(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131269
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】広告効果推定システム、管理装置、広告効果推定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0242 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041435
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和樹
(72)【発明者】
【氏名】矢田 結一郎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告が店舗への集客に結び付いたか否かを評価することが可能な広告効果推定システム、管理装置、広告効果推定方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】広告効果推定システム1は、第1送信処理装置20と、第2送信処理装置30と、第1送信処理装置20および第2送信処理装置30と通信可能に設けられた管理装置10と、を備える。管理装置10は、第1送信処理装置20から受信した第1携帯識別情報および第1店舗特定情報を互いに紐付けて記憶する記憶部12と、第2送信処理装置30から受信した第2携帯識別情報に対応する第1携帯識別情報が記憶部12に記憶されているか否かを照合する照合部11aと、第1店舗特定情報、第2店舗特定情報および照合部11aによる照合結果を用いて、顧客が広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定する推定部11bと、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告媒体の近傍に居る顧客が所持する携帯端末との無線通信により第1携帯識別情報を取得し、当該第1携帯識別情報と、前記広告媒体により広告を提示する店舗を特定可能な第1店舗特定情報とを送信する第1送信処理装置と、
店舗に来店した顧客が所持する携帯端末との無線通信により第2携帯識別情報を取得し、当該第2携帯識別情報と、当該店舗を特定する第2店舗特定情報とを送信する第2送信処理装置と、
前記第1送信処理装置および前記第2送信処理装置と通信可能に設けられた管理装置と、を備え、
前記管理装置は、
前記第1送信処理装置から受信した前記第1携帯識別情報および前記第1店舗特定情報を互いに紐付けて記憶する記憶部と、
前記第2送信処理装置から受信した前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを照合する照合部と、
前記第1店舗特定情報、前記第2店舗特定情報および前記照合部による照合結果を用いて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定する推定部と、を有する、
ことを特徴とする広告効果推定システム。
【請求項2】
前記推定部は、前記照合部による照合の結果、前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されていなかったことに基づいて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見ずに来店したと推定する、
請求項1に記載の広告効果推定システム。
【請求項3】
前記推定部は、前記照合部による照合の結果、前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されていた場合に、前記第2店舗特定情報と、当該第1携帯識別情報に紐付けられて前記記憶部に記憶されている前記第1店舗特定情報と、が同一店舗に対応する情報でなかったことに基づいて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見ずに来店したと推定する、
請求項1に記載の広告効果推定システム。
【請求項4】
前記推定部は、前記照合部による照合の結果、前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されていた場合に、前記第2店舗特定情報と、当該第1携帯識別情報に紐付けられて前記記憶部に記憶されている前記第1店舗特定情報と、が同一店舗に対応する情報であったことに基づいて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したと推定する、
請求項1に記載の広告効果推定システム。
【請求項5】
前記広告媒体は、複数の店舗の広告を時間に分けて提示し、
前記記憶部は、前記広告媒体が各々の店舗の広告を提示する日時の範囲を予め記憶するとともに、前記第1携帯識別情報が取得された携帯端末が前記広告媒体の付近に存在した日時に関する日時情報を当該第1携帯識別情報にさらに紐付けて記憶し、
前記推定部は、前記第1店舗特定情報と前記第2店舗特定情報とが同一店舗に対応する情報であり、且つ、前記第1携帯識別情報に紐付けられて前記記憶部に記憶されている前記日時情報が、当該店舗の前記日時の範囲に含まれることに基づいて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したと推定する、
請求項4に記載の広告効果推定システム。
【請求項6】
前記第1送信処理装置は、前記第1携帯識別情報の取得先の携帯端末との間で通信を行った日時に関する情報を前記管理装置に送信し、
前記記憶部は、前記第1送信処理装置から受信した前記日時に関する情報を前記日時情報として記憶する、
請求項5に記載の広告効果推定システム。
【請求項7】
前記記憶部は、前記第1携帯識別情報および前記第1店舗特定情報を前記第1送信処理装置から受信した日時を前記日時情報として記憶する、
請求項5に記載の広告効果推定システム。
【請求項8】
前記第1店舗特定情報は、前記第1送信処理装置の識別情報である、
請求項1に記載の広告効果推定システム。
【請求項9】
前記第2店舗特定情報は、前記第2送信処理装置の識別情報である、
請求項1に記載の広告効果推定システム。
【請求項10】
前記第2店舗特定情報は、店舗の識別情報である、
請求項1に記載の広告効果推定システム。
【請求項11】
前記第1店舗特定情報は、前記広告媒体を特定可能な位置情報であり、
前記第2店舗特定情報は、店舗を特定可能な位置情報である、
請求項1に記載の広告効果推定システム。
【請求項12】
広告媒体の近傍に居る顧客が所持する携帯端末と無線通信可能な第1送信処理装置、および店舗に来店した顧客が所持する携帯端末と無線通信可能な第2送信処理装置と通信可能な管理装置であって、
制御部と、
記憶部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1送信処理装置が携帯端末から取得した第1携帯識別情報と、前記広告媒体により広告を提示する店舗を特定可能な第1店舗特定情報とを、前記第1送信処理装置から受信し、
受信した前記第1携帯識別情報および前記第1店舗特定情報を互いに紐付けて前記記憶部に記憶させ、
前記第2送信処理装置が携帯端末から取得した第2携帯識別情報と、前記店舗を特定する第2店舗特定情報とを、前記第2送信処理装置から受信し、
前記第2送信処理装置から受信した前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを照合し、
照合結果と、前記第1店舗特定情報および前記第2店舗特定情報とを用いて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定する、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項13】
広告効果推定システムが実行する広告効果推定方法であって、
広告媒体の近傍に居る顧客が所持する携帯端末との無線通信により取得した第1携帯識別情報を、前記広告媒体により広告を提示する店舗を特定可能な第1店舗特定情報とともに取得し、
取得した前記第1携帯識別情報および前記第1店舗特定情報を互いに紐付けて記憶部に記憶させ、
店舗に来店した顧客が所持する携帯端末との無線通信により取得した第2携帯識別情報を、当該店舗を特定する第2店舗特定情報とともに取得し、
前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを照合し、
照合結果と、前記第1店舗特定情報および前記第2店舗特定情報とを用いて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定する、
ことを特徴とする広告効果推定方法。
【請求項14】
広告媒体の近傍に居る顧客が所持する携帯端末と無線通信可能な第1送信処理装置、および店舗に来店した顧客が所持する携帯端末と無線通信可能な第2送信処理装置と通信可能な管理装置の制御部に、
前記第1送信処理装置が携帯端末から取得した第1携帯識別情報と、前記広告媒体により広告を提示する店舗を特定可能な第1店舗特定情報とを、前記第1送信処理装置から受信する機能と、
受信した前記第1携帯識別情報および前記第1店舗特定情報を互いに紐付けて記憶部に記憶させる機能と、
前記第2送信処理装置が携帯端末から取得した第2携帯識別情報と、前記店舗を特定する第2店舗特定情報とを、前記第2送信処理装置から受信する機能と、
前記第2送信処理装置から受信した第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを照合する機能と、
照合結果と、前記第1店舗特定情報および前記第2店舗特定情報とを用いて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定する機能と、を実行させる、プログラム。
【請求項15】
広告媒体の近傍に居る顧客が所持する携帯端末との無線通信により第1携帯識別情報を取得して送信する第1送信処理装置と、
店舗に来店した顧客が所持する携帯端末との無線通信により第2携帯識別情報を取得して送信する第2送信処理装置と、
前記第1送信処理装置および前記第2送信処理装置と通信可能に設けられた管理装置と、を備え、
前記管理装置は、
前記第1送信処理装置から受信した第1携帯識別情報を記憶する記憶部と、
前記第2送信処理装置から受信した第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを照合する照合部と、
前記照合部による照合結果を用いて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定する推定部と、を有する、
ことを特徴とする広告効果推定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告媒体による広告の効果を推定するための広告効果推定システム、管理装置、広告効果推定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルサイネージ等の広告に対する商業的効果を確認する要求が高まっている。たとえば、以下の特許文献1には、サイネージの周辺に居る人を撮像した顔画像から、当該サイネージの閲覧者数を推定するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のシステムでは、サイネージの周辺に居る人がサイネージに興味を示したか否かは推定できるものの、サイネージにより提示された広告によって、広告元の店舗に顧客が来店したか否かを推定することはできない。店舗にとっては、広告に興味を示したか否かよりむしろ、広告が集客に結び付いた否かを評価できることが好ましい。
【0005】
かかる課題に鑑み、本発明は、広告が店舗への集客に結び付いたか否かを評価することが可能な広告効果推定システム、管理装置、広告効果推定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、広告効果推定システムに関する。この態様に係る広告効果推定システムは、広告媒体の近傍に居る顧客が所持する携帯端末との無線通信により第1携帯識別情報を取得し、当該第1携帯識別情報と、前記広告媒体により広告を提示する店舗を特定可能な第1店舗特定情報とを送信する第1送信処理装置と、店舗に来店した顧客が所持する携帯端末との無線通信により第2携帯識別情報を取得し、当該第2携帯識別情報と、当該店舗を特定する第2店舗特定情報とを送信する第2送信処理装置と、前記第1送信処理装置および前記第2送信処理装置と通信可能に設けられた管理装置と、を備える。ここで、前記管理装置は、前記第1送信処理装置から受信した前記第1携帯識別情報および前記第1店舗特定情報を互いに紐付けて記憶する記憶部と、前記第2送信処理装置から受信した前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを照合する照合部と、前記第1店舗特定情報、前記第2店舗特定情報および前記照合部による照合結果を用いて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定する推定部と、を有する。
【0007】
本態様に係る広告効果推定システムによれば、第1送信処理装置から送信される第1携帯識別情報および第1店舗特定情報と、第2送信処理装置から送信される第2携帯識別情報および第2店舗特定情報とから、顧客が広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かが推定される。よって、この推定結果を集計することにより、当該広告媒体による広告が店舗への集客に結び付いたか否かを評価することができる。
【0008】
本態様に係る広告効果推定システムにおいて、前記推定部は、前記照合部による照合の結果、前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されていなかったことに基づいて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見ずに来店したと推定するよう構成され得る。
【0009】
この構成によれば、第2送信処理装置から受信した第2携帯識別情報と、記憶部に記憶されている第1携帯識別情報との照合によって、顧客が広告媒体による当該店舗の広告を見ずに来店したことを円滑に推定できる。
【0010】
本態様に係る広告効果推定システムにおいて、前記推定部は、前記照合部による照合の結果、前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されていた場合に、前記第2店舗特定情報と、当該第1携帯識別情報に紐付けられて前記記憶部に記憶されている前記第1店舗特定情報と、が同一店舗に対応する情報でなかったことに基づいて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見ずに来店したと推定するよう構成され得る。
【0011】
また、前記推定部は、前記照合部による照合の結果、前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されていた場合に、前記第2店舗特定情報と、当該第1携帯識別情報に紐付けられて前記記憶部に記憶されている前記第1店舗特定情報と、が同一店舗に対応する情報であったことに基づいて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したと推定するよう構成され得る。
【0012】
これらの構成によれば、第2送信処理装置から受信した第2携帯識別情報と、記憶部に記憶されている第1携帯識別情報との照合とともに、第2送信処理装置から受信した第2店舗特定情報と、記憶部に記憶されている第1店舗特定情報とが同一店舗に対応する情報であるか否かによって、顧客が広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを適正に推定できる。
【0013】
この構成において、前記広告媒体が、複数の店舗の広告を時間に分けて提示する場合、前記記憶部は、前記広告媒体が各々の店舗の広告を提示する日時の範囲を予め記憶するとともに、前記第1携帯識別情報が取得された携帯端末が前記広告媒体の付近に存在した日時に関する日時情報を当該第1携帯識別情報にさらに紐付けて記憶し、前記推定部は、前記第1店舗特定情報と前記第2店舗特定情報とが同一店舗に対応する情報であり、且つ、前記第1携帯識別情報に紐付けられて前記記憶部に記憶されている前記日時情報が、当該店舗の前記日時の範囲に含まれることに基づいて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したと推定するよう構成され得る。
【0014】
この構成によれば、1つの広告媒体が、複数の店舗の広告を時分割で提示する場合であっても、顧客が広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したことを適切に推定できる。
【0015】
この場合、前記第1送信処理装置は、前記第1携帯識別情報の取得先の携帯端末との間で通信を行った日時に関する情報を前記管理装置に送信し、前記記憶部は、前記第1送信処理装置から受信した前記日時に関する情報を前記日時情報として記憶するよう構成され得る。
【0016】
この構成によれば、携帯端末を所持する人が広告媒体の付近に居た日時に関する情報を第1送信処理装置から管理装置に提供でき、管理装置は、受信した日時に関する情報を日時情報として記憶部に記憶させることができる。
【0017】
あるいは、前記記憶部は、前記第1携帯識別情報および前記第1店舗特定情報を前記第1送信処理装置から受信した日時を前記日時情報として記憶するよう構成され得る。
【0018】
この構成によれば、携帯端末と第1送信処理装置との間で通信を行った日時と、管理装置が第1携帯識別情報および第1店舗特定情報を第1送信処理装置から受信した日時との間に僅かにタイムラグが生じ得るものの、特に第1送信処理装置が時間に関する情報を送信せずとも、携帯端末が広告媒体付近に存在した日時付近の日時情報を記憶部に記憶させることができる。
【0019】
本態様に係る広告効果推定システムにおいて、前記第1店舗特定情報は、前記第1送信処理装置の識別情報とされ得る。
【0020】
この構成によれば、管理装置が、第1送信処理装置の識別情報と店舗とを紐づける情報を管理することにより、第1送信処理装置から受信した当該第1送信処理装置の識別情報から、当該広告媒体により広告を提供する店舗を特定できる。
【0021】
また、本態様に係る広告効果推定システムにおいて、前記第2店舗特定情報は、前記第2送信処理装置の識別情報とされ得る。
【0022】
この構成においても、管理装置が、第2送信処理装置の識別情報と店舗とを紐づける情報を管理することにより、第2送信処理装置から受信した当該第2送信処理装置の識別情報から当該店舗を特定できる。
【0023】
あるいは、前記第2店舗特定情報は、店舗の識別情報であってもよい。この場合、第2店舗特定情報によって直接的に店舗を特定できる。
【0024】
また、前記第1店舗特定情報は、前記広告媒体を特定可能な位置情報であってもよく、前記第2店舗特定情報が、店舗を特定可能な位置情報であってもよい。
【0025】
これらの構成においても、管理装置が、広告媒体の位置情報と店舗とを紐付ける情報や、店舗の位置情報と店舗とを紐付ける情報を管理することにより、第1送信処理装置および第2送信処理装置から受信した第1店舗特定情報および第2店舗特定情報からそれぞれ店舗を特定することができる。
【0026】
本発明の第2の態様は、広告媒体の近傍に居る顧客が所持する携帯端末と無線通信可能な第1送信処理装置、および店舗に来店した顧客が所持する携帯端末と無線通信可能な第2送信処理装置と通信可能な管理装置に関する。この態様に係る管理装置は、制御部と、記憶部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記第1送信処理装置が携帯端末から取得した第1携帯識別情報と、前記広告媒体により広告を提示する店舗を特定可能な第1店舗特定情報とを、前記第1送信処理装置から受信し、受信した前記第1携帯識別情報および前記第1店舗特定情報を互いに紐付けて前記記憶部に記憶させ、前記第2送信処理装置が携帯端末から取得した第2携帯識別情報と、前記店舗を特定する第2店舗特定情報とを、前記第2送信処理装置から受信し、前記第2送信処理装置から受信した前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを照合し、照合結果と、前記第1店舗特定情報および前記第2店舗特定情報とを用いて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定する。
【0027】
本態様に係る管理装置によっても、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0028】
本発明の第3の態様は、広告効果推定システムが実行する広告効果推定方法に関する。この態様に係る広告効果推定方法は、広告媒体の近傍に居る顧客が所持する携帯端末との無線通信により取得した第1携帯識別情報を、前記広告媒体により広告を提示する店舗を特定可能な第1店舗特定情報とともに取得し、取得した前記第1携帯識別情報および前記第1店舗特定情報を互いに紐付けて記憶部に記憶させ、店舗に来店した顧客が所持する携帯端末との無線通信により取得した第2携帯識別情報を、当該店舗を特定する第2店舗特定情報とともに取得し、前記第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを照合し、照合結果と、前記第1店舗特定情報および前記第2店舗特定情報とを用いて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定する。
【0029】
本態様に係る広告効果推定方法によっても、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0030】
本発明の第4の態様は、広告媒体の近傍に居る顧客が所持する携帯端末と無線通信可能な第1送信処理装置、および店舗に来店した顧客が所持する携帯端末と無線通信可能な第2送信処理装置と通信可能な管理装置の制御部に所定の機能を実行させるプログラムに関する。この態様に係るプログラムは、前記制御部に、前記第1送信処理装置が携帯端末から取得した第1携帯識別情報と、前記広告媒体により広告を提示する店舗を特定可能な第1店舗特定情報とを、前記第1送信処理装置から受信する機能と、受信した前記第1携帯識別情報および前記第1店舗特定情報を互いに紐付けて記憶部に記憶させる機能と、前記第2送信処理装置が携帯端末から取得した第2携帯識別情報と、前記店舗を特定する第2店舗特定情報とを、前記第2送信処理装置から受信する機能と、前記第2送信処理装置から受信した第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを照合する機能と、照合結果と、前記第1店舗特定情報および前記第2店舗特定情報とを用いて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定する機能と、を実行させる。
【0031】
本態様に係るプログラムによっても、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0032】
本発明の第5の態様は、広告効果推定システムに関する。この態様に係る広告効果推定システムは、広告媒体の近傍に居る顧客が所持する携帯端末との無線通信により第1携帯識別情報を取得して送信する第1送信処理装置と、店舗に来店した顧客が所持する携帯端末との無線通信により第2携帯識別情報を取得して送信する第2送信処理装置と、前記第1送信処理装置および前記第2送信処理装置と通信可能に設けられた管理装置と、を備える。ここで、前記管理装置は、前記第1送信処理装置から受信した第1携帯識別情報を記憶する記憶部と、前記第2送信処理装置から受信した第2携帯識別情報に対応する前記第1携帯識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを照合する照合部と、前記照合部による照合結果を用いて、顧客が前記広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定する推定部と、を有する。
【0033】
本態様に係る広告効果推定システムによれば、たとえば、管理装置が管理する店舗が1つだけであるような場合に、第2送信処理装置から受信した第2携帯識別情報に対応する第1携帯識別情報が記憶部に記憶されているか否かに基づいて、顧客が広告媒体による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定できる。よって、この推定結果を集計することにより、当該広告媒体による広告が店舗への集客に結び付いたか否かを評価することができる。
【発明の効果】
【0034】
以上のとおり、本発明によれば、広告が店舗への集客に結び付いたか否かを評価することが可能な広告効果推定システム、管理装置、広告効果推定方法およびプログラムを提供することができる。
【0035】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、実施形態に係る、広告効果推定システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る、管理装置および携帯端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3(a)~(c)は、それぞれ、実施形態に係る、管理装置の記憶部に記憶される各種管理情報の構成を示す図である。
【
図4】
図4(a)、(b)は、それぞれ、実施形態に係る、第1携帯識別情報の取得および記憶に関する処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5(a)、(b)は、それぞれ、実施形態に係る、記憶部における広告側取得情報および店舗側取得情報の記憶形態を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る、人(顧客)が広告媒体の広告を見て広告元の店舗に来店したか否かを推定する処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、変更例1に係る、第2送信処理装置において実行される第2携帯識別情報の取得および送信の処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8(a)、(b)は、それぞれ、変更例2に係る、第1携帯識別情報の取得および記憶に関する処理を示すフローチャートである。
【
図9】
図9(a)、(b)は、それぞれ、変更例3に係る、記憶部における広告側取得情報および店舗側取得情報の記憶形態を示す図である。
【
図10】
図10(a)、(b)は、それぞれ、変更例3に係る、第1携帯識別情報の取得および記憶に関する処理を示すフローチャートである。
【
図11】
図11(a)、(b)は、それぞれ、変更例3に係る、記憶部における広告側取得情報および店舗側取得情報の記憶形態を示す図である。
【
図12】
図12は、変更例4に係る、広告効果推定システムの構成を示す図である。
【
図13】
図13(a)、(b)は、それぞれ、変更例4に係る、第1携帯識別情報の取得および記憶に関する処理を示すフローチャートである。
【
図14】
図14(a)、(b)は、それぞれ、変更例4に係る、記憶部における広告側取得情報および店舗側取得情報の記憶形態を示す図である。
【
図15】
図15は、変更例4に係る、人(顧客)が広告媒体の広告を見て広告元の店舗に来店したか否かを推定する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0038】
図1は、広告効果推定システム1の構成を示す図である。
【0039】
広告効果推定システム1は、管理装置10と、第1送信処理装置20と、第2送信処理装置30と、を備える。第1送信処理装置20および第2送信処理装置30は、外部通信網40を介して、管理装置10と通信可能である。外部通信網40は、たとえば、インターネットである。外部通信網40が専用回線であってもよい。
【0040】
管理装置10は、広告媒体2が提示する広告の効果を推定する。管理装置10は、たとえば、サーバコンピュータである。広告媒体2は、たとえば、デジタルサイネージである。広告媒体2が、紙媒体によるポスター広告であってもよい。管理装置10は、広告媒体2の付近に居た人4が、当該広告媒体2の広告を見て広告元の店舗3に来店したか否かを推定する。管理装置10は、当該推定の実行に必要な各種情報を管理する。また、管理装置10は、当該推定結果を集約して記憶する。
【0041】
第1送信処理装置20および第2送信処理装置30は、WiFi(登録商標)通信機能を有し、人4が所持する携帯端末50と通信を行う。第1送信処理装置20および第2送信処理装置30は、たとえば、WiFi(登録商標)通信機能を有したビーコンにより構成され得る。第1送信処理装置20は、広告媒体2の近くに配置され、第2送信処理装置30は、店舗3の入口等に配置される。
【0042】
一般に、携帯端末50は、アクセスポイントに対して自身の所在を報知するためのブロードキャスト通信(プローブ要求)を、所定のタイミングごとに行っている。このとき、携帯端末50は、自身の識別情報として、MACアドレス等を送信する。第1送信処理装置20および第2送信処理装置30は、このブロードキャスト通信を受信して、携帯端末50の識別情報を取得する。この識別情報には、上述のMACアドレスが含まれ得る。
【0043】
また、本実施形態では、広告効果推定のためのアプリケーションプログラムが、携帯端末50に予めインストールされ得る。このアプリケーションプログラムは、管理装置10と通信を行うための情報(管理装置10のアドレス情報等)の他、自身を識別するための固有の識別情報(アプリID)を含んでいる。第1送信処理装置20および第2送信処理装置30は、携帯端末50からのブロードキャスト通信を受信すると、アプリIDを管理装置10に送信することを要求する送信要求を、当該携帯端末50に送信する。
【0044】
携帯端末50のアプリケーションプログラムは、この送信要求に応じて、自身のアプリIDをMACアドレスとともに管理装置10に送信する。このとき、第1送信処理装置20および第2送信処理装置30は、この送信の最初のアクセスポイントとなる。すなわち、第1送信処理装置20および第2送信処理装置30は、携帯端末50が管理装置10に対して行うアプリIDの送信を中継する。第1送信処理装置20および第2送信処理装置30は、この中継において携帯端末50から受信したMACアドレスおよびアプリIDを、自身の識別情報(送信装置ID)とともに、管理装置10に送信する。
【0045】
したがって、携帯端末50を所持した人4が広告媒体2の付近に居る場合、第1送信処理装置20は、携帯端末50との無線通信により、当該携帯端末50のMACアドレスおよびアプリIDを当該携帯端末50の識別情報(以下、「第1携帯識別情報」という)として当該携帯端末50から取得し、取得した第1携帯識別情報と、自身の識別情報である送信装置IDとを、管理装置10に送信する。後述のように、第1送信処理装置20は、これらの情報とともに、携帯端末50と通信を行った日時を示す日時情報を、管理装置10に送信する。
【0046】
また、携帯端末50を所持した人4が店舗3に来店した場合、第2送信処理装置30は、携帯端末50との無線通信により、当該携帯端末50のMACアドレスおよびアプリIDを当該携帯端末50の識別情報(以下、「第2携帯識別情報」という)として当該携帯端末50から取得し、取得した第2携帯識別情報と、自身の識別情報である送信装置IDとを、管理装置10に送信する。後述のように、第2送信処理装置30は、これらの情報とともに、携帯端末50と通信を行った日時を示す日時情報を、管理装置10に送信する。
【0047】
第1送信処理装置20から送信される送信装置IDは、後述のように、広告媒体2により広告を提示する店舗3を特定可能な「第1店舗特定情報」として用いられる。すなわち、管理装置10には、この送信装置IDと店舗3とを紐づけ得る管理情報が保持されている。また、第2送信処理装置30から送信される送信装置IDは、当該第2送信処理装置30が設置された店舗3を特定するための「第2店舗特定情報」として用いられる。すなわち、管理装置10には、この送信装置IDと店舗3とを紐づけ得る管理情報が保持されている。
【0048】
管理装置10は、これら第1携帯識別情報(MACアドレス、アプリID)、第2携帯識別情報(MACアドレス、アプリID)、第1店舗特定情報(送信装置ID)、第2店舗特定情報(送信装置ID)および日時情報を用いて、店舗3に来店した人4(顧客)が、広告媒体2による当該店舗3の広告を見て来店したか否かを推定する。
【0049】
なお、上述のアプリケーションプログラムは、必ずしも、全ての携帯端末にインストールされているとは限らない。したがって、人4が所持する携帯端末50にこのアプリケーションプログラムがインストールされていない場合、第1送信処理装置20および第2送信処理装置30から上述の送信要求が携帯端末50に送信されても、当該携帯端末50からはアプリIDは送信されない。
【0050】
この場合、第1送信処理装置20および第2送信処理装置30は、携帯端末50からのブロードキャスト通信に含まれている当該携帯端末50のMACアドレスを、第1携帯識別情報および第2携帯識別情報として取得する。たとえば、第1送信処理装置20および第2送信処理装置30は、上述の送信要求を送信した後、所定時間内に携帯端末50からアプリIDを取得できなかった場合、ブロードキャスト通信に含まれていた当該携帯端末50のMACアドレスを、第1携帯識別情報および第2携帯識別情報として、管理装置10に送信する。このとき、第1送信処理装置20および第2送信処理装置30は、上記と同様、これら第1携帯識別情報および第2携帯識別情報とともに、自身の送信装置IDを管理装置10に送信する。
【0051】
図1に示すように、本実施形態では、広告媒体2とは別の位置にも複数の広告媒体2aが設置され、店舗3とは異なる店舗3aの広告が、これら広告媒体2a等によって行われる。これら広告媒体2aついても、広告効果推定の対象とされる。したがって、これら広告媒体2aとそれぞれ対になる複数の第1送信処理装置20aがこれら広告媒体2aの付近に設置される。また、これら他の店舗3aとそれぞれ対となる複数の第2送信処理装置30aが、これら店舗3aの入口等に設置される。
【0052】
管理装置10は、これらの第1送信処理装置20aおよび第2送信処理装置30aとの間でも、上記と同様の通信を行って、店舗3aに来店した人4が、当該店舗3aに対する広告媒体2aの広告を見て来店したか否かを推定する。
【0053】
図2は、管理装置10および携帯端末50の構成を示すブロック図である。
【0054】
管理装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを備える。
【0055】
制御部11は、CPU等の演算処理回路を備え、記憶部12に記憶されたプログラムにより各部を制御する。記憶部12は、ROM、RAM、ハードディスク等のメモリを備え、上記プログラムを記憶する。また、記憶部12は、制御部11が上記プログラムを実行する際のワーク領域として用いられる。通信部13は、制御部11からの制御により、第1送信処理装置20および第2送信処理装置30と通信を行う。
【0056】
本実施形態では、広告効果推定のためのプログラムが記憶部12に記憶されている。制御部11は、このプログラムにより、第1送信処理装置20から受信した上述の第1携帯識別情報(MACアドレス、アプリID)および第1店舗特定情報(送信装置ID)を記憶部12に記憶させる。
【0057】
さらに、このプログラムによって、制御部11に、照合部11aおよび推定部11bの機能が付与される。制御部11は、照合部11aの機能により、第2送信処理装置30から受信した第2携帯識別情報に対応する第1携帯識別情報が、記憶部12に記憶されているか否かを照合する。さらに、制御部11は、推定部11bの機能により、この照合結果と、第1送信処理装置20および第2送信処理装置30からそれぞれ受信した第1店舗特定情報および第2店舗特定情報とを用いて、人4(顧客)が広告媒体2による当該店舗3の広告を見て来店したか否かを推定する。これらの処理については、追って、
図6を参照して説明する。
【0058】
携帯端末50は、制御部51と、記憶部52と、表示入力部53と、位置検出部54と、通信部55と、を備える。携帯端末50は、たとえば、携帯電話機である。携帯端末50が、タブレット等の他の携帯端末であってもよい。
【0059】
制御部51は、CPU等の演算処理回路を備え、記憶部52に記憶されたプログラムにより各部を制御する。記憶部52は、ROM、RAM等のメモリを備え、上記プログラムを記憶する。また、記憶部52は、制御部51が処理を実行する際のワーク領域として用いられる。
【0060】
上記のように、記憶部52には、広告効果推定のためのアプリケーションプログラムが記憶され得る。記憶部52にこのアプリケーションプログラムが記憶されている場合、制御部51は、このアプリケーションプログラムに従って、上述のアプリIDの送信処理を実行する。
【0061】
表示入力部53は、液晶表示器にタッチパネルが重ねられて構成される。表示入力部53に代えて、液晶表示器からなる表示部と、操作キー群からなる入力部とが個別に配置されてもよい。位置検出部54は、GPSを備え、携帯端末50の現在位置(緯度、経度)を検出する。通信部55は、制御部51からの制御により、第1送信処理装置20および第2送信処理装置30や、その他のアクセスポイントとの通信を行う。
【0062】
図3(a)~(c)は、管理装置10の記憶部12に記憶される各種管理情報の構成を示す図である。
【0063】
図3(a)は、広告媒体2、2aを管理するための広告媒体管理情報の構成を示している。広告媒体管理情報は、広告媒体2、2aの識別情報である広告媒体IDと、広告媒体2、2aの名称と、広告媒体2、2aと対になる第1送信処理装置20、20aの識別情報(送信装置ID)とが、互いに紐付けて構成されている。
【0064】
図3(b)は、店舗3、3aを管理するための店舗管理情報の構成を示している。店舗管理情報は、店舗3、3aの識別情報である店舗IDと、店舗の名称等の店舗情報と、店舗3、3aと対になる第2送信処理装置30、30aの識別情報(送信装置ID)とが、互いに紐付けて構成されている。
【0065】
図3(c)は、広告を管理するための広告管理情報の構成を示している。広告管理情報は、広告媒体2、2aの識別情報である広告媒体IDと、広告の識別情報である広告IDと、店舗3、3aの識別情報である店舗IDと、広告名と、広告が提供される日時の範囲を示す広告日時範囲とが、互いに紐付けて構成されている。
【0066】
本実施形態では、広告媒体2、2aが広告内容を切り替え可能な広告装置(デジタルサイネージ、等)である場合に、当該広告媒体2、2aにより提示される広告が、日時に応じて切り替えられ得ることが想定されている。したがって、広告媒体2、2aがこのような広告装置である場合、広告管理情報において、1つの広告媒体(広告媒体ID)に対して複数の広告(広告ID)が紐付けられ、さらに、各々の広告(広告ID)に、その広告元の店舗(店舗ID)と、広告名と、その広告が提供される日時の範囲(広告日時範囲)とが紐付けられる。
【0067】
図3(c)の例では、広告媒体IDが100000である広告媒体は、デジタルサイネージ等の広告装置である。ここでは、1日に3つの時間帯で3つの店舗の広告がこの広告装置により提供される。また、広告媒体IDが100001である広告媒体は、紙媒体によるポスター広告であって、時間帯ごとに広告の内容を切り替えることができない。この場合、広告日時範囲は、全ての時間帯を示すALLとなる。なお、広告装置であっても、1つの店舗の1つの広告しか提供しない場合は、1行のみの広告管理情報が記憶される。
【0068】
図3(a)~(c)の管理情報は、管理すべき広告媒体、店舗および広告が追加および削除されることに応じて、管理装置10の管理者により更新される。管理者は、随時、管理装置10の操作端末を用いて、これらの情報を更新する。
【0069】
図4(a)、(b)は、第1携帯識別情報の取得および記憶に関する処理を示すフローチャートである。
図4(a)の処理は、第1送信処理装置20、20aにより実行され、
図4(b)の処理は、管理装置10により実行される。
【0070】
図4(a)を参照して、第1送信処理装置20、20aは、携帯端末50から定期的に送信される上述のブロードキャスト通信を受信すると(S101:YES)、当該携帯端末50から第1携帯識別情報(MACアドレス、アプリID)を取得するための処理を実行する(S102)。すなわち、第1送信処理装置20は、上記のように、携帯端末50に対してアプリIDの送信要求を送信し、携帯端末50から、MACアドレスおよびアプリID(第1携帯識別情報)を取得する。上記のように、携帯端末50にアプリケーションプログラムがインストールされていない場合は、ブロードキャスト通信の際に携帯端末50から受信したMACアドレスが第1携帯識別情報として取得される。
【0071】
第1送信処理装置20、20aは、取得した第1携帯識別情報を、自身の送信装置ID(第1店舗特定情報)および当該携帯端末50と通信を行った日時を示す日時情報とともに、管理装置10に送信する(S103)。これにより、第1送信処理装置20は、
図4(a)の処理を終了する。
【0072】
図4(b)を参照して、管理装置10の制御部11は、
図4(a)のステップS103において送信されたこれらの情報(以下、「広告側取得情報」という)を受信すると(S201:YES)、受信した広告側取得情報を互いに紐付けて記憶部12に記憶させる(S202)。これにより、制御部11は、
図4(b)の処理を終了する。
【0073】
店舗3、3a側の第2送信処理装置30、30aにおいても、
図4(a)と同様の処理が行われる。これにより、店舗3、3aに来店した人4(顧客)の携帯端末50から第2携帯識別情報が取得され、取得された第2携帯識別情報と、第2送信処理装置30、30aの送信装置ID(第2店舗特定情報)および日時情報とが、第2送信処理装置30から管理装置10に送信される。管理装置10は、後述の
図6の処理を実行して、第2送信処理装置30から受信したこれらの情報(以下、「店舗側取得情報」という)を、記憶部12に記憶させる。
【0074】
なお、
図4(a)のステップS103において日時情報として取得される通信の日時は、第1送信処理装置20、20aが携帯端末50からブロードキャスト通信を受信した日時であってよく、携帯端末50からアプリIDの送信を受信した日時であってもよい。あるいは、第1送信処理装置20、20aが複数回、同一の携帯端末50からブロードキャスト通信を受信した場合、そのうち最大の電波強度でブロードキャスト通信を受信した日時が、日時情報として取得されてもよい。また、第1送信処理装置20、20aが、複数回、携帯端末50にアプリIDの送信要求を送信して携帯端末50から複数回アプリIDの送信を受信し、これらの受信のうち最大の電波強度での受信がなされた日時が、日時情報として取得されてもよい。これらの事項は、第2送信処理装置30、30aにおける日時情報の取得においても同様である。
【0075】
図5(a)、(b)は、それぞれ、記憶部12における広告側取得情報および店舗側取得情報の記憶形態を示す図である。
【0076】
図5(a)に示すように、1つの広告側取得情報を構成する各情報は、互いに紐付けられて記憶部12に記憶される。制御部11は、第1送信処理装置20、20aから受信した広告側取得情報を順番に記憶部12に蓄積させていく。
【0077】
また、
図5(b)に示すように、1つの店舗側取得情報を構成する各情報は、互いに紐付けられて記憶部12に記憶される。制御部11は、第2送信処理装置30、30aから受信した店舗側取得情報を、後述の
図6の処理により、順番に記憶部12に蓄積させていく。
【0078】
なお、
図5(a)において、第1携帯IDは、第1送信処理装置20、20aが携帯端末50から取得したMACアドレスである。また、
図5(b)において、第2携帯IDは、第2送信処理装置30、30aが携帯端末50から取得したMACアドレスである。広告側取得情報および店舗側取得情報にアプリIDが含まれていない場合、すなわち、対象となる携帯端末50に上述のアプリケーションプログラムがインストールされていなかった場合、広告側取得情報および店舗側取得情報における当該携帯端末50のアプリIDは空欄となる。
【0079】
図5(a)に示すように、各行の広告側取得情報には、さらに、来店フラグが紐付けられ得る。すなわち、人4が、広告側取得情報に対応する広告媒体2、2aの広告を見て広告元の店舗3、3aに来店したと推定された場合に、そのことを示す来店フラグが紐付けられる。
図5(a)では、この推定が肯定されたことが、丸印で示されている。この推定は、後述の
図6の処理により行われる。
【0080】
図5(b)に示すように、各行の広告側取得情報には、さらに、広告IDと店舗IDとが紐付けられ得る。すなわち、第2送信処理装置30、30aから受信した第2携帯識別情報に対して、
図3(b)の店舗管理情報において紐付けられている店舗IDが紐付けられる。また、人4が、広告側取得情報に対応する広告媒体2、2aの広告を見て広告元の店舗3、3aに来店したと推定された場合に、その広告を示す広告IDがこの店舗側取得情報の各情報に紐付けられる。
図5(b)では、1行目の広告側取得情報についてこの推定が肯定されたため、この広告側取得情報に、広告IDが紐付けられている。この推定が肯定されなかった広告側取得情報には、広告IDは紐付けられない。この推定は、後述の
図6の処理により行われる。
【0081】
図6は、人4(顧客)が広告媒体2、2aの広告を見て広告元の店舗に来店したか否かを推定する処理を示すフローチャートである。
【0082】
図6の処理は、管理装置10の制御部11が行う。ステップS302の処理は、
図2の照合部11aの機能によって行われ、ステップS303~S305、S307の処理は、
図2の推定部11bの機能によって行われる。
【0083】
以下の説明では、
図1の店舗3に設置された第2送信処理装置30からの情報を管理装置10が受信した場合が想定されている。その他の第2送信処理装置30aからの情報を管理装置10が受信した場合も、以下と同様の処理が行われる。
【0084】
管理装置10の制御部11は、第2送信処理装置30から第2携帯識別情報(MACアドレス、アプリID)、第2店舗特定情報(送信装置ID)および日時情報を受信すると(S301:YES)、受信した第2携帯識別情報に対応する第1携帯識別情報が、
図5(a)の広告側取得情報として記憶部12に記憶されているか否かを判定する(S302)。ここでは、第2携帯識別情報であるMACアドレス(第2携帯ID)およびアプリIDの少なくとも一方が、記憶部12に記憶されている
図5(a)の何れかの行のMACアドレス(第1携帯ID)およびアプリIDに一致するか否かが判定される。
【0085】
すなわち、上記のように、携帯端末50の中には上述のアプリケーションプログラムがインストールされていないものもある。このような携帯端末50については、
図5(a)の広告側取得情報においてアプリIDがそもそも存在せず、
図5(b)の店舗側取得情報においてもアプリIDがそもそも存在しない。このような場合は、第2送信処理装置30から受信したMACアドレス(第2携帯ID)と、
図5(a)の広告側取得情報のMACアドレス(第1携帯ID)とが照合される。そして、MACアドレス(第2携帯ID)に一致するMACアドレス(第1携帯ID)が記憶部12に記憶されていた場合に、ステップS302に判定がYESとなる。
【0086】
また、携帯端末50は、通信の際に、必ずしも、固定のMACアドレスを用いるとは限らず、時間とともに変化する変動MACアドレスを用いることもある。変動MACアドレスが用いられている場合、広告媒体側で第1送信処理装置20が携帯端末50から取得したMACアドレス(第1携帯ID)と、店舗側で第2送信処理装置30がこの携帯端末50から取得したMACアドレス(第2携帯ID)とが異なることが起こり得る。
【0087】
しかし、このような場合も、この携帯端末50に上述のアプリケーションプログラムがインストールされていれば、第1送信処理装置20が広告媒体側で携帯端末50から取得したアプリIDは、第2送信処理装置30が店舗側でこの携帯端末50から取得したアプリIDと一致し得る。したがって、このような場合は、広告側で取得したアプリIDと店舗側で取得したアプリIDとが一致した場合に、ステップS302の判定がYESとなる。
【0088】
ステップS302の判定がYESである場合、制御部11は、第2携帯識別情報とともに受信した送信装置ID(以下、「店舗側の送信装置ID」という)と、ステップS302において第2携帯識別情報に一致すると判定された第1携帯識別情報に、広告側取得情報(
図5(a)参照)において紐付けられている送信装置ID(以下、「広告側の送信装置ID」という)とが、同一店舗に対応する情報であるか否かを判定する。
【0089】
この判定において、制御部11は、まず、
図3(b)の店舗管理情報において、店舗側の送信装置IDに紐付けられている店舗ID(以下、「店舗側の店舗ID」という)を特定する。次に、制御部11は、
図3(a)の広告媒体管理情報において、広告側の送信装置IDに紐付けられている広告媒体IDを特定する。さらに、制御部11は、特定した広告媒体IDに紐付けられている店舗ID(以下、「広告側の店舗ID」という)を、
図3(c)の広告管理情報において特定する。特定した広告媒体IDに紐付けられている店舗IDが、
図3(c)のように複数存在する場合、これら全てが広告側の店舗IDとして特定される。
【0090】
そして、制御部11は、店舗側の店舗IDと広告側の店舗IDとが一致するか否かを判定する。広告側の店舗IDが複数存在する場合は、これらの何れかに、店舗側の店舗IDが一致するか否かが判定される。
【0091】
ステップS303の判定がYESである場合、制御部11は、さらに、ステップS302において第2携帯識別情報に一致すると判定された第1携帯識別情報に対して、
図5(a)の広告側取得情報において紐付けられている日時情報と、ステップS303において一致すると判定された広告側の店舗IDに対して、
図3(c)の広告管理情報において紐付けられている広告日時範囲とを対照し、この日時情報がこの広告日時範囲に対応するか(含まれているか)否かを判定する(S304)。
【0092】
ステップS304の判定がYESである場合、制御部11は、ステップS301において第2送信処理装置30から受信した第2携帯識別情報に対応する携帯端末50を所持する人4(顧客)は、当該店舗3、3aの広告を見て来店したと推定する(S305)。
【0093】
この場合、制御部11は、ステップS301で受信した情報を、
図5(b)の店舗側取得情報として記憶部12に記憶させるとともに、受信した第2店舗特定情報に対応する店舗IDと、
図3(c)の広告管理情報においてこの店舗IDに紐付けられている広告IDとを、この店舗側取得情報に紐付けて、記憶部12に記憶させる(S306)。また、制御部11は、ステップS303の判定に用いた広告側の送信装置IDに対応する、
図5(a)の広告側取得情報の行に、来店フラグを付する。こうして、制御部11は、
図6の処理を終了する。
【0094】
ステップS302、S303、S304の何れかの判定がNOである場合、制御部11は、ステップS301において第2送信処理装置30から受信した第2携帯識別情報に対応する携帯端末50を所持する人4(顧客)は、当該店舗3、3aの広告を見ずに来店したと推定する(S307)。この場合、制御部11は、ステップS301で受信した情報を、
図5(b)の店舗側取得情報として記憶部12に記憶させるとともに、受信した第2店舗特定情報に対応する店舗IDを、この店舗側取得情報に紐付けて、記憶部12に記憶させる(S306)。この場合、この店舗側取得情報には、広告IDは紐付けられない。また、
図5(a)の広告側取得情報には、来店フラグは付されない。こうして、制御部11は、
図6の処理を終了する。
【0095】
図6の処理により、
図5(b)の店舗側取得情報が蓄積されて行き、
図5(a)の広告側取得情報に適宜、来店フラグが付されて行く。これらの情報に対して集計処理を実行することにより、広告による集客効果を評価可能な情報を、店舗ごとに算出できる。
【0096】
たとえば、
図5(b)の店舗側取得情報から、一定期間における特定の店舗(店舗ID)の情報のみが抽出される。抽出された情報について、その総数すなわち総来店者数と、広告IDが存在するものの数すなわち広告を見て来店した広告閲覧来店者数とが算出される。そして、総来店者数に対する広告閲覧来店者数の比率が算出され、この比率に、アプリケーションプログラムのインストール率や、固定MACアドレスを使用する携帯端末50の比率等に基づく補正係数が乗じられる。こうして算出された値が、当該店舗に対する広告による集客率の評価値として取得され得る。
【0097】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
【0098】
図2に示したように、管理装置10は、第1送信処理装置20、20aから受信した第1携帯識別情報(MACアドレス、アプリID)と第1店舗特定情報(広告側の送信装置ID)とを互いに紐付けて記憶する記憶部12と、第2送信処理装置30から受信した第2携帯識別情報(MACアドレス、アプリID)に対応する第1携帯識別情報(MACアドレス、アプリID)が記憶部12に記憶されているか否かを照合する照合部11aと、第1店舗特定情報(広告側の送信装置ID)、第2店舗特定情報(店舗側の送信装置ID)および照合部11aによる照合結果を用いて、人4(顧客)が広告媒体2、2aによる当該店舗3、3aの広告を見て来店したか否かを推定する推定部11bと、を備える。
【0099】
この構成によれば、第1送信処理装置20、20aから送信される第1携帯識別情報および第1店舗特定情報(広告側の送信装置ID)と、第2送信処理装置30、30aから送信される第2携帯識別情報および第2店舗特定情報(店舗側の送信装置ID)とから、人4(顧客)が広告媒体2、2aによる当該店舗3、3aの広告を見て来店したか否かが推定される。よって、この推定結果を集計することにより、当該広告媒体2、2aによる広告が店舗3、3aへの集客に結び付いたか否かを評価することができる。
【0100】
図6に示したように、制御部11(推定部11b)は、照合部11aによる照合の結果、第2携帯識別情報に対応する第1携帯識別情報が記憶部12に記憶されていなかったことに基づいて(S302:NO)、人4(顧客)が広告媒体2、2aによる当該店舗3、3aの広告を見ずに来店したと推定する(S307)。この構成によれば、第2送信処理装置30、30aから受信した第2携帯識別情報と、記憶部12に記憶されている第1携帯識別情報との照合によって、人4(顧客)が広告媒体2、2aによる当該店舗3、3aの広告を見ずに来店したことを円滑に推定できる。
【0101】
図6に示したように、制御部11(推定部11b)は、照合部11aによる照合の結果、第2携帯識別情報に対応する第1携帯識別情報が記憶部12に記憶されていた場合に(S302:YES)、第2店舗特定情報(店舗側の送信装置ID)と、当該第1携帯識別情報に紐付けられて記憶部12に記憶されている第1店舗特定情報(広告側の送信装置ID)と、が同一店舗に対応する情報でなかったことに基づいて(S303:NO)、人4(顧客)が広告媒体2、2aによる当該店舗3、3aの広告を見ずに来店したと推定する(S307)。
【0102】
また、
図6に示したように、制御部11(推定部11b)は、照合部11aによる照合の結果、第2携帯識別情報に対応する第1携帯識別情報が記憶部12に記憶されていた場合に(S302:YES)、第2店舗特定情報(店舗側の送信装置ID)と、当該第1携帯識別情報に紐付けられて記憶部12に記憶されている第1店舗特定情報(広告側の送信装置ID)と、が同一店舗に対応する情報であったことに基づいて(S303:YES)、人4(顧客)が広告媒体2、2aによる当該店舗3、3aの広告を見て来店したと推定する(S305)。
【0103】
これらの構成によれば、第2送信処理装置30、30aから受信した第2携帯識別情報と、記憶部12に記憶されている第1携帯識別情報との照合とともに、第2送信処理装置30、30aから受信した第2店舗特定情報(店舗側の送信装置ID)と、記憶部12に記憶されている第1店舗特定情報(広告側の送信装置ID)とが同一店舗に対応する情報であるか否かによって、人4(顧客)が広告媒体2、2aによる当該店舗3、3aの広告を見て来店したか否かを適正に推定できる。
【0104】
この構成において、広告媒体2、2aが、複数の店舗の広告を時間に分けて提示する場合、記憶部12は、
図3(c)に示したように、広告媒体2、2aが各々の店舗の広告を提示する日時の範囲(広告日時範囲)を予め記憶する。さらに、記憶部12は、
図5(a)に示したように、第1携帯識別情報が取得された携帯端末50が広告媒体2、2aの付近に存在した日時に関する日時情報を当該第1携帯識別情報にさらに紐付けて記憶する。そして、制御部11(推定部11b)は、
図6に示したように、第1店舗特定情報(広告側の送信装置ID)と第2店舗特定情報(店舗側の送信装置ID)とが同一店舗に対応する情報であり(S303:YES)、且つ、当該第1携帯識別情報に紐付けられて記憶部12に記憶されている日時情報が、当該店舗3、3aの広告の日時の範囲(
図3(c)の広告日時範囲)に含まれることに基づいて(S304:YES)、人4(顧客)が広告媒体2、2aによる当該店舗3、3aの広告を見て来店したと推定する。
【0105】
この構成によれば、1つの広告媒体2、2aが、複数の店舗3、3aの広告を時分割で提示する場合であっても、顧客が広告媒体2、2aによる当該店舗3、3aの広告を見て来店したことを適切に推定できる。
【0106】
この場合、第1送信処理装置20、20aは、
図4(a)に示したように、第1携帯識別情報を取得した携帯端末50との間で通信を行った日時に関する情報(日時情報)を管理装置10に送信し(S103)、
図4(b)に示したように、記憶部12は、第1送信処理装置20から受信した日時に関する情報を日時情報として記憶する。
【0107】
この構成によれば、携帯端末50を所持する人4が広告媒体2、2aの付近に居た日時に関する情報を第1送信処理装置20、20aから管理装置10に提供でき、管理装置10は、受信した日時に関する情報を日時情報として記憶部12に記憶させることができる。
【0108】
本実施形態では、第1送信処理装置20、20aの識別情報(広告側の送信装置ID)が、当該第1送信処理装置20と対となる広告媒体2、2aにより広告を提示する店舗3、3aを特定可能な第1店舗特定情報として用いられている。
【0109】
これにより、
図3(a)、(c)に示したように、管理装置10が、第1送信処理装置20、20aの識別情報(広告側の送信装置ID)と店舗(店舗ID)とを紐づける情報(広告媒体管理情報、広告管理情報)を管理することにより、第1送信処理装置20、20aから受信した当該第1送信処理装置20、20aの識別情報(広告側の送信装置ID)から、当該広告媒体2、2aにより広告を提供する店舗3、3a(店舗ID)を特定できる。
【0110】
また、本実施形態では、第2送信処理装置30、30aの識別情報(店舗側の送信装置ID)が、当該第2送信処理装置30、30aと対となる店舗3、3aを特定する第2店舗特定情報として用いられている。
【0111】
これにより、管理装置10が、
図3(b)に示したように、第2送信処理装置30、30aの識別情報(店舗側の送信装置ID)と店舗3、3a(店舗ID)とを紐づける情報(店舗管理情報)を管理することにより、第2送信処理装置30、30aから受信した当該第2送信処理装置30、30aの識別情報(店舗側の送信装置ID)から当該店舗3、3a(店舗ID)を特定できる。
【0112】
<変更例1>
上記実施形態では、第2送信処理装置30、30aの識別情報(店舗側の送信装置ID)が、当該第2送信処理装置30、30aと対となる店舗3、3aを特定する第2店舗特定情報として用いられたが、第2店舗特定情報として用いられる情報はこれに限られるものではない。たとえば、第2送信処理装置30、30aが設置された店舗の識別情報(店舗ID)が、第2店舗特定情報として用いられてもよい。
【0113】
この場合、第2送信処理装置30、30aが店舗3、3aへ設置される際に、当該店舗3、3aの識別情報(店舗ID)が第2送信処理装置30、30aに設定される。第2送信処理装置30、30aは、携帯端末50から取得した第2携帯識別情報を管理装置10に送信する際に、自身に設定された店舗の識別情報(店舗ID)を管理装置10に併せて送信する。
【0114】
図7は、変更例1に係る、第2送信処理装置30、30aにおいて実行される第2携帯識別情報の取得および送信の処理を示すフローチャートである。
【0115】
第2送信処理装置30、30aは、携帯端末50から定期的に送信される上述のブロードキャスト通信を受信すると(S401:YES)、当該携帯端末50から第2携帯識別情報(MACアドレス、アプリID)を取得するための処理を実行する(S402)。すなわち、第2送信処理装置30、30aは、上記のように、携帯端末50に対してアプリIDの送信要求を送信し、携帯端末50から、MACアドレスおよびアプリID(第2携帯識別情報)を取得する。上記のように、携帯端末50にアプリケーションプログラムがインストールされていない場合は、ブロードキャスト通信の際に携帯端末50から受信したMACアドレスが第2携帯識別情報として取得される。
【0116】
第2送信処理装置30、30aは、取得した第2携帯識別情報を、自身に設定された店舗識別情報(店舗ID)および当該携帯端末50と通信を行った日時を示す日時情報とともに、管理装置10に送信する(S403)。これにより、第2送信処理装置30、30aは、
図7の処理を終了する。
【0117】
この場合、
図3(a)の店舗管理情報から送信装置IDが省略されてよい。また、
図6のステップS303では、第2携帯識別情報とともに第2送信処理装置30から管理装置10が受信した店舗識別情報(店舗ID)が、広告側の店舗IDと比較される。この構成によっても、ステップS303における判定を円滑に行うことができ、人4(顧客)が店舗3、3aの広告を見て当該店舗3、3aに来店したか否かを適切に推定できる。
【0118】
<変更例2>
上記実施形態では、携帯端末50が広告媒体2、2a付近に存在した日時に関する日時情報として、第1送信処理装置20、20aが携帯端末50と通信を行った日時が用いられたが、日時情報として用いられる情報はこれに限られるものではない。たとえば、管理装置10が第1携帯識別情報および広告側の送信装置ID(第1店舗特定情報)を第1送信処理装置20から受信した日時が、日時情報として用いられてもよい。
【0119】
図8(a)、(b)は、変更例2に係る、第1携帯識別情報の取得および記憶に関する処理を示すフローチャートである。
図8(a)の処理は、第1送信処理装置20、20aにより実行され、
図8(b)の処理は、管理装置10により実行される。
【0120】
図8(a)のステップS101、S102の処理は、
図4(a)の対応するステップの処理と同様である。第1送信処理装置20は、ステップS102の処理により取得した第1携帯識別情報を、自身の送信装置IDとともに、管理装置10に送信する(S111)。これにより、第1送信処理装置20は、
図8(a)の処理を終了する。
【0121】
図8(b)を参照して、管理装置10の制御部11は、
図8(a)のステップS111において送信された情報を受信すると(S201:YES)、これら情報を受信した日時を日時情報として取得する(S211)。そして、制御部11は、受信した情報と日時情報とにより
図5(a)の広告側取得情報を構成し、これらの情報を互いに紐付けて記憶部12に記憶させる(S202)。これにより、制御部11は、
図8(b)の処理を終了する。
【0122】
変更例2の構成によれば、携帯端末50と第1送信処理装置20との間で通信を行った日時と、管理装置10が第1携帯識別情報および広告側の送信装置ID(第1店舗特定情報)を第1送信処理装置20から受信した日時との間に僅かにタイムラグが生じ得るものの、特に第1送信処理装置20が時間に関する情報を送信せずとも、携帯端末50が広告媒体2、2aの付近に存在した日時付近の日時情報を、第1携帯識別情報および第1店舗特定情報とともに、記憶部12に記憶させることができる。よって、
図6のステップS304の判定を適切に行うことができ、人4(顧客)が店舗3、3aの広告を見て当該店舗3、3aに来店したか否かを適切に推定できる。
【0123】
<変更例3>
上記実施形態では、第1送信処理装置20の識別情報(広告側の送信装置ID)が、広告媒体2、2aにより広告を提示する店舗3、3aを特定可能な第1店舗特定情報として用いられ、第2送信処理装置30の識別情報(店舗側の送信装置ID)が、当該第2送信処理装置30と対となる店舗3、3aを特定する第2店舗特定情報として用いられたが、第1店舗特定情報および第2店舗特定情報として用いられる情報はこれらに限られるものではない。
【0124】
たとえば、第1店舗特定情報が、当該店舗3、3aの広告を提示する広告媒体2、2aを特定可能な位置情報であり、第2店舗特定情報が、当該店舗を特定可能な位置情報であってもよい。
【0125】
この場合、管理装置10が記憶部12により管理する広告媒体管理情報および店舗管理情報は、
図9(a)、(b)のように変更される。すなわち、広告媒体管理情報では、広告媒体IDおよび広告媒体名に紐付けて、当該広告媒体2、2aの位置情報(緯度、経度)が記憶される。また、店舗管理情報では、店舗IDおよび店舗情報に紐付けて、当該店舗3、3aの位置情報(緯度、経度)が記憶される。これらの位置情報は、管理装置10の管理者によって管理装置10に入力および設定される。
図9(c)に示す広告管理情報は、
図3(c)と同様である。
【0126】
図10(a)、(b)は、変更例3に係る、第1携帯識別情報の取得および記憶に関する処理を示すフローチャートである。
図10(a)の処理は、第1送信処理装置20、20aにより実行され、
図10(b)の処理は、管理装置10により実行される。
【0127】
図10(a)を参照して、第1送信処理装置20、20aは、携帯端末50から定期的に送信される上述のブロードキャスト通信を受信すると(S101:YES)、当該携帯端末50から第1携帯識別情報(MACアドレス、アプリID)と位置情報を取得するための処理を実行する(S121)。
【0128】
すなわち、第1送信処理装置20、20aは、ブロードキャスト通信の送信元の携帯端末50に対して、第1携帯識別情報および位置情報の送信要求を送信する。これを受けて携帯端末50は、アプリケーションプログラムの機能により、第1携帯識別情報(MACアドレスおよびアプリID)を取得し、さらに、位置検出部54を介して携帯端末50の現在位置を取得する。携帯端末50は、取得したこれらの情報を、管理装置10に送信する。
【0129】
第1送信処理装置20、20aは、取得した第1携帯識別情報および位置情報を、上述の日時情報とともに、管理装置10に送信する(S122)。これにより、第1送信処理装置20、20aは、
図10(a)の処理を終了する。
【0130】
図10(b)を参照して、管理装置10の制御部11は、
図10(a)のステップS112において送信されたこれらの情報(広告側取得情報)を受信すると(S201:YES)、受信した広告側取得情報を互いに紐付けて記憶部12に記憶させる(S221)。これにより、制御部11は、
図10(b)の処理を終了する。
【0131】
店舗3、3a側の第2送信処理装置30、30aにおいても、
図10(a)と同様の処理が行われる。これにより、店舗3、3aに来店した人4(顧客)の携帯端末50から第2携帯識別情報と位置情報が取得され、取得された第2携帯識別情報および位置情報と、日時情報とが、第2送信処理装置30、30aから管理装置10に送信される。管理装置10は、
図6の処理を実行して、第2送信処理装置30、30aから受信したこれらの情報(店舗側取得情報)を、記憶部12に記憶させる。
【0132】
図11(a)、(b)は、変更例3に係る、記憶部12における広告側取得情報および店舗側取得情報の記憶形態を示す図である。
【0133】
ここでは、
図5(a)、(b)の送信装置IDが位置情報に変更される。すなわち、広告側取得情報では、第1携帯ID(MACアドレス)、アプリIDおよび日時情報に紐付けて、広告媒体2、2a側の第1送信処理装置20、20aが取得した携帯端末50の位置情報(広告側の位置情報)が記憶される。また、店舗側取得情報では、第2携帯ID(MACアドレス)、アプリIDおよび日時情報に紐付けて、店舗3、3a側の第2送信処理装置30、30aが取得した携帯端末50の位置情報(店舗側の位置情報)が記憶される。
【0134】
管理装置10の制御部11は、
図6と同様の処理により、適宜、広告側取得情報に来店フラグを設定し、店舗側取得情報に広告IDおよび店舗IDを紐付ける。但し、
図6のステップS303では、店舗側の送信装置IDおよび広告側の送信装置IDに代えて、ステップS303で取得した店舗側取得情報中の位置情報と、記憶部12に記憶されている広告側取得情報中の位置情報とを用いて、これらが同一の店舗に対応するものであるか否かが判定される。
【0135】
すなわち、制御部11は、
図9(b)の店舗管理情報において、店舗側取得情報中の位置情報に対し所定の距離範囲(実質的に携帯端末50が当該店舗3、3aにいると推定できる距離範囲)内にある店舗側の位置情報を特定し、特定した店舗側の位置情報に対応付けられている店舗IDを特定する。
【0136】
また、制御部11は、
図9(a)の広告媒体管理情報において、広告側取得情報中の位置情報に対し所定の距離範囲(実質的に携帯端末50が当該広告媒体2、2aの付近にいると推定できる距離範囲)内にある広告側の位置情報を特定し、特定した広告側の位置情報に対応付けられている広告媒体IDを特定する。さらに、制御部11は、特定した広告媒体IDに紐付けられている店舗IDを
図9(c)の広告管理情報において特定する。
【0137】
そして、制御部11は、特定したこれら2つの店舗IDが互いに一致するか否かを判定する。ここで、
図9(c)において特定した店舗IDが複数ある場合、これらの何れかに、店舗側の位置情報に基づき特定した店舗IDに一致するか否かが判定される。
【0138】
ステップS303以外のステップの処理は、上記実施形態と同様である。こうして、制御部11は、第2送信処理装置30、30aが店舗側取得情報を取得した携帯端末50を所持する人4(顧客)が、当該店舗3、3aの広告媒体2、2aの広告を見て来店したか否かを推定し(S305、S307)、推定結果を、
図11(a)、(b)の広告側取得情報(来店フラグ)および店舗側取得情報(広告ID)に反映する(S306、S308)。これにより、制御部11は、
図6の処理を終了する。
【0139】
変更例3によっても、管理装置10が、
図9(b)のような、店舗3、3aの位置情報と店舗3、3aとを紐づける情報(店舗管理情報)や、
図9(a)、(c)のような、広告媒体2、2aの位置情報と店舗とを紐付ける情報(広告媒体管理情報、広告管理情報)を管理することにより、第2送信処理装置30、30aから受信した第2店舗特定情報(位置情報)から当該店舗3、3aを特定でき、第1送信処理装置20、20aから受信した第1店舗特定情報(位置情報)から当該店舗3、3aを特定できる。よって、
図6のステップS303の判定を行うことができ、店舗3、3aに来店した人4(顧客)が当該店舗3、3aの広告媒体2、2aの広告を見て来店したか否かを適切に推定できる。
【0140】
なお、広告媒体2、2a側の位置情報は、第1送信処理装置20、20aの位置情報であってもよく、店舗3、3a側の位置情報は、第2送信処理装置30、30aの位置情報であってもよい。この場合、第1送信処理装置20、20aおよび第2送信処理装置30、30aには、これらの位置情報が予め設定される。あるいは、第1送信処理装置20、20aおよび第2送信処理装置30、30aがそれぞれGPSを備え、GPSにより第1送信処理装置20、20aおよび第2送信処理装置30、30aの位置情報が取得されてもよい。
【0141】
この構成によれば、携帯端末50から位置情報を取得しなくてよいため、携帯端末50に上述のアプリケーションプログラムがインストールされていなくても、ブロードキャスト通信時に携帯端末50から取得した第1携帯識別情報(MACアドレス)および第2携帯識別情報(MACアドレス)とともに位置情報を、第1送信処理装置20、20aおよび第2送信処理装置30、30aから管理装置10に送信できる。
【0142】
また、記憶部12に記憶される広告側取得情報(
図11(a)参照)における位置情報は、携帯端末50の位置情報ではなく、
図9(a)の広告媒体管理情報により管理されている位置情報であってもよい。この場合、第1送信処理装置20、20aから送信された携帯端末50の位置情報に対して所定の距離範囲内にある広告側の位置情報が
図9(a)の広告媒体管理情報において特定され、特定された位置情報が広告側取得情報に含められて記憶部12に記憶される。同様に、記憶部12に記憶される店舗側取得情報(
図11(b)参照)における位置情報も、携帯端末50の位置情報ではなく、
図9(b)の店舗管理情報により管理されている位置情報であってもよい。
【0143】
<変更例4>
上記実施形態では、管理装置10が複数の店舗3、3aの複数の広告を管理して、これら店舗3、3aに来店した人4(顧客)が当該店舗3、3aの広告を見て来店したかをそれぞれ推定する構成であったが、管理装置10の構成はこれに限られるものではない。たとえば、管理装置10が1つの店舗3の広告のみを管理して、この店舗3に来店した人4(顧客)が当該店舗3の広告を見て来店したかのみを推定する構成であってもよい。
【0144】
図12は、変更例4に係る、広告効果推定システム1の構成を示す図である。
【0145】
この構成では、たとえば、管理装置10が店舗3内に配置される。管理装置10が店舗外に配置されてもよい。管理装置10は、店舗3についてのみ、人4(顧客)が当該店舗3の広告媒体2の広告を見て来店したか否かを推定する。
【0146】
管理装置10は、
図2と同様の構成である。但し、広告媒体2には当該店舗3の広告のみが提示されるため、記憶部12には、
図3(a)~(c)の管理情報が保持される必要はない。また、広告媒体2において日時範囲で異なる店舗の広告が提示されることがないため、
図6のステップS304は省略され得る。
【0147】
この場合、
図4(a)、(b)のフローチャートは、
図13(a)、(b)のように変更される。すなわち、第1送信処理装置20からは、携帯端末50から取得した第1携帯識別情報が管理装置10に送信され(S131)、管理装置10の制御部11は、受信した第1携帯識別情報を記憶部12に記憶させる(S231)。第2送信処理装置30においても、
図13(a)と同様の処理により、携帯端末50から取得した第2携帯識別情報が、第2送信処理装置30から管理装置10に送信され、管理装置10の記憶部12に記憶される。
【0148】
また、記憶部12に記憶される広告側取得情報および店舗側取得情報は、
図14(a)、(b)のようにそれぞれ変更され得る。すなわち、広告側取得情報として、第1送信処理装置20から受信した第1携帯識別情報が記憶部12に記憶され、店舗側取得情報として、第2送信処理装置30から受信した第2携帯識別情報が記憶部12に記憶される。
【0149】
図6のフローチャートは、
図15のように変更される。すなわち、
図6のフローチャートからステップS303、S304が省略され、
図6のステップS306、S308がステップS311、S312に変更される。
【0150】
すなわち、制御部11は、第2送信処理装置30から受信した第2携帯識別情報に対応する第1携帯識別情報が記憶部12に記憶されていれば(S302:YES)、当該携帯端末50を所持する人4(顧客)は、当該店舗3の広告媒体2の広告を見て来店したと推定する(S305)。そして、制御部11は、受信した第2携帯識別情報に、来店フラグを紐付けて、記憶部12に記憶させる(S311)。このとき、同時に、制御部11は、記憶部12に記憶されている広告側取得情報の当該第1携帯識別情報に、当該推定を肯定する来店フラグを紐付ける。これにより、
図14(a)、(b)に丸印で示すように、第1携帯識別情報(広告側取得情報)および第2携帯識別情報(店舗側取得情報)にそれぞれ来店フラグが紐付けられる。
【0151】
他方、制御部11は、第2送信処理装置30から受信した第2携帯識別情報に対応する第1携帯識別情報が記憶部12に記憶されていなければ(S302:NO)、当該携帯端末50を所持する人4(顧客)は、当該店舗3の広告媒体2の広告を見ずに来店したと推定する(S307)。そして、制御部11は、受信した第2携帯識別情報に来店フラグを紐付けることなく、第2携帯識別情報のみを、店舗側取得情報として記憶部12に記憶させる(S312)。これにより、
図14(a)、(b)に空欄で示すように、第1携帯識別情報(広告側取得情報)および第2携帯識別情報(店舗側取得情報)には来店フラグが紐付けられない。
【0152】
変更例4の構成によれば、
図12に示すように、管理装置10が管理する店舗3が1つだけであるような場合に、第2送信処理装置30から受信した第2携帯識別情報に対応する第1携帯識別情報が記憶部12に記憶されているか否かに基づいて、人4(顧客)が広告媒体2による当該店舗の広告を見て来店したか否かを推定できる。よって、この推定結果を集計することにより、当該広告媒体2による広告が店舗3への集客に結び付いたか否かを評価することができる。
【0153】
<その他の変更例>
上記実施形態では、異なる日時の範囲において複数の店舗3、3aの広告が広告媒体2、2a(広告装置)により提示され得ることが想定されたが、1つの広告媒体2、2a(広告装置)では1つの店舗3、3aの広告のみが提示される構成であってもよい。この場合、
図3(c)の広告管理情報では、店舗3、3aごとに1行のみの情報が管理される。また、広告媒体2、2aがデジタルサイネージ等の広告装置である場合、広告日時範囲は、当該広告装置が広告を提示する時間範囲、すなわち、当該広告装置が動作している時間範囲とされる。この場合も、
図6の処理により、店舗3、3aに来店した人4(顧客)が当該店舗3、3aの広告媒体2、2aによる広告を見て来店したか否かが推定され得る。
【0154】
なお、この場合は、
図3(c)の広告管理情報から広告日時範囲が省略され、
図6のステップS304が省略されてもよい。この場合、管理装置10の制御部11は、
図4(b)の処理により第1送信処理装置20から第1携帯識別情報を受信した日時が、早朝や深夜等の、広告を見てからの来店に繋がらないような日時である場合、当該第1携帯識別情報を記憶部12に記憶させないようにすればよい。これにより、ステップS304が省略された
図6の処理により、店舗3、3aに来店した人4(顧客)が当該店舗3、3aの広告媒体2、2aによる広告を見て来店したか否かが推定され得る。
【0155】
また、広告媒体2、2aが広告装置であって、各々の店舗3、3aの広告を広告装置が提示する時間が数秒または数十秒程度と短く、短時間で広告がサイクリックに切り替わるような場合、
図3(c)の広告管理情報から広告日時範囲が省略され、
図6のステップS304が省略されてもよい。この場合、第1送信処理装置20、20aと通信を行った携帯端末50を所持する人4は、当該第1送信処理装置20、20aと対となる広告媒体2、2aによる全ての店舗3、3aの広告を見たと推定される。これにより、ステップS304が省略された
図6の処理によって、店舗3、3aに来店した人4(顧客)が当該店舗3、3aの広告媒体2、2aによる広告を見て来店したか否かを、円滑に推定できる。
【0156】
また、上記実施形態では、異なる日時の範囲において複数の店舗3、3aの広告が広告媒体2、2a(広告装置)により提示されたが、さらに、各々の日時の範囲において、広告媒体2、2a(広告装置)の画面が領域分割され、各々の領域に異なる店舗3、3aの広告が提示されてもよい。この場合、
図3(c)の広告管理情報では、画面の分割領域に表示される複数の広告ID(店舗IDおよび広告名)に対して、同じ広告日時範囲が紐付けられる。この場合も、
図6の処理により、店舗3、3aに来店した人4(顧客)が当該店舗3、3aの広告媒体2、2aによる広告を見て来店したか否かが推定され得る。
【0157】
また、上記実施形態では、
図4(a)の処理により、第1携帯識別情報、送信装置IDおよび日時情報が同時に管理装置10に送信されたが、これらの情報は、必ずしも同時に送信されなくてもよい。たとえば、第1送信処理装置20は、第1携帯識別情報および送信装置IDを同時に管理装置10に送信した後、当該携帯端末50との通信強度を監視し、通信強度が最も高いタイミングの日時を、日時情報として、当該携帯端末50の第1携帯識別情報とともに管理装置10に送信してもよい。
【0158】
また、
図5(a)、(b)に示した広告側取得情報および店舗側取得情報には、双方に、人4(顧客)が広告媒体2、2aによる店舗3、3aの広告を見て当該店舗3、3aに来店したことを示す情報(来店フラグ、広告ID)が紐付けられたが、これらのうち、何れか一方が省略されてもよい。
【0159】
但し、
図5(a)、(b)のように情報が管理されると、広告媒体2、2aの前を通った人4の携帯端末50の総数を母数として、広告媒体2、2aの効果(来店フラグの総数/第1携帯IDの総数)を評価できるとともに、店舗3、3aに来店した人4の携帯端末50の総数を母数として、広告媒体2、2aの効果(広告IDの総数/第2携帯IDの総数)を評価できる。なお、店舗側取得情報からこの情報(広告ID)が省略される場合は、記憶部12に対する店舗取得情報の記憶自身が省略されてもよい。
【0160】
また、上記変更例1では、
図7に示したように、第2送信処理装置30の送信装置IDに代えて店舗IDが管理装置10に送信されたが、第1送信処理装置20においても、送信装置IDに代えて店舗IDが管理装置10に送信されてもよい。
【0161】
この場合、第1送信処理装置20には、対となる広告媒体2、2aにより広告が提示される全ての店舗3、3aの店舗IDが設定される。
図4(a)のステップS103において、第1送信処理装置20は、携帯端末50から取得した第1携帯識別情報を、店舗IDおよび日時情報とともに管理装置10に送信し、管理装置10の制御部11は、
図4(b)のステップS202において、これらの情報を記憶部12に記憶させる。
図5(a)の広告側取得情報中の送信装置IDは、店舗IDに変更される。
図6のステップS303において、管理装置10の制御部11は、広告側取得情報中の店舗IDと、第2送信処理装置30から受信した情報に基づく店舗IDとが一致するか否かを判定すればよい。
【0162】
第1送信処理装置20から管理装置10に送信される第1店舗特定情報は、当該第1送信処理装置20と対となる広告媒体2、2aにより広告が提示される店舗3、3aを特定可能な情報であればよい。第1店舗特定情報は、実施形態に示した第1送信処理装置20の送信装置IDや、上記の店舗IDの他、第1送信処理装置20と対となる広告媒体2、2aの識別情報(広告媒体ID)等であってもよい。同様に、第2送信処理装置30から管理装置10に送信される第2店舗特定情報は、当該第2送信処理装置30と対となる店舗3、3aを特定可能な情報であればよい。
【0163】
また、携帯端末50の識別情報は、MACアドレスやアプリIDに限られるものではなく、携帯端末50を識別可能な他の情報であってもよい。たとえば、上述のブロードキャスト通信(プローブ要求)に含まれるSSID情報等が、携帯端末50の識別情報にさらに含まれてもよい。
【0164】
また、管理装置10において予め管理される情報は、
図3(a)~(c)に示す情報に限られるものではなく、
図6の処理を実現可能な情報であればよい。また、管理装置10は、ハードウエアとしての1つのコンピュータでなくてもよく、クラウドサーバ(仮想サーバ)等によって構成されてもよい。
【0165】
また、
図6のステップS304では、さらに、第1送信処理装置20、20aから受信した日時情報と第2送信処理装置30、30aから受信した日時情報との間の時間差が所定の閾値を超えるか否かがさらに判定されてもよい。すなわち、広告媒体2、2aによる広告を見てから店舗3、3aに到着するまでに想定され得る所定の閾値時間より長い時間差が、これら日時情報との間に生じている場合、ステップS304の判定をNOとし、当該人4は、当該店舗3、3aの広告を見ずに来店したと推定してもよい(S307)。これにより、より適切に、当該推定を行うことができる。
【0166】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0167】
1 広告効果推定システム
2、2a 広告媒体
3、3a 店舗
4 人
10 管理装置
11 制御部
11a 照合部
11b 推定部
12 記憶部
20、20a 第1送信処理装置
30、30a 第2送信処理装置
50 携帯端末