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特開2024-131428サーバー装置、サーバー装置の制御方法、及び、印刷制御システム
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  • 特開-サーバー装置、サーバー装置の制御方法、及び、印刷制御システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131428
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】サーバー装置、サーバー装置の制御方法、及び、印刷制御システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240920BHJP
   H04L 67/60 20220101ALI20240920BHJP
【FI】
G06F3/12 374
G06F3/12 303
G06F3/12 353
G06F3/12 392
G06F3/12 388
H04L67/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041683
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】世良 隆
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩平
(72)【発明者】
【氏名】北原 克人
(72)【発明者】
【氏名】小林 正幸
(72)【発明者】
【氏名】水田 雅彦
(57)【要約】
【課題】ユーザーが意図しない印刷が実行されるおそれがあり利便性が低い。
【解決手段】サーバー装置は、ソーシャルネットワーキングサービスを提供するSNSサーバー装置を介して、端末装置と通信可能な通信部と、印刷装置に対する印刷の可否を制御可能な制御部と、を備え、制御部は、通信部により、第1時刻に第1印刷指示を受信した後、第2時刻に第2印刷指示を受信し、第1時刻から第2時刻までの時間が、所定時間未満であると判断した場合には、第2印刷指示に基づく印刷装置への印刷を否とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーシャルネットワーキングサービスを提供するSNSサーバー装置を介して、端末装置と通信可能な通信部と、
印刷装置に対する印刷の可否を制御可能な制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部により、第1時刻に第1印刷指示を受信した後、第2時刻に第2印刷指示を受信し、
前記第1時刻から前記第2時刻までの時間が、所定時間未満であると判断した場合には、前記第2印刷指示に基づく前記印刷装置への印刷を否とする、サーバー装置。
【請求項2】
前記第1印刷指示には第1ファイル又は第1データが含まれ、前記第2印刷指示には第2ファイル又は第2データが含まれており、
前記制御部は、
前記第1時刻から前記第2時刻までの時間が、前記所定時間未満であると判断した場合であって、
前記第1ファイル及び前記第2ファイルが同一であると判断した場合、又は、前記第1データ及び前記第2データが同一であると判断した場合には、前記第2印刷指示に基づく前記印刷装置への印刷を否とする、請求項1に記載のサーバー装置。
【請求項3】
前記第1印刷指示には第1ファイルが含まれ、前記第2印刷指示には第2ファイルが含まれており、
前記制御部は、
前記第1時刻から前記第2時刻までの時間が、前記所定時間未満であると判断した場合であって、
前記第1ファイルの形式、及び、前記第2ファイルの形式が異なると判断した場合には、前記第2印刷指示に基づく前記印刷装置への印刷を否とする、請求項1に記載のサーバー装置。
【請求項4】
前記印刷装置に対する印刷の可否に基づき、通知を生成する通知部を備え、
前記通知部は、前記第1印刷指示に基づく前記印刷装置への印刷を可とした場合には第1通知を生成し、前記第2印刷指示に基づく前記印刷装置への印刷を否とした場合には第2通知を生成し、
前記制御部は、前記通信部により、前記SNSサーバー装置を介して前記端末装置へ、前記第1通知又は前記第2通知を送信する、請求項1に記載のサーバー装置。
【請求項5】
ソーシャルネットワーキングサービスを提供するSNSサーバー装置を介して端末装置と通信可能であり、印刷装置に対する印刷の可否を制御可能なサーバー装置の制御方法であって、
第1時刻に第1印刷指示を受信した後、第2時刻に第2印刷指示を受信し、
前記第1時刻から前記第2時刻までの時間が、所定時間未満であると判断した場合には、前記第2印刷指示に基づく前記印刷装置への印刷を否とする、サーバー装置の制御方法。
【請求項6】
ソーシャルネットワーキングサービスを提供するSNSサーバー装置と、前記SNSサーバー装置を介して端末装置と通信可能なサーバー装置と、印刷装置と、を含む印刷制御システムであって、
前記サーバー装置は、
前記印刷装置に対する印刷の可否を制御可能であり、
前記SNSサーバー装置から、前記端末装置に入力された第1印刷指示を第1時刻に受信した後、前記端末装置に入力された第2印刷指示を第2時刻に受信し、
前記第1時刻から前記第2時刻までの時間が、所定時間未満であると判断した場合には、前記第2印刷指示に基づく前記印刷装置への印刷を否とする、印刷制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバー装置、サーバー装置の制御方法、及び、印刷制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
制御装置の制御の下、チャットに投稿された複数の画像などの情報を印刷することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-115313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の制御装置では、ユーザーが意図しない印刷が実行されるおそれがあり利便性が低かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
サーバー装置は、ソーシャルネットワーキングサービスを提供するSNSサーバー装置を介して、端末装置と通信可能な通信部と、印刷装置に対する印刷の可否を制御可能な制御部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により、第1時刻に第1印刷指示を受信した後、第2時刻に第2印刷指示を受信し、前記第1時刻から前記第2時刻までの時間が、所定時間未満であると判断した場合には、前記第2印刷指示に基づく前記印刷装置への印刷を否とする。
【0006】
ソーシャルネットワーキングサービスを提供するSNSサーバー装置を介して端末装置と通信可能であり、印刷装置に対する印刷の可否を制御可能なサーバー装置の制御方法であって、第1時刻に第1印刷指示を受信した後、第2時刻に第2印刷指示を受信し、前記第1時刻から前記第2時刻までの時間が、所定時間未満であると判断した場合には、前記第2印刷指示に基づく前記印刷装置への印刷を否とする。
【0007】
ソーシャルネットワーキングサービスを提供するSNSサーバー装置と、前記SNSサーバー装置を介して端末装置と通信可能なサーバー装置と、印刷装置と、を含む印刷制御システムであって、前記サーバー装置は、前記印刷装置に対する印刷の可否を制御可能であり、前記SNSサーバー装置から、前記端末装置に入力された第1印刷指示を第1時刻に受信した後、前記端末装置に入力された第2印刷指示を第2時刻に受信し、前記第1時刻から前記第2時刻までの時間が、所定時間未満であると判断した場合には、前記第2印刷指示に基づく前記印刷装置への印刷を否とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】印刷制御システムの構成を示す模式図。
図2】印刷制御システムの機能構成を示す模式図。
図3】第1サーバー装置の第1実施形態の処理を示すシーケンス図。
図4】第1サーバー装置の第2実施形態の処理を示すシーケンス図。
図5】第2実施形態のときのスマートフォンのメッセージ画面を示す模式図。
図6】第1サーバー装置の第3実施形態の処理を示すシーケンス図。
図7】第1サーバー装置の第4実施形態の処理を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.印刷制御システムの構成
1-1.印刷制御システムの構成
図1に示すように、印刷制御システム10は、端末装置であるスマートフォン1と、SNSサーバー装置2と、サーバー装置である第1サーバー装置3と、第2サーバー装置4と、印刷装置であるプリンター5とを含む。
なお、後述のように、第1サーバー装置3は、第2サーバー装置4を含むこともできる。この場合、印刷制御システム10は、スマートフォン1と、SNSサーバー装置2と、第1サーバー装置3とを含む構成とすることもできる。
【0010】
スマートフォン1と、SNSサーバー装置2と、第1サーバー装置3と、第2サーバー装置4と、プリンター5とは、ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えばインターネットである。
なお、ネットワークNWはLAN(Local Area Network)でもよく、WAN(Wide Area Network)でもよい。
【0011】
スマートフォン1は、端末制御部11と、端末通信部12と、表示部13とを備える。後述のように、スマートフォン1は、SNSサーバー装置2、第1サーバー装置3、第2サーバー装置4を順次介して、プリンター5に印刷指示を送信する。
【0012】
端末制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やマイコン(Micro Computer)等のプロセッサー(Processor)を備え、このプロセッサーにより制御プログラムを実行することにより、スマートフォン1の各部を統括的に制御する。端末制御部11は、プロセッサーが実行する制御プログラムを不揮発的に記憶するROM(Read Only Memory)、及び、プロセッサーのワークエリアを構成するRAM(Random Access Memory)のようなメモリーを備える。
【0013】
端末通信部12は、通信ICを含む通信回路を有し、外部の装置と通信する通信インターフェイスである。端末通信部12は、ケーブルを接続可能な有線通信インターフェイスであってもよいし、無線通信インターフェイスであってもよい。例えば、Ethernet(登録商標)に対応する有線LANインターフェイスや、IEEE802.11規格に対応する無線LANインターフェイスであってもよい。
また、端末通信部12は、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の無線回線を介してSNSサーバー装置2と通信することもできる。
【0014】
表示部13は、いわゆるタッチパネルである。表示部13は、表示パネル及びタッチセンサーを備える。表示部13は、端末制御部11に接続される。
表示パネルは、端末制御部11の制御に基づき、各種画像を表示する。表示パネルは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)で構成される。
タッチセンサーは、ユーザーの操作を検出し、端末制御部11に出力する。タッチセンサーは、表示パネルと一体に形成される。具体的には、タッチセンサーは、表示パネルの画像表示面に形成される。
【0015】
SNSサーバー装置2は、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)を提供する。以下では、ソーシャルネットワーキングサービスを、単にSNSと称する。SNSは、例えばLINE(登録商標)である。
SNSサーバー装置2は、SNS制御部21と、SNS通信部22とを備える。SNSサーバー装置2は、SNS通信部22により、スマートフォン1及び第1サーバー装置3との間で送受信をすることができる。
なお、以下では、受け付けるとは受信することも含み、伝送するとは送信することも含む。
【0016】
例えば、SNSサーバー装置2は、SNS通信部22により、スマートフォン1から印刷指示JAを受け付けることができる。また、SNSサーバー装置2は、SNS通信部22により、スマートフォン1から受け付けたプリンター5への印刷指示JAを、第1サーバー装置3に対して伝送する。
印刷指示JAは、プリンター5に対する印刷に関する指示の内容を示す。印刷指示JAは、「印刷指示」の一例である。
【0017】
SNSサーバー装置2のSNS制御部21は、CPUやマイコン等のプロセッサーを備える。このプロセッサーが制御プログラムを実行することにより、SNSサーバー装置2の各部を統括的に制御する。SNS制御部21は、プロセッサーが実行する制御プログラムを不揮発的に記憶するROM、プロセッサーのワークエリアを構成するRAMのようなメモリー、及びHDD(Hard Disk Drive)を備える。
【0018】
SNS通信部22は、通信ICを含む通信回路を有し、外部の装置と通信する通信インターフェイスである。SNS通信部22は、ケーブルを接続可能な有線通信インターフェイスであってもよいし、無線通信インターフェイスであってもよい。
具体的には、SNS通信部22は、例えば、Ethernet(登録商標)に対応する有線LANインターフェイスや、IEEE802.11規格に対応する無線LANインターフェイスであってもよい。また、SNS通信部22は、例えば、Ethernet(登録商標)に対応する有線LANインターフェイスでもよい。
【0019】
第1サーバー装置3は、第1制御部31と第1通信部32とを備える。第1サーバー装置3は、第1通信部32により、SNSサーバー装置2及び第2サーバー装置4の各々と通信する。
例えば、第1サーバー装置3は、第1通信部32により、SNSサーバー装置2からプリンター5への印刷指示JAを受け付けて、第2サーバー装置4へプリンター5への印刷指示JAを伝送する。第1サーバー装置3は、「サーバー装置」の一例である。
【0020】
第1サーバー装置3の第1制御部31及び第1通信部32における、SNSサーバー装置2のSNS制御部21及びSNS通信部22と同様の構成部分については、説明を省略する。
【0021】
第2サーバー装置4は、第2制御部41と第2通信部42とを備える。第2サーバー装置4は、第2通信部42により、第1サーバー装置3及びプリンター5と通信する。
例えば、第2サーバー装置4の第2制御部41は、第2通信部42により、第2サーバー装置4からプリンター5への印刷指示JAを受け付けて印刷ジョブを生成し、プリンター5に対して、印刷指示JAとして印刷ジョブを送信する。このとき、ネットワークNWに複数のプリンター5が接続されている場合には、第2サーバー装置4は、一のプリンター5を指定して送信することができる。
【0022】
第2サーバー装置4の第2制御部41及び第2通信部42における、SNSサーバー装置2のSNS制御部21及びSNS通信部22と同様の構成部分については、説明を省略する。
【0023】
プリンター5は、プリンター制御部51と、プリンター通信部52とを備える。プリンター5は、プリンター通信部52により第2サーバー装置4から印刷指示JAとして印刷ジョブを受信し、プリンター制御部51により印刷ジョブを実行して印刷する。プリンター5は、例えば、インクジェットプリンターである。プリンター5は、「印刷装置」の一例である。
本実施形態では、プリンター5は、インクジェットプリンターであるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。プリンター5は、ドットインパクトプリンターでもよいし、レーザープリンターでもよい。
【0024】
プリンター制御部51は、CPUやマイコン等のプロセッサーを備え、このプロセッサーにより制御プログラムを実行することにより、プリンター5の各部を統括的に制御する。プリンター制御部51は、プロセッサーが実行する制御プログラムを不揮発的に記憶するROM、プロセッサーのワークエリアを構成するRAMのようなメモリー、及びHDDを備える。
【0025】
プリンター通信部52は、通信ICを含む通信回路を有し、第2サーバー装置4と通信する通信インターフェイスである。プリンター通信部52は、ケーブルを接続可能な有線通信インターフェイスであってもよいし、無線通信インターフェイスであってもよい。
具体的には、プリンター通信部52は、Ethernet(登録商標)に対応する有線LANインターフェイスや、IEEE802.11規格に対応する無線LANインターフェイスなどであってもよい。
【0026】
1-2.スマートフォンの機能構成
図2は、印刷制御システム10の機能構成の一例を示す図である。スマートフォン1の端末制御部11は、印刷指示部111として機能する。
具体的には、スマートフォン1の端末制御部11のプロセッサーが、アプリケーションプログラムを実行することにより、印刷指示部111として機能する。アプリケーションプログラムは、例えばSNSアプリケーションであり、一例としてLINE用のアプリケーションである。
【0027】
ここで、スマートフォン1の端末制御部11のプロセッサーが実行する、SNSアプリケーションについて説明する。
SNSサーバー装置2とスマートフォン1との協働により、アカウントを有するユーザーのスマートフォン1に対してSNSが提供される。スマートフォン1が実行するSNSアプリケーションにより、ユーザーは自身のアカウントでログインし、SNSを利用することができる。
【0028】
また、SNSサーバー装置2は、SNSに含まれるチャットシステムをスマートフォン1に提供することもできる。
SNSアプリケーションには、チャットシステムに係るアプリケーションも含まれる。スマートフォン1は、SNSアプリケーションに含まれるチャットシステムも実行することができる。
ユーザーは、スマートフォン1を操作し、SNSサーバー装置2が提供するチャットシステムにおける所定の規則に従った入力処理をして、チャットシステム内にグループチャットを生成し、利用することができる。
ユーザーは、スマートフォン1におけるチャットシステムのグループチャットに入ることで、共通のグループチャットに属する他のユーザーとチャットを行うことができる。
【0029】
スマートフォン1の表示部13の表示パネルは、ユーザーインターフェイスとしてのメッセージ画面を表示する。
表示部13のタッチセンサーを介して、ユーザーはプリンター5に対する印刷指示を、印刷指示部111に入力する。
【0030】
具体的には、ユーザーは、スマートフォン1のチャットシステムの自身が属するグループチャットへ、印刷しようとする、データ、ファイル、URLの少なくともいずれかを指定して印刷指示部111に印刷指示を入力する。チャットシステムへの入力を投稿ともいう。
印刷指示部111は、入力された印刷指示に基づき、印刷指示JAを生成する。スマートフォン1は、印刷指示JAをSNSサーバー装置2に送信する。印刷指示JAは、印刷指示情報と、上述のデータなどに係る情報を含む。
【0031】
図2に示すように、スマートフォン1とSNSサーバー装置2との間の通信は、SNS-IDを用いて実行される。SNS-IDは、SNSサーバー装置2におけるユーザー識別情報を示す。SNS-IDは、例えば、LINE-IDである。
すなわち、印刷指示JAは、SNS-IDと対応付けてスマートフォン1からSNSサーバー装置2に送信される。
【0032】
SNSサーバー装置2に送信される印刷指示JAには、ユーザーにより入力されたデータ、又は、ファイルが含まれる。印刷指示JAには、URL(Uniform Resource Locator)が含まれていてもよい。これらは、それぞれ、プリンター5によって印刷可能なデータやファイル、又は、それらがダウンロード可能なインターネット上のアドレスなどである。
印刷指示JAに含まれるデータは、例えば、写真等の画像データでもよいし、文書等のテキストデータでもよい。また、印刷指示JAに含まれるファイルの形式は、例えば、PDF(Portable Document Format)型式、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式、TIFF(Tagged Image File Format)形式等でもよい。ファイルの形式は、例えば、テキストファイル形式、表計算に係るファイル形式など、ドキュメント類に用いられる他のファイル形式でもよい。
【0033】
1-3.SNSサーバー装置及び第1サーバー装置の機能構成
SNSサーバー装置2は、インターネット上でSNSを提供することができる。図2に示すように、SNSサーバー装置2のSNS制御部21は、印刷受付部211として機能する。具体的には、SNSサーバー装置2のSNS制御部21のプロセッサーが、制御プログラムを実行することにより、印刷受付部211として機能する。
【0034】
印刷受付部211は、スマートフォン1の印刷指示部111が生成した印刷指示JAを受信し、受信した印刷指示JAを第1サーバー装置3に伝送する。
SNSサーバー装置2は、API(Application Programming Interface)も提供することができる。具体的には、スマートフォン1の端末制御部11が実行するSNSアプリケーションは、SNSサーバー装置2が提供するAPIを介して、第1サーバー装置3と印刷に関する情報の送受信を行うことができる。
【0035】
図2に示すように、第1サーバー装置3の第1制御部31は、印刷伝送部311と通知部312として機能する。具体的には、第1サーバー装置3の第1制御部31のプロセッサーが、制御プログラムを実行することにより、印刷伝送部311、通知部312として機能し、プリンター5への印刷に関して、当該印刷の可否を含めて制御可能である。なお、「印刷に関する」とは、印刷指示又は印刷実行の少なくともいずれかを含む。
【0036】
スマートフォン1から第1サーバー装置3に向けた印刷指示JAなどの指示や、第1サーバー装置3からスマートフォン1に向けた通知については、スマートフォン1及びSNSサーバー装置2が協働して実行するチャットシステムを介して、行うことができる。
なお、これらの指示や通知は、チャットシステムを介在させず、ブラウザーや電子メールを利用して実行されるようにしてもよい。
【0037】
SNSサーバー装置2と第1サーバー装置3との間の通信も、SNS-IDを用いて実行される。具体的には、印刷指示JAは、SNS-IDと関連付けてSNSサーバー装置2から第1サーバー装置3に伝送される。
なお、本実施形態の例では、第1サーバー装置3、第2サーバー装置4、プリンター5の各間の通信は、SNSサーバー装置2が提供するSNSを介在せず、ネットワークNW上の各メールアドレスを用いたメールの送受信により行われる。
【0038】
なお、予め、ユーザーは、スマートフォン1が実行するSNSアプリケーションを利用して、SNS-IDと第2サーバー装置4に対応するメールアドレスとを関連付けて、第1サーバー装置3に登録することができる。
この場合、第1サーバー装置3の第1制御部31のHDD又はメモリーには、SNS-IDと第2サーバー装置4に対応するメールアドレスとが関連付けて記憶される。
【0039】
また、予め、ユーザーは、スマートフォン1が実行するSNSアプリケーションを利用して、SNS-IDと指定したプリンター5に対応するメールアドレスとを関連付けて、第1サーバー装置3に登録することができる。
この場合、第1サーバー装置3の第1制御部31のHDD又はメモリーには、SNS-IDと指定されたプリンター5に対応するメールアドレスとが関連付けて記憶される。
【0040】
また、第1サーバー装置3の通知部312は、印刷指示JAの印刷可否について判断し、その結果を示す通知を生成し、SNSサーバー装置2を介して、スマートフォン1に送信することができる。
スマートフォン1の端末制御部11は、表示部13の表示パネルのメッセージ画面により、通知を表示することができる。具体的には、スマートフォン1は、チャットシステムを利用して、表示部13に通知を表示することができる。
【0041】
第1サーバー装置3の印刷伝送部311は、SNSサーバー装置2から印刷指示JAを受信し、SNS-IDに基づきHDD又はメモリーを参照し、対応するプリンター5のメールアドレスを印刷指示JAに付加する。SNS-IDに対応するプリンター5は、ユーザーにより、予め指定されたプリンター5である。
印刷伝送部311は、プリンター5のメールアドレスが付加された印刷指示JAを、第2サーバー装置4のメールアドレスを用いて、第1サーバー装置3から第2サーバー装置4に伝送する。
【0042】
1-4.第2サーバー装置の機能構成
図2に示すように、第2サーバー装置4の第2制御部41は、取得部411と、ジョブ生成部412と、ジョブ送信部413として機能する。具体的には、第2サーバー装置4の第2制御部41のプロセッサーが、制御プログラムを実行することにより、取得部411、ジョブ生成部412、ジョブ送信部413として機能する。
【0043】
第2サーバー装置4の取得部411は、第1サーバー装置3を介して、SNSから印刷指示JAを取得する。具体的には、取得部411は、スマートフォン1からの印刷指示JAを、SNSサーバー装置2と第1サーバー装置3とを順次経由して取得する。取得部411は、直接的には、SNSサーバー装置2から印刷指示JAを取得する。
換言すれば、「SNSから取得する」は、「SNSサーバー装置2から取得する」ことでもある。
なお、取得部411が取得した印刷指示JAには、指定されたプリンター5のメールアドレスも含まれる。
【0044】
第2サーバー装置4の第2制御部41は、複数のプリンター5を管理することが可能である。この場合、第2制御部41のメモリーは、例えば、各プリンター5のプリンター情報である、機種名、シリアルナンバー、ID、メールアドレス等をそれぞれ関連付けて、記憶することができる。
また、第2制御部41のメモリーには、これらに関連付けられて、各プリンター5のドライバーがインストールされている。
【0045】
第2サーバー装置4のジョブ生成部412は、印刷指示JAに含まれる指定されたプリンター5のメールアドレスに基づき、第2制御部41のメモリーを参照して、メールアドレスに対応するプリンター5のドライバーを実行することができる。
ジョブ生成部412は、印刷指示JAに基づき、指定されたプリンター5のドライバーを実行し、印刷ジョブを生成することができる。
ジョブ送信部413は、印刷指示JAとして、ジョブ生成部412が生成した印刷ジョブを、指定されたプリンター5のメールアドレスに送信する。
【0046】
なお、第1サーバー装置3の第1制御部31は、上述の第2サーバー装置4の取得部411と、ジョブ生成部412と、ジョブ送信部413との機能を含めるようにしてもよい。
この場合、第1サーバー装置3は、上述の第2サーバー装置4を含めることができる。すなわち、印刷制御システム10は、第2サーバー装置4を除き、スマートフォン1と、SNSサーバー装置2と、第1サーバー装置3とを含む構成とすることもできる。
【0047】
1-5.プリンターの機能構成
図2に示すように、プリンター5のプリンター制御部51は、ジョブ実行部511として機能する。具体的には、プリンター5のプリンター制御部51のプロセッサーが、制御プログラムを実行することにより、ジョブ実行部511として機能する。
【0048】
ジョブ実行部511は、ジョブ送信部413から送信された印刷指示JAである印刷ジョブを実行し、印刷することができる。
【0049】
2.第1サーバー装置の制御方法
2-1.第1実施形態
図3に示すように、スマートフォン1からSNSサーバー装置2に、1回目の第1印刷指示JA1が送信された後、所定時間以上経過後に、2回目の第2印刷指示JA2が送信された第1実施形態について説明する。なお、図3図4図6図7において、第1印刷指示JA1及び第2印刷指示JA2を、単に「印刷指示JA1」及び「印刷指示JA2」として示す。
まず、印刷制御システム10における、1回目の印刷指示JA1の処理について説明する。
【0050】
ユーザーは、スマートフォン1において、SNSサーバー装置2が提供するSNSのチャットシステムにより、印刷したい第1データ、第1ファイル、第1URLなどを指定して、表示部13から印刷指示を入力する。
スマートフォン1の端末制御部11は、表示部13から入力された1回目の印刷指示に基づき、第1データ、第1ファイル、第1URLなどのいずれかを含む1回目の第1印刷指示JA1を生成し、SNS-IDと対応付けて、端末通信部12により、SNSサーバー装置2へ送信する(S100)。
【0051】
SNSサーバー装置2のSNS制御部21は、SNS通信部22により、スマートフォン1から第1印刷指示JA1を受信し、SNS-IDと対応付けて、第1サーバー装置3へ送信する(S101)。
なお、第1サーバー装置3の第1通信部32は、SNSサーバー装置2を介し、チャットシステムを利用して、スマートフォン1と通信可能である。
【0052】
第1サーバー装置3の第1制御部31は、第1通信部32により、SNSサーバー装置2から第1印刷指示JA1を受信し、登録された第2サーバー装置4のメールアドレスを用いて、第2サーバー装置4へ送信する(S102)。
なお、第1サーバー装置3の第1通信部32は、第2サーバー装置4を介し、プリンター5と通信する場合、チャットシステムを利用せず、メールアドレスを利用して通信可能である。
【0053】
第1サーバー装置3の第1制御部31は、登録されたSNS-IDに対応する指定されたプリンター5のメールアドレスを、第1印刷指示JAに付加する。
また、第1制御部31は、SNSサーバー装置2から第1印刷指示JA1を受信したとき、受信した時刻である第1時刻、第1印刷指示JA1に含まれる第1データ、第1ファイル、第1URLなどに係る情報を取得し、登録する(S103)。
【0054】
この後、図3では省略しているが、第2サーバー装置4の第2制御部41は、第2通信部42により、第1サーバー装置3から第1印刷指示JA1を受信し、付加されたプリンター5のメールアドレスを用いて、第1印刷ジョブを生成し、第1印刷指示JA1として、指定されたプリンター5へ送信する。
そして、プリンター5のプリンター制御部51は、プリンター通信部52により、第2サーバー装置4から第1印刷指示JA1を受信し、第1印刷ジョブの印刷を行う。
【0055】
また、図3では省略しているが、第1サーバー装置3の第1制御部31は、第1印刷指示JA1を受け付けると、第1制御部31である通知部312は、受け付けた旨の情報を含む第1通知を生成し、第1通信部32により、SNSサーバー装置2へ送信する。
SNSサーバー装置2のSNS制御部21は、SNS通信部22により、第1サーバー装置3から受信した第1通知を、スマートフォン1へ送信する。
第1制御部31である通知部312は、受け付けた旨の情報を含む第1通知を生成し、第1通信部32により、SNSサーバー装置2へ送信する。
このように、第1サーバー装置3の第1制御部31は、第1通信部32により、SNSサーバー装置2を介して、第1通知を、スマートフォン1へ送信する。
【0056】
スマートフォン1の端末制御部11は、端末通信部12により、SNSサーバー装置2から第1通知を受信する。
スマートフォン1は、SNSサーバー装置2が提供するSNSのチャットシステムにより、表示部13に第1通知を表示することができる。ユーザーは、スマートフォン1の表示部13に表示された第1通知を視認し、第1印刷指示JA1が受け付けられ、印刷されたことがわかる。
【0057】
2回目の第2印刷指示JA2の処理について、第1サーバー装置3に係る第1実施形態として、処理100を中心に説明する。なお、印刷制御システム10における、第2印刷指示JA2の処理において、上述の第1印刷指示JA1の処理と同様の部分については、一部の説明を省略する。
【0058】
スマートフォン1の端末制御部11は、表示部13から入力された2回目の印刷指示に基づき、第2データ、第2ファイル、第2URLなどのいずれかを含む2回目の第2印刷指示JA2を生成し、端末通信部12により、SNSサーバー装置2へ送信する(S104)。
SNSサーバー装置2のSNS制御部21は、SNS通信部22により、スマートフォン1から第2印刷指示JA2を受信し、SNS-IDと対応付けて、第1サーバー装置3へ送信する(S105)。
【0059】
第1サーバー装置3の第1制御部31は、SNSサーバー装置2から第2印刷指示JA2を受信する。以下、第1サーバー装置3の第1制御部31が実行する処理100について説明する。
第1制御部31は、SNSサーバー装置2から第2印刷指示JA2を受信すると、受信した第2時刻、第2印刷指示JA2に含まれる第2データ、第2ファイル、第2URLなどに係る情報を取得する。
【0060】
すなわち、第1サーバー装置3の第1通信部32は、第1時刻に1回目の第1印刷指示JA1を受信した後、第2時刻に2回目の第2印刷指示JA2を受信する。
第1サーバー装置3の第1制御部31は、第1時刻から第2時刻までの時間を算出し、この時間が所定時間以上であると判断した場合には、第2印刷指示JA2に基づくプリンター5への印刷の実行を可とする。なお、第1制御部31による指定されたプリンター5への印刷の実行の可否を、単に印刷の可否ともいう。第1制御部31は、プリンター5に対する印刷の可否を制御可能である。
すなわち、第1制御部31は、第2時刻が、第1時刻から所定時間以上経過した時刻であると判断した場合(S106)には、プリンター5への印刷を実行させると判断する。なお、所定時間は、例えば、0.1秒~60秒の任意の時間でもよい。
【0061】
第1サーバー装置3の第1制御部31は、第2印刷指示JA2に基づくプリンター5への印刷の実行を可とすると、上述の第1印刷指示JA1の場合と同様に処理する。
すなわち、第1制御部31は、第2印刷指示JA2を第2サーバー装置4へ送信する(S107)。
第2サーバー装置4は、第2印刷指示JA2を受信して印刷ジョブを生成し、プリンター5へ送信する。プリンター5は、第2サーバー装置4から第2印刷指示JA2である印刷ジョブを受信し、印刷を行う。
【0062】
第1サーバー装置3の第1制御部31は、第2印刷指示JA2を受信したときの時刻である第2時刻、第2印刷指示JA2に含まれる第2データ、第2ファイル、第2URLなどに係る情報を登録する(S108)。
なお、第1制御部31は、第2印刷指示JA2を受信したときに、これらの登録を実行してもよい。
【0063】
また、図3では省略しているが、第1サーバー装置3の第1制御部31は、第2印刷指示JA2に基づくプリンター5への印刷の実行を可と判断すると、第1印刷指示JA1の場合と同様に、通知部312は第1通知を生成し、SNSサーバー装置2へ送信する。SNSサーバー装置2は、第1サーバー装置3から受信した第1通知をスマートフォン1へ送信する。このように、第1制御部31は、プリンター5に対する印刷の可否を制御可能である。
スマートフォン1は、SNSサーバー装置2から第1通知を受信すると、チャットシステムにより、表示部13に第1通知を表示することができる。
【0064】
2-2.第2実施形態
図4に示すように、スマートフォン1からSNSサーバー装置2に、1回目の第1印刷指示JA1が送信された後、所定時間未満経過後に、2回目の第2印刷指示JA2が送信された場合について説明する。
2回目の第2印刷指示JA2の処理について、第1サーバー装置3に係る第2実施形態として、処理200を中心に説明する。
【0065】
なお、印刷制御システム10における、1回目の第1印刷指示JA1の処理については、上述の第1実施形態の場合と同様であるので、図4において図3と同様の符号を付して、説明を省略する。
また、印刷制御システム10における、2回目の第2印刷指示JA2の処理について、上述の第1実施形態の場合と同様の部分については、図4において図3と同様の符号を付して、説明を省略する。また、他についても、上述の第1実施形態の場合と同様の部分については、一部の説明を省略する。
【0066】
SNSサーバー装置2は、スマートフォン1から第2印刷指示JA2を受信し、第1サーバー装置3へ送信する(S105)。
第1サーバー装置3は、SNSサーバー装置2から2回目の第2印刷指示JA2を受信すると、受信した第2時刻、第2印刷指示JA2に含まれる第2データ、第2ファイル、第2URLなどに係る情報を取得する。
【0067】
第1サーバー装置3の第1制御部31は、第1時刻から第2時刻までの時間を算出し、この時間が所定時間未満であると判断した場合には、第2印刷指示JA2に基づくプリンター5への印刷の実行を否とする。
すなわち、第1制御部31は、第2時刻が、第1時刻から所定時間未満しか経過していない時刻であると判断した場合(S200)には、プリンター5への印刷を実行させないと判断する。
SNSサーバー装置2は、スマートフォン1から、所定時間の間に、印刷指示を繰り返し受信する場合がある。このような場合であっても、第1サーバー装置3は、ユーザーが意図しない印刷を実行しないようにすることができる。
【0068】
第1サーバー装置3の第1制御部31は、第2印刷指示JA2に基づくプリンター5への印刷の実行を否と判断すると、第1制御部31である通知部312は、エラーなどの情報を含む第2通知を生成し、第1通信部32により、SNSサーバー装置2へ送信する(S201)。なお、図4図6図7において、第2通知を単に「通知」として示す。
第2通知は、第2印刷指示JA2に基づくプリンター5への印刷の実行を否とした旨の情報を含んでいてもよい。なお、第1制御部31は、第2印刷指示JA2を第2サーバー装置4へ送信しない。
このように、第1制御部31は、プリンター5に対する印刷の可否を制御可能である。
【0069】
SNSサーバー装置2のSNS制御部21は、SNS通信部22により、第1サーバー装置3から受信した第2通知をスマートフォン1へ送信する(S202)。
このように、第1サーバー装置3の第1制御部31は、第1通信部32により、SNSサーバー装置2を介して、第2通知を、スマートフォン1へ送信する。
【0070】
スマートフォン1の端末制御部11は、端末通信部12により、SNSサーバー装置2から第2通知を受信する。
スマートフォン1は、SNSサーバー装置2が提供するSNSのチャットシステムにより、表示部13に第2通知を表示することができる。ユーザーは、スマートフォン1の表示部13に表示された第2通知を視認し、第2印刷指示JA2がエラーとなり、印刷されなかったことがわかる。
【0071】
図5に、スマートフォン1の表示部13に表示されたチャットシステムのメッセージ画面600の例を示す。
メッセージ画面600の右には、第1印刷指示JA1に対応する、入力された第1URLを示す「URL」の表示601が表示される。その下には、第2印刷指示JA2に対応する、入力された第2ファイルを示す「File」の表示602が表示される。
【0072】
メッセージ画面600の左には、第1サーバー装置3が第1印刷指示JA1を受け付けた旨の第1通知を示す「受付完了」の表示611が表示される。その下には、第1サーバー装置3が第2印刷指示JA2に基づくプリンター5への印刷の実行を否とした旨の第2通知を示す「エラー」の表示612が表示される。第1通知を示す「受付完了」の表示611と、第2通知を示す「エラー」の表示612は、並列して表示される。
ユーザーは、「受付完了」の表示611により、1回目の第1印刷指示JA1に対する印刷が実行されたことがわかり、「エラー」の表示612により、2回目の第2印刷指示JA2に対する印刷が実行されなかったことがわかる。
【0073】
2-3.第3実施形態
図6に示すように、スマートフォン1からSNSサーバー装置2に、1回目の第1印刷指示JA1が送信された後、所定時間未満経過後に、2回目の第2印刷指示JA2が送信されたとする。
そして、2回目の第2印刷指示JA2に含まれる第2ファイル又は第2データが、1回目の第1印刷指示JA1に含まれる第1ファイル又は第1データと同一の場合について、第1サーバー装置3に係る第3実施形態として、処理300を中心に説明する。
また、上述の第2実施形態のときの説明のように、重複する部分については、一部の説明を省略する。
【0074】
第1サーバー装置3は、SNSサーバー装置2から1回目の第1印刷指示JA1を受信し、受信した第1時刻、第1印刷指示JA1に含まれる第1ファイル又は第1データに係る情報を取得し、登録するものとする(S103)。
SNSサーバー装置2は、スマートフォン1から2回目の第2印刷指示JA2を受信し、第1サーバー装置3へ送信する(S105)。
第1サーバー装置3は、SNSサーバー装置2から第2印刷指示JA2を受信すると、受信した第2時刻、第2印刷指示JA2に含まれる第2ファイル又は第2データに係る情報を取得する。
【0075】
第1サーバー装置3の第1制御部31は、第1時刻から第2時刻までの時間を算出し、この時間が所定時間未満であると判断する。すなわち、第1制御部31は、第2時刻が、第1時刻から所定時間未満しか経過していない時刻であると判断する(S300)。
さらに、第1制御部31は、第1印刷指示JA1に含まれる第1ファイル又は第1データと、第2印刷指示JA2に含まれる第2ファイル又は第2データとを比較する。
なお、2回目の第2印刷指示JA2は、1回目の第1印刷指示JA1の直後の印刷指示JAであり、第1制御部31は、直近の2つの印刷指示JAを比較することとなる。
【0076】
第1制御部31は、第1ファイルと第2ファイルとが同一ファイルである、又は、第1データと第2データとが同一データであると判断すると(S301)、第2印刷指示JA2のプリンター5への印刷を実行させないと判断する。なお、図6では、同一データの判断については、省略して示している。
第1制御部31は、第1ファイル及び第2ファイルに対して、データが同一であるか、ファイル名が同一であるか、ファイルサイズが同一であるか、タイムスタンプが同一であるかの少なくともいずれかが同一である場合、ファイルが同一であるかを判断することができる。第1制御部31は、これらの組み合わせにより、第1ファイル及び第2ファイルが同一であるかを判断してもよい。
【0077】
このように、第1サーバー装置3の第1制御部31は、第2印刷指示JA2に基づくプリンター5への印刷の実行を否と判断すると、通知部312はエラーなどを示す第2通知を生成し、SNSサーバー装置2へ送信する(S302)。なお、第1制御部31は、第2印刷指示JA2を第2サーバー装置4へ送信しない。このように、第1制御部31は、プリンター5に対する印刷の可否を制御可能である。
SNSサーバー装置2は、第1サーバー装置3から受信した第2通知をスマートフォン1へ送信する(S303)。
【0078】
スマートフォン1は、SNSサーバー装置2から第2通知を受信し、チャットシステムにより、表示部13に第2通知を表示する。ユーザーは、スマートフォン1の表示部13に表示された第2通知を視認し、2回目の第2印刷指示JA2がエラーとなり、印刷されなかったことがわかる。
SNSサーバー装置2は、スマートフォン1から、所定時間の間に、同じ内容の印刷指示を繰り返し受信する場合がある。このような場合であっても、第1サーバー装置3は、ユーザーが意図しない印刷を実行しないようにすることができる。
【0079】
2-4.第4実施形態
図7に示すように、スマートフォン1からSNSサーバー装置2に、1回目の第1印刷指示JA1が送信された後、所定時間未満経過後に、2回目の第2印刷指示JA2が送信されたとする。
そして、2回目の第2印刷指示JA2に含まれる第2ファイルの第2ファイル形式が、1回目の第1印刷指示JA1に含まれる第1ファイルの第1ファイル形式と異なる場合について、第1サーバー装置3に係る第4実施形態として、処理400を中心に説明する。
また、上述の第3実施形態のときの説明のように、重複する部分については、一部の説明を省略する。
【0080】
第1サーバー装置3は、SNSサーバー装置2から1回目の第1印刷指示JA1を受信し、受信した第1時刻、第1印刷指示JA1に含まれる第1ファイルに係る情報である第1ファイル形式を取得し、登録するものとする(S103)。
SNSサーバー装置2は、スマートフォン1から2回目の第2印刷指示JA2を受信し、第1サーバー装置3へ送信する(S105)。
第1サーバー装置3は、SNSサーバー装置2から第2印刷指示JA2を受信すると、受信した第2時刻、第2印刷指示JA2に含まれる第2ファイルに係る情報である第2ファイル形式を取得する。
【0081】
第1サーバー装置3の第1制御部31は、第1時刻から第2時刻までの時間を算出し、この時間が所定時間未満であると判断する。すなわち、第1制御部31は、第2時刻が、第1時刻から所定時間未満しか経過していない時刻であると判断する(S400)。
さらに、第1制御部31は、第1印刷指示JA1に含まれる第1ファイル形式と、第2印刷指示JA2に含まれる第2ファイル形式とを比較する。
【0082】
第1制御部31は、第1ファイル形式と第2ファイル形式とが異なるファイル形式であると判断すると(S401)、第2印刷指示JA2のプリンター5への印刷を実行させないと判断する。
例えば、第1制御部31は、第1ファイル形式がPDF形式である一方、第2ファイル形式がJPEG形式である場合、ファイル形式が異なると判断する。また、第1制御部31は、例えばURLもファイル形式とすることができ、第1ファイル形式がPDF形式である一方、第2ファイル形式が第2URLである場合、ファイル形式が異なると判断することもできる。
SNSサーバー装置2は、スマートフォン1から、所定時間の間に、ファイル形式は異なるが同じ内容の印刷指示を繰り返し受信する場合がある。このような場合であっても、第1サーバー装置3は、ユーザーが意図しない印刷を実行しないようにすることができる。
【0083】
このように、第1サーバー装置3の第1制御部31は、第2印刷指示JA2に基づくプリンター5への印刷の実行を否と判断すると、通知部312はエラーなどを示す第2通知を生成し、SNSサーバー装置2へ送信する(S402)。なお、第1制御部31は、第2印刷指示JA2を第2サーバー装置4へ送信しない。このように、第1制御部31は、プリンター5に対する印刷の可否を制御可能である。
SNSサーバー装置2は、第1サーバー装置3から受信した第2通知をスマートフォン1へ送信する(S403)。
【0084】
スマートフォン1は、SNSサーバー装置2から第2通知を受信し、チャットシステムにより、表示部13に第2通知を表示する。ユーザーは、スマートフォン1の表示部13に表示された第2通知を視認し、2回目の第2印刷指示JA2がエラーとなり、印刷されなかったことがわかる。
【0085】
上述のように、第1サーバー装置3は、SNSを提供するSNSサーバー装置2を介して、スマートフォン1と通信可能な第1通信部32と、プリンター5に対する印刷の実行の可否を制御可能な第1制御部31と、を備える。そして、第1制御部31は、第1通信部32により、第1時刻に第1印刷指示JA1を受信した後、第2時刻に第2印刷指示JA2を受信し、第1時刻から第2時刻までの時間が、所定時間未満であると判断した場合には、第2印刷指示JA2に基づくプリンター5への印刷の実行を否とする。
【0086】
SNSサーバー装置2は、スマートフォン1から、所定時間の間に、印刷指示を繰り返し受信する場合であっても、第1サーバー装置3は、ユーザーが意図しない印刷を実行しないようにすることができ、利便性を向上させることができる。
【0087】
以上、本実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成などはこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
例えば、上述の1回目の第1印刷指示JA1、及び、2回目の第2印刷指示JA2は、nを任意の自然数とし、n回目の第n印刷指示JAn、及び、(n+1)回目の第(n+1)印刷指示JA(n+1)として、適応することができる。
【符号の説明】
【0088】
1…スマートフォン、2…SNSサーバー装置、3…第1サーバー装置、4…第2サーバー装置、5…プリンター、10…印刷制御システム、11…端末制御部、12…端末通信部、13…表示部、21…SNS制御部、22…SNS通信部、31…第1制御部、32…第1通信部、41…第2制御部、42…第2通信部、51…プリンター制御部、52…プリンター通信部、111…印刷指示部、211…印刷受付部、311…印刷伝送部、312…通知部、411…取得部、412…ジョブ生成部、413…ジョブ送信部、511…ジョブ実行部、600…メッセージ画面、JA…印刷指示、JA1…第1印刷指示、JA2…第2印刷指示、NW…ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7