(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131453
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】信号変調装置及び信号変調方法
(51)【国際特許分類】
H04L 25/49 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H04L25/49 L
H04L25/49 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041718
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】谷尾 真明
【テーマコード(参考)】
5K029
【Fターム(参考)】
5K029AA18
5K029BB01
5K029DD28
5K029FF01
5K029GG07
(57)【要約】
【課題】パルス幅変調を行うために必要なコストを低減可能な信号変調装置を提供する。
【解決手段】信号変調装置1は、三角波信号から少なくとも一つの高次周波数に対応する少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで、アナログ参照信号ARSを生成する参照信号生成手段44と、アナログ参照信号とアナログ入力信号AUSとを比較するパルス幅変調を行うことで、アナログ変調信号AMSを生成する変調信号生成手段43と、アナログ変調信号をデジタル出力信号DUSに変換するデジタル信号変換手段51と、デジタル出力信号又はアナログ入力信号に対して、三角波信号をアナログ参照信号に変換するための波形変換に対応する非線形変換を行う非線形変換手段52とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三角波信号から少なくとも一つの高次周波数に対応する少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで、アナログ参照信号を生成する参照信号生成手段と、
前記アナログ参照信号とアナログ入力信号とを比較するパルス幅変調を行うことで、アナログ変調信号を生成する変調信号生成手段と、
前記アナログ変調信号を、デジタル出力信号に変換するデジタル信号変換手段と、
前記デジタル出力信号又は前記アナログ入力信号に対して、前記三角波信号を前記アナログ参照信号に変換するための波形変換に対応する非線形変換を行う非線形変換手段と
を備える信号変調装置。
【請求項2】
前記非線形変換手段は、前記デジタル出力信号に対して、前記非線形変換を行い、
前記信号変調装置は、前記非線形変換が行われた前記デジタル出力信号に対してデジタル信号処理を行う信号処理手段を更に備える
請求項1に記載の信号変調装置。
【請求項3】
前記非線形変換手段は、前記アナログ入力信号に対して、前記非線形変換を行い、
前記変調信号生成手段は、前記アナログ参照信号と前記非線形変換が行われた前記アナログ入力信号とを比較する前記パルス幅変調を行うことで、前記アナログ変調信号を生成する
請求項1又は2に記載の信号変調装置。
【請求項4】
前記信号変調装置は、アンテナによって受信された無線信号から、前記無線信号の同相成分に相当する第1のアナログ入力信号と、前記無線信号の直交位相成分に相当する第2のアナログ入力信号とを抽出する信号抽出手段を更に備え、
前記変調信号生成手段は、前記アナログ参照信号と前記第1のアナログ入力信号とを比較する前記パルス幅変調を行うことで、第1のアナログ変調信号を生成する第1の変調器と、前記アナログ参照信号と前記第2のアナログ入力信号とを比較する前記パルス幅変調を行うことで、第2のアナログ変調信号を生成する第2の変調器とを備え、
前記デジタル信号変換手段は、前記第1のアナログ変調信号を、第1のデジタル出力信号に変換する第1のデジタル信号変換器と、前記第2のアナログ変調信号を、第2のデジタル出力信号に変換する第2のデジタル信号変換器とを備え、
前記非線形変換手段は、前記第1のデジタル出力信号又は前記第1のアナログ入力信号に対して、前記非線形変換を行う第1の非線形変換器と、前記第2のデジタル出力信号又は前記第2のアナログ入力信号に対して、前記非線形変換を行う第2の非線形変換器とを備える
請求項1又は2に記載の信号変調装置。
【請求項5】
前記信号変調装置は、
前記アナログ変調信号を光信号に変換する光信号変換手段と、
前記光信号変換手段が変換した前記光信号が伝送される光ネットワークと、
前記光ネットワークを介して伝送された前記光信号を電気信号に変換することで、前記アナログ変調信号を復元する電気信号変換手段と
を備え、
前記デジタル信号変換手段は、前記電気信号変換手段が変換した前記アナログ変調信号を、前記デジタル出力信号に変換する
請求項1又は2に記載の信号変調装置。
【請求項6】
前記信号変調装置は、集中制御局と、前記集中制御局と光ネットワークを介して接続されたアクセスポイントとを備えた無線通信システムであり、
前記アクセスポイントは、前記参照信号生成手段と、前記変調信号生成手段と、前記変調信号生成手段が生成した前記アナログ変調信号を光信号に変換する光信号変換手段とを備え、
前記集中制御局は、前記光ネットワークを介して前記アクセスポイントから伝送された前記光信号を電気信号に変換することで前記アナログ変調信号を復元する電気信号変換手段と、前記デジタル信号変換手段とを備え、
前記デジタル信号変換手段は、前記電気信号変換手段が変換した前記アナログ変調信号を、前記デジタル出力信号に変換する
請求項1又は2に記載の信号変調装置。
【請求項7】
前記デジタル信号変換手段は、所定のクロック信号に同期して、前記アナログ変調信号を、前記デジタル出力信号に変換し、
前記参照信号生成手段は、前記クロック信号に同期して、前記アナログ参照信号を生成する
請求項1又は2に記載の信号変調装置。
【請求項8】
前記信号変調装置は、集中制御局と、前記集中制御局と光ネットワークを介して接続されたアクセスポイントとを備えた無線通信システムであり、
前記参照信号生成手段は、
前記集中制御局に配置されており、且つ、前記アナログ参照信号に対応するデジタル参照信号に基づいて、信号レベルがハイレベルとローレベルとの間で変化するアナログダウンリンク信号を生成する第1信号生成手段と、
前記集中制御局に配置されており、且つ、前記第1信号生成手段が生成した前記アナログダウンリンク信号を光ダウンリンク信号に変換する光信号変換手段と、
前記アクセスポイントに配置されており、且つ、前記光ネットワークを介して前記集中制御局から伝送された前記光ダウンリンク信号を電気ダウンリンク信号に変換する電気信号変換手段と、
前記アクセスポイントに配置されており、且つ、前記電気ダウンリンク信号から前記アナログ参照信号を生成する第2信号生成手段と
を備える請求項7に記載の信号変調装置。
【請求項9】
前記参照信号生成手段は、前記集中制御局が前記アクセスポイントに伝送するべきダウンリンク伝送信号が前記光ネットワークを介して前記集中制御局から前記アクセスポイントに伝送される期間とは異なる期間中に、前記光ネットワークを介して、前記光ダウンリンク信号を前記集中制御局から前記アクセスポイントに伝送する
請求項8に記載の信号変調装置。
【請求項10】
三角波信号から少なくとも一つの高次周波数に対応する少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで、アナログ参照信号を生成することと、
前記アナログ参照信号とアナログ入力信号とを比較するパルス幅変調を行うことで、アナログ変調信号を生成することと、
前記アナログ変調信号を、デジタル出力信号に変換することと、
前記デジタル出力信号又は前記アナログ入力信号に対して、前記三角波信号を前記アナログ参照信号に変換するための波形変換に対応する非線形変換を行うことと
を備える信号変調方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ入力信号に対してパルス幅変調を行うことでアナログ変調信号を生成する信号変調装置及び信号変調方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルネットワークで用いられる無線アクセスシステムとして、それぞれがアンテナを有する複数の子局(例えば、アクセスポイント)と、複数の子局を制御する親局(例えば、集中制御局)を備える無線アクセスシステムが知られている。このような無線アクセスシステムにおいて、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)を用いた伝送を行う方法が、アクセスポイントの小型化及び低コスト化の少なくとも一方を実現するための方法として提案されている。例えば、非特許文献1には、子局は、子局から親局に伝送するべき入力信号に対してパルス幅変調を行うことで、パルス幅変調信号を生成し、当該パルス幅変調信号を親局に伝送する技術が記載されている。尚、無線アクセスシステムがパルス幅変調を行うがゆえに、無線アクセスシステムは、信号変調装置と称されてもよい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Ibrahim Can Sezgin et al.、“All-Digital,Radio-Over-Fiber,Communication Link Architecture for Time-Division Duplex Distributed Antenna Systems”、Journal of Lightwave Technology、Vol.39、No.9、pp.2769-2779、2021年5月1日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パルス幅変調を行うために、通常は、コンパレータが、三角波信号(典型的には、アナログ三角波信号)と入力信号(典型的には、アナログ入力信号)とを比較することで、パルス幅変調信号を生成する。アナログ三角波信号は、一般的には、アナログ三角波信号の信号値を離散的に示すデジタル三角波信号から生成される。具体的には、デジタル信号をアナログ信号に変換可能なDA(Digital to Analog)変換器は、デジタル三角波信号から、アナログ三角波信号の信号値を離散的に示すアナログ三角波信号を生成する。DA変換器が生成したアナログ三角波信号が、パルス幅変調を行うために用いられる三角波信号として用いられる。
【0005】
ここで、入力信号の帯域幅が広くなるほど、三角波信号の周波数が高くなる。三角波信号の周波数が高くなるほど、三角波信号を生成するために用いられるDA変換器に要求されるサンプリング周波数が高くなる。このため、DA変換器のコストが増加してしまうという技術的な問題が生ずる。つまり、パルス幅変調を行うために必要なコストが増大してしまうという技術的な問題が生ずる。
【0006】
尚、このような技術的問題は、複数の子局と親局を備える無線アクセスシステムのみならず、入力信号に対してパルス幅変調を行う任意の装置において生ずる可能性がある。
【0007】
本発明は、上述した技術的問題を解決可能な信号変調装置及び信号変調方法を提供することを課題とする。一例として、本発明は、パルス幅変調を行うために必要なコストを低減可能な信号変調装置及び信号変調方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
信号変調装置の一態様は、三角波信号から少なくとも一つの高次周波数に対応する少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで、アナログ参照信号を生成する参照信号生成手段と、前記アナログ参照信号とアナログ入力信号とを比較するパルス幅変調を行うことで、アナログ変調信号を生成する変調信号生成手段と、前記アナログ変調信号を、デジタル出力信号に変換するデジタル信号変換手段と、前記デジタル出力信号又は前記アナログ入力信号に対して、前記三角波信号を前記アナログ参照信号に変換するための波形変換に対応する非線形変換を行う非線形変換手段とを備える。
【0009】
信号変調方法の一態様は、三角波信号から少なくとも一つの高次周波数に対応する少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで、アナログ参照信号を生成することと、前記アナログ参照信号とアナログ入力信号とを比較するパルス幅変調を行うことで、アナログ変調信号を生成することと、前記アナログ変調信号を、デジタル出力信号に変換することと、前記デジタル出力信号又は前記アナログ入力信号に対して、前記三角波信号を前記アナログ参照信号に変換するための波形変換に対応する非線形変換を行うこととを備える。
【発明の効果】
【0010】
上述した信号推定装置、信号変調装置及び信号変調方法の夫々の態様によれば、パルス幅変調を行うために必要なコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1実施形態における無線アクセスシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態における無線局の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、無線アクセスシステムを用いて行われる信号変換方法で生成される各信号の波形を示す。
【
図4】
図4は、アナログ参照信号の波形を、三角波信号の波形と共に示す。
【
図5】
図5は、参照信号生成器の構成を、参照信号生成器によって生成される各信号の波形と共に示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態における無線局の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態における無線局の構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態における無線アクセスシステムの構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第4実施形態における集中制御局、アクセスポイント及び光ネットワークの構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、第5実施形態における集中制御局、アクセスポイント及び光ネットワークの構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、無線基地局の他の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、信号変調装置及び信号変調方法の実施形態について説明する。以下の説明では、信号変調装置及び信号変調方法の実施形態が適用された無線アクセスシステムSYSを用いて、信号変調装置及び信号変調方法の実施形態について説明する。但し、本発明が以下に説明する実施形態に限定されることはない。
【0013】
<1>第1実施形態の無線アクセスシステムSYS
初めに、第1実施形態の無線アクセスシステムSYSについて説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、第1実施形態の無線アクセスシステムSYSを、無線アクセスシステムSYSaと称する。
【0014】
<1-1>第1実施形態の無線アクセスシステムSYSaの全体構成
はじめに、
図1を参照しながら、第1実施形態の無線アクセスシステムSYSaの構成について説明する。
図1は、第1実施形態の無線アクセスシステムSYSaの構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、無線アクセスシステムSYSaは、無線局1を備えている。尚、
図1は、無線アクセスシステムSYSaが単一の無線局1を備えているが、無線アクセスシステムSYSaは、複数の無線局1を備えていてもよい。
【0016】
無線局1は、無線ネットワーク3を介して、少なくとも一つのユーザ端末2と無線通信可能である。尚、無線ネットワーク3は、無線電波を用いて情報を伝送可能なネットワークを意味していてもよい。また、ユーザ端末2の一例として、携帯電話があげられる。例えば、無線局1は、ユーザ端末2に送信するべき無線ダウンリンク信号を生成し、無線ネットワーク3を介して、無線ダウンリンク信号をユーザ端末2に伝送してもよい。例えば、無線局1は、無線ネットワーク3を介して、ユーザ端末2から無線アップリンク信号RUS(
図2参照)を受信してもよい。
【0017】
このような無線アクセスシステムSYSaは、典型的には、移動通信システムに用いられてもよい。例えば、無線アクセスシステムSYSaは、ITU(International Telecommunication Union)が定める規定「IMT-2020」を満たす第5世代移動通信システムに用いられてもよい。例えば、無線アクセスシステムSYSaは、Beyond 5Gと称される移動通信システムに用いられてもよい。
【0018】
<1-2>無線アクセスシステムSYSaを用いて行われる信号変換方法
続いて、無線アクセスシステムSYSaを用いて行われる信号変換方法について説明する。特に、以下では、無線アクセスシステムSYSaを用いて行われる信号変換方法について、無線局1の構成を示すブロック図である
図2を参照しながら、説明する。
【0019】
また、以下では、説明の便宜上、ユーザ端末2から無線局1に対して伝送されるべきアップリンク信号を受信した無線局1が行う信号変換方法について説明する。尚、無線局1からユーザ端末2に対して伝送されるべきダウンリンク信号を送信するために無線局1が行う信号変換方法としては、既存の信号変換方法が用いられてもよい。
【0020】
図2に示すように、無線局1は、アンテナ41と、アナログ信号変換部42と、信号変調器43と、参照信号生成器44と、AD(Analog to Digital)変換器51と、非線形変換器52と、デジタル信号処理部53とを備えている。
【0021】
尚、信号変調器43は、「変調信号生成手段」と称されてもよい。参照信号生成器44は、「参照信号生成手段」と称されてもよい。AD変換器51は、「デジタル信号変換手段」又は「デジタル信号変換器」と称されてもよい。非線形変換器52は、「非線形変換手段」又は「非線形変換器」と称されてもよい。無線局1は、「信号変調装置」と称されてもよい。
【0022】
アンテナ41は、無線ネットワーク3を介して、ユーザ端末2から、アナログの無線信号(RF信号)である無線アップリンク信号(Radio Uplink Signal)RUSを受信する。アンテナ41が受信した無線アップリンク信号RUSは、アンテナ41からアナログ信号変換部42に入力される。
【0023】
アナログ信号変換部42は、無線アップリンク信号RUSに対して所定のアナログ信号変換を行うことで、アナログの電気信号であるアナログアップリンク信号(Analog Uplink Signal)AUSを生成する。尚、アナログアップリンク信号AUSは、アナログ入力信号と称されてもよい。アナログ信号変換は、無線アップリンク信号RUSを増幅する信号増幅を含んでいてもよい。アナログ信号変換は、無線アップリンク信号RUSからノイズ成分を除去するノイズ除去動作を含んでいてもよい。ノイズ除去動作は、ローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)を用いて低周波数成分をノイズ成分として除去する動作を含んでいてもよい。アナログ信号変換は、無線アップリンク信号RUSを、無線アップリンク信号RUSの周波数帯域よりも低い周波数帯域の信号にダウンコンバートするダウンコンバート動作を含んでいてもよい。一例として、アナログ信号変換は、無線アップリンク信号RUSを、無線アップリンク信号RUSの周波数帯域である100GHz(ギガヘルツ、以下同様)帯域よりも低い2GHz帯域のアナログアップリンク信号AUSにダウンコンバートするダウンコンバート動作を含んでいてもよい。このようなアナログ信号変換によって生成されるアナログアップリンク信号AUSの一例が、
図3に示されている。アナログ信号変換部42が生成したアナログアップリンク信号AUSは、アナログ信号変換部42から信号変調器43に入力される。
【0024】
信号変調器43は、アナログアップリンク信号AUSに対して所定の変調行うことで、アナログの電気信号であるアナログ変調信号(Analog Modulation Signal)AMSを生成する。第1実施形態では、信号変調器43が、アナログアップリンク信号AUSに対してパルス幅変調を行うことで、アナログ変調信号AMSを生成する例について説明する。この場合、信号変調器43は、アナログ参照信号ARSを用いて、アナログアップリンク信号AUSに対してパルス幅変調を行う。具体的には、信号変調器43は、比較器を用いて、アナログ参照信号ARSとアナログアップリンク信号AUSとを比較する。つまり、信号変調器43は、比較器を用いて、アナログ参照信号ARSの信号レベルとアナログアップリンク信号AUSの信号レベルとを比較する。その結果、信号変調器43は、アナログアップリンク信号AUSの信号レベルに応じてパルス幅が変わるアナログのパルス信号であるアナログ変調信号AMSを生成する。
【0025】
このようなパルス幅変調によって生成されるアナログ変調信号AMSの一例が、
図3に示されている。アナログ変調信号AMSは、アナログの電気信号であるものの、パルス信号であるがゆえに、
図3に示すように、各時刻におけるアナログ変調信号AMSの信号レベルは、実質的には、ローレベル及びハイレベルを含む2値レベルのいずれか一方となる。
【0026】
信号変調器43がパルス幅変調を行うために用いるアナログ参照信号ARSは、参照信号生成器44によって生成される。つまり、アナログ参照信号ARSは、参照信号生成器44が生成するアナログの電気信号である。
【0027】
パルス幅変調を行うために、アナログ参照信号ARSとして、三角波信号(この場合、アナログの電気信号であるアナログ三角波信号)が用いられることが多い。一方で、第1実施形態では、アナログ参照信号ARSとして、三角波信号とは異なる信号が用いられる。具体的には、第1実施形態では、アナログ参照信号ARSの波形を示す
図4に示すように、アナログ参照信号ARSとして、三角波信号から少なくとも一つの高次周波数に対応する少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで得られる信号を生成する。つまり、参照信号生成器44は、アナログ参照信号ARSとして、三角波信号から少なくとも一つの高次周波数に対応する少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで得られる信号を生成する。
【0028】
具体的には、三角波信号は、信号波形が三角形又はのこぎり型の波形をなす信号である。このような三角波信号は、通常、基本周波数に対応する基本信号成分と、高次周波数に対応する高調波信号成分とを合成することで得られる信号である。尚、高次周波数は、基本周波数の整数倍(例えば、奇数倍)の周波数を意味していてもよい。例えば、三角波信号は、基本周波数に対応する信号成分と、単一の高次周波数に対応する単一の信号成分とを合成することで得られる信号であってもよい。例えば、三角波信号は、基本周波数に対応する基本信号成分と、複数の高次周波数にそれぞれ対応する複数の高調波信号成分とを合成することで得られる信号であってもよい。第1実施形態では、アナログ参照信号ARSとして、一又は複数の高調波信号成分を含む三角波信号から、三角波信号に含まれる少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで得られる信号が用いられる。
【0029】
参照信号生成器44は、アナログ参照信号ARSとして、N(尚、Nは、1以上の整数を示す変数である)個の高次周波数に夫々対応するN個の高調波信号成分を含む三角波信号から、M(尚、Mは、1以上且つN未満の整数を示す変数である)個の高調波信号成分を除去することで得られる信号を生成してもよい。つまり、参照信号生成器44は、アナログ参照信号ARSとして、三角波信号から、三角波信号に含まれる一部の高調波信号成分を選択的に除去することで得られる信号を生成してもよい。
【0030】
参照信号生成器44は、アナログ参照信号ARSとして、N個の高次周波数に夫々対応するN個の高調波信号成分を含む三角波信号から、N個の高調波信号成分を除去することで得られる信号を生成してもよい。つまり、参照信号生成器44は、アナログ参照信号ARSとして、三角波信号から、三角波信号に含まれる全ての高調波信号成分を除去することで得られる信号を生成してもよい。
【0031】
アナログ参照信号ARSを生成する参照信号生成器44の構成の一例が、
図5に示されている。
図5に示すように、参照信号生成器44は、三角波信号生成部441と、フィルタリング部442と、ダウンサンプリング部443と、DA(Digital to Analog)変換器444とを含んでいてもよい。
【0032】
三角波信号生成部441は、デジタル三角波信号DTSを生成する。デジタル三角波信号DTSは、アナログ三角波信号の信号レベルを、離散的なデジタル値で示すデジタルの電気信号である。つまり、デジタル三角波信号DTSは、アナログ三角波信号を所定のサンプリング周波数でサンプルすることで得られるサンプル値を、離散的なデジタル値で示すデジタルの電気信号である。
【0033】
フィルタリング部442は、三角波信号生成部441が生成したデジタル三角波信号DTSに対して所定のフィルタリングを行うことで、デジタルの電気信号であるデジタル参照信号DRSを生成する。第1実施形態では、フィルタリング部442が行うフィルタリングは、デジタル三角波信号DTSから、除去するべき高調波成分を除去するためのフィルタリングを含む。その結果、フィルタリングによって生成されるデジタル参照信号DRSは、アナログ参照信号ARSの信号レベルを、離散的なデジタル値で示すデジタルの電気信号となる。つまり、デジタル参照信号DRSは、アナログ三角波信号から少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで得られるアナログの電気信号の信号レベルを、離散的なデジタル値で示すデジタルの電気信号となる。
【0034】
このようなフィルタリング部442の一例として、ローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)として機能可能なデジタルフィルタがあげられる。この場合、ローパスフィルタのカットオフ周波数は、三角波信号から除去するべき高調波信号成分の周波数(高次周波数)に応じて設定されてもよい。つまり、ローパスフィルタのカットオフ周波数は、除去するべき高調波信号成分を三角波信号から適切に除去することが可能な所定周波数に設定されてもよい。
【0035】
ダウンサンプリング部443は、フィルタリング部442が生成したデジタル参照信号DRSに対して所定のダウンサンプリングを行うことで、デジタルの電気信号であるデジタル参照信号DDSを生成する。つまり、ダウンサンプリング部443は、第1のサンプリング周波数でサンプリングされたデジタルの電気信号に相当するデジタル参照信号DRSから、第1のサンプリング周波数よりも低い第2のサンプリング周波数でサンプリングされたデジタルの電気信号に相当するデジタル参照信号DDSを生成する。
【0036】
DA変換器444は、デジタルの電気信号であるデジタル参照信号DDSを、アナログの電気信号であるアナログ参照信号ARSに変換する。つまり、DA変換器444は、デジタル参照信号DDSをアナログの電気信号に変換することで、変換されたアナログの電気信号に相当するアナログ参照信号ARSを生成する。DA変換器444が生成したアナログ参照信号ARSは、信号変調器43に入力される。
【0037】
尚、DA変換器444のサンプリング周波数が、ダウンサンプリングが行われていないデジタル参照信号DRSをアナログ参照信号ARSに変換することが可能な所定のサンプリング周波数以上である場合には、ダウンサンプリング部443は、デジタル参照信号DRSに対して所定のダウンサンプリングを行わなくてもよい。この場合、DA変換器444は、デジタル参照信号DRSをアナログ参照信号ARSに変換してもよい。つまり、DA変換器444は、デジタル参照信号DRSをアナログの電気信号に変換することで、変換されたアナログの電気信号に相当するアナログ参照信号ARSを生成してもよい。
【0038】
再び
図2において、信号変調器43が生成したアナログ変調信号AMSは、信号変調器43からAD変換器51に入力される。AD変換器51は、アナログ変調信号AMSに対して、アナログの電気信号であるアナログ変調信号AMSを、デジタルの電気信号であるデジタルアップリンク信号DUSに変換するためのAD変換を行う。その結果、AD変換器51は、デジタルアップリンク信号DUSを生成する。デジタルアップリンク信号DUSは、アナログアップリンク信号AUSをデジタルの電気信号に変換することで得られる信号に相当する。つまり、デジタルアップリンク信号DUSは、アナログアップリンク信号AUSの信号レベルを、離散的なデジタル信号値で示すデジタルの電気信号に相当する。
【0039】
AD変換器51は、1ビットAD変換器と、デジタルフィルタとを含んでいてもよい。尚、1ビットAD変換器は、アナログの電気信号を、アナログの電気信号の信号レベルを1ビットで表すデジタルの電気信号に変換するAD変換器である。この場合、AD変換器51は、1ビットAD変換器を用いて、アナログ変調信号AMSを、アナログ変調信号AMSの信号レベルを1ビットで表すデジタルの電気信号である暫定デジタルアップリンク信号に変換してもよい。その後、AD変換器51は、デジタルフィルタを用いて、1ビットAD変換器が生成した暫定デジタルアップリンク信号を、アナログアップリンク信号AUSの信号レベルを2以上のビットで表すデジタルの電気信号であるデジタルアップリンク信号DUSに変換してもよい。
【0040】
或いは、AD変換器51は、マルチビットAD変換器と、アナログフィルタとを含んでいてもよい。尚、マルチビットAD変換器は、アナログの電気信号を、アナログの電気信号の信号レベルを2以上のビットで表すデジタルの電気信号に変換するAD変換器である。この場合、AD変換器51は、アナログフィルタを用いて、アナログ変調信号AMSから、アナログアップリンク信号AUSに相当する信号成分を含むアナログの電気信号であるアナログ抽出信号を抽出してもよい。その後、AD変換器51は、マルチビットAD変換器を用いて、アナログフィルタが生成したアナログ抽出信号を、アナログアップリンク信号AUSの信号レベルを2以上のビットで表すデジタルの電気信号であるデジタルアップリンク信号DUSに変換してもよい。
【0041】
ここで、パルス幅変調の特性上、信号変調器43がパルス幅変調を行うために三角波信号を用いる場合には、AD変換器51が実際に生成したデジタルアップリンク信号DUSと、アナログアップリンク信号AUSに対して直接的にAD変換を行うことで得られるデジタル信号である理想的なデジタルアップリンク信号との誤差は小さい又は殆どない。つまり、AD変換器51が実際に生成したデジタルアップリンク信号DUSは、アナログアップリンク信号AUSの信号レベルを正確に2以上のビットで表すデジタル信号となる可能性が高い。しかしながら、第1実施形態では、信号変調器43がパルス幅変調を行うために三角波信号とは異なるアナログ参照信号ARSを用いているがゆえに、
図3に示すように、AD変換器51が実際に生成したデジタルアップリンク信号DUSと、アナログアップリンク信号AUSに対して直接的にAD変換を行うことで得られるデジタルの電気信号である理想的なデジタルアップリンク信号との誤差は、許容値以上に大きくなる可能性がある。つまり、
図3に示すように、AD変換器51が実際に生成したデジタルアップリンク信号DUSは、アナログアップリンク信号AUSの信号レベルを正確に2以上のビットで表すデジタル信号とはならない可能性がある。このような誤差が生ずる原因の一つは、アナログ参照信号ARSを生成する参照信号生成器44が、アナログ三角波信号をアナログ参照信号ARSに変換するための波形変換を実質的に行っていることにある。つまり、このような誤差が生ずる原因の一つは、参照信号生成器44が、デジタル三角波信号DTSをデジタル参照信号DRS(或いは、デジタル参照信号DDS)に変換するための波形変換を実質的に行っていることにある。
【0042】
尚、アナログ三角波信号をアナログ参照信号ARSに変換するための波形変換は、デジタル三角波信号DTSをデジタル参照信号DRS(或いは、デジタル参照信号DDS)に変換するための波形変換と等価である。このため、以下の説明では、波形変換は、アナログ三角波信号をアナログ参照信号ARSに変換するための波形変換、及び、デジタル三角波信号DTSをデジタル参照信号DRS(或いは、デジタル参照信号DDS)に変換するための波形変換の少なくとも一方を意味するものとする。
【0043】
そこで、第1実施形態では、このような誤差を小さくする又はなくすために、非線形変換器52は、AD変換器51が生成したデジタルアップリンク信号DUSに対して、参照信号生成器44が実質的に行っている波形変換に対応する非線形変換を行う。つまり、非線形変換器52は、デジタルアップリンク信号DUSに対して、参照信号生成器44が実質的に行っている波形変換に起因してデジタルアップリンク信号DUSに現れる誤差を小さくする又はなくすためのデジタル信号変換である非線形変換を行う。
【0044】
図4から分かるように、アナログ三角波信号をアナログ参照信号ARSに変換する波形変換は、アナログ三角波信号の波形を非線形変換するための非線形変換を行うことでアナログ参照信号ARSを生成する動作と等価である。同様に、
図5から分かるように、デジタル三角波信号DTSをデジタル参照信号DRS(或いは、デジタル参照信号DDS)に変換する波形変換は、デジタル三角波信号DTSの波形を非線形変換するための非線形変換を行うことでデジタル参照信号DRS(或いは、デジタル参照信号DDS)を生成する動作と等価である。このため、デジタルアップリンク信号DUSに対して、三角波信号に対して実質的に行われる非線形変換と同じ非線形変換が行われれば、参照信号生成器44が実質的に行っている波形変換に起因してデジタルアップリンク信号DUSに現れる誤差が小さくなる又はなくなることが期待される。
【0045】
このため、非線形変換器52は、デジタルアップリンク信号DUSに対して、三角波信号に対して実質的に行われる非線形変換(つまり、参照信号生成器44が実質的に行っている波形変換)と同じ非線形変換を行う。その結果、非線形変換器52は、非線形変換が行われたデジタルアップリンク信号DUSであるデジタルアップリンク信号DCSを生成する。
図3に示すように、非線形変換が行われたデジタルアップリンク信号DCSと理想的なデジタルアップリンク信号との誤差は、非線形変換が行われていないデジタルアップリンク信号DUSと理想的なデジタルアップリンク信号との誤差よりも小さくなる。つまり、
図3に示すように、非線形変換が行われたデジタルアップリンク信号DCSは、非線形変換が行われていないデジタルアップリンク信号DUSと比較して、アナログアップリンク信号AUSの信号レベルをより正確に表すデジタル信号となる。つまり、参照信号生成器44が実質的に行っている波形変換に起因してデジタルアップリンク信号DUSに現れる誤差が小さくなる又はなくなる。
【0046】
デジタルアップリンク信号DUSの時刻tにおけるサンプル値を、変数「xt」で表し、且つ、非線形変換が行われたデジタルアップリンク信号DCSの時刻tにおけるサンプル値を、変数「yt」で表した場合に、非線形変換器52は、サンプル値xtの多項式でサンプル値ytを表す数式を用いた多項式演算を、非線形変換として行ってもよい。例えば、非線形変換器52は、「yt=a0+a1×xt+a2×xt
2+a3×xt
3+・・・」という数式を用いた多項式演算を、非線形変換として行ってもよい。尚、この数式における「ak(尚、kは、1以上の整数を示す変数である)」は、多項式の係数であり、参照信号生成器44が実質的に行っている波形変換の内容に応じて定められていてもよい。
【0047】
尚、非線形変換が行われたデジタルアップリンク信号DCSは、上述の通りアナログアップリンク信号AUSとほぼ同じ波形になることを期待されている。つまり、非線形変換が行われたデジタルアップリンク信号DCSのスペクトル分布は、非線形変換が行われていないデジタルアップリンク信号DUSのスペクトル分布よりも狭くなることが期待される。なぜなら、無線通信が行われる場合、アナログアップリンク信号AUSのスペクトルは通常、所望の信号帯域幅程度の広がりしか持たないためである。そのため、非線形変換器52のパラメータakの調整方法の一例として、非線形変換が行われたデジタルアップリンク信号DCSのスペクトルの広がりが、アナログアップリンク信号AUSのスペクトルの広がりと同程度になるように、デジタルアップリンク信号DCSのスペクトルの広がりを抑制するようにパラメータakを調整する方法があげられる。
【0048】
再び
図2において、非線形変換器52が生成したデジタルアップリンク信号DCSは、デジタル信号処理部53に入力される。デジタル信号処理部53は、デジタルアップリンク信号DCSに対して所定のデジタル信号処理を行う。デジタル信号処理は、デジタルアップリンク信号DCSを、無線アップリンク信号RUSの同相成分(言い換えれば、In-Phase成分であり、I軸成分)に相当するI軸信号成分と、無線アップリンク信号RUSの直交位相相成分(言い換えれば、Quadrature-Phase成分であり、Q軸成分)に相当するQ軸信号成分とに分離する処理を含んでいてもよい。デジタル信号処理は、デジタルアップリンク信号DCS(或いは、I軸信号成分及びQ軸信号成分)を復調する処理を含んでいてもよい。
【0049】
<1-3>無線アクセスシステムSYSaの技術的効果
以上説明したように、第1実施形態の無線アクセスシステムSYSaでは、無線局1は、アナログアップリンク信号AUSに対してパルス幅変調を行うために、三角波信号から少なくとも一つの高調波信号成分が除去することで得られるアナログ参照信号ARSを用いる。このため、アナログ参照信号ARSの周波数は、典型的には、三角波信号の周波数よりも低くなる。アナログ参照信号ARSの周波数帯域は、典型的には、三角波信号の周波数帯域よりも狭くなる。このため、アナログ参照信号ARSを生成するためにDA変換器444に要求されるサンプリング周波数は、典型的には、三角波信号を生成するためにDA変換器444に要求されるサンプリング周波数よりも低くなる。このため、アナログ参照信号ARSを生成するためのDA変換器444のコストは、典型的には、三角波信号を生成するためのDA変換器444のコストよりも低くなる。このため、無線アクセスシステムSYSaは、アナログ参照信号ARSを生成するためのDA変換器444のコストを低減することができる。その結果、無線アクセスシステムSYSaは、アナログ参照信号ARSを用いて行われるパルス幅変調のコストを低減することができる。
【0050】
更に、第1実施形態の無線アクセスシステムSYSaでは、非線形変換器52は、デジタルアップリンク信号DUSに対して、参照信号生成器44が三角波信号に対して実質的に行っている非線形変換と同じ非線形変換を行う。このため、パルス幅変調を行うために三角波信号に代えてアナログ参照信号ARSが用いられる場合であっても、上述したように、参照信号生成器44が実質的に行っている波形変換に起因してデジタルアップリンク信号DUSに現れる誤差が小さくなる又はなくなる。このため、パルス幅変調を行うためにアナログ参照信号ARSが用いられる場合であっても、無線局1は、パルス幅変調を行うために三角波信号が用いられる場合に生成される理想的なデジタルアップリンク信号と同様のデジタルアップリンク信号DCSを生成することができる。
【0051】
尚、参照信号生成器44は、パルス幅変調を行うためにアナログ参照信号ARSが用いられることで得られる効果が、DA変換器444に要求されるサンプリング周波数の低減であることを考慮してもよい。
【0052】
第1の例として、参照信号生成器44は、「高次周波数が高くなるほど、高調波信号成分が優先的に除去される」という基準に基づいて選択される少なくとも一つの高調波信号成分を三角波信号から除去することで得られる信号を、アナログ参照信号ARSとして生成してもよい。この場合、アナログ参照信号ARSの周波数が三角波信号の周波数よりも低くなる可能性が高くなる。更に、アナログ参照信号ARSの周波数帯域が、三角波信号の周波数帯域よりも狭くなる可能性が高くなる。このため、無線アクセスシステムSYSaは、アナログ参照信号ARSを用いて行われるパルス幅変調のコストを効率的に低減することができる。
【0053】
第2の例として、参照信号生成器44は、アナログ参照信号ARSとして、三角波信号から、DA変換器444の実際のサンプリング周波数に基づいて選択される少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで得られる信号を、アナログ参照信号ARSとして生成してもよい。例えば、参照信号生成器44は、「アナログ参照信号ARSに残る高調波信号成分の高次周波数の上限が、DA変換器444の実際のサンプリング周波数の半分となる」という基準に基づいて選択される少なくとも一つの高調波信号成分を三角波信号から除去することで得られる信号を、アナログ参照信号ARSとして生成してもよい。例えば、参照信号生成器44は、「アナログ参照信号ARSに残る高調波信号成分の高次周波数が、DA変換器444の実際のサンプリング周波数の半分以下となる」という基準に基づいて選択される少なくとも一つの高調波信号成分を三角波信号から除去することで得られる信号を、アナログ参照信号ARSとして生成してもよい。この場合、DA変換器444を用いて参照信号生成器44がアナログ参照信号ARSを生成することができない状況が生ずる可能性が低くなる。
【0054】
尚、DA変換器444に要求されるサンプリング周波数の低減という効果(つまり、DA変換器444のコストの低減という効果)を最大限発揮するために、参照信号生成器44は、三角波信号から三角波信号に含まれる全ての高調波信号成分を除去することで得られる信号を、アナログ参照信号ARSとして生成してもよい。但し、アナログ参照信号ARSに含まれる高調波信号成分の数が少なくなればなるほど、上述した非線形変換に必要な演算負荷が高くなる。このため、参照信号生成器44は、三角波信号から高調波信号成分を除去することで得られるDA変換器444のコストの低減という効果と、アナログ参照信号ARSに高調波信号成分を残すことで得られる非線形変換に必要な演算負荷の低減という効果との間のトレードオフの関係を考慮して、三角波信号から、所望の少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで得られる信号を、アナログ参照信号ARSとして生成してもよい。
【0055】
<2>第2実施形態の無線アクセスシステムSYS
続いて、第2実施形態の無線アクセスシステムSYSについて説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、第2実施形態の無線アクセスシステムSYSを、無線アクセスシステムSYSbと称する。
【0056】
第2実施形態の無線アクセスシステムSYSbは、第1実施形態の無線アクセスシステムSYSaと比較して、無線局1に代えて、無線局1bを備えているという点で異なる。無線アクセスシステムSYSbのその他の構成は、無線アクセスシステムSYSaのその他の構成と同一であってもよい。
【0057】
このため、以下では、
図6を参照しながら、第2実施形態の無線局1bについて説明する。
図6は、第2実施形態の無線局1bの構成を示すブロック図である。尚、以下の説明では、既に説明済みの構成要素については、同一の参照符号を付することで、その詳細な説明を省略する。
【0058】
図6に示すように、無線局1bは、無線局1と比較して、非線形変換器52に代えて、非線形変換器45bを備えているという点で異なる。無線局1bのその他の構成は、無線局1のその他の構成と同一であってもよい。
【0059】
非線形変換器45bは、アナログの電気信号であるアナログアップリンク信号AUSに対して上述した非線形変換を行うという点で、デジタルの電気信号であるデジタルアップリンク信号DUSに対して上述した非線形変換を行う非線形変換器52とは異なる。つまり、非線形変換器45bは、参照信号生成器44が実質的に行っている波形変換に起因してデジタルアップリンク信号DUSに現れる誤差を小さくする又はなくすためのアナログ信号変換である非線形変換を、アナログアップリンク信号AUSに対して行うという点で、参照信号生成器44が実質的に行っている波形変換に起因してデジタルアップリンク信号DUSに現れる誤差を小さくする又はなくすためのデジタル信号変換である非線形変換をデジタルアップリンク信号DUSに対して行う非線形変換器52とは異なる。その結果、非線形変換器45bは、非線形変換が行われたアナログアップリンク信号AUSであるアナログアップリンク信号ACSを生成する。非線形変換器45bのその他の構成は、非線形変換器52のその他の構成と同一である。
【0060】
この場合、信号変調器43は、アナログアップリンク信号AUSに対して所定の変調を行うことに代えて、アナログアップリンク信号ACSに対して所定の変調を行うことで、アナログ変調信号AMSを生成する。更に、AD変換器51は、アナログ変調信号AMSをデジタルアップリンク信号DUSに変換する。ここで、アナログ変調信号AMSを生成するために用いられたアナログアップリンク信号AUSに対して上述した非線形変換が既に行われているため、第2実施形態においてAD変換器51が生成するデジタルアップリンク信号DUSは、第1実施形態において非線形変換器52が生成するデジタルアップリンク信号DCSと等価である。つまり、第2実施形態においてAD変換器51が生成するデジタルアップリンク信号DUSでは、参照信号生成器44が実質的に行っている波形変換に起因して現れる誤差が小さくなっている又はなくなっている。このため、デジタル信号処理部53は、デジタルアップリンク信号DCSに対して所定のデジタル信号処理を行うことに加えて、デジタルアップリンク信号DUSに対して所定のデジタル信号処理を行ってもよい。
【0061】
このような第2実施形態における無線アクセスシステムSYSbは、上述した第1実施形態における無線アクセスシステムSYSaが享受可能な効果と同様の効果を享受することができる。
【0062】
<3>第3実施形態の無線アクセスシステムSYS
続いて、第3実施形態の無線アクセスシステムSYSについて説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、第3実施形態の無線アクセスシステムSYSを、無線アクセスシステムSYScと称する。第3実施形態の無線アクセスシステムSYScは、第1実施形態の無線アクセスシステムSYSaと比較して、無線局1に代えて、無線局1cを備えているという点で異なる。無線アクセスシステムSYScのその他の構成は、無線アクセスシステムSYSaのその他の構成と同一であってもよい。
【0063】
このため、以下では、
図7を参照しながら、第3実施形態の無線局1cについて説明する。
図7は、第3実施形態の無線局1cの構成を示すブロック図である。
【0064】
図7に示すように、無線局1cは、無線局1と比較して、二つの信号変調器43と、二つのAD変換器51と、二つの非線形変換器52とを備えているという点で異なる。具体的には、無線局1bは、信号変調器43#I及び43#Qと、AD変換器51#I及び51#Qと、非線形変換器52#I及び52#Qとを備えている。無線局1cのその他の構成は、無線局1のその他の構成と同一であってもよい。
【0065】
このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、アンテナ41は、無線ネットワーク3を介して、ユーザ端末2から、無線アップリンク信号RUSを受信する。その後、アナログ信号変換部42は、無線アップリンク信号RUSに対して所定のアナログ信号変換を行うことで、アナログアップリンク信号AUSを生成する。
【0066】
第3実施形態では特に、アナログ信号変換は、無線アップリンク信号RUSから、無線アップリンク信号RUSの同相成分に相当するアナログアップリンク信号AUS(具体的には、アナログアップリンク信号AUS#I)と、無線アップリンク信号RUSの直交位相成分に相当するアナログアップリンク信号AUS(具体的には、アナログアップリンク信号AUS#Q)との夫々を生成するIQ分離を含む。尚、IQ分離は、無線アップリンク信号RUSから、アナログアップリンク信号AUS#I及びAUS#Qを抽出する動作であるとみなしてもよい。この場合、アナログ信号変換部42は、信号抽出手段と称されてもよい。アナログ信号変換部42が生成したアナログアップリンク信号AUS#Iは、アナログ信号変換部42から信号変調器43#Iに入力される。アナログ信号変換部42が生成したアナログアップリンク信号AUS#Qは、アナログ信号変換部42から信号変調器43#Qに入力される。
【0067】
信号変調器43#Iは、アナログアップリンク信号AUS#Iに対して所定の変調を行うことで、アナログ変調信号AMS(具体的には、アナログ変調信号AMS#I)を生成する。信号変調器43#Qは、アナログアップリンク信号AUS#Qに対して所定の変調を行うことで、アナログ変調信号AMS(具体的には、アナログ変調信号AMS#Q)を生成する。
【0068】
AD変換器51#Iは、アナログ変調信号AMS#Iに対してAD変換を行うことで、デジタルアップリンク信号DUS(具体的には、デジタルアップリンク信号DUS#I)を生成する。デジタルアップリンク信号DUS#Iは、アナログアップリンク信号AUS#Iの信号レベルを、離散的なデジタル信号値で示すデジタルの電気信号に相当する。
【0069】
AD変換器51#Qは、アナログ変調信号AMS#Qに対してAD変換を行うことで、デジタルアップリンク信号DUS(具体的には、デジタルアップリンク信号DUS#Q)を生成する。デジタルアップリンク信号DUS#Qは、アナログアップリンク信号AUS#Qの信号レベルを、離散的なデジタル信号値で示すデジタルの電気信号に相当する。
【0070】
非線形変換器52#Iは、デジタルアップリンク信号DUS#Iに対して非線形変換を行うことで、デジタルアップリンク信号DCS(具体的には、デジタルアップリンク信号DCS#I)を生成する。非線形変換器52#Qは、デジタルアップリンク信号DUS#Qに対して非線形変換を行うことで、デジタルアップリンク信号DCS(具体的には、デジタルアップリンク信号DCS#Q)を生成する。
【0071】
デジタル信号処理部53は、デジタルアップリンク信号DCS#I及びDCS#Qに対して所定のデジタル信号処理を行う。
【0072】
このように、第3実施形態では、無線アクセスシステムSYScは、IQ分離によって生成された二つの信号(具体的には、アナログアップリンク信号AUS#I及び#Q)を用いた信号変換を行うことができる。ここで、IQ分離によって生成されたアナログアップリンク信号AUS#I及びAUS#Qの中心周波数は、典型的には、IQ分離を用いることなく生成された第1実施形態のアナログアップリンク信号AUSの中心周波数よりも低くなる。場合によっては、IQ分離によって生成されたアナログアップリンク信号AUS#I及びAUS#Qの中心周波数は、0Hzに設定されてもよい。その結果、第3実施形態では、第1実施形態と比較して、精度が高いデジタルアップリンク信号DUSを生成するためにAD変換器51に要求される性能の制約(典型的には、サンプリング周期の制約)が緩くなる。
【0073】
尚、上述した第2実施形態の無線アクセスシステムSYSbが、第3実施形態の無線アクセスシステムSYScに固有の構成を有していてもよい。第3実施形態の無線アクセスシステムSYScに固有の構成は、IQ分離に関する構成を含んでいてもよい。この場合、第2実施形態の無線局1bは、二つの信号変調器43と、二つの非線形変換器45bと、二つのAD変換器51とを備えていてもよい。二つの非線形変換器45bは、それぞれ、アナログアップリンク信号AUS#I及び#Qに対して非線形変換を行ってもよい。
【0074】
<4>第4実施形態の無線アクセスシステムSYS
続いて、第4実施形態の無線アクセスシステムSYSについて説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、第4実施形態の無線アクセスシステムSYSを、無線アクセスシステムSYSdと称する。
【0075】
<4-1>第4実施形態の無線アクセスシステムSYSdの構成
はじめに、
図8を参照しながら、第4実施形態の無線アクセスシステムSYSdの構成について説明する。
図8は、第8実施形態の無線アクセスシステムSYSdの構成を示すブロック図である。
【0076】
図8に示すように、無線アクセスシステムSYSdは、集中制御局5dと、少なくとも一つのアクセスポイント4dとを備えている。尚、
図8は、無線アクセスシステムSYSdが複数のアクセスポイント4dを備えている例を示しているが、無線アクセスシステムSYSdは、単一のアクセスポイント4dを備えていてもよい。
【0077】
集中制御局5dと各アクセスポイント4dとは、光ネットワーク6dを介して接続されている。光ネットワーク6dは、光ファイバ61dを含むネットワークである。このため、集中制御局5dは、集中制御局5dから各アクセスポイント4dに伝送するべきダウンリンク信号から、光信号である光ダウンリンク信号ODSを生成し、生成した光ダウンリンク信号ODSを、光ネットワーク6dを介して各アクセスポイント4dに伝送する。同様に、各アクセスポイント4dは、各アクセスポイント4dから集中制御局5dに伝送するべきアップリンク信号から、光信号である光アップリンク信号OUSを生成し、生成した光アップリンク信号OUSを、光ネットワーク6dを介して集中制御局5dに伝送する。
【0078】
第4実施形態では、集中制御局5dと各アクセスポイント4dとは、RoF(Radio over Fiber)技術を用いて信号を伝送してもよい。この場合、集中制御局5dは、集中制御局5dから各アクセスポイント4dに伝送するべきアナログダウンリンク信号ADSに基づいて光信号を変調する(例えば、強度変調する)ことで、変調された光信号を光ダウンリンク信号ODSとして生成してもよい。同様に、各アクセスポイント4dは、各アクセスポイント4dから集中制御局5dに伝送するべきアナログアップリンク信号AUSに基づいて光信号を変調する(例えば、強度変調する)ことで、変調された光アップリンク信号OUSを生成してもよい。
【0079】
各アクセスポイント4dは、無線ネットワーク3を介して、少なくとも一つのユーザ端末2と無線通信可能である。例えば、各アクセスポイント4dは、集中制御局5dから受信したアナログダウンリンク信号ADSに基づいて、無線ダウンリンク信号を生成し、無線ネットワーク3を介して、無線ダウンリンク信号をユーザ端末2に伝送してもよい。例えば、各アクセスポイント4dは、無線ネットワーク3を介して、ユーザ端末2から無線アップリンク信号RUSを受信し、無線アップリンク信号RUSに基づいてアナログアップリンク信号AUSを生成し、アナログアップリンク信号AUSを集中制御局5dに伝送してもよい。
【0080】
このような無線アクセスシステムSYSdは、典型的には、移動通信システムに用いられてもよい。例えば、無線アクセスシステムSYSdは、ITU(International Telecommunication Union)が定める規定「IMT-2020」を満たす第5世代移動通信システムに用いられてもよい。例えば、無線アクセスシステムSYSdは、Beyond 5Gと称される移動通信システムに用いられてもよい。この場合、いわゆる基地局として機能する集中制御局5dと、ベースバンド回路及びアンテナを含むアクセスポイント4dとが、地理的に且つ機能的に分離可能となる。その結果、複数のアクセスポイント4dによって夫々実現される複数の小型セルを、従来のマクロセル内に高密度に展開することができる。
【0081】
尚、集中制御局5dは、センターユニット、集約局又はベースバンドユニットと称されてもよい。アクセスポイント4dは、リモートユニット、張出局又はリモート無線ユニットと称されてもよい。
【0082】
<4-2>無線アクセスシステムSYSdを用いて行われる信号変換方法
続いて、無線アクセスシステムSYSdを用いて行われる信号変換方法について説明する。特に、以下では、無線アクセスシステムSYSdを用いて行われる信号変換方法について、集中制御局5d及びアクセスポイント4dの夫々の構成を示すブロック図である
図9を参照しながら、説明する。
【0083】
また、以下では、説明の便宜上、アップリンク信号を伝送するために行われる信号変換方法について説明する。つまり、アクセスポイント4dから集中制御局5dに対してアップリンク信号を伝送するために行われる信号変換方法について説明する。尚、集中制御局5dからアクセスポイント4dに対してダウンリンク信号を伝送するために行われる信号変換方法としては、既存の信号変換方法が用いられてもよい。
【0084】
図9に示すように、アクセスポイント4dは、上述したアンテナ41、アナログ信号変換部42、信号変調器43及び参照信号生成器44に加えて、E/O(Electrical to Optical)変換器46dを備えている。集中制御局5dは、上述したAD変換器51、非線形変換器52及びデジタル信号処理部53に加えて、O/E(Optical to Electrical)変換器54dを備えている。尚、E/O変換器46dは、「光信号変換手段」と称されてもよい。O/E変換器54dは、「電気信号変換手段」と称されてもよい。
【0085】
図9に示すように、第4実施形態の無線アクセスシステムSYSdは、信号変調器43からAD変換器51に対してアナログ変調信号AMSを伝送するために、E/O変換器46d、光ネットワーク6d及びO/E変換器54dが用いられるという点で、信号変調器43からAD変換器51に対してアナログ変調信号AMSを伝送するために、E/O変換器46d、光ネットワーク6d及びO/E変換器54dが用いられなくてもよい第1実施形態の無線アクセスシステムSYSaと異なるとみなしてもよい。
【0086】
具体的には、第4実施形態では、信号変調器43が生成したアナログ変調信号AMSは、信号変調器43からE/O変換器46dに入力される。E/O変換器46dは、アナログの電気信号であるアナログ変調信号AMSを、光信号である光アップリンク信号(Optical Uplink Signal)OUSに変換する。具体的には、E/O変換器46dは、アナログ変調信号AMSに基づいて光信号を変調する(例えば、強度変調する)ことで、変調された光信号を光アップリンク信号OUSとして生成する。E/O変換器46dが生成した光アップリンク信号OUSは、光ネットワーク6dを介してアクセスポイント4dから集中制御局5dに伝送される。
【0087】
ここで、上述したように、各時刻におけるアナログ変調信号AMSの信号レベルがローレベル及びハイレベルを含む2値レベルのいずれか一方となるがゆえに、E/O変換器46dの動作負荷が低下する。このため、E/O変換器46dの低コスト化が可能となる。
【0088】
集中制御局5dは、光ネットワーク6dを介してアクセスポイント4dから伝送される光アップリンク信号OUSを受信する。集中制御局5dのO/E変換器54dは、光信号である光アップリンク信号OUSを、アナログの電気信号である電気アップリンク信号(Electrical Uplink Signal)EUSに変換する。電気アップリンク信号EUSは、アナログ変調信号AMSと等価な信号である。このため、AD変換器51は、O/E変換器54dが生成した電気アップリンク信号EUSを、アナログ変調信号AMSとして用いることで、電気アップリンク信号EUSから(つまり、アナログ変調信号AMSから)、デジタルアップリンク信号DUSを生成することができる。
【0089】
尚、上述した第2実施形態の無線アクセスシステムSYSbから第3実施形態の無線アクセスシステムSYScの少なくとも一つが、第4実施形態の無線アクセスシステムSYSdに固有の構成を有していてもよい。第4実施形態の無線アクセスシステムSYSdに固有の構成は、集中制御局5d、アクセスポイント4d及び光ネットワーク6dに関する構成を含んでいてもよい。
【0090】
<5>第5実施形態の無線アクセスシステムSYS
続いて、第5実施形態の無線アクセスシステムSYSについて説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、第5実施形態の無線アクセスシステムSYSを、無線アクセスシステムSYSeと称する。第5実施形態の無線アクセスシステムSYSeは、第4実施形態の無線アクセスシステムSYSdと比較して、集中制御局5d、少なくとも一つのアクセスポイント4d及び光ネットワーク6dに代えて、集中制御局5e、少なくとも一つのアクセスポイント4e及び光ネットワーク6eを備えているという点で異なる。無線アクセスシステムSYSeのその他の構成は、無線アクセスシステムSYSdのその他の構成と同一であってもよい。
【0091】
このため、以下では、
図10を参照しながら、第5実施形態の集中制御局5e、少なくとも一つのアクセスポイント4e及び光ネットワーク6eについて説明する。
図10は、第5実施形態の集中制御局5e、アクセスポイント4e及び光ネットワーク6eの構成を示すブロック図である。
【0092】
図10に示すように、集中制御局5eは、集中制御局5dと比較して、E/O変換器55eと、DA(Digital to Analog)変換器56eと、デジタル参照信号生成器57eと、クロック信号生成器58eとを備えているという点で異なる。集中制御局5eのその他の構成は、集中制御局5dのその他の構成と同一であってもよい。
【0093】
更に、アクセスポイント4eは、アクセスポイント4dと比較して、参照信号生成器44を備えていなくてもよいという点で異なる。更に、アクセスポイント4eは、アクセスポイント4dと比較して、O/E変換器46eを備えているという点で異なる。アクセスポイント4eのその他の構成は、アクセスポイント4dのその他の構成と同一であってもよい。
【0094】
更に、光ネットワーク6eは、光ネットワーク6dと比較して、光ファイバ61eを更に備えているという点で異なる。光ネットワーク6eのその他の構成は、光ネットワーク6dのその他の構成と同一であってもよい。
【0095】
続いて、このような第5実施形態の無線アクセスシステムSYSeを用いて行われる信号変換方法について説明する。尚、以下の説明では、第5実施形態の無線アクセスシステムSYSeを用いて行われる信号変換方法と、第4実施形態の無線アクセスシステムSYSdを用いて行われる信号変換方法との相違点を主として説明する。従って、特段の説明がない場合には、無線アクセスシステムSYSeは、第4実施形態の無線アクセスシステムSYSdを用いて行われる信号変換方法と同様の信号変換方法を行ってもよい。
【0096】
第5実施形態の無線アクセスシステムSYSeを用いて行われる信号変換方法は、第4実施形態の無線アクセスシステムSYSdを用いて行われる信号変換方法と比較して、集中制御局5eのAD変換器51が、クロック信号生成器58eが生成した所定のクロック信号CLKに同期して、電気アップリンク信号EUS(つまり、アナログ変調信号AMS)をデジタルアップリンク信号DUSに変換するという点で異なる。例えば、AD変換器51は、クロック信号CLKによって特定されるサンプリング周期が経過するたびに、電気アップリンク信号EUSをサンプリングし、サンプリングした電気アップリンク信号EUSの信号レベルを示すデジタル信号を、デジタルアップリンク信号DUSの一部として出力する。
【0097】
更に、第5実施形態の無線アクセスシステムSYSeを用いて行われる信号変換方法は、第4実施形態の無線アクセスシステムSYSdを用いて行われる信号変換方法と比較して、デジタル参照信号生成器57eが、デジタル参照信号DRSを生成するという点で異なる。デジタル参照信号生成器57eは、上述した参照信号生成器44が備える三角波信号生成部441及びフィルタリング部442を備え、三角波信号生成部441及びフィルタリング部442を用いてデジタル参照信号DRSを生成してもよい。デジタル参照信号生成器57eは、上述した参照信号生成器44が備えるダウンサンプリング部443を更に備え、三角波信号生成部441及びフィルタリング部442に加えてダウンサンプリング部443を用いて、デジタル参照信号DDSをデジタル参照信号DRSとして生成してもよい。
【0098】
更に、第5実施形態の無線アクセスシステムSYSeを用いて行われる信号変換方法は、第4実施形態の無線アクセスシステムSYSdを用いて行われる信号変換方法と比較して、DA変換器56eは、デジタル参照信号DRSを、アナログの電気信号であるアナログ参照信号ARSに変換するという点で異なる。特に、DA変換器56eは、クロック信号生成器58eが生成した所定のクロック信号CLKに同期して、デジタル参照信号DRSをアナログ参照信号ARSに変換する。つまり、DA変換器56eは、AD変換器51がデジタルアップリンク信号DUSを生成するために用いるクロック信号CLKに同期して、デジタル参照信号DRSをアナログ参照信号ARSに変換する。
【0099】
DA変換器56eは、1ビット信号変調器と1ビットDA変換器とを備えていてもよい。尚、1ビット信号変調器は、デジタル信号を、1ビット信号処理が可能なデジタル信号(つまり、量子化ビット数が1ビットとなるデジタル信号)に変換する信号変調器である。1ビットDA変換器は、1ビット信号処理が可能なデジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換器である。この場合、DA変換器56eは、1ビット信号変調器を用いてデジタル参照信号DRSに対して所定のデジタル変調を行うことで、1ビット信号処理が可能なデジタル信号であるデジタル出力信号を生成してもよい。1ビット信号処理が可能なデジタル信号を生成可能なデジタル変調の一例として、パルス幅変調及びΔΣ変調の少なくとも一方があげられる。その後、DA変換器56eは、1ビットDA変換器を用いて、デジタル出力信号を、アナログ参照信号ARSに変換してもよい。ここで、1ビット信号変調器が生成するデジタル出力信号が、1ビット信号処理が可能なデジタル信号であるがゆえに、アナログ参照信号ARSの信号レベルは、実質的には、ローレベル及びハイレベルを含む2値レベルのいずれか一方となる。その結果、アナログ参照信号ARSを伝送するE/O変換器55e及びO/E変換器46eの動作負荷が低下する。このため、E/O変換器55e及びO/E変換器46eの低コスト化が可能となる。
【0100】
或いは、DA変換器56eは、マルチビットDA変換器を備えていてもよい。尚、1マルチビットDA変換器は、マルチビット信号処理が可能なデジタル信号(つまり、量子化ビット数が2ビット以上となるデジタル信号)をアナログ信号に変換するDA変換器である。この場合、DA変換器56eは、マルチビットDA変換器を用いて、デジタル参照信号DRSを、アナログ参照信号ARSに変換してもよい。
【0101】
DA変換器56eが生成したアナログ参照信号ARSは、DA変換器56eからE/O変換器55eに入力される。E/O変換器55eは、アナログの電気信号であるアナログ参照信号ARSを、光信号である光参照信号(Optical Reference Signal)ORSに変換する。具体的には、E/O変換器55eは、アナログ参照信号ARSに基づいて光信号を変調する(例えば、強度変調する)ことで、変調された光信号を光参照信号ORSとして生成する。E/O変換器55eが生成した光参照信号ORSは、光ネットワーク6d(特に、光ファイバ61e)を介して集中制御局5eからアクセスポイント4eに伝送される。
【0102】
集中制御局5eからアクセスポイント4eにアナログ参照信号ARSを伝送するために用いられる光ファイバ61eは、集中制御局5eからアクセスポイント4eに対して伝送するべきダウンリンク信号を伝送するための光ファイバであってもよい。この場合、集中制御局5eは、集中制御局5eからアクセスポイント4eに対して伝送するべきダウンリンク信号を伝送するべきダウンリンク伝送期間中は、光ファイバ61eを用いてダウンリンク信号をアクセスポイント4eに伝送してもよい。一方で、集中制御局5eは、ダウンリンク伝送期間中は、光ファイバ61eを用いてアナログ参照信号ARSをアクセスポイント4eに伝送しなくてもよい。他方で、集中制御局5eは、集中制御局5eからアクセスポイント4eに対して伝送するべきダウンリンク信号を伝送しなくてもよい非ダウンリンク伝送期間中に、光ファイバ61eを用いてアナログ参照信号ARSをアクセスポイント4eに伝送してもよい。この場合、無線アクセスシステムSYSeは、ダウンリンク信号を伝送するための伝送リンク(ダウンリンク)を用いて、アナログ参照信号ARSを集中制御局5eからアクセスポイント4eに伝送することができる。このため、無線アクセスシステムSYSeは、アナログ参照信号ARSを伝送するための専用の伝送リンクを備えていなくてもよくなるため、無線アクセスシステムSYSeの低コスト化が可能である。
【0103】
但し、集中制御局5eからアクセスポイント4eにアナログ参照信号ARSを伝送するために用いられる光ファイバ61eは、ダウンリンク信号を伝送するための光ファイバとは異なる光ファイバであってもよい。つまり、集中制御局5eからアクセスポイント4eにアナログ参照信号ARSを伝送するために用いられる光ファイバ61eは、アナログ参照信号ARSを伝送するための専用の光ファイバであってもよい。
【0104】
O/E変換器46eは、光信号である光参照信号ORSを、アナログの電気信号であるアナログ参照信号ARSに変換する。つまり、O/E変換器46eは、E/O変換器55eにおいて光参照信号ORSに変換されたアナログ参照信号ARSを、光参照信号ORSから復元する。
【0105】
O/E変換器46eが生成したアナログ参照信号ARSは、信号変調器43に入力される。信号変調器43は、アナログアップリンク信号AUSに対して、O/E変換器46eが生成したアナログ参照信号ARSを用いた所定の変調を行うことで、アナログ変調信号AMSを生成する。
【0106】
但し、DA変換器56eが1ビット信号変調器及び1ビットDA変換器を用いてデジタル参照信号DRSをアナログ参照信号ARSに変換している場合には、O/E変換器46eが生成したアナログ参照信号ARSは、ローパスフィルタを通過した後に信号変調器43に入力されてもよい。その結果、信号変調器43は、ローパスフィルタによって高周波のノイズ成分が除去されたアナログ参照信号ARSを用いて、所定の変調を行ってもよい。
【0107】
以上説明した第5実施形態の無線アクセスシステムSYSeでは、信号変調器43にアナログ参照信号ARSを入力するために主として用いられるデジタル参照信号生成器57e、DA変換器56e、E/O変換器55e及びO/E変換器46e(更には、必要に応じて、ローパスフィルタ)を含む装置が、参照信号生成器44として機能しているとみなしてもよい。
【0108】
以上説明したように、第5実施形態では、デジタルアップリンク信号DUSを生成するAD変換器51と、アナログ参照信号ARSを生成するDA変換器56eとは、同じクロック信号CLKに基づくタイミングで動作する。更に、アナログ参照信号ARSがクロック信号CLKに同期して生成されるがゆえに、アナログ参照信号ARSを用いてアナログ変調信号AMSを生成する信号変調器43もまた、実質的には、クロック信号CLKに基づくタイミングで動作していると言える。このため、AD変換器51は、信号変調器43がアナログアップリンク信号AUSを生成するタイミングに同期して、アナログアップリンク信号AUSを生成することができる。このため、デジタルアップリンク信号DUSのジッタの影響が低減可能となる。
【0109】
<6>変形例
上述した説明では、無線局1が備えるアナログ信号変換部42、信号変調器43、参照信号生成器44、AD変換器51、非線形変換器52及びデジタル信号処理部53の夫々がハードウェアである例について説明している。しかしながら、アナログ信号変換部42、信号変調器43、参照信号生成器44、AD変換器51、非線形変換器52及びデジタル信号処理部53の少なくとも一つが行う動作が、ソフトウェアによって実現されてもよい。例えば、
図11に示すように、無線局1は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置110と、メモリ等の記憶装置120とを備えていてもよい。演算装置110は、記憶装置120に記録されたコンピュータプログラムを実行してもよい。その結果、演算装置110内には、アナログ信号変換部42、信号変調器43、参照信号生成器44、AD変換器51、非線形変換器52及びデジタル信号処理部53のうちの少なくとも一つが行う動作を行う論理的な処理ブロックが実現されてもよい。
【0110】
<7>付記
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
三角波信号から少なくとも一つの高次周波数に対応する少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで、アナログ参照信号を生成する参照信号生成手段と、
前記アナログ参照信号とアナログ入力信号とを比較するパルス幅変調を行うことで、アナログ変調信号を生成する変調信号生成手段と、
前記アナログ変調信号を、デジタル出力信号に変換するデジタル信号変換手段と、
前記デジタル出力信号又は前記アナログ入力信号に対して、前記三角波信号を前記アナログ参照信号に変換するための波形変換に対応する非線形変換を行う非線形変換手段と
を備える信号変調装置。
[付記2]
前記非線形変換手段は、前記デジタル出力信号に対して、前記非線形変換を行い、
前記信号変調装置は、前記非線形変換が行われた前記デジタル出力信号に対してデジタル信号処理を行う信号処理手段を更に備える
付記1に記載の信号変調装置。
[付記3]
前記非線形変換手段は、前記アナログ入力信号に対して、前記非線形変換を行い、
前記変調信号生成手段は、前記アナログ参照信号と前記非線形変換が行われた前記アナログ入力信号とを比較する前記パルス幅変調を行うことで、前記アナログ変調信号を生成する
付記1又は2に記載の信号変調装置。
[付記4]
前記信号変調装置は、アンテナによって受信された無線信号から、前記無線信号の同相成分に相当する第1のアナログ入力信号と、前記無線信号の直交位相成分に相当する第2のアナログ入力信号とを抽出する信号抽出手段を更に備え、
前記変調信号生成手段は、前記アナログ参照信号と前記第1のアナログ入力信号とを比較する前記パルス幅変調を行うことで、第1のアナログ変調信号を生成する第1の変調器と、前記アナログ参照信号と前記第2のアナログ入力信号とを比較する前記パルス幅変調を行うことで、第2のアナログ変調信号を生成する第2の変調器とを備え、
前記デジタル信号変換手段は、前記第1のアナログ変調信号を、第1のデジタル出力信号に変換する第1のデジタル信号変換器と、前記第2のアナログ変調信号を、第2のデジタル出力信号に変換する第2のデジタル信号変換器とを備え、
前記非線形変換手段は、前記第1のデジタル出力信号又は前記第1のアナログ入力信号に対して、前記非線形変換を行う第1の非線形変換器と、前記第2のデジタル出力信号又は前記第2のアナログ入力信号に対して、前記非線形変換を行う第2の非線形変換器とを備える
付記1から3のいずれか一項に記載の信号変調装置。
[付記5]
前記信号変調装置は、
前記アナログ変調信号を光信号に変換する光信号変換手段と、
前記光信号変換手段が変換した前記光信号が伝送される光ネットワークと、
前記光ネットワークを介して伝送された前記光信号を電気信号に変換することで、前記アナログ変調信号を復元する電気信号変換手段と
を備え、
前記デジタル信号変換手段は、前記電気信号変換手段が変換した前記アナログ変調信号を、前記デジタル出力信号に変換する
付記1から4のいずれか一項に記載の信号変調装置。
[付記6]
前記信号変調装置は、集中制御局と、前記集中制御局と光ネットワークを介して接続されたアクセスポイントとを備えた無線通信システムであり、
前記アクセスポイントは、前記参照信号生成手段と、前記変調信号生成手段と、前記変調信号生成手段が生成した前記アナログ変調信号を光信号に変換する光信号変換手段とを備え、
前記集中制御局は、前記光ネットワークを介して前記アクセスポイントから伝送された前記光信号を電気信号に変換することで前記アナログ変調信号を復元する電気信号変換手段と、前記デジタル信号変換手段とを備え、
前記デジタル信号変換手段は、前記電気信号変換手段が変換した前記アナログ変調信号を、前記デジタル出力信号に変換する
付記1から5のいずれか一項に記載の信号変調装置。
[付記7]
前記デジタル信号変換手段は、所定のクロック信号に同期して、前記アナログ変調信号を、前記デジタル出力信号に変換し、
前記参照信号生成手段は、前記クロック信号に同期して、前記アナログ参照信号を生成する
付記1から6のいずれか一項に記載の信号変調装置。
[付記8]
前記信号変調装置は、集中制御局と、前記集中制御局と光ネットワークを介して接続されたアクセスポイントとを備えた無線通信システムであり、
前記参照信号生成手段は、
前記集中制御局に配置されており、且つ、前記アナログ参照信号に対応するデジタル参照信号に基づいて、信号レベルがハイレベルとローレベルとの間で変化するアナログダウンリンク信号を生成する第1信号生成手段と、
前記集中制御局に配置されており、且つ、前記第1信号生成手段が生成した前記アナログダウンリンク信号を光ダウンリンク信号に変換する光信号変換手段と、
前記アクセスポイントに配置されており、且つ、前記光ネットワークを介して前記集中制御局から伝送された前記光ダウンリンク信号を電気ダウンリンク信号に変換する電気信号変換手段と、
前記アクセスポイントに配置されており、且つ、前記電気ダウンリンク信号から前記アナログ参照信号を生成する第2信号生成手段と
を備える付記7に記載の信号変調装置。
[付記9]
前記参照信号生成手段は、前記集中制御局が前記アクセスポイントに伝送するべきダウンリンク伝送信号が前記光ネットワークを介して前記集中制御局から前記アクセスポイントに伝送される期間とは異なる期間中に、前記光ネットワークを介して、前記光ダウンリンク信号を前記集中制御局から前記アクセスポイントに伝送する
付記8に記載の信号変調装置。
[付記10]
三角波信号から少なくとも一つの高次周波数に対応する少なくとも一つの高調波信号成分を除去することで、アナログ参照信号を生成することと、
前記アナログ参照信号とアナログ入力信号とを比較するパルス幅変調を行うことで、アナログ変調信号を生成することと、
前記アナログ変調信号を、デジタル出力信号に変換することと、
前記デジタル出力信号又は前記アナログ入力信号に対して、前記三角波信号を前記アナログ参照信号に変換するための波形変換に対応する非線形変換を行うことと
を備える信号変調方法。
【0111】
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う信号変調装置及び信号変調方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0112】
SYS 無線アクセスステム
1 集中制御局
11 O/E変換器
12 アナログフィルタ
13 マルチビットAD変換器
14 デジタル信号処理部
2 アクセスポイント
21 アンテナ
22 アナログ信号変換部
23 信号変調器
24 参照信号生成器
25 E/O変換器
3 光ネットワーク
31 光ファイバ