(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131373
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】誘導カバー及び誘導カバー付き熱電発電ユニット
(51)【国際特許分類】
H02N 11/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H02N11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041591
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大場 正和
(72)【発明者】
【氏名】岸澤 利彦
(57)【要約】
【課題】廃熱を効率的に回収すること。
【解決手段】誘導カバー1は、熱電発電ユニットに高温熱流体を誘導する誘導カバーであって、筒状の外側カバー2と、外側カバー2の内側に配置された、筒状の内側カバー4と、を備え、内側カバー4は、高温熱流体の入口側の断面積より出口側の断面積が狭くなるように、壁部の少なくとも一部が傾斜している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電発電ユニットに高温熱流体を誘導する誘導カバーであって、
筒状の外側カバーと、
前記外側カバーの内側に配置された、筒状の内側カバーと、
を備え、
前記内側カバーは、前記高温熱流体の入口側の断面積より出口側の断面積が狭くなるように、壁部の少なくとも一部が傾斜している、
誘導カバー。
【請求項2】
前記外側カバーと前記内側カバーとは、互いに拘束されず、移動可能に配置されている、
請求項1に記載の誘導カバー。
【請求項3】
前記内側カバーの下端部は、前記外側カバーの下端部より鉛直方向の上方に位置する、
請求項1に記載の誘導カバー。
【請求項4】
垂直方向の断面視において、前記外側カバーと前記内側カバーとの間は、隙間を有する、
請求項1に記載の誘導カバー。
【請求項5】
前記内側カバーは、垂直方向の断面視において、下方から上方に向かうにつれて断面積が狭くなる第1筒部と、前記第1筒部の上端部に接続され、断面積が一定の第2筒部と、を備える、
請求項1に記載の誘導カバー。
【請求項6】
前記内側カバーは、垂直方向の断面視において、下方から上方に向かうにつれて断面積が狭くなる第1筒部と、前記第1筒部の上端部に接続され、下方から上方に向かうにつれて断面積が広くなる第2筒部と、を備える、
請求項1に記載の誘導カバー。
【請求項7】
前記第2筒部の垂直方向の長さは、前記第1筒部の垂直方向の長さより長い、
請求項5に記載の誘導カバー。
【請求項8】
前記内側カバーは、垂直方向の断面視において、下方から上方に向かうにつれて断面積が狭くなる第1筒部、を備える、
請求項1に記載の誘導カバー。
【請求項9】
垂直方向の断面視において、前記外側カバーと前記内側カバーとの少なくともどちらかは、円形の断面形状を有する、
請求項1に記載の誘導カバー。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の誘導カバーと、
熱電発電ユニットと、
を備える、誘導カバー付き熱電発電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導カバー及び誘導カバー付き熱電発電ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
火炎の導入口と火炎の排出口を有したカバーで受熱板を覆った熱電発電装置の一例が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、受熱面に、火炎を拡散させるためのピンフィンと、拡散した火炎の熱を吸収するピンフィンとが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、カバーが受熱板を覆う構造で、その一部に導入口と排出口が配置されている。このため、火炎等は、カバーの表面において反射されるものが多く存在し、導入口から内部へ進入するものが少ない。このように、廃熱を効率的に回収することには改善の余地がある。
【0005】
本発明の態様は、廃熱を効率的に回収することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、熱電発電ユニットに高温熱流体を誘導する誘導カバーであって、筒状の外側カバーと、前記外側カバーの内側に配置された、筒状の内側カバーと、を備え、前記内側カバーは、前記高温熱流体の入口側の断面積より出口側の断面積が狭くなるように、壁部の少なくとも一部が傾斜している、誘導カバーが提供される。
【0007】
本発明の態様に従えば、上記の誘導カバーと、熱電発電ユニットと、を備える、誘導カバー付き熱電発電ユニットが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、廃熱を効率的に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る誘導カバーの断面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る誘導カバーの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2から内側カバーを取り外した斜視図である。
【
図5】
図5は、内側カバーの変形例の断面図である。
【
図6】
図6は、内側カバーの変形例の断面図である。
【
図7】
図7は、内側カバーの変形例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0011】
[実施形態]
<熱電発電ユニット>
図1は、実施形態に係る誘導カバーの断面図である。
図2は、実施形態に係る誘導カバーの斜視図である。
図3は、
図2から内側カバーを取り外した斜視図である。
図4は、
図2からフィンを取り外した斜視図である。誘導カバー1は、熱源の上方に取り付けられた熱電発電ユニット100を覆って使用される。熱電発電ユニット100は、熱電発電モジュール110と、高温伝熱板である受熱板102と、低温伝熱板である冷却板103とを備える。冷却板103に流す流体は、通常は冷却水を用いるが、これに限定されず、ブラインや気体を用いてもよい。
【0012】
熱電発電ユニット100は、熱電発電モジュール110を、受熱板102と冷却板103とで上下方向に挟んだ状態で、取り付け部材106、第1締結部材107、及び、第2締結部材108によって締結されている。
【0013】
取り付け部材106は、例えば、熱電発電モジュール110を取り付け対象物に吊り下げて固定するための吊りボルトである。取り付け部材106は、冷却板103に取り付け吊り下げる。
【0014】
第1締結部材107は、例えば、熱電発電モジュール110を取り付け対象物に吊り下げて固定するためのボルトである。第1締結部材107は、熱電発電モジュール100を、受熱板102と冷却板103とで上下方向に挟んだ状態で、熱電発電モジュール110、受熱板102及び冷却板103を貫通して配置される。
【0015】
第2締結部材108は、冷却板103を下方に付勢するバネが配置されたボルトである。第2締結部材108は、熱電発電モジュール110を、受熱板102と冷却板103とで上下方向に挟んだ状態で、熱電発電モジュール110より外側の位置に配置される。第2締結部材108は、受熱板102及び冷却板103を貫通して配置される。
【0016】
受熱板102は、熱電発電モジュール110の下側に配置される。受熱板102は、熱源から熱を受け、面内温度分布が少ない状態で熱電発電モジュール110へ伝熱させる。受熱板102は、例えば、銅又はアルミニウムなどの、熱伝導率の高い金属材料で構成されている。受熱板102は、矩形の板状の部材である。受熱板102の面2bは、熱源となる設備からの熱を受けとる。受熱板102の熱は、熱電発電モジュール110に伝導される。
【0017】
受熱板102は、ピンフィン102Fを備えてもよい。高温熱流体の出口部である、垂直方向の上端部の開口の高さ位置はピンフィン102Fの根本か、ピンフィン102Fの先端かどちらかを起点に開口する。
【0018】
冷却板103は、上下方向において、受熱板102と向かい合い、離間して設置される。冷却板103は、熱電発電モジュール100の上側に配置される。冷却板103は、熱電発電モジュール100の片面を冷却し、温度差を維持して効率よく発電を行う。冷却板103は、例えば、銅又はアルミニウムなどの、熱伝導率の高い金属材料で構成されている。冷却板103は、矩形の板状の部材である。冷却板103は、熱電発電モジュール110からの熱を受けとる。冷却板103の熱は、冷却されるとともに、誘導カバー1の周囲に放熱される。
【0019】
<誘導カバー>
誘導カバー1は、工場設備で発生する火炎又は熱風などの排熱を電気に変換する熱電発電ユニット100に使用される。誘導カバー1は、火炎又は熱風を取り込み、熱電発電ユニット100の熱電モジュール110の受熱板102に誘導する。誘導カバー1は、鉛直方向に縦長の煙突状に形成されている。誘導カバー1は、二重の筒状に形成されている。誘導カバー1は、外側カバー2と、内側カバー4とを備える。
【0020】
外側カバー2は、誘導カバー1の外形を規定する、外側の筒部材である。外側カバー2は、下端部2a側が内側に曲げられて狭まった形状である。外側カバー2の下端部2aは、熱源から発生する高温熱流体が流入する入口2Sである。外側カバー2の上端部は、熱源から発生する高温熱流体が熱電発電ユニット100と接触する側へ流出する出口である。外側カバー2の上端部の側面に排気口25が形成されている。
【0021】
外側カバー2は、第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23、及び、第4筒部24を備える。第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23、及び、第4筒部24は一体として接続されて、外側カバー2が形成されている。
【0022】
第1筒部21は、外側カバー2の本体部である。第1筒部21は、Z軸方向視の断面形状が矩形状である。第1筒部21は、壁部21a、壁部21b、壁部21c及び壁部21dを備える。壁部21a、壁部21b、壁部21c及び壁部21dは、矩形の板材で形成されている。壁部21aと壁部21cとは、Y軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部21bと壁部21cとは、X軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部21aのX軸方向の一方の端部は、壁部21bと接続されている。壁部21bのY軸方向の一方の端部は、壁部21cと接続されている。壁部21cのX軸方向の他方の端部は、壁部21dと接続されている。壁部21dのY軸方向の他方の端部は、壁部21aと接続されている。
【0023】
第2筒部22は、第1筒部21の下方に接続されている。第2筒部22は、下方に向かうにつれて、断面積が狭くなる。第2筒部22は、Z軸方向視の断面形状が矩形状である。第1筒部22は、壁部22a、壁部22b、壁部22c及び壁部22dを備える。壁部22a、壁部22b、壁部22c及び壁部22dは、矩形の板材で形成されている。壁部22a、壁部22b、壁部22c及び壁部22dは、Z軸方向に対して傾斜して配置されている。壁部22aと壁部22cとは、Y軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部22bと壁部22cとは、X軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部22aのX軸方向の一方の端部は、壁部22bと接続されている。壁部22bのY軸方向の一方の端部は、壁部22cと接続されている。壁部22cのX軸方向の他方の端部は、壁部22dと接続されている。壁部22dのY軸方向の他方の端部は、壁部22aと接続されている。壁部22aのZ軸方向の一方の端部は、壁部21aと接続されている。壁部22bのZ軸方向の一方の端部は、壁部21bと接続されている。壁部22cのZ軸方向の一方の端部は、壁部21cと接続されている。壁部22dのZ軸方向の一方の端部は、壁部21dと接続されている。
【0024】
第3筒部23は、第1筒部21の上方に接続されている。第3筒部23は、下方に向かうにつれて、断面積が狭くなる。第3筒部23は、Z軸方向視の断面形状が矩形状である。第1筒部23は、壁部23a、壁部23b、壁部23c及び壁部23dを備える。壁部23a、壁部23b、壁部23c及び壁部23dは、矩形の板材で形成されている。壁部23a、壁部23b、壁部23c及び壁部23dは、Z軸方向に対して傾斜して配置されている。壁部23aと壁部23cとは、Y軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部23bと壁部23cとは、X軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部23aのX軸方向の一方の端部は、壁部23bと接続されている。壁部23bのY軸方向の一方の端部は、壁部23cと接続されている。壁部23cのX軸方向の他方の端部は、壁部23dと接続されている。壁部23dのY軸方向の他方の端部は、壁部23aと接続されている。壁部23aのZ軸方向の他方の端部は、壁部21aと接続されている。壁部23bのZ軸方向の他方の端部は、壁部21bと接続されている。壁部23cのZ軸方向の他方の端部は、壁部21cと接続されている。壁部23dのZ軸方向の他方の端部は、壁部21dと接続されている。
【0025】
第4筒部24は、第3筒部23の上方に接続されている。第4筒部24は、Z軸方向視の断面形状が矩形状である。第4筒部24は、壁部24a、壁部24b、壁部24c及び壁部24dを備える。壁部24a、壁部24b、壁部24c及び壁部24dは、矩形の板材で形成されている。壁部24a、壁部24b、壁部24c及び壁部24dは、Z軸方向に対して傾斜して配置されている。壁部24aと壁部24cとは、Y軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部24bと壁部24cとは、X軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部24aのX軸方向の一方の端部は、壁部24bと接続されている。壁部24bのY軸方向の一方の端部は、壁部24cと接続されている。壁部24cのX軸方向の他方の端部は、壁部24dと接続されている。壁部24dのY軸方向の他方の端部は、壁部24aと接続されている。壁部24aのZ軸方向の他方の端部は、壁部23aと接続されている。壁部24bのZ軸方向の他方の端部は、壁部23bと接続されている。壁部24cのZ軸方向の他方の端部は、壁部23cと接続されている。壁部24dのZ軸方向の他方の端部は、壁部23dと接続されている。
【0026】
第4筒部24には、空気を外部に排出する排気口25となる開口が形成されている。より詳しくは、壁部24aには、排気口25Saとなる開口が形成されている。壁部24bには、排気口25Sbとなる開口が形成されている。壁部24cには、排気口25Scとなる開口が形成されている。壁部24dには、排気口25Sdとなる開口が形成されている。
【0027】
内側カバー4は、外側カバー2の内側に配置された、内側の筒部材である。内側カバー4は、熱電発電ユニット100の熱電発電モジュール110の受熱板102の中心部に向かう方向に傾斜している。内側カバー4の下端部4aは、外側カバー2の下端部2aより上方に位置する。外側カバー2の入口2Sより上方であって、内側カバー4の入口4Sより下方の空間は、火炎導入部である。内側カバー4の下端部4aは、熱源から発生する高温熱流体が流入する入口4Sである。内側カバー4は、高温熱流体の入口側の断面積より出口側の断面積が狭くなるように、壁部の少なくとも一部が傾斜している。内側カバー4の入口4Sの開口面積は、出口の開口面積より広い。内側カバー4の下端部4aは、外側カバー2の下端部2aより、高さH1上方に位置する。
【0028】
内側カバー4は、第1筒部41及び第2筒部42を備える。第1筒部41及び第2筒部42は一体として接続されて、内側カバー4が形成されている。
【0029】
第1筒部41は、内側カバー4の本体部である。第1筒部41は、上方に向かうにつれて、断面積が狭くなる。第1筒部41は、Z軸方向視の断面形状が矩形状である。第1筒部41は、壁部41a、壁部41b、壁部41c及び壁部41dを備える。壁部41a、壁部41b、壁部41c及び壁部41dは、矩形の板材で形成されている。壁部41a、壁部41b、壁部41c及び壁部41dは、Z軸方向に対して傾斜して配置されている。壁部41aと壁部41cとは、Y軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部41bと壁部41cとは、X軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部41aのX軸方向の一方の端部は、壁部41bと接続されている。壁部41bのY軸方向の一方の端部は、壁部41cと接続されている。壁部41cのX軸方向の他方の端部は、壁部41dと接続されている。壁部41dのY軸方向の他方の端部は、壁部41aと接続されている。
【0030】
第2筒部42は、第1筒部41の上方に接続されている。第2筒部42は、第1筒部41よりZ軸方向の長さが短い。実施形態では、第2筒部42のZ軸方向の長さは、第1筒部41のZ軸方向の長さの半分以下である。第2筒部42は、Z軸方向視の断面形状が矩形状である。第1筒部42は、壁部42a、壁部42b、壁部42c及び壁部42dを備える。壁部42a、壁部42b、壁部42c及び壁部42dは、矩形の板材で形成されている。壁部42aと壁部42cとは、Y軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部42bと壁部42cとは、X軸方向に離間し、向かい合って配置されている。壁部42aのX軸方向の一方の端部は、壁部42bと接続されている。壁部42bのY軸方向の一方の端部は、壁部42cと接続されている。壁部42cのX軸方向の他方の端部は、壁部42dと接続されている。壁部42dのY軸方向の他方の端部は、壁部42aと接続されている。壁部42aのZ軸方向の他方の端部は、壁部41aと接続されている。壁部42bのZ軸方向の他方の端部は、壁部41bと接続されている。壁部42cのZ軸方向の他方の端部は、壁部41cと接続されている。壁部42dのZ軸方向の他方の端部は、壁部41dと接続されている。
【0031】
第2筒部42には、空気を外部に排出する図示しない排気口となる開口が形成されている。より詳しくは、壁部42a、壁部42b、壁部42c及び壁部42dには、それぞれ排気口となる開口が形成されている。
【0032】
このように構成された、外側カバー2と内側カバー4との間は、高温の空気と火炎とが流れる空間である。
【0033】
<効果>
以上説明したように、実施形態では、内側カバー4は、高温熱流体の入口側の断面積より出口側の断面積が狭くなるように、壁部の少なくとも一部が傾斜している。実施形態では、誘導カバー1に取り込んだ熱は、誘導カバー1内で燃焼する。これにより、実施形態は、燃焼熱が大気中に拡散することを抑えることができる。実施形態では、拡散させず誘導カバー1に取り込んだ熱は、煙突効果により誘導カバー1内を浮力で上昇する。実施形態では、外側カバー2と内側カバー4との間に流れる熱が断熱効果をもたらす。実施形態は、内側カバー4内の燃焼効率を高め、より高温にすることができる。実施形態は、廃熱を効率的に回収することができる。
【0034】
実施形態では、垂直方向の断面視において、外側カバー2と内側カバー4との間は、隙間を有する。実施形態では、外側カバー2と内側カバー4との間に流れる熱が断熱効果をもたらすことができる。実施形態は、内側カバー4内の燃焼効率を高め、より高温にすることができる。
【0035】
実施形態では、内側カバー4は、垂直方向の断面視において、下方から上方に向かうにつれて断面積が狭くなる第1筒部41と、第1筒部41の上端部に接続され、断面積が一定の第2筒部42とを備える。実施形態では、誘導カバー1内を浮力で上昇する熱は、内側カバー4の傾斜によって、熱電発電モジュール110の受熱板102の中心部に集めることができる。実施形態では、内側カバー4の傾斜を急勾配にすると出口側の開口面積が小さくなりヒートスポットを制御できる。実施形態は、熱電発電モジュール110の受熱板102の温度分布を均一にできる。
【0036】
実施形態では、外側カバー2と内側カバー4とは、互いに拘束されず、移動可能に配置されている。実施形態によれば、外側カバー2または内側カバー4が、互いに拘束されずに自由に変形できる。実施形態によれば、熱電発電モジュール110の受熱板102の温度が不均一になることを抑えることができる。
【0037】
実施形態では、内側カバー4の下端部4aは、外側カバー2の下端部2aより鉛直方向の上方に位置する。実施形態によれば、内側カバー4の下端部4aと、外側カバー2の下端部2aとの間の空間に、火炎又は熱風などを取り込むことができる。
【0038】
このように、実施形態は、燃焼効率を高めつつ、火炎を制御し必要な熱を、所定の場所に伝熱することができる。実施形態によれば、均一な温度分布で、熱電発電モジュール110を貫通させることができる。
【0039】
実施形態は、局所的に高温になりすぎることを防止できるため、発電寿命を延ばし、かつ発電量を増やすことができる。
【0040】
実施形態によれば、アフターバナー等で発生する火炎や熱風をはじめとする高温熱流体を廃棄せずに、廃熱を効率的に回収することができる。
【0041】
[変形例1]
図5は、内側カバーの変形例の断面図である。内側カバー4は、垂直方向の断面視において、下方から上方に向かうにつれて断面積が狭くなる第1筒部41と、第1筒部41の上端部に接続され、下方から上方に向かうにつれて断面積が広くなる第2筒部42とを備える。第2筒部42の4つの壁部は、Z軸方向に対して傾斜して配置されている。
図5では、内側カバー4を図示したが、外側カバー2を
図5の形状にしてもよい。以下の変形例においても同様である。
【0042】
[変形例2]
図6は、内側カバーの変形例の断面図である。第2筒部42は、第1筒部41よりZ軸方向の長さが長い。
図6では、第2筒部42のZ軸方向の長さは、第1筒部41のZ軸方向の長さの2倍以上である。
図6に示す内側カバー4では、第2筒部42が本体部として機能する。
【0043】
[変形例3]
図7は、内側カバーの変形例の断面図である。内側カバー4は、第1筒部41のみを備える。変形例によれば、内側カバー4をより簡易な構成にすることができる。
【0044】
[その他の変形例]
上記では、外側カバー2及び内側カバー4は、Z軸方向の断面形状が矩形状であるものとして説明したが、これに限定されない。外側カバー2及び内側カバー4の少なくともどちらかが、Z軸方向の断面形状が円形状であってもよい。この場合、熱電発電ユニット100のZ軸方向の断面形状が円形状であることが好ましい。
【0045】
内側カバー4の下端の位置が外側カバー2の下端位置に対し上下方向に可変となるよう、例えば第1筒部41と第2筒部をネジ等で取り付け、取り外しが可能な構造とし、高さ方向の取付位置を数段階可変としてもよいし、第1筒部41か第2筒部42の一部に伸縮可能なベローズを備え高さ位置が可変な構造としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…誘導カバー、2…外側カバー、2S…入口、21…第1筒部、22…第2筒部、23…第3筒部、24…第4筒部、25…排気口、4…内側カバー、4S…入口、41…第1筒部、42…第2筒部、100…熱電発電ユニット、102…受熱板、102F…フィン、103…冷却板、106…取り付け部材、107…第1締結部材、108…第2締結部材、110…熱電発電モジュール。