IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

特開2024-131281アクセスポイント及び無線通信システム
<>
  • 特開-アクセスポイント及び無線通信システム 図1
  • 特開-アクセスポイント及び無線通信システム 図2
  • 特開-アクセスポイント及び無線通信システム 図3
  • 特開-アクセスポイント及び無線通信システム 図4
  • 特開-アクセスポイント及び無線通信システム 図5
  • 特開-アクセスポイント及び無線通信システム 図6
  • 特開-アクセスポイント及び無線通信システム 図7
  • 特開-アクセスポイント及び無線通信システム 図8
  • 特開-アクセスポイント及び無線通信システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131281
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】アクセスポイント及び無線通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20240101AFI20240920BHJP
   H04W 28/16 20090101ALI20240920BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W28/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041457
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】大澤 昇
(72)【発明者】
【氏名】菅野 一生
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA42
5K067DD17
5K067DD24
5K067DD57
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE24
(57)【要約】
【課題】複数のアクセスポイントと通信端末とが通信する場合の処理の負荷を軽減する。
【解決手段】アクセスポイント2は、アクセスポイント2に割り当てられた主プリアンブルデータと、他のアクセスポイントに割り当てられた副プリアンブルデータと、を記憶する記憶部23と、主プリアンブルデータを通信端末3に送信する端末側送信部211と、通信端末3から端末プリアンブルデータ及び通信端末3を識別するための端末識別情報を受信する端末側受信部212と、端末プリアンブルデータが、記憶部23に記憶された主プリアンブルデータ又は副プリアンブルデータのいずれかに対応する場合に、端末識別情報を通信制御装置1に送信するようにネットワーク側送信部221を制御する制御部24と、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信制御装置及び通信端末と通信するアクセスポイントであって、
前記アクセスポイントに割り当てられた主プリアンブルデータと、他のアクセスポイントに割り当てられた副プリアンブルデータと、を記憶する記憶部と、
前記主プリアンブルデータを前記通信端末に送信する端末側送信部と、
前記通信端末から端末プリアンブルデータ及び前記通信端末を識別するための端末識別情報を受信する端末側受信部と、
前記端末プリアンブルデータが、前記記憶部に記憶された前記主プリアンブルデータ又は前記副プリアンブルデータのいずれかに対応する場合に、前記端末識別情報を前記通信制御装置に送信するようにネットワーク側送信部を制御する制御部と、
を有するアクセスポイント。
【請求項2】
前記ネットワーク側送信部は、前記端末識別情報とともに、前記端末プリアンブルデータを受信した時刻を示す時刻データと、を前記通信制御装置に送信する、
請求項1に記載のアクセスポイント。
【請求項3】
前記ネットワーク側送信部は、前記通信端末から受信した前記端末プリアンブルデータが前記主プリアンブルデータに対応する場合に、前記主プリアンブルデータに対応する前記端末プリアンブルデータを受信したことを示す通知データを前記通信制御装置に送信する、
請求項1に記載のアクセスポイント。
【請求項4】
前記制御部は、前記通信端末から受信した前記端末プリアンブルデータが、前記記憶部に記憶された前記主プリアンブルデータ又は前記副プリアンブルデータに対応する場合に、前記端末識別情報を前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載のアクセスポイント。
【請求項5】
前記制御部は、前記通信端末から受信した前記端末プリアンブルデータが、前記記憶部に記憶された前記主プリアンブルデータに対応する場合に、前記通信端末と通信リンクを確立する処理を実行するように前記端末側送信部を制御する、
請求項1に記載のアクセスポイント。
【請求項6】
前記制御部は、前記通信端末から受信した前記端末プリアンブルデータが、前記記憶部に記憶された前記副プリアンブルデータに対応する場合に、他のアクセスポイントが前記通信端末と通信リンクを確立する処理を実行する間に送受信されるデータを受信するように前記端末側受信部を制御する、
請求項1に記載のアクセスポイント。
【請求項7】
前記ネットワーク側送信部が前記端末識別情報を前記通信制御装置に送信した後に、前記通信端末にデータを送信するタイミングと周波数とを規定するスケジューリング情報を前記通信制御装置から受信するネットワーク側受信部をさらに有し、
前記制御部は、前記スケジューリング情報に基づいて前記通信端末にデータを送信するよう前記端末側送信部を制御する、
請求項1に記載のアクセスポイント。
【請求項8】
通信制御装置と、複数のアクセスポイントと、前記複数のアクセスポイントと通信する通信端末と、を備え、
前記複数のアクセスポイントのそれぞれは、
前記アクセスポイントに割り当てられた主プリアンブルデータと、他のアクセスポイントに割り当てられた副プリアンブルデータと、を記憶する記憶部と、
前記主プリアンブルデータを前記通信端末に送信する端末側送信部と、
前記通信端末から端末プリアンブルデータ及び前記通信端末を識別するための端末識別情報を受信する端末側受信部と、
前記端末プリアンブルデータが、前記記憶部に記憶された前記主プリアンブルデータ又は前記副プリアンブルデータのいずれかに対応する場合に、前記端末識別情報を前記通信制御装置に送信するようにネットワーク側送信部を制御する制御部と、
を有し、
前記通信端末は、
前記複数のアクセスポイントが送信する複数の前記主プリアンブルデータを受信する端末受信部と、
前記端末受信部が受信した複数の前記主プリアンブルデータのうち、いずれかに対応する前記端末プリアンブルデータを送信する端末送信部と、
を有する、無線通信システム。
【請求項9】
前記通信制御装置は、
前記複数のアクセスポイントそれぞれの前記ネットワーク側送信部から前記端末識別情報を受信したことに応じて、前記複数のアクセスポイントが前記通信端末とデータ通信をするためのスケジューリング情報を作成する情報作成部と、
前記スケジューリング情報を前記複数のアクセスポイントに送信する情報送信部と、
を有する、
請求項8に記載の無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセスポイント及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信端末(UE)が複数のアクセスポイント(AP)とデータ通信をする技術が知られている。特許文献1には、通信端末がアクセスポイントとデータ通信するにあたって、アクセスポイントに通信端末を認識させるための制御情報の通知方法が開示されている。
【0003】
特許文献1には、複数のアクセスポイントに共通のセルIDとプリアンブルデータが設定されており複数のアクセスポイントが連携して動作するケースと、複数のアクセスポイントが連携していないケースとが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開2018/0235013号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のアクセスポイントが連携して動作する場合、1台の通信端末と通信するアクセスポイントの数が増加すると、複数のアクセスポイントが連携するための制御情報の送受信の負荷が大きくなってしまう。一方、複数のアクセスポイントが連携して動作しない場合、通信端末が複数のアクセスポイントそれぞれと無線通信リンクを確立する処理(例えば4 step RACH処理)が必要になるため、通信端末の負荷が大きくなってしまう。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、複数のアクセスポイントと通信端末とが通信する場合の処理の負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様のアクセスポイントは、通信制御装置及び通信端末と通信するアクセスポイントであって、前記アクセスポイントに割り当てられた主プリアンブルデータと、他のアクセスポイントに割り当てられた副プリアンブルデータと、を記憶する記憶部と、前記主プリアンブルデータを前記通信端末に送信する端末側送信部と、前記通信端末から端末プリアンブルデータ及び前記通信端末を識別するための端末識別情報を受信する端末側受信部と、前記端末プリアンブルデータが、前記記憶部に記憶された前記主プリアンブルデータ又は前記副プリアンブルデータのいずれかに対応する場合に、前記端末識別情報を前記通信制御装置に送信するようにネットワーク側送信部を制御する制御部と、を有する。
【0008】
前記ネットワーク側送信部は、前記端末識別情報とともに、前記端末プリアンブルデータを受信した時刻を示す時刻データと、を前記通信制御装置に送信してもよい。
【0009】
前記ネットワーク側送信部は、前記通信端末から受信した前記端末プリアンブルデータが前記主プリアンブルデータに対応する場合に、前記主プリアンブルデータに対応する前記端末プリアンブルデータを受信したことを示す通知データを前記通信制御装置に送信してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記通信端末から受信した前記端末プリアンブルデータが、前記記憶部に記憶された前記主プリアンブルデータ又は前記副プリアンブルデータに対応する場合に、前記端末識別情報を前記記憶部に記憶させてもよい。
【0011】
前記制御部は、前記通信端末から受信した前記端末プリアンブルデータが、前記記憶部に記憶された前記主プリアンブルデータに対応する場合に、前記通信端末と通信リンクを確立する処理を実行するように前記端末側送信部を制御してもよい。
【0012】
前記制御部は、前記通信端末から受信した前記端末プリアンブルデータが、前記記憶部に記憶された前記副プリアンブルデータに対応する場合に、他のアクセスポイントが前記通信端末と通信リンクを確立する処理を実行する間に送受信されるデータを受信するように前記端末側受信部を制御してもよい。
【0013】
前記アクセスポイントは、前記ネットワーク側送信部が前記端末識別情報を前記通信制御装置に送信した後に、前記通信端末にデータを送信するタイミングと周波数とを規定するスケジューリング情報を前記通信制御装置から受信するネットワーク側受信部をさらに有し、前記制御部は、前記スケジューリング情報に基づいて前記通信端末にデータを送信するよう前記端末側送信部を制御してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様の無線通信システムは、通信制御装置と、複数のアクセスポイントと、前記複数のアクセスポイントと通信する通信端末と、を備え、前記複数のアクセスポイントのそれぞれは、前記アクセスポイントに割り当てられた主プリアンブルデータと、他のアクセスポイントに割り当てられた副プリアンブルデータと、を記憶する記憶部と、前記主プリアンブルデータを前記通信端末に送信する端末側送信部と、前記通信端末から端末プリアンブルデータ及び前記通信端末を識別するための端末識別情報を受信する端末側受信部と、前記端末プリアンブルデータが、前記記憶部に記憶された前記主プリアンブルデータ又は前記副プリアンブルデータのいずれかに対応する場合に、前記端末識別情報を前記通信制御装置に送信するようにネットワーク側送信部を制御する制御部と、を有し、前記通信端末は、前記複数のアクセスポイントが送信する複数の前記主プリアンブルデータを受信する端末受信部と、前記端末受信部が受信した複数の前記主プリアンブルデータのうち、いずれかに対応する前記端末プリアンブルデータを送信する端末送信部と、を有する。
【0015】
前記通信制御装置は、前記複数のアクセスポイントそれぞれの前記ネットワーク側送信部から前記端末識別情報を受信したことに応じて、前記複数のアクセスポイントが前記通信端末とデータ通信をするためのスケジューリング情報を作成する情報作成部と、前記スケジューリング情報を前記複数のアクセスポイントに送信する情報送信部と、を有してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数のアクセスポイントと通信端末とが通信する場合の処理の負荷を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】無線通信システムSの概要を説明するための図である。
図2】無線通信システムSの概要を説明するための図である。
図3】無線通信システムSの概要を説明するための図である。
図4】無線通信システムSの概要を説明するための図である。
図5】通信制御装置1の構成を示す図である。
図6】通信端末3の構成を示す図である。
図7】アクセスポイント2の構成を示す図である。
図8】アクセスポイント2における処理の流れを示すフローチャートである。
図9】無線通信システムSにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[無線通信システムSの概要]
図1から図4は、無線通信システムSの概要を説明するための図である。無線通信システムSは、通信制御装置1と、複数のアクセスポイント2と、複数の通信端末3と、を有する。無線通信システムSは、通信端末3が、ネットワークを介して他の通信端末3と通信を可能にする移動体通信システムである。無線通信システムSは、通信端末3が複数のアクセスポイント2とデータを送受信し、複数のアクセスポイント2が通信制御装置1とデータを送受信することにより、固定されたセルを構成することなく通信端末3のデータ通信を可能にするシステムである。
【0019】
通信制御装置1は、移動体通信システムを運営する事業者が管理するコンピュータであり、例えば5GにおけるCU(Central Unit)である。通信制御装置1は、複数のアクセスポイント2との間でデータ送受信をするとともに、ネットワークを介して他の装置とも通信する。
【0020】
通信端末3は、移動可能な情報端末であり、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、IoT(Internet of Things)デバイスである。通信端末3は、複数のアクセスポイント2をMIMO(Multi Input Multi Output)アンテナポートとして利用することにより、複数のアクセスポイント2を介して通信制御装置1との間でデータを送受信する。通信端末3が、複数のアクセスポイント2との無線通信リンクを確立することにより、当該複数のアクセスポイント2が含まれるクラスタが形成される。
【0021】
複数のアクセスポイント2は、通信制御装置1及び通信端末3と通信可能に構成されている。複数のアクセスポイント2は、例えば通信制御装置1と有線接続されているが、通信制御装置1と無線接続されていてもよい。
【0022】
複数のアクセスポイント2のそれぞれは、自身に設定された主プリアンブルデータ(Primary Preamble Data)を記憶しており、通信端末3との無線通信リンクを確立する際に、主プリアンブルデータを送信する。アクセスポイント2は、例えば報知信号の一例であるSS/PBCH(Synchronization Signal / Physical Broadcast Channel)を用いて主プリアンブルデータを送信する。
【0023】
アクセスポイント2は、近傍の他のアクセスポイント2の主プリアンブルデータを、自身の副プリアンブルデータ(Secondary Preamble Data)として記憶している。アクセスポイント2は、例えば通信制御装置1から通知された他のアクセスポイント2の主プリアンブルデータを副プリアンブルデータとして記憶している。
【0024】
アクセスポイント2は、通信端末3が送信した端末プリアンブルデータが主プリアンブルデータ又は副プリアンブルデータのいずれかに対応しているか否かを判定し、端末プリアンブルデータが主プリアンブルデータに対応しているか副プリアンブルデータに対応しているかによって、その後の処理を切り替える。
【0025】
以下、図1から図4を参照しながら無線通信システムSの概要を説明する。図1から図4においては、4台のアクセスポイント2と1台の通信端末3が示されているが、アクセスポイント2及び通信端末3の台数は任意である。
【0026】
図1において、アクセスポイント2-1の下に表示されている「P:1」は、アクセスポイント2-1が主プリアンブルデータとして、プリアンブルデータ1(以下、「PR1」と表すことがある)を記憶していることを示している。「S:2」は、アクセスポイント2-1が副プリアンブルデータとして、近傍のアクセスポイント2-2の主プリアンブルデータであるプリアンブルデータ2(以下、「PR2」と表すことがある)を記憶していることを示している。
【0027】
アクセスポイント2-2の下に表示されている「P:2」は、アクセスポイント2-2が主プリアンブルとして、PR2を記憶していることを示している。「S:1、3」は、アクセスポイント2-2が副プリアンブルデータとして、アクセスポイント2-2の近傍のアクセスポイント2-1の主プリアンブルデータであるPR1と、アクセスポイント2-3の主プリアンブルデータであるプリアンブルデータ3(以下、「PR3」と表すことがある)とを記憶していることを示している。
【0028】
同様に、アクセスポイント2-3の下に表示されている「P:3」は、アクセスポイント2-3が主プリアンブルデータとして、PR3を記憶していることを示している。「S:2、4」は、アクセスポイント2-3が副プリアンブルデータとして、アクセスポイント2-3の近傍のアクセスポイント2-2の主プリアンブルデータであるPR2と、アクセスポイント2-4の主プリアンブルデータであるプリアンブルデータ4(以下、「PR4」と表すことがある)とを記憶していることを示している。
【0029】
図1に示すように、まず、複数のアクセスポイント2は、クラスタが形成されていない状態において、記憶している主プリアンブルデータを含む報知信号を送信する。具体的には、アクセスポイント2-1~2-4は、それぞれPR1~PR4を含む報知信号を送信する。通信端末3は、これらの報知信号を受信する。
【0030】
通信端末3は、受信した報知信号のうち、所定の条件を満たす報知信号を送信したアクセスポイント2を選択する。この所定の条件は、例えば最も受信信号レベルが高いことであるが、所定の条件はこれに限らず、複数の条件の組み合わせであってもよい。本例では、PR2が含まれる報知信号の受信信号レベルが最も高く、通信端末3がアクセスポイント2-2を選択したものとする。
【0031】
この場合、図2に示すように、通信端末3は、アクセスポイント2-2との間で無線通信リンクの確立処理を行うために、端末プリアンブルデータとしてPR2を含む信号を送信する。端末プリアンブルデータは、通信端末3が送信するデータに含まれるプリアンブルデータである。無線通信リンクの確立処理は、例えば4 step RACH(Random Access Channel)処理であり、通信端末3は、4 step RACH処理におけるMsg 1として、PR2を含むMsg 1信号を送信する。Msg 1信号には、通信端末3を識別するための端末識別情報であるUE-IDが含まれている。
【0032】
複数のアクセスポイント2は、PR2を含む信号を受信し、自身が記憶している主プリアンブルデータ及び副プリアンブルデータと比較する。アクセスポイント2は、受信したPR2が、自身が記憶している主プリアンブルデータ又は副プリアンブルデータのいずれかに対応する場合、受信したMsg 1信号に含まれていたUE-IDと、Msg 1信号を受信したタイミングを示す受信タイミングデータと、を通信制御装置1に送信する。
【0033】
受信したPR2が、自身が記憶している主プリアンブルデータ又は副プリアンブルデータのいずれかに対応する場合とは、受信したPR2が、自身が記憶している主プリアンブルデータ又は副プリアンブルデータのいずれかに基づいて作成されたということを特定できる場合であり、例えば、受信したPR2が、主プリアンブルデータ又は副プリアンブルデータのいずれかと一致する場合である。アクセスポイント2は、受信したPR2が、自身が記憶している主プリアンブルデータ又は副プリアンブルデータのいずれにも対応しない場合、UE-ID及び受信タイミングデータを通信制御装置1に送信せずに処理を終了する。
【0034】
図3に示す例においては、Msg 1信号に含まれているPR2が自身の主プリアンブルデータに対応するアクセスポイント2-2と、Msg 1信号に含まれているPR2が自身の副プリアンブルデータに対応するアクセスポイント2-1及びアクセスポイント2-3とが、通信制御装置1にUE-IDを送信している。アクセスポイント2がUE-IDを送信するタイミングは任意であるが、例えば、複数のアクセスポイント2は、通信端末3から端末プリアンブルデータを受信してから、アクセスポイント2-2と通信端末3との間での4 step RACH処理が完了するまでの間にUE-IDを送信する。
【0035】
複数のアクセスポイント2は、例えば、通信端末3が選択したアクセスポイント2-2が4 step RACH処理を完了すると予想されるタイミングでUE-IDを送信する。複数のアクセスポイント2は、アクセスポイント2-2が4 step RACH処理を実行している間にUE-IDを送信してもよく、4 step RACH処理で送受信されているデータを監視し、4 step RACH処理が完了したタイミングでUE-IDを送信してもよい。
【0036】
通信端末3から自身の主プリアンブルデータであるPR2を受信したアクセスポイント2-2が、4 step RACH処理のMsg 2以降のやり取りをすることにより、アクセスポイント2-2と通信端末3との間での無線通信リンクが確立する。4 step RACH処理が完了すると、アクセスポイント2-2は、無線通信リンクが確立したことを通信制御装置1に通知する。アクセスポイント2-1及びアクセスポイント2-3は、アクセスポイント2-2と通信端末3との間で行われる4 step RACH処理を観測することにより、アクセスポイント2-2と通信端末3との間の無線通信リンクが確立したことを認識する。
【0037】
続いて、図4に示すように、通信制御装置1は、アクセスポイント2-2、並びにアクセスポイント2-2とほぼ同じタイミングで通信端末3からUE-IDを受信したアクセスポイント2-1及びアクセスポイント2-3の3台のアクセスポイント2が通信端末3とデータを送受信するために各アクセスポイント2に通知するスケジューリング情報を作成する。スケジューリング情報には、各アクセスポイント2に割り当てる周波数及び時刻(スロット)、並びにダウンロードリンクで使用するプリコーディングの係数等が含まれている。通信制御装置1は、アクセスポイント2-1、アクセスポイント2-2及びアクセスポイント2-3に対して、スケジューリング情報を通知する。アクセスポイント2-2は、通知されたスケジューリング情報を通信端末3に送信する。
【0038】
これ以降、複数のアクセスポイント2と通信端末3は、スケジューリング情報に基づいてデータ通信を開始する。具体的には、通信端末3は、アクセスポイント2-1、アクセスポイント2-2及びアクセスポイント2-3がデータを受信できる周波数及び時刻においてデータを送信し、アクセスポイント2-1、アクセスポイント2-2及びアクセスポイント2-3がデータを送信する周波数及び時刻においてデータを受信する。以下、通信制御装置1、アクセスポイント2及び通信端末3の構成及び動作を詳細に説明する。
【0039】
[通信制御装置1の構成]
図5は、通信制御装置1の構成を示す図である。通信制御装置1は、情報受信部11と、情報送信部12と、記憶部13と、装置制御部14と、を有する。
【0040】
情報受信部11は、複数のアクセスポイント2から各種の情報を受信する。情報受信部11は、例えば、複数のアクセスポイント2が通信対象となる通信端末3から受信したUE-IDを受信する。
【0041】
情報送信部12は、複数のアクセスポイント2に対して各種の情報を送信する。情報送信部12は、例えば、装置制御部14が作成したスケジューリング情報を複数のアクセスポイント2に送信する。
【0042】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部13は、装置制御部14が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部13は、複数のアクセスポイント2のそれぞれに対応するスケジューリング情報を記憶する。
【0043】
装置制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有しており、記憶部13に記憶されたプログラムを実行することにより、通信制御装置1が実行する各種の機能を実現する。装置制御部14は、例えば、複数のアクセスポイント2それぞれから情報受信部11がUE-IDを受信したことに応じてスケジューリング情報を作成する情報作成部として機能する。
【0044】
[通信端末3の構成]
図6は、通信端末3の構成を示す図である。通信端末3は、端末受信部31と、端末送信部32と、記憶部33と、端末制御部34と、を有する。
【0045】
端末受信部31は、複数のアクセスポイント2から各種の情報を受信する。端末受信部31は、例えば、複数のアクセスポイント2が送信する主プリアンブルデータを受信する。
【0046】
端末送信部32は、複数のアクセスポイント2に対して各種の情報を送信する。端末送信部32は、例えば、端末受信部31が受信した複数の主プリアンブルデータのうち、いずれかに対応する端末プリアンブルデータをRACH(Random Access Channel)を用いて送信する。具体的には、端末送信部32は、例えば、端末制御部34が複数のアクセスポイント2から選択したアクセスポイント2から受信した主プリアンブルデータに対応する端末プリアンブルデータを送信する。端末プリアンブルデータは、主プリアンブルデータと一致するデータであってもよく、所定の変換ルールに基づいて主プリアンブルデータを変換することにより作成されたデータであってもよい。
【0047】
記憶部33は、ROM及びRAM等の記憶媒体を有する。記憶部33は、端末制御部34が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部33はUE-IDを記憶する。
【0048】
端末制御部34は、例えばCPUを有しており、記憶部33に記憶されたプログラムを実行することにより、通信端末3が実行する各種の機能を実現する。端末制御部34は、例えば、複数のアクセスポイント2それぞれから端末受信部31が受信した信号のレベルに基づいて、1台のアクセスポイント2を選択する。端末制御部34は、選択したアクセスポイント2から受信した主プリアンブルデータに対応する端末プリアンブルデータを作成し、作成した端末プリアンブルデータを端末送信部32に送信させる。
【0049】
[アクセスポイント2の構成]
図7は、アクセスポイント2の構成を示す図である。アクセスポイント2は、端末側通信部21と、ネットワーク側通信部22(以下、「NW側通信部22」という)と、記憶部23と、制御部24と、を有する。
【0050】
端末側通信部21は、通信端末3とデータを送受信するための通信処理を実行するデバイスを含んでおり、端末側送信部211及び端末側受信部212を有する。端末側送信部211及び端末側受信部212は、制御部24の制御に基づいて動作する。端末側送信部211及び端末側受信部212は、連携して動作することにより、通信端末3との間で4 step RACH処理を実行する。
【0051】
端末側送信部211は、例えば、記憶部23に記憶された主プリアンブルデータを含む報知信号を送信する端末側送信部として機能する。アクセスポイント2が通信端末3との間で4 step RACH処理を行う場合、端末側送信部211はMsg 2信号及びMsg 4信号を通信端末3に送信する。また、端末側送信部211は、通信端末3との間での無線通信リンクが確立した後に、通信制御装置1が通信端末3に宛てて送信したデータを通信端末3に送信する。
【0052】
端末側受信部212は、通信端末3から各種のデータを受信する。端末側受信部212は、例えば、通信端末3から端末プリアンブルデータ及び通信端末3を識別するための端末識別情報を受信する。アクセスポイント2が通信端末3との間で4 step RACH処理を行う場合、端末側受信部212は、通信端末3が送信するMsg 1信号及びMsg 3信号を受信する。端末側受信部212は、通信端末3との間での無線通信リンクが確立した後に、通信端末3が通信制御装置1に宛てて送信したデータを受信し、受信したデータを制御部24に通知する。
【0053】
NW側通信部22は、通信制御装置1とデータを送受信するための通信処理を実行するデバイスを含んでおり、ネットワーク側送信部221(以下、「NW側送信部221」という)及びネットワーク側受信部222(以下、「NW側受信部222」という)を有する。NW側送信部221及びNW側受信部222は、制御部24の制御に基づいて動作する。
【0054】
NW側送信部221は、通信端末3から受信した端末プリアンブルデータが、記憶部23に記憶された主プリアンブルデータ又は副プリアンブルデータのいずれかに対応する場合に、通信端末3のUE-IDと、端末プリアンブルデータを受信した時刻を示す時刻データと、を通信制御装置1に送信する。
【0055】
NW側送信部221は、通信端末3から受信した端末プリアンブルデータが主プリアンブルデータに対応する場合に、主プリアンブルデータに対応する端末プリアンブルデータを受信したことを示す通知データを通信制御装置1に送信してもよい。NW側送信部221は、通信端末3から受信した端末プリアンブルデータが副プリアンブルデータに対応する場合に、副プリアンブルデータに対応する端末プリアンブルデータを受信したことを示す通知データを通信制御装置1に送信してもよい。アクセスポイント2と通信端末3との間の無線通信リンクが確立した後、NW側送信部221は、通信端末3から受信した通信制御装置1宛てのデータを通信制御装置1に送信する。
【0056】
NW側受信部222は通信制御装置1から送信されたデータを受信する。NW側受信部222は、例えば、通信制御装置1から、通信端末3にデータを送信するタイミングと周波数とを規定するスケジューリング情報を受信する。NW側受信部222は、受信したスケジューリング情報を制御部24に通知する。NW側受信部222は、受信したスケジューリング情報を記憶部23に記憶させてもよい。
【0057】
記憶部23は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部23は、制御部24が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部23は、アクセスポイント2に割り当てられた主プリアンブルデータと、他のアクセスポイント2に割り当てられた副プリアンブルデータと、を記憶する。さらに、記憶部23は、アクセスポイント2が通信制御装置1と通信端末3との間で送受信されるデータを中継するために使用される各種のデータを記憶する。
【0058】
制御部24は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部24は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、通信端末3との間で無線通信リンクを確立し、通信制御装置1と通信端末3との間で送受信されるデータを中継するための各種の処理を実行する。
【0059】
制御部24は、端末側送信部211、端末側受信部212、NW側送信部221及びNW側受信部222の動作を制御する。制御部24は、例えば、記憶部23に記憶された主プリアンブルデータを端末側送信部211に通知し、主プリアンブルデータを含む報知信号を送信するように端末側送信部211を制御する。また、制御部24は、通信端末3から受信した端末プリアンブルデータが、記憶部23に記憶された主プリアンブルデータ又は副プリアンブルデータのいずれかに対応する場合に、UE-IDを通信制御装置1に送信するようにNW側送信部221を制御する。
【0060】
制御部24は、通信端末3から受信した端末プリアンブルデータが、記憶部23に記憶された主プリアンブルデータ又は副プリアンブルデータに対応する場合に、通信端末3を識別するための端末識別情報であるUE-IDを記憶部23に記憶させてもよい。
【0061】
制御部24は、通信端末3から受信した端末プリアンブルデータが、記憶部23に記憶された主プリアンブルデータに対応する場合に、通信端末3と無線通信リンクを確立する処理を実行するように端末側送信部211を制御する。制御部24は、通信端末3から受信した端末プリアンブルデータが、記憶部23に記憶された副プリアンブルデータに対応する場合に、他のアクセスポイント2が通信端末3と無線通信リンクを確立する処理を実行する間に送受信されるデータを受信するように端末側受信部212を制御する。
【0062】
制御部24は、NW側受信部222が通信制御装置1から受信したスケジューリング情報に基づいて通信端末3にデータを送信するよう端末側送信部211を制御する。制御部24は、当該スケジューリング情報に基づいて通信端末3からデータを受信するよう端末側受信部212を制御する。制御部24は、例えば、スケジューリング情報に含まれているUE-IDが、記憶部23に記憶されたUE-IDに対応する場合に、スケジューリング情報に含まれている周波数及び時刻に基づいて通信端末3との間でデータを送受信するように端末側送信部211及び端末側受信部212を制御する。
【0063】
[アクセスポイント2における処理の流れ]
図8は、アクセスポイント2における処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、通信端末3がアクセスポイント2と接続されていない状態から開始している。
【0064】
制御部24は、記憶部23に記憶された主プリアンブルデータを含む報知信号を送信するよう端末側送信部211を制御する(S1)。制御部24は、例えば定期的に報知信号を端末側送信部211に送信させる。その後、制御部24は、端末側受信部212が、主プリアンブルデータを通信端末3から受信したか否かを判定する(S2)。具体的には、制御部24は、通信端末3から端末側受信部212が受信した端末プリアンブルデータが、端末側送信部211が送信した主プリアンブルデータに対応するか否かを判定する。
【0065】
制御部24は、端末側受信部212が、端末側送信部211が送信した主プリアンブルデータを通信端末3から受信した場合(S2においてYES)、主プリアンブルデータに対応する端末プリアンブルデータを送信したアクセスポイント2のUE-IDを記憶部23に記憶させる(S3)。制御部24は、当該UE-IDと、UE-IDを受信した時刻とを通信制御装置1に送信する(S4)。
【0066】
また、制御部24は、通信端末3との間で無線通信リンクの確立処理を実行する(S5)。具体的には、制御部24は、通信端末3との間で4 step RACH処理を実行する。制御部24は無線通信リンクの確立処理が完了すると、接続完了通知を通信制御装置1に送信する(S6)。なお、制御部24は、無線通信リンクの確立処理を実行した後に、S4のUE-IDと受信時刻の送信処理を実行してもよい。
【0067】
S2において、主プリアンブルデータを通信端末3から受信していないと制御部24が判定した場合(S2においてNO)、制御部24は、副プリアンブルデータを通信端末3から受信したか否かを判定する(S7)。具体的には、制御部24は、通信端末3から端末側受信部212が受信した端末プリアンブルデータが、記憶部23に記憶された副プリアンブルデータに対応するか否かを判定する。
【0068】
制御部24は、端末側受信部212が、記憶部23に記憶された副プリアンブルデータを通信端末3から受信した場合(S7においてYES)、副プリアンブルデータに対応する端末プリアンブルデータを送信したアクセスポイント2のUE-IDを記憶部23に記憶させる(S8)。制御部24は、当該UE-IDと、UE-IDを受信した時刻とを通信制御装置1に送信する(S9)。
【0069】
その後、制御部24は、S6又はS9の処理の後、NW側受信部222を介してスケジューリング情報を通信制御装置1から受信する(S10)。制御部24は、スケジューリング情報に含まれる周波数及びタイミングに基づいて通信端末3との間でデータを送受信する(S11)。制御部24は、例えば通信制御装置1又は通信端末3から通信を終了するための制御信号を受信するまでの間(S12においてNO)、通信端末3とデータを送受信する。
【0070】
[無線通信システムSにおける処理の流れ]
図9は、無線通信システムSにおける処理の流れを示すシーケンス図である。図9において、「CPU」は通信制御装置1、「AP」はアクセスポイント2、「UE」は通信端末3を表している。図9に示す処理は、通信端末3がアクセスポイント2と接続されていない状態から開始している。
【0071】
複数のアクセスポイント2のそれぞれは、自身の記憶部23に記憶されている主プリンブルデータを含む報知信号を定期的に送信する。通信端末3は、複数のアクセスポイント2が送信した主プリアンブルデータを受信した場合に、所定の条件に基づいて1台のアクセスポイント2を選択する。通信端末3は、例えば、報知信号の受信レベルが最大のアクセスポイント2(すなわち伝送路損失量が最小のアクセスポイント2)を選択する。図9においては、通信端末3がアクセスポイント2-2を選択している。
【0072】
通信端末3は、選択したアクセスポイント2-2が送信した主プリアンブルデータであるPR2を端末プリアンブルデータとして送信する。複数のアクセスポイント2は、当該端末プリアンブルデータを受信する。
【0073】
複数のアクセスポイント2のうちアクセスポイント2-2は、端末プリアンブルデータが、記憶部23に記憶されている主プリアンブルデータに対応するので、通信端末3のUE-IDを通信制御装置1に送信する。アクセスポイント2-1及びアクセスポイント2-3は、端末プリアンブルデータが、記憶部23に記憶されている副プリアンブルデータに対応するので、通信端末3のUE-IDを通信制御装置1に送信する。アクセスポイント2-4は、端末プリアンブルデータが、記憶部23に記憶されている主プリアンブルデータ及び副プリアンブルデータの何れにも対応しないので、通信端末3のUE-IDを通信制御装置1に送信しない。
【0074】
アクセスポイント2-2は、通信端末3との間で無線リンクの確立処理である4 step RACH処理を実行する。アクセスポイント2-2は、4 step RACH処理が完了すると、接続完了通知を通信制御装置1に送信する。その後、通信制御装置1は、スケジューリング情報を作成し、UE-IDを送信したアクセスポイント2-1、アクセスポイント2-2及びアクセスポイント2-3にスケジューリング情報を送信する。これにより、通信端末3は、アクセスポイント2-1、アクセスポイント2-2及びアクセスポイント2-3を介して通信制御装置1との間でデータの送受信が行うことができる。
【0075】
[アクセスポイント2による効果]
以上説明したように、本実施形態に係るアクセスポイント2は、記憶部23に記憶された主プリアンブルデータを含む報知信号を送信し、通信端末3から受信した端末プリアンブルデータが、記憶部23に記憶された主プリアンブルデータ又は副プリアンブルデータのいずれかに対応する場合に、当該端末プリアンブルデータを送信した通信端末3のUE-IDを通信制御装置1に送信することによりクラスタを形成する。また、アクセスポイント2は、端末プリアンブルデータが主プリアンブルデータに対応している場合に、通信端末3との間で無線通信リンクを確立する処理を実行する。アクセスポイント2がこのように構成されていることで、複数のアクセスポイント2と通信端末3とが通信する際の処理の負荷が増大することを抑制しつつ、通信端末3が複数のアクセスポイント2と通信することが可能になる。
【0076】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0077】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0078】
1 通信制御装置
2 アクセスポイント
3 通信端末
11 情報受信部
12 情報送信部
13 記憶部
14 装置制御部
21 端末側通信部
22 ネットワーク側通信部
23 記憶部
24 制御部
31 端末受信部
32 端末送信部
33 記憶部
34 端末制御部
211 端末側送信部
212 端末側受信部
221 ネットワーク側送信部
222 ネットワーク側受信部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9