(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131422
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240920BHJP
B41J 5/30 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B41J29/38 303
B41J5/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041677
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】杉本 大
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061HV01
2C061HV32
2C187AC08
2C187AD14
2C187BF50
2C187BH09
2C187BH24
2C187HA01
2C187HA27
(57)【要約】
【課題】封筒内に封入する印刷物に意図しない画像が含まれることを防止することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】外部から送信されるジョブデータを受信する受信部11と、ジョブデータに含まれる画像をメモリに展開する画像展開部12と、画像展開部12が展開した画像データを取得し、インクを吐出して印刷した用紙を排出する用紙排出部13と、受信部11にて受信したジョブデータに含まれる有効画像領域で生成される画像データ量と、用紙排出部で印刷した画像に含まれる画像データ量を取得し、それぞれの画像データ量が一致しない場合には、ユーザに異常を報知し、且つ用紙排出部13に印刷の中止指令を出力する画像データ管理部14を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒作成装置または封入封緘装置が接続された画像形成装置において、
外部から送信されるジョブデータを受信する受信部と、
前記ジョブデータに含まれる画像をメモリに展開する画像展開部と、
前記画像展開部が展開した画像データを取得し、インクを吐出して印刷した用紙を排出する用紙排出部と、
前記受信部にて受信したジョブデータに含まれる有効画像領域で生成される画像データ量と、前記用紙排出部で印刷した画像に含まれる画像データ量を取得し、それぞれの画像データ量が一致しない場合には、ユーザに異常を報知し、且つ前記用紙排出部に印刷の中止指令を出力する画像データ管理部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
封筒を生成可能な画像形成装置では、封筒内に封入する印刷物に個人情報が含まれていることが多い。このため、正しい印刷データで印刷された印刷物だけを封筒内に封入することが求められる。
【0003】
特許文献1には、比較手段により1ページ分の画像データのデータサイズとメモリの空き容量を比較し、画像データの方が小さい場合にはこの画像データをメモリに格納し、画像データの方が大きい場合には、記録済みの画像データを順次解放して新規の画像データをメモリに格納することが開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された比較手段を用いることにより、画像展開時にデータサイズとメモリの空き容量を比較し、この比較結果に基づいて封筒内に封入する印刷物が正しい印刷物であるか否かを判定することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した特許文献1に開示された比較手段を用いて印刷物の正否を判定する方法は、空きメモリの確認、及び画像展開が正常に完了するかという観点でのみ判定しており、封筒内に封入される印刷物が意図した画像データで印字されたか否かを判定できないという課題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、封筒内に封入する印刷物に意図しない画像が含まれることを防止することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本願発明は、封筒作成装置または封入封緘装置が接続された画像形成装置において、外部から送信されるジョブデータを受信する受信部と、前記ジョブデータに含まれる画像をメモリに展開する画像展開部と、前記画像展開部が展開した画像データを取得し、インクを吐出して印刷した用紙を排出する用紙排出部と、前記受信部にて受信したジョブデータに含まれる有効画像領域で生成される画像データ量と、前記用紙排出部で印刷した画像に含まれる画像データ量を取得し、それぞれの画像データ量が一致しない場合には、ユーザに異常を報知し、且つ前記用紙排出部に印刷の中止指令を出力する画像データ管理部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、封筒内に封入する印刷物に意図しない画像が含まれることを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像形成装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、ジョブデータに含まれる画像データを示す説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像処理装置による、データ受信時における処理手順を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る画像処理装置による、用紙排出時における処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る画像形成装置、及びその周辺機器の概略的な構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように実施形態に係る画像形成装置1は、PDL(Page Description Language)などによる封筒作成用のジョブデータが外部より与えられた際に、このジョブデータに含まれる画像及びテキストを、用紙或いは封筒に印刷して後段に配置されている封筒作成装置2に出力する。封筒作成装置2の代わりに、封入封緘装置に出力してもよい。即ち、画像形成装置1は、封筒作成装置2または封入封緘装置に接続されている。
【0013】
画像形成装置1は、受信部11と、画像展開部12と、用紙排出部13と、画像データ管理部14と、表示部15、を備えている。
【0014】
受信部11は、封筒作成用のジョブデータを受信する。ジョブデータには、封筒に印刷する文字データ及び画像データ、封筒内に封緘する内容物に印刷する文字データ及び画像データが含まれる。受信部11は、封筒の1通ごとのデータ区別情報、及び、封筒内に封入する内容物の1面ごとの画像データ量を算出し、画像展開部12、及び画像データ管理部14に出力する。
【0015】
図2は、ジョブデータに含まれる画像データを示す説明図である。
図2に示すように、例えば3枚の印刷用紙、及び封筒に画像を印刷する際に、1枚目の表面及び裏面、2枚目の表面及び裏面、3枚目の表面及び裏面、封筒の表面及び裏面の画像データが含まれている。受信部11は、各印刷用紙、及び封筒に印刷する画像データ量を算出する。
【0016】
画像展開部12は、受信部11から出力されるデータ区別情報、及び画像データ量の情報を取得する。画像展開部12は、1通ごとの画像データをメモリ空間に展開する。「展開」とは、例えば画像データが圧縮されている場合に、この画像データを復元することを示す。
【0017】
用紙排出部13は、画像展開部12により展開された画像データのメモリ領域にアクセスし、メモリ上の画像データを取得する。用紙排出部13は、印刷用紙を蓄積する給紙台(図示省略)から供給される印刷用紙に対してインクを吐出し、印刷用紙に画像を印刷し印刷後の用紙を後段の封筒作成装置2へ排出する。即ち、用紙排出部13は、画像展開部12が展開した画像データを取得し、インクを吐出して印刷した用紙を封筒作成装置2へ排出する。用紙排出部13はまた、印刷用紙が排出される度に、インクを吐出して実際に画像を形成した画像データ量を算出し、算出した画像データ量を画像展開部12に出力する。
【0018】
画像データ管理部14は、受信部11から出力されたジョブデータを取得する。画像データ管理部14は、ジョブデータに含まれる有効画素領域で生成される画像データ量を算出する。
【0019】
また、画像データ管理部14は、用紙排出部13から出力された画像データ量を取得する。画像データ管理部14は、ジョブデータに含まれる画像データ量と、用紙排出部13から出力される画像データ量を比較し、これらのデータ量が一致するか否かを判定する。「データ量が一致する」とは、データ量が同一であることに加え、データ量の差分が極めて小さいことを含む。画像データ管理部14は、上記の比較の結果、データ量が一致しないと判定した場合には、内部処理に異常が発生したと判断して、異常の発生をユーザに報知する。具体的には、表示部15に異常を示す報知信号を表示部15に出力する。画像データ管理部14は、用紙排出部13に、印刷の中止指令を出力する。
【0020】
表示部15は、画像データ管理部14から報知信号が出力された際に、内部処理に異常が発生した旨を知らせる画像を表示する。
【0021】
なお、画像展開部12、用紙排出部13、画像データ管理部14は、例えば、中央演算ユニット(CPU)や、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶手段からなる一体型のコンピュータとして構成することができる。
【0022】
次に、
図3、
図4に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係る画像形成装置1の処理手順について説明する。
図3は、データ受信時における処理を示すフローチャート、
図4は、用紙排出時における処理を示すフローチャートである。
【0023】
ジョブデータの受信時には、
図3のステップS11において画像データ管理部14は、受信部11で受信されるジョブデータに含まれる第x面の画像データ量を取得する。
【0024】
ステップS12において、画像データ管理部14は、ジョブデータに含まれる画像データが、1通の切れ目であるか否かを判定する。
【0025】
1通の切れ目である場合には(S12;YES)、ステップS13において画像データ管理部14は、1通の画像データの総和を算出し、メモリ(図示省略)に記憶する。
【0026】
印刷用紙の排出時には、
図4のステップS31において画像データ管理部14は、第x面(表面、裏面)の排出通知を画像展開部12から受信する。
【0027】
ステップS32において画像データ管理部14は、第x面の表面及び裏面に含まれる画像データの総和をメモリ(図示省略)に記憶する。
【0028】
ステップS33において画像データ管理部14は、画像展開部12から出力される画像データが1通の切れ目であるか否かを判定する。1通の切れ目である場合には(S33;YES)、ステップS34に処理を進め、そうでなければ(S33;NO)、ステップS32に処理を戻す。
【0029】
ステップS34において画像データ管理部14は、受信時の画像データと排出時の画像データ量を比較する。具体的には、
図3のステップS13の処理で算出した画像データ量と、
図4のステップS32の処理で算出した画像データ量を比較する。
【0030】
ステップS35において画像データ管理部14は、データ量が一致するか否かを判定する。一致しない場合には(S35;NO)、ステップS36に処理を進め、そうでなければ(S35;YES)、本処理を終了する。
【0031】
ステップS36において画像データ管理部14は、エラーを報知する旨の画像を表示部15に表示する。また、画像データ管理部14は、印刷中止指令を出力する。その後、本処理を終了する。
【0032】
このように、本実施形態に係る画像形成装置1では、封筒及び封筒に封入する用紙に含まれる画像データを管理し、ジョブデータに含まれる画像データ量と、実際に印刷された印刷用紙に含まれる画像データ量が一致しない場合には、エラーを報知する。その結果、意図しない画像データが封筒内に封入されることを防止することができる。
【0033】
また、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0034】
[付記1]
封筒作成装置または封入封緘装置が接続された画像形成装置において、
外部から送信されるジョブデータを受信する受信部と、
前記ジョブデータに含まれる画像をメモリに展開する画像展開部と、
前記画像展開部が展開した画像データを取得し、インクを吐出して印刷した用紙を排出する用紙排出部と、
前記受信部にて受信したジョブデータに含まれる有効画像領域で生成される画像データ量と、前記用紙排出部で印刷した画像に含まれる画像データ量を取得し、それぞれの画像データ量が一致しない場合には、ユーザに異常を報知し、且つ前記用紙排出部に印刷の中止指令を出力する画像データ管理部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【符号の説明】
【0035】
1 画像形成装置
2 封筒作成装置
11 受信部
12 画像展開部
13 用紙排出部
14 画像データ管理部
15 表示部