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特開2024-131407ロッカーシステム、制御ユニットおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131407
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ロッカーシステム、制御ユニットおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G07F 17/12 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G07F17/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041645
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【弁理士】
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】寳 憲祐
(57)【要約】
【課題】売上機会を逃してしまうことを防止することができるロッカーシステム、制御ユニットおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】ロッカーシステム1は、収容部93と、収容部93の扉91の施錠を行う施錠部(ロック機構94)とをそれぞれ有する複数のロッカー90と、各ロッカー90の施錠部の制御を行う制御ユニット10とを備えている。制御ユニット10は、ロッカー90への荷物の預け入れ時に利用者を特定するための識別情報を取得し、ロッカー90からの荷物の取り出し時に識別情報を取得した場合にロッカー90の利用料金の一部または全部を受け付けたことを条件としてロッカー90の扉91を開状態にすることを認容する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部と、前記収容部の扉の施錠を行う施錠部とをそれぞれ有する複数のロッカーと、
各前記ロッカーの前記施錠部の制御を行う制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に利用者を特定するための識別情報を取得し、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記識別情報を取得した場合に前記ロッカーの利用料金の一部または全部を受け付けたことを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容する、ロッカーシステム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に預け入れ金を受け付け、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記ロッカーの利用料金から前記預け入れ金を差し引いた金額を受け付けたことを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容する、請求項1記載のロッカーシステム。
【請求項3】
前記預け入れ金の金額は、予め設定されている基本料金よりも低い金額である、請求項2記載のロッカーシステム。
【請求項4】
前記制御ユニットは、電子マネーを支払い可能な媒体から情報を読み取る情報読み取り部を有しており、
前記制御ユニットにおいて、前記ロッカーの利用料金は、前記情報読み取り部により前記媒体から電子マネーに関する情報が読み取られることにより当該電子マネーから支払われるようになっている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロッカーシステム。
【請求項5】
前記媒体には利用者を特定するための識別情報が記憶されており、
前記制御ユニットにおいて、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により前記媒体から利用者を特定するための識別情報が読み取られることにより、利用者を特定するための識別情報が取得される、請求項4記載のロッカーシステム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高が前記基本料金よりも小さい場合に、前記基本料金よりも低い金額の預け入れ金を受け付ける、請求項4記載のロッカーシステム。
【請求項7】
前記預け入れ金の金額は、前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高に基づいて決められる、請求項6記載のロッカーシステム。
【請求項8】
前記制御ユニットは、電子マネーを支払い可能な媒体から情報を読み取る情報読み取り部を有しており、
前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に預け入れ金を受け付け、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記ロッカーの利用料金から前記預け入れ金を差し引いた金額を受け付けたことを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容し、
前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高が前記基本料金よりも小さい場合に、前記基本料金よりも低い金額の預け入れ金を受け付け、
前記制御ユニットにおいて、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高が前記基本料金よりも小さい場合に、預け入れ金を支払うか否かを利用者が選択することができるようになっている、請求項1記載のロッカーシステム。
【請求項9】
前記制御ユニットは、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部を有しており、
前記制御ユニットにおいて、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記生体情報取得部により利用者の生体情報が取得されることにより、取得された利用者の生体情報が利用者を特定するための識別情報とされる、請求項1記載のロッカーシステム。
【請求項10】
収容部と、前記収容部の扉の施錠を行う施錠部とをそれぞれ有する複数のロッカーと、
各前記ロッカーの前記施錠部の制御を行う制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、電子マネーを支払い可能な媒体から情報を読み取る情報読み取り部を有しており、
前記制御ユニットにおいて、前記ロッカーの利用料金は、前記情報読み取り部により前記媒体から電子マネーに関する情報が読み取られることにより当該電子マネーから支払われるようになっており、
前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高が予め設定されている基本料金よりも小さい場合に、前記基本料金よりも低い金額の預け入れ金を受け付け、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記ロッカーの利用料金から前記預け入れ金を差し引いた金額を受け付けることを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容する第1処理と、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高が前記基本料金以上である場合にのみ前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記基本料金を受け付けて荷物の預け入れを可能とする第2処理とのうち何れかの処理を選択的に実行する、ロッカーシステム。
【請求項11】
ロッカーにおける収容部の扉の施錠を行う施錠部を制御する制御ユニットであって、
前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に利用者を特定するための識別情報を取得し、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記識別情報を取得した場合に前記ロッカーの利用料金の一部または全部を受け付けたことを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容する、制御ユニット。
【請求項12】
収容部と、前記収容部の扉の施錠を行う施錠部とをそれぞれ有する複数のロッカーと、各前記ロッカーの前記施錠部の制御を行う制御ユニットとを備えたロッカーシステムにおける情報処理方法であって、
前記制御ユニットが、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に利用者を特定するための識別情報を取得する工程と、
前記制御ユニットが、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記識別情報を取得した場合に前記ロッカーの利用料金の一部または全部を受け付けたことを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容する工程と、
を備えた、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロッカーシステム、制御ユニットおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駅構内等に配置される貸しロッカーとして、ICカード等の電子マネーで利用できるものが広く知られている。特許文献1には、操作レバーの操作をトリガとして電気錠を仮施錠するロッカーシステムにおいて、荷物の取り出し時の誤操作による仮施錠を回避して使い勝手を良くするために、ロッカーボックスにおいて解錠操作が行われてICカードのIDコードが認証された場合、電気錠を解錠するとともに、ロッカーボックスに対応する施錠禁止タイマをスタートさせる技術が開示されている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-125856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のロッカーシステムでは、ロッカーの基本料金に対してICカード等の電子マネーの残高が不足していたり現金が足りなかったりする場合は利用者はロッカーをすぐに利用することができず、ICカード等に電子マネーをチャージしたり現金を用意したりしなければならないという問題がある。この場合は、ロッカーシステムの売上機会を逃してしまうおそれがある。
【0005】
本開示は、このような点を考慮してなされたものであり、売上機会を逃してしまうことを防止することができるロッカーシステム、制御ユニットおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のロッカーシステムは、
収容部と、前記収容部の扉の施錠を行う施錠部とをそれぞれ有する複数のロッカーと、
各前記ロッカーの前記施錠部の制御を行う制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に利用者を特定するための識別情報を取得し、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記識別情報を取得した場合に前記ロッカーの利用料金の一部または全部を受け付けたことを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容することを特徴とする。
【0007】
本開示のロッカーシステムにおいては、
前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に預け入れ金を受け付け、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記ロッカーの利用料金から前記預け入れ金を差し引いた金額を受け付けたことを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容してもよい。
【0008】
また、前記預け入れ金の金額は、予め設定されている基本料金よりも低い金額であってもよい。
【0009】
また、前記制御ユニットは、電子マネーを支払い可能な媒体から情報を読み取る情報読み取り部を有しており、
前記制御ユニットにおいて、前記ロッカーの利用料金は、前記情報読み取り部により前記媒体から電子マネーに関する情報が読み取られることにより当該電子マネーから支払われるようになっていてもよい。
【0010】
また、前記媒体には利用者を特定するための識別情報が記憶されており、
前記制御ユニットにおいて、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により前記媒体から利用者を特定するための識別情報が読み取られることにより、利用者を特定するための識別情報が取得されてもよい。
【0011】
また、前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高が前記基本料金よりも小さい場合に、前記基本料金よりも低い金額の預け入れ金を受け付けてもよい。
【0012】
また、前記預け入れ金の金額は、前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高に基づいて決められてもよい。
【0013】
また、前記制御ユニットは、電子マネーを支払い可能な媒体から情報を読み取る情報読み取り部を有しており、
前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に預け入れ金を受け付け、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記ロッカーの利用料金から前記預け入れ金を差し引いた金額を受け付けたことを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容し、
前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高が前記基本料金よりも小さい場合に、前記基本料金よりも低い金額の預け入れ金を受け付け、
前記制御ユニットにおいて、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高が前記基本料金よりも小さい場合に、預け入れ金を支払うか否かを利用者が選択することができるようになっていてもよい。
【0014】
また、前記制御ユニットは、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部を有しており、
前記制御ユニットにおいて、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記生体情報取得部により利用者の生体情報が取得されることにより、取得された利用者の生体情報が利用者を特定するための識別情報とされてもよい。
【0015】
本発明のロッカーシステムは、
収容部と、前記収容部の扉の施錠を行う施錠部とをそれぞれ有する複数のロッカーと、
各前記ロッカーの前記施錠部の制御を行う制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、電子マネーを支払い可能な媒体から情報を読み取る情報読み取り部を有しており、
前記制御ユニットにおいて、前記ロッカーの利用料金は、前記情報読み取り部により前記媒体から電子マネーに関する情報が読み取られることにより当該電子マネーから支払われるようになっており、
前記制御ユニットは、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高が予め設定されている基本料金よりも小さい場合に、前記基本料金よりも低い金額の預け入れ金を受け付け、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記ロッカーの利用料金から前記預け入れ金を差し引いた金額を受け付けることを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容する第1処理と、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記情報読み取り部により読み取られた電子マネーの残高が前記基本料金以上である場合にのみ前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に前記基本料金を受け付けて荷物の預け入れを可能とする第2処理とのうち何れかの処理を選択的に実行することを特徴とする。
【0016】
本発明の制御ユニットは、
ロッカーにおける収容部の扉の施錠を行う施錠部を制御する制御ユニットであって、
前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に利用者を特定するための識別情報を取得し、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記識別情報を取得した場合に前記ロッカーの利用料金の一部または全部を受け付けたことを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容することを特徴とする。
【0017】
本発明の情報処理方法は、
収容部と、前記収容部の扉の施錠を行う施錠部とをそれぞれ有する複数のロッカーと、各前記ロッカーの前記施錠部の制御を行う制御ユニットとを備えたロッカーシステムにおける情報処理方法であって、
前記制御ユニットが、前記ロッカーへの荷物の預け入れ時に利用者を特定するための識別情報を取得する工程と、
前記制御ユニットが、前記ロッカーからの荷物の取り出し時に前記識別情報を取得した場合に前記ロッカーの利用料金の一部または全部を受け付けたことを条件として前記ロッカーの扉を開状態にすることを認容する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本開示のロッカーシステム、制御ユニットおよび情報処理方法によれば、売上機会を逃してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態によるロッカーシステムの正面図である。
図2図1に示すロッカーシステムにおける制御ユニットの正面図である。
図3図1に示すロッカーシステムの制御ブロック図である。
図4図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーへの荷物の預け入れ動作が行われるときの処理の流れを示すフローチャートである。
図5図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーからの荷物の取り出し動作が行われるときの処理の流れを示すフローチャートである。
図6図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーへの荷物の預け入れ動作が行われるときの処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
図7図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーへの荷物の預け入れ動作が行われるときに図2に示す制御ユニットの操作表示部に表示される画面である。
図8図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーへの荷物の預け入れ動作が行われるときに図2に示す制御ユニットの操作表示部に表示される画面である。
図9図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーへの荷物の預け入れ動作が行われるときに図2に示す制御ユニットの操作表示部に表示される画面である。
図10図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーへの荷物の預け入れ動作が行われるときに図2に示す制御ユニットの操作表示部に表示される画面である。
図11図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーへの荷物の預け入れ動作が行われるときに図2に示す制御ユニットの操作表示部に表示される画面である。
図12図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーへの荷物の預け入れ動作が行われるときに図2に示す制御ユニットの操作表示部に表示される画面である。
図13図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーへの荷物の預け入れ動作が行われるときに図2に示す制御ユニットの操作表示部に表示される画面である。
図14図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーへの荷物の預け入れ動作が行われるときに図2に示す制御ユニットの操作表示部に表示される画面である。
図15図1に示すロッカーシステムにおいてロッカーからの荷物の取り出し動作が行われるときに図2に示す制御ユニットの操作表示部に表示される画面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図15は、本実施の形態に係るロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態によるロッカーシステム1の正面図であり、図2は、図1に示すロッカーシステム1における制御ユニット10の正面図である。また、図3は、図1に示すロッカーシステム1の制御ブロック図である。また、図4乃至図6は、図1に示すロッカーシステム1においてロッカー90への荷物の預け入れ動作やロッカー90からの荷物の取り出し動作が行われるときの処理の流れを示すフローチャートである。また、図7乃至図15は、図2に示す制御ユニット10の操作表示部12に表示される画面である。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態によるロッカーシステム1は、預け入れる荷物をそれぞれ収納する複数のロッカー90と、各ロッカー90に設けられているロック機構94(後述)の制御を行う制御ユニット10とを備えている。それぞれのロッカー90には、荷物を収容する収容部93が設けられている。また、それぞれのロッカー90の前面には、ロッカー90毎に独立して開閉可能な扉91が設けられており、各扉91には取っ手92が取り付けられている。ロッカー90の扉91の開閉を行いたい利用者は、取っ手92を手で持つことにより扉91の開閉を行うことができるようになる。また、扉91が開いている状態において、この扉91の軸に設けられるバネ蝶番(図示せず)等により扉91が自動的に閉まるようになっている。また、各ロッカー90には、扉91の施錠を行う施錠部としてロック機構94(図3参照)が設けられている。ロック機構94は、扉91が閉じられた状態にあるときに、この扉91のロックを行うことにより扉91が開かないようにすることができる。一方、ロック機構94による扉91のロックが解除されると、利用者は取っ手92を手で持つことにより扉91を開くことができるようになる。また、各ロッカー90には識別番号が割り当てられており、各ロッカー90の識別番号は記憶部72に記憶されるようになっている。
【0022】
次に、制御ユニット10の構成について図2および図3を用いて説明する。なお、以下で説明する制御ユニット10は、ロッカー90の利用料金を電子マネーおよび現金のうち何れか一方で支払うことができるものである。しかしながら、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。本実施の形態に係る制御ユニット10として、ロッカー90の利用料金を電子マネーのみで支払うことができるものが用いられてもよい。この場合は、後述する硬貨投入口22、紙幣出入口24、硬貨返却口26、硬貨処理部30および紙幣処理部32が省略される。
【0023】
図2に示すように、制御ユニット10の前面上部には操作表示部12、スピーカ14、コードリーダ16が設けられている。操作表示部12には、ロッカー90への荷物の預け入れ時やロッカー90からの荷物の取り出し時に利用者へのガイド画面が表示されるようになっており、利用者は操作表示部12に表示されるガイド画面に沿ってロッカー90への荷物の預け入れやロッカー90からの荷物の取り出しを行うことができるようになっている。操作表示部12として例えばタッチパネル等が用いられる。
【0024】
また、制御ユニット10の前面において操作表示部12の下方にはプリンタ18が設けられており、プリンタ18の右側にはカードリーダ20が設けられている。カードリーダ20は、利用者が所持するICカードがタッチされると、当該ICカードに記憶されているICカードの識別番号、ICカードの所持者の識別情報(具体的には、例えばICカードの所持者の氏名等)、電子マネーの残高等の情報が読み取られる。また、制御ユニット10の前面における中央部分には硬貨投入口22および紙幣出入口24が設けられており、利用者はこれらの硬貨投入口22や紙幣出入口24に硬貨や紙幣を投入することができるようになっている。また、制御ユニット10の前面下部には硬貨返却口26が設けられており、釣銭としての硬貨がこの硬貨返却口26により利用者に払い戻されるようになっている。
【0025】
また、図3に示すように、制御ユニット10の筐体内には、硬貨の処理を行う硬貨処理部30および紙幣の処理を行う紙幣処理部32がそれぞれ設けられている。硬貨投入口22に投入された硬貨は、硬貨処理部30において金種や真偽、正損等の識別が行われた後、この硬貨処理部30の硬貨収納領域に収納されるようになっている。また、この硬貨処理部30の硬貨収納領域から釣銭としての硬貨が硬貨返却口26に払い出されるようになっている。また、紙幣出入口24に投入された紙幣は、紙幣処理部32において金種や真偽、正損等の識別が行われた後、この紙幣処理部32の紙幣収納領域に収納されるようになっている。また、利用者が紙幣出入口24に紙幣を投入した後、この紙幣の払い戻しを行う際には、この紙幣出入口24により利用者に紙幣が払い戻されるようになる。また、紙幣処理部32の紙幣収納領域から釣銭としての紙幣が紙幣出入口24に払い出されるようになっている。
【0026】
また、図1乃至図3に示すように、制御ユニット10の前面における操作表示部12の上方には、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部34が設けられている。利用者の生体情報として、利用者の顔画像、指紋、掌紋、アイリス(目の瞳孔)、静脈等が挙げられる。生体情報取得部34として、例えば、利用者の顔画像やアイリスを撮像するカメラ、利用者の指紋や掌紋を採取する採取装置、利用者の静脈に関する情報を取得する静脈情報取得装置等が用いられる。
【0027】
図3に示すように、制御ユニット10の筐体内には制御部40が設けられており、操作表示部12、スピーカ14、コードリーダ16、プリンタ18、カードリーダ20、硬貨処理部30、紙幣処理部32、生体情報取得部34等はそれぞれ制御部40に接続されている。制御部40はこの制御部40に接続されている各構成要素に制御信号を送ることによりこれらの各構成要素の制御を行うようになっている。また、制御部40には通信部70および記憶部72が接続されている。通信部70により制御部40は外部装置80との間で様々な情報の送受信が可能となっている。ここで、外部装置80としては、例えば管理事務所に設けられた管理コンピュータ等が挙げられる。また、記憶部72にはロッカーシステム1における荷物の預け入れ処理や取り出し処理に関する様々な情報が記憶されるようになっている。また、記憶部72には制御部40により実行されるプログラムが記憶されている。
【0028】
制御部40は、記憶部72に記憶されているプログラムを実行することにより、収納管理手段42、荷物預かり処理手段44、識別情報取得手段46、ロック制御手段48および演算手段50として機能するようになっている。収納管理手段42は、各ロッカー90に荷物が収納された状態であるか否かの管理を行う。荷物預かり処理手段44は、利用者からの荷物の預け入れや取り出しに係る処理を行う。識別情報取得手段46は、ロッカー90への荷物の預け入れ時に利用者を特定するための識別情報を取得する。ロック制御手段48は、各ロッカー90に設けられているロック機構94の制御を行う。演算手段50は、ロッカー90の利用料金等の演算を行う。これらの収納管理手段42、荷物預かり処理手段44、識別情報取得手段46、ロック制御手段48および演算手段50の機能の詳細については後述する。
【0029】
なお、制御部40により実行されるプログラムは記憶部72に記憶されたものであることに限定されることはない。制御部40により実行されるプログラムとして、外部装置80から通信部70を介して制御部40に送信されるものや、制御ユニット10に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体に記憶されているもの、制御ユニット10とは別のサーバ(例えば、クラウドサーバ)等に記憶されているもの等が用いられてもよい。
【0030】
次に、本実施の形態によるロッカーシステム1において、利用者がロッカー90への荷物の預け入れを行う際の動作について図4に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下に示す動作は記憶部72に記憶されているプログラムを制御部40が実行することによって当該制御部40が制御ユニット10の各構成要素を制御することにより行われる。また、待機状態において各ロッカー90の扉91はロック機構94により施錠されており、利用者は扉91を開くことができないようになっている。
【0031】
利用者がロッカーシステム1のロッカー90への荷物の預け入れを行う際に、まず制御ユニット10によりある一つのロッカー90の扉91のロックを解錠させる動作を行う。具体的には、ロッカーシステム1が待機状態となっているときに制御ユニット10の操作表示部12には図7に示すような待機画面が表示されている。なお、別の態様として、ロッカーシステム1が待機状態となっているときに制御ユニット10の操作表示部12には何も表示されず、利用者が制御ユニット10に近づいたり操作表示部12に触れたりすることにより図7に示すような待機画面が操作表示部12に表示されるようになっていてもよい。
【0032】
図7に示す待機画面において利用者が荷物の預け入れのボタン(図7における「入れる」のボタン)を押すと(図4のステップS1の「YES」)、荷物預かり処理手段44は、荷物の預け入れに係る処理を行う。具体的には、操作表示部12には利用するロッカー90のサイズを選択する画面が表示される。そして、利用者が操作表示部12によって利用するロッカー90のサイズを選択すると、操作表示部12には選択されたサイズのロッカー90のうち荷物が預けられていない1または複数のロッカー90の選択画面が表示される。なお、各ロッカー90に荷物が収納された状態であるか否かの管理は収納管理手段42により行われるようになっており、このような収納管理手段42による管理状況に基づいて、操作表示部12には選択されたサイズのロッカー90のうち荷物を預け入れ可能な1または複数のロッカー90の識別番号(例えば、扉番号)が表示される。また、操作表示部12には、ロッカーシステム1を正面から見たときの概略図および荷物を預け入れ可能な1または複数のロッカー90の位置が表示される。そして、利用者が操作表示部12により荷物を預け入れたいロッカー90を選択し、確認ボタンを押すと、操作表示部12には図8に示すような利用料金の支払い画面が表示される(図4のステップS2)。
【0033】
図8に示すような利用料金の支払い画面が操作表示部12に表示されているときに、利用者がICカードをカードリーダ20にタッチさせると、ICカードに記憶されている情報(具体的には、ICカードの識別番号、ICカードの所持者の識別情報、電子マネーの残高等の情報)が読み取られる(図4のステップS3の「YES」)。識別情報取得手段46は、カードリーダ20によってICカードから読み取られたICカードの識別番号またはICカードの所持者の識別情報に基づいて、ロッカー90の利用者を特定するための識別情報を取得する。
【0034】
カードリーダ20によってICカードから読み取られた電子マネーの残高がロッカー90の利用料金(基本料金)以上である場合は(図4のステップS5の「NO」)、演算手段50により利用料金の支払いが行われる(図4のステップS10)。また、図9に示すような利用料金の支払い完了画面が操作表示部12に表示される。そして、利用者が選択したロッカー90の扉91のロックがロック機構94により解除されることによって当該扉91の解錠が行われる(図4のステップS11)。このような処理はロック制御手段48がロック機構94を制御することにより行われる。また、操作表示部12に表示される画面が、図13に示すような扉解錠案内画面に遷移する(図4のステップS12)。このことにより、利用者は、選択したロッカー90の扉91を開けてこのロッカー90の内部に荷物を収納することができるようになる。そして、利用者によって扉91が閉められてから所定の時間が経過するとロック機構94により扉91の施錠が行われる(図4のステップS13)。このような処理はロック制御手段48がロック機構94を制御することにより行われる。このようにして、荷物の預け入れ動作が完了する。
【0035】
一方、カードリーダ20によってICカードから読み取られた電子マネーの残高がロッカー90の利用料金(基本料金)よりも小さい場合は(図4のステップS5の「YES」)、荷物預かり処理手段44は、基本料金よりも低い金額の預け入れ金を受け付け、ロッカー90からの荷物の取り出し時にロッカー90の利用料金から預け入れ金を差し引いた金額を受け付けるようにする。具体的には、図10に示すような預入金の支払い画面が操作表示部12に表示される(図4のステップS6)。図10に示す画面において「確認」ボタンが利用者により押されると、図11に示すように、操作表示部12には、預け入れ金の金額として、予め設定されているロッカー90の基本料金よりも低い金額が表示される。
【0036】
預け入れ金の金額は、ロッカー90の各サイズに対応して予め設定されている定額(基本料金よりも低い金額)であってもよい。あるいは、預け入れ金の金額は、ロッカー90のサイズにかかわらず同一の金額(基本料金よりも低い金額)であってもよい。また、更に他の例として、預け入れ金の金額は、カードリーダ20によりICカードから読み取られた電子マネーの残高に基づいて決められるようになっていてもよい。例えば、預け入れ金の金額は、カードリーダ20によりICカードから読み取られた電子マネーの残高に対する所定の割合の金額(例えば、電子マネーの残高の10%)であってもよい。
【0037】
図11に示すような預け入れ金の支払い画面が操作表示部12に表示されているときに、利用者がICカードをカードリーダ20にタッチさせると、ICカードに記憶されている情報が読み取られ(図4のステップS7の「YES」)、ICカードの電子マネーから預け入れ金の支払いが行われる(図4のステップS8)。この場合には、図12に示すような預け入れ金の支払い完了画面が操作表示部12に表示される。
【0038】
そして、利用者が選択したロッカー90の扉91のロックがロック機構94により解除されることによって当該扉91の解錠が行われる(図4のステップS11)。このような処理はロック制御手段48がロック機構94を制御することにより行われる。また、操作表示部12に表示される画面が、図13に示すような扉解錠案内画面に遷移する(図4のステップS12)。このことにより、利用者は、選択したロッカー90の扉91を開けてこのロッカー90の内部に荷物を収納することができるようになる。そして、利用者によって扉91が閉められてから所定の時間が経過するとロック機構94により扉91の施錠が行われる(図4のステップS13)。このような処理はロック制御手段48がロック機構94を制御することにより行われる。このようにして、荷物の預け入れ動作が完了する。
【0039】
なお、図11に示すような預け入れ金の支払い画面が操作表示部12に表示されているときに、利用者がICカードをカードリーダ20にタッチさせないで取消ボタンを押した場合は(図4のステップS7の「NO」およびステップS9の「YES」)、ロック機構94によりロッカー90の扉91のロックが解除されることなくロッカーシステム1は初期状態に戻り、操作表示部12には図7に示すような初期画面が表示されるようになる。
【0040】
また、図8に示すような利用料金の支払い画面において利用者がICカードをカードリーダ20にタッチさせる代わりに現金により利用料金の支払いを行った場合には(図4のステップS3の「NO」およびステップS4の「YES」)、利用者が選択したロッカー90の扉91のロックがロック機構94により解除されることによって当該扉91の解錠が行われる(図4のステップS11)。また、操作表示部12に表示される画面が、図13に示すような扉解錠案内画面に遷移する(図4のステップS12)。このことにより、利用者は、選択したロッカー90の扉91を開けてこのロッカー90の内部に荷物を収納することができるようになる。そして、利用者によって扉91が閉められてから所定の時間が経過するとロック機構94により扉91の施錠が行われる(図4のステップS13)。このようにして、荷物の預け入れ動作が完了する。また、利用者が現金により利用料金の支払いを行った場合には、利用者を特定するための識別情報が例えば二次元コード等のコードとして記載されたレシートがプリンタ18により発行される。
【0041】
また、更に他の態様として、利用者がロッカー90に荷物を預け入れる際に、この利用者の生体情報が生体情報取得部34により取得されてもよい。この場合、利用者がロッカー90から荷物を取り出す際に、利用者を特定するための識別情報として、生体情報取得部34により取得された利用者の生体情報が用いられる。
【0042】
また、図8に示すような利用料金の支払い画面において利用者が利用料金の支払いを行うことなく取消ボタンを押した場合は、ロック機構94によりロッカー90の扉91のロックが解除されることなくロッカーシステム1は初期状態に戻り、操作表示部12には図7に示すような初期画面が表示されるようになる。
【0043】
荷物の預け入れ動作が完了すると、収納管理手段42は、各ロッカー90の管理状態において、利用者により選択されたロッカー90に荷物が収納された状態とする。具体的には、ロッカー90の識別番号と、識別情報取得手段46により取得された利用者を特定するための識別情報とが紐付けられて記憶部72に記憶される。
【0044】
次に、ロッカー90からの荷物の取り出しが行われるときの動作について図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下に示す動作は記憶部72に記憶されているプログラムを制御部40が実行することによって当該制御部40が制御ユニット10の各構成要素を制御することにより行われる。
【0045】
利用者がロッカーシステム1のロッカー90からの荷物の取り出しを行う際に、まず制御ユニット10により荷物を預け入れたロッカー90の扉91のロックを解錠させる動作を行う。具体的には、図7に示す待機画面において利用者が荷物の取り出しのボタン(図7における「取り出す」のボタン)を押すと(図5のステップS21の「YES」)、荷物預かり処理手段44は、荷物の取り出しに係る処理を行う。具体的には、操作表示部12には、利用者に対してICカードをカードリーダ20にタッチさせることを促す画面が表示される(図5のステップS22)。そして、利用者がICカードをカードリーダ20にタッチさせることにより、ICカードに記憶されている情報(具体的には、ICカードの識別番号、ICカードの所持者の識別情報、電子マネーの残高等の情報)が読み取られると(図5のステップS23の「YES」)、制御部40は、利用料金の未払い金が存在するか否かの確認を行う(図5のステップS24)。ここで、利用料金の未払い金が存在するとは、荷物の預け入れ時にカードリーダ20によってICカードから読み取られた電子マネーの残高がロッカー90の利用料金(基本料金)よりも小さく、基本料金よりも低い金額の預け入れ金が荷物の預け入れ時に支払われたことをいう。この場合は、未払い金の金額は、ロッカー90の利用料金(基本料金)から預け入れ金の金額を差し引いた金額となる。また、ロッカー90に荷物が所定期間を超えて預けられることにより超過料金が発生している場合は、荷物の預け入れ時にロッカー90の利用料金(基本料金)が支払われたときでも未払い金が発生するようになる。また、識別情報取得手段46は、カードリーダ20によってICカードから読み取られたICカードの識別番号またはICカードの所持者の識別情報に基づいて、ロッカー90の利用者を特定するための識別情報を取得する。このことにより、記憶部72に記憶されている情報に基づいて、利用者が荷物を預け入れたロッカー90の識別番号が収納管理手段42により特定される。
【0046】
また、利用者がロッカー90に荷物を預け入れる際に現金により利用料金の支払いを行った場合は、荷物の預け入れ時に発行されたレシートに記載されている二次元コード等のコードをコードリーダ16により読み取らせる。このことにより、コードリーダ16によってレシートから読み取られたコードの情報に基づいて、識別情報取得手段46は利用者を特定するための識別情報を取得する。この場合も、記憶部72に記憶されている情報に基づいて、利用者が荷物を預け入れたロッカー90の識別番号が収納管理手段42により特定される。
【0047】
また、更に他の態様として、利用者がロッカー90に荷物を預け入れる際にこの利用者の生体情報が生体情報取得部34により取得された場合は、利用者がロッカー90から荷物を取り出す際に、この利用者の生体情報が生体情報取得部34により取得されてもよい。この場合、利用者がロッカー90から荷物を取り出す際に、利用者を特定するための識別情報として生体情報取得部34により取得された利用者の生体情報が用いられる。この場合も、記憶部72に記憶されている情報に基づいて、利用者が荷物を預け入れたロッカー90の識別番号が収納管理手段42により特定される。
【0048】
収納管理手段42により特定された、荷物が預けられているロッカー90について、利用料金の未払い金が存在しない場合には(図5のステップS24の「NO」)、このロッカー90の扉91のロックがロック機構94により解除されることによって当該扉91の解錠が行われる(図5のステップS32)。このような処理はロック制御手段48がロック機構94を制御することにより行われる。また、操作表示部12には、荷物の取り出し案内画面が表示される(図5のステップS33)。具体的には、操作表示部12には、ロッカーシステム1を正面から見たときの概略図および荷物を預け入れたロッカー90の位置が表示される。このことにより、利用者は、荷物を預け入れたロッカー90の扉91を開けてこのロッカー90から荷物を取り出すことができるようになる。そして、利用者によって扉91が閉められてから所定の時間が経過するとロック機構94により扉91の施錠が行われる。このようにして、荷物の取り出し動作が完了する。
【0049】
ここで、収納管理手段42により特定された、荷物が預けられているロッカー90について、利用料金の未払い金が存在する場合には(図5のステップS24の「YES」)、操作表示部12には図15に示すような利用料金の未払い金の支払い画面が表示される(図5のステップS25)。図15に示す未払い金の支払い画面では未払い金の金額も表示される。
【0050】
図15に示す未払い金の支払い画面が操作表示部12に表示されているときに、利用者がICカードをカードリーダ20にタッチさせ、ICカードに記憶されている情報(具体的には、ICカードの識別番号、ICカードの所持者の識別情報、電子マネーの残高等の情報)が読み取られると(図5のステップS26の「YES」)、演算手段50によりICカードに記録されている電子マネーから未払い金の支払いが行われる(図5のステップS28)。この際に、カードリーダ20によってICカードから読み取られた電子マネーの残高が不足していない場合は(図5のステップS30の「YES」)、利用者が荷物を預け入れたロッカー90の扉91のロックがロック機構94により解除されることによって当該扉91の解錠が行われる(図5のステップS32)。また、操作表示部12には、荷物の取り出し案内画面が表示される(図5のステップS33)。そして、利用者によってロッカー90から荷物が取り出された後に扉91が閉められてから所定の時間が経過するとロック機構94により扉91の施錠が行われる。このようにして、荷物の取り出し動作が完了する。
【0051】
一方、カードリーダ20によってICカードから読み取られた電子マネーの残高が不足している場合は(図5のステップS30の「NO」)、電子マネーの残高が不足している旨を利用者に通知する画面が操作表示部12に表示される(図5のステップS31)。そして、利用者が荷物を預け入れたロッカー90の扉91のロックがロック機構94により解除されることなくロッカーシステム1は初期状態に戻り、操作表示部12には図7に示すような初期画面が表示されるようになる。
【0052】
また、図15に示すような未払い金の支払い画面が操作表示部12に表示されているときに、利用者がICカードをカードリーダ20にタッチさせる代わりに現金により未払い金の支払いを行った場合には(図5のステップS26の「NO」およびステップS27の「YES」)、演算手段50により未払い金の支払いが行われる(図5のステップS29)。そして、制御ユニット10に投入された現金の金額が未払い金以上である場合は(図5のステップS30の「YES」)、利用者が荷物を預け入れたロッカー90の扉91のロックがロック機構94により解除されることによって当該扉91の解錠が行われる(図5のステップS32)。また、操作表示部12には、荷物の取り出し案内画面が表示される(図5のステップS33)。そして、利用者によってロッカー90から荷物が取り出された後に扉91が閉められてから所定の時間が経過するとロック機構94により扉91の施錠が行われる。このようにして、荷物の取り出し動作が完了する。一方、制御ユニット10に投入された現金の金額が未払い金よりも少ない場合は(図5のステップS30の「NO」)、支払い金額が不足している旨を利用者に通知する画面が操作表示部12に表示される(図5のステップS31)。そして、利用者が荷物を預け入れたロッカー90の扉91のロックがロック機構94により解除されることなくロッカーシステム1は初期状態に戻り、操作表示部12には図7に示すような初期画面が表示されるようになる。
【0053】
以上のような構成からなる本実施の形態のロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法によれば、制御ユニット10は、ロッカー90への荷物の預け入れ時に利用者を特定するための識別情報を取得し、ロッカー90からの荷物の取り出し時に識別情報を取得した場合にロッカー90の利用料金の一部または全部を受け付けたことを条件としてロッカー90の扉91を開状態にすることを認容する。このことにより、荷物の預け入れ時にロッカー90の利用料金の全部を支払うことができなくてもロッカー90に荷物を預け入れることができるようになるため、売上機会を逃してしまうことを防止することができる。より詳細には、従来のロッカーシステムでは、ロッカー90の基本料金に対してICカード等の電子マネーの残高が不足していたり現金が足りなかったりする場合は利用者はロッカー90をすぐに利用することができず、ICカード等に電子マネーをチャージしたり現金を用意したりしなければならないという問題があり、この場合は、ロッカーシステム1の売上機会を逃してしまうという課題があった。これに対し、本実施の形態のロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法によれば、このような課題を解決することができる。また、利用者にとっても、ロッカー90の基本料金に対してICカード等の電子マネーの残高が不足していたり現金が足りなかったりする場合でもすぐにロッカー90に荷物を預け入れることができるようになるため利用者にとっての利便性が向上する。
【0054】
また、本実施の形態のロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法においては、上述したように、制御ユニット10は、ロッカー90への荷物の預け入れ時に預け入れ金を受け付け、ロッカー90からの荷物の取り出し時にロッカー90の利用料金から預け入れ金を差し引いた金額を受け付けたことを条件としてロッカー90の扉91を開状態にすることを認容する。このことにより、ロッカー90からの荷物の取り出し時に未払い金を支払うことによりロッカー90の扉91を開けることができるようになる。
【0055】
また、本実施の形態のロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法においては、上述したように、預け入れ金の金額は、予め設定されている基本料金よりも低い金額である。この場合は、荷物の預け入れ時にロッカー90の利用料金の全部を支払うことができなくてもロッカー90に荷物を預け入れることができるようになる。
【0056】
また、本実施の形態のロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法においては、上述したように、制御ユニット10は、電子マネーを支払い可能な媒体(具体的には、ICカード)から情報を読み取る情報読み取り部(具体的には、カードリーダ20)を有しており、制御ユニット10において、ロッカー90の利用料金は、情報読み取り部としてのカードリーダ20によりICカードから電子マネーに関する情報が読み取られることにより当該電子マネーから支払われるようになっている。この場合は、電子マネーを支払い可能なICカードによってロッカー90の利用料金を支払うことが可能となり、しかもこのICカードに記録されている電子マネーの残高がロッカー90の利用料金よりも小さい場合でも利用者はICカードに電子マネーをチャージすることなくすぐにロッカー90に荷物を預け入れることができるようになる。
【0057】
また、本実施の形態のロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法においては、上述したように、媒体(具体的には、ICカード)には利用者を特定するための識別情報としてICカードの識別番号やICカードの所持者の識別情報が記憶されており、制御ユニット10において、ロッカー90への荷物の預け入れ時に情報読み取り部としてのカードリーダ20によりICカードから利用者を特定するための識別情報が読み取られることにより、利用者を特定するための識別情報が取得される。この場合は、電子マネーを支払い可能なICカードによってロッカー90の利用者の特定も行うことができるようになる。
【0058】
また、本実施の形態のロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法においては、上述したように、制御ユニット10は、ロッカー90への荷物の預け入れ時に情報読み取り部としてのカードリーダ20により読み取られた電子マネーの残高が基本料金よりも小さい場合に、基本料金よりも低い金額の預け入れ金を受け付ける。この場合は、ICカードに記録されている電子マネーの残高がロッカー90の利用料金よりも小さい場合でも利用者はICカードに電子マネーをチャージすることなくすぐにロッカー90に荷物を預け入れることができるようになる。
【0059】
また、本実施の形態のロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法においては、上述したように、預け入れ金の金額は、情報読み取り部としてのカードリーダ20により読み取られた電子マネーの残高に基づいて決められる。この場合は、電子マネーの残高が非常に少ない場合でも、預け入れ金の金額を例えば電子マネーの残高に対する所定の割合の金額とすることができる。
【0060】
また、本実施の形態のロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法においては、上述したように、制御ユニット10は、ロッカー90への荷物の預け入れ時に預け入れ金を受け付け、ロッカー90からの荷物の取り出し時にロッカー90の利用料金から預け入れ金を差し引いた金額を受け付けたことを条件としロッカー90の扉91を開状態にすることを認容する。また、制御ユニット10は、ロッカー90への荷物の預け入れ時に情報読み取り部としてのカードリーダ20により読み取られた電子マネーの残高が基本料金よりも小さい場合に、基本料金よりも低い金額の預け入れ金を受け付ける。また、制御ユニット10において、ロッカー90への荷物の預け入れ時に情報読み取り部としてのカードリーダ20により読み取られた電子マネーの残高が基本料金よりも小さい場合に、預け入れ金を支払うか否かを利用者が選択することができるようになっている。具体的には、図11に示すような預け入れ金の支払い画面が操作表示部12に表示されているときに、利用者がICカードをカードリーダ20にタッチさせないで取消ボタンを押した場合は、預け入れ金を支払わないことを利用者が選択することになる。この場合は、ロック機構94によりロッカー90の扉91のロックが解除されることなくロッカーシステム1は初期状態に戻り、操作表示部12には図7に示すような初期画面が表示される。このような技術的事項によれば、利用者は、基本料金よりも小さい金額の預け入れ金を支払うか、または基本料金を別途準備するかを選択することができるようになる。
【0061】
また、本実施の形態のロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法においては、上述したように、制御ユニット10は、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部34を有しており、制御ユニット10において、ロッカー90への荷物の預け入れ時に生体情報取得部34により利用者の生体情報が取得されることにより、取得された利用者の生体情報が利用者を特定するための識別情報とされる。この場合は、利用者がロッカー90から荷物を取り出す際に、利用者を特定するための識別情報として生体情報取得部34により取得された利用者の生体情報が用いられる。
【0062】
なお、本発明によるロッカーシステム1、制御ユニット10および情報処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0063】
例えば、ロッカー90への荷物の預け入れ時に情報読み取り部としてのカードリーダ20によりICカードから読み取られた電子マネーの残高が予め設定されている基本料金よりも小さい場合に、利用者は現金により基本料金と電子マネーの残高との差額を支払うことができるようになっていてもよい。また、ロッカー90への荷物の預け入れ時に情報読み取り部としてのカードリーダ20によりICカードから読み取られた電子マネーの残高が予め設定されている基本料金よりも小さい場合に、利用者は預け入れ金を現金で支払うことができるようになっていてもよい。また、ロッカー90からの荷物の取り出し時に利用者は未払い金の支払いを現金で行うことができるようになっていてもよい。
【0064】
また、ロッカー90への荷物の預け入れ時に、カードリーダ20によりICカードから読み取られた電子マネーの残高がロッカー90の利用料金(基本料金)以上である場合でも、利用者は制御ユニット10において利用料金の全額を支払うか利用料金よりも金額が低い預け入れ金を支払うかの選択を行うことができるようになっていてもよい。
【0065】
また、ロッカー90への荷物の預け入れ動作は図4に示すようなものに限定されることはない。変形例に係るロッカーシステム1において、ロッカー90への荷物の預け入れ動作が図6に示すフローチャートに沿って行われるようになっていてもよい。なお、以下に示す動作は記憶部72に記憶されているプログラムを制御部40が実行することによって当該制御部40が制御ユニット10の各構成要素を制御することにより行われる。
【0066】
ロッカーシステム1が待機状態となっているときに制御ユニット10の操作表示部12には図7に示すような待機画面が表示されている。図7に示す待機画面において利用者が荷物の預け入れのボタン(図7における「入れる」のボタン)を押すと(図6のステップS41の「YES」)、荷物預かり処理手段44は、荷物の預け入れに係る処理を行う。具体的には、操作表示部12には利用するロッカー90のサイズを選択する画面が表示される。そして、利用者が操作表示部12によって利用するロッカー90のサイズを選択すると、操作表示部12には選択されたサイズのロッカー90のうち荷物が預けられていない1または複数のロッカー90の選択画面が表示される。そして、利用者が操作表示部12により荷物を預け入れたいロッカー90を選択し、確認ボタンを押すと、操作表示部12には図8に示すような利用料金の支払い画面が表示される(図6のステップS42)。
【0067】
図8に示すような利用料金の支払い画面が操作表示部12に表示されているときに、利用者がICカードをカードリーダ20にタッチさせると、ICカードに記憶されている情報(具体的には、ICカードの識別番号、ICカードの所持者の識別情報、電子マネーの残高等の情報)が読み取られる(図6のステップS43の「YES」)。識別情報取得手段46は、カードリーダ20によってICカードから読み取られたICカードの識別番号またはICカードの所持者の識別情報に基づいて、ロッカー90の利用者を特定するための識別情報を取得する。
【0068】
カードリーダ20によってICカードから読み取られた電子マネーの残高がロッカー90の利用料金(基本料金)以上である場合は(図6のステップS45の「NO」)、演算手段50により利用料金の支払いが行われる(図6のステップS49)。また、図9に示すような利用料金の支払い完了画面が操作表示部12に表示される。そして、利用者が選択したロッカー90の扉91のロックがロック機構94により解除されることによって当該扉91の解錠が行われる(図6のステップS50)。このような処理はロック制御手段48がロック機構94を制御することにより行われる。また、操作表示部12に表示される画面が、図13に示すような扉解錠案内画面に遷移する(図6のステップS51)。このことにより、利用者は、選択したロッカー90の扉91を開けてこのロッカー90の内部に荷物を収納することができるようになる。そして、利用者によって扉91が閉められてから所定の時間が経過するとロック機構94により扉91の施錠が行われる(図6のステップS52)。このような処理はロック制御手段48がロック機構94を制御することにより行われる。このようにして、荷物の預け入れ動作が完了する。
【0069】
一方、カードリーダ20によってICカードから読み取られた電子マネーの残高がロッカー90の利用料金(基本料金)よりも小さい場合は(図6のステップS45の「YES」)、荷物預かり処理手段44は、ロッカー90からの荷物の取り出し時にロッカー90の利用料金の全額を受け付けるようにする。具体的には、図14に示すような利用料金の後払い案内画面が操作表示部12に表示される(図6のステップS46)。図14に示す画面において「確認」ボタンが利用者により押されると(図6のステップS47の「YES」)、利用者が選択したロッカー90の扉91のロックがロック機構94により解除されることによって当該扉91の解錠が行われる(図6のステップS50)。このような処理はロック制御手段48がロック機構94を制御することにより行われる。また、操作表示部12に表示される画面が、図13に示すような扉解錠案内画面に遷移する(図6のステップS51)。このことにより、利用者は、選択したロッカー90の扉91を開けてこのロッカー90の内部に荷物を収納することができるようになる。そして、利用者によって扉91が閉められてから所定の時間が経過するとロック機構94により扉91の施錠が行われる(図6のステップS52)。このような処理はロック制御手段48がロック機構94を制御することにより行われる。このようにして、荷物の預け入れ動作が完了する。
【0070】
なお、図14に示すような利用料金の後払い案内画面が操作表示部12に表示されているときに、利用者が確認ボタンを押さないで取消ボタンを押した場合は(図6のステップS47の「NO」およびステップS48の「YES」)、ロック機構94によりロッカー90の扉91のロックが解除されることなくロッカーシステム1は初期状態に戻り、操作表示部12には図7に示すような初期画面が表示されるようになる。
【0071】
また、図8に示すような利用料金の支払い画面において利用者がICカードをカードリーダ20にタッチさせる代わりに現金により利用料金の支払いを行った場合には(図6のステップS43の「NO」およびステップS44の「YES」)、利用者が選択したロッカー90の扉91のロックがロック機構94により解除されることによって当該扉91の解錠が行われる(図6のステップS50)。また、操作表示部12に表示される画面が、図13に示すような扉解錠案内画面に遷移する(図6のステップS51)。このことにより、利用者は、選択したロッカー90の扉91を開けてこのロッカー90の内部に荷物を収納することができるようになる。そして、利用者によって扉91が閉められてから所定の時間が経過するとロック機構94により扉91の施錠が行われる(図6のステップS52)。このようにして、荷物の預け入れ動作が完了する。また、利用者が現金により利用料金の支払いを行った場合には、利用者を特定するための識別情報が例えば二次元コード等のコードとして記載されたレシートがプリンタ18により発行される。
【0072】
また、図8に示すような利用料金の支払い画面において利用者が利用料金の支払いを行うことなく取消ボタンを押した場合は、ロック機構94によりロッカー90の扉91のロックが解除されることなくロッカーシステム1は初期状態に戻り、操作表示部12には図7に示すような初期画面が表示されるようになる。
【0073】
荷物の預け入れ動作が完了すると、収納管理手段42は、各ロッカー90の管理状態において、利用者により選択されたロッカー90に荷物が収納された状態とする。具体的には、ロッカー90の識別番号および識別情報取得手段46により取得された利用者を特定するための識別情報が紐付けられて記憶部72に記憶される。
【0074】
図6に示すようなロッカー90への荷物の預け入れ動作でも、図4に示すようなロッカー90への荷物の預け入れ動作と同様に、制御ユニット10は、ロッカー90への荷物の預け入れ時に利用者を特定するための識別情報を取得し、ロッカー90からの荷物の取り出し時に識別情報を取得した場合にロッカー90の利用料金の全部を受け付けたことを条件としてロッカー90の扉91を開状態にすることを認容する。このことにより、荷物の預け入れ時にロッカー90の利用料金を支払うことができなくてもロッカー90に荷物を預け入れることができるようになるため、売上機会を逃してしまうことを防止することができる。また、利用者にとっても、ロッカー90の基本料金に対してICカード等の電子マネーの残高が不足していたり現金が足りなかったりする場合でもすぐにロッカー90に荷物を預け入れることができるようになるため利用者にとっての利便性が向上する。
【0075】
また、本発明に係るロッカーシステム1では、制御ユニット10は、ロッカー90への荷物の預け入れ時に情報読み取り部としてのカードリーダ20により読み取られた電子マネーの残高が予め設定されている基本料金よりも小さい場合に、基本料金よりも低い金額の預け入れ金を受け付け、ロッカー90からの荷物の取り出し時にロッカー90の利用料金から預け入れ金を差し引いた金額を受け付けることを条件としてロッカー90の扉91を開状態にすることを認容する第1処理と、ロッカー90への荷物の預け入れ時に情報読み取り部としてのカードリーダ20により読み取られた電子マネーの残高が基本料金以上である場合にのみロッカー90への荷物の預け入れ時に基本料金を受け付けて荷物の預け入れを可能とする第2処理とのうち何れかの処理を選択的に実行するようになっていてもよい。すなわち、第1処理では、ICカードに記録されている電子マネーの残高が予め設定されている基本料金よりも小さい場合でも利用者はロッカー90に荷物を預け入れることができ、一方、第2処理では、ICカードに記録されている電子マネーの残高が予め設定されている基本料金よりも小さい場合には利用者はロッカー90に荷物を預け入れることができなくなる。また、このような第1処理および第2処理のうち何れかの処理を実行するかについて外部装置80から通信部70を介して制御部40に対して指令が与えられることにより、第1処理および第2処理のうち何れかの処理を実行するかの設定が行われるようになっていてもよい。
【0076】
また、本発明に係るロッカーシステムとして、制御ユニット10は、ロッカー90への荷物の預け入れ時には料金を徴収せず、ロッカー90からの荷物の取り出し時に利用料金の全額分を徴収するようになっていてもよい。この場合でも、ロッカー90への荷物の預け入れ時に利用者を特定するための識別情報を取得することにより、ロッカー90に荷物が預け入れられていないにもかかわらず、いたずらでロッカー90の扉91がロックされてしまうことを抑制することができる。
【0077】
また、図4に示すようなロッカー90への荷物の預け入れ動作において、各ロッカー90のサイズに対応する利用料金または預け入れ金を利用者がICカードに登録されている電子マネーで支払ったが、利用者が選択したロッカー90の扉91がロック機構94により解錠された後、荷物が大きすぎてロッカー90に入れることができなかった場合には、より大きなサイズのロッカー90に変更可能となっていてもよい。このときに、より大きなサイズのロッカー90が空いていない場合は、ロッカー90への荷物の預け入れがキャンセルとなる。しかし、上述した制御ユニット10ではICカードに電子マネーを返金することができないため、利用者が支払った利用料金または預け入れ金を、利用者を特定するための識別情報に紐付けて記憶部72に記憶させてもよい。この場合は、利用者が次回にロッカーシステム1を利用するときに、記憶部72に記憶されている利用者が支払った利用料金または預け入れ金を差し引いてロッカー90の利用料金を利用者に請求する。他の態様として、利用者が支払った利用料金または預け入れ金に関する利用券をプリンタ18により発行させてもよい。この利用券には、利用者が支払った利用料金または預け入れ金を示す二次元コード等のコードが印刷される。そして、利用者が次回にロッカーシステム1を利用するときに、利用券に印刷されているコードをコードリーダ16によって読み取らせることにより、利用者が支払った利用料金または預け入れ金を差し引いてロッカー90の利用料金を利用者に請求する。また、利用者がICカードに登録されている電子マネーで支払った利用料金または預け入れ金を、現金で返却できるようにしてもよい。
【0078】
また、本発明に係るロッカーシステムとして、待機状態では各ロッカー90の扉91が施錠されておらず利用者が扉91を自由に開閉することができるものが用いられてもよい。この場合、ロッカー90への荷物の取り出し時に利用者が利用料金または預け入れ金を支払うことにより、ロッカー90の扉91をロック機構94により施錠することが可能となる。また、この場合、ロッカー90からの荷物の取り出し時に、識別情報取得手段46により利用者を特定するための識別情報が読み取られ、未払い金が存在するときは利用者により未払い金の支払いが行われると、ロック機構94によるロッカー90の扉91のロックが解除されるようになる。
【符号の説明】
【0079】
1 ロッカーシステム
10 制御ユニット
12 操作表示部
14 スピーカ
16 コードリーダ
18 プリンタ
20 カードリーダ
22 硬貨投入口
24 紙幣出入口
26 硬貨返却口
30 硬貨処理部
32 紙幣処理部
34 生体情報取得部
40 制御部
42 収納管理手段
44 荷物預かり処理手段
46 識別情報取得手段
48 ロック制御手段
50 演算手段
70 通信部
72 記憶部
80 外部装置
90 ロッカー
91 扉
92 取っ手
93 収容部
94 ロック機構
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