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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131354
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】生産工程管理システム
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B29C45/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041564
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】厚田 耕佑
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 総慈
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM02
4F206AM14
4F206AM19
4F206AP20
4F206JA07
4F206JL02
4F206JL03
4F206JL07
4F206JP01
4F206JP13
4F206JP14
4F206JP25
4F206JP30
4F206JQ90
(57)【要約】
【課題】例外工程が実施された理由の分析を容易にする技術を提供する。
【解決手段】生産工程管理システムは、成形品の生産において標準的な工程とは異なる例外工程が実施された理由に関する情報である、理由分類情報を取得する第1取得部と、理由分類情報の識別情報である、理由識別情報を取得する第2取得部と、第1取得部が取得した理由分類情報と、第2取得部が取得した理由識別情報を関連付けて記憶する記憶部と、例外工程が実施された場合に、理由分類情報または理由識別情報の選択を受け付ける受付部と、を備え、記憶部には、例外工程に関する情報と、受付部が受け付けた理由分類情報または理由識別情報が、関連付けて記憶される。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産工程管理システムであって、
成形品の生産において標準的な工程とは異なる例外工程が実施された理由に関する情報である、理由分類情報を取得する第1取得部と、
前記理由分類情報の識別情報である、理由識別情報を取得する第2取得部と、
前記第1取得部が取得した前記理由分類情報と、前記第2取得部が取得した前記理由識別情報を関連付けて記憶する記憶部と、
前記例外工程が実施された場合に、前記理由分類情報または前記理由識別情報の選択を受け付ける受付部と、を備え、
前記記憶部には、前記例外工程に関する情報と、前記受付部が受け付けた前記理由分類情報または前記理由識別情報が、関連付けて記憶される、
生産工程管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生産工程管理システムであって、
前記例外工程は、メンテナンス工程、廃棄工程、検査不実施工程、または、数量調整工程を含む、
生産工程管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の生産工程管理システムであって、
前記記憶部は、第1マスタデータおよび第2マスタデータを記憶し、
前記第1マスタデータは、前記例外工程の種別に関する情報である第1理由種別情報に関連する前記理由分類情報を含み、
前記第2マスタデータは、前記例外工程の種別に関する情報であり、前記第1理由種別情報とは異なる、第2理由種別情報に関連する前記理由分類情報を含み、
前記第1マスタデータに含まれる前記理由分類情報、および、前記第2マスタデータに含まれる前記理由分類情報が一覧表示される理由一覧画面を出力する出力部を備える、
生産工程管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の生産工程管理システムであって、
前記理由一覧画面には、前記第1理由種別情報および前記第2理由種別情報が表示される、
生産工程管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生産工程管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、産業機械が開示されている。この産業機械では、射出成形機のメンテナンス部分の画像と、ユーザーのコメントが、関連付けて記憶部に格納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-124259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザーは、射出成形機のメンテナンスを行う工程や、検査で不良品と判定された成形品を廃棄する工程など、成形品の生産において標準的な工程とは異なる例外工程を実施した場合に、例外工程を実施した理由を、コメントとして生産工程管理システムに記憶させる場合がある。例外工程が実施された理由がコメントとして記憶される場合、同じ理由で例外工程が実施されたとしても、ユーザーによって記載するコメントの内容や形式が異なる可能性がある。そのため、例外工程が実施された理由の分析が困難になるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、生産工程管理システムが提供される。この生産工程管理システムは、成形品の生産において標準的な工程とは異なる例外工程が実施された理由に関する情報である、理由分類情報を取得する第1取得部と、前記理由分類情報の識別情報である、理由識別情報を取得する第2取得部と、前記第1取得部が取得した前記理由分類情報と、前記第2取得部が取得した前記理由識別情報を関連付けて記憶する記憶部と、前記例外工程が実施された場合に、前記理由分類情報または前記理由識別情報の選択を受け付ける受付部と、を備え、前記記憶部には、前記例外工程に関する情報と、前記受付部が受け付けた前記理由分類情報または前記理由識別情報が、関連付けて記憶される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】生産工程管理システムの概略構成を示す説明図。
図2】生産工程管理システムが実行する理由追加処理の工程図。
図3】理由一覧画面を示す図。
図4】理由追加画面を示す図。
図5】理由変更処理の工程図。
図6】理由変更画面を示す図。
図7】生産工程管理システムが実行するメンテナンス理由入力処理の工程図。
図8】メンテナンス理由選択画面を示す図。
図9】生産工程管理システムが実行する例外工程実施理由入力処理の工程図。
図10】例外工程実施理由選択画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
図1は、生産工程管理システム10の概略構成を示す説明図である。生産工程管理システム10は、管理サーバ100と、射出成形機210と、センサ220と、クラウドサーバ300と、端末装置400と、を備える。管理サーバ100は、射出成形機210およびセンサ220とネットワークNTを介して相互に通信可能に構成されている。ネットワークNTは、例えば、LANであってもよいし、WANであってもよいし、インターネットであってもよい。クラウドサーバ300は、管理サーバ100および端末装置400とインターネットINを介して相互に通信可能に構成されている。なお、図1には、生産工程管理システム10が射出成形機210とセンサ220をそれぞれ1台ずつ備える例が示されているが、生産工程管理システム10は、射出成形機210とセンサ220をそれぞれ複数台ずつ備えてもよい。また、生産工程管理システム10は、射出成形機210から成形品を取り出す取り出しロボットや、射出成形機210で使用される材料を乾燥させる乾燥機、射出成形機210で成形された成形品を検査する検査装置などの周辺機器を備えてもよい。
【0008】
射出成形機210は、射出成形を行う装置である。射出成形機210は、第1制御部211と、それぞれ図示しない射出装置と型締装置を備えている。型締装置には、キャビティーを有する成形型が装着される。成形型は、金属製でもよいし、セラミック製でもよいし、樹脂製でもよい。金属製の成形型のことを金型と呼ぶ。第1制御部211は、1つまたは複数のプロセッサーと、記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェイスとを備えるコンピューターによって構成されている。第1制御部211は、複数のコンピューターによって構成されてもよい。
【0009】
第1制御部211は、管理サーバ100を介してクラウドサーバ300から取得した成形条件に基づいて、射出成形機210の各部を制御して射出成形を行い、成形品を成形する。より具体的には、第1制御部211は、型締装置を制御して成形型を型締めし、射出装置を制御して材料を可塑化した造形材料を成形型に射出することによって、成形型に設けられたキャビティーの形状に応じた形状を有する成形品を成形する。
【0010】
センサ220は、射出成形機210の動作状態に関する物理量である、射出圧力や金型の温度、射出充填時間などを計測する。センサ220は、例えば、射出圧力を計測する圧力センサや、金型の温度を計測する温度センサなどである。センサ220は、計測した射出成形機210の動作状態に関する物理量を、管理サーバ100に送信する。センサ220は、射出成形機210に備えられていてもよい。センサ220は、射出成形機210の第1制御部211を介して、射出成形機210の動作状態に関する物理量を、管理サーバ100に送信してもよい。
【0011】
管理サーバ100は、第1処理部101と、第1記憶部102と、通信制御部103と、を備えるコンピューターによって構成されている。第1処理部101は、1つ又は複数のプロセッサーおよび主記憶装置を備えている。第1記憶部102は、ハードディスクドライブなどの補助記憶装置により構成される。通信制御部103は、クラウドサーバ300や射出成形機210、センサ220などの他の装置との通信を制御するための通信回路を備えている。管理サーバ100は、複数台のコンピューターによって構成されていてもよい。管理サーバ100には、液晶ディスプレイなどの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置が接続されてもよい。
【0012】
第1処理部101は、センサ220から送信された射出成形機210の動作状態に関する物理量を取得する。第1処理部101によって取得された射出成形機210の動作状態に関する物理量は、第1記憶部102に記憶される。第1処理部101は、射出成形機210の動作状態に関する物理量を、クラウドサーバ300に送信してもよい。この場合、クラウドサーバ300の第2記憶部302に、射出成形機210の動作状態に関する物理量が記憶される。
【0013】
端末装置400は、CPUと記憶装置と表示部450とを備えるコンピューターとして構成されている。端末装置400としては、例えば、タブレット端末やノート型パソコン、スマートフォン、ハンディターミナルを適用できる。表示部450には、クラウドサーバ300から出力された各種の画面が表示される。表示部450には、タッチパネル機能が備えられてもよい。端末装置400を、情報端末とも呼ぶ。
【0014】
クラウドサーバ300は、インターネットIN経由で使用されるサーバである。クラウドサーバ300は、第2処理部301と、第2記憶部302と、を備える。管理サーバ100の第1記憶部102と、クラウドサーバ300の第2記憶部302を、まとめて記憶部とも呼ぶ。なお、管理サーバ100とクラウドサーバ300は、1つのサーバとして構成されていてもよい。
【0015】
第2記憶部302には、複数のマスタデータが記憶されている。それぞれのマスタデータは、理由種別情報と、理由分類情報と、理由識別情報と、を含む。図1には、第2記憶部302に、第1マスタデータおよび第2マスタデータの、2つのマスタデータが記憶されている例が示されているが、第2記憶部302には、3つ以上のマスタデータが記憶されていてもよい。
【0016】
理由種別情報は、成形品の生産において標準的な工程とは異なる工程である例外工程の種別に関する情報である。理由分類情報は、例外工程が実施された理由に関する情報である。理由識別情報は、理由分類情報の識別情報である。それぞれの情報の詳細については後述する。
【0017】
例外工程は、成形品の生産において標準的な工程である標準工程以外の工程である。
【0018】
標準工程は、例えば、受入工程、乾燥工程、段取工程、成形工程、検査工程、出荷工程などである。受入工程は、成形品の成形に使用される材料や、成形品を構成する部品を、成形品を生産する工場に受け入れる工程である。受入工程では、供給元から工場に供給された材料や部品を検品する処理や、材料や部品を保管庫などから取り出す払出処理が実行される。乾燥工程は、成形品の成形に使用される材料を乾燥させる工程である。段取工程は、射出成形機210の段取作業が行われる工程である。段取工程では、材料を射出成形機210のホッパーに投入する処理や、成形型を射出成形機210に装着させる処理が実行される。成形工程は、射出成形機210で成形品が成形される工程である。検査工程は、射出成形機210で成形された成形品の検査が行われる工程である。出荷工程は、成形品を梱包して出荷先に出荷する工程である。なお、成形品によっては、インサート品投入工程や、洗浄工程が、標準工程に含まれてもよい。インサート品投入工程は、インサート成形で成形品が成形される場合に、成形型にインサート品を取り付ける工程である。洗浄工程は、成形された成形品を洗浄する工程である。
【0019】
例外工程は、例えば、メンテナンス工程、廃棄工程、検査不実施工程、数量調整工程などである。
【0020】
メンテナンス工程は、射出成形機210の各部や、成形型、周辺機器などのメンテナンスを行う工程である。メンテナンス工程は、例えば、射出成形機210や、成形型、周辺機器の異常によって、成形品に不良が発生した場合、または、射出成形機210や、成形型、周辺機器などの定期的なメンテナンスが行われる時期などに実施される。
【0021】
廃棄工程は、成形品の材料や成形品を廃棄する工程である。廃棄工程は、材料に不良が検出された場合や、成形品に不良が発生した場合に実施される。材料や成形品を廃棄することを、材料や成形品を廃却するとも呼ぶ。
【0022】
検査不実施工程は、射出成形機210で成形された成形品の検査を実施しない工程である。検査不実施工程は、成形品の成形に使用された材料に不良が検出された場合や、成形品の成形に使用された金型に異常が検出された場合など、成形品の検査が行われる前に、成形品が不良品であると判断された場合に実施される。
【0023】
数量調整工程は、成形品の生産数をシステム上で調整する工程である。例えば、出荷工程で成形品を梱包する際に成形品が落下した場合に、落下した成形品について検査工程を再び実施する場合がある。このような場合、数量調整工程が実施される。ユーザーは、システム上で、出荷工程にある成形品の数量を減少させ、検査工程にある成形品の数量を増加させる。また、成形品にバリがあることが確認された場合、バリがある成形品を成形品の生産ラインから除き、バリを除去した後で生産ラインに戻す場合がある。このような場合にも、数量調整工程が実施される。ユーザーは、システム上で、成形品が生産ラインから除かれるときに、その生産ラインにおける成形品の数量を減少させ、成形品が生産ラインに戻されるときに、その生産ラインにおける成形品の数量を増加させる。
【0024】
理由種別情報は、例外工程の種別に関する情報である。理由種別情報は、例えば、金型メンテナンス理由、材料廃棄理由、出荷検査否認理由、出荷検査取り消し理由、ロット現在数調整理由、4M変更理由などである。ここで、4M変更とは、成形品を生産するための4つの要素である、人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、および、方法(Method)を変更することを意味する。人とは、例えば、射出成形機210の運転を担当する作業員や、検査装置による検査を担当する作業員など、成形品の生産に関与する者のことを意味する。機械とは、例えば、射出成形機210や、乾燥機、検査装置など、成形品の生産に用いられる機械のことを意味する。材料とは、成形品の材料のことを意味する。方法とは、例えば、射出成形の方法や、成形型からの成形品の取り出し方法、成形品の検査の方法など、成形品の生産方法のことを意味する。
【0025】
理由分類情報は、例外工程が実施された理由に関する情報である。理由分類情報は、1つの理由種別情報に関連する。以下では、理由分類情報の例を説明する。
【0026】
理由種別情報が金型メンテナンス理由である場合、理由種別情報に関連付けられた理由分類情報は、例えば、定期金型オーバーホール、金型洗浄、品質異常時の金型の総点検、品質異常時の金型の部分点検などである。定期金型オーバーホールは、金型に造形材料を射出するショットが予め定められた回数実行された場合や、金型の使用が開始されてから予め定められた期間が経過した場合に、金型のオーバーホールが実行されたことを意味する。金型洗浄は、金型の洗浄が行われたことを意味する。品質異常時の金型の総点検は、成形品に不良が検出された場合に、成形品の成形に使用された金型が全て分解されて点検されたことを意味する。品質異常時の金型の部分点検は、成形品に不良が検出された場合に、成形品の成形に使用された金型が部分的に分解されて点検されたことを意味する。
【0027】
理由種別情報が材料廃棄理由である場合、理由種別情報に関連付けられた理由分類情報は、例えば、材料不良、成形品不良などである。材料不良は、材料に不良が検出されたために、材料が廃棄されたことを意味する。成形品不良は、成形品に不良が検出されたために、その成形品の成形に使用された材料が廃棄されたことを意味する。
【0028】
出荷検査否認理由は、出荷検査において出荷可能と判定された検査結果を取り消す理由である。理由種別情報が出荷検査否認理由である場合、理由種別情報に関連付けられた理由分類情報は、例えば、再検査、成形品不良などである。再検査は、出荷検査が再び実施されるために検査結果を取り消すことを意味する。成形品不良は、検査後に成形品に不良が生じたために検査結果を取り消すことを意味する。
【0029】
出荷検査取り消し理由は、実施された出荷検査を取り消す理由である。理由種別情報が出荷検査取り消し理由である場合、理由種別情報に関連付けられた理由分類情報は、例えば、ロット間違い、入力ミスなどである。ロット間違いは、検査するべき成形品のロットとは異なるロットを検査したために、実施された出荷検査を取り消すことを意味する。入力ミスは、検査装置に対して誤った情報が入力されたために、実施された出荷検査を取り消すことを意味する。
【0030】
ロット現在数調整理由は、工場に存在する成形品のロットや材料のロットの数をシステム上で調整する理由である。理由種別情報がロット現在数調整理由である場合、理由種別情報に関連付けられた理由分類情報は、例えば、棚卸調整や、返品調整などである。棚卸調整は、棚卸しが実施されたために、工場に存在する成形品のロットや材料のロットの数がシステム上で調整されたことを意味する。返品調整は、出荷された成形品が返品されたために、工場に存在する成形品の数がシステム上で調整されたことを意味する。
【0031】
理由種別情報が4M変更理由である場合、理由種別情報に関連付けられた理由分類情報は、例えば、金型オーバーホール、金型修理、装置定期メンテナンスなどである。金型オーバーホールは、金型のオーバーホールが実行されたために、成形条件の変更が実施されたことを意味する。金型修理は、金型が修理されたために、成形条件の変更が実施されたことを意味する。装置定期メンテナンスは、射出成形機210や周辺機器の定期的なメンテナンスが実施されたために、成形条件の変更が実施されたことを意味する。
【0032】
理由識別情報は、それぞれの理由分類情報に割り当てられた識別情報である。理由識別情報は、例えば、それぞれの理由分類情報に割り当てられたID番号である。
【0033】
第2記憶部302に記憶されている各マスタデータでは、理由種別情報と、理由分類情報と、理由識別情報は、関連付けて記憶されている。すなわち、理由種別情報と、理由分類情報と、理由識別情報は、関連付けて第2記憶部302に記憶されている。
【0034】
各マスタデータは、1つの理由種別情報を含む。各マスタデータに含まれる理由分類情報および理由識別情報は、同じマスタデータに含まれる理由種別情報に関連する理由分類情報および理由識別情報である。以下では、第1マスタデータに含まれる理由種別情報を、第1理由種別情報とも呼ぶ。また、第2マスタデータに含まれる理由種別情報を、第2理由種別情報とも呼ぶ。例えば、第1理由種別情報が金型メンテナンス理由である場合、第1マスタデータに含まれる理由分類情報は、定期金型オーバーホール、金型洗浄、品質異常時の金型の総点検、品質異常時の金型の部分点検などである。また、第2理由種別情報が材料廃棄理由である場合、第2マスタデータに含まれる理由分類情報は、材料不良、成形品不良などである。言い換えれば、第1マスタデータは、第1理由種別情報に関連する理由分類情報および理由識別情報を含み、第2マスタデータは、第2理由種別情報に関連する理由分類情報および理由識別情報を含む。すなわち、第2記憶部302には、理由種別情報毎に、理由分類情報と理由識別情報のマスタデータが記憶されている。なお、マスタデータは、クラウドサーバ300の第2記憶部302ではなく、管理サーバ100の第1記憶部102に記憶されていてもよい。すなわち、第1記憶部102に、理由分類情報と、理由識別情報と、理由種別情報が、関連付けて記憶されていてもよい。
【0035】
クラウドサーバ300の第2処理部301は、出力部310と、受付部320と、第1取得部330と、第2取得部340と、を備える。出力部310と、受付部320と、第1取得部330と、第2取得部340は、第2処理部301が第2記憶部302に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらは回路によって実現されてもよい。
【0036】
出力部310は、例外工程が実施された場合や、第2記憶部302に新たな理由分類情報または理由識別情報が記憶される場合、第2記憶部302に記憶されている理由分類情報または理由識別情報が変更される場合などにユーザーが操作する画面を、端末装置400に出力する。出力部310が出力した画面は、端末装置400の表示部450に表示される。なお、出力部310は、前述した画面を、管理サーバ100や、射出成形機210に出力してもよい。
【0037】
受付部320は、前記出力部310が出力した画面に対するユーザーの操作を受け付ける。
【0038】
第1取得部330は、理由分類情報を取得する。
【0039】
第2取得部340は、理由識別情報を取得する。
【0040】
図2は、生産工程管理システム10が実行する理由追加処理の工程図である。理由追加処理は、予め定められた操作が生産工程管理システム10に対して行われた場合に実行される。
【0041】
ステップS10において、出力部310は、第2記憶部302に記憶された理由分類情報が一覧表示される理由一覧画面SC1を出力する。理由一覧画面SC1は、端末装置400の表示部450に表示される。
【0042】
図3は、理由一覧画面SC1を示す図である。理由一覧画面SC1には、理由表示領域RG1と、追加ボタンBT1と、変更ボタンBT2と、無効ボタンBT3と、有効ボタンBT4と、削除ボタンBT5と、が設けられている。理由表示領域RG1には、各行に、理由識別情報である理由ID、理由IDに関連付けて記憶されている理由分類情報である理由名、理由IDおよび理由名に関連付けて記憶されている理由種別情報である理由種別、および、有効無効判定が表示されている。ここで、有効無効判定は、後述する理由入力処理において、それぞれの理由識別情報および理由分類情報がユーザーによって選択可能か否かの判定に使用される情報である。有効無効判定は、有効または無効のいずれかである。理由表示領域RG1には、第2記憶部302に記憶されている各マスタデータに含まれる理由識別情報と、理由分類情報と、理由種別情報が、一覧表示されている。すなわち、理由表示領域RG1には、第1マスタデータに含まれる理由識別情報と理由分類情報、および、第2マスタデータに含まれる理由識別情報と理由分類情報が、一覧表示されている。また、理由表示領域RG1には、各行に表示されている理由識別情報および理由分類情報に対応付けられたチェックボックスC1が設けられている。
【0043】
図2のステップS20において、出力部310は、ユーザーがマスタデータに新たな理由分類情報および理由識別情報を追加するための画面である、理由追加画面SC2を出力する。出力部310は、図3に示す理由一覧画面SC1において、追加ボタンBT1がクリックされた場合に、理由追加画面SC2を端末装置400に出力する。
【0044】
図4は、理由追加画面SC2を示す図である。理由追加画面SC2には、理由識別情報入力欄BX1と、理由分類情報入力欄BX2と、理由種別選択欄BX3と、確定ボタンBT6と、が設けられている。理由識別情報入力欄BX1には、ユーザーから理由識別情報が入力される。理由分類情報入力欄BX2には、ユーザーから理由分類情報が入力される。理由種別選択欄BX3は、ユーザーが理由種別選択欄BX3をクリックすることで、第2記憶部302に記憶されている各マスタデータに含まれる理由種別情報が表示されるように設けられている。
【0045】
図2のステップS30において、受付部320は、理由追加画面SC2に対する情報の入力を受け付ける。ユーザーは、図4に示す理由追加画面SC2の、理由識別情報入力欄BX1に理由識別情報を入力し、理由分類情報入力欄BX2に理由分類情報を入力し、理由種別選択欄BX3で理由種別情報を選択した後、確定ボタンBT6をクリックする。
【0046】
図2のステップS40において、第1取得部330は、図4に示す理由追加画面SC2の理由分類情報入力欄BX2に入力された内容を理由分類情報として取得する。
【0047】
図2のステップS50において、第2取得部340は、図4に示す理由追加画面SC2の理由識別情報入力欄BX1に入力された内容を理由識別情報として取得する。
【0048】
図2のステップS60において、第2処理部301は、ステップS40で取得された理由分類情報と、ステップS50で取得された理由識別情報と、理由追加画面SC2の理由種別選択欄BX3で選択された理由種別情報を、関連付けて第2記憶部302に記憶させる。言い換えれば、第2処理部301は、ステップS40で取得された理由分類情報と、ステップS50で取得された理由識別情報を、理由追加画面SC2の理由種別選択欄BX3で選択された理由種別情報を有するマスタデータに追加する。以上で説明したようにして、理由追加処理が実行される。
【0049】
図5は、理由変更処理の工程図である。理由変更処理は、予め定められた操作が生産工程管理システム10に対して行われた場合に実行される。なお、図2に示す理由追加処理と同じ処理が実行される部分については、同一の符号を付記し、説明を省略する。
【0050】
ステップS110において、出力部310は、ユーザーがマスタデータを変更するための画面である、理由変更画面SC3を出力する。出力部310は、図3に示す理由一覧画面SC1において、いずれかの理由識別情報および理由分類情報に対応するチェックボックスC1が選択された状態で、変更ボタンBT2がクリックされた場合に、理由変更画面SC3を端末装置400に出力する。
【0051】
図6は、理由変更画面SC3を示す図である。理由変更画面SC3には、理由一覧画面SC1で選択された理由識別情報が表示されている。理由変更画面SC3には、理由分類情報入力欄BX2と、理由種別選択欄BX3と、確定ボタンBT6と、が設けられている。
【0052】
図5のステップS120において、受付部320は、理由変更画面SC3に対する情報の入力を受け付ける。ユーザーは、図6に示す理由変更画面SC3の、理由分類情報入力欄BX2に表示されている内容を削除した後、理由分類情報入力欄BX2に変更後の理由分類情報を入力する。また、ユーザーは、理由種別選択欄BX3で変更後の理由種別を選択する。ユーザーは、上述したようにして、理由分類情報入力欄BX2または理由種別選択欄BX3に表示されている内容を変更した後、確定ボタンBT6をクリックする。
【0053】
図5のステップS130において、第1取得部330は、ステップS120で理由変更画面SC3の理由分類情報入力欄BX2に入力された内容を理由分類情報として取得する。
【0054】
図5のステップS140において、第2処理部301は、理由変更画面SC3に表示されている理由識別情報と、ステップS130で取得された理由分類情報と、ステップS120で理由変更画面SC3の理由種別選択欄BX3において選択された理由種別情報を、関連付けて第2記憶部302に記憶させる。言い換えれば、第2処理部301は、理由変更画面SC3に表示されている理由識別情報に関連付けて第2記憶部302に記憶されていた理由分類情報および理由種別情報を変更する。以上で説明したようにして、理由変更処理が実行される。
【0055】
以下では、図3を用いて、第2記憶部302に記憶されている理由識別情報および理由分類情報の有効無効判定を変更する処理、および、第2記憶部302に記憶されている理由識別情報および理由分類情報を削除する処理について説明する。
【0056】
第2処理部301は、理由一覧画面SC1において、有効無効判定が有効である理由識別情報および理由分類情報に対応するチェックボックスC1が選択された状態で、無効ボタンBT3がクリックされた場合に、選択された理由識別情報および理由分類情報の有効無効判定を無効に変更し、変更後の有効無効判定を第2記憶部302に記憶させる。また、第2処理部301は、理由一覧画面SC1において、有効無効判定が無効である理由識別情報および理由分類情報に対応するチェックボックスC1が選択された状態で、有効ボタンBT4がクリックされた場合に、選択された理由識別情報および理由分類情報の有効無効判定を有効に変更し、変更後の有効無効判定を第2記憶部302に記憶させる。また、第2処理部301は、理由一覧画面SC1において、いずれかの理由識別情報および理由分類情報に対応するチェックボックスC1が選択された状態で、削除ボタンBT5がクリックされた場合に、選択された理由識別情報および理由分類情報を、第2記憶部302から削除する。
【0057】
図7は、生産工程管理システム10が実行するメンテナンス理由入力処理の工程図である。メンテナンス理由入力処理は、例外工程であるメンテナンス工程が実施された場合に、予め定められた操作が生産工程管理システム10に対して行われた場合に実行される。
【0058】
ステップS210において、出力部310は、メンテナンス工程が実施された理由をユーザーが選択する画面である、メンテナンス理由選択画面SC4を出力する。メンテナンス理由選択画面SC4は、端末装置400の表示部450に表示される。メンテナンス理由選択画面SC4を、理由選択画面とも呼ぶ。
【0059】
図8は、メンテナンス理由選択画面SC4を示す図である。メンテナンス理由選択画面SC4には、登録ボタンBT11と、理由入力領域RG11と、が設けられている。
【0060】
理由入力領域RG11には、入力欄BX11から入力欄BX20が設けられている。入力欄BX11には、メンテナンスが実施された装置の名称が入力される。入力欄BX11は、ユーザーが入力欄BX11をクリックした場合に、生産工程管理システム10が備える各射出成形機210および各周辺機器の名称が表示されるように設けられている。例えば、特定の射出成形機210のメンテナンスが実行された場合、ユーザーは、入力欄BX11に、上述した特定の射出成形機210の名称を入力する。入力欄BX12には、メンテナンス工程を実施したユーザーのID番号が入力される。入力欄BX13には、メンテナンス工程を実施したユーザーの名前が入力される。入力欄BX14には、メンテナンス工程が実施された日付が入力される。入力欄BX15には、メンテナンス工程が実施された時刻が入力される。入力欄BX16には、理由種別情報が入力される。入力欄BX16は、ユーザーが入力欄BX16をクリックした場合に、第2記憶部302に記憶されている各マスタデータに含まれる理由種別情報が表示されるように設けられている。入力欄BX17には、理由分類情報が入力される。入力欄BX17は、ユーザーが入力欄BX17をクリックした場合に、入力欄BX16で選択された理由種別情報を有するマスタデータに含まれる理由分類情報が表示されるように設けられている。入力欄BX17がクリックされた場合に表示される理由分類情報は、有効無効判定が有効である理由分類情報である。入力欄BX18には、実施されたメンテナンス工程に関するコメントが入力される。入力欄BX19には、入力欄BX11に入力された装置が停止した日付が入力される。入力欄BX20には、入力欄BX11に入力された装置が停止した時刻が入力される。ここで、入力欄BX11から入力欄BX20のうち、入力欄BX16および入力欄BX17を除く入力欄に入力される情報を、例外工程に関する情報とも呼ぶ。
【0061】
なお、メンテナンス理由選択画面SC4において、入力欄BX17には、理由分類情報ではなく、理由識別情報が入力されてもよい。入力欄BX17は、ユーザーが入力欄BX17をクリックした場合に、入力欄BX16で選択された理由種別情報を有するマスタデータに含まれる理由識別情報が表示されるように設けられていてもよい。
【0062】
図7のステップS220において、受付部320は、メンテナンス理由選択画面SC4に対する情報の入力を受け付ける。ユーザーは、メンテナンス理由選択画面SC4において、入力欄BX11から入力欄BX20に、それぞれ上述した情報を入力した後で、登録ボタンBT11をクリックする。このとき、ユーザーは、入力欄BX16で、実施されたメンテナンス工程の理由種別情報を選択する。例えば、金型のメンテナンスが実施された場合、ユーザーは、入力欄BX16で、「金型メンテナンス理由」を選択する。また、ユーザーは、入力欄BX17で、実施されたメンテナンス工程の理由分類情報を選択する。例えば、予め定められた回数のショットが実行された為に金型のオーバーホールが実行された場合、ユーザーは、入力欄BX17で、「定期金型オーバーホール」を選択する。受付部320は、メンテナンス理由選択画面SC4における理由種別情報および理由分類情報の選択を受け付ける。
【0063】
なお、メンテナンス理由選択画面SC4において、入力欄BX17で理由識別情報が入力される場合は、ユーザーは、入力欄BX17で、実施されたメンテナンス工程の理由識別情報を選択する。例えば、予め定められた回数のショットが実行された為に金型のオーバーホールが実行された場合、ユーザーは、入力欄BX17で、「定期金型オーバーホール」に対応する理由識別情報を選択する。すなわち、受付部320は、メンテナンス理由選択画面SC4における理由種別情報および理由識別情報の選択を受け付ける。
【0064】
図7のステップS230において、第2処理部301は、メンテナンス理由選択画面SC4の入力欄BX11から入力欄BX20のそれぞれに入力された情報を、関連付けて第2記憶部302に記憶させる。すなわち、第2処理部301は、例外工程に関する情報と、受付部320が受け付けた理由種別情報と、受付部320が受け付けた理由分類情報または理由識別情報を、関連付けて第2記憶部302に記憶させる。以上で説明したようにして、メンテナンス理由入力処理が実行される。
【0065】
図9は、生産工程管理システム10が実行する例外工程実施理由入力処理の工程図である。例外工程実施理由入力処理は、メンテナンス工程以外の例外工程が実施された場合に、予め定められた操作が生産工程管理システム10に対して行われた場合に実行される。
【0066】
ステップS211において、出力部310は、メンテナンス工程以外の例外工程が実施された理由をユーザーが選択する画面である、例外工程実施理由選択画面SC5を出力する。例外工程実施理由選択画面SC5は、端末装置400の表示部450に表示される。例外工程実施理由選択画面SC5を、理由選択画面とも呼ぶ。
【0067】
図10は、例外工程実施理由選択画面SC5を示す図である。例外工程実施理由選択画面SC5には、登録ボタンBT11と、理由入力領域RG12と、が設けられている。
【0068】
理由入力領域RG12には、入力欄BX21から入力欄BX25が設けられている。入力欄BX21には、理由種別情報が入力される。入力欄BX21は、ユーザーが入力欄BX21をクリックした場合に、第2記憶部302に記憶されている各マスタデータに含まれる理由種別情報が表示されるように設けられている。入力欄BX22には、理由分類情報が入力される。入力欄BX22は、ユーザーが入力欄BX22をクリックした場合に、入力欄BX21で選択された理由種別情報を有するマスタデータに含まれる理由分類情報が表示されるように設けられている。入力欄BX22がクリックされた場合に表示される理由分類情報は、有効無効判定が有効である理由分類情報である。入力欄BX23には、実施された例外工程に関するコメントが入力される。入力欄BX24には、例外工程を実施したユーザーのID番号が入力される。入力欄BX25には、例外工程を実施したユーザーの名前が入力される。ここで、入力欄BX21から入力欄BX25のうち、入力欄BX23から入力欄BX25に入力される情報を、例外工程に関する情報とも呼ぶ。
【0069】
なお、例外工程実施理由選択画面SC5において、入力欄BX22には、理由分類情報ではなく、理由識別情報が入力されてもよい。入力欄BX22は、ユーザーが入力欄BX22をクリックした場合に、入力欄BX21で選択された理由種別情報を有するマスタデータに含まれる理由識別情報が表示されるように設けられていてもよい。
【0070】
図9のステップS221において、受付部320は、例外工程実施理由選択画面SC5に対する情報の入力を受け付ける。ユーザーは、例外工程実施理由選択画面SC5において、入力欄BX21から入力欄BX25に、それぞれ上述した情報を入力した後で、登録ボタンBT11をクリックする。ユーザーは、入力欄BX21で、実施された例外工程の理由種別情報を選択する。例えば、成形条件が変更された場合、ユーザーは、入力欄BX21で、「4M変更理由」を選択する。ユーザーは、入力欄BX22で、実施された例外工程の理由分類情報を選択する。例えば、金型の修理が行われた為に成形条件が変更された場合、ユーザーは、入力欄BX22で、「金型修理」を選択する。すなわち、受付部320は、例外工程実施理由選択画面SC5における理由種別情報および理由分類情報の選択を受け付ける。
【0071】
なお、例外工程実施理由選択画面SC5において、入力欄BX22で理由識別情報が入力される場合は、ユーザーは、入力欄BX22で、実施された例外工程の理由識別情報を選択する。例えば、金型の修理が行われた為に成形条件が変更された場合、ユーザーは、入力欄BX22で、「金型の修理」に対応する理由識別情報を選択する。すなわち、受付部320は、例外工程実施理由選択画面SC5における理由種別情報および理由識別情報の選択を受け付ける。
【0072】
図9のステップS231において、第2処理部301は、例外工程実施理由選択画面SC5の入力欄BX21から入力欄BX25のそれぞれに入力された情報を、関連付けて第2記憶部302に記憶させる。すなわち、第2処理部301は、例外工程に関する情報と、理由種別情報と、理由分類情報または理由識別情報を、関連付けて第2記憶部302に記憶させる。以上で説明したようにして、例外工程実施理由入力処理が実行される。
【0073】
以上で説明した第1実施形態における生産工程管理システム10によれば、理由分類情報と理由識別情報が関連付けて記憶部に記憶されており、例外工程が実施された場合に、記憶部に記憶された理由分類情報または理由識別情報が表示される理由選択画面が表示され、理由選択画面において選択された理由分類情報または理由識別情報が、実施された例外工程に関する情報と関連付けて記憶部に記憶される。そのため、同じ理由で例外工程が実施された場合に、異なるユーザーが、例外工程が実施された理由を生産工程管理システム10に記憶させる場合でも、理由選択画面で同じ理由分類情報または理由識別情報が選択されやすくできる。したがって、本実施形態では、例外工程が実施された理由がコメントとして生産工程管理システム10に記憶される場合と比べて、ユーザーによって生産工程管理システム10に記憶される例外工程の実施理由が異なることを抑制できる。結果として、例外工程が実施された理由の分析を容易にできる。
【0074】
また、本実施形態では、図2に示す理由追加処理において、第1取得部330が取得した理由分類情報と、第2取得部340が取得した理由識別情報が、関連付けて記憶部に記憶される。そのため、ユーザーが、記憶部に記憶されたマスタデータに、新たな理由分類情報および理由識別情報を追加することができる。
【0075】
また、本実施形態では、理由追加処理において、図3に示す理由一覧画面SC1に、各マスタデータに含まれる理由分類情報が一覧表示される。そのため、ユーザーがマスタデータに理由分類情報を追加する場合に、マスタデータに含まれる理由分類情報、すなわち、既に記憶部に記憶されている理由分類情報を確認できる。したがって、ユーザーが、既に記憶部に記憶されている理由分類情報と同じ名称の理由分類情報を、記憶部に記憶させることを抑制できる。
【0076】
また、本実施形態では、理由追加処理において、理由一覧画面SC1に、第1マスタデータに含まれる理由分類情報と、第2マスタデータに含まれる理由分類情報が一覧表示される。そのため、ユーザーが、第1マスタデータに含まれる理由分類情報と同じ名称の理由分類情報を、第2マスタデータに追加することを抑制できる。また、ユーザーが、第2マスタデータに含まれる理由分類情報と同じ名称の理由分類情報を、第1マスタデータに追加することを抑制できる。
【0077】
また、本実施形態では、理由一覧画面SC1に理由種別情報が表示されている。そのため、理由一覧画面SC1に表示されている理由分類情報および理由識別情報が、どの理由種別情報と関連しているかを、ユーザーが確認できる。したがって、理由一覧画面SC1に表示されている理由分類情報および理由識別情報が、どの例外工程に対応するかを、ユーザーが認識しやすくできる。
【0078】
B.他の実施形態:
(B-1)上記実施形態では、図3に示す理由一覧画面SC1に、理由種別情報が表示されている。これに対して、理由一覧画面SC1には、理由種別情報が表示されていなくてもよい。
【0079】
(B-2)上記実施形態では、第2記憶部302に、理由種別情報が記憶されている。これに対して、第2記憶部302には、理由種別情報が記憶されていなくてもよい。この場合、第2記憶部302には、理由種別毎にマスタデータが記憶されていなくてもよく、理由分類情報と理由識別情報が関連付けて記憶されていればよい。
【0080】
(B-3)上記実施形態では、図2に示す理由追加処理のステップS50において、第2取得部340は、図4に示す理由追加画面SC2の理由識別情報入力欄BX1に入力された理由識別情報を取得する。これに対して、理由追加処理のステップS30において、理由追加画面SC2の理由分類情報入力欄BX2に理由分類情報が入力された場合に、第2処理部301が、理由識別情報を生成してもよい。この場合、理由追加処理のステップS50において、第2取得部340は、第2処理部301が生成した理由識別情報を取得する。
【0081】
(B-4)上記実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301が、出力部310、受付部320、第1取得部330、および、第2取得部340を備える。これに対して、管理サーバ100の第1処理部101が、出力部310、受付部320、第1取得部330、および第2取得部340の、一部または全部を備えてもよい。
【0082】
C.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0083】
(1)本開示の一形態によれば、生産工程管理システムが提供される。この生産工程管理システムは、成形品の生産において標準的な工程とは異なる例外工程が実施された理由に関する情報である、理由分類情報を取得する第1取得部と、前記理由分類情報の識別情報である、理由識別情報を取得する第2取得部と、前記第1取得部が取得した前記理由分類情報と、前記第2取得部が取得した前記理由識別情報を関連付けて記憶する記憶部と、前記例外工程が実施された場合に、前記理由分類情報または前記理由識別情報の選択を受け付ける受付部と、を備え、前記記憶部には、前記例外工程に関する情報と、前記受付部が受け付けた前記理由分類情報または前記理由識別情報が、関連付けて記憶される。
このような形態によれば、例外工程が実施された場合に、例外工程が実施された理由が、記憶部に記憶された理由分類情報または理由識別情報から選択される。そのため、同じ理由で例外工程が実施された場合、例外工程が実施された理由がコメントとして記憶される場合と比べて、ユーザーによって生産工程管理システム10に記憶される例外工程の実施理由が異なることを抑制できる。したがって、例外工程が実施された理由の分析を容易にできる。
【0084】
(2)上記形態において、前記例外工程は、メンテナンス工程、廃棄工程、検査不実施工程、または、数量調整工程を含んでもよい。
このような形態によれば、ユーザーが、メンテナンス工程、廃棄工程、検査不実施工程、または、数量調整工程が実施された理由を、記憶部に記憶された理由分類情報または理由識別情報から選択できる。
【0085】
(3)上記形態において、前記記憶部は、第1マスタデータおよび第2マスタデータを記憶し、前記第1マスタデータは、前記例外工程の種別に関する情報である第1理由種別情報に関連する前記理由分類情報を含み、前記第2マスタデータは、前記例外工程の種別に関する情報であり、前記第1理由種別情報とは異なる、第2理由種別情報に関連する前記理由分類情報を含み、前記第1マスタデータに含まれる前記理由分類情報、および、前記第2マスタデータに含まれる前記理由分類情報が一覧表示される理由一覧画面を出力する出力部を備えてもよい。
このような形態によれば、第1マスタデータに含まれる理由分類情報と同じ名称の理由分類情報、または、第2マスタデータに含まれる理由分類情報と同じ名称の理由分類情報を、ユーザーが記憶部に記憶させることを抑制できる。
【0086】
(4)上記形態において、前記理由一覧画面には、前記第1理由種別情報および前記第2理由種別情報が表示されてもよい。
このような形態によれば、理由一覧画面に表示された各理由分類情報に関連する理由種別情報を、ユーザーが確認できる。
【符号の説明】
【0087】
10…生産工程管理システム、100…管理サーバ、101…第1処理部、102…第1記憶部、103…通信制御部、210…射出成形機、211…第1制御部、220…センサ、300…クラウドサーバ、301…第2処理部、302…第2記憶部、310…出力部、320…受付部、330…第1取得部、340…第2取得部、400…端末装置、450…表示部、BT1…追加ボタン、BT11…登録ボタン、BT2…変更ボタン、BT3…無効ボタン、BT4…有効ボタン、BT5…削除ボタン、BT6…確定ボタン、BX1…理由識別情報入力欄、BX2…理由分類情報入力欄、BX3…理由種別選択欄、BX11,BX12,BX13,BX14,BX15,BX16,BX17,BX18,BX19,BX20,BX21,BX22,BX23,BX24,BX25…入力欄、C1…チェックボックス、IN…インターネット、NT…ネットワーク、RG1…理由表示領域、RG11…理由入力領域、RG12…理由入力領域、SC1…理由一覧画面、SC2…理由追加画面、SC3…理由変更画面、SC4…メンテナンス理由選択画面、SC5…例外工程実施理由選択画面
図1
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図6
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図10