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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131310
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ベルトコンベヤおよび搬送方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/28 20060101AFI20240920BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65G15/28
B65G47/52 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041505
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】UBEマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】村井 康夫
(72)【発明者】
【氏名】川崎 友裕
【テーマコード(参考)】
3F023
3F044
【Fターム(参考)】
3F023AA01
3F023AB01
3F023BA02
3F023BC02
3F023BC03
3F023BC08
3F023CA02
3F023FA04
3F023FA05
3F044AA18
3F044AB16
3F044CA08
3F044CB05
3F044CD01
3F044CF02
3F044CF06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】傾斜のついたベルトコンベヤにトリッパーを適用できるベルトコンベヤおよび搬送方法を提供する。
【解決手段】駆動プーリー42及び従動プーリー44と、間に複数のキャリアローラ46を配置してベルト48を無端状に掛け回したコンベヤ本体40と、搬送物を途中で落下させるシュート52と、コンベヤ本体からシュートへ分配する分配シュート54と、ベルトを支持する固定ベンドプーリー56と、可動ベンドプーリー62を有する分配切替手段64からなるトリッパー70を備え、分配切替手段は、コンベヤ本体上に軸心を搬送方向と直交する方向に配置した支軸20と、搬送方向に沿ってキャリアローラ及び分配シュートを配置し、一端が支軸に接続し、他端に可動ベンドプーリーを備えて支軸の軸回りを傾転可能な可動フレーム22と、可動フレームの他端に接続して支軸を基点として他端を上下に傾転させて分配シュートに搬送物を分配する昇降部24を備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動プーリー及び従動プーリーと、間に複数のキャリアローラを配置して前記駆動プーリーと前記従動プーリーにベルトを無端状に掛け回したコンベヤ本体と、
搬送物を前記コンベヤ本体の途中で落下させるシュートと、前記搬送物を前記コンベヤ本体から前記シュートへ分配する分配シュートと、前記分配シュートよりも前記コンベア本体の上流側で前記ベルトを支持する固定ベンドプーリーと、前記搬送物を前記コンベヤ本体上で搬送又は前記分配シュートへ分配を選択可能な可動ベンドプーリーを有する分配切替手段からなるトリッパーを備えたベルトコンベヤにおいて、
前記分配切替手段は、前記コンベヤ本体上に軸心を搬送方向と直交する方向に配置した支軸と、前記支軸よりも前記コンベア本体の上流側に配置されて上面に前記搬送方向に沿って前記キャリアローラ及び前記キャリアローラ上に前記分配シュートを配置し、一端が前記支軸に接続し、他端に前記可動ベンドプーリーを備えて前記支軸の軸回りを傾転可能な可動フレームと、
前記可動フレームの他端に接続して前記支軸を基点として前記他端を上下に傾転させて前記分配シュートに前記搬送物を分配する昇降部を備えたことを特徴とするベルトコンベヤ。
【請求項2】
請求項1に記載されたベルトコンベヤであって、
前記コンベヤ本体の傾斜角度は、前記搬送物の搬送許容の傾斜角度以下に設定したことを特徴とするベルトコンベヤ。
【請求項3】
駆動プーリー及び従動プーリーと、間に複数のキャリアローラを配置して前記駆動プーリーと前記従動プーリーにベルトを無端状に掛け回したコンベヤ本体と、
搬送物を前記コンベヤ本体の途中で落下させるシュートと、前記搬送物を前記コンベヤ本体から前記シュートへ分配する分配シュートと、前記分配シュートよりも前記コンベア本体の上流側で前記ベルトを支持する固定ベンドプーリーと、前記搬送物を前記コンベヤ本体上で搬送又は前記分配シュートへ分配を選択可能な可動ベンドプーリーを有する分配切替手段からなるトリッパーを備えたベルトコンベヤの搬送方法において、
前記コンベヤ本体上に軸心を搬送方向と直交する方向に配置した支軸と、前記支軸よりも前記コンベア本体の上流側に配置されて上面に前記搬送方向に沿って前記キャリアローラ及び前記キャリアローラ上に前記分配シュートを配置し、一端が前記支軸に接続し、他端に前記可動ベンドプーリーを備えて前記支軸の軸回りを傾転可能な可動フレームと、
前記可動フレームの他端に接続して前記支軸を基点として前記他端を上下に傾転させて前記分配シュートに前記搬送物を分配する昇降部を備えた前記分配切替手段により、前記可動フレームを前記支軸の軸回りを傾転させて前記コンベヤ本体に対して前記分配シュートを下降させて前記分配シュートに搬送物を供給することを特徴とするベルトコンベヤの搬送方法。
【請求項4】
請求項3に記載されたベルトコンベヤの搬送方法であって、
前記コンベヤ本体の傾斜角度は、前記搬送物の搬送許容の傾斜角度以下に設定したことを特徴とするベルトコンベヤの搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭、石灰石、穀物、木質バイオマスなどのばら物(搬送物ともいう)を安定供給することができるベルトコンベヤおよび搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、石炭、石灰石、穀物、木質バイオマスなどのばら物をサイロなどの貯蔵タンクに連続搬送する際にベルトコンベヤを用いている。ベルトコンベヤは、回転自在に配置された駆動プーリーと従動プーリーの間にベルトを無端状に掛け回している。このようなベルトコンベヤの搬送途中で搬送物を貯留又は他の箇所へ搬送する場合、ベルトコンベヤ上の搬送物を落下させるトリッパーを設置している(例えば、特許文献1に開示有り)。
【0003】
図4は従来のトリッパーを備えたベルトコンベヤの説明図1である。図5は従来のトリッパーを備えたベルトコンベヤの説明図2である。図6はトリッパーを備えた傾斜のついたベルトコンベヤの説明図1である。図7はトリッパーを備えた傾斜のついたベルトコンベヤの説明図2である。
図4に示すベルトコンベヤ1は、駆動プーリー42及び従動プーリー44と、間に複数のキャリアローラ46を配置して駆動プーリー42と従動プーリー44にベルト48を無端状に掛け回したコンベヤ本体40を基本構成とし、更に搬送物をコンベヤ本体40の途中で落下させるシュート52と、搬送物をコンベヤ本体40からシュート52へ分配する分配シュート54と、分配シュート54よりも前記コンベア本体40の上流側でベルト48を支持する固定ベンドプーリー56を有する分配手段50と、搬送物をコンベヤ本体40上で搬送又は分配手段50へ分配を選択可能な可動ベンドプーリー62を有する切替手段60からなるトリッパー70を備えている。
このような従来のベルトコンベヤ1は、可動ベンドプーリー62がコンベヤ本体40に配置されて搬送物が直線状に進み分配シュート54内を通過する経路と(図4の破線参照)、可動ベンドプーリー62がコンベヤ本体40から上方の分配シュート54へ移動して搬送経路が起き上がり分配シュート54で左右に分岐して落下する経路(図4の実線及び図5参照)を選択できる。このようなトリッパー70を備えたベルトコンベヤ1は従来、搬送経路が略平坦な箇所のみに設置されていた。
【0004】
ベルトコンベヤを設置する作業現場のレイアウト、コンベヤを短くする装置構成の簡素化などにより、コンベヤを傾斜した状態で配置したい場合がある。図6,7に示すようにトリッパーを備えたベルトコンベヤに傾斜を付けた場合、可動ベンドプーリー62を分配シュート54まで上昇させると、ベルト48の傾斜がきつくなり(急になり)搬送物を搬送できなくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63-144929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、傾斜のついたベルトコンベヤにトリッパーを適用できるベルトコンベヤおよび搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための第1の手段として、駆動プーリー及び従動プーリーと、間に複数のキャリアローラを配置して前記駆動プーリーと前記従動プーリーにベルトを無端状に掛け回したコンベヤ本体と、
搬送物を前記コンベヤ本体の途中で落下させるシュートと、前記搬送物を前記コンベヤ本体から前記シュートへ分配する分配シュートと、前記分配シュートよりも前記コンベア本体の上流側で前記ベルトを支持する固定ベンドプーリーと、前記搬送物を前記コンベヤ本体上で搬送又は前記分配シュートへ分配を選択可能な可動ベンドプーリーを有する分配切替手段からなるトリッパーを備えたベルトコンベヤにおいて、
前記分配切替手段は、前記コンベヤ本体上に軸心を搬送方向と直交する方向に配置した支軸と、前記支軸よりも前記コンベア本体の上流側に配置されて上面に前記搬送方向に沿って前記キャリアローラ及び前記キャリアローラ上に前記分配シュートを配置し一端が前記支軸に接続し、他端に前記可動ベンドプーリーを備えて前記支軸の軸回りを傾転可能な可動フレームと、
前記可動フレームの他端に接続して前記支軸を基点として前記他端を上下に傾転させて前記分配シュートに前記搬送物を分配する昇降部を備えたことを特徴とするベルトコンベヤを提供することにある。
上記第1の手段によれば、傾斜のついたベルトコンベヤにトリッパー機能を適用することができ、コンベヤの構成がコンパクト化して設置コストを低減できる。ベルトコンベヤの設置場所(適用範囲)の選択幅を広げることができる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための第2の手段として、第1の手段において、前記コンベヤ本体の傾斜角度は、前記搬送物の搬送許容の傾斜角度以下に設定したことを特徴とするベルトコンベヤを提供することにある。
上記第2の手段によれば、搬送物に応じた傾斜角度でトリッパーを備えたベルトコンベヤを傾斜させるため搬送物を確実に搬送することができる。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための第3の手段として、駆動プーリー及び従動プーリーと、間に複数のキャリアローラを配置して前記駆動プーリーと前記従動プーリーにベルトを無端状に掛け回したコンベヤ本体と、
搬送物を前記コンベヤ本体の途中で落下させるシュートと、前記搬送物を前記コンベヤ本体から前記シュートへ分配する分配シュートと、前記分配シュートよりも前記コンベア本体の上流側で前記ベルトを支持する固定ベンドプーリーと、前記搬送物を前記コンベヤ本体上で搬送又は前記分配シュートへ分配を選択可能な可動ベンドプーリーを有する分配切替手段からなるトリッパーを備えたベルトコンベヤの搬送方法において、
前記コンベヤ本体上に軸心を搬送方向と直交する方向に配置した支軸と、前記支軸よりも前記コンベア本体の上流側に配置されて上面に前記搬送方向に沿って前記キャリアローラ及び前記キャリアローラ上に前記分配シュートを配置し一端が前記支軸に接続し、他端に前記可動ベンドプーリーを備えて前記支軸の軸回りを傾転可能な可動フレームと、
前記可動フレームの他端に接続して前記支軸を基点として前記他端を上下に傾転させて前記分配シュートに前記搬送物を分配する昇降部を備えた前記分配切替手段により、前記可動フレームを前記支軸の軸回りを傾転させて前記コンベヤ本体に対して前記分配シュートを下降させて前記分配シュートに搬送物を供給することを特徴とするベルトコンベヤの搬送方法を提供することにある。
上記第3の手段によれば、傾斜のついたベルトコンベヤにトリッパー機能を有する機構を適用することができ、コンベヤの構成がコンパクト化して設置コストを低減できる。ベルトコンベヤの設置場所(適用範囲)の選択幅を広げることができる。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するための第4の手段として、第3の手段において、前記コンベヤ本体の傾斜角度は、前記搬送物の搬送許容の傾斜角度以下に設定したことを特徴とするベルトコンベヤの搬送方法を提供することにある。
上記第4の手段によれば、トリッパー機構を備えたベルトコンベヤを搬送物に応じた傾斜角度で傾斜させるため搬送物を確実に搬送することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、傾斜のついたベルトコンベヤにトリッパーを適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のベルトコンベヤの構成概略を示す側面図である。
図2】トリッパー不使用時の搬送経路の説明図である。
図3】トリッパー使用時の搬送経路の説明図である。
図4】従来のトリッパーを備えたベルトコンベヤの説明図1である。
図5】従来のトリッパーを備えたベルトコンベヤの説明図2である。
図6】トリッパーを備えた傾斜のついたベルトコンベヤの説明図1である。
図7】トリッパーを備えた傾斜のついたベルトコンベヤの説明図2である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のベルトコンベヤおよび搬送方法の実施形態について、図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0014】
[ベルトコンベヤ10]
図1は、本発明のベルトコンベヤの構成概略を示す側面図である。図2はトリッパー不使用時の搬送経路の説明図である。図3はトリッパー使用時の搬送経路の説明図である。
本発明のベルトコンベヤ10は、駆動プーリー42及び従動プーリー44と、間に複数のキャリアローラ46を配置して前記駆動プーリー42と前記従動プーリー44にベルト48を無端状に掛け回したコンベヤ本体40を基本構成とし、
更に搬送物を前記コンベヤ本体40の途中で落下させるシュート52と、前記搬送物を前記コンベヤ本体40から前記シュート52へ分配する分配シュート54と、前記分配シュート54よりも前記コンベア本体40の上流側で前記ベルト48を支持する固定ベンドプーリー56と、前記搬送物を前記コンベヤ本体40上で搬送又は前記分配シュート54へ分配を選択可能な可動ベンドプーリー62を有する分配切替手段64からなるトリッパー70を備えた構成において、前記分配切替手段64は、前記コンベヤ本体40上に軸心を搬送方向と直交する方向に配置した支軸20と、前記支軸20よりも前記コンベア本体40の上流側に配置されて上面に前記搬送方向に沿って前記キャリアローラ46及び前記キャリアローラ46上に前記分配シュート54を配置し、一端が前記支軸20に接続し、他端に前記可動ベンドプーリー62を備えて前記支軸20の軸回りを傾転可能な可動フレーム22と、
前記可動フレーム22の他端に接続して前記支軸20を基点として前記他端を上下に傾転させて前記分配シュート54に前記搬送物を分配する昇降部24を備えている。
【0015】
コンベヤ本体40は、両端に駆動プーリー42と従動プーリー44を配置し、間に複数のキャリアローラ46を配置して駆動プーリー42と従動プーリー44に無端状のベルト48を掛け回したコンベヤである。ベルトコンベヤ10の上面がキャリア側となり搬送物を搬送する搬送経路となり(図1矢印A参照)、下面はリターン側となる(図1矢印B参照)。本実施形態で上流とはキャリア側の搬送経路で搬送物が搬送され始める側をいい、下流とは搬送物が流れて行く側をいう。
コンベヤ本体40の搬送経路の途中にはトリッパー70を設けている。トリッパー70は、搬送物を前記コンベヤ本体40の途中で落下させるシュート52と、前記搬送物を前記コンベヤ本体40から前記シュート52へ分配する分配シュート54と、前記分配シュート54よりも前記コンベア本体40の上流側で前記ベルト48を支持する固定ベンドプーリー56と、前記搬送物を前記コンベヤ本体40上で搬送又は前記分配シュート54へ分配を選択可能な可動ベンドプーリー62を有する分配切替手段64を有している。
コンベヤ本体40には本体の一部を構成する可動フレーム22を配置している。可動フレーム22よりも前記コンベア本体40の上流側には固定ベンドプーリー56を配置している。可動フレーム22は固定ベンドプーリー56よりも下流で搬送方向に沿って設置している。可動フレーム22は下流側が支軸20に接続し、上流側の搬送経路上に可動ベンドプーリー62と分配シュート54を配置している。支軸20はコンベヤ本体40の搬送方向と直交する方向に軸を配置した回転シャフトであり、コンベヤ本体40のキャリアローラ46間に配置している。可動ベンドプーリー62は可動フレーム22の先端の搬送経路上に配置しベルト48の方向を変えるプーリーである。支軸20と可動ベンドプーリー62の間には複数のキャリアローラ46を配置している。このような構成の可動フレーム22は通常、コンベヤ本体40の長手方向に沿って配置している。
可動フレーム22には昇降部24が接続している。昇降部24はシリンダ及びロッドからなり、電動又は流体(空気、油など)圧によって伸縮する。昇降部24はシリンダがコンベヤ本体40又はコンベヤ本体40の外部に接続し、ロッドが可動フレーム22の上流側に接続している。
【0016】
分配シュート54は正面視(搬送方向と直交する面)で山型に形成された筒体であり、可動フレーム22の搬送方向と直交する方向にアーチ状に跨って配置され、可動フレーム22は筒体の中を貫通して直線状に配置されている。分配シュート54は可動フレーム22上の搬送物を分配できる構成であれば良く、この他にも左右いずれかの片流れシュートであっても良い。
分配シュート54よりも前記コンベア本体の上流側には可動ベンドプーリー62が配置されている。可動ベンドプーリー62は可動フレーム22の上流側の分配シュート54の手前に配置され、搬送経路上の搬送物と接触しない高さに設定されている。
【0017】
このような構成の可動フレーム22と昇降部24は、昇降部24のロッドが縮小すると可動フレーム22が支軸20を基点として、上流側の可動ベンドプーリー62及び分配シュート54が搬送経路よりも下方に移動して、上面のベルト48を持ち下げて搬送経路に分配シュート54が配置される。本発明のベルトコンベヤ10は、搬送物毎に定められている許容傾斜角度以下となるようにコンベア本体40の傾斜角度を設定している。可動フレーム22が下降し下限に達したとき、搬送物は搬送経路と一致した分配シュート54に供給されて分配シュート54から左右下方のシュート52へ落下する。可動フレーム22が下限から上昇して上限に達するとコンベヤ本体40の搬送方向と一致して搬送物を搬送できる。
可動フレーム22には位置センサー26を取り付けている。位置センサー26は可動フレーム22の上限位置と下限位置を検出するセンサーであり、例えばレーザーを対象物に照射して反射光を検出するレーザーセンサーを用いることができる。位置センサー26の検出結果は、コンベヤ本体40の制御盤に表示される。
【0018】
[搬送方法]
上記構成による本発明のベルトコンベヤの搬送方法は、コンベヤ本体40に傾斜を付けた(下流側が上流側よりも高い)ベルトコンベヤ10の搬送経路は、通常、搬送物がコンベヤ本体40の搬送方向に沿って進み、分配シュート54の間を通過して流れて行く(図2参照)。
次に分配シュート54で搬送物を落下させる場合には、昇降部24で可動フレーム22の他端を下降させる。可動フレーム22は支軸20を基点として上流の可動ベンドプーリー62及び分配シュート54が下方に移動して、上面のベルト48を持ち下げて搬送経路に分配シュート54が配置される(図1参照)。コンベア本体40の傾斜に沿って搬送された搬送物は分配シュート54に沿って左右下方のシュート52に落下させることができる。コンベヤ本体40の傾斜角度は、搬送物の許容搬送角度以下に設定しているため、搬送物を分配シュート54へ供給できる。
このような本発明のベルトコンベヤ及び搬送方法によれば、傾斜のついたベルトコンベヤにトリッパーを適用することができ、コンベヤの構成がコンパクト化して設置コストを低減できる。ベルトコンベヤの設置場所(適用範囲)の選択幅を広げることができる。
なお本発明のベルトコンベヤはコンベヤ本体の下方に可動フレームの設置スペースを確保できる十分なスペースを有していることが必要である。また本発明のベルトコンベヤは傾斜のついていない平坦なベルトコンベヤにトリッパーが取り付けられた構成にも適用できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
【符号の説明】
【0019】
1,10 ベルトコンベヤ
20 支軸
22 可動フレーム
24 昇降部
26 位置センサー
40 コンベヤ本体
42 駆動プーリー
44 従動プーリー
46 キャリアローラ
48 ベルト
50 分配手段
52 シュート
54 分配シュート
56 固定ベンドプーリー
60 切替手段
62 可動ベンドプーリー
64 分配切替手段
70 トリッパー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7