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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131431
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】投写システム及び投写方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20240920BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
G03B21/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041686
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】古川 航大
(72)【発明者】
【氏名】前田 和典
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 和彦
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA62
2K203GC26
2K203HB04
2K203KA36
2K203KA45
2K203MA23
5C058AA18
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA54
(57)【要約】
【課題】上下左右の各方向への移動にそれぞれ対応する4つの方向キーを用いて、投写画像の斜め方向への移動を実現する。
【解決手段】ユーザーインターフェース画像は、第1ユーザーインターフェース画像60と、第2ユーザーインターフェース画像70とを含んでいる。第1ユーザーインターフェース画像60は、垂直軸或いは水平軸に沿って第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための画像である。第2ユーザーインターフェース画像70は、垂直軸及び水平軸と交差する第3軸に沿って第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための画像である。第1制御部222は、第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像60及び第2ユーザーインターフェース画像70のいずれか一方を第1表示装置25に出力する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投写画像を投写対象に投写する投写装置と、
前記投写画像を調整するための調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作を受け付ける受付装置と、
前記操作に応じて、前記調整画像の少なくとも一部の移動に用いられるユーザーインターフェース画像を表示装置又は前記投写装置に出力する制御装置と
を備え、
前記ユーザーインターフェース画像は、第1軸、または前記第1軸と直交する第2軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第1ユーザーインターフェース画像と、前記第1軸及び前記第2軸と交差する第3軸、または前記第3軸と直交する第4軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第2ユーザーインターフェース画像とを含み、
前記制御装置は、前記操作に応じて、前記第1ユーザーインターフェース画像及び前記第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を前記表示装置又は前記投写装置に出力する
投写システム。
【請求項2】
前記受付装置は、前記第1ユーザーインターフェース画像及び前記第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を選択する選択操作と、前記第1ユーザーインターフェース画像に対する操作である第1操作と、前記第2ユーザーインターフェース画像に対する操作である第2操作とを前記操作として受け付け、
前記制御装置は、
前記選択操作に応じて、前記第1ユーザーインターフェース画像及び前記第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を前記表示装置又は前記投写装置に出力し、
前記第2操作に応じて、前記調整画像の少なくとも一部が前記第3軸に沿って移動した後の調整画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する
請求項1に記載の投写システム。
【請求項3】
前記第1軸に沿う方向が、第1方向と、前記第1方向と反対の第2方向とを含み、前記第2軸に沿う方向が、第3方向と、前記第3方向と反対の第4方向とを含み、前記第3軸に沿う方向が、第5方向を含むとき、
前記第1ユーザーインターフェース画像は、前記第1方向を示す第1マーク及び前記第2方向を示す第2マークと、前記第3方向を示す第3マーク及び前記第4方向を示す第4マークとを含み、
前記第1マーク及び前記第2マークを結ぶ第1仮想線と、前記第3マーク及び前記第4マークを結ぶ第2仮想線とは直交しており、
前記第2ユーザーインターフェース画像は、前記第5方向を示す第5マークを含み、
前記受付装置は、前記第2ユーザーインターフェース画像において前記第5マークを回転させる前記操作としての回転操作を受け付け、
前記制御装置は、前記回転操作に応じて、前記第5マークが前記第1仮想線と前記第2仮想線との交点を中心に回転する前記第2ユーザーインターフェース画像の動画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する
請求項2に記載の投写システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第2操作によって前記第5マークが指定された場合、前記調整画像の少なくとも一部が前記第5方向に移動した後の調整画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する
請求項3に記載の投写システム。
【請求項5】
前記第1軸に沿う方向が、第1方向と、前記第1方向と反対の第2方向とを含み、前記第2軸に沿う方向が、第3方向と、前記第3方向と反対の第4方向とを含み、前記第3軸に沿う方向が、第5方向を含むとき、
前記第1ユーザーインターフェース画像は、前記第1方向を示す第1マーク及び前記第2方向を示す第2マークと、前記第3方向を示す第3マーク及び前記第4方向を示す第4マークとを含み、
前記第1マーク及び前記第2マークを結ぶ第1仮想線と、前記第3マーク及び前記第4マークを結ぶ第2仮想線とは直交しており、
前記第2ユーザーインターフェース画像は、前記第1仮想線と前記第2仮想線との交点を中心に前記第1ユーザーインターフェース画像を回転させた画像である
請求項2に記載の投写システム。
【請求項6】
前記受付装置は、前記第1ユーザーインターフェース画像を回転させることによって前記第2ユーザーインターフェース画像を生成するための回転操作を受け付け、
前記制御装置は、前記回転操作に応じて、前記第1ユーザーインターフェース画像が、前記交点を中心に回転する動画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する
請求項5に記載の投写システム。
【請求項7】
前記第1軸に沿う方向が、第1方向と、前記第1方向と反対の第2方向とを含み、前記第2軸に沿う方向が、第3方向と、前記第3方向と反対の第4方向とを含み、前記第3軸に沿う方向が、第5方向と、前記第5方向と反対の第6方向とを含み、前記第4軸に沿う方向が、第7方向と、前記第7方向と反対の第8方向とを含むとき、
前記第2ユーザーインターフェース画像は、前記第5方向を示す第5マーク、前記第6方向を示す第6マーク、前記第7方向を示す第7マーク、及び前記第8方向を示す第8マークを含み、
前記受付装置は、前記第5マーク、前記第6マーク、前記第7マーク、及び前記第8マークのうちいずれか1つのマークを指定する指定操作を受け付け、
前記制御装置は、
前記指定操作に応じて、指定された前記1つのマークが、他の3つのマークよりも強調された前記第2ユーザーインターフェース画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力し、
前記第2操作が前記1つのマークを選択する操作である場合、前記調整画像の少なくとも一部が前記1つのマークに対応する方向に移動した後の調整画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する
請求項2に記載の投写システム。
【請求項8】
前記第3軸に沿う方向が、前記第5方向と反対の第6方向とを含み、前記第4軸に沿う方向が、第7方向と、前記第7方向と反対の第8方向とを含むとき、
前記第2ユーザーインターフェース画像は、前記第5方向を示す第5マーク、前記第6方向を示す第6マーク、前記第7方向を示す第7マーク、及び前記第8方向を示す第8マークを含み、
前記受付装置は、前記第5マーク、前記第6マーク、前記第7マーク、及び前記第8マークのうちいずれか1つのマークを指定する指定操作を受け付け、
前記制御装置は、
前記指定操作に応じて、指定された前記1つのマークが、他の3つのマークよりも強調された前記第2ユーザーインターフェース画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力し、
前記第2操作が前記1つのマークを選択する操作である場合、前記調整画像の少なくとも一部が前記1つのマークに対応する方向に移動した後の調整画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する
請求項5又は請求項6に記載の投写システム。
【請求項9】
投写装置によって投写対象に投写される投写画像を調整するための調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作を受け付けることと、
前記操作に応じて、前記調整画像の少なくとも一部の移動に用いられるユーザーインターフェース画像を表示装置又は前記投写装置に出力することと
を含み、
前記ユーザーインターフェース画像は、第1軸、または前記第1軸と直交する第2軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第1ユーザーインターフェース画像と、前記第1軸及び前記第2軸と交差する第3軸、または前記第3軸と直交する第4軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第2ユーザーインターフェース画像とを含み、
前記出力することは、前記操作に応じて、前記第1ユーザーインターフェース画像及び前記第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を前記表示装置又は前記投写装置に出力することを含む
投写方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写システム及び投写方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのプロジェクターは、投写面に投写される投写画像の位置又は形状を調整する機能を備えている。特許文献1には、投写画像に台形歪が生じている状態において、上下左右の各方向への移動にそれぞれ対応する4つの方向キーをユーザーが操作することにより、入力画像の角部の位置が調整される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-195634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に係る技術では、上下左右の各方向への移動にそれぞれ対応する4つの方向以外の方向に角部を移動させることについては何ら考慮されておらず、ユーザーは、角部を斜め方向に移動させることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る投写システムの一態様は、投写画像を投写対象に投写する投写装置と、前記投写画像を調整するための調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作を受け付ける受付装置と、前記操作に応じて、前記調整画像の少なくとも一部の移動に用いられるユーザーインターフェース画像を表示装置又は前記投写装置に出力する制御装置とを備え、前記ユーザーインターフェース画像は、第1軸、または前記第1軸と直交する第2軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第1ユーザーインターフェース画像と、前記第1軸及び前記第2軸と交差する第3軸、または前記第3軸と直交する第4軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第2ユーザーインターフェース画像とを含み、前記制御装置は、前記操作に応じて、前記第1ユーザーインターフェース画像及び前記第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を前記表示装置又は前記投写装置に出力する。
【0006】
本開示に係る投写方法の一態様は、投写装置によって投写対象に投写される投写画像を調整するための調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作を受け付けることと、前記操作に応じて、前記調整画像の少なくとも一部の移動に用いられるユーザーインターフェース画像を表示装置又は前記投写装置に出力することとを含み、前記ユーザーインターフェース画像は、第1軸、または前記第1軸と直交する第2軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第1ユーザーインターフェース画像と、前記第1軸及び前記第2軸と交差する第3軸、または前記第3軸と直交する第4軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第2ユーザーインターフェース画像とを含み、前記出力することは、前記操作に応じて、前記第1ユーザーインターフェース画像及び前記第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を前記表示装置又は前記投写装置に出力することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る投写システムの構成図である。
図2図1のプロジェクターの構成例を示すブロック図である。
図3図2の第1操作装置の操作ボタンの構成例を示す図である。
図4】調整画像の第1の例を示す図である。
図5】調整画像の第2の例を示す図である。
図6図1のリモコン装置の構成例を示すブロック図である。
図7】第1ユーザーインターフェース画像の一例を示す図である。
図8】第2ユーザーインターフェース画像の一例を示す図である。
図9】選択操作に対する第1処理装置の動作を示すフローチャートである。
図10】第1操作を説明するための図である。
図11】第2操作を説明するための図である。
図12】調整画像の第5方向への単位時間当たりの移動量を説明するための図である。
図13】第2操作に対する第1処理装置の動作を示すフローチャートである。
図14】第2実施形態に係るプロジェクターのブロック図である。
図15】第2実施形態に係るリモコン装置のブロック図である。
図16】第2実施形態に係る第1ユーザーインターフェース画像及び第2ユーザーインターフェース画像の例を示す図である。
図17】第2実施形態に係る第2ユーザーインターフェース画像の例を示す図である。
図18】第2実施形態に係る第2操作を説明するための図である。
図19】調整画像を第5方向に移動させる場合の第2ユーザーインターフェース画像の例を示す図である。
図20】調整画像を第6方向に移動させる場合の第2ユーザーインターフェース画像の例を示す図である。
図21】調整画像を第7方向に移動させる場合の第2ユーザーインターフェース画像の例を示す図である。
図22】調整画像を第8方向に移動させる場合の第2ユーザーインターフェース画像の例を示す図である。
図23】第2ユーザーインターフェース画像の第3の例を示す図である。
図24】第2ユーザーインターフェース画像の第4の例を示す図である。
図25】第2ユーザーインターフェース画像の第5の例を示す図である。
図26】第2ユーザーインターフェース画像の第6の例を示す図である。
図27】変形例7に係る第2ユーザーインターフェース画像の第1の例を示した図である。
図28】変形例7に係る第2ユーザーインターフェース画像の第2の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法や縮尺は実際と異なる場合があり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0009】
1.第1実施形態
1.1.投写システムの概要
以下、図1図13を参照しつつ、第1実施形態に係る投写システムの概要について説明する。
【0010】
図1は、第1実施形態に係る投写システムの構成図である。投写システム1は、プロジェクター2、スクリーン3、リモコン装置4、及び端末装置5を備えている。プロジェクター2は、端末装置5と接続されている。プロジェクター2は、端末装置5から画像データを受信し、受信された画像データに基づいて、スクリーン3上に画像を投写する。
【0011】
スクリーン3上に投写される画像は、以下、投写画像31と呼ばれる。なお、投写画像31が投写される面は、スクリーン3に限らず、建物の壁面、天井等であってもよい。
【0012】
リモコン装置4は、ユーザーによる入力操作に応じた操作情報をプロジェクター2に送信する。プロジェクター2は、操作情報を受信すると、受信された操作情報に基づいた動作を実行する。
【0013】
本実施形態において、端末装置5は、パーソナルコンピューターである。端末装置5は、スクリーン3に投写される画像の情報をプロジェクター2に出力する。
【0014】
1.2.プロジェクターの構成
以下、図2図5を参照しつつ、第1実施形態に係るプロジェクター2の構成について説明する。
【0015】
図2は、図1のプロジェクター2の構成例を示すブロック図である。プロジェクター2は、第1記憶装置21、第1処理装置22、第1通信装置23、第1操作装置24、第1表示装置25、及び投写装置26を備えている。
【0016】
第1記憶装置21は、各種情報を記憶する。第1記憶装置21は、例えば、RAM等の揮発性メモリー及びROM等の不揮発性メモリーを含んで構成されている。ここで、RAMとは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMとは、Read Only Memoryの略称である。第1記憶装置21には、第1制御プログラム211等が記憶されている。第1記憶装置21の揮発性メモリーは、第1処理装置22のワークエリア212として第1処理装置22に利用される。第1制御プログラム211は、プロジェクター2の全体を制御するプログラムである。
【0017】
なお、第1記憶装置21の一部又は全部は、外部記憶装置、外部サーバー等に設けられてもよい。また、第1記憶装置21に記憶される各種情報の一部又は全部は、予め第1記憶装置21に記憶されてもよいし、外部記憶装置、外部サーバー等から取得されてもよい。
【0018】
第1処理装置22は、プロジェクター2の動作を制御する。第1処理装置22は、第1受付部221及び第1制御部222としての機能を有している。第1処理装置22は、1以上のCPUを含んで構成されている。但し、第1処理装置22は、CPUの代わりに、又はCPUに加えて、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを備えていてもよい。ここで、CPUとはCentral Processing Unitの略称であり、FPGAとはField-Programmable Gate Arrayの略称である。
【0019】
第1処理装置22は、第1記憶装置21から第1制御プログラム211を読み出し、読み出された第1制御プログラム211を実行する。第1処理装置22は、第1制御プログラム211を実行することにより、第1受付部221及び第1制御部222として機能する。
【0020】
第1受付部221は、調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作を受け付ける。調整画像は、投写画像31を調整するための画像である。例えば、調整画像は、台形歪補正時に出力される矩形画像及びレンズシフト時に出力されるチャート画像である。調整画像の少なくとも一部を移動させることには、スクリーン3上において、調整画像全体を移動させること、及び調整画像の角部を移動させることが含まれる。調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作は、第1操作装置24を用いてユーザーにより行われる。
【0021】
第1制御部222は、調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作に応じて、ユーザーインターフェース画像を第1表示装置25に出力する。ユーザーインターフェース画像は、ユーザーの操作を補助するための画像であり、本実施形態では、ユーザーの操作に応じて、調整画像の少なくとも一部の移動に用いられる画像である。ユーザーインターフェース画像は、第1ユーザーインターフェース画像と第2ユーザーインターフェース画像とを含んでいる。
【0022】
従って、第1制御部222は、調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像及び第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を第1表示装置25に出力する。
【0023】
第1制御部222は、投写装置26を制御することにより、スクリーン3に対して、画像を表示するための投写光を投写させる。具体的には、第1制御部222は、投写画像情報に基づく投写光を投写装置26に投写させることにより、スクリーン3上に投写画像31を表示させる。換言すれば、第1制御部222は、投写画像情報が示す画像を投写装置26から投写させることにより、投写画像31をスクリーン3上に表示させる。また、第1制御部222は、投写装置26を制御することにより、ユーザーインターフェース画像をスクリーン3上に表示させる。
【0024】
より具体的に述べると、第1受付部221は、「調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作」として、選択操作と、第1操作と、第2操作とを受け付ける。選択操作は、ユーザーが第1ユーザーインターフェース画像及び第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を選択する操作である。
【0025】
選択操作は、第1選択操作及び第2選択操作を含む。第1選択操作は、第1ユーザーインターフェース画像を選択する操作である。第2選択操作は、第2ユーザーインターフェース画像を選択する操作である。
【0026】
第1操作は、第1ユーザーインターフェース画像に対するユーザーの操作である。第2操作は、第2ユーザーインターフェース画像に対するユーザーの操作である。
【0027】
第1制御部222は、選択操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像及び第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を第1表示装置25に出力する。第1制御部222は、第1操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像を第1表示装置25に出力する。第1制御部222は、第2操作に応じて、調整画像の少なくとも一部が特定の方向に移動した後の調整画像を第1表示装置25に出力する。特定の方向は、投写画像31の垂直軸及び水平軸と交差する軸に沿った方向である。
【0028】
第1受付部221が選択操作を受け付けた場合、第1制御部222は、選択操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像及び第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を第1表示装置25に出力する。第1受付部221が第1操作を受け付けた場合、第1制御部222は、第1操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像を第1表示装置25に出力する。第1受付部221が第2操作を受け付けた場合、第1制御部222は、第2操作に応じて、調整画像の少なくとも一部が特定の方向に移動した後の調整画像を第1表示装置25に出力する。
【0029】
第1受付部221は、第2操作を受け付けた後、回転操作を受け付ける。回転操作は、第2ユーザーインターフェース画像において第5マークを回転させる操作である。回転操作も、「調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作」の1つである。
【0030】
第1受付部221が回転操作を受け付けた場合、第1制御部222は、回転操作に応じて、特定の動画像を第1表示装置25に出力する。特定の動画像は、図8に示したように、第5マークが第1仮想線VL1と第2仮想線VL2との交点Oを中心に回転する動画像である。また、第1制御部222は、第2操作によって第5マークが指定された場合、調整画像の少なくとも一部が特定の方向に移動した後の調整画像を第1表示装置25に出力する。
【0031】
第1通信装置23は、通信インターフェースであり、例えば、コネクター、アンテナ、及びインターフェース回路を有するインターフェース基板を含んでいる。第1通信装置23は、リモコン装置4及び端末装置5等の外部装置との間においてデータ通信を行う。
【0032】
第1操作装置24は、ユーザーから、プロジェクター2に対する入力操作を受け付ける入力インターフェースである。第1操作装置24は、ユーザーが操作するための操作装置の一例である。第1操作装置24は、例えば、プロジェクター2の筐体に設けられた操作ボタンを有している。第1操作装置24は、押下された操作ボタンを識別する情報を第1処理装置22へ出力する。これにより、ユーザーの第1操作装置24に対する入力操作の内容が第1処理装置22へ伝達される。なお、第1操作装置24は、操作ボタンの代わりにタッチパネルを有していてもよい。この場合、第1操作装置24は、検出したタッチ位置を示すデータを第1処理装置22へ出力する。
【0033】
第1表示装置25は、表示パネル及び駆動回路を有している。第1処理装置22は、ユーザーの第1操作装置24に対する入力操作に応じて、表示パネルに表示するための表示情報を第1表示装置25に出力する。第1表示装置25において、駆動回路は、第1処理装置22から入力された表示情報を駆動信号に変換し、表示パネルは、駆動回路からの駆動信号により駆動される。表示パネルには、液晶パネル、有機ELパネル等の各種のパネルが好適に用いられる。ここで、ELとはElectro Luminescenceの略称である。
【0034】
表示パネルには、例えば、プロジェクター2に設定されているモード、操作メニュー、第1操作装置24を用いて操作を行うためのガイド、ユーザーインターフェース画像、及び調整画像の少なくとも一部が表示される。
【0035】
なお、第1表示装置25は、タッチパネルディスプレイであってもよい。即ち、第1表示装置25は、第1操作装置24の機能の一部又は全部を含んで構成されてもよい。
【0036】
投写装置26は、スクリーン3に投写光を投写する。また、投写装置26は、不図示の光源と、光変調器261と、投写レンズ262とを備えている。光源は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED、レーザー光源等を含む。光変調器261は、1以上の液晶パネルを含んでいる。なお、光変調器261は、液晶パネルの代わりに、DMDを含んでいてもよい。
【0037】
光変調器261は、第1処理装置22から入力される信号に基づいて、光源から発せられた光を、スクリーン3上に投写画像31を表示するための投写光に変調する。ここで、LEDとは、Light Emitting Diodeの略称であり、DMDとはDigital Mirror Deviceの略称である。投写レンズ262は、光変調器261によって変調された投写光をスクリーン3において結像させる。
【0038】
投写装置26は、第1制御部222の制御により、スクリーン3上に投写画像31を表示するための投写光を投写する。言い換えると、投写装置26は、第1処理装置22から入力された画像情報に基づく画像をスクリーン3上に投写する。
【0039】
図3は、図2の第1操作装置24の操作ボタンの構成例を示す図である。図3には、第1操作装置24の操作ボタン240の一部の構成が示されている。操作ボタン240は、上方向ボタン241、下方向ボタン242、左方向ボタン243、右方向ボタン244、決定ボタン245、メニューボタン246、及び戻りボタン247を含む。以下、上方向ボタン241、下方向ボタン242、左方向ボタン243、及び右方向ボタン244は、方向ボタンと総称されることがある。
【0040】
上方向ボタン241は、表示パネルに操作メニューが一覧表示されている場合、操作メニューを上方向に選択するために用いられる。下方向ボタン242は、表示パネルに操作メニューが一覧表示されている場合、操作メニューを下方向に選択するために用いられる。左方向ボタン243は、表示パネルに操作メニューが一覧表示されている場合、操作メニューを左方向に選択するために用いられる。右方向ボタン244は、表示パネルに操作メニューが一覧表示されている場合、操作メニューを右方向に選択するために用いられる。
【0041】
決定ボタン245は、表示パネルに操作メニューが一覧表示されている場合、操作メニューを決定するために用いられる。メニューボタン246は、メニュー画面の表示又は非表示に用いられる。例えば、メニュー画面が表示されていないときに、ユーザーがメニューボタン246を押下すると、メニュー画面が表示される。一方、メニュー画面が表示されているときに、ユーザーがメニューボタン246を押下すると、メニュー画面の表示が終了される。戻りボタン247は、実行中の機能を終了するために用いられる。例えば、メニューが表示されているときに、ユーザーが戻りボタン247を押下すると、1つ前のメニュー階層が表示される。
【0042】
幾何学歪補正ボタン248は、台形歪補正等の幾何学歪補正の実行に用いられる。例えば、幾何学歪補正が実行されていないときに、ユーザーが幾何学歪補正ボタン248を押下すると、幾何学歪補正に関するメニューが表示される。レンズシフトボタン249は、レンズシフトの実行に用いられる。例えば、レンズシフトが実行されていないときに、ユーザーがレンズシフトボタン249を押下すると、投写装置26からレンズシフトの調整を行うための調整画像がスクリーン3に投写される。
【0043】
図4は、調整画像の第1の例を示す図である。図4において、第1調整画像81は、台形歪補正用の調整画像である。第1調整画像81は、外枠811、内枠812、及びガイドメッセージ813を含んでいる。外枠811の形状は矩形である。内枠812の形状は円である。ガイドメッセージ813には、例えば、「直したい角を動かしてください」と表示される。スクリーン3上に投写された第1調整画像81に台形歪が生じている場合、ユーザーには、外枠811の形状が矩形として視認されない。
【0044】
ユーザーは、台形歪を補正する際には、外枠811の形状が矩形と視認されるように、又は内枠812の形状が真円に近付くように、第1操作装置24を用いて、外枠の角部C1、C2、C3、及びC4をそれぞれ選択して、スクリーン3上において移動させることになる。
【0045】
図5は、調整画像の第2の例を示す図である。図5において、第2調整画像82は、レンズシフト用の調整画像である。第2調整画像82は、垂直基準線V1、第1水平基準線H1、第2水平基準線H2、第3水平基準線H3、第1基準円R1、第2基準円R2、及びガイドメッセージ821を含んでいる。ガイドメッセージ821には、例えば、「レンズシフト調整」と表示される。ユーザーは、レンズシフトを行う際には、スクリーン3上における各基準線の位置、各基準線の鮮明さ等を考慮しながら、第2調整画像82を移動させることになる。
【0046】
なお、第1調整画像81及び第2調整画像はあくまで例示であって、調整画像に表示される図形、模様、メッセージは、上述の構成に限定されない。
【0047】
1.3.リモコン装置の構成
以下、図6を参照しつつ、第1実施形態に係るリモコン装置4の構成について説明する。
【0048】
図6は、図1のリモコン装置4の構成例を示すブロック図である。リモコン装置4は、第2記憶装置41、第2処理装置42、第2通信装置43、第2操作装置44、及び第2表示装置45を備えている。
【0049】
第2記憶装置41は、例えば、RAM等の揮発性メモリー及びROM等の不揮発性メモリーを含んで構成されている。
【0050】
第2処理装置42は、第2記憶装置41から第2制御プログラム411を読み出し、読み出された第2制御プログラム411を実行する。第2処理装置42は、第2制御プログラム411を実行することにより、第2受付部421及び第2制御部422として機能する。
【0051】
第2受付部421は、調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作を受け付ける。調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作は、第2操作装置44を用いても行うことができる。第2制御部422は、調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像及び第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を第2表示装置45又は投写装置26に出力する。
【0052】
第2受付部421は、第1受付部221と同様に、選択操作と、第1操作と、第2操作とを受け付ける。選択操作は、第1選択操作及び第2選択操作を含む。
【0053】
第2制御部422は、選択操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像及び第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を第2表示装置45に出力する。第2制御部422は、第1操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像を第2表示装置45に出力する。第2制御部422は、第2操作に応じて、調整画像の少なくとも一部が特定の方向に移動した後の調整画像を第2表示装置45に出力する。
【0054】
第2通信装置43は、通信インターフェースであり、例えば、無線送受信器及びインターフェース回路を有するインターフェース基板を含んでいる。第2通信装置43は、プロジェクター2との間においてデータ通信を行う。
【0055】
第2操作装置44は、プロジェクター2のユーザーから、プロジェクター2に対する入力操作を受け付ける入力インターフェースである。第2操作装置44は、例えば、リモコン装置4の筐体に設けられた操作ボタンを有している。第2操作装置44は、押下された操作ボタンを識別する情報を第2処理装置42へ出力する。これにより、ユーザーの第2操作装置44に対する入力操作の内容が第2処理装置42へ伝達される。
【0056】
第2表示装置45は、表示パネル及び駆動回路を有している。第2処理装置42は、ユーザーの第2操作装置44に対する入力操作に応じて、表示パネルに表示するための表示画像を第2表示装置45に出力する。第2表示装置45において、駆動回路は、第2処理装置42から入力された表示情報を駆動信号に変換し、表示パネルは、駆動回路からの駆動信号により駆動される。表示パネルには、液晶パネル、有機ELパネル等の各種のパネルが好適に用いられる。
【0057】
表示パネルには、例えば、プロジェクター2に設定されているモード、操作メニュー、第2操作装置44を用いて操作を行うためのガイド、ユーザーインターフェース画像、及び調整画像の少なくとも一部が表示される。なお、第2表示装置45は、タッチパネルディスプレイであってもよい。即ち、第2表示装置45は、第2操作装置44の機能の一部又は全部を含んで構成されてもよい。
【0058】
第2操作装置44の操作ボタンの一部の構成は、図3に示した操作ボタン240の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
1.4.ユーザーインターフェース画像
以下、図7及び図8を参照しつつ、第1実施形態に係るユーザーインターフェース画像について説明する。
【0060】
図7は、第1ユーザーインターフェース画像の一例を示す図である。図7に示したように、第1ユーザーインターフェース画像60は、第1マーク61及び第2マーク62と、第3マーク63及び第4マーク64と、中心マーク65とを含んでいる。
【0061】
第1マーク61は、L字状のマークであり、角部が紙面上方向に突出している。第1マーク61は、第1方向を示している。第1方向は、第1軸に沿った方向である。本実施形態では、第1軸は、投写画像31の垂直軸である。第2マーク62は、L字状のマークであり、角部が紙面下方向に突出している。第2マーク62は、第2方向を示している。第2方向は、第1方向と反対の方向である。第3マーク63は、L字状のマークであり、角部が紙面左方向に突出している。第3マーク63は、第3方向を示している。第3方向は、第2軸に沿った方向である。本実施形態では、第2軸は、投写画像31の水平軸である。第4マーク64は、L字状のマークであり、角部が紙面右方向に突出している。第4マーク64は、第4方向を示している。第4方向は、第3方向と反対の方向である。
【0062】
本実施形態では、第1マーク61、第2マーク62、第3マーク63、及び第4マーク64は、各々同一形状である。本実施形態において、第1方向、第2方向、第3方向、及び第4方向とは、それぞれ投写画像31の上方向、下方向、左方向、右方向のことである。
【0063】
第1仮想線VL1は、第1マーク61及び第2マーク62を結ぶ線である。第1仮想線VL1は、投写画像31の垂直軸に対応している。第2仮想線VL2は、第3マーク63及び第4マーク64を結ぶ線である。第2仮想線VL2は、投写画像31の垂直軸に対応している。第1仮想線VL1と第2仮想線VL2とは、交点Oにおいて、互いに直交している。
【0064】
第1マーク61、第2マーク62、第3マーク63、及び第4マーク64は、交点Oから等距離の位置に配置されている。中心マーク65は、円状のマークである。中心マーク65の中心は、交点Oに一致している。なお、第1仮想線VL1及び第2仮想線VL2は、第1ユーザーインターフェース画像60の各マークの配置を説明するために補助的に示した線であり、実際には表示パネルには表示されない。
【0065】
第1ユーザーインターフェース画像60は、第1方向及び第2方向、並びに第3方向及び第4方向に、第1調整画像81の少なくとも一部又は第2調整画像82の少なくとも一部を移動させるための画像である。第1ユーザーインターフェース画像60は、方向ボタンの配置と対応するユーザーインターフェース画像である。
【0066】
図8は、第2ユーザーインターフェース画像の一例を示す図である。図8に示したように、第2ユーザーインターフェース画像70は、第5マーク71と中心マーク65とを含んでいる。第5マーク71は、L字状のマークであり、角部が中心マーク65へ向かう方向と反対の方向に突出している。第5マーク71は、特定の方向である第5方向を示している。
【0067】
第5方向は、第3軸に沿った方向である。第3軸は、第1軸及び第2軸と交差する軸である。換言すると、第3軸は、第1軸及び第2軸のいずれとも平行ではない。即ち、第3軸は、投写画像31の垂直軸及び水平軸のいずれとも平行ではない。図8に示した例では、第5方向は、右斜め上方向である。本実施形態では、第5マーク71は、第1マーク61~第4マーク64の各々と同一形状である。
【0068】
第2ユーザーインターフェース画像70は、第5方向に第1調整画像81又は第2調整画像82の少なくとも一部を移動させるための画像である。第2ユーザーインターフェース画像70は、方向ボタンの物理的な配置と対応しないユーザーインターフェース画像である。
【0069】
1.5.操作方法
以下、図9図13を参照しつつ、投写システム1における第1操作装置24に対する操作方法について説明する。
【0070】
図9は、選択操作に対する第1処理装置22の動作を示すフローチャートである。以下、図9を参照することにより、選択操作に対する第1処理装置22の動作について説明する。図9のルーチンは、例えば、第1処理装置22が起動されることにより開始され、一定の時間が経過する毎に実行されるようになっている。
【0071】
以下の説明において、第1選択操作は、例えば、台形歪補正を実行するまでの一連の操作である。より具体的には、第1選択操作は、幾何学歪補正ボタン248を押下した後、上方向ボタン241、下方向ボタン242、左方向ボタン243、右方向ボタン244、及び決定ボタン245を操作して、表示パネルに表示されたメニューの中から台形歪補正を選択する操作である。
【0072】
また、第1選択操作は、例えば、レンズシフトボタン249を押下する操作である。また、第1選択操作は、例えば、表示パネルに第2ユーザーインターフェース画像70が表示されている状態において、決定ボタン245をダブルクリックする操作である。
【0073】
一方、第2選択操作は、例えば、表示パネルに第1ユーザーインターフェース画像60が表示されている状態において、決定ボタン245をクリックする操作である。
【0074】
図9のルーチンが開始されると、先ず、ステップS11において、第1処理装置22は、第1選択操作を受け付けたか否かを判定する。
【0075】
ステップS11において、第1処理装置22が、第1選択操作を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS11における判定結果が肯定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS12の処理を実行する。この場合、ステップS12において、第1処理装置22は、第1ユーザーインターフェース画像60を選択して、第1表示装置25に出力する。
【0076】
次いで、ステップS13において、第1処理装置22は、第2選択操作を受け付けたか否かを判定する。
【0077】
ステップS13において、第1処理装置22が、第2選択操作を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS13における判定結果が肯定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS14の処理を実行する。この場合、ステップS14において、第1処理装置22は、第2ユーザーインターフェース画像70を選択して、第1表示装置25に出力する。
【0078】
次いで、ステップS15において、第1処理装置22は、台形歪補正又はレンズシフトの操作の終了を受け付けたか否かを判定する。
【0079】
ステップS15において、第1処理装置22が、台形歪補正又はレンズシフトの操作の終了を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS15における判定結果が肯定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS16の処理を実行する。この場合、ステップS16において、第1処理装置22は、ユーザーインターフェース画像の第1表示装置25への出力を終了し、本ルーチンを一旦終了する。
【0080】
一方、ステップS15において、第1処理装置22が、台形歪補正又はレンズシフトの操作の終了を受け付けていないと判定した場合、即ち、ステップS15における判定結果が否定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS16の処理を省略して本ルーチンを一旦終了する。即ち、この場合、第1表示装置25には、第2ユーザーインターフェース画像70が出力されている。
【0081】
また、ステップS11において、第1処理装置22が、第1選択操作を受け付けていないと判定した場合、即ち、ステップS11における判定結果が否定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS17の処理を実行する。この場合、ステップS17において、第1処理装置22は、第1ユーザーインターフェース画像60を第1表示装置25に出力中であるか否かを判定する。
【0082】
ステップS17において、第1処理装置22が、第1ユーザーインターフェース画像60を出力中であると判定した場合、即ち、ステップS17における判定結果が肯定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS13の処理を実行する。
【0083】
一方、ステップS17において、第1処理装置22が、第1ユーザーインターフェース画像60を出力していないと判定した場合、即ち、ステップS17における判定結果が否定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS15の処理を実行する。ここで、判定結果が否定的となる場合とは、例えば、第1処理装置22が第2ユーザーインターフェース画像70を出力している場合、又は第1処理装置22が第1ユーザーインターフェース画像60及び第2ユーザーインターフェース画像70以外の画像を出力している場合である。
【0084】
また、ステップS13において、第1処理装置22が、第2選択操作を受け付けていないと判定した場合、即ち、ステップS13における判定結果が否定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS14の処理を省略してステップS15の処理を実行する。
【0085】
以上が、選択操作に係る第1処理装置22の動作である。なお、第1処理装置22は、上述した各ステップにおいて以下のように機能する。第1処理装置22は、ステップS11、ステップS13、及びステップS15において、第1受付部221として機能する。第1処理装置22は、ステップS12、ステップS14、ステップS16、及びステップS17において、第1制御部222として機能する。
【0086】
図10は、第1操作、即ち、第1ユーザーインターフェース画像60に対する操作を説明するための図である。図10では、調整画像として、第2調整画像82が示されている。第1処理装置22が、第1ユーザーインターフェース画像60を第1表示装置25に出力している状態において、例えば、ユーザーが上方向ボタン241を押下すると、ユーザーが上方向ボタン241を押下し続けている間、第1処理装置22は、第2調整画像82を上方向に移動させる。ユーザーが上方向ボタン241の押下を止めると、第1処理装置22は、第2調整画像82の移動を停止させる。
【0087】
図11は、第2操作、即ち、第2ユーザーインターフェース画像70に対する操作を説明するための図である。第1処理装置22が、第2ユーザーインターフェース画像70を第1表示装置25に出力している状態において、例えば、ユーザーが決定ボタン245を押下した後、ユーザーが決定ボタン245を押下し続けている間、第1処理装置22は、第5マーク71を、交点Oを中心に時計回りに回転させる。ユーザーが決定ボタン245の押下を止めると、第1処理装置22は、第5マーク71の回転を停止させる。すなわち、第5マークを回転するための回転操作は、決定ボタン245を押下することにより実行される。図11に示した例では、ユーザーが決定ボタン245を押下する前における第5マークが第5マーク71aとして示されており、ユーザーが決定ボタン245の押下を止めたときの第5マークが第5マーク71bとして示されている。これにより、第1処理装置22は、第5方向を決定する。
【0088】
なお、上記の例では、第5マーク71の回転方向は、時計回りであったが、これに限る必要はなく、反時計回りであってもよい。
【0089】
図12は、調整画像の第5方向への単位時間当たりの移動量を説明するための図である。図12に示したように、X-Y平面における交点Oの座標、即ち、中心座標を(X1,Y1)、第5マーク71の角部A1の座標を(X2,Y2)とする。例えば、第1制御部222は、第2操作における調整画像の第5方向への単位時間当たりの移動量ΔMを、以下のように算出する。
【0090】
図12に示したように、交点Oと角部A1との間の距離をLdとし、距離LdのX方向成分である横長さをLx、距離LdのY方向成分である縦長さをLyとすると、
Lx=|X2-X1| ・・・(1)
Ly=|Y2-Y1| ・・・(2)
【0091】
第1制御部222は、横長さLxと縦長さLyとを比較する。横長さLxが縦長さLyよりも小さい場合、第1調整画像81又は第2調整画像82のX方向への移動量、即ち、横移動量を一定の基準量に決定する。横移動量をΔMxとし、Y方向への移動量、即ち、縦移動量をΔMyとすると、縦移動量ΔMyは、
ΔMy=(Ly×ΔMx)/Lx ・・・(3)
【0092】
また、第1制御部222は、縦長さLyが横長さLxよりも小さい場合、縦移動量ΔMyを一定の基準量に決定する。この場合、横移動量ΔMxは、
ΔMx=(Lx×ΔMy)/Ly ・・・(4)
【0093】
図13は、第2操作に対する第1処理装置22の動作を示すフローチャートである。以下、図13を参照することにより、第2操作に対する第1処理装置22の動作について説明する。図13のルーチンは、例えば、第1処理装置22が起動されることにより開始され、一定の時間が経過する毎に実行されるようになっている。
【0094】
図13のルーチンが開始されると、先ず、ステップS20において、第1処理装置22は、第2ユーザーインターフェース画像70を出力中であるか否かを判定する。
【0095】
第1処理装置22が第2ユーザーインターフェース画像70を出力中ではないと判定した場合、即ち、ステップS20における判定結果が否定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS21以降のすべての処理を省略して、本ルーチンを一旦終了する。つまり、この場合、第2操作は行われない。
【0096】
一方、第1処理装置22が第2ユーザーインターフェース画像70を出力中であると判定した場合、即ち、ステップS20における判定結果が肯定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS21の処理を実行する。この場合、ステップS21において、第1処理装置22は、第5方向が決定されているか否かを判定する。
【0097】
第5方向が決定されていないと判定した場合、即ち、ステップS21における判定結果が否定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS22の処理を実行する。この場合、ステップS22において、第1処理装置22は、決定ボタン245が押下されたか否かを判定する。
【0098】
決定ボタン245が押下されたと判定した場合、即ち、ステップS22における判定結果が肯定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS23の処理を実行する。この場合、ステップS23において、第1処理装置22は、交点Oを中心として第5マーク71を時計回りに一定量回転させる。
【0099】
次に、ステップS24において、第1処理装置22は、決定ボタン245の押下が終了したか否かを判定する。
【0100】
決定ボタン245の押下が終了していない場合、即ち、ステップS24における判定結果が否定的であった場合、第1処理装置22は、再度ステップS23の処理を実行する。従って、ユーザーが決定ボタン245の押下を維持している間、第1処理装置22は、ステップS23の処理を繰り返す。
【0101】
決定ボタン245の押下が終了した場合、即ち、ステップS24における判定結果が肯定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS25の処理を実行する。この場合、ステップS25において、第1処理装置22は、第5方向を決定する。
【0102】
次に、ステップS26において、第1処理装置22は、方向ボタン、即ち、上方向ボタン241、下方向ボタン242、左方向ボタン243、及び右方向ボタン244のいずれかが押下されたか否かを判定する。
【0103】
方向ボタンが押下されたと判定した場合、即ち、ステップS26における判定結果が肯定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS27の処理を実行する。この場合、ステップS27において、第1処理装置22は、第2調整画像82を第5方向に一定量移動させる。
【0104】
次に、ステップS28において、第1処理装置22は、方向ボタンの押下が終了したか否かを判定する。
【0105】
方向ボタンの押下が終了していない場合、即ち、ステップS28における判定結果が否定的であった場合、第1処理装置22は、再度ステップS27の処理を実行する。従って、ユーザーが方向ボタンの押下を維持している間、第1処理装置22は、ステップS27の処理を繰り返す。
【0106】
方向ボタンの押下が終了した場合、即ち、ステップS28における判定結果が肯定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS29の処理を実行する。この場合、ステップS29において、第1処理装置22は、第1調整画像81又は第2調整画像82の移動を終了し、本ルーチンを一旦終了する。
【0107】
なお、ステップS21において、第5方向が決定していないと判定した場合、即ち、ステップS21における判定結果が否定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS22からステップS25までの処理を省略して、ステップS26の処理を実行する。つまり、この場合、第5方向を決定するための処理は行われない。
【0108】
また、ステップS22において、決定ボタン245が押下されていないと判定した場合、即ち、ステップS22における判定結果が否定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS23以降のすべての処理を省略して、本ルーチンを一旦終了する。
【0109】
また、ステップS26において、方向ボタンが押下されていないと判定した場合、即ち、ステップS26における判定結果が否定的であった場合、第1処理装置22は、ステップS27以降のすべての処理を省略して、本ルーチンを一旦終了する。
【0110】
以上が、第2操作に係る第1処理装置22の動作である。なお、第1処理装置22は、上述した各ステップにおいて以下のように機能する。第1処理装置22は、ステップS20、ステップS21、ステップS23、ステップS25、ステップS27、及びステップS29において、第1制御部222として機能する。第1処理装置22は、ステップS22、ステップS24、ステップS26、及びステップS28において、第1受付部221として機能する。
【0111】
なお、上記の説明では、ユーザーによる第1操作装置24への入力操作に応じて、第1処理装置22が、ユーザーインターフェース画像を第1表示装置25に出力していた。しかし、本実施形態では、ユーザーによる第2操作装置44への入力操作に応じて、第2処理装置42が、ユーザーインターフェース画像を第2表示装置45に出力してもよい。
【0112】
また、端末装置5には、パーソナルコンピューターの代わりに、タブレット、スマートフォン等の携帯端末装置が用いられてもよい。
【0113】
また、調整画像を移動させることには、調整画像の角部を移動させることを含む。例えば、コーナー補正では、調整画像の中心部は移動させずに、角部のみを移動させる。従って、角部を移動させることは、調整画像の少なくとも一部を移動させることに相当する。
【0114】
1.4.本実施形態の効果
以上説明したように、投写システム1は、投写装置26と、第1受付部221と、第1制御部222とを備えている。投写装置26は、投写画像31をスクリーン3に投写する。第1受付部221は、第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための操作を受け付ける。第1調整画像81又は第2調整画像82は、投写画像31を調整するための画像である。第1制御部222は、第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための操作に応じて、第1調整画像81又は第2調整画像82の移動に用いられるユーザーインターフェース画像を第1表示装置25に出力する。
【0115】
ユーザーインターフェース画像は、第1ユーザーインターフェース画像60と、第2ユーザーインターフェース画像70とを含んでいる。第1ユーザーインターフェース画像60は、垂直軸或いは垂直軸と直交する水平軸に沿って第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための画像である。第2ユーザーインターフェース画像70は、垂直軸及び水平軸と交差する第3軸に沿って第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための画像である。
【0116】
第1制御部222は、第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像60及び第2ユーザーインターフェース画像70のいずれか一方を第1表示装置25に出力する。
【0117】
以上の投写システム1によれば、第1操作装置24に対する操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像60及び第2ユーザーインターフェース画像70のいずれか一方が第1表示装置25に表示される。これにより、ユーザーが第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させたい方向が、垂直軸に沿う方向及び水平軸に沿う方向と異なる第3軸に沿う方向である場合、第2ユーザーインターフェース画像70を用いて、第1調整画像81又は第2調整画像82を第3軸に沿って移動させることができる。従って、ユーザーが行いたい操作内容により適したユーザーインターフェース画像を第1表示装置25に出力することができる。
【0118】
従って、これによれば、第1調整画像81又は第2調整画像82を上下左右方向、即ち、第1方向~第4方向に移動させるためのユーザーインターフェース画像だけでなく、第1調整画像81又は第2調整画像82を斜め方向、即ち、第3軸に沿った方向に移動させるためのユーザーインターフェース画像を第1表示装置25に出力することができる。
【0119】
なお、第1実施形態において、スクリーン3は「投写対象」の一例であり、第1受付部221は、「受付装置」の一例であり、第1制御部222は「制御装置」の一例であり、第1表示装置25は「表示装置」の一例である。また、第1実施形態において、垂直軸は「第1軸」の一例であり、水平軸は「第2軸」の一例であり、上方向は「第1方向」の一例であり、下方向は「第2方向」の一例であり、左方向は「第3方向」の一例であり、右方向は「第4方向」の一例である。
【0120】
また、投写システム1によれば、第1受付部221は、選択操作と、第1操作と、第2操作とを受け付ける。選択操作は、第1ユーザーインターフェース画像60及び第2ユーザーインターフェース画像70のいずれか一方を選択する操作である。第1操作は、第1ユーザーインターフェース画像60に対する操作である。第2操作は、第2ユーザーインターフェース画像70に対する操作である。
【0121】
第1制御部222は、選択操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像60及び第2ユーザーインターフェース画像70のいずれか一方を第1表示装置25に出力する。第1制御部222は、第2操作に応じて、第1調整画像81又は第2調整画像82が第3軸に沿って移動した後の第1調整画像81又は第2調整画像82を第1表示装置25に出力する。
【0122】
これによれば、ユーザーは、第2ユーザーインターフェース画像70を用いた操作により、第1調整画像81又は第2調整画像82を第3軸に沿って移動させることができる。即ち、ユーザーは、第1調整画像81又は第2調整画像82を斜め方向に移動させることができる。従って、ユーザーが第1調整画像81又は第2調整画像82を斜めに移動させたい場合における操作の煩わしさを抑制できる。
【0123】
また、第1実施形態において、垂直軸に沿う方向は、上方向と、上方向と反対の下方向とを含み、水平軸に沿う方向は、左方向と、左方向と反対の右方向とを含み、第3軸に沿う方向は第5方向を含む。このとき、第1ユーザーインターフェース画像60は、上方向を示す第1マーク61及び下方向を示す第2マーク62と、左方向を示す第3マーク63及び右方向を示す第4マーク64とを含む。
【0124】
また、第1マーク61及び第2マーク62を結ぶ第1仮想線VL1と、第3マーク63及び第4マーク64を結ぶ第2仮想線VL2とは直交している。第2ユーザーインターフェース画像70は、第5方向を示す第5マーク71を含む。第1受付部221は、回転操作を受け付ける。回転操作は、第2ユーザーインターフェース画像70において第5マーク71を回転させる操作である。第1制御部222は、回転操作に応じて、第5マーク71が第1仮想線VL1と第2仮想線VL2との交点Oを中心に回転する第2ユーザーインターフェース画像70の動画像を第1表示装置25に出力する。
【0125】
これによれば、ユーザーは、第2ユーザーインターフェース画像70において、第5マークが回転する様子を確認しながら回転操作を行うことができる。従って、ユーザーは、より精度よく第5方向を決定できる。
【0126】
また、第1制御部222は、第2操作によって第5マーク71が指定された場合、第1調整画像81又は第2調整画像82が第5方向に移動した後の調整画像を第1表示装置25に出力する。
【0127】
これによれば、ユーザーは、第2ユーザーインターフェース画像70を用いた操作により、第1調整画像81又は第2調整画像82を第5方向、即ち、斜め方向に移動させることができる。従って、ユーザーが第1調整画像81又は第2調整画像82を斜めに移動させたい場合における操作の煩わしさを抑制できる。
【0128】
また、投写方法は、第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための操作を受け付けることを含む。第1調整画像81又は第2調整画像82は、投写装置26によってスクリーン3に投写される投写画像31を調整するための画像である。投写方法は、第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための操作に応じて、第1調整画像81又は第2調整画像82の移動に用いられるユーザーインターフェース画像を第1表示装置25に出力することを含む。
【0129】
ユーザーインターフェース画像は、第1ユーザーインターフェース画像60と、第2ユーザーインターフェース画像70とを含む。第1ユーザーインターフェース画像60は、垂直軸或いは垂直軸と直交する水平軸に沿って第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための画像である。第2ユーザーインターフェース画像70は、垂直軸及び水平軸と交差する第3軸、或いは第3軸と直交する第4軸に沿って第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための画像である。
【0130】
ユーザーインターフェース画像を第1表示装置25に出力することは、第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させるための操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像60及び第2ユーザーインターフェース画像70のいずれか一方を第1表示装置25に出力することを含む。
【0131】
以上の投写方法によれば、ユーザーが第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させたい方向が、垂直軸に沿う方向及び水平軸に沿う方向と異なる第3軸に沿う方向である場合、第2ユーザーインターフェース画像70を用いて、第1調整画像81又は第2調整画像82を第3軸に沿って移動させることができる。従って、ユーザーが行いたい操作内容により適したユーザーインターフェース画像を第1表示装置25に出力することができる。
【0132】
2.第2実施形態
以下、図14図22を参照することにより、本発明の第2実施形態に係る投写システムの構成について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、第1実施形態と同一の構成要素に対しては、同一の符号を用いると共に、その機能の説明を省略することがある。また、以下の説明では、説明の簡略化のため、主として、第2実施形態が、第1実施形態に比較して相違する点について説明する。
【0133】
2.1.第2実施形態の構成
図14は、第2実施形態に係るプロジェクターのブロック図である。プロジェクター2Aにおいて、第3制御プログラム211Aは、第1制御プログラム211と異なっている。また、第3受付部221Aは、第1受付部221と異なっている。また、第3制御部222Aは、第1制御部222と異なっている。なお、第3通信装置23A、第3操作装置24A、及び第3表示装置25Aの各構成は、第1通信装置23、第1操作装置24、及び第1表示装置25の各構成と同じである。
【0134】
図15は、第2実施形態に係るリモコン装置のブロック図である。リモコン装置4Aにおいて、第4制御プログラム411Aは、第2制御プログラム411と異なっている。また、第4制御部422Aは、第2制御部422と異なっている。なお、第4受付部421A、第4通信装置43A、第4操作装置44A、及び第4表示装置45Aの各構成は、第2受付部421、第2通信装置43、第2操作装置44、及び第2表示装置45の各構成と同じである。
【0135】
図16は、第2実施形態に係る第1ユーザーインターフェース画像及び第2ユーザーインターフェース画像の例を示す図である。第2実施形態に係る第1ユーザーインターフェース画像60は、第1実施形態に係る第1ユーザーインターフェース画像60と同一である。第2実施形態に係る第2ユーザーインターフェース画像70Aが示す図形は、第1ユーザーインターフェース画像60を、交点Oを中心に回転させた図形に相当する。第2ユーザーインターフェース画像70Aは、第5マーク71、第6マーク72、第7マーク73、第8マーク74、及び中心マーク65を含んでいる。
【0136】
本実施形態では、第5マーク71は、第1実施形態に係る第2ユーザーインターフェース画像70の第5マーク71と同一のマークである。即ち、第5マーク71は、L字状のマークであり、角部A1が中心マーク65へ向かう方向と反対の方向に突出している。第5マーク71は、第5方向を示している。
【0137】
第6マーク72、第7マーク73、及び第8マーク74の各形状は、第5マーク71の形状と同一である。第6マーク72は、第6方向を示している。第7マーク73は、第7方向を示している。第8マーク74は、第8方向を示している。なお、図16において、破線により示された第1ユーザーインターフェース画像60、第1仮想線VL1、第2仮想線VL2、及び破線の矢印は、実際には表示パネルに表示されない。
【0138】
図17は、第2実施形態に係る第2ユーザーインターフェース画像の例を示す図である。図17に示したように、第3仮想線VL3は、第5マーク71及び第6マーク72を結ぶ線である。第3仮想線VL3は、投写画像31の第3軸に対応している。第4仮想線VL4は、第7マーク73及び第8マーク74を結ぶ線である。第4仮想線VL4は、投写画像31の第4軸に対応している。第3仮想線VL3と第4仮想線VL4とは、交点Oにおいて、互いに直交している。
【0139】
第3軸に沿う方向は、第5方向と第6方向とを含んでいる。第6方向は、第5方向と反対の方向である。第4軸に沿う方向は、第7方向と第8方向とを含んでいる。第8方向は、第7方向と反対の方向である。なお、第3仮想線VL3及び第4仮想線VL4は、実際には、第1表示装置25に出力されない。
【0140】
図18は、第2実施形態に係る第2操作を説明するための図である。図18に示したように、第1境界線BL1は、交点Oから右斜め上45度の方向に延びる線である。第2境界線BL2は、交点Oから左斜め下45度の方向に延びる線である。第3境界線BL3は、交点Oから左斜め上45度の方向に延びる線である。第4境界線BL4は、交点Oから右斜め下45度の方向に延びる線である。なお、第1境界線BL1、第2境界線BL2、第3境界線BL3、及び第4境界線BL4は、第2実施形態の説明を補助するために便宜的に設けられた線であり、必ずしも、第1表示装置25に出力される必要はない。
【0141】
第3制御部222Aは、第1境界線BL1、第2境界線BL2、第3境界線BL3、及び第4境界線BL4によって区分される4つの領域と、上方向ボタン241、下方向ボタン242、左方向ボタン243、及び右方向ボタン244とをそれぞれ対応付けた制御を行う。
【0142】
4つの領域は、第1領域RE1、第2領域RE2、第3領域RE3、及び第4領域RE4である。第1領域RE1は、第1境界線BL1と第3境界線BL3とによりの間の領域である。第2領域RE2は、第2境界線BL2と第4境界線BL4との間の領域である。第3領域RE3は、第2境界線BL2と第3境界線BL3との間の領域である。第4領域RE4は、第1境界線BL1と第4境界線BL4との間の領域である。
【0143】
第1領域RE1は、上方向ボタン241に対する操作に対応している。第2領域RE2は、下方向ボタン242に対する操作に対応している。第3領域RE3は、左方向ボタン243に対する操作に対応している。第4領域RE4は、右方向ボタン244に対する操作に対応している。
【0144】
図19は、第1調整画像81又は第2調整画像82を第5方向に移動させる場合の第2ユーザーインターフェース画像70Aの例を示す図である。図19に示したように、第1領域RE1内には、第5マーク71の角部A1が存在している。この場合において、上方向ボタン241が押下されると、上方向ボタン241が押下されている間、第5マーク71の示す方向D1に対応する方向、即ち、第5方向に第1調整画像81又は第2調整画像82が移動する。
【0145】
図20は、第1調整画像81又は第2調整画像82を第6方向に移動させる場合の第2ユーザーインターフェース画像70Aの例を示す図である。図20に示したように、第2領域RE2内には、第6マーク72の角部A2が存在している。この場合において、下方向ボタン242が押下されると、下方向ボタン242が押下されている間、第6マーク72の示す方向D2に対応する方向、即ち、第6方向に第1調整画像81又は第2調整画像82が移動する。
【0146】
図21は、第1調整画像81又は第2調整画像82を第7方向に移動させる場合の第2ユーザーインターフェース画像70Aの例を示す図である。図21に示したように、第3領域RE3内には、第7マーク73の角部A3が存在している。この場合において、左方向ボタン243が押下されると、左方向ボタン243が押下されている間、第7マーク73の示す方向D3に対応する方向、即ち、第7方向に第1調整画像81又は第2調整画像82が移動する。
【0147】
図22は、第1調整画像81又は第2調整画像82を第8方向に移動させる場合の第2ユーザーインターフェース画像70Aの例を示す図である。図22に示したように、第4領域RE4内には、第8マーク74の角部A4が存在している。この場合において、右方向ボタン244が押下されると、右方向ボタン244が押下されている間、第8マーク74の示す方向D4に対応する方向、即ち、第8方向に第1調整画像81又は第2調整画像82が移動する。
【0148】
このように、第2実施形態に係る投写システム1では、回転操作時のマークの回転角度は、最も大きい場合でも、45度となるため、回転操作にかかる時間をより短くすることができる。また、移動方向を指定する操作と移動開始の操作とが同時である。また、1方向の移動だけでなく、4つのボタンを用いて、4方向に移動させることが可能であるので、移動させる位置の微調整が容易である。例えば、目標とする位置まで、1つの方向ボタンを操作して直線的に素早く移動させた後、4つの方向ボタンを操作して、位置を微調整することができる。
【0149】
ユーザーが、選択操作によって第2ユーザーインターフェース画像70を選択する方法は、第1実施形態における方法と同様である。
【0150】
なお、本実施形態では第1領域RE1、第2領域RE2、第3領域RE3、及び第4領域RE4のそれぞれと上方向ボタン241、下方向ボタン242、左方向ボタン243、及び右方向ボタン244のそれぞれとを対応付けたが、これに限らない。例えば、交点Oの周りに配置されるマークが第5マーク71及び第6マーク72のみの場合は、第2仮想線VL2よりも上の領域及び第2仮想線VL2よりも下の領域のみに区切るとともに、第5マーク71と当該上の領域とを対応付け、第6マーク72と当該下の領域とを対応付けてもよい。この場合、当該上の領域と上方向ボタン241とを対応付けるとともに、当該下の領域と下方向ボタン242とを対応付けてもよい。
【0151】
2.2.第2実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、第2実施形態に係る投写システム1において、第1軸に沿う方向は、第1方向と、第1方向と反対の第2方向とを含み、第2軸に沿う方向は、第3方向と、第3方向と反対の第4方向とを含み、第3軸に沿う方向は、第5方向を含む。このとき、第1ユーザーインターフェース画像60は、第1方向を示す第1マーク61及び第2方向を示す第2マーク62と、第3方向を示す第3マーク63及び第4方向を示す第4マーク64とを含む。
【0152】
第1マーク61及び第2マーク62を結ぶ第1仮想線VL1と、第3マーク63及び第4マーク64を結ぶ第2仮想線VL2とは直交している。第2ユーザーインターフェース画像70は、第1仮想線VL1と第2仮想線VL2との交点Oを中心に第1ユーザーインターフェース画像60を回転させた画像である。
【0153】
これによれば、第1ユーザーインターフェース画像60のデザインを、第2ユーザーインターフェース画像70のデザインに流用でき、ユーザーは、第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させる方向が、上下左右方向(第1方向~第4方向)から第5方向(斜め方向)に変更されたことを容易に把握できる。
【0154】
また、第3受付部221Aは、第1ユーザーインターフェース画像60を回転させることによって第2ユーザーインターフェース画像70Aを生成するための回転操作を受け付ける。第3制御部222Aは、回転操作に応じて、第1ユーザーインターフェース画像60が、交点Oを中心に回転する動画像を第1表示装置25に出力する。
【0155】
これによれば、ユーザーが、第1ユーザーインターフェース画像60が回転する過程を観察し、第1ユーザーインターフェース画像60の回転度合いを見極めることができるため、第5方向をより精度よく設定できる。
【0156】
3.変形例
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。具体的な変形の態様を以下に例示する。また、以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内において適宜併合され得る。なお、以下に例示する変形例において、作用や機能が前述の実施形態と同等である要素については、以上の説明において使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
【0157】
3.1.変形例1
第1実施形態では、第2操作において、第1処理装置22は、ユーザーが決定ボタン245を押下し続けている間、第5マーク71を、交点Oを中心に回転させ、ユーザーが決定ボタン245の押下を止めると、第5マーク71の回転を停止させていた。操作の方法はこれに限らず、例えば、第1処理装置22は、ユーザーが決定ボタン245を1回クリックすると、第5マーク71の回転を開始させ、ユーザーが再度決定ボタン245を1回クリックすると、第5マーク71の回転を停止させてもよい。
【0158】
3.2.変形例2
第1実施形態において、第2ユーザーインターフェース画像70を示す図形は、第1ユーザーインターフェース画像60を示す画像から3つのL字状のマークを取り除いた形状であった。また、第2実施形態において、第2ユーザーインターフェース画像70Aを示す図形は、第1ユーザーインターフェース画像60を示す図形を回転させたものであった。しかし、第2ユーザーインターフェース画像は、これに限らず、様々なデザインが採用されてもよい。
【0159】
図23は、第2ユーザーインターフェース画像の第3の例を示す図である。図23に示したように、第2ユーザーインターフェース画像70Bは、中心マーク65a、第5マーク71c、及び軌道マーク75を含む。第5マーク71cの形状は円形である。回転操作により、第5マーク71cは、軌道マーク75が示す円軌道に沿って回転する。中心マーク65aと第5マーク71cとの位置関係により、第5方向が特定される。
【0160】
図24は、第2ユーザーインターフェース画像の第4の例を示す図である。図24に示したように、第2ユーザーインターフェース画像70Cは、中心マーク65a、第5マーク71d、及び軌道マーク75を含む。第5マーク71dの形状は三角形である。回転操作により、第5マーク71dは、軌道マーク75が示す円軌道に沿って回転する。中心マーク65aと第5マーク71dとの位置関係により、第5方向が特定される。
【0161】
図25は、第2ユーザーインターフェース画像の第5の例を示す図である。図25に示したように、第2ユーザーインターフェース画像70Dは、第5マーク71eを含む。第5マーク71eの形状は矩形であり、矩形の内部に三角形のマークが印されている。回転操作により、第5マーク71eは回転する。矩形の内部の三角形のマークの向きにより、第5方向が特定される。
【0162】
図26は、第2ユーザーインターフェース画像の第6の例を示す図である。図26に示したように、第2ユーザーインターフェース画像70Eは、中心マーク65a、第5マーク71f、第6マーク72a、及び軌道マーク75を含む。第5マーク71fの形状及び第6マーク72aの形状は三角形である。回転操作により、第5マーク71f及び第6マーク72aは、軌道マーク75が示す円軌道に沿って回転する。中心マーク65aと第5マーク71fとの位置関係により、第5方向が特定される。また、中心マーク65aと第6マーク72aとの位置関係により、第6方向が特定される。
【0163】
このように、第2ユーザーインターフェース画像は、方向マークとして、第5マーク及び第6マークのみを含んでいてもよい。これによれば、第1調整画像81又は第2調整画像82を第5方向に移動させている場合に、第1調整画像81又は第2調整画像82の位置が目標位置を行き過ぎた場合、容易に第5方向の反対方向である第6方向に第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させることができる。
3.3.変形例3
変形例3では、右方向ボタン244に、第5マークを時計回りに回転させる機能が割り当てられ、左方向ボタン243に、第5マークを反時計回りに回転させる機能が割り当てられる。
【0164】
例えば、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、右方向ボタン244が押下されている間、第5マーク71を時計回りに回転させ、右方向ボタン244の押下が停止されると、第5マーク71の回転を停止させるように構成されている。一方、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、左方向ボタン243が押下されている間、第5マーク71を反時計回りに回転させ、左方向ボタン243の押下が停止されると、第5マーク71の回転を停止させるように構成されている。
【0165】
なお、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、右方向ボタン244が1回押下されると、第5マーク71の時計回りの回転を開始させ、右方向ボタン244がもう1回押下されると、第5マーク71の回転を停止させるように構成されてもよい。この場合、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、左方向ボタン243が1回押下されると、第5マーク71の反時計回りの回転を開始させ、左方向ボタン243がもう1回押下されると、第5マーク71の回転を停止させるように構成されている。
【0166】
このような構成によれば、第5マーク71の回転方向を容易に変更可能であるため、例えば、第5マーク71を回転させ過ぎた場合であっても、第5マーク71を目標の回転位置まで容易に戻すことができる。なお、本変形例において、第1調整画像81又は第2調整画像82を、決定ボタン245を押下することにより、斜め方向、即ち、第3軸に沿った方向に移動してもよい。
【0167】
3.4.変形例4
変形例4では、各方向ボタンに、最終到達位置を指定する機能が割り当てられる。即ち、上方向ボタン241には、第5マーク71の最終到達位置を最上位置に指定する機能が割り当てられ、下方向ボタン242には、第5マーク71の最終到達位置を最下位置に指定する機能が割り当てられる。また、左方向ボタン243には、第5マーク71の最終到達位置を最左位置に指定する機能が割り当てられ、右方向ボタン244には、第5マーク71の最終到達位置を最右位置に指定する機能が割り当てられる。
【0168】
例えば、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、下方向ボタン242が押下されている間、第5マーク71を、最下位置に向かう方向に回転させ、下方向ボタン242の押下が停止されると、第5マーク71の回転を停止させるように構成されている。最下位置に向かう方向は、第5マーク71の位置によって異なる。第5マーク71が第1仮想線VL1よりも右側に位置している場合、最下位置に向かう方向は、時計回りである。第5マーク71が第1仮想線VL1よりも左側に位置している場合、最下位置に向かう方向は、反時計回りである。
【0169】
なお、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、第5マーク71が最下位置に到達すると、下方向ボタン242に対する操作によらず、第5マーク71の回転を停止させるように構成されている。
【0170】
また、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、上方向ボタン241が押下されている間、第5マーク71を、最上位置に向かう方向に回転させ、上方向ボタン241の押下が停止されると、第5マーク71の回転を停止させるように構成されている。最上位置に向かう方向は、第5マーク71の位置によって異なる。第5マーク71が第1仮想線VL1よりも右側に位置している場合、最上位置に向かう方向は、反時計回りである。第5マーク71が第1仮想線VL1よりも左側に位置している場合、最上位置に向かう方向は、時計回りである。
【0171】
なお、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、第5マーク71が最上位置に到達すると、上方向ボタン241に対する操作によらず、第5マーク71の回転を停止させるように構成されている。
【0172】
また、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、右方向ボタン244が押下されている間、第5マーク71を、最右位置に向かう方向に回転させ、右方向ボタン244の押下が停止されると、第5マーク71の回転を停止させるように構成されている。最右位置に向かう方向は、第5マーク71の位置によって異なる。第5マーク71が第2仮想線VL2よりも上側に位置している場合、最右位置に向かう方向は、時計回りである。第5マーク71が第2仮想線VL2よりも下側に位置している場合、最右位置に向かう方向は、反時計回りである。
【0173】
なお、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、第5マーク71が最右位置に到達すると、右方向ボタン244に対する操作によらず、第5マーク71の回転を停止させるように構成されている。
【0174】
また、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、左方向ボタン243が押下されている間、第5マーク71を、最左位置に向かう方向に回転させ、左方向ボタン243の押下が停止されると、第5マーク71の回転を停止させるように構成されている。最左位置に向かう方向は、第5マーク71の位置によって異なる。第5マーク71が第2仮想線VL2よりも上側に位置している場合、最左位置に向かう方向は、反時計回りである。第5マーク71が第2仮想線VL2よりも下側に位置している場合、最左位置に向かう方向は、時計回りである。
【0175】
なお、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、第5マーク71が最左位置に到達すると、左方向ボタン243に対する操作によらず、第5マーク71の回転を停止させるように構成されている。
【0176】
また、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、各方向ボタンが1回押下されると、第5マーク71の回転を開始させ、当該方向ボタンがもう1回押下されると、第5マーク71の回転を停止させるように構成されてもよい。これによれば、第5マーク71の回転位置の微調整が容易である。
【0177】
3.5.変形例5
上記実施形態では、第5方向が決定された後、調整画像の第5方向への移動は、各方向ボタンのいずれが押下されてもよかった。本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、上方向ボタン241が押下されている間、調整画像を第5方向へ移動させるように構成されてもよい。また、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、下方向ボタン242が押下されている間、調整画像を第5方向と反対の第6方向へ移動させるように構成されてもよい。
【0178】
また、本変形例に係る第1処理装置及び第2処理装置は、上方向ボタン241又は下方向ボタン242が1回押下されると、調整画像の第5方向への移動を開始させ、当該方向ボタンがもう1回押下されると、調整画像の第5方向への移動を停止させるように構成されてもよい。
【0179】
3.6.変形例6
調整画像の第5方向への単位時間当たりの移動量は、以下のように算出されてもよい。交点Oと角部A1との間の距離Ldは、以下の式(5)のように算出される。
Ld=[(X2-X1)+(Y2-Y1)1/2 ・・・(5)
ここで、第5方向への移動量、即ち、斜め移動量をΔMdとすると、斜め移動量ΔMd、縦移動量ΔMy、距離Ld、及び縦長さLyとの間には、以下の式(6)の関係が成り立つ。
ΔMd:ΔMy=Ld:Ly ・・・(6)
従って、縦移動量ΔMyは、
ΔMy=(Ly×ΔMd)/Ld ・・・(7)
また、斜め移動量ΔMd、横移動量ΔMx、距離Ld、及び横長さLxとの間には、以下の式(8)の関係が成り立つ。
ΔMd:ΔMx=Ld:Lx ・・・(8)
従って、横移動量ΔMxは、
ΔMx=(Lx×ΔMd)/Ld ・・・(9)
【0180】
3.7.変形例7
第1制御部222は、指定操作に応じて、4つのマークのうち、1つのマークが、他の3つのマークよりも強調された第2ユーザーインターフェース画像を第1表示装置25に出力してもよい。
【0181】
図27は、変形例7に係る第2ユーザーインターフェース画像の第1の例を示した図である。図28は、変形例7に係る第2ユーザーインターフェース画像の第2の例を示した図である。図27に示したように、強調表示の態様は、4つの方向マークのうち、1つのマークの表示態様を指定操作前の表示態様よりも強調させた態様である。指定操作に応じて、第2ユーザーインターフェース画像70Fの第5マーク71g、第6マーク72、第7マーク73、及び第8マーク74のうち、第5マーク71gが強調された表示となる。
【0182】
図28に示したように、強調表示の態様は、4つの方向マークのうち、3つのマークの表示態様を指定操作前の表示態様よりも目立たなくした態様である。指定操作に応じて、第2ユーザーインターフェース画像70Gの第5マーク71、第6マーク72b、第7マーク73a、及び第8マーク74aのうち、第5マーク71を除く3つのマークを第5マーク71の表示態様よりも目立たない表示態様とする。
【0183】
このように、垂直軸に沿う方向は、上方向と、上方向と反対の下方向とを含む。水平軸に沿う方向は、左方向と、左方向と反対の右方向とを含む。第3軸に沿う方向は、第5方向と、第5方向と反対の第6方向とを含む。第4軸に沿う方向は、第7方向と、第7方向と反対の第8方向とを含む。
【0184】
このとき、第2ユーザーインターフェース画像70Bは、第5方向を示す第5マーク71、第6方向を示す第6マーク72、第7方向を示す第7マーク73、及び第8方向を示す第8マーク74を含む。
【0185】
第1受付部221は、第5マーク71、第6マーク72、第7マーク73、及び第8マーク74のうちいずれか1つのマークを指定する指定操作を受け付ける。第1制御部222は、指定操作に応じて、指定された1つのマークが、他の3つのマークよりも強調された第2ユーザーインターフェース画像70Bを第1表示装置25に出力する。
【0186】
第2操作が1つのマークを選択する操作である場合、第1調整画像81又は第2調整画像82が1つのマークに対応する方向に移動した後の調整画像を第1表示装置25に出力する。
【0187】
このように、指定された1つのマークを他の3つのマークよりも強調させることにより、ユーザーは、第1調整画像81又は第2調整画像82を移動させる方向を容易に把握できる。
【0188】
3.8.変形例8
また、第1実施形態及び第2実施形態では、ユーザーインターフェース画像は、第1表示装置25又は第2表示装置45に出力されていたが、ユーザーインターフェース画像は、投写装置26に出力されてもよい。これにより、ユーザーは、スクリーン3に投写されたユーザーインターフェース画像を参照して、調整画像を移動させることができる。
【0189】
3.9.変形例9
また、調整画像は、ユーザーインターフェース画像とともに、第1表示装置25又は第2表示装置45に出力されてもよい。これにより、ユーザーは、調整画像の移動を第1表示装置25又は第2表示装置45を用いて確認できる。
【0190】
3.10.変形例10
実施形態2における、第1領域RE1、第2領域RE2、第3領域RE3、及び第4領域RE4のそれぞれと、上方向ボタン241、下方向ボタン242、左方向ボタン243、及び右方向ボタン244のそれぞれとを対応付けた制御は、実施形態1に適用されてもよい。すなわち、実施形態1では決定ボタン245の押下により第2ユーザーインターフェース画像70に対する操作すなわち第2操作が実行されたが、これに代えて、上方向ボタン241、下方向ボタン242、左方向ボタン243、及び右方向ボタン244の少なくともいずれか1つの押下により第2操作が実行されるようにしてもよい。上方向ボタン241、下方向ボタン242、左方向ボタン243、及び右方向ボタン244の少なくともいずれか1つの押下により第2操作が実行される場合には、第5マーク71が移動する過程で通過し得る各領域と、上方向ボタン241、下方向ボタン242、左方向ボタン243、及び右方向ボタン244のそれぞれと、を対応付ければよい。
【0191】
4.付記
以下、付記として本開示のまとめを記載する。
【0192】
4.1.付記1
投写画像を投写対象に投写する投写装置と、前記投写画像を調整するための調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作を受け付ける受付装置と、前記操作に応じて、前記調整画像の少なくとも一部の移動に用いられるユーザーインターフェース画像を表示装置又は前記投写装置に出力する制御装置とを備え、前記ユーザーインターフェース画像は、第1軸、または前記第1軸と直交する第2軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第1ユーザーインターフェース画像と、前記第1軸及び前記第2軸と交差する第3軸、または前記第3軸と直交する第4軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第2ユーザーインターフェース画像とを含み、前記制御装置は、前記操作に応じて、前記第1ユーザーインターフェース画像及び前記第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を前記表示装置又は前記投写装置に出力する投写システム。
【0193】
即ち、付記1に記載の投写システムによれば、ユーザーが、調整画像を移動させたい方向が第1軸に沿う方向及び第2軸に沿う方向と異なる第3軸に沿う方向である場合、第2ユーザーインターフェース画像を用いて、調整画像を第3軸に沿って移動させることができる。従って、ユーザーが行いたい操作内容により適したユーザーインターフェース画像を表示装置又は投写装置に出力することができる。また、調整画像を第3軸に沿う方向に移動させるために、方向ボタンを斜めに配置した専用の操作装置を用意する必要がなくなるので、投写システムの構成を簡易化できる。
【0194】
4.2.付記2
前記受付装置は、前記第1ユーザーインターフェース画像及び前記第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を選択する選択操作と、前記第1ユーザーインターフェース画像に対する操作である第1操作と、前記第2ユーザーインターフェース画像に対する操作である第2操作とを前記操作として受け付け、前記制御装置は、前記選択操作に応じて、前記第1ユーザーインターフェース画像及び前記第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を前記表示装置又は前記投写装置に出力し、前記第2操作に応じて、前記調整画像の少なくとも一部が前記第3軸に沿って移動した後の調整画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する付記1に記載の投写システム。
【0195】
付記2に記載の投写システムによれば、ユーザーは、第2ユーザーインターフェース画像を用いた操作により、調整画像を第3軸に沿って移動させることができる。即ち、ユーザーは、調整画像を斜め方向に移動させることができる。従って、ユーザーが調整画像を斜めに移動させたい場合における操作の煩わしさを抑制できる。
【0196】
4.3.付記3
前記第1軸に沿う方向が、第1方向と、前記第1方向と反対の第2方向とを含み、前記第2軸に沿う方向が、第3方向と、前記第3方向と反対の第4方向とを含み、前記第3軸に沿う方向が、第5方向を含むとき、前記第1ユーザーインターフェース画像は、前記第1方向を示す第1マーク及び前記第2方向を示す第2マークと、前記第3方向を示す第3マーク及び前記第4方向を示す第4マークとを含み、前記第1マーク及び前記第2マークを結ぶ第1仮想線と、前記第3マーク及び前記第4マークを結ぶ第2仮想線とは直交しており、前記第2ユーザーインターフェース画像は、前記第5方向を示す第5マークを含み、前記受付装置は、前記第2ユーザーインターフェース画像において前記第5マークを回転させる前記操作としての回転操作を受け付け、前記制御装置は、前記回転操作に応じて、前記第5マークが前記第1仮想線と前記第2仮想線との交点を中心に回転する前記第2ユーザーインターフェース画像の動画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する付記2に記載の投写システム。
【0197】
付記3に記載の投写システムによれば、ユーザーは、第2ユーザーインターフェース画像において、第5マークが回転する様子を確認しながら回転操作を行うことができる。従って、ユーザーは、より精度よく第5方向を決定できる。
【0198】
4.4.付記4
前記制御装置は、前記第2操作によって前記第5マークが指定された場合、前記調整画像の少なくとも一部が前記第5方向に移動した後の調整画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する付記3に記載の投写システム。
【0199】
付記4に記載の投写システムによれば、ユーザーは、第2ユーザーインターフェース画像を用いた操作により、調整画像を第5方向、即ち、斜め方向に移動させることができる。従って、ユーザーが調整画像を斜めに移動させたい場合における操作の煩わしさを抑制できる。
【0200】
4.5.付記5
前記第1軸に沿う方向が、第1方向と、前記第1方向と反対の第2方向とを含み、前記第2軸に沿う方向が、第3方向と、前記第3方向と反対の第4方向とを含み、前記第3軸に沿う方向が、第5方向を含むとき、前記第1ユーザーインターフェース画像は、前記第1方向を示す第1マーク及び前記第2方向を示す第2マークと、前記第3方向を示す第3マーク及び前記第4方向を示す第4マークとを含み、前記第1マーク及び前記第2マークを結ぶ第1仮想線と、前記第3マーク及び前記第4マークを結ぶ第2仮想線とは直交しており、前記第2ユーザーインターフェース画像は、前記第1仮想線と前記第2仮想線との交点を中心に前記第1ユーザーインターフェース画像を回転させた画像である付記2に記載の投写システム。
【0201】
付記5に記載の投写システムによれば、第1ユーザーインターフェース画像のデザインを、第2ユーザーインターフェース画像のデザインに流用でき、ユーザーは、調整画像を移動させる方向が、第1方向~第4方向から第5方向に変更されたことを容易に把握できる。
【0202】
4.6.付記6
前記受付装置は、前記第1ユーザーインターフェース画像を回転させることによって前記第2ユーザーインターフェース画像を生成するための回転操作を受け付け、前記制御装置は、前記回転操作に応じて、前記第1ユーザーインターフェース画像が、前記交点を中心に回転する動画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する付記5に記載の投写システム。
【0203】
付記6に記載の投写システムによれば、ユーザーが、第1ユーザーインターフェース画像が回転する過程を観察し、第1ユーザーインターフェース画像の回転度合いを見極めることができるため、第5方向をより精度よく設定できる。
【0204】
4.7.付記7
前記第1軸に沿う方向が、第1方向と、前記第1方向と反対の第2方向とを含み、前記第2軸に沿う方向が、第3方向と、前記第3方向と反対の第4方向とを含み、前記第3軸に沿う方向が、第5方向と、前記第5方向と反対の第6方向とを含み、前記第4軸に沿う方向が、第7方向と、前記第7方向と反対の第8方向とを含むとき、前記第2ユーザーインターフェース画像は、前記第5方向を示す第5マーク、前記第6方向を示す第6マーク、前記第7方向を示す第7マーク、及び前記第8方向を示す第8マークを含み、前記受付装置は、前記第5マーク、前記第6マーク、前記第7マーク、及び前記第8マークのうちいずれか1つのマークを指定する指定操作を受け付け、前記制御装置は、前記指定操作に応じて、指定された前記1つのマークが、他の3つのマークよりも強調された前記第2ユーザーインターフェース画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力し、前記第2操作が前記1つのマークを選択する操作である場合、前記調整画像の少なくとも一部が前記1つのマークに対応する方向に移動した後の調整画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する付記2に記載の投写システム。
【0205】
付記7に記載の投写システムによれば、ユーザーに、調整画像を移動させる方向を容易に把握させることができる。
【0206】
4.8.付記8
前記第3軸に沿う方向が、前記第5方向と反対の第6方向とを含み、前記第4軸に沿う方向が、第7方向と、前記第7方向と反対の第8方向とを含むとき、前記第2ユーザーインターフェース画像は、前記第5方向を示す第5マーク、前記第6方向を示す第6マーク、前記第7方向を示す第7マーク、及び前記第8方向を示す第8マークを含み、前記受付装置は、前記第5マーク、前記第6マーク、前記第7マーク、及び前記第8マークのうちいずれか1つのマークを指定する指定操作を受け付け、前記制御装置は、前記指定操作に応じて、指定された前記1つのマークが、他の3つのマークよりも強調された前記第2ユーザーインターフェース画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力し、前記第2操作が前記1つのマークを選択する操作である場合、前記調整画像の少なくとも一部が前記1つのマークに対応する方向に移動した後の調整画像を前記表示装置又は前記投写装置に出力する付記5又は付記6に記載の投写システム。
【0207】
付記8に記載の投写システムによれば、ユーザーは、調整画像を移動させる方向を容易に把握させることができる。
【0208】
4.9.付記9
投写装置によって投写対象に投写される投写画像を調整するための調整画像の少なくとも一部を移動させるための操作を受け付けることと、前記操作に応じて、前記調整画像の少なくとも一部の移動に用いられるユーザーインターフェース画像を表示装置又は前記投写装置に出力することとを含み、前記ユーザーインターフェース画像は、第1軸、または前記第1軸と直交する第2軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第1ユーザーインターフェース画像と、前記第1軸及び前記第2軸と交差する第3軸、または前記第3軸と直交する第4軸のいずれかに沿って前記調整画像の少なくとも一部を移動させるための第2ユーザーインターフェース画像とを含み、前記出力することは、前記操作に応じて、前記第1ユーザーインターフェース画像及び前記第2ユーザーインターフェース画像のいずれか一方を前記表示装置又は前記投写装置に出力することを含む投写方法。
【0209】
付記9に記載の投写方法によれば、ユーザーが、調整画像を移動させたい方向が第1軸に沿う方向及び第2軸に沿う方向と異なる第3軸に沿う方向である場合、第2ユーザーインターフェース画像を用いて、調整画像を第3軸に沿って移動させることができる。従って、ユーザーが行いたい操作内容により適したユーザーインターフェース画像を表示装置又は投写装置に出力することができる。
【符号の説明】
【0210】
1…投写システム、2…プロジェクター、3…スクリーン、22…第1処理装置、25…第1表示装置、25A…第3表示装置、26…投写装置、31…投写画像、42…第2処理装置、45…第2表示装置、45A…第4表示装置、60…第1ユーザーインターフェース画像、61…第1マーク、62…第2マーク、63…第3マーク、64…第4マーク、70,70A,70B,70C,70D,70E,70F,70G…第2ユーザーインターフェース画像、71,71a,71b,71c,71d,71e,71f,71g…第5マーク、72,72a,72b…第6マーク、73,73a…第7マーク、74,74a…第8マーク、81…第1調整画像、82…第2調整画像、221…第1受付部、221A…第3受付部、222…第1制御部、222A…第3制御部、421…第2受付部…421、421A…第4受付部、422…第2制御部、422A…第4制御部、D1…第5方向、D2…第6方向、D3…第7方向、D4…第8方向、VL1…第1仮想線、VL2…第2仮想線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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