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特開2024-131463表示システム、表示方法、及び表示プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131463
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】表示システム、表示方法、及び表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/37 20060101AFI20240920BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240920BHJP
   G09G 5/373 20060101ALI20240920BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20240920BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20240920BHJP
【FI】
G09G5/37 320
G09G5/00 530H
G09G5/373 100
G09G5/373 200
G09G5/377
G06F3/048
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041735
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】平川 千佳
【テーマコード(参考)】
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182AC03
5C182AC43
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182BC22
5C182BC25
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB26
5C182CB44
5C182CB52
5E555AA68
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC08
5E555BC09
5E555CC05
5E555DB04
5E555DC02
5E555DC26
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ネットワークの負荷を抑制しつつ高解像度画像を表示可能な表示システム、表示方法、及び表示プログラムを提供する。
【解決手段】表示システムは、第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させる表示システムであって、前記第1画像を、前記第2解像度よりも低解像度である第3解像度の複数の分割画像に分割する分割処理部と、前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得する取得処理部と、前記複数の分割画像のうち前記表示範囲に全て又は一部が重なる複数の第1分割画像を特定し、前記複数の第1分割画像に基づいて、前記表示範囲に対応する前記第2解像度の画像を前記表示装置に表示させる第1表示処理部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させる表示システムであって、
前記第1画像を、前記第2解像度よりも低解像度である第3解像度の複数の分割画像に分割する分割処理部と、
前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得する取得処理部と、
前記複数の分割画像のうち前記表示範囲に全て又は一部が重なる複数の第1分割画像を特定し、前記複数の第1分割画像に基づいて、前記表示範囲に対応する前記第2解像度の画像を前記表示装置に表示させる第1表示処理部と、
を備える表示システム。
【請求項2】
前記第1表示処理部は、前記表示範囲の境界の位置が前記第1画像の分割位置に一致する場合に、前記複数の分割画像のうち全てが前記表示範囲に重なる複数の第1分割画像を結合した画像を前記表示装置に表示させる、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記第1表示処理部は、前記表示範囲の境界の位置が前記第1画像の分割位置に一致する場合に、画像出力装置から、前記複数の分割画像のうち全てが前記表示範囲に重なる複数の第1分割画像を前記表示装置に出力させ、前記表示装置において、前記複数の第1分割画像を結合した画像を表示させる、
請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記第1表示処理部は、前記表示範囲の境界の位置が前記第1画像の分割位置に一致しない場合に、前記複数の分割画像のうち全て又は一部が前記表示範囲に重なる複数の第1分割画像を結合した画像のうち前記表示範囲に含まれる部分を前記表示装置に表示させる、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項5】
前記第1表示処理部は、前記表示範囲の境界の位置が前記第1画像の分割位置に一致しない場合に、画像出力装置から、前記複数の分割画像のうち全て又は一部が前記表示範囲に重なる複数の第1分割画像を前記表示装置に出力させ、前記表示装置において、前記複数の第1分割画像を結合させ、結合された画像のうち前記表示範囲に含まれる部分を表示させる、
請求項4に記載の表示システム。
【請求項6】
前記第1画像の全体を前記第2解像度に変換した第2画像を前記表示装置に表示させる第2表示処理部をさらに備え、
前記取得処理部は、前記表示装置に表示された前記第2画像に対してユーザーが指定した範囲を前記表示範囲として取得する、
請求項1~5のいずれかに記載の表示システム。
【請求項7】
前記表示装置は、前記第2画像においてユーザーから前記表示範囲を指定する操作を受け付けた場合に、前記第2画像のうち前記表示範囲に対応する部分を拡大した拡大画像を表示させ、
前記第1表示処理部は、前記ユーザーから前記表示範囲を確定する操作を受け付けた場合に、前記表示装置に表示された前記拡大画像を、前記複数の第1分割画像に基づく前記画像に切り替える、
請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記表示装置は、前記複数の第1分割画像のそれぞれを読み込みが完了した順に表示させる、
請求項1~5のいずれかに記載の表示システム。
【請求項9】
第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させる表示システムであって、
前記第1画像に基づいて、前記第2解像度の複数の部分画像であって、それぞれが他の少なくとも一つの部分画像の一部と重複する複数の部分画像を生成する生成処理部と、
前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得する取得処理部と、
前記複数の部分画像のうち前記表示範囲に対応する第1部分画像を前記表示装置に表示させる第1表示処理部と、
を備える表示システム。
【請求項10】
前記生成処理部は、それぞれが互いに、前記表示装置における画面スクロールのピッチだけずれた前記複数の部分画像を生成する、
請求項9に記載の表示システム。
【請求項11】
前記第1画像の全体を前記第2解像度に変換した第2画像を前記表示装置に表示させる第2表示処理部をさらに備え、
前記取得処理部は、前記表示装置に表示された前記第2画像に対してユーザーが指定した範囲を前記表示範囲として取得する、
請求項9又は10に記載の表示システム。
【請求項12】
前記表示装置は、前記第2画像においてユーザーから前記表示範囲を指定する操作を受け付けた場合に、前記第2画像のうち前記表示範囲に対応する部分を拡大した拡大画像を表示させ、
前記第1表示処理部は、前記ユーザーから前記表示範囲を確定する操作を受け付けた場合に、前記表示装置に表示された前記拡大画像を、前記複数の部分画像のうち位置が確定した前記表示範囲に対応する前記第1部分画像に切り替える、
請求項11に記載の表示システム。
【請求項13】
第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させる表示方法であって、
前記第1画像を、前記第2解像度よりも低解像度である第3解像度の複数の分割画像に分割することと、
前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得することと、
前記複数の分割画像のうち前記表示範囲に全て又は一部が重なる複数の第1分割画像を特定し、前記複数の第1分割画像に基づいて、前記表示範囲に対応する前記第2解像度の画像を前記表示装置に表示させることと、
を一又は複数のプロセッサーが実行する表示方法。
【請求項14】
第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させる表示方法であって、
前記第1画像に基づいて、前記第2解像度の複数の部分画像であって、それぞれが他の少なくとも一つの部分画像の一部と重複する複数の部分画像を生成することと、
前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得することと、
前記複数の部分画像のうち前記表示範囲に対応する第1部分画像を前記表示装置に表示させることと、
を一又は複数のプロセッサーが実行する表示方法。
【請求項15】
第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させる表示プログラムであって、
前記第1画像を、前記第2解像度よりも低解像度である第3解像度の複数の分割画像に分割することと、
前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得することと、
前記複数の分割画像のうち前記表示範囲に全て又は一部が重なる複数の第1分割画像を特定し、前記複数の第1分割画像に基づいて、前記表示範囲に対応する前記第2解像度の画像を前記表示装置に表示させることと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための表示プログラム。
【請求項16】
第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させる表示プログラムであって、
前記第1画像に基づいて、前記第2解像度の複数の部分画像であって、それぞれが他の少なくとも一つの部分画像の一部と重複する複数の部分画像を生成することと、
前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得することと、
前記複数の部分画像のうち前記表示範囲に対応する第1部分画像を前記表示装置に表示させることと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高解像度画像を表示させる表示システム、表示方法、及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高解像度の画像を低解像度対応の表示装置に表示させるシステムが知られている。例えば、高解像度の画像(映像コンテンツ)を一定の大きさの領域に分割して表示装置に出力するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-199061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高解像度画像を低解像度対応の表示装置に表示させる場合、表示装置の内部処理により高解像度画像データを低解像度画像データに変換して、低解像度画像データを表示装置に送信し、低解像度画像を表示装置に表示する方法と、高解像度画像データを表示装置に送信し、高解像度画像の一部である部分画像を表示装置に表示する方法とが考えられる。しかし、前者の方法では画像の劣化が生じ、後者の方法ではネットワークの負荷が大きくなる問題が生じる。また、後者の方法では、高解像度画像のうち部分画像として表示する表示範囲をユーザーが指定する場合に、ユーザーが指定した表示範囲に対応して画像データを効率的に表示装置に送信する方法が提案されていなかった。
【0005】
本開示の目的は、ネットワークの負荷を抑制しつつ高解像度画像を表示可能な表示システム、表示方法、及び表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様に係る表示システムは、第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させるシステムである。前記表示システムは、分割処理部と取得処理部と第1表示処理部とを備える。前記分割処理部は、前記第1画像を、前記第2解像度よりも低解像度である第3解像度の複数の分割画像に分割する。前記取得処理部は、前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得する。前記表示処理部は、前記複数の分割画像のうち前記表示範囲に全て又は一部が重なる複数の第1分割画像を特定し、前記複数の第1分割画像に基づいて、前記表示範囲に対応する前記第2解像度の画像を前記表示装置に表示させる。
【0007】
本開示の一の態様に係る表示システムは、第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させるシステムである。前記表示システムは、生成処理部と取得処理部と第1表示処理部とを備える。前記生成処理部は、前記第1画像に基づいて、前記第2解像度の複数の部分画像であって、それぞれが他の少なくとも一つの部分画像の一部と重複する複数の部分画像を生成する。前記取得処理部は、前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得する。前記第1表示処理部は、前記複数の部分画像のうち前記表示範囲に対応する第1部分画像を前記表示装置に表示させる。
【0008】
本開示の他の態様に係る表示方法は、第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させる方法である。前記表示方法において、前記第1画像を、前記第2解像度よりも低解像度である第3解像度の複数の分割画像に分割することと、前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得することと、前記複数の分割画像のうち前記表示範囲に全て又は一部が重なる複数の第1分割画像を特定し、前記複数の第1分割画像に基づいて、前記表示範囲に対応する前記第2解像度の画像を前記表示装置に表示させることと、を一又は複数のプロセッサーが実行する。
【0009】
本開示の他の態様に係る表示方法は、第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させる方法である。前記表示方法において、前記第1画像に基づいて、前記第2解像度の複数の部分画像であって、それぞれが他の少なくとも一つの部分画像の一部と重複する複数の部分画像を生成することと、前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得することと、前記複数の部分画像のうち前記表示範囲に対応する第1部分画像を前記表示装置に表示させることと、を一又は複数のプロセッサーが実行する。
【0010】
本開示の他の態様に係る表示プログラムは、第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させるプログラムである。前記表示プログラムは、前記第1画像を、前記第2解像度よりも低解像度である第3解像度の複数の分割画像に分割することと、前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得することと、前記複数の分割画像のうち前記表示範囲に全て又は一部が重なる複数の第1分割画像を特定し、前記複数の第1分割画像に基づいて、前記表示範囲に対応する前記第2解像度の画像を前記表示装置に表示させることと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【0011】
本開示の他の態様に係る表示プログラムは、第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させるプログラムである。前記表示プログラムは、前記第1画像に基づいて、前記第2解像度の複数の部分画像であって、それぞれが他の少なくとも一つの部分画像の一部と重複する複数の部分画像を生成することと、前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得することと、前記複数の部分画像のうち前記表示範囲に対応する第1部分画像を前記表示装置に表示させることと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ネットワークの負荷を抑制しつつ高解像度画像を表示可能な表示システム、表示方法、及び表示プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の実施形態に係る表示システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、本開示の第1実施形態に係る表示システムの具体的構成を示すブロック図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係る表示システムの表示方法の一例を示す図である。
図4図4は、本開示の第1実施形態に係る画像出力装置で生成される分割画像の一例を示す図である。
図5図5は、本開示の第1実施形態に係る画像出力装置で生成される分割画像の一例を示す図である。
図6図6は、本開示の第1実施形態に係る表示装置において指定される表示範囲の一例を示す図である。
図7図7は、本開示の第1実施形態に係る画像出力装置において高解像度画像に対応付けた表示範囲の一例を示す図である。
図8図8は、本開示の第1実施形態に係る画像出力装置が画像信号を出力する方法の一例を示す図である。
図9図9は、本開示の第1実施形態に係る画像出力装置において高解像度画像に対応付けた表示範囲の一例を示す図である。
図10図10は、本開示の第1実施形態に係る画像出力装置において高解像度画像に対応付けた表示範囲の一例を示す図である。
図11図11は、本開示の第1実施形態に係る画像出力装置において高解像度画像に対応付けた表示範囲の一例を示す図である。
図12図12は、本開示の第1実施形態に係る画像出力装置において高解像度画像に対応付けた表示範囲の一例を示す図である。
図13図13は、本開示の第1実施形態に係る画像出力装置が画像信号を出力する方法の一例を示す図である。
図14図14は、本発明の第1実施形態に係る表示システムにおいて実行される表示制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、本開示の第2実施形態に係る表示システムの具体的構成を示すブロック図である。
図16A図16Aは、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置で生成される部分画像の一例を示す図である。
図16B図16Bは、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置で生成される部分画像の一例を示す図である。
図16C図16Cは、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置で生成される部分画像の一例を示す図である。
図16D図16Dは、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置で生成される部分画像の一例を示す図である。
図16E図16Eは、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置で生成される部分画像の一例を示す図である。
図16F図16Fは、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置で生成される部分画像の一例を示す図である。
図16G図16Gは、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置で生成される部分画像の一例を示す図である。
図16H図16Hは、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置で生成される部分画像の一例を示す図である。
図17図17は、本開示の第2実施形態に係る表示装置において指定される表示範囲の一例を示す図である。
図18図18は、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置において高解像度画像に対応付けた表示範囲の一例を示す図である。
図19図19は、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置が画像信号を出力する方法の一例を示す図である。
図20図20は、本開示の第2実施形態に係る表示装置において指定される表示範囲の一例を示す図である。
図21図21は、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置において高解像度画像に対応付けた表示範囲の一例を示す図である。
図22図22は、本開示の第2実施形態に係る画像出力装置が画像信号を出力する方法の一例を示す図である。
図23図23は、本発明の第2実施形態に係る表示システムにおいて実行される表示制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図24図24は、本開示の他の実施形態に係る表示システムにおける画像の表示方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、本開示の第1実施形態に係る表示システム100の概略構成を示す図である。
【0016】
表示システム100は、画像出力装置10と表示装置20とを含んで構成される。画像出力装置10は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、ネットワークサーバー、ネットワークハードディスク、画像再生装置などによって構成される。画像出力装置10は、表示装置20に表示させる画像(映像コンテンツ)を画像信号(映像信号)として出力する。表示装置20は、画像出力装置10から入力される画像信号に応じた画像を表示する。表示装置20は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置であってもよいし、その他の方式の表示装置であってもよい。また、表示装置20は、パーソナルコンピュータ(例えばノートPC)であってもよい。
【0017】
画像出力装置10は、高解像度の画像信号(高解像度画像)を出力可能である。表示装置20は、低解像度対応のディスプレイである。すなわち、表示装置20は、画像出力装置10が出力する画像信号の解像度よりも低解像度に対応するディスプレイである。表示システム100は、画像出力装置10から出力される画像信号により表示装置20で映像コンテンツを表示させる。例えば、表示システム100は、低解像度の表示装置20において、高解像度の映像コンテンツを表示させる。以下では、高解像度の一例として、3840×2160ピクセル(4K)を例に挙げ、低解像度の一例として、1920×1080ピクセル(2K(FHD))を例に挙げる。なお、高解像度が7680×4320ピクセル(8K)、低解像度が3840×2160ピクセル(4K)又は1920×1080ピクセル(2K)であってもよい。
【0018】
画像出力装置10は出力端子(出力ポート)を備え、表示装置20は信号線を接続するための入力端子(入力ポート)を備える。前記入力端子は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface、HDMI:登録商標)端子、DP(DisplayPort)端子、DVI(Digital Visual Interface)端子などである。画像出力装置10と表示装置20とは、信号線(ケーブル)により接続されている。画像出力装置10から出力される画像信号(映像信号)は、信号線を介して表示装置20に入力される。他の実施形態として、画像出力装置10と表示装置20とは、ネットワーク(例えばインターネット)を介して無線通信により接続されてもよいし、有線通信により接続されてもよい。
【0019】
[画像出力装置10]
図2には、画像出力装置10の機能ブロック図を示している。画像出力装置10は、制御部11、記憶部12、出力部13などを備える。
【0020】
記憶部12は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリー、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、制御部11に後述の表示制御処理(図14参照)を実行させるための表示制御プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記表示制御プログラムは、USB、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録され、画像出力装置10が備える読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0021】
また、記憶部12には、高解像度画像P1と、高解像度画像P1を分割した複数の分割画像P2とが記憶される。制御部11は、後述する分割処理により高解像度画像P1を複数の分割画像P2に分割して記憶部12に記憶する。なお、記憶部12には、複数の高解像度画像P1が記憶されてもよい。記憶部12に複数の高解像度画像P1が記憶される場合、高解像度画像P1ごとに複数の分割画像P2が対応付けられて記憶される。
【0022】
出力部15は、出力端子に接続され、制御部11の命令に従って画像信号を信号線に出力する。
【0023】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムを予め記憶する。前記RAMは、各種の情報を記憶し、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより画像出力装置10を制御する。
【0024】
具体的に、制御部11は、表示処理部111、分割処理部112、取得処理部113などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記表示制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0025】
表示処理部111は、映像コンテンツに対応する画像を表示装置20に表示させる。具体的には、表示処理部111は、出力部13を介して画像信号を表示装置20に出力し、表示装置20の表示部24に画像信号に応じた画像を表示させる。
【0026】
例えば図3に示すように、表示処理部111は、映像コンテンツに対応する高解像度の4K画像(高解像度画像P1)を、低解像度(2K(FHD))の画像P11に変換して表示装置20に出力する。表示装置20は、画像出力装置10から画像P11を取得すると画像P11全体を表示させる。なお、高解像度画像P1を低解像度に変換して画像全体を表示装置20で表示した場合、画質は劣化するがユーザーは映像コンテンツに対応する元画像の全体を把握することが可能である。また、他の実施形態として、表示装置20は、画像出力装置10から高解像度画像P1を取得して低解像度の画像P11に変換して表示してもよい。
【0027】
分割処理部112は、映像コンテンツに対応する高解像度(本開示の第1解像度)の画像(高解像度画像P1)(本開示の第1画像)を、高解像度画像P1よりも低解像度(本開示の第2解像度)の複数の分割画像P2(本開示の第2画像)に分割する処理(分割処理)を実行する。
【0028】
例えば図4に示すように、分割処理部112は、3840×2160ピクセルの高解像度画像P1を、8×8の64枚の分割画像P2に分割する。この場合、1枚の分割画像P2は480×270ピクセルとなる。図5は、高解像度画像P1の具体例と、高解像度画像P1に対する各分割画像P2の位置(分割画像領域)とを示している。分割画像P2は、高解像度画像P1の一部の領域に相当し、全て(ここでは64枚)の分割画像P2を結合(連結)すると1枚の高解像度画像P1となる。各分割画像P2には、高解像度画像P1における位置情報が関連付けられている。図4に示す例において、「p11」~「p88」は各分割画像P2の位置情報に対応する。以下では便宜上、「分割画像P2」を、位置に応じた名称(例えば「分割画像p11」、「分割画像p88」など)で表す場合もある。
【0029】
分割処理部112は、複数の分割画像P2を生成すると、高解像度画像P1及び対応する複数の分割画像P2を互いに関連付けて記憶部12(図2参照)に記憶する。
【0030】
取得処理部113は、高解像度画像P1を低解像度変換した画像P11に対してユーザーが指定した表示範囲を取得する。例えば図6に示すように、表示処理部111は、高解像度画像P1の全体を低解像度に変換(縮小)した画像P11を表示装置20に表示させる。表示装置20に画像P11が表示されている場合に、ユーザーは表示画面において所望の表示範囲A1を指定する。ユーザーは、指で表示画面にタッチして表示範囲A1を指定してもよいし、マウス操作により表示範囲A1を指定してもよい。ここで、表示範囲A1の大きさは、例えば、表示装置20の解像度の1/2(ここでは960×540ピクセル)に設定されている。ユーザーは、予め設定された大きさの矩形枠を表示画面上で移動させて表示範囲A1を指定する。このように、ユーザーは、全体画像のうち詳細(高画質)な画像を見たい範囲を指定する。
【0031】
また、制御部11は、高解像度画像P1の解像度と表示装置20の解像度との比率に応じて表示範囲A1の大きさを設定してもよい。例えば高解像度画像P1の解像度(4K)と表示装置20の解像度(2K)との比率が2:1の場合、制御部11は、表示範囲A1の大きさを表示装置20の解像度(2K)の1/2の解像度(1K)に設定する。また、例えば高解像度画像P1の解像度(8K)と表示装置20の解像度(2K)との比率が4:1の場合、制御部11は、表示範囲A1の大きさを表示装置20の解像度(2K)の1/4(0.5K)に設定する。
【0032】
取得処理部113は、表示装置20において全体画像(画像P11)に対してユーザーが指定した表示範囲A1の情報を取得する。
【0033】
表示処理部111は、表示範囲A1を取得すると、複数の分割画像P2のうち表示範囲A1に全て又は一部が重なる複数の分割画像P2を特定し、特定した複数の分割画像P2に基づいて、表示範囲A1に対応する画像(高解像度画像)を表示装置20に表示させる。
【0034】
例えば図7に示すように、表示処理部111は、取得した表示範囲A1を、高解像度画像P1の解像度(4K)と表示装置20の解像度(2K)との比率に応じて拡大(ここでは2倍に拡大)して高解像度画像P1に対応付ける。ここでは、表示範囲A1の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致している。このため、64枚の分割画像P2のうち分割画像p33、p34、p35、p36、p43、p44、p45、p46、p53、p54、p55、p56、p63、p64、p65、p66のそれぞれが表示範囲A1に重なり、その他の分割画像P2は表示範囲A1に重ならない。
【0035】
この場合、表示処理部111は、複数の分割画像P2のうち表示範囲A1に全てが重なる分割画像P2(分割画像p33~p36、p43~p46、p53~p56、p63~p66)に基づいて、表示範囲A1に対応する画像を表示装置20に表示させる。例えば図8に示すように、表示処理部111は、分割画像p33~p36、p43~p46、p53~p56、p63~p66を結合した2K(1920×1080ピクセル)の画像P3を生成し、画像P3を表示装置20に出力して表示させる。
【0036】
図9には、ユーザーが表示装置20に表示された画像P11に対して表示範囲A1(図6参照)とは異なる位置に表示範囲を指定した場合に高解像度画像P1に対応付けられた表示範囲A2を示している。図9に示す例においても、表示範囲A2の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致している。ここでは、64枚の分割画像P2のうち分割画像p22~p25、p32~p35、p42~p45、p52~p55のそれぞれが表示範囲A2に重なり、その他の分割画像P2は表示範囲A2に重ならない。
【0037】
この場合、表示処理部111は、複数の分割画像P2のうち表示範囲A2に全てが重なる分割画像P2(分割画像p22~p25、p32~p35、p42~p45、p52~p55)に基づいて、表示範囲A2に対応する画像を表示装置20に表示させる。例えば図10に示すように、表示処理部111は、分割画像p22~p25、p32~p35、p42~p45、p52~p55を結合した2K(1920×1080ピクセル)の画像P3を生成し、画像P3を表示装置20に出力して表示させる。
【0038】
このように、表示処理部111は、表示範囲の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致する場合に、複数の分割画像P2のうち全てが表示範囲に重なる複数の分割画像P2を結合した画像P3を表示装置20に表示させる。
【0039】
他の実施形態として、表示処理部111は、480×270ピクセルの16枚の分割画像P2のそれぞれを表示装置20に出力して、表示装置20において2K(1920×1080ピクセル)の画像P3を生成(結合)させて表示させてもよい。すなわち、表示処理部111は、表示範囲の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致する場合に、画像出力装置10から、複数の分割画像P2のうち全てが表示範囲に重なる複数の分割画像P2を表示装置20に出力させ、表示装置20において、複数の分割画像P2を結合した画像P3を表示させてもよい。
【0040】
図11には、ユーザーが表示装置20に表示された全体画像に対して表示範囲A1とは異なる位置に表示範囲を指定した場合に高解像度画像P1に対応付けられた表示範囲A3を示している。図11に示す例では、表示範囲A3の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致していない。この場合、分割画像p22に着目すると(図12参照)、分割画像P2の矩形領域の全体のうち一部のみが表示範囲A3に重なっている。同様に、分割画像p23~p26、p32、p36、p42、p46、p52、p56、p62~p66のそれぞれは、一部のみが表示範囲A3に重なっている。また、分割画像p33~p35、p43~p45、p53~p55のそれぞれについては、矩形領域の全体が表示範囲A3に重なっている。
【0041】
この場合、表示処理部111は、複数の分割画像P2のうち表示範囲A1に全て又は一部が重なる分割画像P2(分割画像p22~p26、p32~p36、p42~p46、p52~p56、p62~p66)に基づいて、表示範囲A3に対応する画像を表示装置20に表示させる。例えば図12に示すように、表示処理部111は、分割画像p22~p26、p32~p36、p42~p46、p52~p56、p62~p66を結合した画像P3のうち表示範囲A3に含まれる部分を表示装置20に表示させる。例えば図13に示すように、表示処理部111は、分割画像p22~p26、p32~p36、p42~p46、p52~p56、p62~p66を結合した画像P3を表示装置20に出力して、表示装置20において、画像P3のうち表示範囲A3に含まれる部分を表示させる。
【0042】
このように、表示処理部111は、表示範囲A3の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致しない場合に、複数の分割画像P2のうち全て又は一部が表示範囲A3に重なる複数の分割画像を結合した画像P3のうち表示範囲A3に含まれる部分を表示装置20に表示させる。すなわち、ユーザーが指定した表示範囲の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致しない場合には、表示処理部111は、指定された表示範囲よりも広い範囲に対応する複数の分割画像P2を使用して表示装置20に表示させる。
【0043】
他の実施形態として、表示処理部111は、表示範囲A3の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致しない場合に、複数の分割画像P2のうち全て又は一部が表示範囲A3に重なる複数の分割画像P2を表示装置20に出力して、表示装置20において、複数の分割画像P2を結合させ、結合された画像P3のうち表示範囲A3に含まれる部分を表示させてもよい。すなわち、複数の分割画像P2の結合処理は、画像出力装置10が実行してもよいし、表示装置20が実行してもよい。また、他の実施形態として、表示装置20は、結合した画像P3の全体を縮小して表示させてもよい。
【0044】
表示処理部111は、本開示の第1表示処理部及び第2表示処理部の一例である。
【0045】
なお、第1実施形態では、高解像度画像P1に対する分割数が小さくなるほどネットワークに送る画像データのトータルの容量は小さくなるが、その代わりに分割画像を結合表示させるために画像の描画処理に負荷がかかる。例えば画像出力装置10がPCで構成される場合は画像出力装置10の負荷が大きくなり、表示装置20がPCで構成される場合は表示装置20の負荷が大きくなる。また、分割画像が大きくなると、ネットワークに送る画像データの容量が大きくなるため、通信用のケーブルに負荷がかかるが、その代わりに画像の描画処理の負荷は小さくなる。分割処理部112は、これらのメリット及びデメリットを考慮して分割画像のサイズを決定してもよい。
【0046】
[表示装置20]
図2には、表示装置20の機能ブロック図を示している。表示装置20は、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、入力部25などを備える。表示装置20は、周知の構成であってもよい。
【0047】
操作部23は、表示装置20を利用するユーザーの操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどである。表示部24は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示パネルである。操作部23及び表示部24は、一体に形成されたユーザインターフェースであってもよい。なお、表示装置20がモニタで構成される場合、例えば操作部23にリモコンが含まれる。また、画像出力装置10がPCで構成され、表示装置20がモニタで構成される場合、例えば記憶部(制御プログラムを含む)及び操作部は表示装置20から省略され、画像出力装置10に含まれる。また、画像出力装置10がPC又はサーバーで構成され、表示装置20がPCで構成される場合、例えば操作部は表示装置20に含まれる。
【0048】
記憶部22は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリー、HDD、又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。記憶部22には、制御部21に各種処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、USB、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録され、表示装置20が備える読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
【0049】
入力部25は、入力端子に接続され、画像出力装置10から出力される画像信号が入力される。
【0050】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムを予め記憶する。前記RAMは、各種の情報を記憶し、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより表示装置20を制御する。
【0051】
具体的に、制御部21は、取得処理部211、表示処理部212などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0052】
取得処理部211は、画像出力装置10から入力される画像信号に対応する画像を取得する。表示処理部212は、画像出力装置10から取得する画像を表示部24に表示させる。
【0053】
具体的には、取得処理部211は、画像出力装置10から、高解像度画像P1を表示装置20の解像度(2K:1920×1080ピクセル)に対応する低解像度に変換した画像P11を取得する。表示処理部111は、取得処理部211により取得された画像P11(全体画像)を表示部24に表示させる(図3参照)。
【0054】
また、表示部24に表示された画像P11に対してユーザーが表示範囲を指定した場合に、取得処理部211は、画像出力装置10から複数の分割画像P2に基づいて生成された画像P3(図8図10図13参照)を取得し、表示処理部212は、画像P3を表示部24に表示させる。
【0055】
なお、取得処理部211が画像出力装置10から、ユーザーが指定した表示範囲よりも広い範囲に対応する複数の分割画像P2を結合した画像P3を取得した場合は(図11参照)、表示処理部212は、画像P3のうち表示範囲A3に含まれる部分を表示部24に表示させてもよい。また、他の実施形態として、表示処理部212は、画像P3を、解像度(2K:1920×1080ピクセル)のサイズに変換(縮小)して表示させてもよい。
【0056】
[表示制御処理]
以下、図14を参照しつつ、表示システム100おいて実行される表示制御処理の手順の一例について説明する。
【0057】
なお、本開示は、前記表示制御処理に含まれる一又は複数のステップを実行する表示制御方法(本開示の表示方法)の開示として捉えることができる。また、ここで説明する前記表示制御処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略又は分割されてもよい。また、前記表示制御処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは画像出力装置10の制御部11(一のプロセッサー)が前記表示制御処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサーが前記表示制御処理における各ステップを分散して実行してもよい。
【0058】
先ずステップS1において、制御部11は、高解像度画像P1を低解像度に変換した画像P11を表示装置20に出力する。具体的には、制御部11は、高解像度画像P1(4K:3840×2160ピクセル)を、低解像度(2K:1920×1080ピクセル)の画像P11に変換して表示装置20に出力する。表示装置20は、画像出力装置10から画像P11を取得すると表示部24に表示させる(図3参照)。
【0059】
次にステップS2において、制御部11は、高解像度画像P1を複数の分割画像P2に分割する処理(分割処理)を実行する。例えば3840×2160ピクセルの高解像度画像P1を1920×1080ピクセルに対応する表示装置20に表示する場合、制御部11は、高解像度画像P1を、それぞれが480×270ピクセルの64枚の分割画像P2に分割する(図4参照)。
【0060】
なお、制御部11は、予めステップS1及びS2のそれぞれの処理を個別に実行してもよい。例えば制御部11は、予め、高解像度画像P1を低解像度に変換した画像P11を表示装置20に出力する。また、制御部11は、予め複数の分割画像P2を生成して記憶部12に記憶する。
【0061】
次にステップS3において、制御部11は、表示装置20から表示範囲を取得したか否かを判定する。例えば、ユーザーは、表示装置20に表示された画像P11において、詳細(高画質)な画像を見たい範囲又は画像の拡大表示を指定する(図6等参照)。ユーザーが範囲又は拡大表示を指定すると、制御部11は、ユーザーが指定した範囲又は拡大表示に対応する表示範囲を取得する。制御部11は、表示装置20から表示範囲を取得すると(S3:Yes)、処理をステップS4に移行させる。一方、制御部11は、表示装置20から表示範囲を取得しない場合(S3:No)、処理をステップS6に移行させる。
【0062】
ステップS4において、制御部11は、取得した表示範囲の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致するか否かを判定する。制御部11は、取得した表示範囲の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致する場合(S4:Yes)、処理をステップS5に移行させる。一方、制御部11は、取得した表示範囲の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致しない場合(S4:No)、処理をステップS41に移行させる。
【0063】
図7に示す例では、取得した表示範囲A1を、高解像度画像P1の解像度(4K)と表示装置20の解像度(2K)との比率に応じて拡大(ここでは2倍に拡大)して高解像度画像P1に対応付けた場合に、表示範囲A1の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致している。この場合、制御部11は、処理をステップS5に移行させる。
【0064】
これに対して、図12に示す例では、取得した表示範囲A3を、高解像度画像P1の解像度(4K)と表示装置20の解像度(2K)との比率に応じて拡大(2倍に拡大)して高解像度画像P1に対応付けた場合に、表示範囲A3の境界の位置が高解像度画像P1の分割位置に一致していない。この場合、制御部11は、処理をステップS41に移行させる。
【0065】
ステップS5では、制御部11は、複数の分割画像P2のうち表示範囲に全てが重なる分割画像P2により表示装置20に表示させる。
【0066】
図7に示す例では、制御部11は、表示範囲A1に全てが重なる分割画像p33~p36、p43~p46、p53~p56、p63~p66に基づいて、表示範囲A1に対応する画像を表示装置20に表示させる。例えば図8に示すように、制御部11は、分割画像p33~p36、p43~p46、p53~p56、p63~p66を結合した2K(1920×1080ピクセル)の画像P3を生成し、生成した画像P3を表示装置20に出力して表示させる。制御部11は、ステップS5の後、処理をステップS6に移行させる。
【0067】
これに対して、ステップS41では、制御部11は、複数の分割画像P2のうち表示範囲に全て又は一部が重なる分割画像P2により表示装置20に表示させる。
【0068】
図12に示す例では、制御部11は、表示範囲A3に一部のみが重なる分割画像p22~p26、p32、p36、p42、p46、p52、p56、p62~p66と、表示範囲A1に全てが重なる分割画像p33~p35、p43~p45、p53~p55とに基づいて、表示範囲A3に対応する画像を表示装置20に表示させる。例えば図13に示すように、制御部11は、分割画像p22~p26、p32~p36、p42~p46、p52~p56、p62~p66を結合した画像P3を生成し、生成した画像P3を表示装置20に出力し、表示装置20において、画像P3のうち表示範囲A3に含まれる部分を表示させる。制御部11は、ステップS41の後、処理をステップS6に移行させる。
【0069】
ステップS6において、制御部11は、表示処理を終了するか否かを判定する。ユーザーが、表示装置20において表示処理の終了操作をした場合(S6:Yes)、制御部11は、前記表示制御処理を終了する。ユーザーが、表示装置20において表示処理の終了操作をしない場合(S6:No)、制御部11は、処理をステップS3に戻して上述の処理を繰り返す。例えばステップS3に戻り、ユーザーが、表示範囲を移動又は表示範囲の画像を拡大した場合には、制御部11は、新たな表示範囲を取得して上述の処理を再度実行する。制御部11は、表示処理を終了するまで、上述の処理を繰り返し実行する。
【0070】
以上のように、第1実施形態に係る表示システム100は、第1解像度(例えば3840×2160ピクセル)の第1画像を、第1解像度よりも低解像度である第2解像度(例えば1920×1080ピクセル)の画像を表示可能な表示装置に表示させるシステムである。また、表示システム100は、前記第1画像を、第2解像度よりも低解像度である第3解像度(例えば480×270ピクセル)の複数の分割画像に分割し、前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得し、複数の分割画像のうち前記表示範囲に全て又は一部が重なる複数の第1分割画像を特定し、特定した複数の第1分割画像に基づいて、前記表示範囲に対応する第2解像度の画像を表示装置20に表示させる。
【0071】
上記構成によれば、ユーザーが指定した表示範囲を高品位な画質で表示させることができる。また、画像出力装置10はユーザーが指定した表示範囲の分割画像を表示装置20に送信するため、画像出力装置10と表示装置20とがネットワーク(例えばインターネット)を介して無線通信により接続される構成では、ネットワークの負荷を抑制することができる。
【0072】
[第2実施形態]
本開示の第2実施形態に係る表示システム200について説明する。なお、第1実施形態に係る表示システム100と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0073】
図15は、第2実施形態に係る表示システム200の機能ブロック図である。第2実施形態に係る画像出力装置10において、記憶部12には、高解像度画像P1の他に、部分画像Q1が記憶される。制御部11は、後述する生成処理により高解像度画像P1に基づいて複数の部分画像Q1を生成して記憶部12に記憶する。なお、記憶部12に複数の高解像度画像P1が記憶される場合、高解像度画像P1ごとに複数の部分画像Q1が対応付けられて記憶される。
【0074】
制御部11は、表示処理部111、生成処理部114、取得処理部113などの各種の処理部を含む。
【0075】
生成処理部114は、高解像度画像P1に基づいて、高解像度画像P1よりも低解像度の複数の部分画像Q1であって、それぞれが他の少なくとも一つの部分画像Q1の一部と重複(オーバーラップ)する複数の部分画像Q1を生成する。なお、部分画像Q1は、高解像度画像P1のうちの一部の領域の画像である。
【0076】
図16A図16Hには、1枚の高解像度画像P1に対して生成される複数の部分画像Q1の一例を示している。例えば図16Aに示すように、生成処理部114は、3840×2160ピクセル(4K)の高解像度画像P1において、左上部分の1920×1080(2K)の部分画像Q11を生成する。また、図16Bに示すように、生成処理部114は、部分画像Q11を480×270ピクセルだけ右側にずらした部分画像Q12を生成する。また、図16Cに示すように、生成処理部114は、部分画像Q12を480×270ピクセルだけ右側にずらした部分画像Q13を生成する。また、図16Dに示すように、生成処理部114は、部分画像Q13を480×270ピクセルだけ右側にずらした部分画像Q14を生成する。また、図16Eに示すように、生成処理部114は、部分画像Q14を480×270ピクセルだけ右側にずらした部分画像Q15を生成する。
【0077】
また、図16Fに示すように、生成処理部114は、部分画像Q11を480×270ピクセルだけ下側にずらした部分画像Q21を生成する。同様に、生成処理部114は、部分画像Q21を480×270ピクセルずつ右側にずらして、部分画像Q22~Q25を生成する。
【0078】
また、生成処理部114は、部分画像Q21を480×270ピクセルだけ下側にずらした部分画像Q31を生成し、部分画像Q31を480×270ピクセルずつ右側にずらして、部分画像Q32~Q35を生成する。
【0079】
また、生成処理部114は、部分画像Q31を480×270ピクセルだけ下側にずらした部分画像Q41を生成し、部分画像Q41を480×270ピクセルずつ右側にずらして、部分画像Q42~Q45を生成する。
【0080】
また、図16Gに示すように、生成処理部114は、部分画像Q41を480×270ピクセルだけ下側にずらした部分画像Q51を生成し、部分画像Q51を480×270ピクセルずつ右側にずらして、部分画像Q52~Q55(図16H参照)を生成する。
【0081】
このようにして、生成処理部114は、1枚の高解像度画像P1に基づいて、それぞれが他の部分画像Q1の一部と重複する25枚の部分画像Q1(部分画像Q11~Q15、Q21~Q25、Q31~Q35、Q41~Q45、Q51~Q55)を生成する。
【0082】
生成処理部114は、複数の部分画像Q1を生成すると、高解像度画像P1及び対応する複数の部分画像Q1を互いに関連付けて記憶部12(図15参照)に記憶する。
【0083】
取得処理部113は、高解像度画像P1を低解像度変換した画像P11に対してユーザーが指定した表示範囲を取得する。例えば図17に示すように、表示処理部111は、高解像度画像P1の全体を低解像度に変換(縮小)した画像P11を表示装置20に表示させる。表示装置20に画像P11が表示されている場合に、ユーザーは表示画面において所望の表示範囲A5を指定する。なお、表示範囲A5は、高解像度画像P1の解像度と表示装置20の解像度との比率及び部分画像Q1の解像度に応じた大きさ(ここでは部分画像Q1の1/2の解像度(960×540ピクセル))に設定される。
【0084】
取得処理部113は、表示装置20において画像P11に対してユーザーが指定した表示範囲A5の情報を取得する。
【0085】
表示処理部111は、表示範囲A5を取得すると、複数の部分画像Q1のうち表示範囲A5に対応する部分画像Q1を特定し、特定した部分画像Q1を表示装置20に表示させる。
【0086】
例えば図17に示すように、表示処理部111は、取得した表示範囲A5を、高解像度画像P1の解像度(4K)と表示装置20の解像度(2K)との比率に応じて拡大(ここでは2倍に拡大)して高解像度画像P1に対応付ける。ここでは、表示範囲A5の位置が部分画像Q33に一致するため(図18参照)、表示処理部111は、表示範囲A5に対応する部分画像Q33を特定する。図19に示すように、表示処理部111は、特定した部分画像Q33を表示装置20に出力して表示させる。
【0087】
図20には、ユーザーが表示装置20に表示された画像P11に対して表示範囲A5(図17参照)とは異なる位置に表示範囲A6を指定した例を示している。ここでは、表示範囲A6の位置が部分画像Q22に一致するため(図21参照)、表示処理部111は、表示範囲A6に対応する部分画像Q22を特定する。図22に示すように、表示処理部111は、特定した部分画像Q22を表示装置20に出力して表示させる。
【0088】
このように、表示処理部111は、予め生成した複数の部分画像Q1のうちユーザーが指定した表示範囲に対応する部分画像Q1を特定し、特定した部分画像Q1を表示装置20に出力して表示させる。
【0089】
なお、高解像度画像P1に対する部分画像Q1の数は限定されない。例えば、生成処理部114は、表示装置20においてユーザーが表示範囲を移動する移動量の最小単位(スクロールピッチ)に応じて部分画像Q1同士のずれ量又は重複量(オーバーラップ量)を決定してもよい。例えば、表示装置20におけるスクロールピッチが240×135ピクセルの場合、生成処理部114は、図16A図16Hに示すように、部分画像Q1同士のずれ量を480×270ピクセルに設定する。また例えば、表示装置20におけるスクロールピッチが120×67ピクセルの場合、生成処理部114は、部分画像Q1同士のずれ量を240×135ピクセルに設定する。このように、生成処理部114は、それぞれが互いに、表示装置20における画面スクロールのピッチだけずれた複数の部分画像Q1を生成してもよい。部分画像Q1同士のずれ量を小さくするほどユーザーは表示範囲を細かく移動して画像を表示させることができるメリットがある一方、部分画像Q1のデータ量が多くなるデメリットがある。このため、メリット及びデメリットを考慮して前記ずれ量を決定してもよい。
【0090】
[表示制御処理]
以下、図23を参照しつつ、表示システム200おいて実行される表示制御処理の手順の一例について説明する。
【0091】
先ずステップS11において、制御部11は、高解像度画像P1を低解像度に変換した画像P11を表示装置20に出力する。具体的には、制御部11は、高解像度画像P1(4K:3840×2160ピクセル)を、低解像度(2K:1920×1080ピクセル)の画像P11に変換して表示装置20に出力する。表示装置20は、画像出力装置10から画像P11を取得すると表示部24に表示させる(図3参照)。
【0092】
次にステップS12において、制御部11は、高解像度画像P1に基づいて複数の部分画像Q1を生成する処理(生成処理)を実行する。例えば3840×2160ピクセルの高解像度画像P1を1920×1080ピクセルに対応する表示装置20に表示する場合、制御部11は、高解像度画像P1に基づいて、それぞれが1920×1080ピクセルの25枚の部分画像Q1を生成する(図16A図16H参照)。
【0093】
なお、制御部11は、予めステップS11及びS12のそれぞれの処理を個別に実行してもよい。例えば制御部11は、予め、高解像度画像P1を低解像度に変換した画像P11を表示装置20に出力する。また、制御部11は、予め複数の部分画像Q1を生成して記憶部12に記憶する。
【0094】
次にステップS13において、制御部11は、表示装置20から表示範囲を取得したか否かを判定する。例えば、ユーザーは、表示装置20に表示された画像P11において、詳細(高画質)な画像を見たい範囲又は画像の拡大表示を指定する(図17等参照)。ユーザーが範囲又は拡大表示を指定すると、制御部11は、ユーザーが指定した範囲又は拡大表示に対応する表示範囲を取得する。制御部11は、表示装置20から表示範囲を取得すると(S13:Yes)、処理をステップS14に移行させる。一方、制御部11は、表示装置20から表示範囲を取得しない場合(S13:No)、処理をステップS15に移行させる。
【0095】
ステップS14において、制御部11は、複数の部分画像Q1のうち、取得した表示範囲に対応する部分画像Q1を特定し、特定した部分画像Q1を表示装置20に表示させる。図17に示す例では、制御部11は、ユーザーが指定した表示範囲A5に対応する部分画像Q33を表示装置20に表示させ、図20に示す例では、制御部11は、ユーザーが指定した表示範囲A6に対応する部分画像Q22を表示装置20に表示させる。
【0096】
ステップS15において、制御部11は、表示処理を終了するか否かを判定する。ユーザーが、表示装置20において表示処理の終了操作をした場合(S15:Yes)、制御部11は、前記表示制御処理を終了する。ユーザーが、表示装置20において表示処理の終了操作をしない場合(S15:No)、制御部11は、処理をステップS13に戻して上述の処理を繰り返す。制御部11は、表示処理を終了するまで、上述の処理を繰り返し実行する。
【0097】
以上のように、第2実施形態に係る表示システム200は、第1解像度(例えば3840×2160ピクセル)の第1画像を、第1解像度よりも低解像度である第2解像度(例えば1920×1080ピクセル)の画像を表示可能な表示装置に表示させるシステムである。また、表示システム200は、前記第1画像に基づいて、前記第2解像度の複数の部分画像であって、それぞれが他の少なくとも一つの部分画像の一部と重複する複数の部分画像を生成し、前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得し、前記複数の部分画像のうち前記表示範囲に対応する第1部分画像を表示装置20に表示させる。
【0098】
上記構成によれば、ユーザーが指定した表示範囲を高品位な画質で表示させることができる。また、画像出力装置10はユーザーが指定した表示範囲の部分画像を表示装置20に送信するため、ネットワークの負荷を抑制することができる。
【0099】
[他の実施形態]
本発明の他の実施形態について説明する。例えば、第1実施形態に係る表示システム100において、表示装置20は、ユーザーから表示範囲を指定する操作を受け付けた場合に、画像P11を内部処理により拡大させ、画像P11のうち表示範囲に対応する部分の拡大画像を表示させる。その後、表示処理部111は、ユーザーから表示範囲を確定する操作を受け付けた場合に、表示装置20に表示された拡大画像を、複数の分割画像P2に基づく画像(高精細画像)に切り替える。例えば図24に示すように、表示装置20に表示された画像P11においてユーザーが表示範囲A1を指定(又は移動)した場合に、表示装置20の表示処理部212は、画像P11のうち表示範囲A1の部分を拡大表示させる。その後、ユーザーが表示装置20の表示画面において確定ボタン又は切替ボタン(不図示)などを押下することにより表示範囲を確定すると、画像出力装置10の表示処理部111は、表示装置20の画像P11(拡大画像)を、表示範囲A1に対応する複数の分割画像P2を結合した画像P3に差し替える。
【0100】
上記構成によれば、画像出力装置10から表示範囲に対応する高精細な画像が入力されるまでの間、表示装置20に拡大画像を表示させておくことができる。このため、例えばユーザーは表示装置20の表示された全体画像又は拡大画像において表示範囲を繰り返し指定又は移動させることができる。また、ユーザーは表示範囲を指定又は移動する操作を繰り返した場合でも、表示が途切れることなく指定した範囲の画像を視認することが可能になる。また、ユーザーは、指定した範囲の高精細な画像を視認することが可能になる。
【0101】
上記構成は、第2実施形態に係る表示システム200においても同様に適用することができる。具体的には、表示装置20は、ユーザーから表示範囲を指定する操作を受け付けた場合に、高解像度画像P1のうち表示範囲に対応する部分を拡大した拡大画像(画像P11)を表示させ、その後、表示処理部111は、ユーザーから表示範囲を確定する操作を受け付けた場合に、表示装置20に表示された拡大画像を、複数の部分画像Q1のうち位置が確定した表示範囲に対応する部分画像Q1に切り替える。
【0102】
本発明の他の実施形態として、第1実施形態に係る表示システム100において、表示装置20は、複数の分割画像のそれぞれを読み込みが完了した順に表示させてもよい。例えば図6に示す例において、表示処理部111は、複数の分割画像P2のうち表示範囲A1に対応する分割画像P2として、分割画像p33~p36、p43~p46、p53~p56、p63~p66を特定した場合に、これら各分割画像の画像データを表示装置20に出力する。表示装置20の表示処理部212は、前記複数の分割画像のそれぞれを読み込みが完了した順に表示部24に表示させる。これにより、ユーザーは、画像出力装置10からの画像の読み込み状況を把握することができる。
【0103】
なお、画像出力装置10の表示処理部111は、前記複数の分割画像のそれぞれを所定の順に表示装置20に出力してもよい。また、画像出力装置10の表示処理部212は、現在の読み込み状況を表示部24に表示させてもよい。例えば、表示処理部212は、分割画像の全数(ここでは16枚)のうち現在表示中の分割画像の順番Nを識別可能な情報(例えば「N/16」)を表示させる。
【0104】
[開示の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される開示の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0105】
<付記1>
第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させる表示システムであって、
前記第1画像を、前記第2解像度よりも低解像度である第3解像度の複数の分割画像に分割する分割処理部と、
前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得する取得処理部と、
前記複数の分割画像のうち前記表示範囲に全て又は一部が重なる複数の第1分割画像を特定し、前記複数の第1分割画像に基づいて、前記表示範囲に対応する前記第2解像度の画像を前記表示装置に表示させる第1表示処理部と、
を備える表示システム。
【0106】
<付記2>
前記第1表示処理部は、前記表示範囲の境界の位置が前記第1画像の分割位置に一致する場合に、前記複数の分割画像のうち全てが前記表示範囲に重なる複数の第1分割画像を結合した画像を前記表示装置に表示させる、
付記1に記載の表示システム。
【0107】
<付記3>
前記第1表示処理部は、前記表示範囲の境界の位置が前記第1画像の分割位置に一致する場合に、画像出力装置から、前記複数の分割画像のうち全てが前記表示範囲に重なる複数の第1分割画像を前記表示装置に出力させ、前記表示装置において、前記複数の第1分割画像を結合した画像を表示させる、
付記1又は2に記載の表示システム。
【0108】
<付記4>
前記第1表示処理部は、前記表示範囲の境界の位置が前記第1画像の分割位置に一致しない場合に、前記複数の分割画像のうち全て又は一部が前記表示範囲に重なる複数の第1分割画像を結合した画像のうち前記表示範囲に含まれる部分を前記表示装置に表示させる、
付記1~3のいずれかに記載の表示システム。
【0109】
<付記5>
前記第1表示処理部は、前記表示範囲の境界の位置が前記第1画像の分割位置に一致しない場合に、画像出力装置から、前記複数の分割画像のうち全て又は一部が前記表示範囲に重なる複数の第1分割画像を前記表示装置に出力させ、前記表示装置において、前記複数の第1分割画像を結合させ、結合された画像のうち前記表示範囲に含まれる部分を表示させる、
付記1~4のいずれかに記載の表示システム。
【0110】
<付記6>
前記第1画像の全体を前記第2解像度に変換した第2画像を前記表示装置に表示させる第2表示処理部をさらに備え、
前記取得処理部は、前記表示装置に表示された前記第2画像に対してユーザーが指定した範囲を前記表示範囲として取得する、
付記1~5のいずれかに記載の表示システム。
【0111】
<付記7>
前記表示装置は、前記第2画像においてユーザーから前記表示範囲を指定する操作を受け付けた場合に、前記第2画像のうち前記表示範囲に対応する部分を拡大した拡大画像を表示させ、
前記第1表示処理部は、前記ユーザーから前記表示範囲を確定する操作を受け付けた場合に、前記表示装置に表示された前記拡大画像を、前記複数の第1分割画像に基づく前記画像に切り替える、
付記6に記載の表示システム。
【0112】
<付記8>
前記表示装置は、前記複数の第1分割画像のそれぞれを読み込みが完了した順に表示させる、
付記1~7のいずれかに記載の表示システム。
【0113】
<付記9>
第1解像度の第1画像を、前記第1解像度よりも低解像度である第2解像度の画像を表示可能な表示装置に表示させる表示システムであって、
前記第1画像に基づいて、前記第2解像度の複数の部分画像であって、それぞれが他の少なくとも一つの部分画像の一部と重複する複数の部分画像を生成する生成処理部と、
前記第1画像の全体に対してユーザーが指定した表示範囲を取得する取得処理部と、
前記複数の部分画像のうち前記表示範囲に対応する第1部分画像を前記表示装置に表示させる第1表示処理部と、
を備える表示システム。
【0114】
<付記10>
前記生成処理部は、それぞれが互いに、前記表示装置における画面スクロールのピッチだけずれた前記複数の部分画像を生成する、
付記9に記載の表示システム。
【0115】
<付記11>
前記第1画像の全体を前記第2解像度に変換した第2画像を前記表示装置に表示させる第2表示処理部をさらに備え、
前記取得処理部は、前記表示装置に表示された前記第2画像に対してユーザーが指定した範囲を前記表示範囲として取得する、
付記9又は10に記載の表示システム。
【0116】
<付記12>
前記表示装置は、前記第2画像においてユーザーから前記表示範囲を指定する操作を受け付けた場合に、前記第2画像のうち前記表示範囲に対応する部分を拡大した拡大画像を表示させ、
前記第1表示処理部は、前記ユーザーから前記表示範囲を確定する操作を受け付けた場合に、前記表示装置に表示された前記拡大画像を、前記複数の部分画像のうち位置が確定した前記表示範囲に対応する前記第1部分画像に切り替える、
付記11に記載の表示システム。
【符号の説明】
【0117】
100 :表示システム
200 :表示システム
10 :画像出力装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :出力部
15 :出力部
111 :表示処理部
112 :分割処理部
113 :取得処理部
114 :生成処理部
20 :表示装置
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作部
24 :表示部
25 :入力部
211 :取得処理部
212 :表示処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
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図20
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図22
図23
図24