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特開2024-131429メンテナンスユニット、及び液体吐出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131429
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】メンテナンスユニット、及び液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/17 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B41J2/17 207
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041684
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 悠
(72)【発明者】
【氏名】田中 耕治
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EC03
2C056EC15
2C056EC29
2C056EC54
2C056FA13
2C056FD20
2C056HA44
2C056JC11
2C056JC23
(57)【要約】
【課題】吐出部から廃液として排出される液体を受容する吸収部材が吐出部に接近する方向に浮き上がる虞がある。
【解決手段】メンテナンスユニット17は、処理によって硬化する液体を媒体99に吐出可能な吐出部14から廃液として排出される液体を受容可能であり、液体を吸収可能な帯状の吸収部材25であって、受容領域FAで液体を受容可能な吸収部材25と、吸収部材25を送り方向に搬送可能な回転体26,27と、送り方向において、受容領域FAよりも下流に設けられ、吸収部材25が巻き掛けられるガイドローラー37と、送り方向において受容領域FAとガイドローラー37の中心軸との間に位置する吸収部材25の、吐出部14側に設けられる第1規制部SP1と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理によって硬化する液体を媒体に吐出可能な吐出部から廃液として排出される前記液体を受容可能なメンテナンスユニットであって、
前記液体を吸収可能な帯状の吸収部材であって、受容領域で前記液体を受容可能な前記吸収部材と、
前記吸収部材を送り方向に搬送可能な搬送部と、
前記送り方向において、前記受容領域よりも下流に設けられ、前記吸収部材が巻き掛けられる下流ローラーと、
前記送り方向において前記受容領域と前記下流ローラーの中心軸との間に位置する前記吸収部材の、前記吐出部側に設けられる第1規制部と、
を備える、
ことを特徴とするメンテナンスユニット。
【請求項2】
前記第1規制部は、前記送り方向において、前記受容領域よりも前記下流ローラーに近い位置に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のメンテナンスユニット。
【請求項3】
前記受容領域を正面視した場合に、前記第1規制部は少なくとも一部が前記下流ローラーと重なる位置に配置される、
ことを特徴とする請求項2に記載のメンテナンスユニット。
【請求項4】
前記吸収部材は、前記下流ローラーに対して鋭角に巻き掛けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のメンテナンスユニット。
【請求項5】
前記送り方向において、前記受容領域よりも上流に設けられ、前記吸収部材が巻き掛けられる上流ローラーと、
前記送り方向において前記受容領域と前記上流ローラーの中心軸との間に位置する前記吸収部材の、前記吐出部側に設けられる第2規制部と、
を更に備え、
前記搬送部は、前記送り方向とは逆の戻し方向に前記吸収部材を搬送可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載のメンテナンスユニット。
【請求項6】
前記第2規制部は、前記送り方向において、前記受容領域よりも前記上流ローラーに近い位置に配置される、
ことを特徴とする請求項5に記載のメンテナンスユニット。
【請求項7】
前記受容領域を正面視した場合に、前記第2規制部は少なくとも一部が前記上流ローラーと重なる位置に配置される、
ことを特徴とする請求項6に記載のメンテナンスユニット。
【請求項8】
前記吸収部材は、前記上流ローラーに対して鋭角に巻き掛けられる、
ことを特徴とする請求項5に記載のメンテナンスユニット。
【請求項9】
前記吸収部材には、前記受容領域とは異なる領域に、前記吐出部を払拭可能な払拭領域が設けられる、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のうち何れか一項に記載のメンテナンスユニット。
【請求項10】
処理によって硬化する液体を媒体に吐出可能な吐出部と、
前記吐出部から廃液として排出される前記液体を受容可能なメンテナンスユニットと、
第1規制部と、
を備え、
前記メンテナンスユニットは、
前記液体を吸収可能な帯状の吸収部材であって、受容領域で前記液体を受容可能な前記吸収部材と、
前記吸収部材を送り方向に搬送可能な搬送部と、
前記送り方向において、前記受容領域よりも下流に設けられ、前記吸収部材が巻き掛けられる下流ローラーと、
を有し、
前記第1規制部は、前記送り方向において前記受容領域と前記下流ローラーの中心軸との間に位置する前記吸収部材の、前記吐出部側に設けられる、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項11】
第2規制部をさらに備え、
前記メンテナンスユニットは、
前記送り方向において、前記吸収部材の前記液体を受容する前記受容領域よりも上流に設けられ、前記吸収部材が巻き掛けられる上流ローラーを有し、
前記搬送部は、前記送り方向とは逆の戻し方向に前記吸収部材を搬送可能であり、
前記第2規制部は、前記送り方向において前記受容領域と前記上流ローラーの中心軸との間に位置する前記吸収部材の、前記吐出部側に設けられる、
ことを特徴とする請求項10に記載の液体吐出装置。
【請求項12】
前記メンテナンスユニットは、
前記吸収部材の前記受容領域とは異なる領域に、前記吐出部を払拭可能な払拭領域を有する、
ことを特徴とする請求項10に記載の液体吐出装置。
【請求項13】
前記液体は、前記処理として行われる紫外線の照射によって硬化する、
ことを特徴とする請求項10から請求項12のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項14】
前記液体は、前記処理として行われる反応液の供給によって硬化する、
ことを特徴とする請求項10から請求項12のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項15】
前記液体は、前記処理として行われる加熱によって硬化する、
ことを特徴とする請求項10から請求項12のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項16】
前記第1規制部は、前記メンテナンスユニットに設けられる、
ことを特徴とする請求項10に記載の液体吐出装置。
【請求項17】
前記第2規制部は、前記メンテナンスユニットに設けられる、
ことを特徴とする請求項11に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、メンテナンスユニット、及び液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体を噴射するヘッドと、液体にエネルギーを与えることによって液体を硬化させる硬化部と、液体を廃液として回収する廃液回収部と、を備える液体噴射装置が開示されている。ヘッドは吐出部の一例であり、硬化部は処理部の一例である。液体噴射装置は液体吐出装置の一例であり、廃液回収部はメンテナンスユニットの一例である。廃液回収部は、ヘッドのメンテナンスにおいて、ヘッドから排出される液体を受ける帯状の吸収体と、未使用の吸収体を保持する第1回転軸と、使用済の吸収体を保持する第2回転軸と、を有する。また、廃液回収部は、ヘッドのメンテナンスにおいて、帯状の吸収体の内、2つのガイドローラーの間に巻き掛けられた部分に、ヘッドから排出される液体を受ける。そして、硬化部は、吸収体の内、液体を受けた吸収部分に、エネルギーを与えることによって吸収部分の液体を硬化させる。そして、廃液回収部は、液体が硬化した吸収部分を第2回転軸に巻き取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-119307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される廃液回収部では、吸収体の回転軸への巻き取りにおいて、液体が硬化した吸収部分がガイドローラーを通過するとき、ガイドローラーの周面に沿わない虞がある。その結果、吸収体のうち2つのガイドローラーの間に巻き掛けられた部分がヘッドに接近する方向に浮き上がる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
メンテナンスユニットは、処理によって硬化する液体を媒体に吐出可能な吐出部から廃液として排出される前記液体を受容可能なメンテナンスユニットであって、前記液体を吸収可能な帯状の吸収部材であって、受容領域で前記液体を受容可能な前記吸収部材と、前記吸収部材を送り方向に搬送可能な搬送部と、前記送り方向において、前記受容領域よりも下流に設けられ、前記吸収部材が巻き掛けられる下流ローラーと、前記送り方向において前記受容領域と前記下流ローラーの中心軸との間に位置する前記吸収部材の、前記吐出部側に設けられる第1規制部と、を備える。
【0006】
液体吐出装置は、処理によって硬化する液体を媒体に吐出可能な吐出部と、前記吐出部から廃液として排出される前記液体を受容可能なメンテナンスユニットと、第1規制部と、を備え、前記メンテナンスユニットは、前記液体を吸収可能な帯状の吸収部材であって、受容領域で前記液体を受容可能な前記吸収部材と、前記吸収部材を送り方向に搬送可能な搬送部と、前記送り方向において、前記受容領域よりも下流に設けられ、前記吸収部材が巻き掛けられる下流ローラーと、を有し、前記第1規制部は、前記送り方向において前記受容領域と前記下流ローラーの中心軸との間に位置する前記吸収部材の、前記吐出部側に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】液体吐出装置の一実施形態を示す模式正面図。
図2】液体吐出装置の模式側面図。
図3図2に示す状態から吐出部のメンテナンスを複数回実行したときの液体吐出装置の模式側面図。
図4】吐出部のメンテナンスに伴う廃液収集処理の一例を示すフローチャート。
図5】メンテナンスユニットを示す斜視図。
図6】メンテナンスユニットを示す上面図。
図7】メンテナンスユニットの他の実施形態を示す模式側面図。
図8】メンテナンスユニットの他の実施形態を示す模式側面図。
図9図8に示したS9-S9断面を示す断面図。
図10】メンテナンスユニットの他の実施形態を示す模式側面図。
図11】規制部を備えない液体吐出装置を示す模式側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示を実施形態に基づいて説明する。各図において同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、「同じ」、「同一」、「同時」とは、完全に同じであることを指すのみならず、測定誤差を考慮して同じである場合、部材の製造ばらつきを考慮して同じである場合、および、機能を損なわない範囲で同じである場合を含むものとする。よって、例えば、「両者の寸法が同じである」とは、測定誤差、部材の製造ばらつきを考慮し、両者の寸法差が、一方の寸法の±10パーセント以内、さらに好ましくは±5パーセント以内、特に好ましくは±3パーセント以内であることを指す。
【0009】
また、各図においてX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向とする。向きを特定する場合には、正の方向を「+」、負の方向を「-」として、方向表記に正負の符合を併用し、各図の矢印が向かう向きを+方向、矢印の反対方向を-方向として説明する。
【0010】
また、Z軸方向は、重力方向を示し、+Z方向は鉛直下向き、-Z方向は鉛直上向きを示す。また、X軸,Y軸を含む平面をX-Y面、X軸,Z軸を含む平面をX-Z面、Y軸,Z軸を含む平面をY-Z面として説明する。また、X-Y面は水平面となる。さらに、正方向及び負方向を限定しない3つのX、Y、Zの空間軸については、X軸、Y軸、Z軸として説明する。
【0011】
尚、各図においてX軸方向は後述する液体吐出装置11における筐体12の幅方向であり、吸収部材25が搬送される送り方向と交差する方向、即ち吸収部材25の幅方向でもある。X軸方向のうち-X方向は筐体12の前面をユーザーと対面させた際にユーザーから見て右方向となり、また+X方向は同左方向となる。本実施形態において筐体12の周囲を構成する側面のうちメンテナンスユニット17が着脱される側面が筐体12の前面となる。
【0012】
Y軸方向は筐体12の奥行き方向である。Y軸方向のうち-Y方向は筐体12の前面から筐体12の背面に向かう方向である。またY軸方向のうち+Y方向は筐体12の背面から筐体12の前面に向かう方向である。
【0013】
1.実施形態1
液体吐出装置11は、例えば、用紙、布帛などの媒体99に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を記録するインクジェット式のプリンターである。
【0014】
図1に示すように、液体吐出装置11は、筐体12と、支持部13と、吐出部14と、キャリッジ19と、液体収容部21と、昇温部22と、処理部15と、制御部16と、メンテナンスユニット17と、規制部SPと、を備える。
【0015】
筐体12は、液体吐出装置11が備える各種構成を収容する。
【0016】
支持部13は、媒体99を支持するように構成される。支持部13は、媒体99を支持する。支持部13は、筐体12に、筐体12の+Y方向側となる載置位置と、筐体12内に位置する記録位置と、の間をY軸方向に沿って移動可能に設けられる。載置位置は、媒体99を載置する位置である。記録位置は、支持部13に支持される媒体99に対して吐出部14が記録を行う位置である。
【0017】
吐出部14は、液体を吐出するように構成される。吐出部14は、液体を吐出する1以上のノズル18を有する。吐出部14は、記録位置において、支持部13に支持される媒体99にノズル18から液体を吐出することによって、媒体99に画像を記録する。
【0018】
吐出部14は、複数のノズル18によって構成されるノズル群NRを複数有してもよい。吐出部14は、各ノズル群NRから種類の異なる液体を吐出するように構成されてもよい。複数のノズル群NRどうしは、X軸方向に間隔を置いて配置されてもよい。また、ノズル群NRを構成する複数のノズル18は、Y軸方向に間隔を置いて並び、ノズル列を形成してもよい。
【0019】
キャリッジ19は、吐出部14を搭載する。媒体99に対してキャリッジ19がX軸方向に走査することによって、吐出部14が媒体99に画像を記録する。本実施形態では、キャリッジ19は、媒体99に対して走査するうえに、Y軸方向にも移動するように構成される。すなわち、液体吐出装置11は、所謂ラテラルプリンターである。液体吐出装置11は、媒体99に対して走査するシリアルプリンターでもよいし、媒体99の幅に亘って一斉に液体を吐出可能なラインプリンターでもよい。
【0020】
液体収容部21は、液体を収容するように構成される。液体収容部21は、例えば、キャリッジ19に搭載される。液体収容部21は、吐出部14と接続される。これにより、液体収容部21に収容される液体は吐出部14に供給される。
【0021】
昇温部22は、液体を昇温させるように構成される。昇温部22は、例えば、発熱素子を含む。昇温部22は、例えば、電圧が印加されることによって、発熱する。昇温部22は、例えば、キャリッジ19に搭載される。昇温部22は、例えば、液体収容部21に収容される液体を昇温させる。
【0022】
昇温部22は、吐出部14が液体を吐出するにあたってその液体を適切な粘度にするために、液体を昇温する。液体の温度が低い場合、その液体の粘度が高くなる。この場合、吐出部14は、液体を適切に吐出できない。そのため、昇温部22が液体を昇温させている間、液体吐出装置11は正常に記録できない。昇温部22は、例えば、液体吐出装置11の電源が投入されると、液体を昇温させる。昇温部22は、液体を適切な温度まで昇温すると、液体の温度を維持するように駆動する。
【0023】
処理部15は、液体にエネルギーを与えることによって、その液体を硬化させるように構成される。処理部15は、エネルギーとして、例えば、光エネルギー、熱エネルギー、電気エネルギーなどを放出するように構成される。処理部15は、例えば、電圧が印加されることによって、エネルギーを放出する。液体の性質に合わせたエネルギーを処理部15が液体に与えることによって、液体の硬化が促進される。
【0024】
本実施形態では、処理部15は、光エネルギーの一例として、紫外線、所謂UV光を液体に照射するように構成される。そのため、本実施形態の処理部15は、例えば発光素子を含む。本実施形態において、吐出部14が吐出する液体は、処理として行われる紫外線の照射によって硬化する。本実施形態では、吐出部14が吐出する液体は、例えば、紫外線硬化型インク、所謂UVインクである。紫外線硬化型インクは、インクの一例であり、液体の一例である。
【0025】
吐出部14が吐出する液体は、熱硬化性樹脂を含む液体、例えば、熱硬化型インクであってもよい。熱硬化型インクは、インクの一例であり、液体の一例である。熱硬化型インクは、処理として行われる加熱によって硬化する。この場合、処理部15は、例えば、赤外線を液体に与えてもよいし、輻射熱を液体に与えてもよいし、マイクロ波を液体に与えてもよい。
【0026】
処理部15は、例えば、キャリッジ19に搭載される。処理部15は、吐出部14とX軸方向に並んでキャリッジ19に搭載される。本実施形態では、処理部15は吐出部14の-X方向側に配置される。処理部15は、吐出部14とY軸方向に並んでキャリッジ19に搭載されてもよい。この場合、例えば、図8に示すように、処理部15は吐出部14の+Y方向側に配置されてもよい。処理部15は、キャリッジ19が移動しながら、媒体99に吐出された液体にエネルギーを与えることによって、液体を媒体99に定着させる。
【0027】
制御部16は、例えば、液体吐出装置11を統括的に制御する。制御部16は、例えば、吐出部14、後述するメンテナンスユニット17、キャリッジ19、及び昇温部22を制御する。制御部16は、1つ以上のプロセッサー、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいはそれらの組合せ、を含む回路として構成し得る。プロセッサーは、コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含む。メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0028】
メンテナンスユニット17は、装着部41に、筐体12の前面となる+Y方向側から着脱可能に設けられる。装着部41は、筐体12において、支持部13の-X方向側に隣り合う位置に設けられる。装着部41に装着されるメンテナンスユニット17は、支持部13の-X方向側に隣り合う位置に位置する。
【0029】
メンテナンスユニット17は、吐出部14から排出される液体を廃液として受容するように構成される。廃液とは、媒体99に記録される画像に寄与しない液体である。廃液は、例えば、吐出部14のメンテナンスによって発生する。メンテナンスユニット17は、直上に位置する吐出部14から排出される廃液を収集する。吐出部14のメンテナンスとして、例えば、フラッシング、クリーニング、ワイピングが挙げられる。
【0030】
フラッシングとは、ノズル18の目詰まりを抑制するために液体をノズル18から適宜吐出する動作である。フラッシングは、例えば、記録前、記録中、記録後に実行される。フラッシングが実行される場合、吐出部14は、メンテナンスユニット17に向けて液体を吐出する。
【0031】
クリーニングとは、吐出部14内の気泡の排出や液体の増粘抑制等を目的として、吐出部14に供給される液体の供給方向上流側を加圧することで、ノズル18から強制的に液体を排出する動作である。
【0032】
ワイピングとは、吐出部14に付着する液体を除去するために吐出部14を払拭する動作である。ワイピングは、例えば、クリーニング後に実行される。本実施形態では、ワイピングが実行される場合、吐出部14は、メンテナンスユニット17によって払拭される。
【0033】
図2に示すように、メンテナンスユニット17は、ケース24と、液体を吸収可能な吸収部材25と、吸収部材25を保持する回転体26,27と、を有する。また、メンテナンスユニット17は、吸収部材25を吐出部14に押し付ける押圧部28と、吸収部材25をガイドするガイドローラー37,38,39と、第1規制部材51と、第2規制部材52と、を有する。
【0034】
ケース24は、例えば、吸収部材25、回転体26,27、押圧部28、ガイドローラー37,38,39等を収容する。ケース24は、後述する吸収部材25の第1面32を露出させる開口を、-Z方向側の側面である上面に有する。
【0035】
吸収部材25は、吐出部14からの液体を吸収する。吸収部材25は、廃液を吸収する。吸収部材25は、例えば、布でもよいし、スポンジでもよい。吸収部材25は、液体を吸収可能な帯状の長尺部材である。
【0036】
吸収部材25は、回転体26,27に保持される。吸収部材25は、中間部分を有する。中間部分とは、吸収部材25のうち、回転体26に保持されている部分と回転体27に保持されている部分との間となる部分である。中間部分は、回転体26に巻き付けられている部分と回転体27に巻き付けられている部分との間となる部分である。吸収部材25は、中間部分のうち吐出部14と対向する対向部分31で、フラッシング、クリーニング、ワイピングによる液体を受ける。
【0037】
図6に示すように、例えば、吸収部材25は、フラッシング、クリーニング等において吐出部14から排出される液体を、対向部分31に設定される受容領域FAで受ける。また、例えば、吸収部材25は、ワイピングによる液体を、対向部分31に設定される払拭領域WAで受ける。払拭領域WAは、受容領域FAの-Y方向側に設けられる。換言すると、払拭領域WAは、吸収部材25の受容領域FAとは異なる領域に設けられる。
【0038】
図2に示すように、吸収部材25は、第1面32と第2面33とを有する。第1面32は、吐出部14からの液体を受ける面である。そのため、第1面32は、対向部分31において、吐出部14と対向する面である。第2面33は、第1面32と反対の面である。
【0039】
回転体26は、未使用の吸収部材25を保持する。すなわち、回転体26は、液体を吸収していない吸収部材25を保持する。本実施形態では、回転体26は、使用済の吸収部材25を一時的に保持することもあるが、主には未使用の吸収部材25を保持する。そのため、回転体26は、未使用の吸収部材25を供給する供給部としても機能する。回転体26は、ケース24に、回転可能に保持される。
【0040】
回転体27は、使用済の吸収部材25を保持する。すなわち、回転体27は、液体を吸収した吸収部材25を保持する。そのため、回転体27は、使用済の吸収部材25を収集する収集部としても機能する。回転体27は、ケース24に、回転可能に保持される。
【0041】
回転体27は、ロール状に巻き重ねられた吸収部材25を保持する。本実施形態では、回転体27は、第1面32が内側となるように吸収部材25を保持する。すなわち、回転体27は、第2面33が外側となるように吸収部材25を保持する。
【0042】
回転体26と回転体27とは、Y軸方向に並ぶように配置される。回転体26,27は、キャリッジ19が走査するX軸方向に、回転体26,27の回転する軸である中心軸が延びるように配置される。
【0043】
回転体26,27は、回転することによって、吸収部材25を巻き出したり、巻き取ったりする。以後、回転体27に吸収部材25を巻き取ることで、吸収部材25が回転体26から回転体27に向かって送られる方向を送り方向と称する。すなわち、吸収部材25は、回転体26,27が回転することによって、送り方向の下流又は上流に向かって送られる。回転体26,27は、吸収部材25を送り方向に搬送可能な搬送部の一例である。
【0044】
また、回転体26に吸収部材25を巻き取ることで、吸収部材25が送り方向の逆方向となる回転体27から回転体26に向かって送られる方向を戻し方向と称する。回転体27は、送り方向において、回転体26の下流となる。従って、本実施形態では、吸収部材25は、主に、送り方向の下流に向かって送られる。
【0045】
ガイドローラー37は、Z軸方向において、回転体26,27より-Z方向側となる位置に設けられる。ガイドローラー37は、Y軸方向において、ケース24が有する開口の中央より+Y方向側となる位置に設けられる。ガイドローラー37は、X軸方向に中心軸が延びるように配置される。ガイドローラー37は、ケース24に、回転可能に保持される。
【0046】
ガイドローラー38は、Z軸方向において、ガイドローラー37と同じ位置に設けられる。ガイドローラー38は、Y軸方向において、ケース24が有する開口の中央より-Y方向側となる位置に設けられる。ガイドローラー38は、Y軸方向において、ガイドローラー37と間隔を置いて設けられる。ガイドローラー38は、X軸方向に中心軸が延びるように配置される。ガイドローラー38は、ケース24に、回転可能に保持される。
【0047】
ガイドローラー37,38には、吸収部材25が巻き掛けられる。吸収部材25は、ガイドローラー37に対して鋭角に巻き掛けられる。また、吸収部材25は、ガイドローラー38に対して鋭角に巻き掛けられる。ガイドローラー37,38には、吸収部材25の中間部分が巻き掛けられる。ガイドローラー37,38に巻き掛けられた中間部分によって、対向部分31が形成される。対向部分31は、後述する押圧部28に押圧されないとき、X-Y面に沿う。
【0048】
図6に示すように、ガイドローラー37は、送り方向において、受容領域FAよりも下流に設けられる。また、ガイドローラー38は、送り方向において、受容領域FAよりも上流に設けられる。ガイドローラー37は下流ローラーの一例であり、ガイドローラー38は上流ローラーの一例である。
【0049】
図2に示すように、ガイドローラー39は、Z軸方向において、回転体26とガイドローラー38との間となる位置に設けられる。メンテナンスユニット17が装着部41に装着されているとき、ガイドローラー38とガイドローラー39との間に巻き掛けられた中間部分は、テンションローラー42によって、+Y方向に向かって押圧される。これにより、吸収部材25の中間部分には、張力が付与される。
【0050】
尚、本実施形態では、テンションローラー42は、装着部41に設けられる。テンションローラー42は、X軸方向に中心軸が延びるように配置される。テンションローラー42は、装着部41に、回転可能に保持される。
【0051】
ガイドローラー37,38,39は、回転体26から巻き出された吸収部材25を回転体27に向かってガイドする。吸収部材25は、送り方向の上流から順に、ガイドローラー39、テンションローラー42、ガイドローラー38、ガイドローラー37を経て、回転体26から回転体27に送られる。
【0052】
押圧部28は、送り方向において、ガイドローラー37とガイドローラー38との間となる位置に設けられる。押圧部28は、Y軸方向において、ガイドローラー37とガイドローラー38との間に位置する。押圧部28は、Y軸方向において、ガイドローラー37,38のうち、ガイドローラー38寄りに位置する。また、押圧部28は、送り方向において、後述する受容領域FA(図6参照)の上流に位置する。
【0053】
また、押圧部28は、X軸方向に延びるように設けられる。押圧部28は、例えば、X軸方向に沿う方向から見て、-Z方向に向かって突出する突起部を有する。押圧部28は、対向部分31に沿って、突起部がX軸方向に延びるように、ケース24に保持される。
【0054】
押圧部28は、第2面33に接触する。押圧部28は、移動することによって、対向部分31の払拭領域WA(図6参照)を吐出部14に押し付ける。押圧部28は、押し付け位置と、非接触位置と、の間を、Z軸方向に移動するように構成される。押し付け位置は、押圧部28が、第2面33に接触した状態で、対向部分31の払拭領域WAを吐出部14に押し付ける位置である。非接触位置は、押し付け位置より+Z方向側の位置であって、押圧部28が第2面33に接触しない位置である。
【0055】
押圧部28が対向部分31を吐出部14に押し付ける状態で、吐出部14とメンテナンスユニット17とが相対的に移動することによって、ワイピングが実行される。ワイピングにおいて、対向部分31において吐出部14に押し付けられる払拭領域WAは、Y軸方向において、対向部分31の中央よりガイドローラー38側に位置する。また、払拭領域WAは、送り方向において、受容領域FAの上流に位置する。これにより、未使用の吸収部材25によってワイピングが実行できる。
【0056】
本実施形態では、メンテナンスユニット17に対して吐出部14が移動するが、吐出部14に対してメンテナンスユニット17が移動してもよいし、吐出部14及びメンテナンスユニット17の双方が移動してもよい。本実施形態では、ワイピングが実行される際、吐出部14は、吐出部14の-Y方向側の端に、吸収部材25が押し付けられた状態で、メンテナンスユニット17に対して-Y方向に向かって移動する。これにより、吐出部14のノズル18が開口する面が、吸収部材25によって、-Y方向側の端から+Y方向側の端に向かって払拭される。
【0057】
規制部SPは、ガイドローラー37,38に巻き掛けられる吸収部材25が吐出部14に向かう-Z方向側に浮き上がることを規制する。規制部SPは、吸収部材25の第1面32に接触することで、吸収部材25の-Z方向側への浮き上がりを規制する。規制部SPは、第1規制部SP1と、第2規制部SP2と、を含む。
【0058】
図2図5図6に示すように、第1規制部SP1は、第1規制部材51における吸収部材25の第1面32と対向する面である。本実施形態の第1規制部材51は、メンテナンスユニット17に設けられる。第1規制部材51は、ケース24の係合部43(図5参照)と係合することで、メンテナンスユニット17に着脱可能に固定される。よって、本実施形態の第1規制部SP1は、メンテナンスユニット17に設けられる。
【0059】
第1規制部材51は、吐出部14より+Z方向側に位置する。よって、第1規制部材51は、押し付け位置にある押圧部28の突起部先端より+Z方向側に位置する。第1規制部材51は、Y軸方向において、対向部分31の中央よりガイドローラー37側に位置する。
【0060】
よって、第1規制部SP1は、Y軸方向において、対向部分31の中央よりガイドローラー37側に位置する。また、第1規制部SP1は、Z軸方向において、吸収部材25の-Z方向側となる吐出部14側に位置する。また、第1規制部SP1は、Y軸方向において、受容領域FAと、ガイドローラー37の中心軸と、の間に位置する。換言すると、第1規制部SP1は、送り方向において受容領域FAとガイドローラー37の中心軸との間に位置する吸収部材25の、吐出部14側に位置する。
【0061】
また、第1規制部SP1は、送り方向において、受容領域FAよりもガイドローラー37に近い位置に配置される。また、Z軸方向に沿う方向から見たとき、第1規制部SP1は少なくとも一部がガイドローラー37と重なる位置に配置される。具体的には、Z軸方向に沿う方向から見たとき、第1規制部SP1の+Y方向側の端が、ガイドローラー37の-Y方向側の周面、及びガイドローラー37のX軸方向の両端に設けられるフランジの-Y方向側の周面と重なる。換言すると、受容領域FAを正面視した場合に、第1規制部SP1は少なくとも一部がガイドローラー37と重なる位置に配置される。
【0062】
第2規制部SP2は、第2規制部材52における吸収部材25の第1面32と対向する面である。本実施形態の第2規制部材52は、メンテナンスユニット17に設けられる。第2規制部材52は、ケース24の係合部44(図5参照)と係合することで、メンテナンスユニット17に着脱可能に固定される。よって、本実施形態の第2規制部SP2は、メンテナンスユニット17に設けられる。
【0063】
第2規制部材52は、吐出部14より+Z方向側に位置する。よって、第2規制部材52は、押し付け位置にある押圧部28の突起部先端より+Z方向側に位置する。また、第2規制部材52は、Y軸方向において、対向部分31の中央よりガイドローラー38側に位置する。
【0064】
よって、第2規制部SP2は、Y軸方向において、対向部分31の中央よりガイドローラー38側に位置する。また、第2規制部SP2は、Z軸方向において、吸収部材25の-Z方向側となる吐出部14側に位置する。また、第2規制部SP2は、Y軸方向において、受容領域FAとガイドローラー38の中心軸との間に位置する。換言すると、第2規制部SP2は、送り方向において受容領域FAとガイドローラー38の中心軸との間に位置する吸収部材25の、吐出部14側に位置する。
【0065】
また、第2規制部SP2は、送り方向において、受容領域FAよりもガイドローラー38に近い位置に配置される。また、Z軸方向に沿う方向から見たとき、第2規制部SP2は少なくとも一部がガイドローラー38と重なる位置に配置される。具体的には、Z軸方向に沿う方向から見たとき、第2規制部SP2の-Y方向側の端が、ガイドローラー38の+Y方向側の周面、及びガイドローラー38のX軸方向の両端に設けられるフランジの+Y方向側の周面と重なる。換言すると、受容領域FAを正面視した場合に、第2規制部SP2は少なくとも一部がガイドローラー38と重なる位置に配置される。
【0066】
第1規制部SP1、及び第2規制部SP2は、吐出部14から吐出される液体が付着した場合に特性が変化しにくい材料で形成されることが好ましい。このため、例えば、第1規制部材51、及び第2規制部材52を樹脂材料で形成する場合、樹脂材料としては、PP(Polypropylene)、PE(Polyethylene)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)、変性PPE(modified Poly Phenylene Ether)等が採用できる。
【0067】
また、第1規制部SP1、及び第2規制部SP2は、吸収部材25の第1面32と接触した状態で、吸収部材25が移動するときの抵抗が小さいことが好ましい。このため、第1規制部材51、及び第2規制部材52の表面粗さが小さいことが好ましい。このため、例えば、第1規制部SP1、及び第2規制部SP2を圧延鋼板で形成する場合、端部に曲げ加工やヘミング曲げを施すことが好ましい。
【0068】
次に、メンテナンスユニット17による廃液の収集処理について説明する。メンテナンスユニット17は、吐出部14のメンテナンスが実行される場合に、吐出部14から廃液としての液体を収集する。メンテナンスユニット17は、吸収部材25を静止させた状態で廃液を収集してもよいし、吸収部材25を送り方向に送りながら廃液を収集してもよい。メンテナンスユニット17は、例えば、クリーニングのように廃液の量が多い場合、吸収部材25を送り方向に送りながら廃液を収集してもよい。
【0069】
図2図3に示すように、吸収部材25が廃液としての液体を吸収すると、吸収部材25に吸収部分35が形成される。吸収部分35とは、吸収部材25において液体を吸収した部分である。メンテナンスの種類、メンテナンスの回数などによって、吸収部材25に形成される吸収部分35の長さ、吸収部分35の数などが異なる。
【0070】
メンテナンスユニット17は、例えば、吐出部14のメンテナンスが実行される度に、吸収部材25を送り方向に送る。メンテナンスユニット17は、例えば、吐出部14のメンテナンスが実行される場合、未使用の吸収部材25で廃液を収集する。そのため、一度のメンテナンスで収集した廃液の量が多い場合や、メンテナンスを複数回実行した場合などでは、吸収部分35が回転体27に巻き取られる場合がある。
【0071】
吐出部14のメンテナンスによって吸収部材25が液体を吸収すると、吸収部材25に吸収された液体に処理部15がエネルギーを与える。これにより、吸収部材25に吸収された液体が硬化する。吸収部材25に吸収された液体が硬化すると、吸収部材25から液体が垂れたり、吸収部材25から液体が飛散したりすることによって筐体12内を汚損する虞が低減される。
【0072】
吐出部14から吐出される液体は、臭気を放つことがある。例えば、吐出部14がインクの一例であるUVインクを吐出する場合、UVインクに含まれるモノマーが臭気を放ちやすい。そのため、UVインクを吸収部材25に吸収させたまま放置すると、メンテナンスユニット17から臭気が発生する虞がある。この点、吸収部材25に吸収された液体を処理部15が硬化させることによって、UVインクに含まれるモノマーがポリマーに変化するため、メンテナンスユニット17から臭気が発生する虞が低減される。
【0073】
処理部15が吸収部材25に吸収された液体にエネルギーを与える時期は、限定されない。処理部15は、吐出部14のメンテナンスが完了した後に液体にエネルギーを与えてもよいし、吐出部14のメンテナンスと並行して液体にエネルギーを与えてもよい。例えば、吐出部14のメンテナンスが実行される度に、吸収部材25に吸収された液体に処理部15がエネルギーを与えてもよい。すなわち、吸収部材25が液体を吸収する度に、液体を硬化させてもよい。
【0074】
また、例えば、吐出部14のメンテナンスが複数回実行された後に、吸収部材25に吸収された液体に処理部15がエネルギーを与えてもよい。例えば、昇温部22が液体を昇温させている間に、吸収部材25に吸収された液体に処理部15がエネルギーを与えてもよい。この場合、液体吐出装置11が記録できない時間に、吸収部材25に吸収された液体が硬化されるため、記録できない時間が有効活用される。
【0075】
処理部15が吸収部材25に吸収された液体にエネルギーを与える時間は、例えば、吸収部材25が吸収した液体の量に基づいて異なっていてもよい。例えば、処理部15に電圧が印加される時間が変更されることによって、処理部15が吸収部材25に吸収された液体にエネルギーを与える時間が変更されてもよい。
【0076】
また、例えば、回転体26,27によって単位時間あたりの吸収部材25の送り量が変更されることによって、処理部15が吸収部材25に吸収された液体にエネルギーを与える時間が変更されてもよい。吸収部材25が吸収する液体の量が多いほど、処理部15が吸収部材25に吸収された液体にエネルギーを与える時間を長くする。これにより、吸収部材25に吸収された液体が適切に硬化される。
【0077】
本実施形態では、処理部15は、キャリッジ19に搭載される。このため、吸収部材25に吸収された液体を硬化させる場合、キャリッジ19は、処理部15がメンテナンスユニット17の直上に位置する位置に移動する。これにより、処理部15は、対向部分31と対向する。本実施形態では、処理部15は、吸収部材25のうち対向部分31に向けてエネルギーを放出するように構成される。処理部15は、メンテナンスユニット17の直上に移動すると、第1面32と対向する。従って、処理部15は、吸収部材25に吸収された液体を硬化させる場合、第1面32に向けてエネルギーを放出する。
【0078】
本実施形態では、吐出部14が対向部分31と対向する場合、処理部15は対向部分31の-X方向側に位置する。このため、キャリッジ19が吐出部14のメンテナンス時の位置から+X方向に移動することで、処理部15は対向部分31と対向し、吸収部材25に吸収された液体を硬化可能となる。
【0079】
メンテナンスユニット17は、吸収部材25に吸収された液体を処理部15によって硬化させる場合、回転体26,27を回転させることによって、吸収部分35を処理部15と対向させる。メンテナンスユニット17は、例えば、吸収部分35を処理部15の直下に位置させる。
【0080】
本実施形態では、吸収部材25に吸収された液体を処理部15によって硬化させる場合、キャリッジ19がX軸方向に移動しながら、処理部15が吸収部材25に対して、エネルギーを放出する。これによれば、処理部15が、一度にエネルギーを与えることが可能な区間のX軸方向の寸法を、吸収部材25の幅より小さくすることができる。
【0081】
尚、このキャリッジ19の移動を伴う硬化処理において、処理部15は、処理部15が吸収部分35の直上に位置するときにエネルギーを放出してもよいし、キャリッジ19の移動中は常時エネルギーを放出してもよい。
【0082】
また、例えば、処理部15が、一度にエネルギーを与えることが可能な区間のX軸方向の寸法が吸収部材25の幅と同じか大きいとする。この場合、処理部15は吸収部分35の直上に静止した状態で、吸収部材25に対して、その幅全体に向けて一度にエネルギーを放出してもよい。
【0083】
処理部15は、対向部分31に対して硬化区間36に位置する部分に向けてエネルギーを放出する。硬化区間36とは、Y軸方向において、吸収部材25に吸収された液体に対して処理部15が一度にエネルギーを与えることが可能な区間である。すなわち、硬化区間36は、液体を硬化させるエネルギーが及ぶ区間である。
【0084】
本実施形態では、硬化区間36は、Y軸方向において、処理部15が一度に紫外線を照射可能な区間である。メンテナンスユニット17は、Y軸方向において、吸収部分35が硬化区間36と重なるように回転体26,27を回転させる。これにより、処理部15は、吸収部材25に吸収された液体を硬化する。
【0085】
例えば、吸収部分35のY軸方向の長さが硬化区間36の寸法以下の場合、メンテナンスユニット17は、吸収部分35が硬化区間36と重なる位置に、吸収部材25を静止させる。そして、処理部15は、吸収部分35を硬化させる。
【0086】
また、例えば、吸収部分35のY軸方向の長さが硬化区間36の寸法よりも長くなる場合、メンテナンスユニット17は、回転体27に吸収部材25を巻き取りつつ、処理部15によって吸収部分35を硬化させてもよい。具体的には、回転体27に吸収部材25を巻き取りつつ、処理部15が吸収部分35の液体にエネルギーを与える。すなわち、処理部15は、吸収部分35を、送り方向の下流側から順次硬化させる。
【0087】
ここでの「回転体27に吸収部材25を巻き取りつつ」とは、巻き取っている途中に吸収部材25の巻き取りを停止させ、所定時間経過後に再度巻き取りを行う構成でもよい。そのため、「回転体27に吸収部材25を巻き取りつつ、処理部15が吸収部分35の液体にエネルギーを与える」構成とは、巻き取りの途中で吸収部材25の巻き取りを停止させ、液体にエネルギーを与えた後に再度巻き取りを行う構成も含む。
【0088】
また、例えば、吸収部分35のY軸方向の長さが硬化区間36の寸法よりも長い場合、メンテナンスユニット17は、回転体26に吸収部材25を巻き戻しつつ、処理部15によって吸収部分35を硬化させてもよい。具体的には、回転体26に吸収部材25を巻き戻しつつ、処理部15が吸収部分35の液体にエネルギーを与える。すなわち、処理部15は、吸収部分35を、送り方向の上流側から順次硬化させる。
【0089】
ここでの「回転体26に吸収部材25を巻き戻しつつ」とは、巻き戻している途中に吸収部材25の巻き戻しを停止させ、所定時間経過後に再度巻き戻しを行う構成でもよい。そのため、「回転体26に吸収部材25を巻き戻しつつ、処理部15が吸収部分35の液体にエネルギーを与える」構成とは、巻き戻しの途中で吸収部材25の巻き戻しを停止させ、液体にエネルギーを与えた後に再度巻き戻しを行う構成も含む。
【0090】
このとき、回転体26は、吸収部材25を、連続的に巻き戻してもよいし、断続的に巻き戻してもよい。これにより、液体が硬化していない吸収部分35が回転体26に巻き取られる虞が低減される。例えば、処理部15が吸収部分35を、送り方向の下流側から順次硬化させる場合、液体が硬化していない吸収部分35が回転体26に巻き取られる虞がある。この場合、吸収部分35の液体が未使用の部分に付着する虞がある。
【0091】
吸収部分35が複数ある場合でも同様に、複数の吸収部分35のうち送り方向の上流に位置する吸収部分35から順次硬化させてもよい。これにより、液体が硬化していない吸収部分35が回転体26に巻き取られる虞が低減される。
【0092】
液体が硬化した吸収部分35は、回転体27に巻き取られる。このとき、液体が硬化した吸収部分35が回転体27に巻き取られる過程において、液体が硬化した吸収部分35はガイドローラー37を通過する。液体が硬化した吸収部分35は、液体が硬化していない吸収部分35と比較して、変形しにくい。このため、液体が硬化した吸収部分35がガイドローラー37の周面に沿わない虞がある。その結果、液体吐出装置11が規制部SPを備えない場合、図11に示すように、ガイドローラー37とガイドローラー38との間に巻き掛けられた対向部分31が吐出部14に近づく方向に浮き上がる虞がある。
【0093】
この点、本実施形態のメンテナンスユニット17には、第1規制部SP1が設けられる。ガイドローラー37を通過する吸収部分35が-Z方向側へ浮き上がると、第1規制部SP1が吸収部材25の第1面32に接触する。これにより、吸収部材25の対向部分31が吐出部14に向かう-Z方向側に浮き上がる虞が低減される。よって、吸収部材25の対向部分31が、吐出部14、及び処理部15のいずれかに接触することが抑制される。
【0094】
また、吸収部材25を回転体26に巻き戻しつつ、処理部15によって吸収部分35を硬化させる場合、液体が硬化した吸収部分35がガイドローラー38を通過する。このとき、液体が硬化した吸収部分35がガイドローラー38の周面に沿わない虞がある。その結果、液体吐出装置11が規制部SPを備えない場合、ガイドローラー37とガイドローラー38との間に巻き掛けられた対向部分31が吐出部14に近づく方向に浮き上がる虞がある。
【0095】
この点、本実施形態のメンテナンスユニット17には、第2規制部SP2が設けられる。ガイドローラー38を通過する吸収部分35が-Z方向側へ浮き上がると、第2規制部SP2が吸収部材25の第1面32に接触する。これにより、吸収部材25の対向部分31が吐出部14に向かう-Z方向側に浮き上がる虞が低減される。よって、吸収部材25の対向部分31が、吐出部14、及び処理部15のいずれかに接触することが抑制される。
【0096】
吸収部材25では、第1面32が受けた液体の量によっては、受けた液体が第2面33に染み出ることがある。本実施形態では、処理部15が第1面32と対向するため、第2面33に染み出た液体を硬化させにくい。そのため、第2面33に染み出た液体の硬化が不足している虞がある状態で、回転体26が吸収部材25を巻き取る場合がある。この点、回転体26は、処理部15によってエネルギーが第1面32に向けて放出された後の吸収部材25を巻き取る場合、第1面32を内側に吸収部材25を巻き取る。そのため、第2面33に染み出た液体が未使用の吸収部材25に付着する虞が低減される。
【0097】
一方、吸収部分35の液体に処理部15がエネルギーを与える前に、回転体27に吸収部分35を巻き取ると、吸収部分35の液体が回転体27に保持されている使用済の吸収部材25に付着する。これにより、吸収部分35の硬化していない液体の液体量が減少するため、吸収部分35を硬化させやすくなる。
【0098】
従って、メンテナンスユニット17は、吸収部分35を一旦回転体27に巻き取らせた後、回転体27から戻し方向に巻き戻してから、処理部15によって吸収部分35を硬化させてもよい。このように、メンテナンスユニット17は、吸収部分35の液体に処理部15がエネルギーを与える前に、吸収部分35を回転体27に巻き取らせた後、吸収部材25を回転体27から戻し方向に巻き戻してもよい。そして、メンテナンスユニット17は、巻き戻した吸収部分35を、処理部15によって硬化させてもよい。
【0099】
次に、制御部16がメンテナンスユニット17を制御することによる廃液収集処理の一例について説明する。吐出部14のメンテナンスにおいて、メンテナンスユニット17は、吐出部14から廃液として排出される液体を吸収部材25に吸収する吸収処理を実行する。
【0100】
メンテナンスユニット17は、吸収処理が完了した後、吸収部材25に吸収した液体を硬化させる硬化処理を実行する。硬化処理は、複数の吸収処理を経た後に実行されてもよい。硬化処理が実行されるタイミングは、限定されない。例えば、硬化処理は、ユーザーの指示に基づいて実行されてもよいし、昇温部22による液体の昇温時に実行されてもよい。吸収処理及び硬化処理は、制御部16がメンテナンスユニット17を制御することによって実行される。吸収処理及び硬化処理によって、吐出部14から廃液として排出される液体がメンテナンスユニット17に収集される。
【0101】
メンテナンスユニット17は、液体を吸収部材25に吸収した後にその液体を硬化させてもよいし、液体を吸収部材25に吸収しつつ、その液体を硬化させてもよい。液体を吸収部材25に吸収しつつ、その液体を硬化させる場合、吸収部材25は、回転体26から回転体27に送られながら、吐出部14から廃液として排出される液体を吸収し、処理部15から放出されるエネルギーを受ける。
【0102】
次に、図4に示すフローチャートを参照し、硬化処理に巻戻動作を含む廃液収集処理を行うときに、各ステップにおいて制御部16が実行する制御を順に説明する。本実施形態において、制御部16が、吐出部14のメンテナンスに伴う廃液収集処理を行うときに実行する処理の流れは、液体吐出装置11の制御方法に該当する。
【0103】
ステップS11において、制御部16は、吸収処理を実行する。吸収処理では、制御部16は、廃液を吸収部材25に吸収させる。このとき、制御部16は、回転体26,27を制御することによって、吸収部材25のうち未使用の部分を吐出部14と対向させる。
【0104】
制御部16は、吸収部材25のうち未使用の部分で、吐出部14から廃液を収集して吸収する。制御部16は、例えば、ワイピングの場合には、吸収部材25の払拭領域WAを吐出部14に接触させる。制御部16は、例えば、フラッシング、クリーニングの場合には、吐出部14から吐出される液体を吸収部材25の受容領域FAで受ける。これにより、吸収部材25の受容領域FAに吸収部分35が形成される。制御部16は、廃液を吸収部材25で吸収し終えると、吸収処理を終了する。
【0105】
制御部16は、ステップS11の処理を終えると、処理をステップS12に移行する。
【0106】
ステップS12において、制御部16は、硬化処理を実行する。吸収部分35の液体に処理部15がエネルギーを与える前に、吸収部分35の液体量を減少させる場合、制御部16は、吸収部分35を回転体27に保持させる。すなわち、制御部16は、吸収部分35を回転体27に巻き付けさせる。このとき、制御部16は、回転体26,27を制御することによって、吸収部材25を送り方向に送る。
【0107】
吸収部分35が回転体27に保持されると、吸収部分35の液体が使用済みの吸収部材25に付着する。吸収部分35が複数ある場合、例えば、すべての吸収部分35が回転体27に保持されるように制御する。従って、制御部16は、吸収部分35の液体に処理部15がエネルギーを与える前に、吸収部分35を回転体27に巻き取らせる。
【0108】
次に、制御部16は、吸収部材25を巻き戻し、吸収部分35の液体を硬化させる。このとき、制御部16は、回転体26,27を制御することによって、吸収部材25を戻し方向に巻き戻す巻戻動作を実行する。制御部16は、巻戻動作を実行することによって、吸収部分35を硬化区間36に位置させる。吸収部分35が複数ある場合、制御部16は、複数の吸収部分35のうち送り方向の最も上流にある吸収部分35を硬化区間36に位置させる。
【0109】
制御部16は、処理部15、及びキャリッジ19を制御することによって、吸収部分35の液体を硬化させる。制御部16は、処理部15、キャリッジ19、及び回転体26,27を制御することによって、吸収部材25に吸収された液体を送り方向の上流側から順次硬化させる。ここでの巻戻動作は、巻き戻しを開始してから完了するまでを指す。
【0110】
制御部16は、ステップS12において、吸収部材25を戻し方向に巻き戻しながら硬化させてもよいし、巻き戻し終えた後に硬化させてもよい。例えば、吸収部分35が硬化区間36に収まらない場合、あるいは吸収部分35が複数ある場合などでは、吸収部材25を戻し方向に巻き戻しながら硬化させる。吸収部分35が1つで且つ硬化区間36に収まる場合には、巻き戻し終えた後に硬化させる。すなわち、吸収部材25を戻し方向に巻き戻す巻戻動作と並行、又は、巻戻動作後に、吸収部分35の液体に処理部15がエネルギーを与える。
【0111】
巻戻動作としては、巻戻動作中に吸収部材25の巻き戻しを停止させ、所定時間経過後に再度巻き戻しを行う構成でもよい。そのため、巻戻動作と並行して吸収部分35の液体に処理部15がエネルギーを与える構成とは、巻戻動作中に吸収部材25の巻き戻しを停止させ、処理部15がエネルギーを与えた後に再度巻き戻しを行う構成も含む。
【0112】
制御部16は、巻戻動作において、ステップS11で吸収部分35を回転体27が巻き取った際に送り方向に送った吸収部材25の長さよりも長い量の吸収部材25を戻し方向に巻き戻してもよい。制御部16は、例えば、吸収部分35が回転体27に巻き取られることによって、吸収部分35の液体が付着したと見込まれる使用済みの吸収部材25を硬化区間36に位置させるように吸収部材25を巻き戻してもよい。この場合、制御部16は、巻戻動作と並行して、処理部15から吸収部分35の液体にエネルギーを与える。これにより、吸収部材25に吸収された液体が硬化される。
【0113】
制御部16は、回転体26,27を制御することによって、液体が硬化した吸収部分35を含む吸収部材25を回転体27に巻き取らせる。これにより、吐出部14から吸収部材25に吸収された液体が廃液として回転体27に収集される。ステップS12の処理を終えると、制御部16は処理を終了する。
【0114】
以上述べたように、実施形態1に係るメンテナンスユニット17、及び液体吐出装置11によれば、以下の効果を得ることができる。
【0115】
メンテナンスユニット17は、処理によって硬化する液体を媒体99に吐出可能な吐出部14から廃液として排出される液体を受容可能である。メンテナンスユニット17は、液体を吸収可能な帯状の吸収部材25であって、受容領域FAで液体を受容可能な吸収部材25を備える。また、メンテナンスユニット17は、吸収部材25を送り方向に搬送可能な回転体26,27を備える。また、メンテナンスユニット17は、送り方向において、受容領域FAよりも下流に設けられ、吸収部材25が巻き掛けられるガイドローラー37を備える。また、メンテナンスユニット17は、送り方向において受容領域FAとガイドローラー37の中心軸との間に位置する吸収部材25の、吐出部14側に設けられる第1規制部SP1を備える。これによれば、メンテナンスユニット17は、液体が硬化した吸収部材25がガイドローラー37に巻き掛けられたときの吸収部材25の浮き上がりを、第1規制部SP1によって、抑えることができる。
【0116】
第1規制部SP1は、送り方向において、受容領域FAよりもガイドローラー37に近い位置に配置される。これによれば、メンテナンスユニット17は、ガイドローラー37に巻き掛けられた吸収部材25の浮き上がりを効率的に抑えることができる。
【0117】
受容領域FAを正面視した場合に、第1規制部SP1は少なくとも一部がガイドローラー37と重なる位置に配置される。これによれば、メンテナンスユニット17は、ガイドローラー37に巻き掛けられた吸収部材25の浮き上がりをより効率的に抑えることができる。
【0118】
吸収部材25は、ガイドローラー37に対して鋭角に巻き掛けられる。第1規制部SP1により吸収部材25の浮き上がりを抑えることができるので、吸収部材25を、ガイドローラー37に対して鋭角に巻き掛けることができる。そして、吸収部材25を、ガイドローラー37に対して鋭角に巻き掛けることにより、メンテナンスユニット17の小型化が可能になる。
【0119】
メンテナンスユニット17は、送り方向において、受容領域FAよりも上流に設けられ、吸収部材25が巻き掛けられるガイドローラー38を更に備える。また、メンテナンスユニット17は、送り方向において受容領域FAとガイドローラー38の中心軸との間に位置する吸収部材25の、吐出部14側に設けられる第2規制部SP2を更に備える。そして、回転体26,27は、送り方向とは逆の戻し方向に吸収部材25を搬送可能である。これによれば、メンテナンスユニット17は、液体が硬化された吸収部材25がガイドローラー38に巻き掛けられたときの吸収部材25の浮き上がりを、第2規制部SP2によって、抑えることができる。
【0120】
第2規制部SP2は、送り方向において、受容領域FAよりもガイドローラー38に近い位置に配置される。これによれば、メンテナンスユニット17は、ガイドローラー38に巻き掛けられた吸収部材25の浮き上がりを効率的に抑えることができる。
【0121】
受容領域FAを正面視した場合に、第2規制部SP2は少なくとも一部がガイドローラー38と重なる位置に配置される。これによれば、メンテナンスユニット17は、ガイドローラー38に巻き掛けられた吸収部材25の浮き上がりをより効率的に抑えることができる。
【0122】
吸収部材25は、ガイドローラー38に対して鋭角に巻き掛けられる。第2規制部SP2により吸収部材25の浮き上がりを抑えることができるので、吸収部材25を、ガイドローラー38に対して鋭角に巻き掛けることができる。そして、吸収部材25を、ガイドローラー38に対して鋭角に巻き掛けることにより、メンテナンスユニット17の小型化が可能になる。
【0123】
吸収部材25には、受容領域FAとは異なる領域に、吐出部14を払拭可能な払拭領域WAが設けられる。これによれば、メンテナンスユニット17は、吐出部14をメンテナンスする機能と、吐出部14から廃液として排出される液体を収集する機能と、を併せ持つことができる。
【0124】
液体吐出装置11は、処理によって硬化する液体を媒体99に吐出可能な吐出部14と、吐出部14から廃液として排出される液体を受容可能なメンテナンスユニット17と、第1規制部SP1と、を備える。メンテナンスユニット17は、液体を吸収可能な帯状の吸収部材25であって、受容領域FAで液体を受容可能な吸収部材25を備える。また、メンテナンスユニット17は、吸収部材25を送り方向に搬送可能な回転体26,27を備える。また、メンテナンスユニット17は、送り方向において、受容領域FAよりも下流に設けられ、吸収部材25が巻き掛けられるガイドローラー37を備える。そして、第1規制部SP1は、送り方向において受容領域FAとガイドローラー37の中心軸との間に位置する吸収部材25の、吐出部14側に設けられる。これによれば、液体吐出装置11は、液体が硬化された吸収部材25がガイドローラー37に巻き掛けられたときの吸収部材25の浮き上がりを、第1規制部SP1によって、抑えることができる。
【0125】
液体吐出装置11は、第2規制部SP2をさらに備える。また、メンテナンスユニット17は、送り方向において、吸収部材25の液体を受容する受容領域FAよりも上流に設けられ、吸収部材25が巻き掛けられるガイドローラー38を有する。また、回転体26,27は、送り方向とは逆の戻し方向に吸収部材25を搬送可能である。そして、第2規制部SP2は、送り方向において受容領域FAとガイドローラー38の中心軸との間に位置する吸収部材25の、吐出部14側に設けられる。これによれば、液体吐出装置11は、液体が硬化された吸収部材25がガイドローラー38に巻き掛けられたときの吸収部材25の浮き上がりを、第2規制部SP2によって、抑えることができる。
【0126】
メンテナンスユニット17は、吸収部材25の受容領域FAとは異なる領域に、吐出部14を払拭可能な払拭領域WAを有する。これによれば、液体吐出装置11は、吐出部14をメンテナンスする機能と、吐出部14から廃液として排出される液体を収集する機能と、を併せ持つメンテナンスユニット17を備える。よって、液体吐出装置11の小型化が可能になる。
【0127】
液体は、処理として行われる紫外線の照射によって硬化する。これによれば、液体をUV光で硬化させる液体吐出装置11において、上述の効果を有することができる。
【0128】
液体は、処理として行われる加熱によって硬化する。これによれば、液体を加熱することで硬化させる液体吐出装置11において、上述の効果を有することができる。
【0129】
第1規制部SP1は、メンテナンスユニット17に設けられる。これによれば、液体吐出装置11は、吸収部材25の浮き上がりを、第1規制部SP1によって、抑える好適な構成を備えることができる。
【0130】
第2規制部SP2は、メンテナンスユニット17に設けられる。これによれば、液体吐出装置11は、吸収部材25の浮き上がりを、第2規制部SP2によって、抑える好適な構成を備えることができる。
【0131】
本開示の上記実施形態に係るメンテナンスユニット17は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、本開示の上記実施形態に係る液体吐出装置11は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、上記実施形態および以下に説明する他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、他の実施形態について説明する。
【0132】
上記実施形態において、吐出部14が吐出する液体は、エネルギーを与えることによって硬化する液体でなくてもよい。例えば、吐出部14が吐出する液体は、反応性樹脂を含む液体、例えば、二液反応型インクであってもよい。二液反応型インクはインクの一例であり、液体の一例である。この場合、処理部15は、液体に反応液を供給することによって、その液体を硬化させるように構成される。反応液は、液体の一例である。この場合、二液反応型インクは、処理として行われる反応液の供給によって硬化する。
【0133】
また、この場合、処理部15は、吐出された反応性樹脂を含む液体に対して反応液を吐出可能なノズル18を有する。あるいは、反応液が吐出されるノズル18は、吐出部14に配置されてもよい。この場合、処理部15は、吐出部14に設けられてもよい。処理部15は、キャリッジ19が移動しながら、媒体99に吐出された液体に反応液を吐出することによって、液体を媒体99に定着させる。これによれば、液体を反応液で硬化させる液体吐出装置11において、上記実施形態1に係る液体吐出装置11の有する効果と同様の効果を有することができる。
【0134】
上記実施形態において、第1規制部材51及び第2規制部材52における吸収部材25の第1面32と対向する面は平面でなくてもよい。第1規制部材51及び第2規制部材52における吸収部材25の第1面32と対向する面は曲面であってもよい。例えば、第1規制部材51及び第2規制部材52は、図7に示すように、メンテナンスユニット17に設けられる回転ローラーであってもよい。この場合、第1規制部SP1及び第2規制部SP2は、吸収部材25の第1面32と対向する回転ローラーの周面である。この場合、第1規制部材51及び第2規制部材52は、X軸方向に中心軸が延びるように配置される。また、第1規制部材51及び第2規制部材52は、ケース24に、回転可能に保持される。
【0135】
上記実施形態において、第1規制部SP1及び第2規制部SP2は、吸収部材25の第1面32と対向する面に凹凸を有してもよい。これによれば、第1規制部SP1及び第2規制部SP2のいずれかと吸収部材25の第1面32とが接触した状態で、吸収部材25が移動するときの抵抗を少なくすることができる。
【0136】
上記実施形態において、第1規制部SP1は、第1規制部材51における吸収部材25の第1面32と対向する面でなくてもよい。また、第2規制部SP2は、第2規制部材52における吸収部材25の第1面32と対向する面でなくてもよい。例えば、第1規制部SP1及び第2規制部SP2は、図8に示すように、ケース24に一体的に形成される突出部における吸収部材25の第1面32と対向する面であってもよい。この場合、突出部は、ケース24のうち、ガイドローラー37,38の-Z方向側を覆う上壁の+Z方向側に設けられる。また、この場合、第1規制部SP1は、吸収部材25の第1面32を露出させるケース24の開口の+Y方向側の端に位置する。
【0137】
また、この場合、第2規制部SP2は、吸収部材25の前述の開口の-Y方向側の端に位置する。また、規制部SPとしてのこの突出部は、図9に示すように、X軸方向に間隔を置いて並ぶ複数の突起であってもよい。規制部SPとしての複数の突起は、Y軸方向に延びるリブ形状を有してもよい。また、例えば、図8図9に示すように、吐出部14が、吐出部14のメンテナンスにおいて、吸収部材25の対向部分31と対向する位置にあるとする。この場合、規制部SPとしての複数の突起は、Z軸方向に沿う方向から見たとき、吐出部14の複数のノズル18が形成する複数のノズル群NRと重ならない位置に配置されてもよい。
【0138】
上記実施形態において、規制部SPは、メンテナンスユニット17に設けられなくてもよい。例えば、規制部SPは、装着部41に設けられてもよい。例えば、図10に示すように、第1規制部SP1が設けられる第1規制部材51は、装着部41に着脱可能に固定される。この場合、同様に、第2規制部SP2が設けられる第2規制部材52も、装着部41に着脱可能に固定される。また、例えば、規制部SPは、装着部41を構成する部材に一体的に形成されてもよい。
【0139】
上記実施形態において、規制部SPは、吸収部材25の幅方向であるX軸方向に亘って、吸収部材25の第1面32と対向しなくてもよい。例えば、吸収部材25の第1面32と対向する規制部SPのX軸方向の寸法は、吸収部材25の幅より小さくてもよい。この場合、図10に示すように、第1規制部SP1は、第1規制部材51における吸収部材25の第1面32と対向する面から+Z方向に突出する突出面であってもよい。
【0140】
また、例えば、図10に示すように、吐出部14が、吐出部14のメンテナンスにおいて、吸収部材25の対向部分31と対向する位置にあるとする。また、吐出部14の複数のノズル群NRのうち最も-X方向側のノズル群NRから、種類の異なる液体のうち硬化処理によって最も硬化しやすい液体が吐出されるとする。この場合、規制部SPは、吸収部材25の第1面32において、複数のノズル群NRのうち最も-X方向側のノズル群NRから吐出される前述の液体を収集する領域と対向する位置に配置されてもよい。尚、硬化処理によって硬化しやすい液体としては、硬化処理が紫外線の照射である場合、色素成分を含まないバーニッシュ等の透明インクが挙げられる。
【0141】
上記実施形態において、吸収部材25は、ガイドローラー37に対して鈍角に巻き掛けられてもよい。また、吸収部材25は、ガイドローラー38に対して鈍角に巻き掛けられてもよい。
【0142】
上記実施形態において、吐出部14のメンテナンスにおいて吐出部14から排出される液体を受けることが可能であれば、吸収部材25の対向部分31は、押圧部28に押圧されないときも、X-Y面に沿っていなくてもよい。この場合、対向部分31は、吸収部材25のうち、回転体26に保持されている部分と回転体27に保持されている部分との間となる中間部分であってもよい。この場合、回転体26は上流ローラーの一例であり、回転体27は下流ローラーの一例である。また、この場合、ガイドローラー37,38,39はなくてもよい。
【0143】
上記実施形態において、Z軸方向に沿う方向から見たとき、第1規制部SP1の+Y方向側の端が、ガイドローラー37の-Y方向側の周面と重なっていなくてもよい。この場合、Z軸方向に沿う方向から見たとき、第1規制部SP1の+Y方向側の端が、ガイドローラー37のX軸方向の両端に設けられるフランジの-Y方向側の周面と重なっていてもよい。あるいは、Z軸方向に沿う方向から見たとき、第1規制部SP1は、ガイドローラー37と重なっていなくてもよい。この場合、第1規制部SP1は、Y軸方向において、受容領域FAとガイドローラー37との間に位置する。
【0144】
上記実施形態において、Z軸方向に沿う方向から見たとき、第2規制部SP2の-Y方向側の端が、ガイドローラー38の+Y方向側の周面と重なっていなくてもよい。この場合、Z軸方向に沿う方向から見たとき、第2規制部SP2の-Y方向側の端が、ガイドローラー38のX軸方向の両端に設けられるフランジの+Y方向側の周面と重なっていてもよい。あるいは、Z軸方向に沿う方向から見たとき、第2規制部SP2は、ガイドローラー38と重なっていなくてもよい。この場合、第2規制部SP2は、Y軸方向において、受容領域FAとガイドローラー38との間に位置する。
【0145】
上記実施形態において、吸収部材25を戻し方向に巻き戻す巻戻動作を行わない場合、メンテナンスユニット17は、第2規制部SP2を備えなくてもよい。また、巻戻動作において、液体の硬化した吸収部分35がガイドローラー38を通過しない場合、第2規制部SP2を備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0146】
11…液体吐出装置、12…筐体、13…支持部、14…吐出部、15…処理部、16…制御部、17…メンテナンスユニット、18…ノズル、19…キャリッジ、21…液体収容部、22…昇温部、24…ケース、25…吸収部材、26,27…回転体、28…押圧部、31…対向部分、32…第1面、33…第2面、35…吸収部分、36…硬化区間、37,38,39…ガイドローラー、41…装着部、42…テンションローラー、43,44…係合部、51…第1規制部材、52…第2規制部材、99…媒体、FA…受容領域、NR…ノズル群、SP…規制部、SP1…第1規制部、SP2…第2規制部、S11,S12…ステップ、WA…払拭領域。
図1
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