及びインターネット14を通じて設置端末装置30に返信する(S113)。ステップS112の処理は、特許請求の範囲に記載された「診断情報受信処理」に相当する。
【0279】
管理プログラム55は、画像データに基づいて、埋設ケース48の内側の明度を示す第1明度を取得する。また、管理プログラム55は、上記検出値に基づいて、埋設ケース48の外側の明度を示す第2明度を取得する。管理プログラム55は、第1明度と第2明度との比の値を算出する(S114)。埋設ケース48の天板49が汚れておらず、且つ劣化していなければ、当該比の値は、所定値となる。埋設ケース48の天板49が汚れる程、或いは劣化する程、上記比の値が所定値から低下する。管理プログラム55は、算出した比の値が、サーバメモリ52に予め記憶された閾値未満であるか否かを判断する(S115)。当該閾値は、カメラ41による機体記号の撮像に支障が生じる値よりも僅かに大きな値である。すなわち、ステップS105では、離着陸ポイント13のメンテナンスが必要か否かが判断される。
【0280】
管理プログラム55は、比の値が閾値以上であると判断すると(S115:No)、処理を終了する(エンド)。管理プログラム55は、比の値が閾値未満であると判断すると(S115:Yes)、ステップS112で受信した端末IDと一致する端末IDを有するレコードを、基礎情報管理データベース(
図5(A)参照)において特定する(S116)。管理プログラム55は、特定したレコードにおける項目名「メンテナンスフラグ」が付されたカラムのフィールドに、「1」を登録する(S117)。メンテナンスフラグは、特許請求の範囲に記載された「メンテナンス情報」に相当する。ステップS117の処理は、特許請求の範囲に記載された「メンテナンス情報登録処理」に相当する。
【0281】
管理プログラム55は、ステップS112で受信した端末IDと対応付けられたポートIDが示す離着陸ポイント13について、メンテナンスが必要であることを、サービス提供者に対して通知する通知処理を実行する(S118)。当該通知は、例えばEメールによって行われる。
【0282】
通知を受けたサービス提供者は、例えば清掃を請け負う事業者に対し、離着陸ポイント13を指定して清掃を依頼する。サービス提供者は、清掃が完了したことに基づいて、「0」のメンテナンスフラグを基礎情報管理データベースに登録する指示を管理サーバ50に入力する。
【0283】
[第2実施形態の作用効果]
【0284】
本実施形態に係るサービス提供システム10は、土地所有者に対して、離着陸ポイント13を設置するサービス、及び土地(離着陸ポイント13)を運用するサービスを提供することができる。また、本実施形態に係るサービス提供システム10は、運送事業者に対して、多数の離着陸ポイント13を使用するサービスを提供することができる。その結果、本実施形態に係るサービス提供システム10は、垂直離着陸飛行体11を用いた運送事業の発展に寄与することができる。
【0285】
本実施形態では、サービス提供システム10は、垂直離着陸飛行体11に搭載された飛行制御ユニット22や垂直離着陸飛行体11の運行を管理する運行管理システム20から垂直離着陸飛行体11の離着陸に関する情報の提供を受けることなく、すなわち飛行制御ユニット22や運行管理システム20にアクセスすることなく、着陸時刻等を含む着陸情報及び離陸時刻を含む離陸情報を取得することができる。その結果、空地を有効に活用して垂直離着陸飛行体11が離着陸する多数の離着陸ポイントを運送事業者に提供することができ、且つ飛行制御ユニット22や運行管理システム20における設定の追加やセキュリティの変更などを行うことなく、すなわち運送事業者のシステムに一切の変更を加えることなく、垂直離着陸飛行体11の離着陸を管理することができる。
【0286】
垂直離着陸飛行体11では、離着陸ポイント13に着陸する際の向きが不定(任意)である。したがって、1台のカメラで、垂直離着陸飛行体11の側面に表記された機体記号を撮像することは困難である。本実施形態では、カメラ41を離着陸ポイント13に埋設することにより、垂直離着陸飛行体11の底面に表記された機体記号を撮像することができる。その結果、本実施形態に係るサービス提供システム10は、カメラ41を用いて機体記号を取得することができる。
【0287】
本実施形態に係るサービス提供システム10では、埋設ケース48の内側における明度と外側における明度との差(比の値)に基づいてメンテナンスが必要であるか否かを判断する診断処理を実行する。したがって、機体記号の取得の確実性が向上する。
【0288】
なお、ステップS104では、2つの明度を比較するため、2つの明度の比の値が算出された。もっとも、ステップS104では、2つの明度の差が算出されてもよい。
【0289】
[第3実施形態]
【0290】
図19は、垂直離着陸飛行体11が、荷物を運送するドローンである場合の当該ドローンの斜視図である。
【0291】
図19が示すように、運送する荷物により、底面が覆い隠されるドローン(垂直離着陸飛行体11)が存在する。本実施形態では、このような垂直離着陸飛行体11であっても機体記号を取得可能なように、垂直離着陸飛行体11の側面に表記された機体記号を複数のカメラ41で撮像する例が説明される。なお、第1実施形態と同一の構成及び処理は、第1実施形態と同一の符号及びステップ番号が付されて説明が省略される。以下で説明される構成及び処理以外の構成及び処理は、第1実施形態で説明された構成及び処理と同じである
【0292】
図20は、離着陸ポイント13の周囲におけるカメラ41の配置を示す図である。
【0293】
本実施形態では、設置端末装置30は、CPU31、端末メモリ32、バッテリ38、電源回路35、測距センサ42、クロック36、及び通信インタフェース37と、複数のカメラ41(
図4参照)と、を備える。各カメラ41は、例えば、離着陸ポイント13の側方に設置された不図示のケース内に配置されている。
【0294】
図20(A)が示すように、3台のカメラ41が、等間隔(120度間隔)で離着陸ポイント13を囲むように離着陸ポイント13の周囲に配置されている。或いは、
図20(B)が示すように、4台のカメラ41が、等間隔(90度間隔)で離着陸ポイント13を囲むように離着陸ポイント13の周囲に配置されている。或いは、
図20(C)が示すように、4台のカメラ41が、2つのポートをそれぞれ囲むように離着陸ポイント13の周囲に配置されている。
【0295】
複数のカメラ41のレンズは、全て離着陸ポイント13を向いている。つまり、複数のカメラ41は、離着陸ポイント13に着陸した垂直離着陸飛行体11の全側面を撮像可能である。
図20では、カメラ41の撮像領域が一点鎖線で示されている。
【0296】
基板43(
図3参照)は、1つのカメラ41とともに、上記ケース内に配置されている。他のカメラ41は、ケーブルによって基板43と接続されている。つまり、全てのカメラ41が基板43(CPU31)と接続されている。
【0297】
本実施形態では、設置端末装置30の端末プログラム34及び管理サーバ50の管理プログラム55は、第2実施形態で説明された離着陸監視処理(
図17参照)を実行する。
【0298】
設置端末装置30の端末プログラム34は、ステップS35において、全てのカメラ41を駆動させて全てのカメラ41に同時に撮像を行わせ、ステップS36において、各カメラ41がそれぞれ出力した全ての画像データを取得する。端末プログラム34は、ステップS41において、全ての画像データを含む着陸情報を管理サーバ50に送信する。管理サーバ50の管理プログラム55は、ステップS42において、いずれかの画像に映る機体記号を取得する。
【0299】
[第3実施形態の作用効果]
【0300】
本実施形態に係るサービス提供システム10は、土地所有者に対して、離着陸ポイント13を設置するサービス、及び土地(離着陸ポイント13)を運用するサービスを提供することができる。また、本実施形態に係るサービス提供システム10は、運送事業者に対して、多数の離着陸ポイント13を使用するサービスを提供することができる。その結果、本実施形態に係るサービス提供システム10は、垂直離着陸飛行体11を用いた運送事業の発展に寄与することができる。
【0301】
本実施形態では、サービス提供システム10は、垂直離着陸飛行体11に搭載された飛行制御ユニット22や垂直離着陸飛行体11の運行を管理する運行管理システム20から垂直離着陸飛行体11の離着陸に関する情報の提供を受けることなく、すなわち飛行制御ユニット22や運行管理システム20にアクセスすることなく、着陸時刻等を含む着陸情報及び離陸時刻を含む離陸情報を取得することができる。その結果、空地を有効に活用して垂直離着陸飛行体11が離着陸する多数の離着陸ポイントを運送事業者に提供することができ、且つ飛行制御ユニット22や運行管理システム20における設定の追加やセキュリティの変更などを行うことなく、すなわち運送事業者のシステムに一切の変更を加えることなく、垂直離着陸飛行体11の離着陸を管理することができる。
【0302】
本実施形態では、複数のカメラ41を離着陸ポイント13を囲むように離着陸ポイント13の周囲に配置することにより、垂直離着陸飛行体11の側面に表記された機体記号を撮像することができる。その結果、本実施形態に係るサービス提供システム10は、カメラ41を用いて機体記号を取得することができる。
【0303】
[変形例]
【0304】
第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態では、管理サーバ50の管理プログラム55が、カメラ41が出力した画像データから機体記号を取得する例が説明された。もっとも、OCRが設置端末装置30に実装され、設置端末装置30の端末プログラム34が、カメラ41が出力した画像データから機体記号を取得してもよい。その場合、設置端末装置30から管理サーバ50に送信される着陸情報には、画像データに代えて機体記号が含まれる。画像データに代えて機体記号が送信されることにより、設置端末装置30と管理サーバ50との間の通信量が低減する。
【0305】
第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態では、設置端末装置30がカメラ41及び測距センサ42を備える例が説明された。もっとも、設置端末装置30は、カメラ41及び測距センサ42に代えて、
図4が示す3Dレーザセンサ65、或いはステレオカメラ66を備えていてもよい。3Dレーザセンサ65は、検知領域にレーザ光を走査しつつ照射し、検知領域の画像データ及び検知物体までの距離を出力するセンサである。3Dレーザセンサ65は、いわゆるレーザスキャナである。ステレオカメラ66は、並んで配置された2つのカメラを有する。ステレオカメラ66は、当該2つのカメラで同時に撮像を行う。一方のカメラの撮像画像と、他方のカメラの撮像画像とは、視差を生じる。当該視差は、2つのカメラの離間距離と、カメラから撮像対象物までの距離によって決まる。2つのカメラの離間距離は一定だから、当該視差は、カメラから撮像対象物までの距離に応じた値となる。端末プログラム34は、2つの画像データに基づいて、画像に映った垂直離着陸飛行体11までの距離を算出する。すなわち、設置端末装置30が、カメラ41及び測距センサ42に代えて3Dレーザセンサ65或いはステレオカメラ66を備えていても、端末プログラム34及び管理プログラム55は、離着陸監視処理(
図13、
図14、
図17参照)を実行することができる。3Dレーザセンサ65或いはステレオカメラ66は、特許請求の範囲に記載された「カメラ」及び「センサ」に相当する。
【0306】
第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態では、設置端末装置30が、インターネット14と接続された通信インタフェース37を備える例が説明された。もっとも、設置端末装置30は、通信インタフェース37に代えて、移動体通信網15と接続される移動体通信モジュールを有していてもよい。
【0307】
第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態では、着陸情報が着陸日時情報を含み、離陸情報が離陸日時情報を含む例が説明された。もっとも、着陸情報は、着陸日時情報を含まなくてもよいし、離陸情報も、離陸日時情報を含まなくてもよい。その場合、管理プログラム55は、着陸情報を受信した日時を着陸時刻として実績管理データベースに登録し、離陸情報を受信した日時を離陸時刻として実績管理データベースに登録する。
【0308】
サービス提供システム10は、第1実施形態で説明された種類の設置端末装置30と、第2実施形態で説明された種類の設置端末装置30と、第3実施形態で説明された種類の設置端末装置30とのうち、少なくとも2種類以上の設置端末装置30を備えていてもよい。すなわち、旅客を運送する垂直離着陸飛行体11用の離着陸ポイント13に、第1実施形態で説明された設置端末装置30、或いは第2実施形態で説明された種類の設置端末装置30が設置され、荷物を運送する垂直離着陸飛行体11(ドローン)用の離着陸ポイント13に、第3実施形態で説明された設置端末装置30が設置されてもよい。
【0309】
第2実施形態では、カメラ41が広角レンズを有し、垂直離着陸飛行体11が離着陸ポイント13に着陸した後にカメラ41が撮像を行う例が説明された。もっとも、第1実施形態と同様に、センサ61で検出した垂直離着陸飛行体11までの距離(検知距離)が閾値距離となったことに基づいてカメラ41が撮像を行ってもよい。その場合、センサ61には、測距センサ42が用いられ、カメラ41のレンズには、通常のレンズが用いられる。
【符号の説明】
【0310】
10・・・サービス提供システム
11・・・垂直離着陸飛行体
13・・・離着陸ポイント
14・・・インターネット
15・・・移動体通信網
20・・・運行管理システム
21・・・運行管理サーバ
22・・・飛行制御ユニット
30・・・設置端末装置
31・・・CPU(端末コントローラ)
32・・・端末メモリ
34・・・端末プログラム
37・・・通信インタフェース
41・・・カメラ
42・・・測距センサ
50・・・管理サーバ
51・・・CPU(管理コントローラ)
52・・・サーバメモリ
55・・・管理プログラム
61・・・センサ
62・・・明度センサ
65・・・3Dレーザセンサ
66・・・ステレオカメラ